以下の説明に記載されるか、または図に例示される構成の詳細および構成要素の配置は、限定することを意味しない。本発明を実施するための他の実施形態および異なるやり方は、明確に含まれる。また、本明細書で使用される表現および用語は、説明を目的としており、限定するものとみなされるべきではない。「含む(including)」、「含む(comprising)」または「有する」、「含有する」、「含む(involving)」および本明細書のそれらの変化形の使用は、その後に列挙される項目およびその均等物、ならびにさらなる項目を包含することを意味する。
定義
「変異型IDH1阻害剤」または「IDH1変異体(単数または複数)の阻害剤」という用語は、IDH1変異サブユニットに結合し、例えば、二量体、例えば変異型IDH1サブユニットのホモ二量体、または変異体および野生型サブユニットのヘテロ二量体の形成を阻害することによって、新たな活性(neoactivity)を阻害する分子、例えばポリペプチド、ペプチドもしくは小分子(例えば、1,000ダルトン未満の分子)またはアプタマー(aptomer)を意味する。一部の実施形態では、新たな活性の阻害は、変異型IDH1阻害剤がない状態の活性と比較して、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%または99%である。一実施形態では、変異型IDH1阻害剤は、化合物2である。
「高レベルの2HG」という用語は、変異型IDH1対立遺伝子を持っている対象において、変異型IDH1対立遺伝子を持っていない対象に存在するよりも10%、20% 30%、50%、75%、100%、200%、500%多いまたはそれよりも多い2HGが存在することを意味する。「高レベルの2HG」という用語は、細胞内、腫瘍内、腫瘍を含む臓器内、または体液内の2HGの量を指すことができる。
「体液」という用語は、胎児を取り囲む羊水、房水、血液(例えば、血漿)、血清、脳脊髄液、耳垢、消化粥、カウパー線液、膣液、間質液、リンパ液、母乳、粘液(例えば、鼻漏もしくは痰)、胸水、膿汁、唾液、皮脂、精液、血清、汗、涙、尿、膣分泌物、または嘔吐物の1つまたは複数を含む。
「阻害」または「予防」という用語は、完全なおよび部分的な阻害および予防の両方を含む。阻害剤は、所期の標的を完全にまたは部分的に阻害することができる。
「対象」という用語は、ヒトおよび非ヒト動物を含むことを意図する。例示的なヒト対象には、障害、例えば本明細書に記載される障害を有するヒト患者(患者と呼ばれる)または正常な対象が含まれる。本発明の一態様の「非ヒト動物」という用語は、あらゆる脊椎動物、例えば、非哺乳動物(例えば鳥類、両生類、爬虫類)および哺乳動物、例えば非ヒト霊長類、家畜および/または農業に有用な動物、例えばヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ等を含む。
「処置する」という用語は、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる疾患/障害、例えば、進行性血液悪性腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、B-急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)もしくはリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫)を含めた血液悪性腫瘍、または神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(肝内胆管細胞癌(IHCC)を含む)、前立腺がん、結腸がんもしくは非小細胞肺がん(NSCLC)を含めた固形腫瘍の、発症または進行の低減、抑制、減弱、減少、抑止または安定化、疾患/障害の重症度の緩和、または疾患/障害と関連する症状の改善を意味する。
障害を処置するのに有効な、薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグもしくは多形体を含めた化合物の量、または「治療有効量」もしくは「治療有効用量」は、対象に単回または複数回用量で投与されると、細胞の処置に有効であるか、またはこのような処置がない状態で予測されるものを上回る、障害を有する対象の治癒、軽減、緩和もしくは改善に有効な薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグまたは多形体を含めた化合物の量を指す。
追加のがん治療剤と関連して本明細書で使用される「併用投与」という用語は、追加のがん治療剤が、単一の剤形(例えば、前述の化合物および第2の治療剤を含む組成物)の一部として、または別個の複数の剤形として、本明細書で提供される化合物と一緒に投与され得ることを意味する。あるいは、追加のがん治療剤は、本明細書で提供される化合物の投与の前、その投与に連続して、またはその投与の後に、投与することができる。このような組合せ治療処置では、本明細書で提供される化合物および第2の治療剤(単数または複数)の両方は、従来の方法によって投与される。本明細書で提供される化合物および第2の治療剤の両方を含む組成物を対象に投与することは、その第2の治療剤、任意の他の第2の治療剤または本明細書で提供される任意の化合物を、前記対象に、処置過程中の別の時間に別々に投与することを除外しない。追加のがん処置と関連して本明細書で使用される「併用投与」という用語は、追加のがん処置が、本明細書で提供される化合物の投与の前、その投与に連続して、その投与と同時に、またはその投与の後に生じ得ることを意味する。
「DNA脱メチル化剤」という用語は、DNAへのメチル基の移動を阻害する薬剤を指す。一実施形態では、DNA脱メチル化剤は、シチジン類似体である。
本明細書で言及される「シチジン類似体」という用語は、シチジン類似体の遊離塩基、またはその塩、溶媒和物、水和物、共結晶、複合体、プロドラッグ、前駆体、代謝産物および/もしくは誘導体を包含することを意図する。ある特定の実施形態では、本明細書で言及されるシチジン類似体は、シチジン類似体の遊離塩基、またはその塩、溶媒和物、水和物、共結晶もしくは複合体を包含する。ある特定の実施形態では、本明細書で言及されるシチジン類似体は、シチジン類似体の遊離塩基、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは水和物を包含する。
本明細書で使用される「他の立体異性体を実質的に含まない」という用語は、1つまたは複数の選択された立体中心において選択された立体化学を有する化合物が、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%濃縮されている調製物を意味する。
「濃縮されている」という用語は、調製物の少なくとも指定されたパーセンテージが、1つまたは複数の選択された立体中心において選択された立体化学を有する化合物であることを意味する。
「結晶性」という用語は、高度に規則的な化学的構造を有する固体を指す。特に、結晶性化合物2は、化合物2の1つまたは複数の単結晶形態として生成され得る。本願の目的では、「結晶形態」、「単結晶形態」および「多形体」という用語は同義であり、これらの用語は、異なる特性(例えば、異なるXRPDパターンおよび/または異なるDSC走査結果)を有する結晶を互いに区別する。「多形体」という用語には、材料の典型的に異なる溶媒和物である疑似多形体が含まれ、したがってそれらの特性は、互いに異なっている。したがって、化合物2のそれぞれ別個の多形体および疑似多形体は、本明細書では別個の単結晶形態であるとみなされる。
「実質的に結晶性」という用語は、少なくとも特定の重量パーセントが結晶性であり得る形態を指す。特定の重量パーセンテージは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%~100%の間の任意のパーセンテージである。一部の実施形態では、実質的に結晶性とは、少なくとも70%が結晶性である化合物2を指す。他の実施形態では、実質的に結晶性とは、少なくとも90%が結晶性である化合物2を指す。
「単離された」という用語は、化合物の少なくとも特定の重量パーセントの特定の結晶形態となり得る形態を指す。特定の重量パーセンテージは、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または90%~100%の間の任意のパーセンテージである。
「溶媒和物または溶媒和物化」という用語は、その結晶形態を含めた本発明の化合物と、1つまたは複数の溶媒分子の物理的会合を意味する。この物理的会合には、水素結合が含まれる。ある特定の場合、例えば1または複数の溶媒分子が結晶固体の結晶格子に組み込まれている場合、溶媒和物は、単離することができる。「溶媒和物または溶媒和物化」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物には、例えば、水和物、エタノレートまたはメタノレートが含まれる。
「水和物」という用語は、溶媒分子が、定義された化学量論量で存在するH2Oである溶媒和物であり、水和物には、例えば、半水和物、一水和物、二水和物または三水和物が含まれ得る。
「混合物」という用語は、組合せの相状態(例えば、液体または液体/結晶性)に関わらず、混合物の組み合わされた要素を指すために使用される。
「播種」という用語は、結晶性材料を添加して、再結晶化または結晶化を惹起することを指すために使用される。
「貧溶媒」という用語は、その結晶形態を含めた化合物が、低い可溶性を示す溶媒を指すために使用される。
「薬学的に許容される担体またはアジュバント」という用語は、本発明の一態様の化合物と一緒に対象に投与することができ、化合物の薬理学的活性を破壊せず、治療的な量の化合物を送達するのに十分な用量で投与される場合に非毒性である、担体またはアジュバントを指す。
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、この用語が言及する化合物の非毒性の酸付加塩または塩基付加塩を指す。薬学的に許容される塩の例は、Bergeら、1977年、「Pharmaceutically Acceptable Salts.」J. Pharm. Sci. 66巻、1~19頁に論じられている。
「約」という用語は、およそ、その領域内、ほぼ、またはその辺りを意味する。「約」という用語が、数値範囲と併せて使用される場合、この用語は、その境界値を、記載される数値よりも大きい値および記載される数値よりも小さい値に拡大することによって、その範囲を修正する。一般に「約」という用語は、本明細書では、記載されている値よりも大きい数値および記載されている値よりも小さい数値を、10%の分散率で修正するために使用される。
化合物
化合物2は、(S)-N-((S)-1-(2-クロロフェニル)-2-((3,3-ジフルオロシクロブチル)アミノ)-2-オキソエチル)-1-(4-シアノピリジン-2-イル)-N-(5-フルオロピリジン-3-イル)-5-オキソピロリジン-2-カルボキサミド、薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグまたは多形体である。化合物2は、以下の化学的構造を有する。
また化合物2は、1つまたは複数の同位体置換を含み得る。例えば、Hは、1H、2H(Dまたは重水素)、および3H(Tまたはトリチウム)を含めた任意の同位体形態(「同位体置換体」)であってよく、Cは、12C、13C、および14Cを含めた任意の同位体形態であってよく、Oは、16Oおよび18Oを含めた任意の同位体形態であってよく、他もまた同様である。例えば、化合物2は、H、Cおよび/またはOの特定の同位体形態が、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%濃縮されている。
また化合物2は、ある特定の実施形態では、複数の互変異性体形態で表される場合があり、このような場合、本発明の一態様は、単一の互変異性体形態だけが表されている場合があっても(例えば、ケト-エノール互変異性体)、本明細書に記載される化合物2のあらゆる互変異性体形態を明確に含む。化合物2のあらゆるこのような異性体形態は、本明細書に明確に含まれる。化合物2の合成は、その全体が参照によって組み込まれる、2013年7月25日公開の米国特許出願公開第2013-0190249-A1号に記載されている。
化合物2の対応する塩、例えば薬学的に許容される塩を調製、精製および/または取り扱うことが好都合であり、または望ましい場合がある。薬学的に許容される塩の例は、Bergeら、1977年、「Pharmaceutically Acceptable Salts.」J. Pharm. Sci. 66巻、1~19頁に論じられている。
例えば、化合物2がアニオン性であるか、またはアニオン性であり得る官能基(例えば、-NH-は、-N--であり得る)を有する場合、塩は、適切なカチオンを用いて形成することができる。適切な無機カチオンの例として、アルカリ金属イオン、例えばNa+およびK+、アルカリ土類カチオン、例えばCa2+およびMg2+、ならびに他のカチオン、例えばAl3+が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの適切な置換アンモニウムイオンの例は、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミンおよびトロメタミン、ならびにアミノ酸、例えばリシンおよびアルギニンから導出されたものである。一般的な第四級アンモニウムイオンの一例は、N(CH3)4
+である。
化合物2がカチオン性であるか、またはカチオン性であり得る官能基(例えば、-NHRは、-NH2R+であり得る)を有する場合、塩は、適切なアニオンを用いて形成することができる。適切な無機アニオンの例として、以下の無機酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、および亜リン酸から導出されたアニオンが挙げられるが、それらに限定されない。
適切な有機アニオンの例として、以下の有機酸、2-アセトキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、粘液酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、および吉草酸から導出されたアニオンが挙げられるが、それらに限定されない。適切なポリマー性有機アニオンの例として、以下のポリマー酸、タンニン酸、カルボキシメチルセルロースから導出されたアニオンが挙げられるが、それらに限定されない。
したがって、本明細書で提供される方法および医薬組成物で使用するための化合物2には、化合物2自体、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグまたは多形体が含まれる。本明細書で提供される化合物2は、選択された生物学的特性、例えば特定組織への標的化を増強するために、適切な官能性を付加することによって修飾し、プロドラッグに変換することができる。このような修飾(すなわち、プロドラッグ)は、当技術分野で公知であり、それには、所与の生物学的区画(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的透過を増大し、経口利用能を増大し、注射による投与を可能にするために溶解度を増大し、代謝を変え、排出速度を変えるものが含まれる。プロドラッグの例として、対象に投与されると活性な化合物を提供することができる、エステル(例えば、リン酸エステル、アミノ酸(例えば、バリン)エステル)、カルバミン酸エステルおよび他の薬学的に許容される誘導体が挙げられる。
化合物2は、様々な固体形態で存在し得ることが判明した。一実施形態では、純粋な結晶形態を含む固体形態が本明細書で提供される。別の実施形態では、溶媒和物化形態および非晶質形態を含む固体形態が本明細書で提供される。本開示は、ある特定の固体形態の化合物2を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される形態の化合物2を含む組成物を提供する。提供される組成物の一部の実施形態では、化合物2は、1つまたは複数の固体形態の混合物として存在する。提供される組成物の一部の実施形態では、化合物2は、単一形態で存在する。
一実施形態では、化合物2は、単結晶形態、または本明細書に記載される単結晶形態のいずれか1つである。化合物2の結晶形態の合成は、国際公開第2015/138837号および同第2015/138839号に記載されており、両者とも、2015年9月17日に公開され、それらの全体が参照によって共に本明細書に組み込まれる。また、少なくとも1種の薬学的に許容される担体または賦形剤、および化合物2を含む医薬組成物が提供され、ここで化合物2は、単結晶形態、または本明細書に記載される結晶形態のいずれか1つである。また、医薬組成物を調製するための化合物2の使用が提供され、ここで化合物2は、単結晶形態、または本明細書に記載される単結晶形態のいずれか1つである。
本明細書では、化合物2の結晶形態を説明するための特徴付け情報の分類が提供される。しかし、このような特定の形態が所与の組成物中に存在することを当業者が決定するために、このような情報がすべて必要とされるわけではなく、特定の形態の決定は、当業者が特定の形態の存在を確立するのに十分であると認識する特徴付け情報の任意の一部を使用して達成することができ、例えば単一の特徴的なピークであっても、このような特定の形態が存在することを当業者が理解するのに十分であり得ることを理解されたい。
一実施形態では、化合物2の少なくとも特定の重量パーセンテージは、結晶性である。特定の重量パーセンテージは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%~100%の間の任意のパーセンテージであり得る。化合物2の特定の重量パーセンテージが結晶性である場合、化合物2の残部は、化合物2の非晶質形態である。結晶性化合物2の非限定的な例として、化合物1の単結晶形態または異なる単結晶形態の混合物が挙げられる。一部の実施形態では、化合物2は、少なくとも90重量%が結晶性である。一部の他の実施形態では、化合物2は、少なくとも95重量%が結晶性である。
別の実施形態では、結晶性化合物2の特定の重量パーセンテージは、特定の単結晶形態または単結晶形態の組合せである。特定の重量パーセンテージは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%~100%の間の任意のパーセンテージであり得る。別の実施形態では、化合物2は、少なくとも90重量%が単結晶形態である。別の実施形態では、化合物2は、少なくとも95重量%が単結晶形態である。
化合物2の以下の説明では、本発明の実施形態は、本明細書で論じられる1つまたは複数の特性によって特徴付けられる、化合物2の特定の結晶形態を参照して説明することができる。結晶形態を特徴付ける説明は、結晶性化合物2中に存在し得る異なる結晶形態の混合物を説明するために使用することもできる。しかし、化合物2の特定の結晶形態は、特定の結晶形態への言及に関して、またはそれに関係なく、本明細書に記載される結晶形態の特徴の1つまたは複数によって特徴付けることもできる。
結晶形態は、以下に示す詳細な説明および実例によってさらに示される。表1~2に記載されるXRPDピークは、データを得るために使用される機器に応じて±0.2°変わり得る。表1~2に記載されるXRPDピークの強度は、10%変わり得る。
形態1
一実施形態では、単結晶形態態である化合物2の形態1は、CuKa放射線を使用して得られた、図5に示されているX線粉末回折(XRPD)パターンおよび表1に示されているデータによって特徴付けられる。特定の実施形態では、多形体は、表1に示されている通り、図5から得られたピークの1つまたは複数によって特徴付けることができる。例えば、多形体は、表1に示されているピークの1個または2個または3個または4個または5個または6個または7個または8個または9個によって特徴付けることができる。
別の実施形態では、形態1は、8.6、15.6、18.5、20.6、21.6、および26.4°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態1は、8.6、15.6、18.5、および21.6°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。
別の実施形態では、形態1は、図6に示されている示差走査熱量測定プロファイル(DSC)によって特徴付けることができる。DSCグラフでは、試料の温度の関数としての熱流をプロットしており、温度変化率は、約10℃/分である。プロファイルは、約140.1℃の開始温度と約149.9℃における溶融を伴う吸熱転移によって特徴付けられる。
別の実施形態では、形態1は、図7に示されている熱重量分析(TGA)によって特徴付けることができる。TGAプロファイルでは、温度の関数としての試料の重量のパーセント損失をグラフ化しており、温度変化率は、約10℃/分である。重量損失は、温度が約29.0℃から125.0℃に変化する場合、試料重量の約0.44%の損失となる。
形態2
一実施形態では、単結晶形態である化合物2の形態2は、CuKa放射線を使用して得られた、図8に示されているX線粉末回折(XRPD)パターンおよび表2に示されているデータによって特徴付けられる。特定の実施形態では、多形体は、表2に示されている通り、図8から得られたピークの1つまたは複数によって特徴付けることができる。例えば、多形体は、表2に示されているピークの1個または2個または3個または4個または5個または6個または7個または8個または9個または10個によって特徴付けることができる。
別の実施形態では、形態2は、9.8、11.6、19.6、22.5、23.0、および31.4°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態2は、9.8、11.6、19.6、および23.0°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。
別の実施形態では、形態2は、図9に示されている示差走査熱量測定プロファイル(DSC)によって特徴付けることができる。DSCグラフでは、試料の温度の関数としての熱流をプロットしており、温度変化率は、約10℃/分である。プロファイルは、約62.7℃の開始温度と約72.5℃における溶融を伴う吸熱転移、および約145.6℃の開始温度と約153.6℃における溶融を伴う吸熱転移によって特徴付けられる。
別の実施形態では、形態2は、図10に示されている熱重量分析(TGA)によって特徴付けることができる。TGAプロファイルでは、温度の関数としての試料の重量のパーセント損失をグラフ化しており、温度変化率は、約10℃/分である。重量損失は、温度が約29.3℃から170.3℃に変化する場合、試料重量の約0.57%の損失となる。
他の実施形態は、本明細書で論じられる単結晶形態のいずれかの前述の特徴の組合せによって特徴付けられる、化合物2の単結晶形態を対象とする。特徴付けは、特定の多形体について説明されるXRPD、TGA、およびDSCの1つまたは複数の任意の組合せによるものであってよい。例えば、化合物2の単結晶形態は、XRPD走査の主なピークの位置に関するXRPDの結果の任意の組合せ、および/またはXRPD走査から得られたデータから導出されたパラメータの1つもしくは複数の任意の組合せによって特徴付けることができる。化合物2の単結晶形態は、指定の温度範囲にわたって試料と関連する重量損失のTGA決定、および/または特定の重量損失転移が始まる温度によって特徴付けることもできる。熱流転移中の最大熱流と関連する温度のDSC決定、および/または試料が熱流転移を受け始める温度により、結晶形態を特徴付けることもできる。ある範囲の相対湿度(例えば、0%~90%)にわたって水分収着/脱着を測定することによって決定される試料の重量変化、および/または化合物2の分子1個当たりの水の収着/脱着の変化により、化合物2の単結晶形態を特徴付けることもできる。
DNA脱メチル化剤
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、1種または複数種のDNA脱メチル化剤の投与または併用投与を含む。一実施形態では、DNA脱メチル化剤は、シチジン類似体である。ある特定の実施形態では、シチジン類似体は、アザシチジンまたは5-アザ-2’-デオキシシチジン(デシタビン)である。ある特定の実施形態では、シチジン類似体は、アザシチジンである。ある特定の実施形態では、シチジン類似体は、5-アザ-2’-デオキシシチジン(デシタビン)である。ある特定の実施形態では、シチジン類似体は、例えば、1-β-D-アラビノフラノシルシトシン(シタラビンまたはara-C)、プソイドイソ-シチジン(psi ICR)、5-フルオロ-2’-デオキシシチジン(FCdR)、2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオロシチジン(ゲムシタビン)、5-アザ-2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオロシチジン、5-アザ-2’-デオキシ-2’-フルオロシチジン、1-β-D-リボフラノシル-2(1H)-ピリミジノン(ゼブラリン)、2’,3’-ジデオキシ-5-フルオロ-3’-チアシチジン(エムトリバ)、2’-シクロシチジン(アンシタビン)、1-β-D-アラビノフラノシル-5-アザシトシン(ファザラビンまたはara-AC)、6-アザシチジン(6-アザ-CR)、5,6-ジヒドロ-5-アザシチジン(dH-アザ-CR)、N4-ペンチルオキシ-カルボニル-5’-デオキシ-5-フルオロシチジン(カペシタビン)、N4-オクタデシル-シタラビン、またはエライジン酸シタラビンである。ある特定の実施形態では、シチジン類似体には、シチジンまたはデオキシシチジンと構造的に関連し、シチジンまたはデオキシシチジンの作用を機能的に模倣し、かつ/もしくはその作用に拮抗する、任意の化合物が含まれる。
ある特定の実施形態では、例示的なシチジン類似体は、以下に提供される構造を有する。
本明細書で提供される方法において使用するためのシチジン類似体は、本明細書において言及されるか、またはそうでなければ文献において利用可能な合成法および手順を使用して調製することができる。例えば、アザシチジンおよびデシタビンを合成するための特定の方法は、例えば、それぞれ参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第7,038,038号およびそれに論じられている参考文献に開示されている。本明細書で提供される方法において使用するための他のシチジン類似体は、例えば当技術分野で公知の手順を使用して調製することができ、または商業的供給源から購入することができる。一実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するためのシチジン類似体は、特定の固体形態(例えば、非晶質または結晶形態)で調製することができる。例えば、いずれもそれらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2005年5月8日出願の米国特許第6,887,855号および2005年9月13日出願の米国特許第6,943,249号を参照されたい。
一実施形態では、本明細書で提供される方法において使用されるシチジン類似体は、遊離塩基、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、遊離塩基または薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、固体である。別の実施形態では、遊離塩基または薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、非晶質形態の固体である。さらに別の実施形態では、遊離塩基または薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、結晶形態の固体である。例えば、特定の実施形態は、例えば、米国特許第6,887,855号、同第6,943,249号、同第7,038,038号、同第7,078,518号、同第7,192,781号、同第7,772,199号および米国特許出願公開第2005/027675号に記載されている方法に従って調製することができる、固体形態のアザシチジンおよびデシタビンを提供し、これらはそれぞれ、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。他の実施形態では、固体形態のアザシチジンおよびデシタビンは、当技術分野で公知の他の方法を使用して調製することができる。
一実施形態では、本明細書で提供される方法において使用されるシチジン類似体は、シチジン類似体の薬学的に許容される塩であり、それらには、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、1,2-エタンジスルホン酸塩(エジシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、2-ナフタレンスルホン酸塩(ナプシル酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、またはウンデカン酸塩が含まれるが、それらに限定されない。
アザシチジンは、4-アミノ-1-β-D-リボフラノシル(ribofuranozyl)-s-トリアジン-2(1H)-オンであり、VIDAZA(登録商標)(Celgene Corporation)としても公知である。その実験式は、C8H12N4O5であり、分子量は、244である。アザシチジンは、白色からオフホワイトの固体であり、アセトン、エタノールおよびメチルケトンには不溶性であり、エタノール/水(50/50)、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールにはわずかに可溶性であり、水、水飽和オクタノール、水中5%ブドウ糖、N-メチル-2-ピロリドン、生理食塩水および水中5%Tween 80には難溶性であり、ジメチルスルホキシド(DMSO)には可溶性である。
