JP7040208B2 - 電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いた電解コンデンサに関する。
電解コンデンサは、アルミニウム、タンタルなどの絶縁性酸化皮膜層が形成され得るいわゆる弁金属を陽極に用い、その表面を陽極酸化処理等によって前記の絶縁性の酸化皮膜を誘電体層として形成したものを陽極側電極に用いる。そして、この例として図1に例示されるような巻回型素子構造が一般に知られており、陽極側電極箔(1)に対向させて陰極側電極箔(2)を配置し、陽極側電極箔と陰極側電極箔の間にセパレータ(3)を介在させ、このセパレータに電解液を保持させている。これを図2に示すようなアルミニウム等の材質の外装ケース(5)に入れ、該ケースをブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴムなどのゴムパッキン(6)を介してフェノール樹脂積層板、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィドなどの封口板(7)を用いて密閉した構造となっている。
酸化アルミニウムを誘電体に用いたアルミ電解コンデンサでは、陽極側電極は、通常表面積の拡大のためエッチング処理されている。電解液は、この陽極側電極の凹凸面に密接して、陰極側電極の電界を伝達する実質的な陰極として機能するものである。このため電解液の電気伝導率、温度特性などが電解コンデンサとしての電気的特性〔インピーダンス、誘電損失(tanδ)、等価直列抵抗(ESR)等〕を決定する要因となっている。又、電解液には、絶縁性の酸化皮膜の劣化や損傷を修復する役割(化成性)が要求され、これが電解コンデンサの漏れ電流(LC)や寿命特性へ影響を及ぼす。このように、電解液は電解コンデンサの特性を左右する重要な構成要素である。
電解液の電気伝導率は、電解コンデンサのエネルギー損失、インピーダンス特性などに直接関わることから、高い電気伝導率を有する電解液が好ましい。一方、安全性に対する要求の高まりから、電解コンデンサに対して定格電圧を越える異常電圧が印加されるような過酷な条件下においても、ショートや発火を起こさないようにより高い耐電圧性を有する電解コンデンサが求められている。しかしながら、一般的に、用いる電解液の電気伝導率が高くなると電解コンデンサの耐電圧性は低下する傾向にあり、電解コンデンサの開発を困難なものにしている(非特許文献1)。
そこで、高い電気伝導率を有する電解液を使用しながら、高い耐電圧性が得られ、更に温度特性や長期使用に対する高い信頼性を得るために、電解液の添加剤としてシランカップリング剤やシランカップリング剤オリゴマー、変性シリコーン等を添加することが知られている(特許文献1~3)。
また、電解液にシリカコロイド粒子を添加することにより、電解液の高い電気伝導率を維持しつつ耐電圧性を向上させる技術が提案されている(特許文献4~6)。
特開平3-257811号公報 特開平6-310378号公報 特開平1-245508公報 特開平1-232713号公報 特開平6-151250号公報 特開2003-203827号公報
宇恵ら、ニューキャパシタ、3巻、55頁、1996年
シランカップリング剤を添加剤として用いた場合の効果としては、シランカップリング剤から得られるケイ素化合物の層が電極の酸化皮膜表面の水和反応を抑制し、静電容量の減少を抑制するものと考えられる。しかしながら、シランカップリング剤は通常分子量が小さく十分な架橋構造を形成しにくいため、電極表面の保護効果が小さく、高温中で使用する場合の漏れ電流の抑制が出来ないという問題があった。
これを改良するため、シランカップリング剤をオリゴマー化し、保護層を均一形成することで、高温での安定性を向上させる検討もされているが、未だ十分ではない。
変性シリコーン等を添加した電解液は、電解液溶媒への溶解性や安定性は優れるものの、シリコーン部分の構造が直鎖状であり、電極を保護できる層を得にくく、耐電圧性が低い問題があった。
また、シリカコロイド粒子を含有した電解液では初期の耐電圧性は高いものの、寿命試験中に耐電圧性が低下する等、長期寿命の点で問題があった。これは、シリカコロイドの電解液溶媒への分散安定性が悪くゲル化を起こすことが一因である。従って、シリカコロイドの分散安定性もしくは溶解性の良い溶媒を選択する必要があるため、その結果、電解液に使用できる溶媒が限定されるという点が問題となっていた。
これらの課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、官能基で修飾した特定構造のポリオルガノシロキサンが、各種溶媒への溶解性に優れ、電解液としての安定性も高く、高耐電圧性を得られる電解コンデンサを実現することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、
(1)下記一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンを含有する電解コンデンサ用電解液、
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2(O1/2(O1/2H) ・・・(1)
(ここで、上記式(1)中、RからRは各々独立して、炭素数1~10の炭化水素基、官能基を有する基、及び水素原子から選択され、Rは、炭素数1~8の有機基である。ただし、RからRのうち少なくとも一つは官能基を有する基又は水素原子であり、官能基はケイ素に直接結合していても、シロキサン結合以外の連結基を介して結合していてもよく、a+b+c+d=1、a≧0.1、b≦0.5、c+d≧0.1、e+f≦1.0である。)、
(2) 請求項1に記載の一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンが連結基を介して、自己結合、又は他のポリオルガノシロキサンと結合した連結ポリオルガノシロキサンを含有する、電解コンデンサ用電解液、
(3)前記ポリオルガノシロキサン及び/又は連結ポリオルガノシロキサンが含む官能基が、アルケニル基、アルキニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、アシル基、環状エーテル基、水酸基、アセトキシ基、モノヒドロキシシリル基、ジヒドロキシシリル基、トリヒドロキシシリル基、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、及びトリアルコキシシリル基、並びにケイ素とヒドロシリル基を形成する水素原子からなる群から選択される少なくとも1つの基を含む、(1)又は(2)に記載の電解コンデンサ用電解液、
(4)前記ポリオルガノシロキサン及び/又は連結ポリオルガノシロキサンは、分子量1000当たりのケイ素に結合した官能基の数が3~12個である、(1)乃至(3)に記載の電解コンデンサ用電解液、
(5)前記ポリオルガノシロキサン及び/又は連結ポリオルガノシロキサンは、ポリスチレン換算によるGPC測定結果として、数平均分子量Mnが600以上、50000以下である、(1)乃至(4)のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液、
(6)エチレングリコール及び/またはγ-ブチロラクトンを含有する、(1)乃至(5)のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液、
(7)有機酸及び/または無機酸のオニウム塩を含有する、(1)乃至(6)のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液、
(8)陽極、アルミニウムからなる陰極、(1)乃至(7)のいずれかに記載の電解液を備える、アルミニウム電解コンデンサ、
に存する。
本発明者らは、官能基で修飾した特定構造のポリオルガノシロキサンが、各種溶媒への溶解性に優れ、電解液としての安定性も高く、高耐電圧性を得られる電解コンデンサを実現することが可能であることを見出した。
本発明の特定構造のポリオルガノシロキサンは、その構造の中にM単位と、T単位及び/又はQ単位を用い、また、D単位を必要以上に多く用いないことから、適度な架橋構造、分岐構造、環状構造を有した構造となり、電極の保護層としての強度、均一性が高くなり、高耐電圧性を得ることができるものと考えられる。また、通常のポリオルガノシロキサンは非常に極性が低いため、そのままでは電解液中の溶質や溶媒との相溶性が低く凝集したり分離したりするが、官能基で修飾することにより、電解液に用いられる各種の有機溶媒への溶解性が高くなり、どのような電解液にも使用することが可能となる。また、ヒドロキシシリル基やアルコキシシリル基が縮合反応を起こすことや、ヒドロキシシリル基やアルコキシシリル基と官能基の反応や相互作用、ヒドロキシシリル基やアルコキシシリル基と官能基と電極表面との反応や相互作用により、電極の保護層としての強度や電極との結合力も更に高くなり、高耐電圧性を得られるものと考えられる。
