JP7039848B2 - コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気二重層コンデンサや電解コンデンサなど、巻回素子を用いたコンデンサの製造技術に関する。
電解コンデンサなどのコンデンサは、コンデンサ素子がケース内に収納されている。コンデンサは、自動車などに搭載されるものが増えてきており、激しい振動が継続的に作用することになる。車載されたコンデンサでは、ケース内でコンデンサ素子が激しく振動することで、コンデンサ素子の端子などに過大な応力が加わると、端子と電極箔との接続部やその周辺部分が破損するおそれがある。そのためコンデンサでは、ケース内部に固定材を封入するものや、ケース側面を押圧してケースとコンデンサ素子とを一体化させることで、ケース内でコンデンサ素子や端子部品などが振動するのを防止するものが知られている。
このようなコンデンサに関し、金属ケースの側面の一部を押圧することでコンデンサ素子とケースとを接触させ、固定するものがある(たとえば特許文献1、2)。
実開昭64-026830号公報 特開2008-109074号公報
ところで、電解コンデンサに用いられる電極箔には、アルミニウムや銅などの弁金属箔が用いられる。この弁金属箔の表面に拡面化処理によりエッチング層が形成され、その上に化成処理により誘電体酸化皮膜が形成されている。たとえば、アルミニウムを用いた電極箔ではアルミニウム自体は延伸性や柔軟性に優れるが、誘電体酸化皮膜は硬く、電極箔の延伸性や柔軟性が低下する。特に、近年、電解コンデンサの高容量化、小型化、軽量化などの要請に応えるため、より高倍率の拡面化処理により、電極箔の表面積を拡大させているが、それに伴い誘電体酸化皮膜が形成される面積も拡大し、結果として、電極箔の脆弱化や硬化が進み、素材自体が持つ柔軟性が極度に低下する。
このような電極箔は巻回面に対する追従性が低く、巻回して素子を形成すると巻回面が真円状またはそれに近い形状に巻回できない場合がある。つまり巻回された素子の巻回面は、たとえば巻回中心からの素子半径が一定とならず、歪な形状となるおそれがある。半径が一定でない素子をケースに封入して押圧処理を行うと、位置によって素子に対する押圧力にばらつきが生じてしまい、素子の固定安定性の低下を招くおそれがあるという課題がある。
斯かる課題について、特許文献1および特許文献2には開示や示唆はなく、それらの構成では斯かる課題を解決することができない。
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、高倍率の拡面化処理、化成処理が施された電極箔の巻回について、素子の成形性の向上を図ることにある。
また、本発明の他の目的は、上記課題に鑑み、素子をケースに入れて押圧処理を行う場合に、素子とケースの固定性を向上させることにある。
上記目的を達成するため、本発明のコンデンサの一側面は、エッチング層に平均ピッチが2100μm以下で形成された分断部の内表面および前記エッチング層の表面に誘電体酸化膜が形成されており、該分断部が開閉可能な電極箔が巻回された素子と、前記素子を収納するとともに、前記素子に向かって押圧された押圧溝を有し、この押圧溝で前記素子を保持するケースを備えたコンデンサであって、前記分断部は、少なくとも前記押圧溝によって押圧される部分と対応する位置に形成され、前記電極箔の巻回状態に応じて前記電極箔の一面側の前記分断部が開状態である
上記コンデンサにおいて、前記電極箔は、箔芯部を残して複数の前記分断部を備えてよい。
上記コンデンサにおいて、前記電極箔は、巻回方向に対して平行方向または交差方向のいずれかまたは両方の方向に表面層が分断された分断部を備えてよい。
上記目的を達成するため、本発明のコンデンサの製造方法の一側面は、電極箔を巻回した素子が収納されたケースの外周側を前記素子に向かって押圧するコンデンサの製造方法であって、前記素子を巻回する工程の前に前記電極箔のエッチング層に平均ピッチが2100μm以下であり開閉可能な分断部を形成する工程と、前記分断部の表面に誘電体酸化膜を形成する工程と、前記電極箔をセパレータを介して巻回し、前記電極箔の巻回状態に応じて前記電極箔の一面側の前記分断部が開状態となった前記素子を形成する工程と、前記分断部が形成された部分に対して、前記ケースを外周側から押圧する工程とを含む。

