JP7032877B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
このような透明性樹脂としては、従来、アクリル樹脂が主として用いられてきた。
代表的には、本発明の組成物は、さらに、メタクリル酸エステル由来の構造単位を有する他の樹脂を含んでいてもよい。
そのため、本発明には、ブロック共重合体(A)の添加剤(例えば、ブロック共重合体(A)におけるゲル化又は異物の発生を抑制又は低減するための添加剤)であって、酸化防止剤(B)を含む剤(添加剤)も含まれる。
さらに、本発明は、このようなフィルムを備えた偏光板や画像表示装置(液晶表示装置など)も包含する。
しかも、意外なことに、耐熱性などの他の物性については損なうことなく高いレベルで維持しうる。そのため、本発明の樹脂組成物は、ブロック共重合体に由来する物性はそのままに異物の発生やゲル化を抑制でき、樹脂品質を損なうこともない。
ブロック共重合体は、特に限定されないが、通常、アクリル酸エステル由来の構造単位(又は、単に、「アクリル酸エステル単位」などということがある。以下、同様の表現において同じ)を含むポリマーブロック(ポリマーブロック(I)、ブロック(I)などということがある)を有する。
なお、異なるブロックは、通常、ブロック(I)とは異なるガラス転移温度を有していてもよい。
ブロック(I)において、アクリル酸エステル単位としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族アクリレート[例えば、アクリル酸アルキルエステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸C1-18アルキル)等]、脂環族アクリレート[例えば、アクリル酸シクロアルキルエステル(例えば、アクリル酸シクロプロピル、アクリル酸シクロブチル等のアクリル酸C3-20シクロアルキル)、架橋環式アクリレート(例えば、アクリル酸イソボルニル)等]、芳香族アクリレート[例えば、アクリル酸アリールエステル(例えば、アクリル酸フェニル、アクリル酸o-トリル等のアクリル酸C6-20アリール)、アクリル酸アラルキルエステル(例えば、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸C6-10アリールC1-4アルキル)、アクリル酸フェノキシアルキル(例えば、アクリル酸フェノキシエチル等のアクリル酸フェノキシC1-4アルキル)等]等のアクリル酸エステル由来の構造単位等が挙げられる。
ブロック(II)は、ブロック(I)と異なる限り特に限定されないが、通常、(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を有するポリマーブロック(II)であってもよい。
ブロック共重合体は、必要に応じて、ブロック(I)及び(II)とは別の重合体ブロック[例えば、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル以外のモノマー由来の構造単位を有するブロック、以下、ブロック(III)ともいう]を有してもよい。
ブロック共重合体は、特定の環構造を有するが、通常、主鎖に環構造を有することが好ましい。主鎖に環構造を有することにより、ブロック共重合体の軟化温度や熱分解温度等の耐熱性、硬度(強度)、耐溶剤性、表面硬度、接着性、酸素や水蒸気のバリヤ性、各種の光学特性が向上する。更に、フィルムやシートにした場合に、高温、高湿度条件下での寸法安定性や形状安定性が向上する。これに加えて、主鎖の環構造は、位相差フィルム等を形成する際、延伸によってフィルムが大きな位相差を発現することに寄与する。この特徴は、位相差フィルムまたは位相差フィルムの機能を有する偏光子保護フィルムとしての使用を可能とする。
マレイミド構造は、例えば、N-シクロアルキルマレイミド構造(N-シクロヘキシルマレイミド構造など)、N-アルキルマレイミド構造(N-メチルマレイミド構造など)、N-アリールマレイミド構造(N-フェニルマレイミド構造など)、N-アラルキルマレイミド構造(N-ベンジルマレイミド構造など)である。これら環構造は、ブロック共重合体の主鎖に1種又は2種以上含まれていてよい。
さらに、このような環構造は、表面硬度、耐溶剤性、接着性、バリヤ特性、光学特性が付与される観点から、好ましい。例えば、光学フィルムの中でも位相差フィルムへの使用を想定する場合、正の位相差が付与でき、更に位相差特性の安定性が優れる観点から好ましい。
当該炭化水素基としては、例えば、脂肪族基{例えば、アルキル基[例えば、C1-6直鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)、C1-6分岐アルキル基(例えば、イソプロピル基等)等のC1-6アルキル基等]等}、脂環族基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のC3-20シクロアルキル基等)、芳香族基{例えば、C6-20芳香族基[例えば、C7-20アラルキル基(例えば、ベンジル基等)、C6-20アリール基(例えば、フェニル基等)]}である。尚、炭化水素基は、さらにハロゲン等の置換基を有していてもよい。
当該炭化水素基としては、例えば、脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などのC1-20アルキル基、エテニル基、プロペニル基などのC2-20不飽和脂肪族炭化水素基等)、芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基などのC6-20芳香族炭化水素基等)等である。前記炭化水素基は、酸素原子を含んでいてもよく、水素原子の一つ以上が、水酸基、カルボキシル基、エーテル基及びエステル基から選ばれる少なくとも1種類の基により置換されていてもよい。
