WO2023013368A1 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

双性イオン化合物を含む前処理剤を用い、誘電体酸化皮膜が形成された陽極金属上に双性イオン化合物を保持させる処理を施し、次いで該陽極金属上に導電性高分子からなる固体電解質を形成することで、優れた耐電圧特性と高い静電容量を具備した固体電解コンデンサを提供する。

Description

固体電解コンデンサの製造方法
 本発明は、固体電解コンデンサの製造方法に関する。
 ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子は、優れた安定性及び導電性を有することから、固体電解コンデンサ用電解質に適用されている。
 これらの導電性高分子は一般に、溶媒に不溶あるいは難溶、かつ、不融であるため成型、加工が困難である。
 固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を有する陽極金属上に、陰極として機能する導電性高分子を含有する固体電解質層を形成してなるものが知られている。
 固体電解質層の形成方法としては、化学酸化重合法が知られており、例えば、誘電体酸化皮膜が形成された陽極金属上にて、モノマー化合物を含む溶液及び酸化剤を付着、接触させることで重合せしめ、前記陽極金属上に導電性高分子からなる固体電解質層を形成することができる。
 しかし、この化学酸化重合法では、化学酸化重合時に使用する酸化剤による誘電体酸化皮膜への損傷があるため、固体電解コンデンサの耐電圧が低下するという問題があった。
 特許文献1には、固体電解質形成用組成物に、ホウ酸と、3価以上のグリコールを含有しない2価のグリコールを予め添加することで、乾燥固化して固体電解質を形成する際に、該固体電解質中に、誘電体酸化皮膜修復能を有するホウ酸エステルを生成させることで、耐電圧の高いコンデンサを得る手法が開示されている。
特開2017-004986号公報
 固体電解質中にホウ酸エステルを生成させる特許文献1の前記固体電解コンデンサでは、耐電圧特性及び静電容量が不十分であることが本発明者らの検討により判明した。
 従って、本発明は、耐電圧特性が優れており、かつ、静電容量が高い固体電解コンデンサの製造方法を提供するものである。
 本発明者等は、双性イオン化合物を含む前処理剤により、双性イオン化合物を誘電体酸化皮膜が形成された陽極金属上に保持させる処理を施し、次いで該陽極金属上に導電性高分子からなる固体電解質を形成することで、優れた耐電圧特性と高い静電容量を示す固体電解コンデンサを提供できることを見出した。
 すなわち、本発明は以下に示すものである。
[1]双性イオン化合物を含む前処理剤により、誘電体酸化皮膜が形成された陽極金属上に双性イオン化合物を保持させる工程と(a)、次いで固体電解質層を形成させる工程と(b)、を少なくとも有する固体電解コンデンサの製造方法。
[2]前記前処理剤が、双性イオン化合物1重量部に対し、溶媒0.1~10000重量部にて希釈したものであることを特徴とする[1]に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
[3]前記双性イオン化合物が、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、リン酸アニオン、及び下記式(1)で表されるアニオンからなる群から選択される1種以上のアニオン部位を有する、[1]又は[2]に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
(式(1)において、Zは炭素数1~15のアルキル基、炭素数1~15のハロゲン化アルキル基、炭素数6~15のアリール基、炭素数6~15のハロゲン化アリール基、又はハロゲンを表し、*は結合手を表す)
[4]前記双性イオン化合物が、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、及びピペリジニウムイオンからなる群から選択される1種以上のカチオン部位を有する、[1]から[3]のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
[5]前記双性イオン化合物が、下記一般式(2)~(6)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
 (式(2)~(6)中、R~R20は、それぞれ独立して一級アミノ基及び二級アミノ基の一方又は両方を有していてもよい有機基または水素原子であり、隣接するR同士は連結し、炭素数2~6のアルキレン基を形成しても良く、X~Xはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、リン酸アニオン、又は式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数0~15の基を表す)
[6]前記双性イオン化合物の分子量が、50~500であることを特徴とする[1]から[5]のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