本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 電極箔が分断部を備えることで素子の成形性が向上し、電極箔を真円またはそれに近い形状に巻回できる。
(2) 押圧する部分の電極箔に分断部が形成されることで、素子に対する押圧力のばらつきを防止できる。
(3) 分断部の形成位置に対する押圧により、素子とケースとの固定精度が向上する。そして、この固定精度の向上によりコンデンサに加わる外部振動などに対抗でき、コンデンサの破損等を防止できる。
第1の実施の形態に係るコンデンサの構成例を示す図である。 コンデンサ素子の構成および陽極箔に対する分断部の形成状態の一例を示す図である。 陽極箔の表面状態例を示す図である。 分断部が形成された陽極箔を利用したコンデンサ素子の巻回面の一例を示す図である。 押圧処理における外装ケースとコンデンサ素子の状態例を示す図である。 コンデンサ素子の巻回状態の比較例を示す図である。 分断部が形成された電極箔の柔軟性を示す実験例の図である。
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施の形態に係るコンデンサの構成例を示している。図1に示す構成は一例であり、本発明はこの構成に限定されない。
このコンデンサ2は、たとえば図1に示すように、電解コンデンサなどであって、外装ケース4の収納部6内に電極箔を巻回したコンデンサ素子8が電解液とともに入れられている。外装ケース4は、有底筒状であって開口部側に封口体10が設置されることで、収納部6が密閉される。またコンデンサ2には、図示しない外部機器や基板等に電気的に接続する端子であるタブ12a、12bを備える。このタブ12a、12bは、中央部分が封口体10内に嵌め込まれ、一端側が封口体10から外装ケース4の開口部外に突出され、他端側が収納部6内でコンデンサ素子8の巻回内部に配置される。
コンデンサ素子8には、たとえば巻回された電極箔のうち、陽極箔に表面加工が施されている。この表面加工された陽極箔には、箔表面にあるエッチング層に対して分断部14が形成される。この表面加工は、たとえば陽極箔の全面に施される。
外装ケース4には、たとえば筒状部分の側面の外周側に対し、収納部6内に収納された封口体10を外装ケース4と一体化させる加締め溝16およびコンデンサ素子8を外装ケース4と一体化させる押圧溝18が形成される。押圧処理では、図示しない治具により、コンデンサ素子8や封口体10が収納された外装ケース4の外周面を押圧してその押圧部分の内径を小さくすることで、コンデンサ素子8と押圧溝18部分の外装ケース4の内周面とを圧接させる。
このコンデンサ2では、外装ケース4を押圧して押圧溝18を形成する位置にコンデンサ素子8の分断部14が重なるように、分断部14の形成範囲または押圧位置が設定されている。これによりコンデンサ2は、電極箔に形成された分断部14が押圧処理で形成された押圧溝18を通じて押圧され、コンデンサ素子8が外装ケース4に固定される。
次に、コンデンサ素子の構成例を説明する。
コンデンサ素子8は、たとえば図2に示すように、電極箔として、陽極箔20と陰極箔22とが備えられ、この間に幅広なセパレータ24を介在させ、巻回中心26を中心に積層状態で巻回される。セパレータ24は、たとえば陽極箔20と陰極箔22との間のみならず、巻回したコンデンサ素子8の最も内側や最も外側に配置するように積層される。
陽極箔20および陰極箔22は、たとえば横長の帯状であり、これらの長辺方向に沿って巻回することでコンデンサ素子8が形成される。分断部14は、少なくとも陽極箔20に形成される。
<電極箔の表面加工処理>
図3は、電極箔の表面状態の一例を示す。図3に示す表面状態は一例である。