VIDAZA(登録商標)は、高危険度のMDSを有する患者の処置に承認されている。VIDAZAは、皮下注射のための懸濁液として再構成するために、または静脈内注入のためにさらに希釈される溶液として再構成するために、無菌形態で供給される。VIDAZA(登録商標)のバイアルは、アザシチジン100mgおよびマンニトール100mgを、凍結乾燥させた無菌粉末として含有する。承認されている投与スケジュールは、28日間の処置サイクルのうち7日間連続で、1日2回の皮下注射または1日1回の静脈内注入である。
経口アザシチジンは、より低い危険度の骨髄異形成(myelodisplastic)症候群(MDS)および急性骨髄性白血病(AML)の患者において有効であり、安全である。一実施形態では、MDSおよびAMLの患者に使用される用量は、投与期間の延期に基づいて(28日間の処置サイクルのうち14日間または21日間)、1日1回300mgである。一実施形態では、経口アザシチジンのための出発用量は、120mgであり、最大耐性用量は、480mgである。
デシタビンは、4-アミノ-1-(2-デオキシ-β-D-エリトロ-ペントフラノシル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)オンであり、DACOGEN(登録商標)としても公知である。その実験式は、C8H12N4O4であり、分子量は、228.21である。デシタビンは、白色からほぼ白色の微粉末であり、エタノール/水(50/50)、メタノール/水(50/50)およびメタノールにわずかに可溶性であり、水に難溶性であり、ジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶性である。
DACOGEN(商標)は、骨髄異形成症候群を有する患者の処置に承認されている。DACOGENは、注射のための凍結乾燥させた白色無菌粉末として、透明な無色ガラスバイアルで供給される。単回投与として、各20mLのガラスバイアルは、デシタビン50mg、一塩基性リン酸カリウム(リン酸二水素カリウム)68mgおよび塩酸ナトリウム11.6mgを含有する。
組成物および投与経路
一実施形態では、治療有効量の変異型IDH1阻害剤およびDNA脱メチル化剤を含む医薬組成物が本明細書で提供される。一実施形態では、変異型IDH1阻害剤は、化合物2である。
一実施形態では、治療有効量の化合物2およびアザシチジンを含む医薬組成物が本明細書で提供される。
一実施形態では、化合物2およびアザシチジンは、1つの組成物として製剤化される。別の実施形態では、化合物2およびアザシチジンは、別個の組成物として製剤化される。
一実施形態では、本明細書で提供される方法で利用される化合物は、薬学的に許容される担体またはアジュバントと一緒に、薬学的に許容される組成物に製剤化した後、対象に投与することができる。別の実施形態では、このような薬学的に許容される組成物は、本明細書に記載されるものを含めた疾患または病状の調節を達成するのに有効な量の追加の治療剤をさらに含む。
本発明の一態様の医薬組成物において使用することができる、薬学的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルには、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化型薬物送達系(SEDDS)、例えばd-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000コハク酸エステル、医薬剤形で使用される界面活性剤、例えばTween類または他の類似のポリマー送達マトリックス、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれるが、それらに限定されない。シクロデキストリン、例えばα-、β-およびγ-シクロデキストリン、または化学的に修飾された誘導体、例えば2-および3-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含めたヒドロキシアルキルシクロデキストリン、または他の可溶化誘導体も、本明細書に記載される化合物2の送達を増強するために有利に使用することができる。
一実施形態では、医薬組成物は、化合物2および添加剤を含む。一実施形態では、化合物2および添加剤を含む医薬組成物は、経口投与のためのものである。一実施形態では、添加剤は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤、安定剤、流動促進剤、または滑沢剤である。
一実施形態では、医薬組成物は、化合物2および/またはアザシチジンおよび添加剤を含む。一実施形態では、化合物2および/またはアザシチジンおよび添加剤を含む医薬組成物は、経口投与のためのものである。
化合物2および/またはアザシチジンのための経口送達型式として、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、溶液剤、懸濁液剤、およびシロップ剤が挙げられるが、それらに限定されず、その経口送達型式は、カプセル化されていても、カプセル化されていなくてもよい複数の顆粒剤、ビーズ剤、散剤またはペレット剤を含むこともできる。このような型式は、本明細書では、化合物2および/またはアザシチジンを含有する「薬物コア」と呼ぶこともできる。
本明細書の特定の実施形態は、錠剤またはカプセル剤である固体経口剤形を提供する。ある特定の実施形態では、製剤は、化合物2および/またはアザシチジンを含む錠剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、化合物2および/またはアザシチジンを含むカプセル剤である。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される錠剤またはカプセル剤は、1種または複数種の添加剤、例えば、流動促進剤、賦形剤、滑沢剤、着色剤、崩壊剤、造粒剤、結合剤、ポリマー、およびコーティング剤などを任意選択で含む。ある特定の実施形態では、製剤は、即時放出錠剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、例えば実質的に胃内で活性医薬成分(API)を放出する、制御放出錠剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、硬質ゼラチンカプセル剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、軟質ゼラチンカプセル剤である。ある特定の実施形態では、カプセル剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、即時放出カプセル剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、例えば実質的に胃内でAPIを放出する、即時または制御放出カプセル剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、投与後に実質的に口内で溶解する、急速崩壊錠剤である。ある特定の実施形態では、本明細書の実施形態は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる悪性腫瘍を処置する医薬組成物を調製するための、化合物2および/またはアザシチジンの使用を包含し、その組成物は、経口投与のために調製される。
本明細書の特定の実施形態は、製剤が経口投与される対象(例えば、ヒト)において特定のAUC値(例えば、AUC(0~t)またはAUC(0~∞))を達成する、化合物2および/またはアザシチジンを含む医薬製剤(例えば、即時放出の経口製剤および/または実質的に胃内でAPIを放出する製剤)を提供する。特定の実施形態は、少なくとも約25ng-時間/mL、少なくとも約50ng-時間/mL、少なくとも約75ng-時間/mL、少なくとも約100ng-時間/mL、少なくとも約150ng-時間/mL、少なくとも約200ng-時間/mL、少なくとも約250ng-時間/mL、少なくとも約300ng-時間/mL、少なくとも約350ng-時間/mL、少なくとも約400ng-時間/mL、少なくとも約450ng-時間/mL、少なくとも約500ng-時間/mL、少なくとも約550ng-時間/mL、少なくとも約600ng-時間/mL、少なくとも約650ng-時間/mL、少なくとも約700ng-時間/mL、少なくとも約750ng-時間/mL、少なくとも約800ng-時間/mL、少なくとも約850ng-時間/mL、少なくとも約900ng-時間/mL、少なくとも約950ng-時間/mL、少なくとも約1000ng-時間/mL、少なくとも約1100ng-時間/mL、少なくとも約1200ng-時間/mL、少なくとも約1300ng-時間/mL、少なくとも約1400ng-時間/mL、少なくとも約1500ng-時間/mL、少なくとも約1600ng-時間/mL、少なくとも約1700ng-時間/mL、少なくとも約1800ng-時間/mL、少なくとも約1900ng-時間/mL、少なくとも約2000ng-時間/mL、少なくとも約2250ng-時間/mL、または少なくとも約2500ng-時間/mLのAUC値を達成する経口製剤を提供する。特定の実施形態では、AUCの決定は、投与後の動物またはヒトボランティアの血液試料から得られた時間-濃度薬物動態プロファイルから得られる。
本明細書の特定の実施形態は、製剤が経口投与される対象において特定の最大血漿濃度(「Cmax」)を達成する、化合物2および/またはアザシチジンを含む医薬製剤(例えば、即時放出の経口製剤および/または実質的に胃内でAPIを放出する製剤)を提供する。特定の実施形態は、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約50ng/mL、少なくとも約75ng/mL、少なくとも約100ng/mL、少なくとも約150ng/mL、少なくとも約200ng/mL、少なくとも約250ng/mL、少なくとも約300ng/mL、少なくとも約350ng/mL、少なくとも約400ng/mL、少なくとも約450ng/mL、少なくとも約500ng/mL、少なくとも約550ng/mL、少なくとも約600ng/mL、少なくとも約650ng/mL、少なくとも約700ng/mL、少なくとも約750ng/mL、少なくとも約800ng/mL、少なくとも約850ng/mL、少なくとも約900ng/mL、少なくとも約950ng/mL、少なくとも約1000ng/mL、少なくとも約1100ng/mL、少なくとも約1200ng/mL、少なくとも約1300ng/mL、少なくとも約1400ng/mL、少なくとも約1500ng/mL、少なくとも約1600ng/mL、少なくとも約1700ng/mL、少なくとも約1800ng/mL、少なくとも約1900ng/mL、少なくとも約2000ng/mL、少なくとも約2250ng/mL、または少なくとも約2500ng/mLの化合物2および/またはシチジン(citidine)類似体のCmaxを達成する経口製剤を提供する。
本明細書の特定の実施形態は、製剤が経口投与される対象において最大血漿濃度までの特定の時間(「Tmax」)を達成する、化合物2および/またはアザシチジンを含む医薬製剤(例えば、即時放出の経口製剤および/または実質的に胃内でAPIを放出する製剤)を提供する。特定の実施形態は、約10分未満、約15分未満、約20分未満、約25分未満、約30分未満、約35分未満、約40分未満、約45分未満、約50分未満、約55分未満、約60分未満、約65分未満、約70分未満、約75分未満、約80分未満、約85分未満、約90分未満、約95分未満、約100分未満、約105分未満、約110分未満、約115分未満、約120分未満、約130分未満、約140分未満、約150分未満、約160分未満、約170分未満、約180分未満、約190分未満、約200分未満、約210分未満、約220分未満、約230分未満、または約240分未満のシチジン類似体のTmaxを達成する経口製剤を提供する。特定の実施形態では、Tmax値は、製剤が経口投与された時間から測定される。
本明細書の特定の実施形態は、化合物2および/またはアザシチジンを含む、腸溶コーティングを有する経口剤形を提供する。特定の実施形態は、細孔を有する、透過性または部分的に透過性の(例えば「漏出性」)腸溶コーティングを提供する。特定の実施形態では、透過性または部分的に透過性の腸溶コーティング錠剤は、化合物2および/またはアザシチジンを、実質的に胃内で即時放出方式により放出する。
本明細書では、経口投与されると、例えば実質的に胃内で放出するように、化合物2および/またはアザシチジンの吸収および/または有効な送達を最大化するために設計された剤形が提供される。したがって、本明細書のある特定の実施形態は、経口投与されると、例えば実質的に胃内でAPIを即時放出するように設計された、医薬添加剤を使用する化合物2および/またはアザシチジンの固体経口剤形を提供する。特定の即時放出製剤は、具体的な量の化合物2および/またはアザシチジン、ならびに任意選択で1種または複数種の添加剤を含む。ある特定の実施形態では、製剤は、即時放出錠剤または即時放出カプセル剤(例えば、HPMCカプセル剤など)であり得る。
本明細書では、本明細書で提供される化合物2および/またはアザシチジンを含む、本明細書で提供される製剤(例えば、即時放出の経口製剤および/または実質的に胃内でAPIを放出する製剤)を製作する方法が提供される。特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、例えば関連文献に記載されている通り、医薬製剤分野の技術者に公知の従来の方法を使用して調製することができる。例えば、REMINGTON、THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY、第20版、Lippincott Williams & Wilkins(2000年);ANSELら、PHARMACEUTICAL DOSAGE FORMS AND DRUG DELIVERY SYSTEMS、第7版、Lippincott Williams & Wilkins、(1999年);GIBSON、PHARMACEUTICAL PREFORMULATION AND FORMULATION、CRC Press(2001年)を参照されたい。
特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤(例えば、即時放出の経口製剤、実質的に胃内でAPIを放出する製剤、または実質的に口内で溶解する急速崩壊製剤)は、具体的な量の化合物2および/またはアザシチジンを含む。特定の実施形態では、製剤における化合物2および/またはアザシチジンの具体的な量は、例えば約10mgである。一実施形態では、具体的な量は、約20mgである。一実施形態では、具体的な量は、約40mgである。一実施形態では、具体的な量は、約60mgである。一実施形態では、具体的な量は、約80mgである。一実施形態では、具体的な量は、約100mgである。一実施形態では、具体的な量は、約120mgである。一実施形態では、具体的な量は、約140mgである。一実施形態では、具体的な量は、約160mgである。一実施形態では、具体的な量は、約180mgである。一実施形態では、具体的な量は、約200mgである。一実施形態では、具体的な量は、約220mgである。一実施形態では、具体的な量は、約240mgである。一実施形態では、具体的な量は、約260mgである。一実施形態では、具体的な量は、約280mgである。一実施形態では、具体的な量は、約300mgである。一実施形態では、具体的な量は、約320mgである。一実施形態では、具体的な量は、約340mgである。一実施形態では、具体的な量は、約360mgである。一実施形態では、具体的な量は、約380mgである。一実施形態では、具体的な量は、約400mgである。一実施形態では、具体的な量は、約420mgである。一実施形態では、具体的な量は、約440mgである。一実施形態では、具体的な量は、約460mgである。一実施形態では、具体的な量は、約480mgである。一実施形態では、具体的な量は、約500mgである。一実施形態では、具体的な量は、約600mgである。一実施形態では、具体的な量は、約700mgである。一実施形態では、具体的な量は、約800mgである。一実施形態では、具体的な量は、約900mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1000mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1100mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1200mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1300mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1400mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1500mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1600mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1700mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1800mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1900mgである。一実施形態では、具体的な量は、約2000mgである。一実施形態では、具体的な量は、約2100mgである。一実施形態では、具体的な量は、約2200mgである。一実施形態では、具体的な量は、約2300mgである。一実施形態では、具体的な量は、約2400mgである。一実施形態では、具体的な量は、約2500mgである。一実施形態では、具体的な量は、約3000mgである。一実施形態では、具体的な量は、約4000mgである。一実施形態では、具体的な量は、約5000mgである。
ある特定の実施形態では、製剤は、当技術分野において認識されている標準の錠剤処理手順および装備を使用して製造される錠剤である。ある特定の実施形態では、錠剤を形成するための方法は、化合物2および/もしくはアザシチジンを単独で含むか、または例えば、担体、添加物質、ポリマーなどの1種もしくは複数種の添加剤と組み合わせて含む、粉末性、結晶性および/または顆粒性の組成物の直接的な圧縮である。ある特定の実施形態では、直接的な圧縮の代替として、錠剤は、湿式造粒または乾燥造粒プロセスを使用して調製することができる。ある特定の実施形態では、錠剤は、圧縮ではなく、湿潤しているか、またはそうでなければ扱いやすい材料で出発して成型される。ある特定の実施形態では、圧縮および造粒の技術が使用される。
ある特定の実施形態では、製剤は、当技術分野において認識されている標準のカプセル剤処理手順および装備を使用して製造され得るカプセル剤である。ある特定の実施形態では、化合物2および/またはシチジン類似体および植物油または非水性、水混和性材料、例えばポリエチレングリコールなどの混合物を含有する、軟質ゼラチンカプセル剤を調製することができる。ある特定の実施形態では、固体粉状担体、例えば、ラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、アミロペクチン、セルロース誘導体、またはゼラチンなどと組み合わされた、化合物2および/またはシチジン類似体の顆粒を含有する、硬質ゼラチンカプセル剤を調製することができる。ある特定の実施形態では、硬質ゼラチンカプセル剤シェルは、ゼラチンおよび少量の可塑剤、例えばグリセロールを含むカプセル剤組成物から調製することができる。ある特定の実施形態では、ゼラチンの代替として、カプセル剤シェルは、炭水化物材料から製作することができる。ある特定の実施形態では、カプセル剤組成物は、必要とされる場合にはポリマー、着色剤、香味剤および乳白剤をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、カプセル剤は、HPMCを含む。
ある特定の実施形態では、化合物2および/またはアザシチジンの製剤は、アザシチジンの著しい加水分解を引き起こさない水性溶媒を使用して調製される。特定の実施形態では、化合物2および/またはアザシチジンの製剤は、製剤中のアザシチジンの著しい加水分解を引き起こさない水性溶媒を使用して薬物コアに適用されるコーティングを含有する錠剤である。ある特定の実施形態では、薬物コアをコーティングするための溶媒として、水が用いられる。ある特定の実施形態では、化合物2および/またはアザシチジンの経口剤形は、水性溶媒を使用して薬物コアに適用されたフィルムコーティングを含有する錠剤である。特定の実施形態では、フィルムコーティングのための溶媒として、水が用いられる。特定の実施形態では、化合物2および/またはアザシチジンを含有する錠剤は、医薬組成物を分解しない水性溶媒を使用してフィルムコーティングされる。特定の実施形態では、医薬組成物を分解しないフィルムコーティング溶媒として、水が使用される。ある特定の実施形態では、化合物2および/またはアザシチジン、ならびに水性フィルムコーティングを含む経口剤形は、経口送達されると薬物を即時放出する。ある特定の実施形態では、化合物2および/またはアザシチジン、ならびに水性フィルムコーティングを含む経口剤形は、経口投与されると、上部胃腸管、例えば胃に薬物を制御放出する。特定の実施形態では、水性系のフィルムコーティングを含む錠剤は、化合物2および/またはアザシチジンをAPIとして含む。
ある特定の実施形態では、a)具体的な量の化合物2および/またはアザシチジン、b)実質的に上部胃腸管で、例えば胃内で化合物2および/またはアザシチジンの放出を制御するための、薬物放出を制御する構成要素、ならびにc)任意選択で1種または複数種の添加剤を含む、化合物2および/またはアザシチジンを実質的に胃内で放出するアザシチジンの経口投与のための制御放出医薬製剤が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、化合物2および/またはアザシチジンを含む経口剤形は、医薬組成物および任意選択の添加剤を含む薬物コアを含む、制御放出錠剤またはカプセル剤として調製される。任意選択で、「シールコーティング」または「シェル」が適用される。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される化合物2および/またはアザシチジンを含む、本明細書で提供される製剤は、治療有効量の化合物2および/またはアザシチジン、経口投与されると実質的に胃内で化合物2および/またはアザシチジンの放出を制御する、薬物放出を制御する構成要素、ならびに任意選択で1種または複数種の添加剤を含む、制御放出錠剤またはカプセル剤である。
特定の実施形態は、胃液に曝露されると膨潤して、製剤を胃に貯留させ、実質的に胃内でポリマーマトリックスから化合物2および/またはアザシチジンを徐放する、ポリマーマトリックスである薬物放出を制御する構成要素を提供する。ある特定の実施形態では、このような製剤は、製剤化の最中に化合物2および/またはアザシチジンを適切なポリマーマトリックスに組み込むことによって調製することができる。このような製剤の例は、当技術分野で公知である。例えば、その全体がそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる、Shellら、米国特許公開第2002/0051820号(出願番号第09/990,061号);Shellら、米国特許公開第2003/0039688号(出願番号第10/045,823号);Guslerら、米国特許公開第2003/0104053号(出願番号第10/029,134号)を参照されたい。
ある特定の実施形態では、薬物放出を制御する構成要素は、薬物含有コアを取り囲むシェルを構成することができ、そのシェルは、例えば、コアから化合物2および/またはアザシチジンを拡散させ、胃液に曝露されると、胃に貯留するサイズまで膨潤することによって製剤の胃内貯留を促進することにより、コアから化合物2および/またはアザシチジンを放出する。ある特定の実施形態では、このような製剤は、最初に、化合物2および/もしくはアザシチジン、ならびに1種もしくは複数種の添加剤の混合物を圧縮して、薬物コアを形成し、別の粉末化混合物を薬物コア上に圧縮させてシェルを形成するか、または薬物コアを、適切な材料から製作されたカプセル剤シェルで封入することによって、調製することができる。このような製剤の例は、当技術分野で公知である。例えば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、Bernerら、米国特許公開第2003/0104062号(出願番号第10/213,823号)を参照されたい。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される医薬製剤は、化合物2および/またはアザシチジン、ならびに任意選択で「薬物コア」を形成するための1種または複数種の添加剤を含有する。任意選択の添加剤には、例えば当技術分野で公知の、例えば賦形剤(増量剤)、滑沢剤、崩壊剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、保存剤、着色剤、香味剤、結合剤、添加剤補助剤、流動促進剤、透過増強用添加剤、可塑剤等が含まれる。医薬組成物においていくつかの物質が1つより多い目的を果たすことが、当業者には理解されよう。例えば、いくつかの物質は、圧縮後に錠剤を一緒に保持する一助となる結合剤であり、一方で、錠剤が標的送達部位に到達したら、錠剤を崩壊させる一助となる崩壊剤でもある。添加剤の選択およびその使用量は、経験ならびに当技術分野で利用可能な標準手順および参考文献の考察に基づいて、調剤者によって容易に決定され得る。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、1種または複数種の結合剤を含む。結合剤は、例えば錠剤に粘着性質を付与し、したがって圧縮後に錠剤を無傷のままにすることを確実にするために使用することができる。適切な結合剤には、中でも、デンプン(トウモロコシデンプンおよびアルファ化デンプンを含む)、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、ブドウ糖およびラクトースを含む)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ワックス、ならびに天然および合成ガム、例えばアカシア アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、セルロースポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を含む)、veegum、カルボマー(例えば、carbopol)、ナトリウム、デキストリン、グアーガム、水素化植物油、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポビドン(例えば、KOLLIDON、PLASDONE)、微結晶性セルロースが含まれるが、それらに限定されない。結合剤には、例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、カルボマー(cabomer)、カラゲニン、セルロースアセテートフタレート、セラトニア、キトサン、菓子用の糖、コポビドン、デキストレート、デキストリン、ブドウ糖、エチルセルロース、ゼラチン、ベヘン酸グリセリル、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒプロメロース、イヌリン、ラクトース、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、マルトデキストリン、マルトース、メチルセルロース、ポロキサマー、ポリカルボフィル、ポリデキストロース、ポリエチレンオキシド、ポリメチルアクリレート、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン、アルファ化デンプン、ステアリン酸、スクロース、およびゼインも含まれる。結合剤は、適切であると決定される場合、薬物コアに対して、薬物コアの約2%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w、薬物コアの約34%w/w、薬物コアの約36%w/w、薬物コアの約38%w/w、薬物コアの約40%w/w、薬物コアの約42%w/w、薬物コアの約44%w/w、薬物コアの約46%w/w、薬物コアの約48%w/w、薬物コアの約50%w/w、薬物コアの約52%w/w、薬物コアの約54%w/w、薬物コアの約56%w/w、薬物コアの約58%w/w、薬物コアの約60%w/w、薬物コアの約62%w/w、薬物コアの約64%w/w、薬物コアの約66%w/w;薬物コアの約68%w/w、薬物コアの約70%w/w、薬物コアの約72%w/w、薬物コアの約74%w/w、薬物コアの約76%w/w、薬物コアの約78%w/w、薬物コアの約80%w/w、薬物コアの約82%w/w、薬物コアの約84%w/w、薬物コアの約86%w/w、薬物コアの約88%w/w、薬物コアの約90%w/w、薬物コアの約92%w/w、薬物コアの約94%w/w、薬物コアの約96%w/w、薬物コアの約98%w/w、またはそれよりも多い量であり得る。ある特定の実施形態では、特定の結合剤の適量は、当業者によって決定される。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、1種または複数種の賦形剤を含む。賦形剤は、実用的なサイズの錠剤が最終的に提供されるように、例えば嵩を増大するために使用することができる。適切な賦形剤には、中でも、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、微結晶性セルロース(例えば、AVICEL)、超微粒セルロース、アルファ化(pregelitinized)デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストレート、デキストリン、ブドウ糖、リン酸水素カルシウム二水和物、第三リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えば、EUDRAGIT)、塩化カリウム、塩化ナトリウム、ソルビトールおよびタルクが含まれる。