JP7040718B2 - 免震建物の構築方法 - Google Patents

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本発明は、免震建物の構築方法に関する。
下記特許文献1には、免震層を備えた既存建物と間隔を空けて、免震層を備えた増築建物を構築する増築方法が記載されている。この増築方法においては、増築建物を構築した後、既存建物と増築建物とを剛性部材で連結している。
特開2014-227777号公報
上記特許文献1の増築方法では、既存建物と増築建物との間隔が狭い場合、既存建物と増築建物とを剛性部材で連結する前に地震が発生すると、既存建物と増築建物とが衝突する可能性がある。
本発明は上記事実を考慮して、隣接した2つの棟を免震装置を働かせた状態で構築しても、互いに衝突し難い免震建物の構築方法を提供することを目的とする。
請求項1の免震建物の構築方法は、第1免震装置に支持された第1棟を、前記第1免震装置を働かせた状態で構築する工程と、前記第1棟と隣接して第2免震装置に支持された第2棟を、前記第2免震装置を働かせた状態で構築する工程と、前記第2棟の構築前又は構築中に、前記第1棟の前記第2棟側への変位又は前記第2棟の前記第1棟側への変位を抑制する変位抑制手段を設置する工程と、前記第1棟と前記第2棟とを連結し、前記変位抑制手段を撤去する工程と、を備える。
請求項1の免震建物の構築方法では、地震が発生すると第1棟及び第2棟が互いに近づく方向へ変位する場合がある。しかし、変位抑制手段により第1棟が第2棟側へ変位すること、又は、第2棟が第1棟側へ変位することが抑制される。このため、免震装置を働かせた状態で第1棟及び第2棟を構築しても、第1棟と第2棟とが衝突し難い。
また、第1棟と第2棟とを連結した後、変位抑制手段を撤去する。これにより、第1棟と第2棟とを連結して形成された建物は変位が抑制されず、免震装置による免震効果を十分に発揮できる。
請求項2の免震建物の構築方法は、前記変位抑制手段は、第2棟の下方に配置され、前記第1免震装置及び前記第2免震装置が設置された基礎部に固定されたストッパーであり、前記第2棟の下部に設けられた接触部からの離隔距離が前記第1免震装置及び前記第2免震装置の許容変位未満とされている。
請求項2の免震建物の構築方法では、第2棟が変位すると、免震装置の許容変位に達する前に、接触部が基礎部に固定されたストッパーと当接して変位が抑制される。このため、第1棟と第2棟を近接して構築することができる。
請求項3の免震建物の構築方法は、前記ストッパーは複数のH型鋼を用いて形成され、前記H型鋼のフランジが前記第2棟の前記接触部と対向している。
請求項3の免震建物の構築方法では、第2棟が変位すると、第2棟の接触部が、複数のH型鋼のフランジと面接触する。このため、第2棟がストッパーから受ける押圧力が分散される。これにより第2棟が損傷し難い。
請求項4の免震建物の構築方法は、前記接触部は、前記第2棟の壁面である。
請求項5の免震建物の構築方法は、前記変位抑制手段は、前記第1免震装置及び前記第2免震装置が設置された前記基礎部および前記第2棟に設けられたストッパーとされ、前記ストッパーは、底辺が前記基礎部に固定された台形状の第一枠状部と、底辺が前記第2棟に固定された台形状の第二枠状部と、を備え、前記第一枠状部の脚と、前記第二枠状部の脚と、が互いに対向して配置されている
本発明に係る免震建物の構築方法によると、隣接した2つの棟を免震装置を働かせた状態で構築しても、2つの棟が互いに衝突し難い。
本発明の第1実施形態に係る免震建物の構築方法によって構築された建物において、ストッパーの撤去前の状態を示す立面図である。 本発明の第1実施形態に係る免震建物の構築方法に用いられるストッパーを示す立面図である。 本発明の第2実施形態に係る免震建物の構築方法に用いられるストッパーを示す立面図である。 本発明の第3実施形態に係る免震建物の構築方法に用いられるストッパーを示す平面図である。
[第1実施形態]
(免震建物)
本発明の第1実施形態に係る免震建物の構築方法は、図1に示すように、工期を分けて構築される免震建物10に適用される。免震建物10の第1棟12は、第2棟14に先行して構築される。また、第1棟12と第2棟14の構築後に、第1棟12と第2棟14とが連結部16で連結される。