巻回型電解コンデンサの中心部分の構造の一例を示す説明図である。 外装ケースを有する電解コンデンサの構造の一例を示す説明図である。 実施例における合成例1で得られたポリオルガノシロキサンのH-NMR測定結果を示す図である。 実施例における合成例2で得られたポリオルガノシロキサンのH-NMR測定結果を示す図である。 実施例における合成例3で得られたポリオルガノシロキサンのH-NMR測定結果を示す図である。 実施例における合成例4で得られたポリオルガノシロキサンのH-NMR測定結果を示す図である。 実施例における合成例5で得られたポリオルガノシロキサンのH-NMR測定結果を示す図である。 実施例における合成例6で得られたポリオルガノシロキサンのH-NMR測定結果を示す図である。 実施例における合成例8で得られたポリオルガノシロキサンのH-NMR測定結果を示す図である。 実施例における合成例9で得られたポリオルガノシロキサンのH-NMR測定結果を示す図である。 実施例における合成例10で得られたポリオルガノシロキサンのH-NMR測定結果を示す図である。 実施例における合成例11で得られたポリオルガノシロキサンのH-NMR測定結果を示す図である。 実施例における合成例12で得られたポリオルガノシロキサンのH-NMR測定結果を示す図である。 実施例における合成例13で得られたポリオルガノシロキサンのH-NMR測定結果を示す図である。
以下において、本発明の一形態である電解コンデンサ用電解液および電解コンデンサについて詳細に説明する。
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
電解コンデンサ用電解液は、少なくとも溶媒、溶質、特定の一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンを含んでいる。
(ポリオルガノシロキサン)
本発明の一形態である電解コンデンサ用電解液に含有されるポリオルガノシロキサンは、下記一般式(1)で表されるものである。
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2(O1/2(O1/2H) ・・・(1)
ここで、上記式(1)中、RからRは各々独立して、炭素数1~10の炭化水素基、官能基を有する基、及び水素原子から選択され、Rは、炭素数1~8の有機基である。ただし、RからRのうち少なくとも一つは官能基を有する基又は水素原子であり、官能基はケイ素に直接結合していても、シロキサン結合以外の連結基を介して結合していてもよく、a+b+c+d=1、a≧0.1、b≦0.5、c+d≧0.1、e+f≦1.0である。
以下、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンを、単に「ポリオルガノシロキサン」とも称する。
一般式(1)の意味するところは、ポリオルガノシロキサンは、aで表される全ケイ素に対するM単位(RSiO1/2)の含有量が10mоl%以上であり、bで表される全ケイ素に対するD単位(RSiO2/2)の含有量が50mоl%以下であり、cで表される全ケイ素に対するT単位(RSiO3/2)の含有量とdで表されるQ単位(SiO4/2)の含有量との合計が10mol%以上であり、ポリオルガノシロキサン主鎖を構成する全ケイ素を1とした場合、eで表されるポリオルガノシロキサン主鎖に酸素原子を介して結合する有機基の含有量とfで表されるポリオルガノシロキサン主鎖に直接結合するヒドロキシル基の含有量との合計であるe+fが1.0以下であり、RからRは各々独立して、炭素数1~10の炭化水素基、官能基を有する基、及び水素原子から選択され、Rは、炭素数1~8の有機基であることを意味している。
官能基を有する基とは、一般式(1)中のケイ素に直接結合している官能基であるか、一般式(1)中のケイ素に連結基を介して官能基が存在する基を意味している。
また、ポリシロキサンの主鎖中の、ケイ素を含む単位の割合を示す数値の基準として、a+b+c+dを1としたときの数値でa,b,c,dを定義する。
一般式(1)中、M単位割合を示すaは0.1以上であり、好ましくは0.2以上である。またaは1未満であり、好ましくは0.8以下であり、より好ましくは0.7以下である。aが上記範囲であることで、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンの分子量の制御が容易となり、より具体的には分子量を小さすぎない適当な範囲にしやすくなるとともに、適度な架橋構造、分岐構造、又は環状構造を有した構造となり、電極の保護
層の強度や均一性を高めることができるため好ましい。
また、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、式(1)中、D単位割合を示すbは0.5以下であり、好ましくは0.4以下であり、より好ましくは0.3以下であり、0であってもよい。式(1)中bが上記範囲であることで、ポリオルガノシロキサンが適度な架橋構造、分岐構造、又は環状構造を有した構造となり、電極の保護層の強度や均一性を高めることができて好ましい。
また、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、T単位割合を示すc、及びQ単位割合を示すdに関して、c+dは0.1以上であり、好ましくは0.15以上であり、より好ましくは0.2以上である。また、c+dは好ましくは0.9以下であり、より好ましくは0.8以下である。一般式(1)中c+dが上記範囲であることで、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンが適度な架橋構造、分岐構造、又は環状構造を有した構造となり、電極の保護層の強度や均一性を高めることができて好ましい。
また、官能基で修飾する母体となるポリオルガノシロキサンに酸素原子を介して結合する有機基とヒドロキシル基との合計を意味するe+fは1.0以下であり、0.5以下が好ましく、より好ましくは0.2以下である。この数値を前述の範囲にすると、母体となるポリオルガノシロキサンの保管安定性が向上するという点で好ましい。またe+fは0.001以上であると、官能基や電極表面との反応や相互作用を起こし、電極の保護層としての強度や電極との結合力が高くなることが考えられることから好ましい。
また、一般式(1)中、RからRは各々独立して、炭素数1~10の炭化水素基、官能基を有する基、及び水素原子から選択されり。ただし、RからRのうち少なくとも一つは官能基を有する基又は水素原子であり、官能基はケイ素に直接結合していても、シロキサン結合以外の連結基を介して結合(本願では、「連結基を有して結合」と称する場合もある)していてもよい。
炭素数1~10の炭化水素基は、炭素数がこの範囲内であって、他の基との反応性を有さないものであれば特に限定されず、直鎖アルキル基であるメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基のほか、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソアミル基、sec-アミル基、tert-アミル基、テキシル基、2-エチルヘキシル基などの分岐構造を有する基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、1-フェニルエチル基、ナフチル基などの環状構造を有する基が挙げられる。
ポリオルガノシロキサンが含む官能基の種類は、他の基との反応性を有する基であれば特段限定されず、分岐構造、又は環状構造を含んでいてもよいが、溶解性や安定性、電極表面との反応や相互作用、電極の保護層としての強度や電極との結合力などの観点から、アルケニル基、アルキニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、アシル基、環状エーテル基、水酸基、アセトキシ基、モノヒドロキシシリル基、ジヒドロキシシリル基、トリヒドロキシシリル基、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、及びトリアルコキシシリル基、並びにケイ素とヒドロシリル基を形成する水素原子からなる群から選択される少なくとも1つの基を含むことが好ましい。これらは一種類のみ用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。
このうち、より好ましくは環状エーテル基、水酸基、モノヒドロキシシリル基、ジヒドロキシシリル基、トリヒドロキシシリル基、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、及びトリアルコキシシリル基からなる群から選択される少なくとも1つの基である。環状エーテル基としてはエポキシ基を有する基が特に好ましい。エポキシ基としては、
グリシジルオキシ基、脂環式エポキシ基、オキシラニル基などが好適に用いられ、オキシラニル基が特に好ましい。
これらの官能基は、使用する溶媒へのポリオルガノシロキサンの溶解性や分散安定性を高めたり、あるいは電解液中やコンデンサ中での溶質との相互作用や反応、ポリオルガノシロキサン同士の相互作用や縮合反応を起こしたり、また電極表面と反応や相互作用を起こしたりすることにより、耐電圧性を向上させることに効果を示すのではないかと考えられる。これらの官能基を導入したポリオルガノシロキサンを添加することにより、有機修飾シリカコロイド粒子を添加すると溶媒や溶質と反応してゲル化を起こしてしまいやすい、という問題を回避して耐電圧性を向上させることができる。
これらの官能基は、一般式(1)中のケイ素に直接結合していても、シロキサン結合以外の連結基を介して結合していてもよい。この連結基はシロキサン結合を含むものでなければ特段限定されないが、通常は2価の有機基が好ましく、分岐構造、環状構造、又はその両方の構造を含んでいてもよく、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、又はリン原子などのヘテロ原子を含んでいてもよい。具体的には例えば、炭素数1~10の直鎖アルキレン基や分岐アルキレン基、シクロへキシレン基、フェニレン基などの環状炭化水素基、エチレングリコール基、ジエチレングリコール基、トリエチレングリコール基などのオリゴエチレングリコール基などが好適に使用される。ただし、連結基が酸素原子を含む場合、連結基のうちポリオルガノシロキサン中のケイ素と直接結合する原子は酸素原子以外の原子である。