賦形剤には、例えば、アルギン酸アンモニウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸セルロース、圧縮糖、菓子用の糖、デキストレート、デキストリン、ブドウ糖、エリスリトール、エチルセルロース、フルクトース、フマル酸、パルミトステアリン酸グリセリル、イソマルト、カオリン、ラクチトール(lacitol)、ラクトース、マンニトール、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マルトース、中鎖トリグリセリド、微結晶性セルロース、微結晶性ケイ化セルロース、粉末化(powered)セルロース、ポリデキストロース、ポリメチルアクリレート、シメチコン、アルギン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、スクロース、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、タルク、トラガント、トレハロース、およびキシリトールも含まれる。賦形剤は、錠剤またはカプセル剤に望ましい体積を得るために算出された量で使用することができる。ある特定の実施形態では、賦形剤は、重量/重量で、薬物コアの約5%もしくはそれよりも多い、約10%もしくはそれよりも多い、約15%もしくはそれよりも多い、約20%もしくはそれよりも多い、約22%もしくはそれよりも多い、約24%もしくはそれよりも多い、約26%もしくはそれよりも多い、約28%もしくはそれよりも多い、約30%もしくはそれよりも多い、約32%もしくはそれよりも多い、約34%もしくはそれよりも多い、約36%もしくはそれよりも多い、約38%もしくはそれよりも多い、約40%もしくはそれよりも多い、約42%もしくはそれよりも多い、約44%もしくはそれよりも多い、約46%もしくはそれよりも多い、約48%もしくはそれよりも多い、約50%もしくはそれよりも多い、約52%もしくはそれよりも多い、約54%もしくはそれよりも多い、約56%もしくはそれよりも多い、約58%もしくはそれよりも多い、約60%もしくはそれよりも多い、約62%もしくはそれよりも多い、約64%もしくはそれよりも多い、約68%もしくはそれよりも多い、約70%もしくはそれよりも多い、約72%もしくはそれよりも多い、約74%もしくはそれよりも多い、約76%もしくはそれよりも多い、約78%もしくはそれよりも多い、約80%もしくはそれよりも多い、約85%もしくはそれよりも多い、約90%もしくはそれよりも多い、または約95%もしくはそれよりも多い、薬物コアの約10%~約90%w/wの間、薬物コアの約20%~約80%w/wの間、薬物コアの約30%~約70%w/wの間、薬物コアの約40%~約60%w/wの間の量で使用される。ある特定の実施形態では、特定の賦形剤の適量は、当業者によって決定される。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、1種または複数種の滑沢剤を含む。滑沢剤は、例えば、錠剤の製造を容易にするために使用することができる。適切な滑沢剤の例として、例えば、植物油、例えばピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびカカオ油、グリセリン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、およびステアリン酸が挙げられる。ある特定の実施形態では、ステアリン酸塩は、存在する場合、薬物含有コアのおよそ2重量%以下である。滑沢剤のさらなる例として、例えば、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸、パルミチン酸、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、およびステアリン酸亜鉛が挙げられる。特定の実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。ある特定の実施形態では、滑沢剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約0.2%w/w、薬物コアの約0.4%w/w、薬物コアの約0.6%w/w、薬物コアの約0.8%w/w、薬物コアの約1.0%w/w、薬物コアの約1.2%w/w、薬物コアの約1.4%w/w、薬物コアの約1.6%w/w、薬物コアの約1.8%w/w、薬物コアの約2.0%w/w、薬物コアの約2.2%w/w、薬物コアの約2.4%w/w、薬物コアの約2.6%w/w、薬物コアの約2.8%w/w、薬物コアの約3.0%w/w、薬物コアの約3.5%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約4.5%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約25%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約35%w/w、薬物コアの約40%w/w、薬物コアの約0.2%~約10%w/wの間、薬物コアの約0.5%~約5%w/wの間、または薬物コアの約1%~約3%w/wの間の量で存在する。ある特定の実施形態では、特定の滑沢剤の適量は、当業者によって決定される。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、1種または複数種の崩壊剤を含む。崩壊剤は、例えば、錠剤の崩壊を容易にするために使用することができ、例えば、デンプン、粘土、セルロース、アルギン、ガムまたは架橋ポリマーであり得る。崩壊剤には、例えば、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、AC-DI-SOL、PRIMELLOSE)、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えば、KOLLIDON、POLYPLASDONE)、グアーガム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末化セルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、EXPLOTAB)およびデンプンも含まれる。追加の崩壊剤には、例えば、アルギン酸カルシウム、キトサン、ドクサートナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、およびポビドンが含まれる。ある特定の実施形態では、崩壊剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約1%w/w、薬物コアの約2%w/w、薬物コアの約3%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約9%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w、薬物コアの約32%w/wよりも多い、薬物コアの約1%~約10%w/wの間、薬物コアの約2%~約8%w/wの間、薬物コアの約3%~約7%w/wの間、または薬物コアの約4%~約6%w/wの間の量で存在する。ある特定の実施形態では、特定の崩壊剤の適量は、当業者によって決定される。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、1種または複数種の安定剤を含む。安定剤(吸収増強剤とも呼ばれる)は、例えば、例として酸化反応を含めた薬物分解反応を阻害または遅延させるために、使用することができる。安定化剤には、例えば、d-アルファ-トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸エステル(ビタミンE TPGS)、アカシア、アルブミン、アルギン酸、ステアリン酸アルミニウム、アルギン酸アンモニウム、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ベントナイト、ブチル化ヒドロキシトルエン、アルギン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、カルシウムカルボキシメチルセルロース、カラゲニン、セラトニア、コロイド状二酸化ケイ素、シクロデキストリン、ジエタノールアミン、エデト酸塩、エチルセルロース、エチレングリコールパルミトステアリン酸エステル、モノステアリン酸グリセリン、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、転化糖、レシチン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、モノエタノールアミン、ペクチン、ポロキサマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸カリウム、カリウムポラクリリン、ポビドン、没食子酸プロピル、プロピレングリコール、アルギン酸プロピレングリコール、ラフィノース、酢酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ソルビトール、ステアリルアルコール、スルホブチル(sufobutyl)-b-シクロデキストリン、トレハロース、白ろう、キサンタンガム、キシリトール、黄ろう、および酢酸亜鉛が含まれる。ある特定の実施形態では、安定剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約1%w/w、薬物コアの約2%w/w、薬物コアの約3%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約9%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w、薬物コアの約1%~約10%w/wの間、薬物コアの約2%~約8%w/wの間、薬物コアの約3%~約7%w/wの間、または薬物コアの約4%~約6%w/wの間の量で存在する。ある特定の実施形態では、特定の安定剤の適量は、当業者によって決定される。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、1種または複数種の流動促進剤を含む。流動促進剤は、例えば、粉末組成物もしくは粒状物の流動特性を改善するか、または投与精度を改善するために使用することができる。流動促進剤として機能し得る添加剤には、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末化セルロース、デンプン、第三リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、粉末化セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、デンプン、第三リン酸カルシウム、およびタルクが含まれる。ある特定の実施形態では、流動促進剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約1%w/w未満、薬物コアの約1%w/w、薬物コアの約2%w/w、薬物コアの約3%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約9%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w、薬物コアの約1%~約10%w/wの間、薬物コアの約2%~約8%w/wの間、薬物コアの約3%~約7%w/wの間、または薬物コアの約4%~約6%w/wの間の量で存在する。ある特定の実施形態では、特定の流動促進剤の適量は、当業者によって決定される。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、1種または複数種の透過増強剤(例えば、透過性増強剤とも呼ばれる)を含む。ある特定の実施形態では、透過増強剤は、胃腸管壁(例えば、胃)を介するアザシチジンの取込みを増強する。ある特定の実施形態では、透過増強剤は、血流に入るアザシチジンの速度および/または量を変える。特定の実施形態では、透過増強剤として、d-アルファ-トコフェリルポリエチレングリコール-1000コハク酸エステル(ビタミンE TPGS)が使用される。特定の実施形態では、例えば当技術分野で公知の任意の透過増強剤を含めた、1種または複数種の他の適切な透過増強剤が使用される。
一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、経口、非経口、吸入スプレーにより、局所、直腸内、経鼻、口腔内頬側、膣内により、または埋込式リザーバーを介して、好ましくは経口投与または注射による投与によって投与することができる。一実施形態では、医薬組成物は、任意の従来の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含有することができる。ある場合には、製剤化された化合物またはその送達形態の安定性を増強するために、製剤のpHを、薬学的に許容される酸、塩基または緩衝液を用いて調整することができる。本明細書で使用される非経口という用語には、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術が含まれる。
一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、例えば注射可能な無菌水性または油性懸濁液として、注射可能な無菌調製物の形態であり得る。この懸濁液は、当技術分野で公知の技術に従って、適切な分散化または湿潤剤(例えば、Tween 80など)および懸濁化剤を使用して製剤化することができる。注射可能な無菌調製物は、例えば1,3-ブタンジオール溶液としての、非毒性の非経口で許容される賦形剤または溶媒中の注射可能な無菌溶液または懸濁液であってもよい。用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒には、マンニトール、水、リンゲル溶液および等張食塩水が含まれる。さらに、溶媒または懸濁化媒体として、従来、無菌固定油が用いられている。この目的では、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含めた、任意の無刺激性固定油を用いることができる。脂肪酸、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、製剤上許容される天然油、例えばオリーブ油またはヒマシ油、特にそれらをポリオキシエチレン化したものと同様に、注射剤の調製において有用である。これらの油溶液または懸濁液は、長鎖アルコール賦形剤もしくは分散剤、またはカルボキシメチルセルロース、または乳濁液およびもしくは懸濁液などの薬学的に許容される剤形の製剤において一般に使用される類似の分散化剤を含有することもできる。他の一般に使用される界面活性剤、例えばTween類もしくはSpan類、および/または薬学的に許容される固形、液体、もしくは他の剤形の製造に一般に使用される他の類似の乳化剤もしくは生体利用能増強剤も、製剤化の目的で使用することができる。
一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与することもできる。これらの組成物は、本発明の一態様の化合物を、室温では固体であるが、直腸温度で液体となり、したがって直腸内で溶融して、活性な構成要素を放出する適切な非刺激性の添加剤と混合することによって調製することができる。このような材料には、カカオバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールが含まれるが、それらに限定されない。
本明細書で提供される医薬組成物の局所投与は、所望の処置が、局所適用によって容易に到達可能な領域または臓器を伴う場合に有用である。医薬組成物は、皮膚に局所適用するためには、担体に懸濁または溶解した活性な構成要素を含有する適切な軟膏を用いて製剤化されるべきである。本発明の一態様の化合物を局所投与するための担体には、鉱油、液体石油、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化蝋および水が含まれるが、それらに限定されない。あるいは、医薬組成物は、適切な乳化剤と共に担体に懸濁または溶解した活性化合物を含有する適切なローションまたはクリームを用いて製剤化することができる。適切な担体には、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれるが、それらに限定されない。本明細書で提供される医薬組成物は、直腸坐剤製剤または適切な浣腸製剤によって、下部腸管に局所適用することもできる。局所経皮パッチも、本明細書に含まれる。
一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、鼻エアロゾルまたは吸入によって投与することができる。このような組成物は、医薬製剤分野で周知の技術に従って調製され、生理食塩水中の溶液として、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、生体利用能を増強するための吸収促進剤、フッ化炭素、および/または当技術分野で公知の他の可溶化もしくは分散化剤を用いて調製することができる。
本明細書で提供される組成物が、化合物2およびアザシチジンの組合せを含む場合、化合物2およびアザシチジンの両方は、普通は単剤治療レジメンで投与される投与量の約1~100%の間、より好ましくは約5~95%の間の投与量レベルで存在するべきである。アザシチジンは、本発明の一態様の化合物とは別個に、複数の投与レジメンの一部として投与することができる。あるいは、アザシチジンは、単一組成物において化合物2と一緒に混合された、単一剤形の一部であり得る。
一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、例えば、注射、静脈内、動脈内、真皮下、腹腔内、筋肉内もしくは皮下により、または経口、口腔内頬側、経鼻、経粘膜、局所、点眼用調製物により、または吸入によって、4~120時間ごとに体重1kg当たり約0.5~約100mgの範囲の投与量、もしくは1mg~1000mg/用量の間の投与量で、または特定の薬物の要件に従って投与することができる。本明細書の方法は、所望のまたは記載される効果を達成するための、有効量の化合物または化合物組成物の投与を企図する。一実施形態では、医薬組成物は、1日約1~約6回、または持続注入として投与される。このような投与は、長期または救急治療として使用することができる。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、処置される宿主および特定の投与方法に応じて変わる。典型的な調製物は、約5%~約95%の活性化合物(w/w)を含有する。あるいは、このような調製物は、約20%~約80%の活性化合物を含有する。
前述の用量よりも少ないまたは多い用量が必要となる場合がある。任意の特定の対象のための具体的な投与量および処置レジメンは、用いられる具体的な化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組合せ、疾患、状態もしくは症状の重症度および過程、疾患、状態もしくは症状に対する対象の体内動態、ならびに担当医の判断を含めた様々な因子に応じて決まる。
対象の状態を改善するには、必要に応じて、維持用量の本明細書で提供される化合物、組成物または組合せを投与することができる。その後、投与量もしくは投与頻度、またはその両方は、症状の関数として、症状が所望のレベルに軽減されたら、その改善された状態が保持されるレベルまで低減することができる。しかし、対象は、病状の任意の再発に基づいて、長期間にわたって間欠的処置が必要となる場合がある。
化合物2の固体分散体
ある特定の実施形態では、化合物2は、化合物2、および固体分散体(例えば、非晶質固体分散体)の一部としての1種または複数種のポリマーを含む組成物で投与される。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物2、および1種または複数種のポリマーを含む。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物2、1種または複数種のポリマー、および1種または複数種の界面活性剤を含む。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物2、および1種のポリマーを含む。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物2、1種のポリマー、および界面活性剤を含む。
ある特定の実施形態では、化合物2を含む本明細書で提供される固体分散体は、化合物2の純粋な結晶形態(例えば、形態1または形態2)と比較して、化合物2の溶解度を増強し、したがって、固体分散体を対象に経口投与する際の曝露を改善する。一実施形態では、固体分散体は、化合物2、1種または複数種のポリマー、および任意選択で1種または複数種の溶解度を増強する界面活性剤を含む。
例えば、形態1の水溶性は、約0.025mg/mL~約0.035mg/mLであり、形態2の水溶性は、約0.008mg/mL~約0.010mg/mLである。
形態2は、pH6.1の絶食状態を模擬した腸液(FASSIF)への4時間目における溶解度が約0.018mg/mLである。比較として、非晶質スプレー乾燥分散体は、FASSIFへの3時間目における溶解度が約0.05mg/mL~約0.50mg/mLである。
一部の実施形態では、固体分散体は、対象に投与された場合、そのままの非晶質化合物2の投与と比較して、化合物2が少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%多く曝露される。一部の実施形態では、固体分散体は、対象に投与された場合、純粋な結晶性化合物2の投与と比較して、化合物2が少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%多く曝露される。
ラットおよびサルの薬物動態研究では、そのままの非晶質の投与が示す曝露と比較して、固体分散体の経口剤形の投与時に穏やかな曝露改善が観測される。例えば、50%w/wの化合物2および50%w/wのポリビニルアセテートフタレート(PVAP)を含有する固体分散体は、雄性Sprague Dawleyラットにおいて、そのままの非晶質化合物2と比較して曝露度がおよそ2倍高い。70%w/wの化合物2および30%w/wの経口剤形を含有する固体分散体の曝露には、そのままの非晶質化合物2と比較して有意な差異はない。雄性カニクイザルでは、50%w/wの化合物2および50%w/wのヒプロメロース(hpromellose)アセテートスクシネート(HPMCAS)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートを含有する固体分散体の曝露は、そのままの非晶質化合物2と比較して有意な差異を示さない。同様に、50%w/wの化合物2および50%w/wのヒプロメロースフタレート(HPMC-フタレート)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する固体分散体は、そのままの非晶質化合物2と比較して有意な差異を示さない。そのままの非晶質治療化合物は、一般に、動物研究における投与のために使用されるが、ヒトへの投与に適した剤形ではない。
実施例4のラット薬物動態研究で説明される通り、化合物2の曝露は、純粋な結晶性化合物2の形態2と比較して、固体分散体の剤形が投与される場合に改善される。
一部の実施形態では、固体分散体中の化合物2の少なくとも一部は、非晶質状態である(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%)。他の実施形態では、固体分散体は、結晶性化合物2を実質的に含まない。
一部の実施形態では、この組成物は、化合物2およびポリマーを含む非晶質固体(例えばスプレー乾燥させた)分散体である。非晶質固体分散体は、例えば約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満の結晶性化合物2を含むことができ、例えば結晶性化合物2を実質的に含まない。
一実施形態では、固体分散体は、所定のレベルの物理的および/または化学的安定性を示す。例えば、固体分散体は、密閉防水容器、例えば、琥珀色ガラスバイアル、高密度ポリエチレン(HDPE)容器または乾燥剤を含むHDPE容器に入れたねじれナイロン紐を有する二重ポリエチレンバッグ中25℃で保存すると、非晶質化合物2を約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、または約99%保持する。
一部の実施形態では、ポリマーは、保存されると(例えば2~8℃、例えば4℃または室温で)、ポリマーを伴わない非晶質化合物2と比較して、化合物2の化学的または物理的安定性(例えば、調節した示差走査熱量計によって測定される)を、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%)増大する。
固体分散体は、一般に、ガラス転移温度を示し、分散体は、ガラス状固形からゴム状組成物に転移する。一般に、ガラス転移温度が高いほど、分散体の物理的安定性が高い。ガラス転移温度の存在は、一般に、組成物(例えば分散体)の少なくとも大部分が、非晶質状態であることを示す。医薬品としての適用に適した固体分散体のガラス転移温度(Tg)は、一般に、少なくとも約50℃である。一部の実施形態では、より高い温度が好ましい。したがって、一部の実施形態では、本明細書に開示される固体分散体は、Tgが少なくとも約100℃である(例えば、少なくとも約100℃、少なくとも約105℃、少なくとも約110℃、少なくとも約115℃、少なくとも約120℃、少なくとも約125℃、少なくとも約130℃、少なくとも約135℃、少なくとも約140℃、少なくとも約150℃、少なくとも約160℃、少なくとも約170℃、少なくとも約175℃、少なくとも約180℃、または少なくとも約190℃)。一部の実施形態では、Tgは、約200℃までである。一部の実施形態では、Tgは、約130℃までである(例えば、少なくとも約110℃、少なくとも約111℃、少なくとも約112℃、少なくとも約113℃、少なくとも約114℃、少なくとも約115℃、少なくとも約116℃、少なくとも約117℃、少なくとも約118℃、少なくとも約119℃、少なくとも約120℃、少なくとも約121℃、少なくとも約122℃、少なくとも約123℃、少なくとも約124℃、少なくとも約125℃、少なくとも約1216℃、少なくとも約127℃、少なくとも約128℃、少なくとも約129℃、または少なくとも約130℃)。別段の注記がない限り、本明細書に開示されるガラス転移温度は、乾燥条件下で測定される。
一部の実施形態では、固体分散体は、ポリマー(単数または複数)を伴わない非晶質化合物2のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する。一部の実施形態では、固体分散体は、ポリマー(単数または複数)を伴わない非晶質化合物2の緩和率よりも低い緩和率を有する。
固体分散体中のポリマーの例として、セルロース誘導体(例えば、ヒプロメロース(HPMC)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒプロメロースフタレート(HPMCP)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC))、エチルセルロース、またはセルロースアセテートフタレート;ポリビニルピロリドン(PVP);ポリエチレングリコール(PEG);ポリビニルアルコール(PVA);ポリビニルエステル、例えばポリビニルアセテートフタレート(PVAP);アクリレート、例えばポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)E);シクロデキストリン(例えば、ベータ-シクロデキストリン);ポリ(D,L-ラクチド)(PLA)、ポリ(D,L-ラクチド、co-グリコリド酸(PLGA);ならびに例えばポリビニルピロリドン(polyvinylpyrollidone)-ビニルアセテート(PVP-VA)、ポリビニルカプロラクタム-ポリビニル、およびアセテート-ポリエチレングリコールコポリマー、メチルアクリレート/メタクリル酸コポリマーを含むコポリマーおよびその誘導体;Soluplus;Copovidone;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
一部の実施形態では、固体分散体は、1種の水溶性ポリマーを含む。一部の実施形態では、固体分散体は、1種の部分的に水溶性のポリマーを含む。一部の実施形態では、ポリマーは、セルロースポリマーである。
一部の実施形態では、ポリマーは、HPMCAS(例えば、異なるグレードのHPMCAS:HPMCAS-M、HPMCAS-MGまたはHPMCAS-HG)である。一部の実施形態では、ポリマーは、PVAPである。一部の実施形態では、ポリマーは、HPMC(例えば、異なるグレードのHPMC:HMPC60SH50、HPMCE50またはHPMCE15)である。一部の実施形態では、ポリマーは、HPMCP(例えば、異なるグレードのHPMCP:例えば、HMPCP-HP55)である。
一部の実施形態では、ポリマーは、pH依存性の腸溶ポリマーである。このようなpH依存性の腸溶ポリマーには、セルロース誘導体(例えば、セルロースアセテートフタレート(CAP))、HPMCP、HPMCAS、カルボキシメチルセルロース(CMC)またはその塩(例えば、(CMC-Na)などのナトリウム塩);セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレート(HPCAP)、ヒドロキシプロピルメチル-セルロースアセテートフタレート(HPMCAP)、およびメチルセルロースアセテートフタレート(MCAP)、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit S)、またはそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