陽極箔20には、たとえば図3のAに示すように、厚み方向中心に所定厚さの芯部30と、その両端側にエッチング層32a、32bが形成されている。分断部14a、14bは、陽極箔20のうちのエッチング層32a、32bに形成されている。そして陽極箔20は、エッチング層32a、32bおよび分断部14a、14bの表面に誘電体酸化皮膜34が形成されている。芯部30の厚みは、たとえば20~60〔μm〕であり、エッチング層32a、32bの厚みが両面合わせて40~200〔μm〕の範囲とすればよい。
分断部14a、14bは、たとえば陽極箔20の表面から芯部30に向けて所定の深さでエッチング層32a、32bを分断することで形成される。分断部14a、14bの形成深さは、芯部30を分断させないようにすればよく、たとえば陽極箔20の厚み方向に対し、エッチング層32a、32bの深さと同じ程度にすればよい。全ての分断部14a、14bの深さを一定の値に揃える必要はなく、たとえば分断部14a、14bの深さの比率を変えてもよい。分断部14a、14bの形成では、たとえばエッチング層32a、32bを厚み方向にひび割れさせるほか、所定の治具を利用して電極箔表面を裂き、切り込み、切り欠き、または彫り込む手法を用いればよい。ひび割れを形成するには、たとえば拡面化処理した陽極箔20に、設定した電極箔表面に対して所定量の圧力や張力などにより応力を付加する手法を用いてもよい。
分断部14a、14bの開口幅は、たとえば陽極箔20を平坦状にした際に、0~50〔μm〕以下となるように形成すればよい。また、分断部14a、14bは、箔両面のエッチング層32a、32bに形成する場合に限らず、陽極箔20の巻回方向やコンデンサ素子8の成形処理によって変形や押圧を受ける面側のみに形成してもよい。分断部14a、14bは、複数の切り込みが形成されることで、陽極箔20の表面を所謂、蛇腹状にしている。分断部14a、14bの形成位置や範囲、形成数やその形成間隔は、たとえばコンデンサ素子8に加えられる押圧力や変形による曲げ応力の大きさなどに応じて設定してもよい。隣接する分断部14a、14bの間隔は、たとえば平均ピッチ220〔μm〕としてもよい。
このように分断部14a、14bが形成された陽極箔20は、たとえば図3のBに示すように、箔表面が湾曲状態となった場合、湾曲の外周面側の分断部14aが拡開状態となることで曲げにより生じる応力が開放され、箔表面に伝搬されない。また、湾曲の内周側の分断部14bが閉塞状態、または分断部14b同士が圧着状態となることで、湾曲の内周側に加わる曲げ応力などを吸収する。このように、分断部14a、14bが形成された陽極箔20は、高容量化により硬質化、脆弱化した場合であっても、巻回による湾曲処理に対してエッチング層32a、32bを破断させずに巻回形状に追従することができる。
分断部14は、たとえば図3のCに示すように、陽極箔20の全面に渡り形成される。分断部14の長さや、形成間隔は任意に設定すればよく、またはその形成手法、または陽極箔20が巻回される方向などに応じて線方向を決めればよい。
なお、分断部14は、たとえば陽極箔20の長辺に沿った方向や、陽極箔20の短辺に沿った方向、または陽極箔20に対して斜め方向に切り込むように形成してもよい。また陽極箔20は、巻回方向に対して平行方向または交差方向のいずれかの方向に分断されてもよく、またはこの両方向に沿って分断されてもよい。
このような陽極箔20は、表面に対して押圧力F1が加えられた場合、分断部14により得られ柔軟性により、陽極箔20にひび割れなどの発生を抑制できる。このとき、加えられた押圧力F1に対し、たとえば押圧位置に近い位置や分断部14の切れ目から分断部14によって力F2が分散される。そして分断部14は、作用する力F2が電極箔表面を通じて端面側まで達するのを阻止する。
そしてコンデンサ素子8は、たとえば図4に示すように、少なくとも分断部14が形成された部分について、陽極箔20の巻回に対する追従性が向上し、巻回面が真円またはそれに近い形状となる。そして、コンデンサ2は、コンデンサ素子8が真円またはそれに近い形状の部分を外装ケース4の外周側から押圧されることで、コンデンサ素子8の周面に対して受ける押圧力を均一化できる。
