JP2016134445A - 電解質、それを含む電解液及びそれを用いた電気化学素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】高耐電圧性と高電気伝導性を両立可能な電解質及び電解液を提供する。【解決手段】特定の化学式で表される化合物を含有する電解質を用いる。化合物は、水酸基、カルボキシ基、ニトロ基及びシアノ基を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜5の2価の炭化水素基複数及び1価のアニオン性基を含有する。【選択図】なし
Description
本発明は、電解質、それを含む電解液及びそれを用いた電気化学素子に関する。
電気化学素子とは、電気化学的エネルギーを素子内部に蓄えるものであり、具体的には、素子内部に蓄えられた化学エネルギーを電気エネルギーとして外部に取り出すための電池、素子内部に蓄えられた静電エネルギーを電気エネルギーとして外部に取り出すためのキャパシタ等をいう。
従来、キャパシタにはテトラエチルアンモニウムのBF4塩、トリエチルメチルアンモニウムのBF4塩、又は1−エチル−3−メチルイミダゾリウムのBF4塩等が電解質として用いられている。また、電池向けの電解質としてスピロ骨格を有する4級アンモニウム塩等が検討されている(特許文献1参照)。
従来、キャパシタにはテトラエチルアンモニウムのBF4塩、トリエチルメチルアンモニウムのBF4塩、又は1−エチル−3−メチルイミダゾリウムのBF4塩等が電解質として用いられている。また、電池向けの電解質としてスピロ骨格を有する4級アンモニウム塩等が検討されている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の電解質を用いた場合、耐電圧、電気導電性が十分ではなく、大電流で使用される電気自動車等の新規分野向けに、十分な耐電圧と高い電気伝導性とを両立できる電解質の開発が望まれている。
本発明は、高耐電圧性と高電気伝導性を両立可能な電解質及び電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される化合物(A)を含有する電解質;前記電解質と有機溶剤を含有する電解液;前記電解液を用いた電気化学素子である。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される化合物(A)を含有する電解質;前記電解質と有機溶剤を含有する電解液;前記電解液を用いた電気化学素子である。
一般式(1)において、R1〜R4はそれぞれ、水素原子が水酸基、カルボキシ基、ニトロ基及びシアノ基を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜5の2価の炭化水素基であり、R1〜R4は同じであっても異なっていてもよく、X−は1価のアニオン性基である。
本発明の電解質は、耐電圧性と電気伝導性に優れる。そのため、それを用いた電解液は、高耐電圧性と高電気伝導性の両方を両立可能な電気化学素子を製造できる。
本発明の電解質は、下記一般式(1)で表される化合物(A)を含有する電解質である。
一般式(1)において、R1〜R4はそれぞれ、水素原子がハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、ニトロ基、アミノ基及びシアノ基を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜5の2価の炭化水素基であり、R1〜R4は同じであっても異なっていてもよく、X−は1価のアニオン性基である。
一般式(1)におけるR1〜R4としては、炭素数1〜5の2価の直鎖脂肪族炭化水素基(メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基等)、炭素数1〜5の2価の直鎖脂肪族炭化水素基(1−メチルエチレン基及びイソプロピレン基等)、水酸基を有する炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基(ヒドロキシメチレン基、1−ヒドロキシエチレン基、2−ヒドロキシエチレン基、1−ヒドロキシ−2−メチルエチレン基等)、ニトロ基を有する炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基(ニトロメチレン基、ニトロエチレン基、1−ニトロ−2−メチルエチレン基等)、シアノ基を有する炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基(シアノメチレン基、シアノエチレン基、1−シアノ−1−メチルエチレン基等)、アミノ基を有する炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基(1−アミノ−2−メチルエチレン基等)、カルボキシ基を有する炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基(カルボキシメチレン基、カルボキシエチレン基、1−カルボキシ−1−メチルエチレン基等)及びハロゲン原子を有する炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基(ジフルオロメチレン基、テトラフルオロエチレン基及びヘキサフルオロ−n−プロピレン基等)が挙げられる。これらは1種類でもよいし2種類以上を併用してもよい。
これらのうち、耐電圧性と電気伝導性の観点から、炭素数1〜5の2価の直鎖脂肪族炭化水素基及びハロゲン原子を有する炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基が好ましく、更に好ましくはメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、ジフルオロメチレン基及びテトラフルオロエチレン基である。
一般式(1)においてX−として好ましいものとしては、COO−、SO3 −、OSO3 −、PO3H−、OPO3H−及びBO2H−が挙げられる。
化合物(A)は、例えば、架橋環型3級アミンと環状スルホネートをトルエン等の溶剤中で、100℃に0.5〜10時間加熱反応させた後、溶剤を減圧留去し、残渣物をジエチルエーテル等の溶剤で洗浄して得ることができる。
本発明の電解液は、更に有機溶剤を含有する。有機溶剤として好ましいものとしては、エーテル溶剤、アミド溶剤、エステル溶剤、ラクトン溶剤、ニトリル溶剤、スルホキシド溶剤、複素環式化合物溶剤及びベンゼン溶剤並びにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
エーテル溶剤としては、ジエチルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、4−ブチルジオキソラン及びクラウンエーテル等が挙げられる。
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド及びN−メチルピロリドン等が挙げられる。
エステル溶剤としては、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート及びジエチルカーボネート等が挙げられる。
ラクトン溶剤としては、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びδ−バレロラクトン等が挙げられる。
ニトリル溶剤としては、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、アクリロニトリル及びベンゾニトリル等が挙げられる。
スルホキシド溶剤としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、3−メチルスルホラン及び2,4−ジメチルスルホラン等が挙げられる。
複素環式化合物溶剤としては、N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及びN−メチルピロリジノン等が挙げられる。
ベンゼン溶剤としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン及び1,4−ジクロロベンゼン等が挙げられる。
本発明の電解液に用いる有機溶剤としては、ニトロ化合物溶剤(ニトロメタン及びニトロエタン等)、ケトン溶剤(アセトン、2,5−ヘキサンジオン及びシクロヘキサノン等)並びにリン酸エステル類(トリメチルリン酸、トリエチルリン酸及びトリプロピルリン酸等)等を用いることも出来る。
中でも有機溶媒としては、耐電圧性と電気伝導性の観点から、ニトリル溶剤、ラクトン溶剤、エステル溶剤、スルホキシド溶剤及びベンゼン溶剤が更に好ましく、特に好ましくはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、キシレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン及び1,4−ジクロロベンゼン並びにこれらの混合溶媒である。