一部の実施形態では、ポリマーは、ヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、例えばHMPCAS-HGとしても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートである。
別の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、不溶性架橋ポリマー、例えばポリビニルピロリドン(例えば、Crospovidone)である。別の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、ポリビニルピロリドン(PVP)である。
一部の実施形態では、1種または複数種のポリマーは、固体分散体中に、約10%w/w~90%w/wの間(例えば、約20%w/w~約80%w/wの間、約30%w/w~約70%w/wの間、約40%w/w~約60%w/wの間、または約15%w/w~約35%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約10%w/w~約80%w/w、例えば約30%w/w~約75%w/w、または約40%w/w~約65%w/w、または約45%w/w~約55%w/w、例えば約46%w/w、約47%w/w、約48%w/w、約49%w/w、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、または約54%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約48%w/w、約48.5%w/w、約49%w/w、約49.5%w/w、約50%w/w、約50.5%w/w、約51%w/w、約51.5%w/w、約52%w/w、または約52.5%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約30%w/w~約70%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約35%w/w~約65%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約40%w/w~約60%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約45%w/w~約55%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約50%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約10%w/w~90%w/w(例えば、約20%w/w~約80%w/wの間、約30%w/w~約70%w/wの間、約40%w/w~約60%w/wの間、または約15%w/w~約35%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約10%w/w~約80%w/w、例えば約30%w/w~約75%w/w、または約40%w/w~約65%w/w、または約45%w/w~約55%w/w、例えば約46%w/w、約47%w/w、約48%w/w、約49%w/w、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、または約54%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約48%w/w、約48.5%w/w、約49%w/w、約49.5%w/w、約50%w/w、約50.5%w/w、約51%w/w、約51.5%w/w、約52%w/w、または約52.5%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約30%w/w~約70%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約35%w/w~約65%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約40%w/w~約60%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約45%w/w~約55%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約50%w/wの量で存在する。
別の実施形態では、固体分散体は、約20%w/w~約80%w/wの化合物2、および約20%w/w~約80%のポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約25%w/w~約75%w/wの化合物2、および約25%w/w~約75%w/wのポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約30%w/w~約70%w/wの化合物2、および約30%w/w~約70%のポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約35%w/w~約65%w/wの化合物2、および約35%w/w~約65%のポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約40%w/w~約60%w/wの化合物2、および約40%w/w~約60%w/wのポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約45%w/w~約55%w/wの化合物2、および約45%w/w~約55%のポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約50%w/wの化合物2、および約50%w/wのポリマー(単数または複数)を含む。
別の実施形態では、固体分散体は、約45%w/w~約55%w/wの化合物2、および約45%w/w~約55%w/wのHPMCAS(例えば、HPMCAS-MGもしくはHPMCAS-HG、または他のグレード、例えばLF、MF、HFもしくはLG)またはPVAPを含む。別の実施形態では、固体分散体は、約50%w/wの化合物2、および約50%w/wのHPMCASを含む。
一部の実施形態では、固体分散体はまた、界面活性剤または不活性な薬学的に許容される物質を含む。固体分散体中の界面活性剤の例として、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ビタミンEまたはその誘導体(例えば、ビタミンE TPGS)、ドクセートナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート(例えばTween 20およびTween 80)、ポロキサマー類(例えばPoloxamer 335およびPoloxamer 407)、モノオレイン酸グリセリル、Span 65、Span 25、Capryol 90、プルロニックコポリマー(例えば、Pluronic F108、Pluronic P-123)、およびそれらの混合物が挙げられる。一部の実施形態では、界面活性剤は、SLSである。一部の実施形態では、界面活性剤は、ビタミンEまたはその誘導体(例えば、ビタミンE TPGS)である。
一部の実施形態では、界面活性剤は、固体分散体中に、約0.1%w/w~約10%w/w、例えば約0.5%w/w~約2%w/w、または約1%w/w~約3%w/w、約1%w/w~約4%w/w、または約1%w/w~約5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、界面活性剤は、固体分散体中に、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、約0.5%w/w、約0.6%w/w、約0.7%w/w、約0.8%w/w、約0.9%w/w、または約1%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、界面活性剤は、固体分散体中に、約0.5%w/w、約1%w/w、約1.5%w/w、約2%w/w、約2.5%w/w、約3%w/w、約3.5%w/w、約4%w/w、約4.5%w/w、または約5%w/wの量で存在する。
固体分散体を調製するためのプロセス
一部の実施形態では、固体分散体は、本明細書に記載されるプロセスに従って調製することができる。一般に、使用できる方法には、混合物から溶媒もしくは溶媒混合物を速やかに除去すること、または溶融試料を冷却することを含む方法が含まれる。このような方法には、回転蒸発、フリーズドライ(すなわち、凍結乾燥)、真空乾燥、溶融凝固、および溶融押出が含まれるが、それらに限定されない。本開示の一実施形態は、スプレー乾燥によって得られた固体分散体を含む。一実施形態では、スプレー乾燥によって得られた生成物は、溶媒または溶媒混合物を除去するために乾燥される。
本明細書に開示される調製物、例えば医薬組成物は、化合物2、1種または複数種のポリマー、および適切な溶媒または溶媒混合物を含む混合物をスプレー乾燥することによって得ることができる。スプレー乾燥は、例えば、固体および溶媒または溶媒混合物を含有する液体混合物を噴霧し、溶媒または溶媒混合物を除去することを含む。溶媒または溶媒混合物は、不揮発性溶媒、例えば氷酢酸を含有することもできる。噴霧は、例えば、二流体ノズルもしくは圧力ノズルもしくは電気的音波(electrosonic)ノズルを介して、または回転ディスクによって行うことができる。
スプレー乾燥は、液体供給物を、乾燥微粒子形態に変換する。スプレー乾燥は、一般に、液体供給溶液を噴霧して液滴スプレーにし、その液滴を、乾燥チャンバ内で高温の空気またはガスと接触させることを含む。スプレーは、一般に、回転(輪)またはノズル噴霧器のいずれかによって生成される。液滴からの水分蒸発および乾燥粒子の形成は、制御された温度および気流条件の下で進行する。
任意選択で、二次乾燥プロセス、例えば流動床乾燥または真空乾燥を使用して、残留溶媒(および他の添加物質、例えば氷酢酸)を、薬学的に許容されるレベルに低減することができる。典型的に、スプレー乾燥は、高度に分散した液体懸濁液または溶液(例えば、噴霧された溶液)および十分な体積の高温の空気またはガス(例えば、窒素、例えば、純粋な窒素)を接触させて、液滴を蒸発させ、乾燥させることを含む。スプレー乾燥される調製物は、選択されたスプレー乾燥装置を使用して噴霧することができる任意の溶液、粗懸濁液、スラリー、コロイド分散液、またはペーストであり得る。標準手順では、調製物は、フィルターを通した温風流(またはガス、例えば窒素)にスプレーされ、この温風流またはガスが、溶媒を蒸発させ、乾燥生成物を収集器(例えば、サイクロン)に移す。次に、使用済みの温風またはガスからは、溶媒(または任意の添加物質、例えば氷酢酸を含む溶媒混合物)が排出され(例えば、次にフィルターに通される)、あるいは使用済みの温風またはガスは、溶媒または溶媒混合物を捕捉し潜在的に再利用するための凝縮器に送られる。例えば、ガス(例えば、窒素)が使用される場合、次にそのガスは、任意選択で再利用され、再び加熱され、密閉ループ系のユニットに戻される。スプレー乾燥を実施するために、商業的に利用可能なタイプの装置を使用することができる。例えば、市販のスプレー乾燥機は、Buchi Ltd.およびNiroによって製造されている(例えば、Niroによって製造されたスプレー乾燥機のPSDライン)。
スプレー乾燥は、典型的に、約1%~約30%または約50%まで、好ましくは少なくとも約10%の材料の固体負荷(すなわち、治療活性のある化合物と添加剤)を用いる。一部の実施形態では、10%未満の固体負荷では、収量が低く、容認しがたく長い実行時間がかかる場合がある。一般に、固体負荷の上限は、得られる溶液の粘度(例えばポンプ注入能)、および溶液への構成要素の溶解度によって影響を受ける。一般に、溶液の粘度によって、得られる粉末生成物中の粒子のサイズを決定することができる。
スプレー乾燥のための技術および方法は、Perry's Chemical Engineering Handbook、第6版、R. H. Perry、D. W. GreenおよびJ. O. Maloney編、McGraw-Hill Book Co.(1984年);およびMarshall「Atomization and Spray-Drying」50巻、Chem. Eng. Prog. Monogr. 第2号(1954年)に見出すことができる。一般に、スプレー乾燥は、約40℃~約200℃、例えば約70℃~約150℃、好ましくは約40℃~約60℃、約50℃~約55℃、または約80℃~約110℃、例えば約90℃の入口温度で実施される。スプレー乾燥は、一般に、約20℃~約100℃、例えば約25℃~約30℃(例えば、約26℃)、約40℃~約50℃、約50℃~約65℃、例えば約56℃~約58℃の出口温度で実施される。
溶媒または溶媒混合物の除去には、その後の乾燥ステップ、例えばトレイ乾燥、流動床乾燥(例えば、およそ室温~約100℃)、真空乾燥、マイクロ波乾燥、回転ドラム乾燥または二円錐真空乾燥(例えば、およそ室温~約200℃)が必要とされる場合がある。
一実施形態では、スプレー乾燥は、流動化スプレー乾燥(FSD)である。FSDのステップには、例えば、液体供給溶液(例えば、溶媒(単数または複数)に溶解または懸濁した化合物2ならびに任意選択でポリマー(単数または複数)および/または界面活性剤(単数または複数)を含有する)を調製すること、スプレー乾燥機の乾燥チャンバに送達する際に、例えばFSDモードで操作して、供給溶液を噴霧すること(例えば、圧力ノズル、回転噴霧器もしくはディスク、二流体ノズル、または他の噴霧方法を用いる)、乾燥チャンバ内で加熱空気または加熱ガス(例えば、窒素)を用いて供給溶液を乾燥させて、生成物を得ること(ここで、より大きい生成物粒子は、分離し、例えば離脱し、一方で微細物は、空気またはガスのストリームによって乾燥チャンバの最上部まで(例えば、自然対流によって)およびサイクロンまで運ばれる)、ならびに微細物を、乾燥チャンバに再導入すること(例えば、乾燥チャンバの最上部に、またはチャンバの中心に対して軸方向に)(ここで、再導入された微細物は、新しく形成された生成物と凝集して、凝集生成物を産生することができ、凝集生成物が十分に大きい場合には、その生成物は分離し、分離するのに十分大きくない場合には、凝集生成物は、対流によってチャンバの最上部およびサイクロンに運ばれ、チャンバに再導入される)を含むことができる。このプロセスは、離脱するのに十分に大きい凝集生成物が形成されるまで、反復される。微細物は、供給パイプを介して、サイクロンから乾燥チャンバに再導入され得る。
一部の実施形態では、供給溶液は、加熱空気または加熱ガスによって乾燥されるのではなく、その代わりにスプレー凝固されてもよく、例えばこのプロセスのために、チャンバは、室温(例えば、21±4℃)にされるか、または冷却され、例えば冷却ガス(例えば、窒素)が使用される。
FSDは、第1の流動化チャンバ内に凝集化生成物を収集することをさらに含むことができ、その後、凝集化生成物を、第1の流動化チャンバから第2の流動化チャンバに放出させることができ、そこで乾燥後プロセスを行うことができる。
次に、凝集化生成物(例えば、分離して乾燥チャンバに入れられる)は、第2の流動化チャンバから第3の流動化チャンバに移すことができ、そこで凝集化生成物は冷却される。次に、凝集化生成物(例えば、非晶質化合物の固体分散体)は、さらに処理され得る。例えば、生成物は、直接的に圧縮され得る。生成物は、任意選択で、例えば直接的な圧縮の前に、界面活性剤、添加剤、または薬学的に許容される担体とブレンドされ得る。生成物は、任意選択で、さらに処理され、例えば、溶融顆粒物(granulate)、界面活性剤、添加剤、および/または薬学的に許容される担体と共に製粉し、造粒し、ブレンドし、かつ/または混合され得る。
FSDは、市販のスプレー乾燥機により、流動化スプレー乾燥機モード(FSDモード)で操作して実施され得る。FSDは、開放サイクルモードまたは密閉サイクルモード(例えば、乾燥ガス、例えば、窒素が再利用される)のいずれかで達成され得る。FSDで使用するのに適したスプレー乾燥機の例として、Niro製の乾燥機(例えば、Niroによって製造されたスプレー乾燥機のPSDライン:PHARMASD(商標);ChemicalまたはSDライン乾燥機)が挙げられる。FSDは、本質的に、微細物を乾燥チャンバに再導入可能にするように構成されている任意のスプレー乾燥機で実施され得る。
さらなる溶媒を除去するために、例えば、真空もしくは流動床乾燥機、または二重円錐もしくは二円錐事後乾燥機、またはタンブル乾燥機における追加の事後乾燥を、必要に応じて行うことができ/適用することができる。一部の実施形態では、事後乾燥ステップが実施される。
溶媒または溶媒混合物を除去するために、真空乾燥、スプレー乾燥、流動化スプレー乾燥、トレイ乾燥、凍結乾燥、ロータリーエバポレーター処理(rotovapping)、および他の乾燥手順を適用することができる。適切な処理パラメータを使用してこれらの方法のいずれかを本開示に従って適用することによって、非晶質状態の化合物2を、最終的な固体分散体生成物で提供する。望ましい特性(例えば、40~200ミクロン、例えば40~150ミクロンの中央粒径(d50))、粉末バルク密度>0.2g/ml(例えば、0.2~0.5g/ml)、または>0.25g/ml、改善された粉末流動性(例えば、低粘着力、粒子間の低内部摩擦)、および/または低OVI(有機揮発性不純物)を有する乾燥粉末、例えば、ICH限界値未満および/または使用者用の仕様書)を有する分散体、例えば粉末をもたらす、適切な条件(例えば、スプレー乾燥機の低出口温度、低沸点溶媒の使用、加熱ガスの使用)を使用すると、分散体は、剤形に直接的に圧縮され得る。
一部の実施形態では、入口温度は、約50℃~約200℃の間、例えば約60℃~約150℃の間、約70℃~約100℃の間、約60℃~約95℃の間、約65℃~約85℃の間、約70℃~約90℃の間、約85℃~約95℃の間、または約70℃~約85℃の間である。
一部の実施形態では、出口温度は、およそ室温(例えば、USPによる室温(例えば、21±4℃))~約80℃の間、例えば約25℃~約75℃の間、約30℃~約65℃の間、約35℃~約70℃の間、約40℃~約65℃の間、約45℃~約60℃の間、約35℃~約45℃の間、約35℃~約40℃の間、または約37℃~約40℃の間である。
一部の実施形態では、流動床の温度設定点(床ごとの温度は、別の床に選択された温度とは独立に選択される)は、およそ室温(例えば、USPによる室温(例えば、21±4℃))~約100℃の間、例えば約30℃~約95℃の間、約40℃~約90℃の間、約50℃~約80℃の間、約60℃~約85℃の間、約65℃~約95℃の間、または約80℃~約95℃の間である。
FSDは、化合物2を含有する混合物に対して実施することができる。例えば、FSDを、化合物2、および1種または複数種のポリマー、および任意選択で1種または複数種の界面活性剤、および任意選択で1種または複数種の追加の添加剤(単数または複数)を含有する混合物に対して実施して、例えば経口剤形(例えば、錠剤)に直接的に圧縮することができる、その非晶質化合物2の固体分散体を得ることができる。あるいは、分散体は、圧縮の前に、1種または複数種の添加剤とブレンドすることができる。
一実施形態では、化合物2の固体分散体を調製するためのプロセスは、
a)化合物2、1種または複数種のポリマー、および1種または複数種の溶媒の混合物を形成するステップと、
b)溶液から溶媒(単数または複数)を急速に除去して、化合物2および1種または複数種のポリマーを含む固体非晶質分散体を形成するステップと
を含む。1種または複数種のポリマーおよび1種または複数種の溶媒は、本明細書に開示されるもののいずれかであり得る。
一部の実施形態では、溶媒は、スプレー乾燥によって除去される。一部の実施形態では、固体分散体は、対流型トレイ乾燥機を使用してトレイ乾燥させられる。一部の実施形態では、固体分散体は、ふるいにかけられる。
一実施形態では、化合物2は、結晶性である。別の実施形態では、化合物2は、非晶質である。
当業者によって理解される通り、スプレー乾燥を行うことができ、スプレー乾燥は、しばしば不活性ガス、例えば窒素の存在下で行われる。ある特定の実施形態では、スプレー乾燥を伴うプロセスは、二酸化炭素または二酸化炭素を含む混合物を含む超臨界流体の存在下で行うことができる。
別の実施形態では、化合物2の固体分散体を調製するためのプロセスは、
a)化合物2、ポリマー、および溶媒の混合物を形成するステップと、
b)混合物をスプレー乾燥させて、化合物2およびポリマーを含む固体分散体を形成するステップと
を含む。
残留溶媒に関するICHまたは所与の仕様書未満まで、湿式スプレー乾燥させた分散体の事後乾燥および/または研磨を任意選択で実施することができる。
これらのプロセスを使用して、本明細書に開示される医薬組成物を調製することができる。これらのプロセスで使用される構成要素の量および特徴は、本明細書に開示される通りであり得る。
一部の実施形態では、溶媒は、化合物2およびポリマー(単数または複数)を溶解または懸濁させるための1種または複数種の揮発性溶媒を含む。一部の実施形態では、1種または複数種の溶媒は、化合物2およびポリマー(単数または複数)を完全に溶解させる。
一部の実施形態では、1種または複数種の溶媒は、揮発性溶媒(例えば、塩化メチレン、アセトン、メタノール、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、またはそれらの混合物)である。適切な揮発性溶媒の例として、治療活性のある化合物を、単独でまたは別の共溶媒と組み合わせて溶解または懸濁させる溶媒が挙げられる。一部の実施形態では、溶媒(単数または複数)は、治療活性のある化合物を完全に溶解させる。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。
一部の実施形態では、溶媒は、不揮発性溶媒(例えば、有機酸、例えば氷酢酸、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、または水)である。一部の実施形態では、不揮発性溶媒は、溶媒系の構成要素である。例えば、不揮発性溶媒は、溶媒中の構成要素として、約1%~約20%w/w(例えば、約3%w/w~約15%w/w、約4%w/w~約12%w/w、または約5%w/w~約10%w/w)で存在する。
一部の実施形態では、溶媒は、溶媒混合物である。例えば、溶媒は、約0%~約30%のアセトンおよび約70%~約100%のメタノールを含むことができ、または溶媒は、約0%~約40%のアセトンおよび約60%~約100%のメタノールを含むことができる。メタノールとアセトンの他の例示的な比には、80:20、75:25、70:30、60:40、55:45、および50:50が含まれる。
一部の実施形態では、溶媒は、少なくとも1種の不揮発性溶媒を含む溶媒の組合せである。例えば、溶媒は、揮発性溶媒および不揮発性溶媒の両方を含む構成要素の組合せである。一部の実施形態では、溶媒系は、揮発性溶媒の組合せ、または溶媒、例えばメタノールおよびアセトンと不揮発性溶媒、例えば氷酢酸との組合せである。例えば、溶媒系は、約40%~約80%のメタノール、約20%~約35%のアセトン、および約1%~約15%の氷酢酸(例えば、約50%~約70%のメタノール、約25%~約30%のアセトン、および約3%~約12%の氷酢酸)を含む。
一部の実施形態では、溶媒系は、揮発性溶媒の組合せ、または溶媒、例えばメタノールおよびアセトンと不揮発性溶媒、例えば水との組合せである。例えば、溶媒系は、約40%~約80%のメタノール、約20%~約35%のアセトン、および約0.1%~約15%の水(例えば、約50%~約70%のメタノール、約25%~約30%のアセトン、および約1%~約5%の水)を含む。
ある特定の実施形態では、固体分散体の医薬組成物は、本明細書に記載されるプロセスによって製作することができる。例えば、(a)化合物2、および(b)1種または複数種のポリマー、ならびに任意選択で1種または複数種の界面活性剤および任意選択で1種または複数種の追加の添加剤の、固体分散体。
化合物2の固体分散体を含有する医薬組成物
ある特定の実施形態では、(a)化合物2およびポリマーを含む固体分散体、ならびに(b)1種または複数種の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が本明細書で提供される。薬学的に許容される担体の例は、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、流動促進剤、および滑沢剤である。
一部の実施形態では、医薬組成物は、それらに限定されるものではないが、カプセル剤、錠剤、乳濁液剤および水性懸濁液剤、分散液剤、ならびに溶液剤を含めた任意の経口的に許容される剤形で経口投与することができる。
一部の実施形態では、医薬組成物は、錠剤である。
一部の実施形態では、医薬組成物は、化合物2の直接的に圧縮された剤形を含む。
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、充填剤を含む。充填剤は、例えば、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトール、エチルセルロース、ソルビトール、デンプン、スクロース、リン酸カルシウム、粉末化セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、イソマルト、またはそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、充填剤は、微結晶性セルロースである。
一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約10%w/w~50%w/wの間(例えば、約15%w/w~約45%w/wの間、約20%w/w~約40%w/wの間、約25%w/w~約35%w/wの間、または約28%w/w~約32%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約20%w/w~約35%w/w、例えば約25%w/w~約34%w/w、または約26%w/w~約33%w/w、または約27%w/w~約32%w/w、例えば約28%w/w、約28.5%w/w、約29%w/w、約29.5%w/w 約30%w/w、約30.5%w/w、約31%w/w、または約31.5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約29%w/w、約29.1%w/w、約29.2%w/w、約29.3%w/w、約29.4%w/w、約29.5%w/w、約29.6%w/w、約29.7%w/w、約29.8%w/w、約29.9%w/w、または約30%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約25%w/w~約35%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約29.5%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、崩壊剤を含む。崩壊剤は、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、粉末化セルロース、ケイ酸カルシウム、クロスポビドン、アルギン酸カルシウム、メチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルデンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファ化デンプン、またはそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。
一部の実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物中に、約1%w/w~15%w/wの間(例えば、約3%w/w~約12%w/wの間、約4%w/w~約10%w/wの間、約5%w/w~約7%w/wの間、または約6%w/w~約7%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物中に、約3%w/w、約3.5%w/w、約4%w/w、約49.5%w/w 約5%w/w、約5.5%w/w、約6%w/w、または約6.5%w/w、約7%w/w、約7.5%w/w、約8%w/w、約8.5%w/w、約9%w/w、約9.5%w/w、または約10%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物中に、約5%w/w~約7%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物中に、約6%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、湿潤剤を含む。湿潤剤は、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート(例えばTween 20およびTween 80)、ポロキサマー類(例えばPoloxamer 335およびPoloxamer 407)、モノオレイン酸グリセリル、またはそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、湿潤剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。
一部の実施形態では、湿潤剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w~2%w/wの間(例えば、約0.5%w/w~約2%w/wの間、約0.5%w/w~約1.5%w/wの間、または約1%w/w~約1.5%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、湿潤剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w 約0.5%w/w、約0.6%w/w、約0.7%w/w、または約0.8%w/w、約0.9%w/w、約1%w/w、約1.1%w/w、約1.2%w/w、約1.3%w/w、約1.4%w/w、約1.5%w/w、約1.6%w/w、約1.7%w/w、約1.8%w/w、約1.9%w/w、または約2%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、湿潤剤は、医薬組成物中に、約0.5%w/w~約1.5%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、湿潤剤は、医薬組成物中に、約1%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、流動促進剤を含む。流動促進剤は、例えば、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、第三リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、粉末化セルロース、タルク、デンプン、およびそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。