[7]前記双性イオン化合物が、1-メチル-3-(3-スルホナトプロピル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-メチル-3-(4-スルホナトブチル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-エチル-3-(3-スルホナトプロピル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-エチル-3-(4-スルホナトブチル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-ブチル-3-(3-スルホナトプロピル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-ブチル-3-(4-スルホナトブチル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-ヘキシル-3-(3-スルホナトプロピル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-ヘキシル-3-(4-スルホナトブチル)-1H-イミダゾール-3-イウム、トリメチルグリシン、りん酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル-2-(トリメチルアンモニオ)エチル、1-(3-スルホナトプロピル)ピリジン-1-イウム、1-メチル-2-(3-スルホナトプロピル)-1H-ピラゾール-2-イウム、1-メチル-1-(3-スルホナトプロピル)ピペリジン-1-イウムからなる群より選ばれた1種以上の化合物である[1]又は[2]のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
[8]前記前処理剤が、コロイダルシリカとシリコーン系界面活性剤を含むことを特徴とする[1]から[7]のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
[9]前記陽極金属が、アルミニウムまたはタンタルであることを特徴とする[1]から[8]のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
[10]双性イオン化合物を含む、[1]から[8]のいずれかに記載の固体電解コンデンサ用前処理剤。
[11]双性イオン化合物を含有する固体電解コンデンサ。
 本発明によれば、破壊電圧が大きく向上し、静電容量が高い固体電解コンデンサの製造方法を提供できる。すなわち、本発明は、優れた耐電圧特性と高い静電容量が両立する固体電解コンデンサの製造方法を提供するものである。
 以下に本発明について説明する。
 本発明によって製造される固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を形成させた陽極金属上に固体電解質が形成されてなる固体電解コンデンサである。
[誘電体酸化皮膜を形成させた陽極金属]
 陽極金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン等の陽極金属を例示することができる。陽極金属の形状としては、微細な粒子を焼結させた焼結体、エッチング等により粗面化処理した箔状あるいは板状の形状で用いられる。
 これらの陽極金属の中でも、本発明の作用効果を呈し易いという面からエッチング等により粗面化処理した箔状のアルミニウムが極めて好適である。
 陽極金属に公知の化成処理を施すことによって陽極金属の表面に誘電体酸化皮膜を形成することができる。例えば、アジピン酸二アンモニウム等の水溶液中で陽極酸化処理を行い、陽極金属上に誘電体酸化皮膜を形成することができる。
[双性イオン化合物]
 双性イオン化合物とは、同一分子内にカチオン部位とアニオン部位とを有し、カチオン部位とアニオン部位はそれぞれ共有結合により分子内のいずれかの原子と結合している化合物である。双性イオン化合物は、例えば、X-A-Yなどで表され、同一分子内にカチオン部位(X)と、アニオン部位(Y)とを有する。Aは、カチオン部位(X)とアニオン部位(Y)を共有結合で結ぶ連結基である。なお、連結基Aは通常、単結合又は炭素数1~20の有機基である。
 双性イオン化合物は、カチオン部位とアニオン部位が共有結合により同一分子内に存在するため、電極近傍の電場によるイオンの拡散が生じ難く、これにより、固体電解コンデンサの耐電圧特性、静電容量及び等価直列抵抗が良好になるものと推察される。
 本発明で使用することができる双性イオン化合物は、特に限定されず、公知の双性イオン化合物を使用することが可能である。
 双性イオン化合物におけるアニオン部位としては、例えば、ハロゲンイオン、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、リン酸アニオン、リン酸エステルアニオン、ホスホン酸アニオン、炭酸エステルアニオン、硫酸エステルアニオン、ヒドロキシアニオン、下記式で表されるアニオンなどであればよい。中でも、固体電解コンデンサの優れた耐電圧特性、高静電容量、tanδ、低漏れ電流特性を示し、かつ、耐湿熱性を良好とする観点から、双性イオン化合物は、スルホン酸アニオン(SO )、カルボン酸アニオン(COO)、リン酸アニオン(PO )、及び下記式(1)で表されるアニオンからなる群から選択される一種以上のアニオン部位を有することが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000005