またコンデンサ素子8には、たとえば巻回の中間部分にタブ12a、12bなどが挟み込まれる。このタブ12a、12bは、たとえば陽極箔20や陰極箔22の箔面と接続させる部分が所定の厚さを持った平板形状となっている。このようにタブ12a、12bなどの挿入に対し、分断部14の形成により陽極箔20の巻回追従性が向上することで、コンデンサ素子8を真円形状に巻回させることができる。
<第1の実施の形態の効果>
(1) コンデンサ素子8の巻回形状を真円に近づけることができ、押圧による押圧力の均等化が図れる。
(2) 分断部14の形成により、コンデンサ素子8に対する押圧の押圧力が均等化することで、外装ケース4とコンデンサ素子8との固定精度の向上が図れる。
(3) 分断部14の形成により陽極箔20の表面に柔軟性を持たせることができ、押圧による電極箔の損傷を回避できる。
(4) 電極箔の破損を回避することで、電極箔およびコンデンサ2の信頼性を向上することができる。
(5) コンデンサ素子8を真円またはそれに近い形状にすることで、押圧処理による外装ケース4との固定状態が安定し、時間経過に対しても固定状態を維持させることができる。
(6) 固定強度の向上および固定状態の安定化により、外部から作用する振動に対して、電極箔やタブ12a、12bの固定部分への負荷を低減でき、または係る負荷への耐振性の向上が図れる。
〔第2の実施の形態〕
次に、コンデンサの製造処理について説明する。ここに示す処理内容、処理手順は一例であって、本発明が係る内容に限定されない。
コンデンサ2の製造処理では、たとえば電極箔の製造処理、電極箔の巻回処理、外装ケース4の押圧処理が含まれる。その他、電極箔の製造手法やコンデンサ素子8以外を外装ケース4に封入する構成については限定しない。
(A) 陽極箔20や陰極箔22の電極箔は、たとえばアルミニウム箔などで形成される。陽極箔20の表面に拡面化処理によるエッチング層32a、32bを形成した後、陽極箔20表面に分断部14を形成する。分断部14を形成した後、その分断部14の表面に化成処理による誘電体酸化皮膜34を形成するエージング処理を行ってもよい。
分断部14の形成では、陽極箔20の箔面上の所定範囲に対し、箔表面を裂き、切り込み、切り欠き、または彫り込むほか、陽極箔20に対して引張り圧力等を負荷する。
(B) 電極箔の巻回処理では、最外周側に配置されるセパレータ24に対して陰極箔22が載置され、その上にセパレータ24を介在させて陽極箔20を積層させる。そして、積層された電極箔を、巻回中心26を軸として巻回していく。コンデンサ素子8は、たとえば図示しない治具などを利用して、巻回中心26の周囲に、陽極箔20、陰極箔22、セパレータ24を巻回していく。
このとき、セパレータ24を介在させて陽極箔20と陰極箔22とを積層させるコンデンサ素子8では、たとえば陽極箔20および陰極箔22の終端側、すなわち巻回により最外周側になる巻き終り端の位置が異なるようにしてもよい。この場合、コンデンサ素子8は、たとえば巻回中心26を基準にした巻回方向に沿って、陰極箔22の終端部分が陽極箔20の終端部分よりも手前になるようにしてもよい。終端部分の位置の設定は、たとえば陽極箔20と陰極箔22の箔長を異ならせるほか、陰極箔22の一部を折返して積層させるなどの積層手法を採ってもよい。陽極箔20の終端部分には、陽極箔20の厚みにより段差が生じる。押圧溝18を形成する押圧処理において、陽極箔20のコンデンサ素子8の外周側に配置されたセパレータ24が、陽極箔20の終端部分の段差に押圧されることで、セパレータ24の一部が破損したとしても、箔の終端位置を異ならせることで、陽極箔20と陰極箔22が接触し、短絡するのを防止できる。
そのほか、コンデンサ素子8には、陽極箔20および陰極箔22の電極箔面上にそれぞれタブ12aまたはタブ12bを接続させる。タブ12a、12bは、一部に形成された偏平部がステッチ接続方法、冷間圧接方法、超音波溶接方法や摩擦攪拌接合によって陽極箔20、陰極箔22に接続される。これによりコンデンサ素子8には、同一端面側にリード端子が突出状態となる。