一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w~5%w/wの間(例えば、約1%w/w~約4%w/wの間、約1%w/w~約3%w/wの間、または約1.5%w/w~約2.5%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約0.5%w/w、約1%w/w、約1.5%w/w、約2%w/w 約2.5%w/w、約3%w/w、約3.5%w/w、または約4%w/w、約4.5%w/w、または約5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約1.1%w/w、約1.2%w/w、約1.3%w/w、約1.4%w/w、約1.5%w/w、約1.6%w/w、約1.7%w/w、約1.8%w/w、約1.9%w/w、約2%w/w、2.1%w/w、約2.2%w/w、約2.3%w/w、約2.4%w/w、約2.5%w/w、約2.6%w/w、約2.7%w/w、約2.8%w/w、約2.9%w/w、または約3%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約1%w/w~約3%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約2%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、滑沢剤を含む。滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸スクロース、ポリビニルアルコール、ラウリル硫酸マグネシウム、またはそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w~5%w/wの間(例えば、約1%w/w~約4%w/wの間、約1%w/w~約3%w/wの間、または約1%w/w~約2%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約0.5%w/w、約1%w/w、約1.5%w/w、約2%w/w 約2.5%w/w、約3%w/w、約3.5%w/w、または約4%w/w、約4.5%w/w、または約5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、約0.5%w/w、約0.6%w/w、約0.7%w/w、約0.8%w/w、約0.9%w/w、約1%w/w、約1.1%w/w、約1.2%w/w、約1.3%w/w、約1.4%w/w、約1.5%w/w、約1.6%w/w、約1.7%w/w、約1.8%w/w、約1.9%w/w、約2%w/w、2.1%w/w、約2.2%w/w、約2.3%w/w、約2.4%w/w、または約2.5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約0.5%w/w~約2.5%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約1.5%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、固体分散体は、医薬組成物の総重量の約25重量%~85重量%を構成する。一部の実施形態では、固体分散体は、医薬組成物の総重量の約50重量%~約70重量%を構成する。
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の総重量の約15%~45%を構成し、および1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の総重量の約15%~45%を構成する。
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の約20%w/wを構成し、1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の約40%w/wを構成する。
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の約25%w/wを構成し、1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の約35%w/wを構成する。
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の約30%w/wを構成し、1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の約30%w/wを構成する。
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の約35%w/wを構成し、1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の約25%w/wを構成する。
一部の実施形態では、固体分散体は、医薬組成物の約50%w/w~約70%w/wの間を構成し、充填剤は、医薬組成物の約25%w/w~約35%w/wの間を構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約5%w/w~約7%w/wの間を構成し、湿潤剤は、医薬組成物の約0.5%w/w~約1.5%w/wの間を構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約1%w/w~約3%w/wの間を構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約0.5%w/w~約2.5%w/wの間を構成し、それによって合計100重量%の組成物となる。
一部の実施形態では、固体分散体は、医薬組成物の約60%w/wを構成し、充填剤は、医薬組成物の約29.5%w/wを構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約6%w/wを構成し、湿潤剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約2%w/wを構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約1.5%w/wを構成する。
一部の実施形態では、医薬組成物は、約25%w/w~約35%w/wの間の化合物2 約25%w/w~約35%w/wの間のヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、約25%w/w~約35%w/wの間の微結晶性セルロース、約5%w/w~約7%w/wの間のクロスカルメロースナトリウム、約0.5%w/w~約1.5%w/wの間のラウリル硫酸ナトリウム、約1%w/w~約3%w/wの間のコロイド状二酸化ケイ素、および約0.5%w/w~約2.5%w/wの間のステアリン酸マグネシウムを含み、それによって合計100重量%の組成物となる。
一部の実施形態では、医薬組成物は、約30%w/wの化合物2 約30%w/wのヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、約29.5%w/wの微結晶性セルロース、約6%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約1%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約2%w/wのコロイド状二酸化ケイ素、および約1.5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。
一部の実施形態では、固体分散体、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、流動促進剤、および滑沢剤は、粒内に添加される。一部の実施形態では、追加量の充填剤、崩壊剤、流動促進剤、および滑沢剤は、粒外に添加される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒内に添加される以下の構成要素を含み、固体分散体は、医薬組成物の約50%w/w~約70%w/wを構成し、充填剤は、医薬組成物の約18%w/w~約26%w/wを構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約2%w/w~約6%w/wを構成し、湿潤剤は、医薬組成物の約0.5%w/w~約1.5%w/wを構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約0.5%w/w~約1.5%w/wを構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約0.25%w/w~約1%w/wを構成する。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒外に添加される以下の構成要素を含み、追加量の充填剤は、医薬組成物の約4%w/w~約12%w/wを構成し、追加量の崩壊剤は、医薬組成物の約1%w/w~約3%w/wを構成し、追加量の流動促進剤は、医薬組成物の約0.5%w/w~約1.5%w/wを構成し、追加量の滑沢剤は、医薬組成物の約0.5%w/w~約1.5%w/wを構成し、それらは粒外に添加される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒内に添加される以下の構成要素を含み、固体分散体は、医薬組成物の約60%w/wを構成し、充填剤は、医薬組成物の約21.5%w/wを構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約4%w/wを構成し、湿潤剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約0.5%w/wを構成する。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒外に添加される以下の構成要素を含み、追加量の充填剤は、医薬組成物の約8%w/wを構成し、追加量の崩壊剤は、医薬組成物の約2%w/wを構成し、追加量の流動促進剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、追加量の滑沢剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、それらは粒外に添加される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒内に添加される以下の構成要素を含み、化合物2およびヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)を含む固体分散体は、医薬組成物の約50%w/w~約70%w/wを構成し、微結晶性セルロースは、医薬組成物の約18%w/w~約26%w/wを構成し、クロスカルメロースナトリウムは、医薬組成物の約2%w/w~約6%w/wを構成し、ラウリル硫酸ナトリウムは、医薬組成物の約0.5%w/w~約1.5%w/wを構成し、コロイド状二酸化ケイ素は、医薬組成物の約0.5%w/w~約1.5%w/wを構成し、ステアリン酸マグネシウムは、医薬組成物の約0.25%w/w~約1%w/wを構成する。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒外に添加される以下の構成要素を含み、追加量の微結晶性セルロースは、医薬組成物の約4%w/w~約12%w/wを構成し、追加量のクロスカルメロースナトリウムは、医薬組成物の約1%w/w~約3%w/wを構成し、追加量のコロイド状二酸化ケイ素は、医薬組成物の約0.5%w/w~約1.5%w/wを構成し、追加量のステアリン酸マグネシウムは、医薬組成物の約0.5%w/w~約1.5%w/wを構成し、それらは粒外に添加される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒内に添加される以下の構成要素を含み、化合物2およびヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)を含む固体分散体は、医薬組成物の約60%w/wを構成し、微結晶性セルロースは、医薬組成物の約21.5%w/wを構成し、クロスカルメロースナトリウムは、医薬組成物の約4%w/wを構成し、ラウリル硫酸ナトリウムは、医薬組成物の約1%w/wを構成し、コロイド状二酸化ケイ素は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、ステアリン酸マグネシウムは、医薬組成物の約0.5%w/wを構成する。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒外に添加される以下の構成要素を含み、追加量の微結晶性セルロースは、医薬組成物の約8%w/wを構成し、追加量のクロスカルメロースナトリウムは、医薬組成物の約2%w/wを構成し、追加量のコロイド状二酸化ケイ素は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、追加量のステアリン酸マグネシウムは、医薬組成物の約1%w/wを構成し、それらは粒外に添加される。
使用方法
ある特定の実施形態では、IDH1変異体(例えば、IDH1のR132H、IDH1のR132C、IDH1のR132L、IDH1のR132V、IDH1のR132SまたはIDH1のR132GF)に対する化合物2の阻害活性は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれるPCT出願国際公開第2013/107291号および米国特許出願公開第2013/0190249号の実施例Aに記載されている方法、または類似の方法によって試験することができる。
一実施形態では、変異型IDH1阻害剤およびDNA脱メチル化剤の組合せを対象に投与することによって、血液学的悪性腫瘍を処置する方法が本明細書で提供される。一実施形態では、血液悪性腫瘍は、進行性血液悪性腫瘍である。
一実施形態では、変異型IDH1阻害剤およびDNA脱メチル化剤の組合せを対象に投与することによって、固形腫瘍を処置する方法が本明細書で提供される。
一実施形態では、変異型IDH1阻害剤は、化合物2である。
一実施形態では、DNA脱メチル化剤は、アザシチジンである。
一実施形態では、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、血液系腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、B-急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、またはリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫)を処置する方法であって、治療有効量の化合物2およびアザシチジンを対象に投与するステップを含む方法が本明細書で提供される。一実施形態では、血液悪性腫瘍は、進行性血液悪性腫瘍である。
一実施形態では、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、血液系腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、B-急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、またはリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫)を処置する方法であって、治療有効量の化合物2、またはその固体懸濁液、およびアザシチジンを対象に投与するステップを含む方法が本明細書で提供される。一実施形態では、血液悪性腫瘍は、進行性血液悪性腫瘍である。
一実施形態では、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、血液系腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、B-急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、またはリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫)を処置する方法であって、治療有効量の化合物2の単結晶形態およびアザシチジンを対象に投与するステップを含む方法が本明細書で提供される。一実施形態では、化合物2の単結晶形態は、90%~100%純粋の間の任意のパーセンテージである。一実施形態では、血液悪性腫瘍は、進行性血液悪性腫瘍である。
一実施形態では、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、血液系腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、B-急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、またはリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫)を処置する方法であって、治療有効量の化合物2およびアザシチジンを含む医薬組成物を対象に投与するステップを含む方法が本明細書で提供される。一実施形態では、血液悪性腫瘍は、進行性血液悪性腫瘍である。
一実施形態では、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、血液学的悪性腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、B-急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、またはリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫)を処置する方法であって、治療有効量の化合物2の単結晶形態およびアザシチジンを含む医薬組成物を対象に投与するステップを含む方法が本明細書で提供される。一実施形態では、化合物2の単結晶形態は、90%~100%純粋の間の任意のパーセンテージである。一実施形態では、血液悪性腫瘍は、進行性血液悪性腫瘍である。
一実施形態では、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、固形腫瘍、例えば神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌、肉腫、または非小細胞肺がんを処置する方法であって、治療有効量の化合物2、またはその結晶形態、およびアザシチジンを対象に投与するステップを含む方法が本明細書で提供される。
一実施形態では、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、固形腫瘍、例えば神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌、肉腫、または非小細胞肺がんを処置する方法であって、治療有効量の化合物2およびアザシチジンを対象に投与するステップを含む方法が本明細書で提供される。
一実施形態では、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、固形腫瘍、例えば神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(肝内胆管細胞癌(IHCC)を含む)、前立腺がん、結腸がん、または非小細胞肺がん(NSCLC)を処置する方法であって、治療有効量の化合物2、またはその固体懸濁液、およびアザシチジンを対象に投与するステップを含む方法が本明細書で提供される。
一実施形態では、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、固形腫瘍、例えば神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(肝内胆管細胞癌(IHCC)を含む)、前立腺がん、結腸がん、または非小細胞肺がん(NSCLC)を処置する方法であって、治療有効量の化合物2の単結晶形態およびアザシチジンを対象に投与するステップを含む方法が本明細書で提供される。一実施形態では、化合物2の単結晶形態は、90%~100%純粋の間の任意のパーセンテージである。
一実施形態では、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、固形腫瘍、例えば神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(肝内胆管細胞癌(IHCC)を含む)、前立腺がん、結腸がん、または非小細胞肺がん(NSCLC)を処置する方法であって、治療有効量の化合物2およびアザシチジンを含む医薬組成物を対象に投与するステップを含む方法が本明細書で提供される。
一実施形態では、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、固形腫瘍、例えば神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(肝内胆管細胞癌(IHCC)を含む)、前立腺がん、結腸がん、または非小細胞肺がん(NSCLC)を処置する方法であって、治療有効量の化合物2の単結晶形態およびアザシチジンを含む医薬組成物を対象に投与するステップを含む方法が本明細書で提供される。一実施形態では、化合物2の単結晶形態は、90%~100%純粋の間の任意のパーセンテージである。
一実施形態では、処置される悪性腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子によって特徴付けられ、ここでIDH1変異は、患者においてαケトグルタル酸からR( )-2-ヒドロキシグルタル酸へのNAPH依存性還元を触媒する酵素の新しい能力をもたらす。この実施形態の一態様では、変異型IDH1は、R132X変異を有する。この実施形態の一態様では、R132X変異は、R132H、R132C、R132L、R132V、R132SおよびR132Gから選択される。別の態様では、R132X変異は、R132HまたはR132Cである。さらに別の態様では、R132X変異は、R132Hである。
悪性腫瘍は、IDH1のアミノ酸132における変異(例えば、存在する変化したアミノ酸)の存在および特異的性質を決定するために、細胞試料を配列決定することによって分析することができる。
理論に拘泥するものではないが、出願人らは、IDH1変異が、α-ケトグルタル酸からR(-)-2-ヒドロキシグルタル酸へのNAPH依存性還元を触媒する酵素の新しい能力をもたらす、IDH1の変異対立遺伝子、特にIDH1のR132H変異が、体内のがん細胞の性質または位置に関わらず、あらゆるタイプのがんのサブセットを特徴付けると考える。したがって、本明細書に記載される化合物および方法は、それぞれこのような活性を付与するIDH1の変異対立遺伝子、特にIDH1のR132HまたはR132C変異の存在によって特徴付けられる、進行性血液悪性腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、B-急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、またはリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫)を含めた血液悪性腫瘍を処置するのに有用である。別の態様では、本明細書に記載される化合物および方法は、それぞれこのような活性を付与するIDH1の変異対立遺伝子、特にIDH1のR132HまたはR132C変異の存在によって特徴付けられる、固形腫瘍、例えば神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(肝内胆管細胞癌(IHCC)を含む)、前立腺がん、結腸がん、または非小細胞肺がん(NSCLC)を処置するのに有用である。
一実施形態では、悪性腫瘍は、診断または処置時に、腫瘍細胞の少なくとも30、40、50、60、70、80または90%が、IDH1変異、特にIDH1のR132HまたはR132C変異を持っている腫瘍である。
一実施形態では、悪性腫瘍の処置の有効性は、対象における2HGのレベルを測定することによってモニタリングされる。典型的に、2HGのレベルは、処置の前に測定され、そのレベルが高いことは、化合物2の使用を指示する。高いレベルが確立されると、有効性を確立するために、処置の過程中および/または処置の終結後に、2HGのレベルが決定される。ある特定の実施形態では、2HGのレベルは、処置の過程中および/または処置の終結後に初めて決定される。処置の過程中および処置後の2HGレベルの低下は、有効性を示す。同様に、処置の過程中または処置後に2HGレベルが上昇していないと決定されることも有効性を示している。典型的に、2HGの測定は、悪性腫瘍の処置の有効性の他の周知の決定、例えば腫瘍および/または他のがん関連病変の数およびサイズの低減、対象の全体的な健康の改善、ならびに悪性腫瘍の処置有効性と関連する他のバイオマーカーの変化と一緒に利用される。
2HGは、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれるPCT出願国際公開第2011/050210号および米国特許出願公開第2012/0121515号の方法、または類似の方法によって、試料中に検出され得る。例示的な方法では、2HGは、LC/MSによって試料中に検出され得る。試料は、メタノールと80:20で混合され、3,000rpmにおいて4℃で20分間遠心分離される。得られた上清を収集し、-80℃で保存した後、2-ヒドロキシグルタル酸レベルを評価するためにLC-MS/MSを行うことができる。様々な異なる液体クロマトグラフィー(LC)分離方法を使用することができる。各方法は、ネガティブエレクトロスプレーイオン化(ESI、-3.0kV)によって、注入された代謝産物の標準溶液に対して最適化されたMSパラメータを用いて多重反応モニタリング(MRM)モードで操作されるトリプル四重極質量分析計に連結することができる。代謝産物は、逆相クロマトグラフィーによって、既に報告されている方法(Luoら、J Chromatogr A 1147巻、153~64頁、2007年)の変形形態に従って、水性移動相中のイオン対形成剤として10mMトリブチルアミンを使用して分離することができる。ある方法は、TCA代謝産物の分離が可能である。t=0、50%B;t=5、95%B;t=7、95%B;t=8、0%B(ここで、Bは、100%メタノールの有機移動相を指す)。別の方法は、2-ヒドロキシグルタル酸に特異的なものであり、50%~95%B(先に定義される緩衝液)の高速直線勾配で5分間かけて行われる。Synergi Hydro-RP、100mm×2mm、粒径2.1μm(Phenomonex)を、前述の通りカラムとして使用することができる。代謝産物は、ピーク面積を、既知の濃度の純粋な代謝産物標準と比較することによって定量することができる。例えば、Mungerら、Nat Biotechnol 26巻、1179~86頁、2008年に記載されている通り、13C-グルタミンからの代謝産物の流動研究を実施することができる。
一実施形態では、2HGは、直接的に評価される。
別の実施形態では、分析方法を実施するプロセスにおいて形成された2HGの誘導体が評価される。例として、このような誘導体は、MS分析において形成された誘導体であり得る。誘導体には、例えばMS分析で形成された、塩付加物、例えばNa付加物、水和変種、または塩付加物、例えばNa付加物でもある水和変種が含まれ得る。
別の実施形態では、2HGの代謝誘導体が評価される。その例としては、2HGが存在する結果として構築されもしくは増大するまたは低減する種、例えば、R-2HGなどの2HGと相関するグルタル酸またはグルタミン酸が挙げられる。
例示的な2HG誘導体として、脱水誘導体、例えば以下に提供される化合物またはその塩付加物が挙げられる。
2HGは、遺伝性代謝障害である2-ヒドロキシグルタル酸性尿において蓄積されることが公知である。この疾患は、2HGをα-KGに変換する酵素である2-ヒドロキシグルタル酸デヒドロゲナーゼの欠損によって引き起こされる(Struys, E. A.ら、Am J Hum Genet 76巻、358~60頁(2005年))。2-ヒドロキシグルタル酸デヒドロゲナーゼ欠損を有する患者は、MRIおよびCSF分析によって評価される通り、脳内に2HGが蓄積し、白質脳症を発症し、脳腫瘍を発症する危険性が高い(Aghili, M.、Zahedi, F.およびRafiee、J Neurooncol 91巻、233~6頁(2009年);Kolker, S.、Mayatepek, E.およびHoffmann, G. F. Neuropediatrics 33巻、225~31頁(2002年);Wajner, M.、Latini, A.、Wyse, A. T.およびDutra-Filho, C. S. J Inherit Metab Dis 27巻、427~48頁(2004年))。さらに、2HGの脳内レベルが上昇すると、ROSレベルが増大し(Kolker, S.ら、Eur J Neurosci 16巻、21~8頁(2002年);Latini, A.ら、Eur J Neurosci 17巻、2017~22頁(2003年))、がんの危険性の増大に潜在的に寄与する可能性がある。NMDA受容体アゴニストとして作用する2HGの能力は、この効果に寄与し得る(Kolker, S.ら、Eur J Neurosci 16巻、21~8頁(2002年))。2HGは、グルタミン酸および/またはαKGを利用する酵素を競合的に阻害することによって、細胞に対して毒性を有することもできる。これらには、アミノおよび核酸の生合成のためにグルタミン酸の窒素の利用を可能にするトランスアミナーゼ、ならびにαKG依存性プロリルヒドロキシラーゼ、例えばHif1-アルファレベルを調節するものが含まれる。