 式(1)において、Zは炭素数1~15のアルキル基、炭素数1~15のハロゲン化アルキル基、炭素数6~15のアリール基、炭素数6~15のハロゲン化アリール基、又はハロゲンを表し、*は結合手を表す。中でもZは、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、ハロゲンであることが好ましい。なお、式(1)における紙面の一番左の硫黄原子が双性イオン化合物中のいずれかの原子と共有結合を形成する。
 双性イオン化合物のアニオン部位としては、上記例示したアニオン部位の中でも、スルホン酸アニオンが好ましい。双性イオン化合物がスルホン酸アニオンを含む場合には、固体電解コンデンサの耐電圧特性、静電容量、漏れ電流特性、tanδ、等価直列抵抗及び耐湿熱特性が良好となる傾向がある。
 双性イオン化合物におけるカチオン部位としては、例えば、置換基を有してもよいイミダゾリウムイオン、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、スルホニウムイオン、ピペリジニウムイオン、ピラゾリウムイオンなどが挙げられる。中でも、固体電解コンデンサの高耐電圧特性、静電容量、tanδ、漏れ電流特性及び耐湿熱特性を良好とする観点から、双性イオン化合物が、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、及びピラゾリウムイオンからなる群から選択される一種以上のカチオン部位を有することが好ましい。
本発明の双性イオン化合物としては、下記式(2)~(6)で表される少なくともいずれかの化合物を含むことが好ましい。これらの双性イオン化合物を用いることにより、固体電解コンデンサの耐電圧特性、静電容量、漏れ電流特性、tanδ、等価直列抵抗及び耐湿熱特性が向上しやすくなる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 前記式(2)~(6)中、R~R20は、それぞれ同一でも異なっても良い水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数1~18のアルコキシ基又は水酸基であり、隣接するR同士は連結し、炭素数2~6のアルキレン基を形成しても良い。
前記式(2)~(6)中、R~R20は、それぞれ同一でも異なっても良い水素、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基又は水酸基であることが好ましく、隣接するR同士は連結し、炭素数2~6のアルキレン基を形成しても良い。
~Xはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、リン酸アニオン、又は式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数0~15の基であることが好ましい。
中でも、前記式(2)~(6)中、X~Xはスルホン酸アニオンを含有する炭素数1~10の有機基であることがより好ましく、炭素数1~5のスルホナトアルキル基(-(CH)n-SO-;nは1~5の整数)であることがさらに好ましい。
 本発明に用いられる双性イオン化合物は、1-メチル-3-(3-スルホナトプロピル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-メチル-3-(4-スルホナトブチル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-エチル-3-(3-スルホナトプロピル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-エチル-3-(4-スルホナトブチル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-ブチル-3-(3-スルホナトプロピル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-ブチル-3-(4-スルホナトブチル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-ヘキシル-3-(3-スルホナトプロピル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-ヘキシル-3-(4-スルホナトブチル)-1H-イミダゾール-3-イウム、トリメチルグリシン、リン酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル-2-(トリメチルアンモニオ)エチル、1-(3-スルホナトプロピル)ピリジニウム、1-メチル-2-(3-スルホナトプロピル)-1H-ピラゾール-2-イウム、1-メチル-1-(3-スルホナトプロピル)ピペリジン-1-イウムを例示することができる。
[前処理剤の溶媒]
 本発明の前処理剤には、溶媒として水又は有機溶媒を用いることができる。