また、本発明の一形態である電解コンデンサ用電解液は、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンが、連結基を介して、自己結合された、又は他のポリオルガノシロキサンと結合した連結ポリオルガノシロキサンを含有していてもよい。本発明における自己結合とは、一つのポリオルガノシロキサン中の異なる部位を結合させる態様を意味する。この連結基は、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンを連結させる基であれば特段限定されず、また、ポリオルガノシロキサンの連結部位も限定されない。これらのポリオルガノシロキサンを結合する連結させる化合物としては、2~4価の官能基を有する化合物であることが好ましい。また、本発明において、「一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサン」の記載には、上述の「連結ポリオルガノシロキサン」が含まれる場合もある、つまり、「一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサン」が「一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサン及び/又は連結ポリオルガノシロキサン」を意味する場合もある。
ポリオルガノシロキサンを連結するする方法も特段限定されないが、例えば、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサン中に導入されたアルケニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、アシル基、環状エーテル基、水酸基、アセトキシ基、モノヒドロキシシリル基、ジヒドロキシシリル基、トリヒドロキシシリル基、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、及びトリアルコキシシリル基、ケイ素とヒドロシリル基を形成する水素原子等を、これらと反応する同種または別種の官能基を同一分子内に複数個有する化合物と反応させる方法が挙げられる。
具体的には、ケイ素とヒドロシリル基を形成する水素原子を有するポリオルガノシロキサンを連結する場合、分子内に2~4個のアルケニル基を有する化合物でポリオルガノシロキサンを連結することができる。また、アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンを連結する場合、分子内に2~4個のヒドロシリル基を有する化合物でポリオルガノシロキサンを連結することができる。また、環状エーテル基を有するポリオルガノシロキサンを連結する場合、分子内に2~4個のアミノ基、酸無水物、水酸基、カルボキシル基などを有する化合物でポリオルガノシロキサンを連結することができる。
また、アルコキシシリル基を有するポリオルガノシロキサンを連結する場合、分子内に2~4個のアルコキシシリル基、ヒドロキシシリル基などを有する化合物でポリオルガノシロキサンを連結することができる。また、ヒドロキシシリル基を有するポリオルガノシロキサンを連結する場合、分子内に2~4個のアルコキシシリル基、ヒドロキシシリル基などを有する化合物でポリオルガノシロキサンを連結することができる。
ポリオルガノシロキサンを連結させる方法の別の例として、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサン中に導入されたアルケニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、アシル基、環状エーテル基、水酸基、アセトキシ基、モノヒドロキシシリル基、ジヒドロキシシリル基、トリヒドロキシシリル基、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、及びトリアルコキシシリル基、ケイ素とヒドロシリル基を形成する水素原子等同士を、直接結合させる方法が挙げられる。
具体的には、一般式(1)で表され、トリアルコキシシリル基を有するポリオルガノシロキサンに、少量の水および酸やアルカリ、遷移金属触媒などの触媒を添加することで、アルコキシシリル基をポリオルガノシロキサン分子間で縮合させ、ポリオルガノシロキサンを連結することができる。
また、一般式(1)で表され、アルケニル基やメタクリロイル基、アクリロイル基、環状エーテル基等の単独重合性を持つ官能基を有するポリオルガノシロキサンに重合開始剤を添加し、これらの単独重合性を持つ官能基をポリオルガノシロキサン分子間で重合させ、ポリオルガノシロキサンを連結することができる。
また、一般式(1)で表され、アルケニル基やメタクリロイル基、アクリロイル基を有するポリオルガノシロキサンと、一般式(1)で表されケイ素原子とヒドロシリル基を形成する水素原子を有するポリオルガノシロキサンを混合し、ヒドロシリル化反応によりこれらを結合させることで、ポリオルガノシロキサンを連結することができる。
また、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンを連結させることにより、電極の保護層としての強度や電極との結合力が高くなることが考えられることから好ましい。
ケイ素に結合した官能基の数は、一般式(1)中で、ポリオルガノシロキサンの分子量1000当たり3個~12個であることが好ましく、4個~9個であることがより好ましい。官能基を上記の範囲にすることにより、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンの構造全体におけるポリシロキサン部分と官能基部分の割合が適度になり、溶媒への溶解性と、電極の保護層としての強度や均一性を両立することができるため好ましい。またM単位、D単位、T単位はそれぞれ複数種用いてもよく、例えば、(RSiO1/2)で表されるM単位として、R全てがメチル基であるものと、Rがメチル基でありRが官能基であるものを同時に用いてもかまわない。なお、「ケイ素に結合した官能基」とは、ケイ素に直接結合した官能基、及びシロキサン結合以外の連結基を介してケイ素に結合した官能基の両方を含む。
は炭素数1~8の有機基であれば特に限定されないが、炭化水素基、アシル基であることが好ましい。炭化水素基としては直鎖アルキル基であるメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基のほか、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソアミル基、sec-アミル基、tert-アミル基、テキシル基、2-エチルヘキシル基などの分岐構造を有する基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、1-フェニルエチル基などの環状構造を有する基が挙げられ、これらのうちメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソプロピル基、フェニル基が特に好ましい。アシル基としてはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基などが挙げられ、これらのうちアセチル基が特に好ましい。
(分子量1000当たりのケイ素に結合した官能基数の判断)
一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンのケイ素に結合した分子量1000当たりのケイ素に結合した官能基数は、以下のとおり決定する。
測定対象のポリオルガノシロキサンを50mg秤量し、内部標準として15mgのトルエンを添加し精秤する。さらに重クロロホルムを1g入れて溶解し、400MHz H-NMR(日本電子株式会社製AL-400)にて、Relaxation Delayを20秒に設定して測定する。各成分のシグナル強度と内部標準のトルエンのシグナル強度との比率、及び、秤量値により、1g当たりの官能基含有量(mmol/g)、すなわち、ポリオルガノシロキサンの分子量1000当たりの官能基数を算出する。この際、ポリオルガノシロキサンに結合していない有機物や水、金属等の不純物については、測定結果に影響しないよう0.1質量%未満に除去されている必要があり、0.1質量%を上回る場合、蒸留や濾過、その他の精製方法により除去した後に試料を調整し、H-NMRを測定する。除去が困難である場合は、H-NMR測定やその他の分析方法により不純物の含有量を算出し、ポリオルガノシロキサンの一部として計算しないよう、不純物の重量を秤量したサンプル重量から差し引いた値を真のサンプル量として計算に用いる。なお、内部標準としては、トルエンの他、N,N-ジメチルホルムアミドやトリブロモエタンなど、ポリオルガノシロキサンと反応しない物質であれば、用いることが出来る。
また、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンは、請求項に記載する範囲で縮合せずに残存するヒドロキシシリル基またはポリオルガノシロキサンに酸素原子を介して結合する有機基を含んでいてもよい。ポリオルガノシロキサンに残存するヒドロキシシリル基またはポリオルガノシロキサンに酸素原子を介して結合する有機基は、縮合反応や官能基との相互作用、電極との相互作用に寄与し、耐電圧性を向上させる場合もある。また、これらは母体となるポリオルガノシロキサンに直接結合したヒドロキシ基および酸素原子を介して結合した有機基であるが、別途官能基として、シロキサン結合以外の連結基を介して導入してもかまわない。