したがって、別の実施形態によれば、化合物2およびアザシチジンを対象に投与することによって、対象において2-ヒドロキシグルタル酸性尿、特にD-2-ヒドロキシグルタル酸性尿を処置する方法が本明細書で提供される。
本明細書に記載される処置法は、化合物2およびアザシチジンを用いる処置の前および/または後に、様々な評価ステップをさらに含むことができる。
一実施形態では、この方法は、化合物2およびアザシチジンを用いる処置の前および/または後に、悪性腫瘍の成長、サイズ、重量、侵襲度、段階および/または他の表現型を評価するステップをさらに含む。
一実施形態では、この方法は、化合物およびアザシチジンを用いる処置の前および/または後に、悪性腫瘍のIDH1遺伝子型を評価するステップをさらに含む。このステップは、当技術分野において通常の方法、例えばDNAシークエンシング、イムノ分析、および/または2HGの存在、分布もしくはレベルの評価によって達成することができる。
一実施形態では、この方法は、化合物2およびアザシチジンを用いる処置の前および/または後に、対象における2HGレベルを決定するステップをさらに含む。このステップは、分光学的分析、例えば磁気共鳴系分析、例えばMRIおよび/またはMRS測定、体液の試料分析、例えば血清もしくは脊髄液の分析、または外科的材料の分析によって、例えば質量分光法によって達成することができる。
一実施形態では、化合物2およびアザシチジンは、同時に投与される。一実施形態では、化合物2およびアザシチジンは、逐次的に投与される。
一実施形態では、化合物2は、処置される疾患および対象の状態に応じて、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内(intracistemal)注射もしくは注入、皮下注射、または移植片)、吸入、経鼻、膣内、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮もしくは局所的)投与経路によって投与することができる。化合物2は、単独で、または1種もしくは複数種の活性剤と一緒に、適切な投与単位で、投与経路ごとに適した薬学的に許容される添加剤、担体、アジュバントおよびビヒクルを用いて製剤化することができる。
一実施形態では、本明細書で提供される方法で投与される化合物2の量は、例えば約5mg/日~約2,000mg/日の間の範囲であり得る。一実施形態では、その範囲は、約10mg/日~約2,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約20mg/日~約2,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg/日~約1,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約100mg/日~約1,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約100mg/日~約500mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg/日~約500mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg/日~約250mg/日の間である。ある特定の実施形態では、特定の投与量は、例えば約10mg/日である。一実施形態では、用量は、約20mg/日である。一実施形態では、用量は、約50mg/日である。一実施形態では、用量は、約75mg/日である。一実施形態では、用量は、約100mg/日である。一実施形態では、用量は、約120mg/日である。一実施形態では、用量は、約150mg/日である。一実施形態では、用量は、約200mg/日である。一実施形態では、用量は、約250mg/日である。一実施形態では、用量は、約300mg/日である。一実施形態では、用量は、約350mg/日である。一実施形態では、用量は、約400mg/日である。一実施形態では、用量は、約450mg/日である。一実施形態では、用量は、約500mg/日である。一実施形態では、用量は、約600mg/日である。一実施形態では、用量は、約700mg/日である。一実施形態では、用量は、約800mg/日である。一実施形態では、用量は、約900mg/日である。一実施形態では、用量は、約1,000mg/日である。一実施形態では、用量は、約1,200mg/日である。一実施形態では、用量は、約1,500mg/日である。ある特定の実施形態では、特定の投与量は、例えば約10mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約20mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約50mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約75mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約100mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約120mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約150mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約200mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約250mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約300mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約350mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約400mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約450mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約500mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約600mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約700mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約800mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約900mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約1,000mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約1,200mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約1,500mg/日までである。
一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物または剤形中の化合物2の量は、例えば約5mg~約2,000mgの間の範囲であり得る。一実施形態では、その範囲は、約10mg~約2,000mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約20mg~約2,000mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg~約1,000mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg~約500mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg~約250mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約100mg~約500mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg~約500mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg~約250mgの間である。ある特定の実施形態では、特定量は、例えば約10mgである。一実施形態では、特定量は、約20mgである。一実施形態では、特定量は、約50mgである。一実施形態では、特定量は、約75mgである。一実施形態では、特定量は、約100mgである。一実施形態では、特定量は、約120mgである。一実施形態では、特定量は、約150mgである。一実施形態では、特定量は、約200mgである。一実施形態では、特定量は、約250mgである。一実施形態では、特定量は、約300mgである。一実施形態では、特定量は、約350mgである。一実施形態では、特定量は、約400mgである。一実施形態では、特定量は、約450mgである。一実施形態では、特定量は、約500mgである。一実施形態では、特定量は、約600mgである。一実施形態では、特定量は、約700mgである。一実施形態では、特定量は、約800mgである。一実施形態では、特定量は、約900mgである。一実施形態では、特定量は、約1,000mgである。一実施形態では、特定量は、約1,200mgである。一実施形態では、特定量は、約1,500mgである。ある特定の実施形態では、特定量は、例えば約10mgまでである。一実施形態では、特定量は、約20mgまでである。一実施形態では、特定量は、約50mgまでである。一実施形態では、特定量は、約75mgまでである。一実施形態では、特定量は、約100mgまでである。一実施形態では、特定量は、約120mgまでである。一実施形態では、特定量は、約150mgまでである。一実施形態では、特定量は、約200mgまでである。一実施形態では、特定量は、約250mgまでである。一実施形態では、特定量は、約300mgまでである。一実施形態では、特定量は、約350mgまでである。一実施形態では、特定量は、約400mgまでである。一実施形態では、特定量は、約450mgまでである。一実施形態では、特定量は、約500mgまでである。一実施形態では、特定量は、約600mgまでである。一実施形態では、特定量は、約700mgまでである。一実施形態では、特定量は、約800mgまでである。一実施形態では、特定量は、約900mgまでである。一実施形態では、特定量は、約1,000mgまでである。一実施形態では、特定量は、約1,200mgまでである。一実施形態では、特定量は、約1,500mgまでである。
一実施形態では、化合物2は、単回投与、例えば単回ボーラス注射、または経口錠剤もしくは丸剤などとして送達することができ、あるいは経時的に、例えば経時的な持続注入または経時的な分割ボーラス投与により送達することができる。一実施形態では、化合物(comound)1は、例えば、患者が安定な疾患もしくは退行を経験するまで、または患者が疾患の進行もしくは許容されない毒性を経験するまで、必要に応じて反復して投与することができる。安定な疾患またはその欠如は、当技術分野で公知の方法、例えば患者の症状の評価、身体検査、X線、CAT、PET、またはMRI走査を使用して画像化された腫瘍の可視化、および他の一般に許容される評価様式によって決定される。
ある特定の実施形態では、化合物2は、サイクルで患者に投与される(例えば、1週間にわたって毎日投与され、次に、最長3週間にわたって投与しない休薬期間がある)。サイクルの治療では、ある一定期間にわたって活性剤を投与し、その後、ある一定期間にわたって休薬期間があり、この逐次的投与が反復される。サイクルの治療は、耐性の発生を低減し、副作用を回避もしくは低減し、かつ/または処置の有効性を改善することができる。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物2を、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、15回、16回、17回、18回、19回、20回、21回、22回、23回、24回、25回、26回、27回、28回、29回、30回、31回、32回、33回、34回、35回、36回、37回、38回、39回、40回、または40回よりも多いサイクルで投与するステップを含む。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約1回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約2回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約3回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約4回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約5回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約6回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約7回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約8回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約9回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約10回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約11回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約12回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約13回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約14回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約15回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約16回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約17回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約18回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約19回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約20回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約21回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約22回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約23回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約24回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約25回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約26回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約27回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約28回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約29回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約30回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約30回よりも多いサイクルである。
ある特定の実施形態では、処置サイクルは、数日間にわたって(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、または14日よりも長い)、それを必要とする対象に投与される化合物2の複数回投与を含み、任意選択でその後、処置投与休止期間(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、または28日よりも長い)を含む。
一実施形態では、アザシチジンは、処置される疾患および対象の状態に応じて、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、または移植片)、吸入、経鼻、膣内、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮または局所的)投与経路によって投与することができる。アザシチジンは、単独で、あるいは化合物2および/または1種もしくは複数種の活性剤と一緒に、適切な投与単位で、投与経路ごとに適した薬学的に許容される添加剤、担体、アジュバントおよびビヒクルを用いて製剤化することができる。
一実施形態では、アザシチジンは、例えば、静脈内(IV)、皮下(SC)または経口経路によって投与される。本明細書のある特定の実施形態は、アザシチジンと化合物2および/または1種もしくは複数種のさらなる活性剤の併用投与を提供し、それを必要とする対象において相乗的治療効果が得られる。併用投与される活性剤(単数または複数)は、本明細書に記載される通り、がん治療剤であってよい。ある特定の実施形態では、併用投与される活性剤(単数または複数)は、IDH1の阻害剤であってよい。ある特定の実施形態では、併用投与される薬剤(単数または複数)は、例えば経口または注射(例えば、IVまたはSC)によって投与することができる。
ある特定の実施形態では、処置サイクルは、数日間にわたって(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、または14日よりも長い)、それを必要とする対象に投与されるアザシチジンの複数回投与を含み、任意選択でその後、処置投与休止期間(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、または28日よりも長い)を含む。本明細書で提供される方法に適した投与量には、例えば、治療有効量および予防有効量が含まれる。例えば、ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法で投与されるアザシチジンの量は、例えば約50mg/m2/日~約2,000mg/m2/日の間の範囲であり得る。ある特定の実施形態では、アザシチジンの量は、約100mg/m2/日~約1,000mg/m2/日の間である。ある特定の実施形態では、アザシチジンの量は、約100mg/m2/日~約500mg/m2/日の間である。ある特定の実施形態では、アザシチジンの量は、約50mg/m2/日~約500mg/m2/日の間である。ある特定の実施形態では、アザシチジンの量は、約50mg/m2/日~約200mg/m2/日の間である。ある特定の実施形態では、アザシチジンの量は、約50mg/m2/日~約100mg/m2/日の間である。ある特定の実施形態では、アザシチジンの量は、約50mg/m2/日~約75mg/m2/日の間である。ある特定の実施形態では、アザシチジンの量は、約120mg/m2/日~約250mg/m2/日の間である。ある特定の実施形態では、特定の投与量は、約50mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約60mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約75mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約80mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約100mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約120mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約140mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約150mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約180mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約200mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約220mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約240mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約250mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約260mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約280mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約300mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約320mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約350mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約380mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約400mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約450mg/m2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約500mg/m2/日である。ある特定の実施形態では、特定の投与量は、約100mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約120mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約140mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約150mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約180mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約200mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約220mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約240mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約250mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約260mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約280mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約300mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約320mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約350mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約380mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約400mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約450mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約500mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約750mg/m2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約1000mg/m2/日までである。
一実施形態では、本明細書で提供される方法で投与されるアザシチジンの量は、例えば約5mg/日~約2,000mg/日の間の範囲であり得る。一実施形態では、その範囲は、約10mg/日~約2,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約20mg/日~約2,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg/日~約1,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約100mg/日~約1,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約100mg/日~約500mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg/日~約500mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg/日~約250mg/日の間である。ある特定の実施形態では、特定の投与量は、約10mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約20mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約50mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約75mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約100mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約120mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約150mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約200mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約250mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約300mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約350mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約400mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約450mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約500mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約600mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約700mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約800mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約900mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約1,000mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約1,200mg/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約1,500mg/日である。ある特定の実施形態では、特定の投与量は、約10mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約20mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約50mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約75mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約100mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約120mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約150mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約200mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約250mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約300mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約350mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約400mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約450mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約500mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約600mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約700mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約800mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約900mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約1,000mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約1,200mg/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約1,500mg/日までである。