免震建物10は、高低差を有する敷地Gに形成された鉄筋コンクリート製の基礎床版20の上方に、免震装置30を介して構築される。基礎床版20は、敷地Gの高低差に応じて形成された上段部22と下段部24とを備えている。上段部22と下段部24との間には、上段部22と下段部24とを連結する擁壁26が構築されており、また、上段部22及び下段部24の周縁部には土圧に抵抗する擁壁28が構築され、免震ピットが形成されている。
第1棟12は、鉄筋コンクリート製の構造物であり、基礎床版20の上段部22に設置された免震装置30の上部に構築される。また、第1棟12は、擁壁28との間に免震クリアランスとして距離Aを空けて構築される。この距離Aは、免震装置30の許容変位(変位σ、図2参照)以上とされている(距離A≧変位σ)。つまり、地震時に第1棟12が揺れた際、揺れの振幅が免震装置30の許容変位より小さければ、第1棟12と擁壁28とが接触することはない。
第2棟14は、鉄筋コンクリート製の構造物であり、基礎床版20の上段部22に設置された免震装置30及び下段部24に設置された免震装置30の上部に構築される。すなわち、第2棟14は、上段部22及び下段部24の高さに応じた下端面14A及び下端面14Bを備えている。下端面14Aと下端面14Bとの間には、下端面14Aと下端面14Bとを連結する段差部14Cが構築されている。
段差部14Cは、本発明における接触部の一例であり、上下方向及び図1の紙面前後方向に平行に形成されたコンクリート壁面である。
第2棟14は、第1棟12と同様に、擁壁28との間に距離Aを空けて構築される。このため、地震時に第2棟14が揺れた際、揺れの振幅が免震装置30の許容変位より小さければ、第2棟14と擁壁28とが接触することはない。
連結部16は、第1棟12と第2棟14とを連結する部分であり、第1棟12と第2棟14とを構造的に一体化する。連結部16の幅、すなわち第1棟12と第2棟14との離隔距離は距離Bとされている。第1棟12と第2棟14とは、連結部16によって連結されることにより、地震時には同一方向に一体的に揺れる。換言すると、第1棟12と第2棟14とは、連結部16によって連結される前は、それぞれが別々に揺れる。このため、第1棟12と第2棟14とは、同一の方向へ揺れる場合や、互いに離れる方向へ揺れる場合、互いに近づく方向へ揺れる場合がある。
なお、本実施形態において第1棟12及び第2棟14は、鉄筋コンクリート製の構造物としているが、本発明の実施形態はこれに限らない。たとえば第1棟12及び第2棟14は、鉄骨造の構造物としてもよい。あるいは、柱を鉄筋コンクリートで形成し梁を鉄骨で形成した構造物としてもよい。
(ストッパー)
第2棟14の段差部14Cと基礎床版20の擁壁26との間には、本発明における変位抑制手段の一例としてのストッパー40が設置されている。なお、図1においてストッパー40は簡略化して示されているが、図1における一点鎖線で囲んだ範囲を拡大した図2に示すように、ストッパー40は、支柱42と、コマ材44と、緩衝材46と、ストッパーレール48と、を備えている。
支柱42は、H型鋼を用いて形成され、下端部がベースプレートを介して基礎床版20の下段部24にアンカーボルトで固定されている。支柱42は、強軸方向(ウェブの延設方向)が段差部14Cと擁壁26とが対向する方向に沿うように配置される。
コマ材44は、H型鋼を用いて形成され、支柱42にボルト固定されている。コマ材44は、支柱42における擁壁26と対向する側面に、上下方向に複数設置されている。コマ材44は擁壁26にアンカーボルトで固定されるが、固定作業の際、コマ材44と擁壁26の間にはゴム製の緩衝材46が挟まれる。
支柱42は、コマ材44が接合された状態で擁壁26に沿って(図2における紙面の前後方向へ)複数立設される。この複数の支柱間には、ストッパーレール48が架け渡される。
ストッパーレール48はH型鋼を用いて形成され、軸方向が横方向に沿うように、上下方向に複数並べて配設される。また、ストッパーレール48は、一方のフランジが支柱42に固定され、他方のフランジが第2棟14の段差部14Cと距離αを空けて対向して配置される。
距離αは、上述した距離A(図1参照)より小さい。すなわち、第2棟14とストッパーレール48との離隔距離(距離α)は、第2棟14と擁壁28との離隔距離(距離A)より小さい(距離α<距離A)。また、距離αは、免震装置30の許容変位(変位σ)より小さい(距離α<変位σ)。
(免震建物の構築方法)