 有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、セロソルブ類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、スルホン類等を用いることができる。
 アルコール類としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール、n-アミルアルコール、s-アミルアルコール、t-アミルアルコール、アリルアルコール、イソアミルアルコール、イソブチルアルコール、2-エチルブタノール、2-オクタノール、n-オクタノール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、n-ヘキサノール、n-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、ベンジルアルコール、メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
 ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチル-n-プロピルケトン等が挙げられる。
 エステル類としては、アセト酢酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸メチル、蟻酸イソブチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸メチル、酢酸イソブチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸メチル、サリチル酸メチル、シュウ酸ジエチル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジブチル、フタル酸エチル、フタル酸メチル、フタル酸ブチル、γ-ブチロラクトン、マロン酸エチル、マロン酸メチル等が挙げられる。
 セロソルブ類としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等が挙げられる。
 芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
 脂肪族炭化水素類としては、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
 スルホン類としては、スルホラン、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、3-メチルスルホラン等が挙げられる。
 前記溶媒は単独で用いる他、混合して用いることができる。
 前記溶媒の中でも特に、水、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ガンマブチロラクトン、スルホランからなる群から選ばれる少なくとも一つであることが、好ましく挙げられる。
[双性イオン化合物を溶媒にて所定濃度に希釈した前処理剤]
 溶媒にて所定濃度に希釈した前記前処理剤は、双性イオン化合物1重量部に対し、溶媒0.1~10000重量部で希釈したものが好ましく、双性イオン化合物1重量部に対し、溶媒0.5~5000重量部であることがより好ましく、双性イオン化合物1重量部に対し、溶媒1.0~1000重量部であることが特に好ましく挙げられる。該範囲にすることで、双性イオン化合物を陽極金属に効率よく保持させることができ、特に高耐電圧と低漏れ電流特性を有する固体電解コンデンサを製造することができる。
[双性イオン化合物を保持させる工程]
 上述した双性イオン化合物を保持させる工程を次に述べる。上述した双性イオン化合物を溶媒にて所定濃度に希釈した前処理剤を、陽極金属誘電体酸化皮膜を有する陽極金属に接触させた後、乾燥し溶媒除去させることで、双性イオン化合物を保持させることができる。接触させる方法は、任意の方法でよいが、好ましくは、誘電体酸化皮膜を有する陽極金属を前処理剤中に浸漬させる方法が挙げられる。
 つまり、誘電体酸化皮膜を有する陽極金属を上述した双性イオン化合物を溶媒にて所定濃度に希釈した前処理剤に浸漬し引き上げた後乾燥して、誘電体酸化皮膜を有する陽極金属上に双性イオン化合物を付着させる工程を有することが好ましく挙げられる。
 誘電体酸化皮膜を有する陽極金属を、上記前処理剤に浸漬し、引き上げた後、乾燥する工程を複数回繰り返してもよい。
 乾燥は室温での自然乾燥から加熱乾燥までのいずれでもよいが、80℃以上に加熱して乾燥させるのが好ましく挙げられる。
 より具体的な工程の一例として、前処理剤中に誘電体酸化皮膜を有する陽極金属を30秒間浸漬後、155℃にて30分乾燥する工程を例示することができる。
 上述した双性イオン化合物を保持させる工程として、誘電体酸化皮膜を有する陽極金属に双性イオン化合物を蒸着する方法や、誘電体酸化皮膜を有する陽極金属を、融解した双性イオン化合物に接触させた後、冷却する方法も挙げられる。
[固体電解質]