ブロック共重合体において、ブロック(I)及びブロック(II)の割合は、例えば、ブロック(I)が20~90質量%、ブロック(II)が80~10質量%であり、好ましくはブロック(I)が25~85質量%、ブロック(II)が75~15質量%であり、さらに好ましくはブロック(I)が30~70質量%、ブロック(II)が70~30質量%であってもよい。
特に、ブロック共重合体(又は樹脂組成物)の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、3以下、好ましくは2.8以下(例えば、1~2.6)、さらに好ましくは2.5以下(例えば、1.1~2.4)、特に2.3以下(例えば、1.2~2.2)であってもよい。
また、ブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、1.65以上(例えば、1.65~2.5)、好ましくは1.7~2.4(例えば、1.8~2.3)であってもよい。
ブロック共重合体は、市販品を利用してもよく、製造(合成)したものを使用してもよい。
また、ブロック共重合体において、環化反応を進行させてブロック共重合体に環構造を導入してもよい。なお、このように後から環化反応を行う場合、ブロック共重合体として、市販品(株式会社クラレ社製のクラリティなど)を使用してもよい。
ニトロキシドポリマー(A)は、ブロック(I)、すなわち、アクリル酸エステル単位を含むポリマーブロック(I)の末端に、有機リン単位を有するニトロキシド構造を有する。
ニトロキシドポリマー(A)は、有機リン単位を有するニトロキシド構造を、ポリマーブロック(I)の少なくとも片末端に有していればよいが、ポリマーブロック(I)の両末端に有することが好ましい。
有機リン単位を有するニトロキシド構造は、例えば、以下の式(1)で表される構造等である。
炭化水素基としては、例えば、脂肪族基[例えば、C1-10アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基等)、好ましくは、C1-4アルキル基等]、脂環族基[例えば、C3-12シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、好ましくは、C3-7シクロアルキル基等]、芳香族基{例えば、C6-20芳香族基[例えば、C6-20アリール基(例えば、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,3-キシリル基、1-ナフチル基等)、C7-20アラルキル基(例えば、ベンジル基等)等]}等である。尚、炭化水素基は、さらに置換基(例えば、ハロゲン原子等)を有していてもよい。
炭化水素基としては、例えば、脂肪族基[例えば、C1-10アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基等)、好ましくは、C1-5アルキル基]、脂環族基[例えば、C3-12シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、好ましくは、C3-7シクロアルキル基等]、芳香族基{例えば、C6-20芳香族基[例えば、C6-20アリール基(例えば、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,3-キシリル基、1-ナフチル基等)、C7-20アラルキル基(例えば、ベンジル基等)等]}等である。尚、炭化水素基は、さらに置換基(例えば、ハロゲン原子等)を有していてもよい。
リン含有基は、少なくともP(=O)OR3構造で表される構造(R3は、水素原子又は炭化水素基を示す)を含むことが好ましい。
R3において、炭化水素基としては、例えば、脂肪族基[例えば、C1-10アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基等)、好ましくは、C1-4アルキル基等]、脂環族基(例えば、C3-12シクロアルキル基等)、芳香族基(例えば、C6-20芳香族基等)等が挙げられる。
有機リン単位を有するニトロキシド構造の例としては、例えば、以下の式(1-1)で表される構造が挙げられる。
また、ニトロキシドポリマー(A)は、有機リン単位を有するニトロキシド構造を複数有していてもよい。
ニトロキシドポリマー(A)において、有機リン単位を有するニトロキシド構造は、ポリマーブロック(I)の末端にあればよいが、ポリマーブロック(I)の両末端にあることが好ましい。
特に、ニトロキシドポリマー(A)は、鎖状のポリマーブロック(I)の両末端に、有機リン単位を有するニトロキシド構造を有することが好ましい。このようなニトロキシドポリマー(A)を用いることで、ポリマーブロック(I)の両側に他のブロック[特に、ポリマーブロック(II)]を有するブロック共重合体を効率良く得ることができる。
ニトロキシドポリマー(A)とモノマー(B)の重合工程では、ポリマーブロック(I)と他のブロック(特にポリマーブロック(II))とを有するブロック共重合体が形成される。
重合温度は、特に限定されないが、例えば、80~130℃であり、好ましくは90~120℃であってもよい。
重合工程(I)の重合時間は、特に限定されず、重合温度に応じて適宜選択できるが、例えば、0.5~6時間、好ましくは1~3時間である。
尚、重合は、窒素等の不活性ガスを導入することにより、溶存酸素を50ppm以下とすることが好ましい。
重合溶媒の使用量は、重合系内における単量体組成物において、10~80重量%が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、特定の酸化防止剤を含む。このような特定の酸化防止剤をブロック共重合体と組み合わせることで、異物の発生やゲル化を効率よく抑制しうる。
換言すれば、特定の酸化防止剤(添加剤としての特定の酸化防止剤)をブロック共重合体に含有させることで、ブロック共重合体のゲル化(ブロック共重合体における異物の発生)を抑制しうる。
フェノール系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、
アルキル-ヒドロキシフェニルアルカン酸エステル[例えば、n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アセテート、ネオドデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ドデシル-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチル-α-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシル-α-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシル-α-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2-(n-オクチルチオ)エチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルアセテート、2-(n-オクタデシルチオ)エチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルアセテート、2-(n-オクタデシルチオ)エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2-(2-ステアロイルオキシエチルチオ)エチル-7-(3-メチル-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、2-ヒドロキシエチル-7-(3-メチル-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2-ステアロイルオキシエチル-7-(3-メチル-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ヘプタノエートなどの4-ヒドロキシ-3,5-ジアルキルフェニルアルカン酸エステル、好ましくは4-ヒドロキシ-3,5-ジC1-4アルキルフェニルC1-10アルカン酸エステル]、
アルキル-ヒドロキシ安息香酸エステル[例えば、n-オクタデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-(n-オクチルチオ)エチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-(n-オクタデシルチオ)エチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-(2-ヒドロキシエチルチオ)エチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-(2-ステアロイルオキシエチルチオ)エチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート
など]、
アルキル-ヒドロキシフェニル安息香酸エステル[例えば、n-ヘキシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルベンゾエート、n-ドデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルベンゾエートなど]、
ポリオールとアルキル-ヒドロキシフェニルカルボン酸とのポリエステル{例えば、1,2-プロピレングリコールビス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス-[3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,1-トリメチロールエタントリス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ソルビトールヘキサ-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-n-ヘキサンジオールビス[(3’,5’-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジエチルグリコールビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニル)プロピオネート、ネオペンチルグリコールビス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、グリセリン-1-n-オクタデカノエート-2,3-ビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルアセテート)、ペンタエリトリトールテトラキス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート)、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]-ウンデカンなど}、