図1に示す免震建物10を構築するためには、まず、敷地Gに基礎床版20を形成し、免震装置30を設置する。次に、免震装置30の上部に第1棟12を構築する。第1棟12の構築中及び構築後、免震装置30は動作可能な状態で設置しておく。
次に、免震装置30の上部に第2棟14を構築する。なお、第2棟14を支持する免震装置30は、第1棟12を支持する免震装置30と同じタイミングで設置してもよいが、管理手間を削減するため、第1棟12の構築後で第2棟14を構築する前に構築することが好ましい。
第2棟14を構築中又は第2棟14を構築するまでの任意のタイミングで、ストッパー40を設置する。ストッパー40を第2棟14の構築中に設置する場合は、ストッパー40の設置が完了するまでは、第2棟14が大きく変位することを抑制するため、第2棟14を支持する免震装置30が作動しないようにロックしておくことが好ましい(ストッパー40設置後、ロックを外す)。又は、第2棟14における第1棟12と隣接する部分を施工し始める前に、ストッパー40の設置を完了することが好ましい。
第2棟14を構築後、第1棟12と第2棟14とを連結する連結部16を構築する。連結部16は、第1棟12と第2棟14との間で水平力を伝達できる程度に十分な剛性を備えた構造躯体、例えば第1棟12の柱と第2棟14の柱との間に架け渡される梁などで構成される。また、第1棟12と第2棟14との間を往来可能なように、第1棟12と第2棟14とを連通する連通空間を備える。
最後に、ストッパー40を撤去する。
(作用・効果)
第1実施形態に係る免震建物の構築方法によると、図2に示すように、第2棟14の段差部14Cと基礎床版20の擁壁26との間に、ストッパー40が設置される。このストッパー40におけるストッパーレール48は、第2棟14の段差部14Cと距離αを空けて対向して配置される。
これにより、第2棟14が第1棟12に近づく方向(図2に示す矢印L方向)へ変位した際、距離αだけ変位した時点で、第2棟14の段差部14Cとストッパーレール48とが接触する。つまり、第2棟14が、距離αより大きな振幅で揺れようとした場合においても、第1棟12に近づく方向への振幅は距離α以下となる。
このため、図1に示すように、第1棟12と第2棟14との離隔距離(距離B)を、ストッパー40を設けない場合と比較して小さくすることができる。すなわち、ストッパー40を設けない場合は、第2棟14の揺れは抑制されないため、第1棟12と第2棟14との離隔距離(距離B)を「距離Aの2倍以上の距離」とすることが好ましい。これに対して、ストッパー40を設けることで、第1棟12と第2棟14との離隔距離(距離B)を「距離Aと距離αの和以上の距離」とすれば足りる。
このように、第1実施形態に係る免震建物の構築方法によると、隣接した2つの棟(第1棟12及び第2棟14)を免震装置30を働かせた状態で構築しても、2つの棟が互いに衝突し難くなる。このため、第1棟12と第2棟14を近接して構築することができる。第1棟12と第2棟14を近接して構築することにより、第1棟12と第2棟14とを十分に離隔して構築する場合と比較して、狭い敷地で免震建物10を構築できる。
また、第1実施形態に係る免震建物の構築方法では、第1棟12と第2棟14とを連結部16で連結した後、ストッパー40を撤去する。第1棟12と第2棟14とを連結部16で連結することにより、第2棟14は、第1棟12と一体となって揺れる。また、ストッパー40を撤去することにより、第2棟14は、距離αより大きく揺れることができる。これにより、免震装置30の免震機能を十分に発揮できる。
また、第1実施形態に係る免震建物の構築方法では、第2棟14が変位すると、第2棟14の段差部14Cが、複数のストッパーレール48のフランジと面接触する。このため、ストッパーレール48が一本の場合と比較して、第2棟14がストッパー40から受ける押圧力が分散される。これにより第2棟14が損傷し難い。
[第2実施形態]
(ストッパー)
第2実施形態に係る免震建物の構築方法は第1実施形態と同様であるが、ストッパーの構成が、以下の点で相違する。
図3に示すように、第2実施形態におけるストッパー50は、支柱52と、台座54と、ブレース55と、緩衝材56と、ストッパーレール58と、を備えている。
支柱52は、H型鋼を用いて形成され、下端部がベースプレートを介して基礎床版20の下段部24にアンカーボルトで固定される。支柱52は、強軸方向(ウェブの延設方向)を第2棟14の段差部14Cと擁壁26とが対向する方向に沿って配置される。なお、図3に示すように、第2実施形態においては、段差部14Cと擁壁26との離隔距離が、第1実施形態と比較して大きい。