一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンの分子量は特段限定されないが、数平均分子量Mnは通常600以上、好ましくは800以上、より好ましくは900以上、更に好ましくは950以上であり、また通常50000以下、好ましくは40000以下、より好ましくは30000以下、更に好ましくは10000以下、特に好ましくは5000以下である。重量平均分子量Mwは通常800以上、好ましくは900以上、より好ましくは1000以上であり、また通常100000以下、好ましくは80000以下、より好ましくは50000以下である。数平均分子量または重量平均分子量を上述の下限値以上にすることにより、電極表面の保護層の安定性が高くなる。一方、数平均分子量または重量平均分子量を上限値以下にすることにより、溶媒への溶解性や、溶質との相溶性が向上し、電解液の安定性が高まる。
数平均分子量Mnおよび重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により下記条件で測定し、標準ポリスチレン換算値として示すことができる。試料は約10質量%のTHF溶液を用い、測定前に0.45μmのフィルターにて濾過したものを用いる(装置: TOSOH HLC-8220(東ソー(株)製) GPCカラム:KF‐G、KF‐401HQ、KF‐402HQ、KF‐402.5HQ(昭和電工(株)製)、カラム温度40℃溶離液:テトラヒドロフラン、流量0.2mL/分)。
一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンに係るポリオルガノシロキサンの製造方法は、上記の構造を有するポリオルガノシロキサンを得ることができれば特段限定されない。例えば、ジシロキサン化合物やジシラザン化合物およびそれらの加水分解物、アルコキシシラン化合物その加水分解物、若しくは部分加水分解縮合物を縮合させる方法、ク
ロロシラン化合物やその加水分解物、若しくは部分加水分解縮合物を縮合させる方法、環状シロキサン化合物を開環重合させる方法、又はアニオン重合を初めとする連鎖重合を用いた方法など、いずれの製造方法であってもよく、複数の製造方法を組み合わせて使用してもかまわない。また、カラムクロマトグラフィーやGPC、溶媒による抽出、不要成分の留去などによって、所望の官能基量や分子量を有するポリオルガノシロキサンを分画して使用してもよい。
一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンへの官能基の導入方法については特段限定されない。例えば、官能基を有するジシロキサン化合物、官能基を有するジシラザン化合物、官能基を有するM単位、D単位、あるいはT単位のアルコキシシラン化合物、官能基を有するM単位、D単位、T単位のクロロシラン化合物、官能基を有する環状シロキサン化合物などを原料として用いることで官能基の導入が可能である。また、導入した官能基を化学的手法により、別の官能基へ変換してもよい。例えば、アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンと官能基を有する単官能チオールを反応により別種の官能基へ変換する方法、酸化性物質を用いてアルケニル基を酸化し、エポキシ基へ変換する方法、ケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリオルガノシロキサンと官能基を有するビニル化合物との反応により別種の官能基へ変換する方法、ポリオルガノシロキサン中に導入された環状エーテル基を開環してアルコール性水酸基へ変換する方法、ポリオルガノシロキサンに存在するアルコキシ基を加水分解してヒドロキシシリル基へ変換する方法などにより、別種の官能基へ変換して使用することができる。
アルケニル基をエポキシ基に変換する方法としては、アルケニル基に酸化剤を反応させる方法、アルケニル基をハロヒドリン類に変換した後、塩基を作用させることにより閉環してエポキシ基とする方法が挙げられる。エポキシ化に用いられる酸化剤としては、メタクロロ過安息香酸、過酢酸などの有機過酸、過酸化水素と金属触媒の組み合わせ、過酸化水素とニトリル基を有する化合物との組み合わせ、ジメチルジオキシラン等のジオキシラン化合物等が挙げられる。有機過酸を用いる場合は、基質または基質と溶媒の混合液に、過酸化水素とカルボン酸またはその酸無水物を加え、系内で有機過酸を発生させて反応する事もできる。
例えば、過酸化水素水と無水酢酸を加え、過酢酸を系内調製する。
カルボン酸を用いる場合は、有機過酸の生成を加速するために硫酸などの酸触媒を添加してもよい。
(溶媒について)
本発明の一形態である電解液には、溶媒が含まれるが、その溶媒は通常電解コンデンサに使用される溶媒を使用すればよい。その具体例としては、エチレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブなどのアルコール溶媒;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトンなどのラクトン溶媒;N-メチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリジノンなどのアミド溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート溶媒;3-メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリルなどのニトリル溶媒;リン酸トリメチル、リン酸トリエチルなどのリン酸エステル溶媒;ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、エチルブチルスルホン、スルホラン、3-メチルスルホラン、2,4-ジメチルスルホランなどのスルホン溶媒;ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒;1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン等のウレア溶媒;3-メチル-2-オキサゾリジノン等のウレタン溶媒等あるいはこれらの混合物が挙げられる。中でも各種の溶質に対して大きな溶解力を有し、また温度特性に優れた電解液が得られる有機溶媒であるエチレングリコールおよびγ-ブチロラクトンが好ま
しい。
(溶質について)
電解液には、溶質が含まれるが、その溶質は通常電解コンデンサに使用される溶質を使用すればよい。溶質として用いる具体例としては、有機酸および/または無機酸のオニウム塩である。
有機酸の具体例としては、安息香酸、トルイル酸、クミン酸、t-ブチル安息香酸、サリチル酸、アニス酸などの芳香族モノカルボン酸類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、7-フェニル-7-メトキシ-1-オクタンカルボン酸、6-フェニル-6-メトキシ-1-ヘプタンカルボン酸などの脂肪族モノカルボン酸類;フタル酸、4-メチルフタル酸、4-ニトロフタル酸など芳香族ジカルボン酸類;マレイン酸、シトラコン酸、ジメチルマレイン酸、1,2-シクロヘキセンジカルボン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸類;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸などの直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸類;ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、ジプロピルマロン酸、2-メチルグルタル酸、3-メチルグルタル酸、3,3-ジメチルグルタル酸、3-メチルアジピン酸、2,2,4-トリメチルアジピン酸、2,4,4-トリメチルアジピン酸、1,6-デカンジカルボン酸、5,6-デカンジカルボン酸、1,7-オクタンジカルボン酸、7-メチル-7-カルボメトキシ-1,9-デカンジカルボン酸、2,8-ノナンジカルボン酸、7,8,11,12-テトラメチル-1,18-オクタデカンジカルボン酸、1-メチル-3-エチル-1,7-ヘプタンジカルボン酸、1,3-ジメチル-1,7-ヘプタンジカルボン酸、5-メチル-1,7-オクタンジカルボン酸、7,12-ジメチル-1,18-オクタデカンジカルボン酸、7-エチル-1,16-ヘキサデカンジカルボン酸、7,8-ジメチル-1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,6-ヘプタンジカルボン酸、6-メチル-6-カルボメトキシ-1,8-ノナンジカルボン酸、1,8-ノナンジカルボン酸、8-メチル-8-カルボメトキシ-1,10-ウンデカンジカルボン酸、6-エチル-1,4-テトラデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの分岐鎖を有する飽和脂肪族ジカルボン酸類;7-メチル-1,7,9-デカントリカルボン酸、6-メチル-1,6,8-ノナントリカルボン酸、8-メチル-1,8,10-ウンデカントリカルボン酸などのトリカルボン酸類;リン酸ジブチル、リン酸ビス(2-エチルヘキシル)などの酸性リン酸エステル類;2-エチルヘキシルホスホン酸(2-エチルヘキシル)などの酸性ホスホン酸エステル類等あるいはこれらの混合物が挙げられる。また、無機酸成分の具体例としては、ホウ酸、燐酸などが挙げられる。