一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物または剤形におけるアザシチジンの量は、例えば約5mg~約2,000mgの間の範囲であり得る。一実施形態では、その範囲は、約10mg~約2,000mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約20mg~約2,000mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg~約1,000mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg~約500mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg~約250mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約100mg~約500mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg~約500mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg~約250mgの間である。ある特定の実施形態では、特定量は、約10mgである。一実施形態では、特定量は、約20mgである。一実施形態では、特定量は、約50mgである。一実施形態では、特定量は、約75mgである。一実施形態では、特定量は、約100mgである。一実施形態では、特定量は、約120mgである。一実施形態では、特定量は、約150mgである。一実施形態では、特定量は、約200mgである。一実施形態では、特定量は、約250mgである。一実施形態では、特定量は、約300mgである。一実施形態では、特定量は、約350mgである。一実施形態では、特定量は、約400mgである。一実施形態では、特定量は、約450mgである。一実施形態では、特定量は、約500mgである。一実施形態では、特定量は、約600mgである。一実施形態では、特定量は、約700mgである。一実施形態では、特定量は、約800mgである。一実施形態では、特定量は、約900mgである。一実施形態では、特定量は、約1,000mgである。一実施形態では、特定量は、約1,200mgである。一実施形態では、特定量は、約1,500mgである。ある特定の実施形態では、特定量は、約10mgまでである。一実施形態では、特定量は、約20mgまでである。一実施形態では、特定量は、約50mgまでである。一実施形態では、特定量は、約75mgまでである。一実施形態では、特定量は、約100mgまでである。一実施形態では、特定量は、約120mgまでである。一実施形態では、特定量は、約150mgまでである。一実施形態では、特定量は、約200mgまでである。一実施形態では、特定量は、約250mgまでである。一実施形態では、特定量は、約300mgまでである。一実施形態では、特定量は、約350mgまでである。一実施形態では、特定量は、約400mgまでである。一実施形態では、特定量は、約450mgまでである。一実施形態では、特定量は、約500mgまでである。一実施形態では、特定量は、約600mgまでである。一実施形態では、特定量は、約700mgまでである。一実施形態では、特定量は、約800mgまでである。一実施形態では、特定量は、約900mgまでである。一実施形態では、特定量は、約1,000mgまでである。一実施形態では、特定量は、約1,200mgまでである。一実施形態では、特定量は、約1,500mgまでである。
一実施形態では、アザシチジンは、単回投与、例えば単回ボーラス注射、または経口錠剤もしくは丸剤などとして送達することができ、あるいは経時的に、例えば経時的な持続注入または経時的な分割ボーラス投与により送達することができる。一実施形態では、アザシチジンは、例えば、患者が安定な疾患もしくは退行を経験するまで、または患者が疾患の進行もしくは許容されない毒性を経験するまで、必要に応じて反復して投与することができる。安定な疾患またはその欠如は、当技術分野で公知の方法、例えば患者の症状の評価、身体検査、X線、CAT、PET、またはMRI走査を使用して画像化された腫瘍の可視化、および他の一般に許容される評価様式によって決定される。
一実施形態では、アザシチジンは、1日1回投与することができ、または複数回の1日用量、例えば1日2回、1日3回、および1日4回に分割することができる。一実施形態では、投与は、連続的(すなわち、連日1日1回または毎日)、間欠的、例えばサイクル(すなわち、薬物が投与されない数日間、数週間または数カ月間の休薬期間を含む)であってよい。一実施形態では、アザシチジンは、ある一定期間にわたって、毎日、例えば1日1回または1回より多く投与される。一実施形態では、アザシチジンは、少なくとも7日間の連続期間にわたって、毎日投与される。一部の実施形態では、アザシチジンは、52週間まで投与される。一実施形態では、アザシチジンは、間欠的に、すなわち規則的または不規則的な間隔で停止および開始して投与される。一実施形態では、アザシチジンは、週1日~6日間投与される。一実施形態では、アザシチジンは、隔日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、サイクルで投与される(例えば、休薬期間で中断されるある特定の期間にわたって、毎日または連続的に投与される)。一実施形態では、アザシチジンは、2週間~8週間連続して毎日投与され、次に最長1週間にわたって投与しない休薬期間があり、または例えば1週間にわたって毎日投与され、次に最長3週間にわたって投与しない休薬期間がある)。
一実施形態では、投与頻度は、およそ毎日からおよそ毎月の範囲である。一実施形態では、アザシチジンは、1日1回投与される。別の実施形態では、アザシチジンは、1日2回投与される。さらに別の実施形態では、アザシチジンは、1日3回投与される。さらに別の実施形態では、アザシチジンは、1日4回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、1日おきに1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、1週間に2回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、1週間に1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、2週間ごとに1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、3週間ごとに1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、4週間ごとに1回投与される。
一実施形態では、アザシチジンは、1日~6カ月間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、1週間~3カ月間にわたって投与される。一実施形態では、アザシチジンは、1週間~4週間にわたって投与される。一実施形態では、アザシチジンは、1週間~3週間にわたって投与される。一実施形態では、アザシチジンは、1週間~2週間にわたって投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約1週間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約2週間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約3週間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約4週間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約6週間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約9週間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約12週間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約15週間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約18週間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約21週間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約26週間にわたって1日1回投与される。ある特定の実施形態では、アザシチジンは、間欠的に投与される。ある特定の実施形態では、アザシチジンは、約50mg/m2/日~約2,000mg/m2/日の間の量で間欠的に投与される。ある特定の実施形態では、アザシチジンは、連続的に投与される。ある特定の実施形態では、アザシチジンは、約50mg/m2/日~約1,000mg/m2/日の間の量で連続的に投与される。
ある特定の実施形態では、アザシチジンは、サイクルで患者に投与される(例えば、1週間にわたって毎日投与され、次に、最長3週間にわたって投与しない休薬期間がある)。サイクルの治療では、ある一定期間にわたって活性剤を投与し、その後、ある一定期間にわたって休薬期間があり、この逐次的投与が反復される。サイクルの治療は、耐性の発生を低減し、副作用を回避もしくは低減し、かつ/または処置の有効性を改善することができる。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、アザシチジンを、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、15回、16回、17回、18回、19回、20回、21回、22回、23回、24回、25回、26回、27回、28回、29回、30回、31回、32回、33回、34回、35回、36回、37回、38回、39回、40回、または40回よりも多いサイクルで投与するステップを含む。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約1回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約2回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約3回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約4回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約5回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約6回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約7回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約8回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約9回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約10回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約11回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約12回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約13回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約14回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約15回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約16回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約17回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約18回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約19回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約20回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約21回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約22回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約23回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約24回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約25回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約26回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約27回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約28回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約29回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約30回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約30回よりも多いサイクルである。
一実施形態では、アザシチジンは、本明細書で提供される用量で、7日間の処置期間および21日間の休薬期間からなる28日間サイクルにわたって患者に投与される。一実施形態では、アザシチジンは、本明細書で提供される用量で、1日目から7日目まで毎日患者に投与され、その後、8日目から28日目まで休薬期間があり、アザシチジンは投与されない。一実施形態では、アザシチジンは、サイクルで患者に投与され、各サイクルは、7日間の処置期間と、その後21日間の休薬期間からなる。特定の実施形態では、アザシチジンは、約50、約60、約70、約75、約80、約90、または約100mg/m2/日の用量で、7日間にわたって患者に投与され、その後21日間の休薬期間がある。一実施形態では、アザシチジンは、静脈内投与される。一実施形態では、アザシチジンは、皮下投与される。
他の実施形態では、アザシチジンは、サイクルで経口投与される。一実施形態では、アザシチジンは、単回または分割用量で、約1週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約2週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約3週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約4週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約5週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約6週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約8週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約10週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約15週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約20週間にわたって毎日投与される。その投与の後、約1日間~約10週間の休薬期間がある。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、約1週間サイクルの処置を企図する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、約2週間サイクルの処置を企図する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、約3週間サイクルの処置を企図する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、約4週間サイクルの処置を企図する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、約5週間サイクルの処置を企図する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、約6週間サイクルの処置を企図する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、約8週間サイクルの処置を企図する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、約10週間サイクルの処置を企図する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、約15週間サイクルの処置を企図する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、約20週間サイクルの処置を企図する。一部の実施形態では、アザシチジンは、単回または分割用量で、約1週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約2週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約3週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約4週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約5週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、アザシチジンは、約6週間にわたって毎日投与される。一実施形態では、休薬期間は、約1日、3日、5日、7日、9日、12日、14日、16日、18日、20日、22日、24日、26日、28日、29日、または30日である。一部の実施形態では、休薬期間は、1日である。一部の実施形態では、休薬期間は、3日である。一部の実施形態では、休薬期間は、7日である。一部の実施形態では、休薬期間は、14日である。一部の実施形態では、休薬期間は、28日である。投与サイクルの頻度、回数および長さは、増大または低減することができる。
一実施形態では、化合物2は、1日1回、経口投与される。一実施形態では、化合物2は、各28日間サイクルの1日目~28日目に投与される。一実施形態では、50mgの化合物2が、1日1回、経口投与される。別の実施形態では、100mgの化合物2が、1日1回、経口投与される。さらに別の実施形態では、200mgの化合物2が、1日1回、経口投与される。一実施形態では、アザシチジンは、7日間にわたって皮下投与される。一実施形態では、アザシチジンは、各28日間サイクルの1日目~7日目に投与される。一実施形態では、75mg/m2/日のアザシチジンが、各28日間サイクルの1日目~7日目に投与される。
(実施例1)
AML細胞におけるEPOによる分化に対する化合物2およびアザシチジンの組合せの効果
TF1-IDH1R132H細胞におけるEPOによる分化アッセイ。細胞の分化、成長および死滅の尺度を、TF1-IDH1R132H細胞において、in vitroでのEPOによる分化アッセイおよび図1に示されている投与スケジュールパラダイムを使用して評価した。細胞を、ビヒクル、AZA単独、化合物2単独、またはAZA+化合物2の組合せを用いて処置した。逐次的スケジュールでは、細胞を、AZAで3日間事前に処置した後、化合物2を添加した。同時スケジュールでは、細胞を、アッセイを通してAZAおよび化合物2で同時に処置した。エンドポイントをアセスメントするアッセイは、細胞ペレットの色の評価(ヘモグロビン生成アッセイ);RT-qPCRによるHBGおよびKLF1 RNA;フローサイトメトリー(分化マーカー)によるCD235a-陽性細胞集団;ならびにIncuCyte Zoomリアルタイム画像化による成長およびアポトーシスであった。
化合物:化合物2を、DMSO中10mMの原液として使用した。原液を、20μlバッチとして等分にし、-20℃で保存した。進行中の実験で使用するために、供給原液を解凍し、暗室内で室温に維持した。
アザシチジン(AZA)を、デシケーター内で4℃において保存した。必要量を、Mettlerでカバーした計量秤で秤量し、RNaseおよびDNaseを含まない水で再構成して、10mMの供給原液を得た。溶液を、30μlバッチとして等分にし、-20℃で保存した。新しい10mMのAZAのバイアルを、実験のたびに解凍し、使用後に廃棄した。
化合物ごとに、100倍のマスター原液を、必要とされるたびに凍結原液から新しく製作し、すなわち100μMの原液を、培地990μlに10mMの原液10μlを添加することによって調製した。この100倍原液から、所与の所望の最終濃度にするために、必要な体積を細胞に添加した。
細胞株:IDH1R132H対立遺伝子を過剰発現する、技術的に操作したTF-1赤白血病細胞を、HEPESおよびL-グルタミン(Lonza 12-115F)、10%FBS(HyClone SH30088.03)、Pen/Strep(Life Technologies 15070-063)、G418:最終濃度500μg/ml(Life Technologies 10131-027)、GM-CSF:最終濃度5ng/ml(R&D 215-GM-050)を含有するRPMI中で成長させた。細胞を継代させるたびに、G418およびGM-CSFを培地に新しく添加した。培地を、2~3日ごとに変えた(細胞をペレット化し、新しい培地に再懸濁させるか、または細胞2mlを新しい培地10mlに添加することによって。細胞を化合物で処置する場合、細胞をペレット化することによって、培地を常に変えて、適切な化合物濃度を確保した)。
アッセイ。EPOによる分化アッセイ:TF1/pLVXおよびTF1 IDH1R132H細胞(100,000細胞/ml)を、化合物2、AZAまたは組合せで、7日間事前に処置し(培地は2日ごとに変える)、PBSで3回洗浄して、残留GM-CSFを除去した。次に、細胞を、化合物2の存在下または非存在下で、EPO(2単位/ml)を使用して分化するように誘発した。誘発を7日間継続し、細胞ペレットを収集し、ヘモグロビン生成含量について画像化した(血液分化系列への分化の代替として)。
HBGおよびKLF1 qPCR:RNAを、RNAeasyキット(Qiagen)によって細胞から単離し、RNA500ngを使用して、cDNA(Superscript VILOキット、Life technologies)を製作し、その後、リアルタイムqPCRを行って、Applied Biosciencesから得たTaqmanプローブを使用して、胎児ヘモグロビン(HBG)およびKLF-1遺伝子の発現を検出した。
結果。AZA+化合物2の組合せによって増強されたEPO誘発性の分化。
細胞の分化、成長および死滅の尺度を、TF1-IDH1R132H細胞において、in vitroでのEPOによる分化アッセイおよび図1に示されている投与スケジュールパラダイムを使用して評価した。細胞を、ビヒクル、AZA単独、化合物2単独、またはAZA+化合物2の組合せを用いて処置した。逐次的スケジュールでは、細胞を、AZAで3日間事前に処置した後、化合物2を添加した。同時スケジュールでは、細胞を、アッセイを通してAZAおよび化合物2で同時に処置した。
同時および逐次的スケジュールの両方で、ヘモグロビン生成の分化エンドポイント(図2A、2B)、CD235マーカー発現(図2C)、ならびにKLF1(クルッペル様因子1)およびHBG(ヘモグロビン遺伝子A/B)RNAレベル(図3)に対する類似の傾向が観測された。同時スケジュールでは、0.2および1.0μMの化合物2による細胞ペレットの赤色の増大、ならびに赤血球分化マーカーCD235a(グリコホリンA)の増大によって証拠付けられた通り(図2C)、単剤の化合物2によって、ヘモグロビン生成が用量依存方式で増大した。単剤のAZAでは、細胞ペレットの色に対する効果は、ほとんどまたはまったくなかったが、AZA+化合物2の組合せでは、呈色/ヘモグロビン生成は、化合物2単独を用いるよりも著しく多かった(図2A)。このことと同時に、単剤と比較して、組合せを用いて処置した細胞ではCD235a発現が増強された(図2C)。組合せを用いて増強された効果は、1uMの最高AZA濃度で最も明らかであった。また、逐次的スケジュールでは、ヘモグロビン生成エンドポイントに関する分化の増強が観測されたが(図2B)、CD235a発現は観測されなかった(図2C)。
同時スケジュールでは、分化マーカーHBGのRNA発現の用量依存性の増大は、単剤の化合物2を用いた場合に観測され、AZA+化合物2(0.2μM)の同時組合せでは、相乗作用が得られた(図3A)。例えば、化合物2(0.2μM)およびAZA(1.0μM)の単剤では、HBG遺伝子発現をそれぞれ25倍および1倍増大し(図3A)、一方でAZA(1.0μM)+化合物2(0.2μM)の組合せでは、46倍増大した(図3A)。分化マーカーKLF1のRNA発現における用量依存性の増大は、単剤の化合物2でも観測されたが、AZAによって増強された活性は、HBGの発現ほど明らかではなかった(図3B)。また、逐次的スケジュールでは、1μMのAZA濃度において、HBGのRNA発現に関する分化の増強が観測された(図2C)。
AZA+化合物2の同時組合せによって増強された細胞死。細胞の成長および死滅をリアルタイムで追跡するために、IncuCyte Zoomを使用してリアルタイム分析を実施した(図4)。TF-1-IDH1R132H細胞を、DMSO、単剤のAZA(1μM)、単剤の化合物2(0.1、0.3または1.0μM)、または各濃度のAZA+化合物2の組合せで処置した。
成長:AZAは、TF-1-IDH1R132H細胞の成長を緩徐し、一方で単剤としての化合物2は、DMSO対照と比較して細胞成長をわずかに促進した。AZA+化合物2の組合せで処置した細胞は、DMSO対照と比較して成長した(化合物2単剤よりも緩慢であり、AZA単剤よりも急速)。
アポトーシス:単剤の化合物2は、アポトーシスの誘発に対して効果がなかった。後半の時点(>60時間)では、単剤のAZAは、DMSO対照を上回ってアポトーシスを増大した。AZA+化合物2の組合せ(0.1および0.3μMの化合物2)によって処置した細胞は、単剤のAZAよりもアポトーシスを多く誘発し、相乗作用を示した。
議論。AMLは、分化停止表現型を伴う複合疾患である。分化停止は、細胞の記憶/エピジェネティック状態を制御する遺伝子(例えば、DNMT3A、TET2、IDH1/2およびASXL1)の変異によって引き起こされ得る(Leyら、(2010年). DNMT3A mutations in acute myeloid leukemia. N Engl J Med 363巻、2424~2433頁;Patelら、(2012年)。Prognostic relevance of integrated genetic profiling in acute myeloid leukemia. N Engl J Med 366巻、1079~1089頁)。分化プログラムは、白血病造血性幹細胞への分化を修復するために、これらの創始的変異のエピジェネティック効果を克服するべく再配線される必要がある。
この研究では、本発明者らは、IDH-1変異AMLのモデル系、すなわちTF1-IDH1R132H細胞株における、AZA+化合物2の組合せの利益を実証した。その知見を、以下にまとめる。
AZA+化合物2の同時組合せは、単剤のヘモグロビン生成を上回るヘモグロビン生成の増大、HBGのmRNA発現に対する化合物2の効果の相乗作用、およびアポトーシスに対するAZA効果の相乗作用によって示される通り、分化および死滅を増強した。
AZA+化合物2による逐次的処置は、単剤のヘモグロビン生成を上回るヘモグロビン生成の増大、およびHBG遺伝子のmRNA発現の相加的増大を上回る増大によって示される通り、分化を増強した。