台座54は、H型鋼を用いて構成され、フランジが基礎床版20の下段部24にアンカーボルトで固定される。また、台座54の一方の端部は支柱52の下端部に溶接で固定されている。
ブレース55は、台座54の他方の端部(支柱52の下端部に溶接で固定された端部と反対側の端部)と支柱52の上端部との間に架け渡されたブレース55Aと、台座54の中央部と支柱52の中央部との間に架け渡されたブレース55Bと、で構成されている。ストッパー50は、このブレース55により、地震時にストッパーレール58が第2棟14から受ける水平力に抵抗できる。
ストッパーレール58はH型鋼を用いて形成され、軸方向が横方向に沿うように、上下方向に複数並べて配設される。また、ストッパーレール58は、一方のフランジが緩衝材56を介して支柱52に固定され、他方のフランジが第2棟14の段差部14Cと距離αを空けて対向して配置される。
(効果)
第2実施形態においては、段差部14Cと擁壁26との離隔距離が、第1実施形態と比較して大きい。このため、ここに図2に示す第1実施形態のストッパー40を設置した場合、ストッパー40(ストッパーレール48)と段差部14Cとの離隔距離が大きく、第2棟14の変位を抑制することが難しい。
第2実施形態におけるストッパー50は、第2棟14と擁壁26とが離れている場合でも、第2棟14の変位を抑制できる。すなわち、ストッパー50は、台座54を基礎床版20の下段部24へ固定することにより地震時に第2棟14から受ける水平力に対する抵抗力を確保できるため、擁壁26を必要としない。
このため、ストッパー50は、基礎床版20の任意の場所へ設置できる。また、上段部22及び下段部24を備えない、平坦な基礎床版の上にも設置できる。ストッパー50を任意の場所へ設置する場合、第2棟14の下部に、ストッパー50のストッパーレール58と距離αだけ離隔した位置に、地震時にストッパーレール58と接触可能な接触部を設ければよい。
また、ストッパー50は、ブレース55の剛性を調整することで、ストッパーとしての機能の他、地震エネルギーを吸収する機能を付加することができる。すなわち、ブレース55の剛性を小さくすれば、所定値以上の地震力が入力された際に、ブレース55を塑性変形させて、地震エネルギーを吸収できる。
[第3実施形態]
(ストッパー)
第3実施形態に係る免震建物の構築方法は第1実施形態と同様であるが、ストッパーの構成が、以下の点で相違する。
図4に示すように、第3実施形態におけるストッパー60(ストッパー60A、60B)は、擁壁28と第2棟14(壁面14D)の双方に取り付けられる。ストッパー60は、H型鋼を、それぞれのH型鋼が四角形の各辺を形成するように組合わせて形成された枠状部62と、枠状部の対角線上に架け渡されて枠状部を補剛するブレース64と、を備えている。擁壁28は、図1に示す紙面奥側及び手前側の擁壁28である。
ストッパー60の枠状部62は、平面視で台形状に形成されている。擁壁28に固定されたストッパー60Aを例にとって説明すると、枠状部62の辺62A(台形の下底)が、擁壁28にボルト接合されている。この辺62Aと、辺62Aに対して平行に延設された辺62B(台形の上底)とを連結する辺62Cは、擁壁28の壁面に対して傾斜して配置されている。
第2棟14(壁面14D)に固定されたストッパー60Bも同様の構成とされており、ストッパー60Aの枠状部62における辺62Cと、ストッパー60Bの枠状部62における辺62Cとが、互いに対向して配置される。
2つの辺62Cの離隔距離は、擁壁28と壁面14Dとが対向する方向(図4に示すX方向、図1におけるL方向及びR方向と直交する方向)においては距離βとされ、擁壁28及び壁面14Dに沿う方向(図4に示すX方向と直交するY方向、図1におけるL方向及びR方向と平行な方向)においては距離αとされている。なお、辺62Cが、擁壁28又は壁面14Dの壁面と成す角度を角度θとすると、角度θ=tan-1(β/α)である。
(効果)
第3実施形態においては、第2棟14がX方向に距離βだけ変位すると、ストッパー60Aとストッパー60Bとが接触し、距離βより大きな第2棟14の変位が抑制される。同様に、第2棟14がY方向に距離αだけ変位すると、ストッパー60Aとストッパー60Bとが接触し、距離αより大きな第2棟14の変位が抑制される。