(C) 電極箔が巻回されてコンデンサ素子8が形成されると、コンデンサ素子8は外装ケース4内に電解液とともに収納され、封口体10が設置される。そしてコンデンサ素子8が収納された外装ケース4に対して押圧処理を行う。押圧処理では、たとえば図5に示すように、外装ケース4の周面に対してコマ40が押し当てられ、その押圧力F3によって外装ケース4に押圧溝18が形成される。このとき外装ケース4の押圧面42に作用する押圧力F3の一部または全部がコンデンサ素子8側に作用する。コンデンサ素子8の陽極箔20は、分断部14によってこの押圧力を受け止める。
押圧処理では、たとえば外装ケース4内のコンデンサ素子8の配置位置または外装ケース4の底部からの位置などに基づいて、押圧位置が設定されればよい。また、外装ケース4に対する押圧力や押圧量は、たとえばコンデンサ素子8の巻回厚さと収納部6の内径との差分に基づいて設定すればよい。押圧処理は、押圧溝18の形成により外装ケース4をコンデンサ素子8に向かって圧接させることから、外装ケース4の内壁とコンデンサ素子8の外周面との間隔が基準となる。押圧量が大きすぎるとコンデンサ素子8に対する押圧力が過大となり、コンデンサ素子8を破損させるおそれがある。また逆に、押圧量が少なすぎると、コンデンサ素子8を固定することができない。
この外装ケース4には、たとえばコンデンサ素子8が配置される位置に対して、1または複数箇所が押圧される。また封口体10が配置される位置に対しても1または複数箇所に押圧処理が行われる。
<第2の実施の形態の効果>
斯かる構成によれば、上記実施の形態の効果に加え、以下の効果が得られる。
(1) 分断部14の形成位置に合せて押圧位置を設定することで、押圧力F3による電極箔の破断や損傷を防止でき、コンデンサ2の信頼性の向上が図れる。
(2) 分断部14が形成された部分のコンデンサ素子8の外径に応じて押圧量や押圧力を設定することで、高容量化した陽極箔20に対して過大な圧力が負荷されるのを防止できる。
(3) 分断部14の位置と押圧位置を合わせることで、コンデンサ素子8の真円に近い形状に巻回された部分を押圧することができ、コンデンサ2の周方向において、コンデンサ素子8と外装ケース4との固定状態のばらつきの発生を抑えることができる。
〔比較例〕
図6は、拡面化され、かつ分断部が形成されていない電極箔を巻回してコンデンサ素子を形成した場合の比較例を示している。
コンデンサ素子50は、拡面化処理した陽極箔52、陰極箔22を巻回して形成された場合を示している。既述のように、拡面化処理や化成処理された陽極箔52は、脆弱化や硬化が進み、素材自体が持つ柔軟性が極度に低下している。そのため係る陽極箔52を巻回したコンデンサ素子50は、たとえば図6に示すように、巻回内部に隙間54が形成されている。コンデンサ素子50には、たとえば巻回内部にタブ12a、12b等が配置されている。そのため、電極箔は、タブ12a、12bの設置部分や、その周囲、およびタブ12a、12bよりも外側に巻回される部分について、均等な曲面形状にならず、一部の曲率が大きくなり、タブ12a、12bの角部に接触するなど、巻回形状が異なるほか、巻回による引張り応力が異なる部分が生じている。これにより陽極箔52が巻回形状に追従することができず、多数の隙間54が形成されるおそれがある。このような隙間54の発生は、たとえばコンデンサの容量の低下、ESR(等価直列抵抗)の増加などに繋がり、コンデンサの特性低下に繋がるおそれがある。
また、コンデンサ素子50は、巻回内部に形成された隙間54の発生部分から外周側が他の部分に対して盛り上がる盛り上がり部56が形成されてしまい、全体の巻回形状が歪な状態となる。このようなコンデンサ素子50が外装ケース4に収納されて外部から押圧された場合、斯かる盛り上がり部56は他の部分よりも深く変形し、強い押圧力を受けることになる。これにより陽極箔52の部分的な破断や損傷が発生するおそれがある。