 前記固体電解質層を形成させる工程に用いられる導電性高分子は、好ましくはドーパントをドープした重合体である。重合体を製造するのに用いるモノマー化合物としては、特に制限されるものではなく、例えば、ピロール類、チオフェン類、アニリン類等を用いることができるが、導電性に優れることから、下記一般式(7)で表されるチオフェン化合物であることがより好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 上記一般式(7)中、R21は水素原子又は炭素数1~6の直鎖又は分岐状のアルキル基を示し、Xはそれぞれ同一でも異なっていても良い酸素原子又は硫黄原子を示す。
 上記一般式(7)で表されるチオフェン化合物として、具体的には、3,4-エチレンジオキシチオフェン、メチル-3,4-エチレンジオキシチオフェン、エチル-3,4-エチレンジオキシチオフェン、プロピル-3,4-エチレンジオキシチオフェン、3,4-プロピレンジオキシチオフェン、メチル-3,4-プロピレンジオキシチオフェン、エチル-3,4-プロピレンジオキシチオフェン、プロピル-3,4-プロピレンジオキシチオフェン、3,4-エチレンジチアチオフェン、メチル-3,4-エチレンジチアチオフェン、エチル-3,4-エチレンジチアチオフェン、プロピル-3,4-エチレンジチアチオフェン、3,4-プロピレンジチアチオフェン、メチル-3,4-プロピレンジチアチオフェン、エチル-3,4-プロピレンジチアチオフェン、プロピル-3,4-プロピレンジチアチオフェン等が挙げられる。
 これらの中でも特に固体電解コンデンサにおける電気特性に優れる点より、3,4-エチレンジオキシチオフェン、メチル-3,4-エチレンジオキシチオフェン、エチル-3,4-エチレンジオキシチオフェンが特に好ましく挙げられる。
 本発明に用いることができる導電性高分子は、上記一般式(7)で表されるチオフェン化合物等のモノマー化合物を、上記ドーパントの存在下で化学酸化重合することによって得ることができる。化学酸化重合のための酸化剤は例えば特開2010-31160号公報記載の公知の酸化剤を用いることができる。
 該ドーパントとしては、高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基を有していればよく、硫酸エステル基、リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシル基、スルホ基等が好ましく挙げられる。これらの中でも、ドープ効果の点より、硫酸エステル基、カルボキシル基、スルホ基がより好ましく挙げられ、スルホ基が特に好ましく挙げられる。
 ドーパントとして、例えば、ヨウ素、臭素、塩素等のハロゲンイオン、ヘキサフルオロリン、ヘキサフルオロヒ素、ヘキサフルオロアンチモン、テトラフルオロホウ素、過塩素酸等のハロゲン化物イオン、又はメタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸等のアルキル置換有機スルホン酸イオン、カンファースルホン酸イオン等の環状スルホン酸イオン、又はベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸等のアルキル置換もしくは無置換のベンゼンモノもしくはジスルホン酸イオン、2-ナフタレンスルホン酸、1,7-ナフタレンジスルホン酸等のスルホン酸基を1~4個置換したナフタレンスルホン酸のアルキル置換もしくは無置換イオン、アントラセンスルホン酸イオン、アントラキノンスルホン酸イオン、アルキルビフェニルスルホン酸、ビフェニルジスルホン酸等のアルキル置換もしくは無置換のビフェニルスルホン酸イオン、ポリスチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合体等の高分子スルホン酸イオン等、またはモリブドリン酸、タングストリン酸、タングストモリブドリン酸等のヘテロポリ酸イオン、メトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸が挙げられる。これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸から選ばれる少なくとも一種がより好ましく挙げられ、パラトルエンスルホン酸が特に好ましく挙げられる。
[固体電解質層を形成させる工程]
 前記固体電解質層を形成させる工程を次に述べる。上述したモノマー化合物とドーパント及び酸化剤を含む混合溶液を、双性イオン化合物を保持した陽極金属に接触させた後、重合させることで、双性イオン化合物を保持した陽極金属に、導電性高分子を形成させたコンデンサ素子を作製する。接触させる方法は、任意の方法でよいが、好ましくは、上述したモノマー化合物とドーパント及び酸化剤を含む混合溶液に浸漬させる方法が挙げられる。
 つまり、双性イオン化合物を保持した陽極金属を、上述したモノマー化合物とドーパントを含む溶液に浸漬し引き上げた後加熱して、誘電体酸化皮膜を有する陽極金属上で化学酸化重合し導電性高分子を形成させる工程を有することが好ましく挙げられる。
 誘電体酸化皮膜を有する陽極金属を、上述したモノマー化合物とドーパント及び酸化剤を含む混合溶液に浸漬し、引き上げた後、乾燥する工程を複数回繰り返してもよい。
 固体電解質を形成させる工程は、モノマー化合物とドーパントを含む酸化剤溶液を交互に接触させる化学重合法や、電解重合法や、導電性高分子分散液を前記陽極金属に接触させる方法も挙げられる。