ポリアミンとアルキル-ヒドロキシフェニルカルボン酸とのポリアミド{例えば、ステアルアミド-N,N-ビス-[エチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n-ブチルイミノ-N,N-ビス-[エチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]など}、ポリ(アルキル-ヒドロキシベンジル)ベンゼン[例えば、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンなど]、
ポリ(アルキル-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート{例えば、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-t-ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンなど}、
重合性基を有するフェノール系酸化防止剤{例えば、2-t-ブチル-6-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、
2,4-ジ-t-アミル-6-[1-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート、及び2-t-ブチル-6-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレートなど}が挙げられる。
セミヒンダードフェノール系酸化防止剤{例えば、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]-ウンデカン、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-t-ブチルベンジル)イソシアヌレートなど}を好適に使用してもよい。
セミヒンダードフェノール系酸化防止剤を使用することにより、樹脂組成物における透明性を維持しつつ(損なうことなく)、異物低減やゲル化抑制などの効果を効率よく実現しうる。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、チオエーテル系酸化防止剤などが含まれる。
チオジカルボン酸エステル[例えば、チオジアルカン酸ジエステル(例えば、ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリル-3,3’-チオジプロピオネート、ジトリデシル-3,3’-チオジプロピオネートなどのチオジカルボン酸ジアルキルエステルなど)など]、
ポリオールとチオカルボン酸とのポリエステル{例えば、ポリオールポリ(アルキルチオアルカノエート)[例えば、ペンタエリスリチルテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)など]など}などが挙げられる。
リン系酸化防止剤(B3)としては、例えば、ホスファイト(フォスファイト)系酸化防止剤などが含まれる。
トリアルキルホスファイト(例えば、トリデシルホスファイトなど)、トリアリールホスファイト[例えば、トリフェニルフォスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイトなど]、アルキル-アリールホスファイト(例えば、2-エチルヘキシルジフェニルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイトなど)、メチレンビスフェニルアルキルホスファイト[例えば、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルホスファイトなど]、ポリオールのポリホスファイト{例えば、ペンタエリスリトールジホスファイト[例えば、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなどのジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト;ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのジフェニルペンタエリスリトールジホスファイトなど]、2-[[2,4,8,10-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン-6-イル]オキシ]-N,N-ビス[2-[[2,4,8,10-テトラキス(1,1ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン-6-イル]オキシ]-エチル]エタナミンなどが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤(B1)の割合は、例えば、ブロック共重合体(A)100質量部に対して、0.00001~30質量部(例えば、0.0001~20質量部)、好ましくは0.001~10質量部(例えば、0.005~7質量部)、さらに好ましくは0.01~5質量部(例えば、0.02~3質量部)、特に0.03~2質量部程度であってもよい。
本発明の樹脂組成物(組成物)は、ブロック共重合体(A)と酸化防止剤(B)とを含む。
このような樹脂組成物は、樹脂(又は樹脂成分)として、前記ブロック共重合体を含んでいればよく、他の樹脂を含んでいてもよい。
そのため、本発明の樹脂組成物(前記ブロック共重合体と特定の酸化防止剤とを含む樹脂組成物、特定の酸化防止剤を含むブロック共重合体)は、他の樹脂(特に、アクリル系樹脂やブロック共重合体と共通する骨格を有する樹脂)の改質剤として用いることもできる。
特に、前記のように、追加重合を行う場合には、前記ブロック共重合体と、ブロック共重合体と共通する骨格を有する樹脂とを含む樹脂組成物[例えば、前記ブロック共重合体と、他のブロック(ブロック(II)など)に対応するポリマーとの混合物(ポリマーブレンド)]が効率よく得られる。