上記した有機酸成分及び無機酸成分のうちでも定格電圧100V以下の低圧用コンデンサ向けには電気伝導率の高い電解液が得られるフタル酸、マレイン酸、安息香酸、アジピン酸が好ましい。定格電圧300V以上の高圧用コンデンサ向けには耐電圧性の高い電解液が得られるアゼライン酸、セバシン酸、1,6-デカンジカルボン酸、1,7-オクタンジカルボン酸、ホウ酸が好ましい。定格電圧100Vを越え、300V未満の中圧用コンデンサ向けには適度の電気伝導率と耐電圧性とを有する電解液が得られる安息香酸、アジピン酸、アゼライン酸が好ましい。
オニウム塩の具体例としては、アンモニウム;メチルアンモニウム、エチルアンモニウムなどのモノアルキルアンモニウム;ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、エチルメチルアンモニウムなどのジアルキルアンモニウム;トリメチルアンモニウム、エチルジメチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウムなどの三級アンモニウム類;テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、N,N-ジメチルピロリジニウム、N-エチル-N-メチルピロリジニウム、N,N-ジエチルピロリジニウム、N,N-テトラメチレンピロリジニウム、N,N-ジメチルピペリジニウム、N-エチル-N-メチルピペリジニウム、N,N-
ジエチルピペリジニウム、N,N-テトラメチレンピペリジニウム、N,N-ペンタメチレンピペリジニウム、N,N-スピロビピロリジニルなどの四級アンモニウム類;1,3-ジメチルイミダゾリウム、1,2,3-トリメチルイミダゾリウム、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウム、1,3-ジエチルイミダゾリウム、1,2-ジエチル-3-メチルイミダゾリウム、1,3-ジエチル-2-メチルイミダゾリウム、1,2-ジメチル-3-n-プロピルイミダゾリウム、1-n-ブチル-3-メチルイミダゾリウム、1-メチル-3-n-プロピル-2,4-ジメチルイミダゾリウム、1,2,3,4-テトラメチルイミダゾリウム、1,2,3,4,5-ペンタメチルイミダゾリウム、2-エチル-1,3-ジメチルイミダゾリウムなどの四級イミダゾリウム類;1,3-ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3-トリメチルイミダゾリニウム、1-エチル-3-メチルイミダゾリニウム、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリニウム、1,3-ジエチルイミダゾリニウム、1,2-ジエチル-3-メチルイミダゾリニウム、1,3-ジエチル-2-メチルイミダゾリニウム、1,2-ジメチル-3-n-プロピルイミダゾリニウム、1-n-ブチル-3-メチルイミダゾリニウム、1-メチル-3-n-プロピル-2,4-ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4-テトラメチルイミダゾリニウム、2-エチル-1,3-ジメチルイミダゾリニウムなどの四級イミダゾリニウム類;1,3-ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,3-ジエチルテトラヒドロピリミジニウム、1-エチル-3-メチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2,3-トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2,3-トリエチルテトラヒドロピリミジニウム、1-エチル-2,3-ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2-エチル-1,3-ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2-ジエチル-3-メチルテトラヒドロピリミジニウム、1,3-ジエチル-2-メチルテトラヒドロピリミジニウムなどのテトラヒドロピリミジニウム化合物類等あるいはこれらの混合物が挙げられる。
中高圧用コンデンサにはエチレングリコール溶媒と1,6-デカンジカルボン酸などのジカルボン酸類との組み合わせにおいて優れた耐電圧性を有する電解液が得られるアンモニウムが好ましい。
低圧用コンデンサにはγ-ブチロラクトン溶媒とフタル酸などの組み合わせにおいて高い電気伝導率を有する電解液が得られる1,2,3,4-テトラメチルイミダゾリニウム、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリニウム、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムが好ましい。
溶質の使用量は溶媒と溶質との合計重量に対して5~30質量%の範囲で含有させるのが好ましい。
そして、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンは、電解液全体に対して0.5質量%~18質量%含有させることが好ましく、より好ましい下限値は1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、より好ましい上限値としては15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
また、化成性の向上などの目的で電解液に水を含有させることもできる。この水の含有量は、好ましくは0.01~30質量%の範囲であり、更に好ましくは0.01~10質量%の範囲である。また、必要に応じて電解液にさらに他の添加剤を含有させることもできる。その他の添加剤としては、ホウ酸、ホウ酸と多価アルコール類(エチレングリコール、マンニトール、ソルビトールなど)との錯化合物などのホウ素化合物類;リン酸、酸性リン酸エステル類〔リン酸ジブチル、リン酸ビス(2-エチルヘキシル)〕、酸性ホスホン酸エステル類〔2-エチルヘキシルホスホン酸(2-エチルヘキシル)など〕のリン化合物類;p-ニトロ安息香酸、m-ニトロアセトフェノンなどのニトロ化合物類などが挙げられる。
本発明の一形態である電解液は、例えば図1、図2に示す、陽極、陰極、及び電解液を使用する巻回型のアルミニウム電解コンデンサに用いることができ、該電解液は、図中において3で示されるセパレータ(スペーサーとも言う)に含浸される。該陰極は、アルミニウムからなることが好ましく、該セパレータは、クラフト紙、マニラ紙などが一般に使用される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例で使用した材料及び評価項目の測定法は以下の通りである。実施例中の部、及び%は特に記載がない場合は質量基準である。
[測定方法]
1.ポリオルガノシロキサン中の官能基量の測定及び分子量1000当たりの官能基数の測定
測定対象のポリオルガノシロキサンを50mg秤量し、内部標準として15mgのトルエンを添加し精秤した。さらに重クロロホルムを1g入れて溶解し、400MHz H-NMR(日本電子株式会社製AL-400)にて、Relaxation Delayを20秒に設定して測定した。各成分のシグナル強度と内部標準のトルエンのシグナル強度との比率、及び、秤量値により、1g当たりの官能基含有量(mmol/g)、すなわち、ポリオルガノシロキサンの分子量1000当たりの官能基数を算出した。この際、ポリオルガノシロキサンに結合していない有機物や水、金属等の不純物については、測定結果に影響しないよう0.1質量%未満に除去されている必要があり、0.1質量%を上回る場合、蒸留や濾過、その他の精製方法により除去した後に試料を調整し、H-NMRを測定する。除去が困難である場合は、H-NMR測定やその他の分析方法により不純物の含有量を算出し、ポリオルガノシロキサンの一部として計算しないよう、不純物の重量を秤量したサンプル重量から差し引いた値を真のサンプル量として計算に用いる。なお、内部標準としては、トルエンの他、N,N-ジメチルホルムアミドやトリブロモエタンなど、ポリオルガノシロキサンと反応しない物質であれば、用いることが出来る。
2.29Si-NMRの測定方法
装置:日本電子株式会社製JNM-ECS400、TUNABLE(10)、Siフリー、AT10プローブ
・測定条件:Relaxation Delay/15秒、SCAN回数/1024回、測定モード/非ゲーテッドデカップルパルス法(NNE)、スピン/なし、測定温度/25℃
・試料の調整:重クロロホルムにTris(2,4-pentanedionato)chromiumIIIが0.5質量%になるよう添加し、29Si-NMR測定用溶媒を得た。測定対象のポリオルガノシロキサンを1.5g秤量し、上記29Si-NMR測定用溶媒を2.5ml入れて溶解し、10mmΦテフロン(登録商標)製NMR試料管へ入れた。
3.MDTQ割合の測定
ケイ素を主成分とする化合物は、構造的にはケイ素原子Siの四面体の各頂点に酸素原子Oや炭素原子Cなどが結合され、酸素原子が一個結合したものはM単位、酸素原子が二個結合したものはD単位、酸素原子が三個結合したものはT単位、酸素原子が四個結合したものはQ単位と呼ばれる。29Si-NMR測定から得られるスペクトルにおいて、シグナルの出現位置は上記四種類の単位ごとに区切ることができ、概ねM単位は-20~0ppm、D単位は0~-30ppm、T単位は-40~-80ppm、Q単位は-80ppm~-130ppmに観測され、これらのシグナル積分比はそれぞれの各ケイ素原子の存在比率に等しいことから、MDTQ各単位の比率を算出できる。ただし、ケイ素原子や炭素原子に結合している原子または原子団によっては、上記の範囲から外れる場合もあり