これに対し、本願発明のコンデンサ素子8は、陽極箔20に対し、押圧位置に対応する部分に分断部14が形成されることで、押圧による押圧力を分散させることができ、陽極箔20の破断や損傷を防止できる。また、押圧位置について、コンデンサ素子8の巻回内部に介在物があっても、巻回追従性が高められることで、巻回部分に隙間や盛り上がり部が形成されるのを抑制することができる。
〔実験例1〕
次に、分断部14の形成による陽極箔20の柔軟性について説明する。この陽極箔20の柔軟性を示す指標として、エリクセン値を示す。陽極箔20として、分断部14の平均ピッチを70〔μm〕、220〔μm〕、950〔μm〕、2100〔μm〕、3100〔μm〕に設定したものと、比較例として分断部を形成していない陽極箔を用意し、各陽極箔に対してエリクセン試験を行った。エリクセン試験では、内径33〔mm〕を有するダイスと、しわ押えを用いて各電極箔を10〔kN〕で挟み込み、たがね状を有するポンチで押し込んだ。たがね状のポンチは、幅30〔mm〕で、先端が断面視φ4〔mm〕の球面である。陽極箔の短辺方向に沿って、ポンチのたがね部位を押し込んだ。ポンチの押し込み速度は0.5〔mm/min〕とした。
このエリクセン試験の結果を図7に示す。図7は、横軸を分断部14の平均ピッチ、縦軸をエリクセン値としたグラフである。図7に示すように、比較例のエリクセン値が1.4〔mm〕であったのに対し、分断部14の平均ピッチを3100〔μm〕に設定した陽極箔20のエリクセン値は1.5〔mm〕となっていた。すなわち、分断部14を設けることで巻回時の曲げ応力が分散し、陽極箔20に柔軟性が付与されることがわかる。
また、分断部14の平均ピッチを2100〔μm〕以下とすると、エリクセン値は1.7〔mm〕以上となり、分断部14が未形成であった比較例と比べて明確な差が生じた。すなわち、平均ピッチ2100〔μm〕以下で分断部14を設けることで巻回時の曲げ応力が良好に分散し、陽極箔20に良好な柔軟性が付与されることがわかる。
特に、分断部14の平均ピッチを950〔μm〕以下とすると、エリクセン値は2.0〔mm〕以上となり、分断部14が未形成であった比較例と比べて飛躍的に優れた結果となった。すなわち、平均ピッチ950〔μm〕以下で分断部14を設けることで巻回時の曲げ応力が極めて良好に分散し、陽極箔20に極めて良好な柔軟性が付与されることがわかる。
〔他の実施の形態〕
以上説明した実施の形態について、その特徴事項や変形例を以下に列挙する。
(1) 上記実施の形態では、分断部14について、直線形状、または一部が湾曲形状の場合を示したがこれに限らない。分断部14は、たとえば複数の線を交差させた形状や幾何学模様状であってもよい。
(2) 上記実施の形態では、陽極箔20の表面と裏面の両面側に分断部14a、14bを形成する場合を示したが、これに限らない。電極箔は、たとえば表面または裏面のいずれか一面にのみ分断部14を備えてもよい。
(3) 分断部14は、たとえば切り込みの方向を陽極箔20の巻回方向に沿って線状に形成してもよく、または押圧溝18の形成方向に対して交差方向に形成してもよい。巻回方向に対して交差方向に形成した分断部14は、押圧時、または時間経過によって、コンデンサ素子8が座屈状態に変形するのを防止できる。
(4) 押圧処理において、コンデンサ素子8の位置に応じて押圧深さを調整してもよい。コンデンサ素子8は、たとえば図6に示すように、巻回内部にタブ12a、12bなどが介在するか否かにより外径が異なる。そこで、コンデンサ2の製造処理では、コンデンサ素子8の外径に応じた押圧量を設定してもよい。
(5) 押圧処理において、外装ケース4の外周面に対し、コンデンサ素子8の分断部14の配置位置を示す処理を行ってもよい。この配置位置は、たとえば巻回したコンデンサ素子8に対して封口体10を接続した後、素子全体の長さや分断部14の位置を測定し、外装ケース4の表面に、分断部14の位置または測定結果から設定した押圧位置を表示してもよい。そのほか、外装ケース4は、たとえば予め設計時に設定した押圧位置を表示させてもよく、または外部から収納部6内にあるコンデンサ素子8や分断部14を確認可能に構成してもよい。