これらの結果を合わせると、AZAおよび化合物2を組み合わせて、IDH1変異AML患者、より具体的にはIDH1R132H変異AML患者に利益をもたらすための、新規組合せのパラダイムを示している。この機序に基づくと、この組合せは、他のIDH1変異がん、特にIDH1R132H変異がんに通用し得る。
(実施例2)
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)変異体標的治療とアザシチジンの2種の組合せの第1b/2相の非盲検無作為化研究:それぞれIDH1またはIDH2変異を伴う急性骨髄性白血病を有すると新たに診断されたが、集中的導入化学療法を受ける候補となっていない対象における、経口化合物2と皮下アザシチジン、および経口化合物1とSCアザシチジン
適応:IDH1またはIDH2変異を伴う急性骨髄性白血病(AML)を有すると新たに診断されたが、集中的導入化学療法(IC)を受ける候補となっていない、18歳およびそれよりも高年齢の患者の処置。
主要目的-第1b相(用量漸増段階)
第1の目的
それぞれIDH1またはIDH2変異を伴うAMLを有すると新たに診断されたが、強化ICを受ける候補となっていない対象において、経口化合物2と皮下(SC)アザシチジン、および経口2-メチル-1-[(4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-6-{[2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル]アミノ}-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]プロパン-2-オール(以下、化合物1)とSCアザシチジンの組合せ処置の安全性および認容性をアセスメントすること。
SCアザシチジンと共に投与した場合の、経口化合物2および経口化合物1の推奨される第2相用量(RP2D)を確立すること。
第2の目的
それぞれIDH1またはIDH2変異を伴うAMLを有すると新たに診断されたが、強化ICを受ける候補となっていない対象において、経口化合物2とSCアザシチジン、および経口化合物1とSCアザシチジンの組合せ処置の予備的な有効性をアセスメントすること。
第2相(無作為化段階)
第1の目的
それぞれIDH1またはIDH2変異を伴うAMLを有すると新たに診断されたが、強化ICを受ける候補となっていない対象において、SCアザシチジンに対する、経口化合物2とSCアザシチジンおよび経口化合物1+SCアザシチジンの組合せ処置の有効性をアセスメントすること。
第2の目的
SCアザシチジンと共に投与した場合の、経口化合物2および経口化合物1の安全性を評価すること。
組み合わせて投与した場合の、経口化合物2、化合物1、およびSCアザシチジンの薬物動態(PK)を特徴付けること。
SCアザシチジンと共に投与した場合の、経口化合物2および経口化合物1のPKおよびPDの関係と、骨髄および血漿試料中の2-ヒドロキシグルタル酸(2-HG)レベルの抑制を評価すること。SCアザシチジン単独で投与した場合に対する、経口化合物2および経口化合物1をSCアザシチジンと共に投与した場合の、健康に関係するクオリティオブライフ(HRQoL)の結果への効果を評価すること。
研究設計
この第1b/2相研究は、それぞれIDH1またはIDH2変異を伴うAMLを有すると新たに診断された対象において、経口化合物2+SCアザシチジン、および経口化合物1+SCアザシチジンの安全性および有効性を評価するための、非盲検無作為化多施設治験である。研究集団は、強化ICを受ける候補となっていない対象からなる。この研究は、第1b相用量漸増段階および第2相無作為化段階を含む。
第1b相用量設定段階
第1b相段階は、SCアザシチジンと組み合わせて投与した場合の、経口化合物2および経口化合物1とSCアザシチジンの組合せの安全性および認容性を評価して、これらの2種の薬剤のRP2Dを定義付けるための、非盲検用量設定研究である。経口化合物2+SCアザシチジン、および経口化合物1+SCアザシチジンレジメンの予備的な臨床活性もアセスメントする。
第1b相段階は、1)スクリーニング、2)処置、および3)経過観察の3つの期間からなる。
対象をスクリーニングする手順は、研究処置を開始する前の28日以内のスクリーニング期間中に行う。IDH変異を伴うAMLの診断は、骨髄吸引液および/または末梢血試料を試験する血液病理学およびIDH遺伝子変異の両方の現場判定に基づく。登録に適格な対象は、研究者の判断に基づいて、併存症の存在、パフォーマンスステータスの低下、または他の因子に起因して、強化ICを受ける候補となっていてはならない。IDH1変異を伴うAMLを有すると新たに診断された対象は、経口化合物2+SCアザシチジンアームに割り当てられ、IDH2変異を伴うAMLを有すると新たに診断された対象は、経口化合物1+SCアザシチジンアームに割り当てられる。対象が、IDH1およびIDH2の二重変異と関連するAMLと診断される稀な場合には、経口化合物2または化合物1処置アームへの割当ては、共同研究者および医療監視者の決定に基づいており、原文書に記録される。
処置期間中、標準3+3設計を使用する。医療監視者、安全性監督医師、生物統計学者、適宜他の機能領域の代表者または被指名人、ならびにあらゆる活動場所の研究者および/または被指名人(研究薬物を受けた対象が存在する場所の)からなる用量判定チーム(DRT)は、SCアザシチジンと組み合わせて投与した場合、経口化合物2または化合物1の最大耐性用量(MTD)を超えたか否かを決定するために、各用量レベルのサイクル1中に、対象が経験したあらゆる有害事象(AE)を判定する。経口化合物2の1つの用量レベル(毎日500mg)および経口化合物1の2つの用量レベル(毎日100mgおよび毎日200mg)を評価するように計画する。経口化合物2については毎日500mgよりも低い用量レベル、および経口化合物1については毎日100mgよりも低い用量レベルを、SCアザシチジンと組み合わせたこれらの用量がサイクル1中にMTDを上回ることが見出されるかどうかを評価する。毒性を管理するために、投与中断/遅延および用量低減を使用することができる。対象は、疾患が進行/再発するか、研究処置が耐え難くなるか、または対象が任意の理由で研究処置の中断を望むまで、研究処置を受けることができる。処置に対する応答は、改変されたInternational Working Group(IWG)AML応答基準(Chesonら、J Clin Oncol 2003年;21巻(24号):4642~9頁)に従って、研究者によってアセスメントされる。血液学的改善(HI)は、IWG骨髄異形成症候群のHI基準(Chesonら、Blood 2006年;108巻(2号):419~25頁)に従ってアセスメントされる。対象は、研究処置が中断される場合、処置終了時評価を受ける。処置中断の理由は、電子症例報告形態(eCRF)ページおよび原文書に記録される。
経過観察に対する同意の撤回以外の任意の理由で、研究処置を中断したすべての対象は、AE、併用医薬品、併用手順、輸血、ヘルスケア資源の利用、応答、血液学的改善、その後のAML治療、および生存についてアセスメントを継続される。
経過観察に対する同意の撤回または疾患の進行以外の任意の理由で、研究処置を中断したすべての対象は、応答に関する研究の経過観察期間中、疾患が進行するまでアセスメントを継続される。
経過観察に対する同意の撤回以外の任意の理由で、研究処置を中断したすべての対象は、その後のAML治療、および生存についてアセスメントを継続される。
研究は、医薬品規制調和国際会議(ICH)の医薬品臨床試験実施基準(GCP)指針に従って実施する。
第2相無作為化段階
第2相段階は、全奏効率(ORR)、無再発生存期間(EFS)、および形態学的な完全寛解(CR)をアセスメントするために、SCアザシチジン単独に対する、経口化合物2および経口化合物1とSCアザシチジンの組合せの有効性を評価する、非盲検無作為化研究である。
第2相段階も、1)スクリーニング、2)処置、および3)経過観察の3つの期間からなる。
第1b相に関して、対象をスクリーニングする手順は、研究処置を開始する前の28日以内のスクリーニング期間中に行われるが、AMLの診断は、登録のために現地で実施され、その後の中央による判定に基づいて確認される。IDH変異は、骨髄吸引液および/または末梢血の両方の試料を使用して、中央でアセスメントされる。登録に適格な対象は、研究者の判断に基づいて、併存症の存在、パフォーマンスステータスの低下、または他の因子に起因して、強化ICを受ける候補となっていない対象である。
適格性判定の後、IDH1またはIDH2変異を伴うAMLを有すると新たに診断された対象は、3つのアームのうちの1つに2:1の比で無作為化される。IDH1変異を伴う対象は、経口化合物2+SCアザシチジン(アーム1)対SCアザシチジン(アーム3)が2:1の比で課されるように無作為化され、IDH2変異を伴う対象は、経口化合物1+SCアザシチジン(アーム2)対SCアザシチジン(アーム3)が2:1の比で課されるように無作為化される。アーム1および2には、最少50人の対象が無作為化され、アーム3には、最少25人のIDH1および25人のIDH2(アーム3で合計50人の対象)が無作為化される(すべてのアームで合計150人の対象)。対象が、IDH1およびIDH2の二重変異と関連するAMLと診断される稀な場合には、経口化合物2または化合物1処置アームへの無作為化は、研究者および医療監視者の決定に基づく。
対象は、細胞遺伝学によって階層化される(細胞遺伝学的危険性が、良好または中程度、対不良)。
研究処置は、無作為化と同日に開始する。研究処置中のアセスメントには、有効性、安全性、HRQoL、ヘルスケア資源の利用、薬物動態、薬力学、および相関研究が含まれる。
研究中に収集されたあらゆる骨髄吸引液および/または生検、末梢血スメア、ならびに細胞遺伝の遡及的中央判定は、対象処置に対して盲検の要員によって実施される。中央アセスメントは、統計的分析に使用される。中央アセスメントと現場アセスメントの間に不一致があれば、第三者判定者によって裁定され、裁定されたアセスメントを、統計的分析に使用する。
処置への応答およびHIは、研究者により、盲検Independent Response Assessment Committee(IRAC)によって、それぞれ改変されたIWG AML応答基準(Cheson、J Clin Oncol 2003年;21巻(24号):4642~9頁)およびIWG骨髄異形成症候群HI基準(Chesonら、Blood 2006年;108巻(2号):419~25頁)に従って遡及的にアセスメントされる。
研究処置中に毒性を管理し、かつ/または処置応答を増大するために、投与中断、投与遅延または用量修正を行うことができる。
研究の組合せアームの対象のために、化合物2、化合物1、またはアザシチジンを中断することが可能である。研究者のアセスメントにおいて、対象が臨床的利益を示し続けており、継続的な研究処置のためにあらゆるプロトコールに指定されている基準が満たされる場合、対象は、単剤の化合物2、化合物1、またはアザシチジンを用いる処置を継続され得る。対象が、進行性疾患を有しているか、または代替治療を受ける場合、研究処置は中断される。
スポンサーによって遅延または拒否されない、対象の処置を中断する決定は、依然として、担当医の責任である。しかし、対象の処置を中断する前に、研究者は、医療監視者と連絡を取り、判定および議論のための適切な裏付け書類を送付することが推奨される。
研究処置の少なくとも1回の投与を受けたすべての対象は、研究処置が中断された場合、処置終了時(EOT)評価を受けるべきである。中断の理由は、電子症例報告形態(eCRF)ページおよび原文書に記録される。
経過観察に対する同意の撤回以外の任意の理由で、研究処置を中断したすべての対象は、AE、併用医薬品、併用手順、輸血、ヘルスケア資源の利用、応答、血液学的改善、その後のAML治療、および生存についてアセスメントを継続される。
経過観察に対する同意の撤回または疾患の進行の以外の任意の理由で、研究処置を中断したすべての対象は、応答に関する研究の経過観察期間中、疾患が進行するまでアセスメントを継続される。
経過観察に対する同意の撤回以外の任意の理由で、研究処置を中断したすべての対象は、その後のAML治療、および生存についてアセスメントを継続される。
研究は、医薬品規制調和国際会議(ICH)の医薬品臨床試験実施基準(GCP)に従って実施する。
研究期間
全研究期間は、第1b相および第2相のための採用、スクリーニング、処置、および経過観察を含めて、およそ60カ月になると予測される。採用は、第1b相については7カ月、および第2相については17カ月かかると予測される。対象1人について、研究の第1b相セグメントの予測期間は、最長28日間のスクリーニング期間を含めて、およそ13カ月であり、研究の第2相セグメントの予測期間は、最長28日間のスクリーニング期間を含めて、およそ25カ月である。
治験の終了は、処置後の経過観察を完了するための最後の対象の最終訪問日、またはプロトコールにおいて予め特定されている通り、第1分析、第2分析、および/もしくは探索分析に必要な、最後の対象から得られた最終データ点の受取日のどちらが後日になろうとも、それらのいずれかとして定義される。
治験は、完全な統計的検出力に必要なEFS事象の量が生じるまで継続する。
研究処置
化合物2および化合物1を、各28日間サイクルの1~28日目に1日1回(QD)経口投与する。対象には、毎日ほぼ同じ時間±4時間に、1日用量を摂取するように指導すべきである。各用量は、1杯の水を用いて摂取され、可能な限り短時間で消費されるべきである。対象には、錠剤全体を嚥下し、錠剤を咀嚼しないように指導すべきである。化合物2または化合物1の投与前2時間および投与後1時間は、絶食が必要である。絶食中、水を飲むことが許容される。
アザシチジンを、第1b相および第2相中の両方において1日目に開始して、各28日間の処置サイクルの7日間にわたってSC投与する。第2相段階中、アザシチジン単独アームに無作為化された対象は、各28日間サイクルの7日間にわたって、アザシチジン75mg/m2/日をSCで受ける。無作為化されたすべての対象は、処置を中断しない限り、研究の最後まで28日間ごとの7日間にわたって、アザシチジン75mg/m2/日をSCで受ける。さらに、対象は、研究者の裁量に従って、必要に応じて抗生物質および輸血を含めた最良の支持ケアを受けることができる。7日間の投与期間中、2回またはそれよりも少ない投与漏れがあった場合、投与を継続すべきであり、したがって対象は7日間の完全な治療を受ける。7日間の投与期間中、3日またはそれよりも多い投与漏れがあった場合、研究者は、スポンサーと連絡を取るべきであり、投与の決定を臨機応変に行うことになる。
第1b相
第1b相では、3+3設計を使用する。化合物2については、登録対象3人について1つの用量レベルを調査する。コホート1は、各サイクルの1日目に開始して、各28日間サイクルの7日間にわたって500mgの経口化合物2を1日1回で、およびアザシチジン75mg/m2/日をSCで開始する。コホート1は、コホート1の2人またはそれよりも多い対象がコホート1の用量制限毒性(DLT)を有する場合、各28日間サイクルの7日間にわたって250mgを1日1回で、およびアザシチジン75mg/m2/日をSCで調査する。
化合物1については、2つの用量レベルを調査する。コホート1は、各サイクルの1日目に開始して、各28日間サイクルの7日間にわたって100mgの経口化合物1を1日1回で、およびアザシチジン75mg/m2/日をSCで開始する。DLTが観測されない場合、DRTがRP2Dを確認し、研究の第2相セグメントのための出発用量として、100mg用量を使用する。コホート2の用量漸増も、各サイクルの1日目に開始して、各28日間サイクルの7日間にわたって200mgの経口化合物1を1日1回で、およびアザシチジン75mg/m2/日をSCで開始して、この用量レベルの組合せの認容性を調査する。コホート1は、コホート1の2人またはそれよりも多い対象がDLTを有する場合、各サイクルの1日目に開始して、各28日間サイクルの7日間にわたって50mgの経口化合物1を毎日、およびアザシチジン75mg/m2/日をSCで調査する。
DRTは、1サイクル後に各対象のあらゆる毒性を評価し、個々の対象についてさらなる用量修正が必要かどうかを決定する。
第2相
化合物2の組合せアーム
IDH1変異を伴う対象は、化合物2を、各28日間サイクルの1~28日目にQDで、RP2Dにより経口で受け、各28日間サイクルの7日間にわたってアザシチジン75mg/m2/日をSCで受ける。
化合物1の組合せアーム
IDH2変異を伴う対象は、化合物1を、各28日間サイクルの1~28日目にQDで、RP2Dにより経口で受け、各28日間サイクルの7日間にわたってアザシチジン75mg/m2/日をSCで受ける。
アザシチジン単独アーム
IDH1またはIDH2変異のいずれかを伴う対象は、各28日間サイクルの7日間にわたってアザシチジン75mg/m2/日をSCで受ける。
主要有効性アセスメントの概要
有効性
血液および骨髄の連続試料採取を使用して、サイクル2で開始する治療に対する応答を決定する。応答は、第1b相中に現地でアセスメントされる。第2相中、応答は、現地でアセスメントされ、改変されたIWG基準に従って、報告された血液学的実験パラメータ、末梢血スメア、骨髄吸引液および/または生検、ならびに細胞遺伝に基づいて中央で確認される。
再発または進行の前に研究処置を中断した対象は、再発または進行が確認されるまで、毎月の現地訪問を完了することになる。再発または進行に起因して研究処置を中断した対象については、現地訪問または電話によって、毎月の経過観察を実施することができる。対象は、死亡したか、追跡しようとして見失ったか、さらなるデータ収集の同意を撤回するか、または研究が終結するまで、追跡調査される。
他の主要アセスメントの概要
安全性
安全性アセスメントには、有害事象、身体検査、米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータス、生命徴候、心エコー図(ECHO)またはマルチゲート収集(MUGA)走査、心電図(ECG)、心臓マーカー、検尿、凝固、血液学、血清化学、輸血、妊娠試験(潜在的に子どもを産む可能性がある女性(FCBP)だけ)、および併用医薬品または手順が含まれる。
化合物2および化合物1の血漿PK/PD
化合物2/化合物1およびアザシチジンの組合せのPKプロファイルを、第2相セグメントの化合物2/化合物1およびアザシチジンの組合せの血漿濃度およびPKパラメータによって評価する。2-HGの血漿濃度を、化合物2または化合物1の血漿濃度に関して経時的に評価する。
調査生成物についての説明責任
経口化合物2および化合物1を、各処置サイクルの1日目に調剤し、各処置サイクルの完了後に説明する。
アザシチジンは、現地の研究要員によってSC投与される。対象のCRFおよび原文書の適切なセクションで、調製および投与を含めたすべてのIPの正確な記録を行う。
統計方法
第1b相
第1b相の統計的分析は、主に記述的性質になる。体内動態、人口統計およびベースラインの疾患の特徴、安全性、PK、PD、ならびに臨床活性パラメータを作表する。分類上のデータを、度数分布(対象の数およびパーセンテージ)によってまとめ、連続データを、記述的統計(平均、標準偏差、中央値、最小値、および最大値)によってまとめる。適切な場合、データを、用量レベルおよび全体によってまとめる。
第2相
第2相における全奏効率(ORR)の第1の有効性エンドポイントには、改変されたIWG AML応答基準に従って、CR、CRp、形態学的な無白血病状態[MLFS]、CRi、およびPRの応答が含まれる。処置によるORRの差異を、ITT集団においてフィッシャーの直接確率検定を使用して試験する。この試験は、プールしたアザシチジン単剤治療群(IHD1またはIDH2変異を伴い、アザシチジン単剤治療に無作為化される対象を含む)に対する経口化合物2+SCアザシチジンのORRと、プールしたアザシチジン単剤治療群に対する経口化合物1+SCアザシチジンのORRを別個に比較するための中心的p値を提供する。
最大150人の対象を、この研究において無作為化し、IDH1対象50人を経口化合物2+SCアザシチジンアームに、IDH2対象50人を経口化合物1+SCアザシチジンアームに、合わせて50人のIDH1またはIDH2対象をアザシチジン単剤治療アーム(プールしたアザシチジン単剤治療)に無作為化する。プールしたアザシチジン単剤治療に対する経口化合物2+SCアザシチジン、およびプールしたアザシチジン単剤治療に対する化合物1+アザシチジンについて、別個に比較する。プールしたアザシチジン単剤治療アームにおいてORRが30%であり、経口化合物1+SCアザシチジンアームおよび経口化合物2+SCアザシチジンアームの両方についてはORRが50%であると仮定すると、設計されたこの試料サイズ(処置アーム1つ当たり50人)によって、比較ごとにORRの20%改善を検出するために78%の力を提供し、タイプI誤差率0.2(両側)でORRの統計的に有意な差異を実証する。多重比較は、試料サイズの算出では考慮しなかった。
組入れ基準
対象は、研究に登録するには、以下の基準を満たさなければならない。
対象は、インフォームドコンセント形態(ICF)に署名した時点で≧18歳である。
対象は、研究に関係する任意のアセスメント/手順を実施する前に、ICFを理解し、自発的に署名しなければならない。
対象は、研究訪問スケジュールおよび他のプロトコール要件を遵守する意思があり、遵守することができる。
対象は、WHO分類に従って、骨髄において≧20%の白血病性芽球を有する、未処置の原発性(すなわち、新規の)AMLまたは続発性(MDSもしくは骨髄増殖性新生物[MPN]の進行、または治療関連)AMLを有し、IDH1またはIDH2遺伝子変異(R132、R140、またはR172)を有する。検証済みの現場試験を使用して、第1相に対する適格性を確認することができるが、第2相に対する適格性を確認するためには、中央試験を実施しなければならない。研究者のアセスメントによって、強化ICを受ける候補となっていないこと。
対象は、米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータスが、0、1または2である。
対象は、臓器への白血病の関与に起因しているとみなされない限り、血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(AST/SGOT)およびアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT/SGPT)≦3×ULN;血清総ビリルビン<1.5×ULNと定義される、適切な臓器機能を有する。これらが、無効な赤血球生成、ジルベール症候群(例えば、UGT1A1の遺伝子変異)、または臓器への白血病の関与に起因し得る場合には、より高いレベルが許容される;コッククロフト-ゴールト糸球体濾過率(GFR)推定式:(140-年齢)×(体重kg)×(女性の場合は0.85)/72×血清クレアチニンに基づいて、血清クレアチニン<2×ULNまたはクレアチニンクリアランス>30mL/分。
連続骨髄吸引/生検への同意
潜在的に子どもを産む可能性がある女性(FCBP)*は、以下の条件を満たすならば、参加することができる。スクリーニング時および研究を通して、および最終研究処置後の4カ月間(カナダではアザシチジンの最終投与後の6カ月間)、性交を控えるか、または少なくとも2つの有効な避妊方法(経口用、注射用、パッチ式もしくは埋込式ホルモン避妊薬、卵管結紮;子宮内デバイス;殺精子薬を伴う合成二重バリア避妊具;またはパートナーの精管切除)を使用することに同意すること;ならびにスクリーニング時にヒト絨毛性ゴナドトロピン(β-hCG)妊娠試験の陰性血清β-サブユニットを有すること(少なくとも25mIU/mLの感度);ならびに処置期間の研究処置を開始する前の72時間以内に、陰性血清または尿(現場規制下で研究者の裁量)β-hCG妊娠試験(少なくとも25mIU/mLの感度)を有すること(スクリーニング血清妊娠試験は、72時間の時間枠内で実施される場合、処置期間の研究処置を開始する前の試験として使用され得ることに留意されたい)。
潜在的に子どもを産む可能性がある女性パートナーを有する男性対象は、スクリーニング時および研究過程中、性交を控えるか、または少なくとも2つの有効な避妊方法(例えば、殺精子薬を伴う合成コンドーム等)を使用することに同意しなければならず、研究過程中、および最終研究処置後の4カ月間(カナダではアザシチジンの最終投与後の6カ月間)、生殖行為は回避すべきである。
除外基準
対象は、以下のいずれかが存在すると、登録から除外される。
対象が、形態学、免疫表現型、分子アッセイ、または核型に基づいて、急性前骨髄球性白血病を有すると疑われるか、または有すると証明されている。
対象が、慢性骨髄性白血病(CML)に続発するAMLを有している。
対象が、IDH1またはIDH2変異を標的とする薬剤を受けていた。
対象が、過去に、全身抗がん治療、HSCT、またはAMLのための放射線療法を受けていた。研究処置を開始する前に、白血球細胞(WBC)計数>30×109/Lを有する対象の白血球増加症を制御するために、ヒドロキシ尿素は許容されることに留意されたい(しかし、ヒドロキシ尿素は、アザシチジンの投与前および投与後の72時間以内には与えられるべきではない)。過去のがんのために続発性AML(例えば、MDSまたはMPN)処置を受けた対象については、除外されない。すべての処置の情報は、CRFに収集される。
対象が、過去に、MDSのためにアザシチジンまたはデシタビンによる処置を受けていた。
対象が、中枢神経系(CNS)白血病を有しているか、または有すると疑われる。脳脊髄液の評価は、スクリーニング中に白血病によるCNS関与が疑われる場合にのみ必要とされる。
対象が、白血病の生命を危うくする差し迫った重症合併症、例えば制御の効かない出血、低酸素症もしくはショックを伴う肺炎、および/または播種性血管内凝固を有している。
対象が、研究処置を開始する前の6か月間以内に、ニューヨーク心臓病学会(NYHA)クラスIIIもしくはIVのうっ血性心不全;急性冠症候群(ACS);および/または脳卒中;または研究処置を開始する前の28日以内に得られた心エコー図(ECHO)もしくはマルチゲート収集(MUGA)走査による左心室駆出分画(LVEF)<40%を含めた、著しく活動性が高い心疾患を有している。
対象が、研究処置を開始する前の≧1年間に、疾患がなかった場合を除き、MDS、MPNまたはAML以外の悪性腫瘍の既往歴を有している。しかし、以下の病歴/併発状態を有する対象は、許可される。皮膚の基底または扁平上皮癌、子宮頸部のin situ癌、乳房のin situ癌、前立腺がんの偶発的組織学的知見(腫瘍、結節、転移の臨床的な病期分類システムを使用して、T1aまたはT1b)。
対象が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による活動的なウイルス感染症、またはB型肝炎ウイルス(HBV)もしくはC型肝炎ウイルス(HCV)による活動的な感染症について、既知の血清陽性であるか、またはそれらの感染症を有している。
対象が、嚥下障害、短腸症候群、胃不全麻痺、または経口投与される薬物の摂取もしくは胃腸管吸収を制限する他の状態を有していることがわかっている。
対象が、制御の効かない高血圧を有している(収縮期圧[BP]>180mmHgまたは拡張期BP>100mmHg)。
治療範囲が狭い以下の感受性CYP基質医薬品:フェニトイン(CYP2C9)、S-メフェニトイン(CYP2C19)、チオリダジン(CYP2D6)、テオフィリン、およびチザニジン(CYP1A2)を摂取している対象は、研究処置の開始より少なくとも5半減期前に他の医薬品に移行できない限り、研究から除外される。
対象が、乳がん耐性タンパク質(BCRP)輸送体感受性基質ロスバスタチンを摂取している。対象は、研究処置の開始より少なくとも5半減期前に他の医薬品に移行できない限り、研究から除外されるべきである。
対象が、制御の効かない活動的な真菌、細菌、またはウイルスによる全身性感染症(適切な抗生物質、抗ウイルス療法、および/または他の処置にも関わらず、改善されない感染症に関係する、進行中の徴候/症状と定義される)を有している。
対象が、研究治療の構成要素のいずれかに対して既知の過敏症を有しているか、または有すると疑われる。
研究処置の開始前5半減期以上の範囲内に他の医薬品に移行できない限り、QT間隔を延長することが公知の医薬品を、対象が摂取している。(等価な医薬品が利用可能でない場合、QTcは、厳密にモニタリングされる)。
対象が、スクリーニング時に、QTc間隔(すなわち、Fridericia補正[QTcF])≧450ms、またはQT延長もしくは不整脈性事象の危険性を増大する他の因子(例えば、心不全、低カリウム血症、長QT間隔症候群の家族歴)を有している。
妊娠中または授乳中の女性対象。
対象が、研究への対象の参加を妨げるおそれがある、任意の著しい医学的状態、検査所見異常、または精神医学的疾病を有している。
対象が、研究にもし参加したら対象を許容されない危険に曝す、検査所見異常の存在を含めた任意の状態を有している。
対象が、研究から得られるデータの解釈能を混乱させる任意の状態を有している。
ある特定の実施形態では、例えば、本明細書で提供される臨床プロトコールを受けている、化合物2およびアザシチジンで処置されているAML患者は、処置応答を示す。一部の実施形態では、処置応答は、改変されたIWG AML応答基準に従う、完全奏功(CR)、形態学的な無白血病状態(MLFS)、不完全好中球回復(CRi)を伴う形態学的な完全寛解、不完全血小板回復(CRp)を伴う形態学的な完全寛解、または部分寛解(PR)である。一部の実施形態では、処置応答は、IWG MDS HI基準に従う血液学的改善、例えば好中球応答(Hi-N)、血小板応答(HI-P)、および/または赤血球(Erythroyd)応答(HI-E)の改善である。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法において、化合物2およびアザシチジンで処置されたAML患者は、無再発生存期間(EFS)、応答期間、HRQoLおよび/または全生存の改善を示す。
いくつかの実施形態のいくつかの態様をこうして記載してきたが、当業者であれば、様々な変更、修正、および改善を容易に想到することを理解されたい。このような変更、修正、および改善は、本開示の一部であることが意図され、本発明の精神および範囲に含まれることが意図されている。したがって、先の説明および図は、単に例示的なものである。