 乾燥は室温での自然乾燥から加熱乾燥までのいずれでもよいが、導電性高分子分散液に高沸点有機溶媒を含有させている場合には、150℃以上に加熱して乾燥させるのが好ましく挙げられる。
[固体電解コンデンサ]
 用いる陽極金属の種類、形状により、固体電解コンデンサはチップ型、巻回型とすることができる。
 本発明の前処理剤には、さらにコロイダルシリカ及び/又はシリコーン系活性剤を含有させても良い。コロイダルシリカ及び/又はシリコーン系活性剤を含有させた前処理剤を陽極金属の前処理に用いることで、固体電解コンデンサの耐電圧特性を向上させることができる。
<コロイダルシリカ>
 コロイダルシリカとは、SiO又はその水和物のコロイドで、粒径が1~300nmで一定の構造をもたないものである。ケイ酸塩に希塩酸を作用させた後に、透析で得ることができる。粒径が小さくなるほどゲル化は進行しやすくなるが、粒径が大きくなるほどゲル化しにくくなる。本発明に用いるコロイダルシリカの粒径は、10~50nmが好ましく挙げられ、より好ましくは10~30nmが好ましく挙げられる。該粒径のコロイダルシリカを用いることで、ゲル状になりにくく、前処理剤使用時にも安定に分散した状態を維持することができる。
 コロイダルシリカは、水又は有機溶媒にほとんど溶解せず、一般に適当な分散溶媒中に分散させたコロイド溶液として前処理剤に添加した状態で用いることができる。
 本発明に用いるコロイダルシリカは、ナトリウム安定型コロイダルシリカでも、酸性コロイダルシリカでも、アンモニア安定型コロイダルシリカでもよい。
 ナトリウム安定型コロイダルシリカは、コロイダルシリカの表面がONa基となっている。酸性コロイダルシリカは、コロイダルシリカの表面が、Naを除去したOH基となっているコロイダルシリカであり、アンモニア安定型コロイダルシリカは、Naを除去してOH基にした後、アンモニアを含有させて安定化させたコロイダルシリカである。
 これらの中でも、ナトリウムイオンの含有量が少ない酸性コロイダルシリカ又はアンモニア安定型コロイダルシリカが好ましく挙げられる。
 前処理剤中におけるコロイダルシリカの含有量は、0.01~20質量%、より好ましくは0.03~15質量%が挙げられ、特に好ましくは0.05~10質量%が挙げられる。該範囲では、前処理剤を用いた陽極金属の前処理により、電解コンデンサの耐電圧特性が向上する。
 コロイダルシリカの平均粒径は、いずれのものでもよく、好ましくは1~100nmであり、より好ましくは10~50nmであり、特に好ましくは10~30nmである。前記平均粒径にすることで、溶媒における分散性に優れた前処理剤を得ることができる。
 コロイダルシリカの形状は、球状タイプ、鎖状タイプ、コロイダルシリカが環状に凝集して溶媒に分散した環状タイプのいずれであってもよい。
<シリコーン系界面活性剤>
 シリコーン系界面活性剤は、シロキサン結合(Si-O-Si)を主骨格にもつとともにSi-Cの結合をも有する化合物を含み、具体的には、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、クロロフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
 シリコーン系界面活性剤の分子量は、100~100000が好ましく挙げられる。該範囲の分子量のシリコーン系界面活性剤を用いることで、コロイダルシリカの電荷バランスが崩れるのを防止することができるため、長期に渡って前処理剤のゲル化が起こらなくなる。そのため、前処理剤による陽極金属の前処理が十分に施され、より高い耐電圧特性を有した固体電解コンデンサを得ることができる。
 アルキル変性シリコーンとは、炭素数6以上のアルキル基や2-フェニルプロピル基等を有する変性シリコーンであり、アルコール変性シリコーンとは、アルコール性水酸基を有する変性シリコーンであり、エポキシ変性シリコーンとは、グリシジル基又は脂環式エポキシ基等を有する変性シリコーンであり、アミノ変性シリコーンとは、アミノプロピル基やN-(2-アミノエチル)アミノプロピル基等のアミノ基を有する変性シリコーンであり、脂肪酸エステルシリコーンとは、脂肪酸のエステル基を有する変性シリコーンであり、ポリエーテル変性シリコーンとは、ポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレンオキシプロピレン基等)を有する変性シリコーンである。
 シリコーン系界面活性剤は、単独又は2種類以上併用して用いることができる。これらの中でも特に、前処理剤のゲル化を防止する点より、ポリエーテル変性シリコーンが好ましく挙げられる。
 ポリエーテル変性シリコーンには、ペンダント型ポリマー、ABA型ポリマー、(AB)n型ポリマー、枝分かれ型ポリマー等が挙げられるが、これらの中でもペンダント型ポリマー又はABA型ポリマーが好ましく挙げられる。
 ペンダント型は典型的には一般式(A)で表される化合物であり、ABA型は典型的には一般式(B)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 上記一般式(A)、(B)で表される化合物中のR又はRは、炭素数1~20のアルキル基を示し、Y又はZは、水素原子又は炭素数1~10のアルキル基を示す。mは0から1000の整数であり、n又はPは1~1000の整数である。a、b、c、dはそれぞれ独立に0~100の整数である。