本発明の電解液の含水量は、電気化学的安定性の観点から、電解液の重量に基づいて300ppm以下が好ましく、更に好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。この範囲であると、電気化学素子の経時的な性能低下を抑制できる。電解液中の含水量はカールフィッシャー法(JIS K0113−1997、電量滴定方法)で測定することができる。電解液中の水分を上記の範囲にする方法としては、あらかじめ十分に乾燥した電解質と、あらかじめ十分に脱水した有機溶媒とを使用する方法等が挙げられる。電解質及び有機溶剤の脱水は、モレキュラーシーブ等の公知の脱水剤を用いる方法及び蒸留する方法等で行うことが出来る。
本発明の電解液において化合物(A)の含有量は、耐電圧性と電気伝導性の観点から、電解液の重量に基づいて1重量%以上であることが好ましく、更に好ましくは2〜100重量%である。
本発明の電解液において有機溶剤の含有量は、耐電圧性と電気伝導性の観点から、電解液の重量に基づいて、好ましくは1〜99重量%であり、更に好ましくは1〜98重量%であり、特に好ましくは1〜95重量%である。
本発明の電解液は、化合物(A)以外の有機塩化合物及び添加剤等を含有していてもよい。本発明の電解液に添加できる化合物(A)以外の有機塩化合物としては、アルキルアンモニウム塩、アミジニウム塩(イミダゾリウム塩等)等が挙げられ、アルキルアンモニウム(テトラエチルアンモニウム及びトリエチルメチルアンモニウム等)のBF4塩及びPF6塩並びにイミダゾリウム(1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム及び1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム等)のBF4塩及びPF6塩等が挙げられる。
化合物(A)以外の有機塩化合物の量は、電解液の重量に対して好ましくは0〜30重量%、より好ましくは2〜25重量%である。
化合物(A)以外の有機塩化合物の量は、電解液の重量に対して好ましくは0〜30重量%、より好ましくは2〜25重量%である。
本発明の電解液に添加できる添加剤としては、LiBF4、LiPF6、リン酸類及びその誘導体(リン酸、亜リン酸、リン酸エステル類及びホスホン酸類等)、ホウ酸類及びその誘導体(ホウ酸、酸化ホウ酸、ホウ酸エステル類、ホウ素と水酸基を有する化合物との錯体及びホウ素とカルボキシル基を有する化合物との錯体等)、硝酸塩(硝酸リチウム等)並びにニトロ化合物(ニトロ安息香酸、ニトロフェノール、ニトロフェネトール、ニトロアセトフェノン及び芳香族ニトロ化合物等)等があげられる。電気化学的安定性と導電性の観点から、添加剤量は、好ましくは電解液の重量に対して0〜30重量%、更に好ましくは0〜25重量%以下である。
本発明の電解質を用いた電解液は電気化学素子に用いることができる。本発明において、電気化学素子とは電気化学キャパシタ、一次電池、二次電池、色素増感太陽電池等を示す。本発明の電解液は、電気二重層キャパシタ及び二次電池に好適である。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に規定しない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
<実施例1:一般式(2)で表される化合物(A−1)の製造>
加熱、攪拌及び冷却が可能な反応容器中でトルエン1000部に1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン(東京化成製)111部及びスルトン(東京化成製)122部を加え、90℃に昇温した後その温度を維持したまま6時間攪拌した。析出してきた白色結晶を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄し、一般式(2)で表される本発明の化合物(A−1)233部を得た(収率100%)。
<実施例2:一般式(3)で表される化合物(A−2)の製造>
(1)1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタンの合成
加熱、攪拌、減圧及び冷却が可能な反応容器中で4−ピリジンメタノール(東京化成製)110部とエタノール1000部を混合し、ナトリウム250部を徐々に加えた。6時間撹拌しながら還流状態を維持した後、溶液を冷却し、水250部を加えた。減圧下でエタノールを留去し、残留物にジエチルエーテル200部を加えて抽出した。30℃に保ったまま減圧にして脱溶媒を行うことで無色粘性溶液を得た。この溶液114部に撹拌下で濃ヨウ化水素酸250部を徐々に滴下し、更に3時間撹拌を継続しながら還流状態を維持した。その後、50%水酸化ナトリウム350部を添加した後、50℃で3時間加熱した。続いて30℃に冷却し、この溶液にジエチルエーテル800部を加えて抽出を行った後、炭酸ナトリウムを添加して脱水し、10℃減圧でジエチルエーテルを除去した後、蒸留を行い、1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン38部を得た(収率40%)。