、例えば水素原子が直接結合したケイ素原子のシグナルはメチル基が結合したケイ素原子のシグナルよりも高磁場側に観測されることが多い。また、ケイ素原子に結合した酸素原子にさらに水素原子やメチル基が結合している場合、水酸基、メトキシ基が結合したケイ素原子のシグナルは低磁場側に観測される。これらの事象により上記の範囲から外れて観測されることもあるので、注意が必要である。この場合には、例えば、H-29Si二次元NMR測定により、着目しているケイ素シグナルとケイ素に導入されている基のプロトンシグナルの相関を確認することにより、29Si-NMRにて観察されたシグナルをMDTQ各単位に帰属することができる。
4.分子量の測定
各ポリオルガノシロキサンの数平均分子量Mnおよび重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により下記条件で測定し、標準ポリスチレン換算値として示した。試料は約10質量%のTHF溶液を用い、測定前に0.45μmのフィルターにて濾過したものを用いた。
装置: TOSOH HLC-8220 GPC(東ソー(株)製)
カラム:KF-G、KF-401HQ、KF-402HQ、KF-402.5HQ(昭和電工(株)製)、カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン、流量0.2mL/分
[使用した試薬類]
合成に使用した試薬及び溶媒等は下記のとおりである。
ヘキサメチルジシロキサン(NuSil Technology社製、製品名:S-7205)
1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン(NuSil Technology社製、製品名:PLY-70)
1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン(NuSil Technology社製)メチルシリケートMS-51(三菱ケミカル株式会社製)
フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、製品名:KBM-103)
テトラヒドロフラン(キシダ化学株式会社製)
エチレングリコールモノビニルエーテル(東京化成工業株式会社製)
ジエチレングリコールモノビニルエーテル(東京化成工業株式会社製)
1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン(東京化成工業株式会社製)
1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン(東京化成工業株式会社製)
トルエン(キシダ化学株式会社製)
エタノール(キシダ化学株式会社製)
メタノール(キシダ化学株式会社製)
ヘプタン(キシダ化学株式会社製)
N,N-ジメチルホルムアミド(和光純薬工業株式会社製)
1N塩酸(キシダ化学株式会社製)
8N水酸化カリウム水溶液(キシダ化学株式会社製)
白金(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体 キシレン溶液(白金 ~2%;アルドリッチ社製)
メタクロロ過安息香酸(キシダ化学株式会社製) 純度約70%
無水酢酸(キシダ化学株式会社製)
45%過酸化水素(三菱ガス化学社製)
[ポリオルガノシロキサンの合成]
<合成例1> ポリオルガノシロキサン1
ヘキサメチルジシロキサン2.6質量部、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン
9.16質量部、メチルシリケートMS-51 8.24質量部をトルエン10.0質量部とメタノール10.0質量部の混合溶媒に溶解させた後、1N塩酸5.10質量部とメタノール2.55質量部の混合物を加えて40℃で4時間撹拌した。ヘプタン17.5質量部で希釈した後、脱塩水で洗浄した。ローターリーエバポレーターを用い76℃、圧力15Torrの減圧下で、目視にて溶媒の留出がなくなるまで溶媒を留去した。続いて、110℃、圧力0.15torrの減圧下で2時間加熱し、「ポリオルガノシロキサン1」を得た。
「ポリオルガノシロキサン1」のH-NMRを上述の「[測定方法]1.」に記載の方法と同様に測定し、ビニル基を含有しているポリオルガノシロキサンであることを確認した。測定時のチャートを図3に示す。図3は内部標準未添加でのチャートであり、官能基量を求める際には別途、内部標準としてトルエンを添加したサンプルについて測定を行った。
<合成例2> ポリオルガノシロキサン2
1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン74質量部、メチルシリケートMS-51、 95質量部をトルエン84質量部、メタノール84質量部の混合溶媒に溶解させた後、1N塩酸58質量部、メタノール58質量部の混合物を加えて、30℃で3時間撹拌した。その後、溶媒を留去し生成物を濾過することで「ポリオルガノシロキサン2」を得た。
得られた「ポリオルガノシロキサン2」のH-NMRを合成例1同様に測定し、ヒドロシリル基を含有しているポリオルガノシロキサンであることを確認した。測定時のチャートを図4に示す。
<合成例3> ポリオルガノシロキサン3
上記合成例1で合成したポリオルガノシロキサン1、30質量部を1Lの四つ口フラスコに仕込み、これにクロロホルム300mlを加えて溶解させた後、油浴にて内温約40℃まで加熱し、撹拌しながらメタクロロ過安息香酸合計56.2質量部を5回に分け、計9時間で分割添加した。途中、4回目の添加後、クロロホルムを50ml追加した。反応の経時変化はH-NMRにて追跡し、上記H-NMR分析条件にてδ値5.70~6.25のビニル基のプロトンと、δ値2.15~3.00のエポキシ基のプロトンの積算値の比より転化率を求めた。転化率98%で加熱を終了した。氷水浴で内温を約10℃とした後、5質量%チオ硫酸ナトリウム100mlで2回洗浄した。更に飽和重曹水100mlで2回、水100mlで一回洗浄し、KI澱粉紙にて有機相、水相共に過酸化物が残存しないことを確認した後、溶媒を留去することで、ポリオルガノシロキサン3、31.3質量部を得た。ポリオルガノシロキサン3のγ―ブチロラクトンへの溶解性は良好であった。
得られた「ポリオルガノシロキサン3」のH-NMRを合成例1と同様に測定し、エポキシ基を含有しているポリオルガノシロキサンであることを確認した。測定時のチャートを図5に示す。
また、上述の方法で29Si-NMRを測定し、その結果よりMDTQの割合を求めたところ、a=0.62、b=0、c=0、d=0.38であった。また、e+fに関しては0.09であった。測定したチャート上でeとfを分離するのは難しいことが多いため、eとfの合計量で考えるとよい。また、数平均分子量は1000であり、分子量1000当たりの官能基量は、4.9であった。
<合成例4> ポリオルガノシロキサン4
合成例2で得られたポリオルガノシロキサン2を50質量部、エチレングリコールモノビニルエーテル48質量部をトルエン195質量部に溶解させた後、白金濃度として2質
量%の白金(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体キシレン溶液 0.05質量部を加えて、80℃で6時間撹拌した。反応の経時変化はH-NMRにて追跡し、上記H-NMR分析条件にてδ値4.5~4.9のケイ素原子に直接結合したプロトンに起因するシグナルが完全に消失し、新たにδ値2.5~4.0およびδ値0.8~1.2にケイ素原子に結合した2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル基に起因するシグナルが定量的に観察された。室温まで冷却後、シリカゲル50質量部を加えて30分撹拌した後、濾過した濾液の溶媒を留去してポリオルガノシロキサン4を得た。ポリオルガノシロキサン4のエチレングリコール、γ―ブチロラクトンへの溶解性は良好であった。
得られた「ポリオルガノシロキサン4」のH-NMRを合成例1と同様に測定し、エチレングリコール基を含有しているポリオルガノシロキサンであることを確認した。測定時のチャートを図6に示す。また、上述の方法で29Si-NMRを測定し、その結果よりMDTQの割合を求めたところ、a=0.56、b=0、c=0、d=0.44であった。またe+fに関しては0.05であった。また、数平均分子量は2400であり、分子量1000当たりの官能基量は、4.7であった。
<合成例5> ポリオルガノシロキサン5
合成例2で得られたポリオルガノシロキサン2を50質量部、ジエチレングリコールモノビニルエーテル71質量部をトルエン195質量部に溶解させた後、白金濃度として2質量%の白金(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体キシレン溶液 0.05質量部を加えて、110℃で8時間撹拌した。反応の経時変化はH-NMRにて追跡し、上記H-NMR分析条件にてδ値4.5~4.9のケイ素原子に直接結合したプロトンに起因するシグナルが完全に消失し、新たにδ値2.4~4.2およびδ値0.8~1.2にケイ素原子に結合した2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル基に起因するシグナルが定量的に観察された。室温まで冷却後、シリカゲル50質量部を加えて30分撹拌した後、濾過した。濾液の溶媒を留去してポリオルガノシロキサン5を得た。ポリオルガノシロキサン5のエチレングリコール、γ―ブチロラクトンへの溶解性は良好であった。