なお、ブロック共重合体と酸化防止剤との混合方法は、特に限定されず、ブロック共重合体と酸化防止剤とを混合してもよく、ブロック共重合体の製造(重合)時に酸化防止剤を存在させることで、ブロック共重合体に酸化防止剤を含有させてもよい。また、混合は、加熱(加温)化で行ってもよい。
光学フィルムは、光学特性に優れたフィルムであれば特に限定されないが、好ましくは、位相差フィルム、ゼロ位相差フィルム(面内、厚み方向位相差が限りなく小さい)、視野角補償フィルム、光拡散フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、タッチパネル用導電フィルム等が挙げられる。
光学シートとしては、拡散板、導光体、位相差板、ゼロ位相差板、プリズムシート等が挙げられる。
なお、成型方法は特に限定されず、従来公知の方法に従ってよい。
例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等の画像表示装置に用いられる保護フィルム、反射防止フィルム、偏光フィルム等の用途に用いる場合には、好ましくは1~250μm、より好ましくは10~100μm、さらに好ましくは20~80μmである。
また、例えば、ITO蒸着フィルム、銀ナノワイヤーフィルム、メタルメッシュフィルム等に用いられる透明導電性フィルム等の用途に用いる場合には、好ましくは20~400μm、より好ましくは30~350μm、さらに好ましくは40~300μmである。
本発明のフィルムは、液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置が備える偏光板に用いる偏光子保護フィルムとして使用することができ、通常は、そのまま偏光子保護フィルムとして使用することができる。
本発明は、本発明のフィルムを備えた偏光板も含有する。
すなわち、本発明のフィルムは、偏光子保護フィルムとして用いて、偏光板に使用することができる。
偏光板の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法に従ってよい。例えば、偏光子の少なくとも片面に、常法を用いて本発明のフィルムを貼り合わせることにより、偏光板を得ることができる。当該貼り合わせは、本発明のフィルムの偏光子に接合する側をアルカリ鹸化処理し、偏光子の少なくとも片面に完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を塗布した後、本発明のフィルムと偏光子とを貼り合わせることにより、好適に実施することができる。
また、偏光子の膜厚は、1~30μmが好ましく、1~20μmがより好ましい。
本発明は、上述した本発明のフィルムを備えた画像表示装置も含有する。このような画像表示装置において、本発明のフィルムの用途(機能)は特に限定されず、例えば、偏光板を備えた画像表示装置において、当該偏光板(偏光子保護フィルム)を構成してもよい。
本発明において、画像表示装置の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法に従ってよい。画像表示装置としては、液晶表示装置(LCD)等が好ましい。
ブロックポリマー、重合体および組成物の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(D)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算により求めた。測定に用いた装置および測定条件は以下の通りである。
システム:東ソー製GPCシステム HLC-8220
測定側カラム構成
・ガードカラム:東ソー製、TSKguardcolumn SuperHZ-L
・分離カラム:東ソー製、TSKgel SuperHZM-M 2本直列接続
リファレンス側カラム構成
・リファレンスカラム:東ソー製、TSKgel SuperH-RC
展開溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業製、特級)
展開溶媒の流量:0.6mL/分
標準試料:TSK標準ポリスチレン(東ソー製、PS-オリゴマーキット)
カラム温度:40℃
転化率(反応率)は、ガスクロマトグラフィー(島津製作所社製、装置名:GC-2014)を用いて残存モノマー量を測定することで求めた。
ガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121に準拠して求めた。具体的には、示差走査熱量計(リガク製、DSC-8230)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃まで昇温(昇温速度20℃/分)して得られたDSC曲線から、始点法により評価した。リファレンスにはα-アルミナを用いた。
ゲル発生量は濾過前後の濾紙の重量変化率で評価した。サンプルは下記2通りの調液条件で調製した。
前処理条件1:
270℃に加熱したTAKARA製MELT INDEXERにサンプル6gを導入し20分間滞留させた。前記方法を計3回繰り返し、得られた加熱後のサンプル18gをクロロホルムに溶解させた。
前処理条件2:
前処理を実施しないサンプル5gをクロロホルムに溶解させた。
上記前処理で得られた樹脂組成物のクロロホルム溶液を孔径0.1μmメンブレンフィルター、操作圧-0.02MPaGで濾過を行い、‐0.1MPaG以下100℃で5時間乾燥させた後、濾過後のフィルター重量を測定した。
ゲル発生量(%)は濾過後のフィルター重量をW2、濾過前のフィルター重量をW1とした際、以下の計算により算出した。