加熱、攪拌、減圧及び冷却が可能な反応容器中で4−ピリジンメタノール(東京化成製)110部とエタノール1000部を混合し、ナトリウム250部を徐々に加えた。6時間撹拌しながら還流状態を維持した後、溶液を冷却し、水250部を加えた。減圧下でエタノールを留去し、残留物にジエチルエーテル200部を加えて抽出した。30℃に保ったまま減圧にして脱溶媒を行うことで無色粘性溶液を得た。この溶液114部に撹拌下で濃ヨウ化水素酸250部を徐々に滴下し、更に3時間撹拌を継続しながら還流状態を維持した。その後、50%水酸化ナトリウム350部を添加した後、50℃で3時間加熱した。続いて30℃に冷却し、この溶液にジエチルエーテル800部を加えて抽出を行った後、炭酸ナトリウムを添加して脱水し、10℃減圧でジエチルエーテルを除去した後、蒸留を行い、1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン38部を得た(収率40%)。
(2)化合物(A−2)の合成
「1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン111部」を「1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン96部」に変更する以外は、(A−1)の合成と同様にして、一般式(3)で表される本発明の化合物(A−2)218部を得た(収率100%)。
「1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン111部」を「1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン96部」に変更する以外は、(A−1)の合成と同様にして、一般式(3)で表される本発明の化合物(A−2)218部を得た(収率100%)。
<実施例3:一般式(4)で表される化合物(A−3)の製造>
「スルトン122部」を「γ−ブチロラクトン86部」に変更する以外は、実施例1と同様にして、一般式(4)で表される本発明の化合物(A−3)197部を得た(収率100%)。
<実施例4〜6:電解液の調製>
脱水エチレンカーボネート35部、脱水ジエチルカーボネート35部の混合有機溶剤に、(A−1)〜(A−3)をそれぞれ30部加え、25℃にて均一に混合溶解させて、本発明の電解液(D−1)〜(D−3)を作製した。水分はいずれも30ppm以下であった。
脱水エチレンカーボネート35部、脱水ジエチルカーボネート35部の混合有機溶剤に、(A−1)〜(A−3)をそれぞれ30部加え、25℃にて均一に混合溶解させて、本発明の電解液(D−1)〜(D−3)を作製した。水分はいずれも30ppm以下であった。
<実施例7〜11:(A)の含有量の変更>
化合物(A−1)及び混合有機溶剤を、室温にて、表1にそれぞれ記載の部数で、25℃にて均一に混合溶解させて、本発明の電解液(D−4)〜(D−8)を作製した。水分は30ppm以下であった。
化合物(A−1)及び混合有機溶剤を、室温にて、表1にそれぞれ記載の部数で、25℃にて均一に混合溶解させて、本発明の電解液(D−4)〜(D−8)を作製した。水分は30ppm以下であった。
<比較例1:一般式(5)で表されるスピロ型化合物(A’−1)の製造>
加熱、攪拌、減圧及び冷却が可能な反応容器中で(S)−2−メトキシメチルピロリジン(東京化成製)115部と1,4−ジブロモブタン(東京化成製)216部及び水酸化ナトリウム40部を水3000部に投入し、80℃で4時間撹拌した。反応後の溶液を凍結乾燥し、残渣固形物をイソプロパノールに溶解させ、室温下で不溶物を濾去し、ジイソプロピルエーテルを加え、析出物を濾取して、薄褐色のゲル状固体を得た。アルミナカラムにて精製した後、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(東京化成製)287部、水1000部を投入し、1時間攪拌した後、ジクロロメタン500部を投入し、分液で有機層を回収し、イオン交換水1000部で3回洗浄し、溶媒を減圧留去することで、一般式(5)で表される比較用の化合物(A’−1)90部を得た(収率20%)。