得られた「ポリオルガノシロキサン5」のH-NMRを合成例1と同様に測定し、ジエチレングリコール基を含有しているポリオルガノシロキサンであることを確認した。測定時のチャートを図7に示す。また、上述の方法で29Si-NMRを測定し、その結果よりMDTQの割合を求めたところ、a=0.56、b=0、c=0、d=0.44であった。またe+fに関しては0.05であった。また、数平均分子量は3000であり、分子量1000当たりの官能基量は、3.7であった。
<合成例6> ポリオルガノシロキサン6
酢酸15質量部と硫酸0.3質量部、3wt%ピロリン酸10水和物水溶液0.19質量部を100mlの3つ口フラスコ中に仕込み、水冷却下撹拌しながら45%過酸化水素8.5mlを添加した。その後室温にて24時間放置し、過酢酸が21wt%含まれる平衡溶液を取得した。
上記合成例1で合成したポリオルガノシロキサン1を2.0質量部、50mLの2口フラスコに仕込み、これにトルエン12ml、3wt%ピロリン酸10水和物水溶液0.02ml、酢酸ナトリウム0.024質量部を加えた後、油浴を用い内温約60℃まで加熱し、窒素気流下上記21wt%過酢酸溶液4.06mlを15分間で添加し、その後7時間反応した。合成例3と同様の方法で、NMRによりビニル基のエポキシ基への転化率を調べたところ52%であった。反応系に水4mlを加えて撹拌した後、静置して、分離した水相を排出した。有機相に酢酸ナトリウム0.024質量部、21wt%過酢酸溶液4.06mlを再度添加し、3時間反応を行ったところ、転化率は70%であった。
反応系に水4mlを加えて2度洗浄した後、5wt%チオ硫酸ナトリウム水溶液6mlで洗浄した。有機相に過酸化物の残存が無いことをKI澱粉紙で確認後、重曹水4ml、水4mlで洗浄、濃縮して「ポリオルガノシロキサン6」を1.86質量部得た。ポリオルガノシロキサン6のγ-ブチロラクトンへの溶解性は良好であった。
得られた「ポリオルガノシロキサン6」のH-NMRを合成例1と同様に測定し、エポキシ基とビニル基を含有しているポリオルガノシロキサンであることを確認した。測定時のチャートを図8に示す。
また、上述の方法で29Si-NMRを測定し、その結果よりMDTQの割合を求めたところ、a=0.62、b=0、c=0、d=0.38であった。また、e+fに関しては0.09であった。測定したチャート上でeとfを分離するのは難しいことが多いため、eとfの合計量で考えるとよい。また、数平均分子量は1300であり、分子量1000当たりのエポキシ官能基量は3.7、ビニル官能基量は1.5であった。
<合成例7> ポリオルガノシロキサン7
上記合成例1で合成したポリオルガノシロキサン1、2.0質量部を100mLの試験管に仕込み、これにトルエン12mlを加えて、内温約60℃まで加熱した。これに窒素気流下無水酢酸1.14g、45%過酸化水素水0.84mlを添加し、4時間反応した。上記と同様の方法でNMRによりビニル基のエポキシ基への転化率を調べたところ30%であった。反応系に水4mlを加えて撹拌した後、静置して、分離した水相を排出した。その後、同様に無水酢酸と過酸化水素水を添加して反応、水を添加して水相排出する一連の操作を4回行った。合成例3と同様の方法でNMRによりビニル基のエポキシ基への転化率を調べたところ、転化率は91%であった。
<合成例8> ポリオルガノシロキサン8
1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン313質量部、ヘキサメチルジシロキサン252質量部、メチルシリケートMS-51 422質量部をテトラヒドロフラン422質量部に溶解させた後、1N塩酸115質量部、メタノール115質量部の混合物を加えて、30℃で2時間撹拌した。その後、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン313質量部およびヘキサメチルジシロキサン252質量部の混合物を加えてさらに30℃で1時間撹拌した。得られた反応溶液から溶媒を留去し生成物を濾過することで「ポリオルガノシロキサン8」を得た。
得られた「ポリオルガノシロキサン8」のH-NMRを合成例1と同様に測定し、ヒドロシリル基を含有しているポリオルガノシロキサンであることを確認した。測定時のチャートを図9に示す。
<合成例9> ポリオルガノシロキサン9
合成例8で得られたポリオルガノシロキサン8を200質量部、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン234質量部をトルエン257質量部に溶解させた後、白金濃度として2質量%の白金(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体キシレン溶液0.58質量部を加えて、80℃で6時間撹拌した。反応の経時変化はH-NMRにて追跡し、上記H-NMR分析条件にてδ値4.5~4.9のケイ素原子に直接結合したプロトンに起因するシグナルが完全に消失し、新たにδ値3.0~3.2、δ値0.7~2.3、δ値0.7~2.3、およびδ値0.4~0.6にケイ素原子に結合した(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基に起因するシグナルが定量的に観察された。室温まで冷却後、活性炭69.3質量部を加えて2時間撹拌した後、濾過により活性炭を除去した濾液に再度活性炭69.3質量部を加えて2時間撹拌した。濾過により再度活性炭を除去した濾液の溶媒を留去してポリオルガノシロキサン9を得た。ポリオルガノシロキサン9のγ―ブチロラクトンへの溶解性は良好であった。
得られた「ポリオルガノシロキサン9」のH-NMRを合成例1と同様に測定し、(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基を含有しているポリオルガノシロキサンであることを確認した。測定時のチャートを図10に示す。また、上述の方法で29Si-NMRを測定し、その結果よりMDTQの割合を求めたところ、a=0.68、b=0、c=0、d=0.32であった。またe+fに関しては0.05であった。また、数平均分子量は1300であり、分子量1000当たりの官能基量は、3.3であった。
<合成例10> ポリオルガノシロキサン10
1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン52.8質量部、フェニルトリメトキシシラン225質量部、メチルシリケートMS-51 11.9質量部をトルエン145質量部とメタノール145質量部の混合溶媒に溶解させた後、1N塩酸75.0質量部、メタノール75.0質量部の混合物を加えて、30℃で3時間撹拌した。その後、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン68.1質量部を加えてさらに30℃で1時間撹拌した。得られた反応溶液から溶媒を留去し生成物を濾過することで「ポリオルガノシロキサン10」を得た。
得られた「ポリオルガノシロキサン10」のH-NMRを合成例1と同様に測定し、フェニル基およびビニル基を含有しているポリオルガノシロキサンであることを確認した。測定時のチャートを図11に示す。
<合成例11> ポリオルガノシロキサン11
上記合成例10で合成したポリオルガノシロキサン10、30質量部を1Lの四つ口フラスコに仕込み、これにクロロホルム300mlを加えて溶解させた後、油浴にて内温約40℃まで加熱し、撹拌しながらメタクロロ過安息香酸合計49.3質量部を4回に分け、計5時間で分割添加した。反応の経時変化は1H-NMRにて追跡し、上記1H-NMR分析条件にてδ値5.70~6.25のビニル基のプロトンと、δ値2.15~3.00のエポキシ基のプロトンの積算値の比より転化率を求めた。転化率99%で加熱を終了した。氷水浴で内温を約10℃とした後、20質量%亜硫酸ナトリウム100mlで2回洗浄した。更に飽和重曹水100mlで2回、水100mlで一回洗浄し、KI澱粉紙にて有機相、水相共に過酸化物が残存しないことを確認した後、溶媒を留去することで、「ポリオルガノシロキサン11」27.0質量部を得た。ポリオルガノシロキサン11のγ-ブチロラクトンへの溶解性は良好であった。
得られた「ポリオルガノシロキサン11」のH-NMRを合成例1と同様に測定し、(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基を含有しているポリオルガノシロキサンであることを確認した。測定時のチャートを図12に示す。また、上述の方法で29Si-NMRを測定し、その結果よりMDTQの割合を求めたところ、a=0.43、b=0、c=0.53、d=0.04であった。またe+fに関しては0.10であった。また、数平均分子量は800であり、分子量1000当たりのエポキシ官能基量は3.8であった。
<合成例12> ポリオルガノシロキサン12
1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン417質量部、ヘキサメチルジシロキサン126質量部、メチルシリケートMS-51 422質量部をテトラヒドロフラン965質量部に溶解させた後、1N塩酸115質量部、メタノール115質量部の混合物を加えて、30℃で2時間撹拌した。その後、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン417質量部およびヘキサメチルジシロキサン126質量部の混合物を加えてさらに30℃で1時間撹拌した。得られた反応溶液から溶媒を留去し生成物を濾過することで「ポリオルガノシロキサン12」を得た。