このように、第3実施形態のストッパー60を用いることで、第2棟14がどの方向に変位しても、第2棟14の変位を抑制できる。例えば、図1に示す第1棟12と異なる方向、すなわち紙面前後方向に別棟が隣接しているような場合において、当該別棟との衝突を抑制できる。
なお、第2棟14がX方向及びY方向へ変位できる距離(距離β、α)やその比率は、ストッパー60A、60Bの取り付け位置を調整することや、角度θを調整することで自由に設定できる。
また、ストッパー60は、第2棟14と擁壁28とが対向する部分だけではなく、第2棟14と、図1の紙面前後方向に形成された擁壁26とが対向する部分に設けてもよい。このようにしても、第2棟14のX方向及びY方向への変位を抑制できる。
以上の説明においては、擁壁26にストッパー40を設ける第1実施形態、基礎床版20にストッパー50を設ける第2実施形態、擁壁28及び第2棟14にストッパー60を設ける第3実施形態について説明したが、本発明の実施形態はこれに限らない。
例えば第1実施形態におけるストッパー40(図2参照)の上下左右を逆向きにして、第2棟14に固定してもよい。このようにすることでも、第2棟14が変位した際には、ストッパーレール48と擁壁26とが接触することにより、第2棟14の変位を抑制することができる。
また、以上の実施形態においては、第1棟12の後に構築する第2棟14の変位を抑制するストッパーについて説明したが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば、第2実施形態のストッパー50を第1棟12の下方に設けることで、第1棟12の変位を抑制してもよい。第1棟12の下方の敷地に高低差がある場合は、基礎床版に段差部を設けて、第1実施形態のストッパー40や第3実施形態のストッパー60を適用することもできる。
さらに、ストッパーは、第1棟12と、第2棟14の双方の変位を抑制するように、第1棟12及び第2棟14の双方に対して設けてもよい。このようにすることで、第1棟12と第2棟14との離隔距離をさらに小さくできる。このように、本発明は様々な態様で実施することができる。
10 免震建物
12 第1棟
14 第2棟
14C 段差部(接触部)
20 基礎床版(基礎部)
22 上段部(基礎部)
24 下段部(基礎部)
26 擁壁(基礎部)
28 擁壁(基礎部)
30 免震装置
40 ストッパー(変位抑制手段)
48 ストッパーレール(H型鋼)
50 ストッパー(変位抑制手段)
58 ストッパーレール(H型鋼)
60 ストッパー(変位抑制手段)

Claims (5)

  1. 第1免震装置に支持された第1棟を、前記第1免震装置を働かせた状態で構築する工程と、
    前記第1棟と隣接して第2免震装置に支持された第2棟を、前記第2免震装置を働かせた状態で構築する工程と、
    前記第2棟の構築前又は構築中に、前記第1棟の前記第2棟側への変位又は前記第2棟の前記第1棟側への変位を抑制する変位抑制手段を設置する工程と、
    前記第1棟と前記第2棟とを連結し、前記変位抑制手段を撤去する工程と、
    を備えた免震建物の構築方法。
  2. 前記変位抑制手段は、第2棟の下方に配置され、前記第1免震装置及び前記第2免震装置が設置された基礎部に固定されたストッパーであり、前記第2棟の下部に設けられた接触部からの離隔距離が前記第1免震装置及び前記第2免震装置の許容変位未満とされている、請求項1に記載の免震建物の構築方法。
  3. 前記ストッパーは複数のH型鋼を用いて形成され、前記H型鋼のフランジが前記第2棟の前記接触部と対向している、請求項2に記載の免震建物の構築方法。
  4. 前記接触部は、前記第2棟の壁面である、請求項3に記載の免震建物の構築方法。
  5. 前記変位抑制手段は、前記第1免震装置及び前記第2免震装置が設置された基礎部および前記第2棟に設けられたストッパーとされ、
    前記ストッパーは、
    底辺が前記基礎部に固定された台形状の第一枠状部と、底辺が前記第2棟に固定された台形状の第二枠状部と、を備え、
    前記第一枠状部の脚と、前記第二枠状部の脚と、が互いに対向して配置されている、
    請求項1に記載の免震建物の構築方法。
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