<比較例2:一般式(6)で表される架橋環型だが分子内塩ではない化合物(A’−2)の製造>
1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン(東京化成製)113部、アセトン339部をガラスビーカーに仕込み均一に溶解させた。25℃で溶液を攪拌しながらヨウ化メチル156部をゆっくりと滴下した後、30℃で3時間攪拌を続けた。析出した白色固体を濾過し、80℃減圧にて乾燥を行い、1−アザビシクロ[2,2,2]オクタンとヨウ化メチルの塩255部得た。
更に、作製した塩253部を、AgBF4メタノール溶液745部及びメタノール253部の混合溶液に25℃にて3時間かけて滴下し、25℃にて3時間攪拌した。不溶物を濾去した後、溶媒を減圧留去し、白色結晶206部を得た。結晶にメタノール600部を加えて30℃で溶解させた後、−5℃に冷却し12時間静置し再結晶を行った。析出した結晶を濾取し、80℃減圧乾燥を行い一般式(6)で表される比較明の化合物(A’−2)を147部得た(収率69%)。
更に、作製した塩253部を、AgBF4メタノール溶液745部及びメタノール253部の混合溶液に25℃にて3時間かけて滴下し、25℃にて3時間攪拌した。不溶物を濾去した後、溶媒を減圧留去し、白色結晶206部を得た。結晶にメタノール600部を加えて30℃で溶解させた後、−5℃に冷却し12時間静置し再結晶を行った。析出した結晶を濾取し、80℃減圧乾燥を行い一般式(6)で表される比較明の化合物(A’−2)を147部得た(収率69%)。
<比較例4〜5:電解液の調製>
脱水エチレンカーボネート35部、脱水ジエチルカーボネート35部の混合有機溶剤に、(A’−1)又は(A’−2)をそれぞれ30部加え、25℃にて均一に混合溶解させて、比較用の電解液(D’−1)〜(D’−2)を作製した。水分はいずれも30ppm以下であった。
脱水エチレンカーボネート35部、脱水ジエチルカーボネート35部の混合有機溶剤に、(A’−1)又は(A’−2)をそれぞれ30部加え、25℃にて均一に混合溶解させて、比較用の電解液(D’−1)〜(D’−2)を作製した。水分はいずれも30ppm以下であった。
<比較例6:電解液の調製>
脱水エチレンカーボネート35部、脱水ジエチルカーボネート35部の混合有機溶剤に、分子内塩だが架橋環型ではない化合物として、カプリリルスルホベタイン(東京化成製)(A’−3)を30部加え、25℃にて均一に混合溶解させて、比較用の電解液(D’−3)を作製した。水分は30ppm以下であった。
脱水エチレンカーボネート35部、脱水ジエチルカーボネート35部の混合有機溶剤に、分子内塩だが架橋環型ではない化合物として、カプリリルスルホベタイン(東京化成製)(A’−3)を30部加え、25℃にて均一に混合溶解させて、比較用の電解液(D’−3)を作製した。水分は30ppm以下であった。
電解液(D−1)〜(D−8)及び(D’−1)〜(D’−3)について、電導度(30℃)を測定した。また、グラッシーカーボン電極(BAS社製、外径6mm、内径1mm)を用い、5mV/secの走査電位速度で、分極測定を行った。すなわち、10μA/cm2の電流が流れる時のAg/Ag+ 参照電極に対する電位を酸化電位、−10μA/cm2の電流が流れる時のAg/Ag+ 参照電極に対する電位を還元電位とし、酸化電位と還元電位の値の差から電位窓を算出した。電位窓は電解液の酸化還元反応が起こらない電位範囲を示し、電位窓が広い電解液ほど電気化学的に安定で高耐電圧性を有する。結果を表2に示した。
表2の結果から、本発明の実施例4〜11の電解液は比較例4〜6の電解液に比べて、電導度が大きく、かつ電位窓が広くなることが分かった。この結果から、本発明の電解液は高耐電圧性と高電気伝導性の両方を有することが分かる。
本発明の電解質を含有した電解液は、電導性が高く、かつ電位窓が広い。このため、本発明の電解質を含有した電解液を使用した電気化学素子は、耐電圧性と電気伝導性に優れ、過酷な条件下、かつ大電流で使用される電気自動車等の新規分野で有用である。
Claims (6)
- 一般式(1)におけるX−が、COO−、SO3 −、OSO3 −、PO3H−、OPO3H−又はBO2H−である請求項1に記載の電解質。
- 請求項1又は2に記載の電解質と有機溶剤とを含有する電解液。
- 化合物(A)の含有量が電解液の重量に基づいて1重量%以上である請求項3に記載の電解液。
- 電気化学素子用である請求項3又は4に記載の電解液。
- 請求項3〜5のいずれかに記載の電解液を用いた電気化学素子。
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