得られた「ポリオルガノシロキサン12」のH-NMRを合成例1と同様に測定し、ヒドロシリル基を含有しているポリオルガノシロキサンであることを確認した。測定時のチャートを図13に示す。
<合成例13> ポリオルガノシロキサン13
合成例12で得られたポリオルガノシロキサン12を15質量部、エチレングリコールモノビニルエーテル9質量部、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン1.7質量部をトルエン52質量部に溶解させた後、白金濃度として2質量%の白金(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体 キシレン溶液 0.02質量部を加えて、70℃で6時間撹拌した。反応の経時変化はH-NMRにて追跡し、上記H-NMR分析条件にてδ値4.5~4.9のケイ素原子に直接結合したプロトンに起因するシグナルが完全に消失し、新たにδ値2.5~4.0およびδ値0.8~1.2にケイ素原子に結合した2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル基に起因するシグナルが定量的に観察された。室温まで冷却後、シリカゲル15質量部を加えて30分撹拌した後、濾過した濾液の溶媒を留去して「ポリオルガノシロキサン13」を得た。ポリオルガノシロキサン13のγ-ブチロラクトンへの溶解性は良好であった。
得られた「ポリオルガノシロキサン13」のH-NMRを合成例1と同様に測定し、エチレングリコール基を含有しているポリオルガノシロキサンであることを確認した。測定時のチャートを図14に示す。また、上述の方法で29Si-NMRを測定し、その結果よりMDTQの割合を求めたところ、a=0.68、b=0.02、c=0、d=0.30であった。またe+fに関しては0.06であった。また、数平均分子量は2100であり、分子量1000当たりの官能基量は、3.3であった。
<実施例1>
(電解液の作製)
フタル酸1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリニウム(10質量部)にγ-ブチロラクトン(90質量部)を加えベース電解液を作製した。このベース電解液にポリオルガノシロキサン3(6質量部)を添加し、さらに水を加え水分を1%に調整し、電解液を作製した。電解液の組成はフタル酸1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリニウム(9.4質量%)、γ-ブチロラクトン(84.1質量%)、ポリオルガノシロキサン(5.6質量%)、水(1.0質量%)である。
(電解液の伝導率、コンデンサ耐電圧の測定)
こうして調整した電解液の伝導率は東亜DKK製のマルチ水質計(MM-60R)を使用し、25℃の恒温槽中で測定した。
その結果ポリオルガノシロキサン3を含む電解液の伝導率(25℃)は、6.3/mS・cm-1であった。
次に、図1に示す巻回型素子に作成した電解液を含浸し、該巻回型素子をアルミニウム外装ケースに収納して過酸化物で加硫したブチルゴムで封口した構造のアルミニウム電解コンデンサを作製した(図2)。
このアルミニウム電解コンデンサに、10mAの定電流を125℃にて印加したときの電圧-時間の上昇カーブで、初めにスパイクあるいはシンチレーションが観測された電圧値を耐電圧値として測定したところ、200Vであった。使用したアルミニウム電解コンデンサ素子の仕様は、ケースサイズ10φ×20L、定格電圧200V、静電容量20μFであった。
<実施例2~7>
合成例5,6,9,11,13で得られたポリオルガノシロキサン5,6,9,11,13をそれぞれ使用した以外は実施例1と同様に電解液を作成し、伝導率と耐電圧の測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
ポリオルガノシロキサンを添加しない以外は実施例1と同様にして測定を行った。結果を表1に示す。無添加の場合の耐電圧が85Vであることが判る。
<比較例2>
ポリオルガノシロキサンの代わりに、エポキシ基を有する市販のシランカップリング剤(分子量236、T単位のみ)を添加し、実施例1と同様に測定を行った。耐電圧は102Vと若干向上したが、実施例に対しては劣っている。結果を表1に示す。
<比較例3>
ポリオルガノシロキサンに変えて、市販のエポキシ変性シリコーン(分子量800、a=0.29、b=0.71、c=d=0、官能基量2.5)を添加し、実施例1と同様に測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例4>
ポリオルガノシロキサンの代わりに、特開平10-241999号記載のエポキシ基で修飾した(修飾官能基の構造は表1に示す)有機修飾シリカゾルを添加し、実施例1と同様に測定を行おうと試みたが、ゲル化が起こり、コンデンサとしての評価はできなかった。この結果も表1に示す。
Figure 0007040208000001
ポリオルガノシロキサンを添加しない比較例1の電解液では、耐電圧は85Vと低いが、一般式(1)の要件を満たすポリオルガノシロキサンを添加した実施例1~7では、伝導率は同等であるが耐電圧が113~200Vと高い値を示した。
従来から知られているシランカップリング剤の添加の例として示す比較例2の電解液では、実施例1~7と比較して、耐電圧の上昇が小さい。この理由は、シランカップリング剤のようなものでは、分子量が小さく十分な架橋構造を形成しにくく、電極表面の保護効
果が小さいためであると思われる。
従来から知られている変性シリコーンを添加した比較例3の電解液では、官能基で変性することによりγ-ブチロラクトンへ溶解することが可能となるが、シリコーン構造が直鎖状、つまりD単位の割合bが大きすぎ、電極保護できる層を得にくく、耐電圧性が向上しないと推定される。
また有機修飾シリカゾルを添加した比較例4の電解液は、安定性が悪くゲル化した。
一般式(1)の要件を満たす特定のポリオルガノシロキサンを添加した電解液は、公知のさまざまな添加剤に比べ、電解コンデンサ用の電解液として耐電圧性に優れた性質を有する電解液を提供することができる。
1:陽極側電極箔
2:陰極側電極箔
3:セパレータ
4:引き出し端子
5:外装ケース
6:ゴムパッキン
7:封口板
8:電極外部端子
9:素子固定剤
10:コンデンサ素子

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンを含有する電解コンデンサ用電解液。
    (RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2(O1/2(O1/2H) ・・・(1)
    (ここで、上記式(1)中、RからRは各々独立して、炭素数1~10の炭化水素基、官能基を有する基、及び水素原子から選択され、Rは、炭素数1~8の有機基である。ただし、RからRのうち少なくとも一つは官能基を有する基又は水素原子であり、官能基はケイ素に直接結合していても、シロキサン結合以外の連結基を介して結合していてもよく、a+b+c+d=1、a≧0.1、b≦0.5、c+d≧0.1、e+f≦1.0である。)
  2. 請求項1に記載の一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンが連結基を介して、自己結合、又は他のポリオルガノシロキサンと結合した連結ポリオルガノシロキサンを含有する、電解コンデンサ用電解液。
  3. 前記ポリオルガノシロキサン及び/又は連結ポリオルガノシロキサンが含む官能基が、アルケニル基、アルキニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、アシル基、環状エーテル基、水酸基、アセトキシ基、モノヒドロキシシリル基、ジヒドロキシシリル基、トリヒドロキシシリル基、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、及びトリアルコキシシリル基、並びにケイ素とヒドロシリル基を形成する水素原子からなる群から選択される少なくとも1つの基を含む、請求項1又は2に記載の電解コンデンサ用電解液。
  4. 前記ポリオルガノシロキサン及び/又は連結ポリオルガノシロキサンは、分子量1000当たりのケイ素に結合した官能基の数が3~12個である、請求項1乃至3に記載の電解コンデンサ用電解液。
  5. 前記ポリオルガノシロキサン及び/又は連結ポリオルガノシロキサンは、ポリスチレン換算によるGPC測定結果として、数平均分子量Mnが600以上、50000以下である、請求項1乃至4のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液。
  6. エチレングリコール及び/またはγ-ブチロラクトンを含有する、請求項1乃至5のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液。
  7. 有機酸及び/または無機酸のオニウム塩を含有する、請求項1乃至6のいずれかに記載の電解コンデンサ用電解液。
  8. 陽極、アルミニウムからなる陰極、請求項1乃至7のいずれかに記載の電解液を備えるアルミニウム電解コンデンサ。
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