 (実施例1)
 陽極金属として大きさが7×100mmのアルミニウム陽極箔を準備し、セパレータ紙を介して対向させた陰極箔とともに巻回し、陽極箔、陰極箔にそれぞれリードを取り付けることでコンデンサ素子を準備した。なお、アルミニウム陽極箔には誘電体酸化皮膜を形成するために予め化成処理を施した。
 (前処理剤の製造)
 双性イオン化合物として1-メチル-3-(3-スルホナトプロピル)-1H-イミダゾール-3-イウム5重量部を、エチレングリコール5重量部と水90重量部で希釈し前処理剤を得た。
 (導電性高分子モノマーとドーパント及び酸化剤を含む混合溶液の製造)
 4部の2-エチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-1,4-ジオキシン(2-エチル-EDOT)と10部の50%パラトルエンスルホン酸第二鉄/エタノール溶液を混合し、導電性高分子モノマーとドーパント及び酸化剤を含む混合溶液を得た。
 (双性イオン化合物を保持させる工程)
 次に、上記前処理剤に、上記コンデンサ素子を30秒間浸漬し、素子をゆっくり引き上げた後、155℃で30分送風乾燥させた。
 (固体電解質層を形成する工程)
 次に、上記で得られた導電性高分子モノマーとドーパント及び酸化剤を含む混合溶液に、上記コンデンサ素子を30秒間浸漬し、85℃で30分乾燥させる工程を行った後、さらに230℃で3分間熱処理を行って固体電解質層を形成させ、コンデンサ素子を製造し、評価に供した。
 (実施例2)
 双性イオン化合物として1-メチル-3-(4-スルホナトブチル)-1H-イミダゾール-3-イウムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを製造した。
 (実施例3)
 双性イオン化合物として1-ブチル-3-(4-スルホナトブチル)-1H-イミダゾール-3-イウムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを製造した。
 (実施例4)
 双性イオン化合物として1-メチル-2-(3-スルホナトプロピル)-1H-ピラゾール-2-イウムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを製造した。
 (実施例5)
 双性イオン化合物として1-(3-スルホナトプロピル)ピリジン-1-イウムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを製造した。
 (実施例6)
 双性イオン化合物として1-メチル-1-(3-スルホナトプロピル)ピペリジン-1-イウムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを製造した。
 (実施例7)
 前処理剤の製造において、ポリエーテル変性シリコーン(モメンティブ社製、「Silwet  L-7657」、分子量5000)を5質量部、及びコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスN-40、水分散液、固形分40%、平均粒径20~30nm、pH9.0~10)5質量部を加えた以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを製造した。
(比較例1)
 実施例1に記載の双性イオン化合物を保持させる工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを製造した。
(比較例2)
 導電性高分子モノマーとドーパント及び酸化剤を含む混合溶液にホウ酸エステル化合物を含有させた重合液を用いて固体電解コンデンサを製造した。すなわち、4部の2-エチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-1,4-ジオキシン(2-エチル-EDOT)と10部の50%パラトルエンスルホン酸第二鉄/エタノール溶液及び1.4部のホウ酸トリブチル(東京化成工業株式会社製)を混合し、導電性高分子モノマー、ドーパント、酸化剤及びホウ酸エステル化合物を含む混合溶液を得た。 実施例1に記載の双性イオン化合物を保持させる工程を行なわず、当該混合溶液を用いること以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを製造した。
<固体電解コンデンサの評価>
 実施例1~7及び比較例1~2より得られた固体電解コンデンサについて、アジレント・テクノロジー株式会社製プレシジョンLCRメーターE4980Aを使用して、120Hzにおける静電容量(μF)およびtanδを測定し、100kHzにおける等価直列抵抗(ESR)を測定した。また、株式会社アドバンテスト製直流電圧・電流源/モニタR6243を使用して、固体電解コンデンサの両電極に直流電圧を印加し、0.2V/秒の速度で昇圧させて、60秒経過後の電流値を測定し、その電流を漏れ電流値、電流が0.5Aになったときの電圧を測定し、その電圧を耐電圧とした。