(6) 上記実施の形態では、陽極箔20の表面全体に分断部14を形成する場合を示したが、これに限らない。コンデンサ素子8が真円に巻回できる程度であり、かつ、少なくとも押圧溝18の形成時に押圧される部分に分断部14を形成すればよい。コンデンサ2は、少なくとも押圧位置に対して分断部14を形成することで、外装ケース4との固定性の向上が図れる。コンデンサ2の製造処理では、コンデンサ素子8の分断部14の形成範囲について、たとえば予め設定された位置または範囲に基づいて分断部14を形成するとともに、ケース側の設定位置に対して押圧溝18を形成すればよい。コンデンサ素子8の分断部14の形成位置とケースの押圧溝18の形成位置の設定は、たとえばいずれか一方の位置を基準に他方の位置または範囲を設定すればよい。
コンデンサ2は、たとえば車載された場合、激しい振動を継続的に受けることになる。このとき、基板等にタブ12a、12bが接続されるが、横方向に振動を受けることでタブ12a、12bを通じて基板から振動を受ける。この場合、コンデンサ2では、タブ12a、12bと電極箔との接続部分に大きな負荷がかかることになる。しかしながら本願発明のように、外装ケース4とコンデンサ素子8との固定性が向上することで、外部振動による電極箔の破断を防止できる。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
本発明のコンデンサおよびその製造方法は、少なくとも電極箔の一部または全部に、特に、押圧溝が形成される部分を含む範囲に、電極箔の表面を分断した分断部を形成することで、コンデンサ素子を真円またはそれに近い形状に巻回でき、押圧処理においてコンデンサ素子と外装ケースとの固定精度を向上させることができる。
2 コンデンサ
4 外装ケース
6 収納部
8、50 コンデンサ素子
10 封口体
12a、12b タブ
14、14a、14b 分断部
16 加締め溝
18 押圧溝
20、52 陽極箔
22 陰極箔
24 セパレータ
26 巻回中心
30 芯部
32、32a、32b エッチング層
34 誘電体酸化皮膜
40 コマ
42 押圧面
54 隙間
56 盛り上がり部

Claims (4)

  1. エッチング層に平均ピッチが2100μm以下で形成された分断部の内表面および前記エッチング層の表面に誘電体酸化膜が形成されており、該分断部が開閉可能な電極箔が巻回された素子と、
    前記素子を収納するとともに、前記素子に向かって押圧された押圧溝を有し、
    この押圧溝で前記素子を保持するケースを備えたコンデンサであって、
    前記分断部は、少なくとも前記押圧溝によって押圧される部分と対応する位置に形成され、前記電極箔の巻回状態に応じて前記電極箔の一面側の前記分断部が開状態であることを特徴とするコンデンサ。
  2. 前記電極箔は、箔芯部を残して複数の前記分断部を備えることを特徴とする、請求項1に記載のコンデンサ。
  3. 前記電極箔は、巻回方向に対して平行方向または交差方向のいずれかまたは両方の方向に表面層が分断された分断部を備えることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のコンデンサ。
  4. 電極箔を巻回した素子が収納されたケースの外周側を前記素子に向かって押圧するコンデンサの製造方法であって、
    前記素子を巻回する工程の前に前記電極箔のエッチング層に平均ピッチが2100μm以下であり開閉可能な分断部を形成する工程と、
    記分断部の表面に誘電体酸化膜を形成する工程と、
    前記電極箔をセパレータを介して巻回し、前記電極箔の巻回状態に応じて前記電極箔の一面側の前記分断部が開状態となった前記素子を形成する工程と、
    前記分断部が形成された部分に対して、前記ケースを外周側から押圧する工程と、
    を含むことを特徴とするコンデンサの製造方法。
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