測定結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
上記のとおり、実施例においては、優れた耐電圧性と高い静電容量が両立する固体電解コンデンサを得ることができた。
 本発明の固体電解コンデンサは耐電圧性と静電容量に優れるため、高周波数のデジタル機器等に適用できる。

Claims (11)

  1.  双性イオン化合物を含む前処理剤により、誘電体酸化皮膜が形成された陽極金属上に双性イオン化合物を保持させる工程と(a)、次いで固体電解質層を形成させる工程と(b)、を少なくとも有する固体電解コンデンサの製造方法。
  2.  前記前処理剤が、双性イオン化合物1重量部に対し、溶媒0.1~10000重量部にて希釈したものであることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3.  前記双性イオン化合物が、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、リン酸アニオン、及び下記式(1)で表されるアニオンからなる群から選択される1種以上のアニオン部位を有する、請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (式(1)において、Zは炭素数1~15のアルキル基、炭素数1~15のハロゲン化アルキル基、炭素数6~15のアリール基、炭素数6~15のハロゲン化アリール基、又はハロゲンを表し、*は結合手を表す)
  4.  前記双性イオン化合物が、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、及びピペリジニウムイオンからなる群から選択される1種以上のカチオン部位を有する、請求項1から3のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5.  前記双性イオン化合物が、下記一般式(2)~(6)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    (式(2)~(6)中、R~R20は、それぞれ独立して一級アミノ基及び二級アミノ基の一方又は両方を有していてもよい有機基または水素原子であり、隣接するR同士は連結し、炭素数2~6のアルキレン基を形成しても良く、X~Xはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、リン酸アニオン、又は式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数0~15の基を表す)
  6.  前記双性イオン化合物の分子量が、50~500であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7.  前記双性イオン化合物が、1-メチル-3-(3-スルホナトプロピル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-メチル-3-(4-スルホナトブチル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-エチル-3-(3-スルホナトプロピル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-エチル-3-(4-スルホナトブチル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-ブチル-3-(3-スルホナトプロピル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-ブチル-3-(4-スルホナトブチル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-ヘキシル-3-(3-スルホナトプロピル)-1H-イミダゾール-3-イウム、1-ヘキシル-3-(4-スルホナトブチル)-1H-イミダゾール-3-イウム、トリメチルグリシン、リン酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル-2-(トリメチルアンモニオ)エチル、1-(3-スルホナトプロピル)ピリジン-1-イウム、1-メチル-2-(3-スルホナトプロピル)-1H-ピラゾール-2-イウム、1-メチル-1-(3-スルホナトプロピル)ピペリジン-1-イウムからなる群より選ばれた1種以上の化合物である請求項1又は2のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8.  前記前処理剤が、コロイダルシリカとシリコーン系界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  9.  前記陽極金属が、アルミニウムまたはタンタルであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  10. 双性イオン化合物を含む、請求項1から8のいずれかに記載の固体電解コンデンサ用前処理剤。
  11.  双性イオン化合物を含有する固体電解コンデンサ。
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