ゲル発生量(%)=(W2/W1-1)×100
透過率差は、島津製作所製紫外・可視分光光度計UV-1650PCを用いて水を満たした石英セル中にフィルムを浸漬して測定し、波長が800nmから500nmの光の透過率の差を算出した。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応装置に、両末端にホスホン酸エステル単位を有するニトロキシド構造を有するポリアクリル酸ブチルの60%トルエン溶液(Flexibloc D2(登録商標)、Arkema France社製)13質量部、17質量部のフェニルマレイミド(PMI)、71質量部のメタクリル酸メチル(MMA)、0.10質量部のn-ドデシルメルカプタン(DM)、ならびに重合溶媒として93質量部のトルエンを仕込み、これに窒素を通じつつ105℃まで昇温させた。その後105-110℃の還流下で1時間の溶液重合を進行させた。この時の重合液中のモノマー量より算出した反応率は、MMAが33%、PMIが34%であった。また、得られたブロック共重合体の分子量を求めたところ、重量平均分子量(Mw)は30.6万、数平均分子量(Mn)は15.5万、分子量分布(Mw/Mn)は2.0であった。
次いで、未反応モノマーを追加重合するため、t-アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製、ルペロックス(登録商標)570)0.035質量部を一括で加えると同時に、スチレン(St)3.9質量部、トルエン0.44質量部、滴下開始剤t-アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製、ルペロックス(登録商標)570)0.087質量部からなる溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、100℃~110℃の温度を保持しながら2時間重合反応を行い、ポリアクリル酸ブチルからなるポリマーブロック(I)の両末端に、PMI、MMAからなるポリマーブロック(II)を有するブロック共重合体と、PMI、MMA、Stからなる共重合体を含むポリマー溶液を得た。この時のポリマー溶液中のモノマー量より算出した反応率はMMAが93%、PMIが96%、Stが97%であった。
得られたポリマー溶液20質量部に、酸化防止剤としてIrganox1010(BASFジャパン社製)、AO-412S及びアデカスタブ2112(ADEKA社製)を各々0.005質量部加え、クロロホルムに溶解させた後、-0.1MPaG以下240℃で1時間加熱し残存モノマー及び溶媒を除去し、ポリアクリル酸ブチルからなるポリマーブロック(I)の両末端に、PMI、MMAからなるポリマーブロック(II)を有するブロック共重合体と、PMI、MMA、Stからなる共重合体とを含む樹脂組成物(A-1)を得た。
樹脂組成物(A-1)の重合平均分子量は16.4万、数平均分子量(Mn)は6.5万、分子量分布(Mw/Mn)は2.5、ガラス転移温度は135℃であった。
前処理条件1で調製した樹脂組成物(A-1)のゲル発生量は3.3wt%であった。
次いで、得られた樹脂組成物(A-1)を手動式加熱プレス機(井元製作所製、IMC-180C型)にて250℃でプレス成型し、160μmのフィルムを得た。そのフィルムの透過率を島津製作所製、紫外・可視分光光度計UV-1650PCを用いて石英セルに水を満たし、その中にフィルムを浸漬して測定したところ、透過率差は5.5%であった。
実施例1において0.005質量部のIrganox1010に代えて0.005質量部のAO-80(ADEKA社製)を使用したこと以外は同様にしてポリアクリル酸ブチルからなるポリマーブロック(I)の両末端に、PMI、MMAからなるポリマーブロック(II)を有するブロック共重合体と、PMI、MMA、Stからなる共重合体とを含む樹脂組成物(A-2)を得た。
前処理条件1で調製した樹脂組成物(A-2)のゲル発生量は2.3wt%であった。
次いで、得られた樹脂組成物(A-2)を手動式加熱プレス機(井元製作所製、IMC-180C型)にて250℃でプレス成型し、160μmのフィルムを得た。そのフィルムの透過率を島津製作所製、紫外・可視分光光度計UV-1650PCを用いて石英セルに水を満たし、その中にフィルムを浸漬して測定したところ、透過率差は4.5%であった。
実施例1において0.005質量部のIrganox1010に代えて0.005質量部のSONGNOX1790(SONGWON社製)を使用したこと以外は同様にしてポリアクリル酸ブチルからなるポリマーブロック(I)の両末端に、PMI、MMAからなるポリマーブロック(II)を有するブロック共重合体と、PMI、MMA、Stからなる共重合体とを含む樹脂組成物(A-3)を得た。
前処理条件1で調製した樹脂組成物(A-3)のゲル発生量は2.2wt%であった。
次いで、得られた樹脂組成物(A-3)を手動式加熱プレス機(井元製作所製、IMC-180C型)にて250℃でプレス成型し、160μmのフィルムを得た。そのフィルムの透過率を島津製作所製、紫外・可視分光光度計UV-1650PCを用いて石英セルに水を満たし、その中にフィルムを浸漬して測定したところ、透過率差は3.6%であった。
実施例2において0.005質量部のアデカスタブ2112に代えて0.005質量部のPEP-36(ADEKA社製)を使用したこと以外は同様にしてポリアクリル酸ブチルからなるポリマーブロック(I)の両末端に、PMI、MMAからなるポリマーブロック(II)を有するブロック共重合体と、PMI、MMA、Stからなる共重合体とを含む樹脂組成物(A-4)を得た。
前処理条件1で調製した樹脂組成物(A-4)のゲル発生量は2.6wt%であった。
次いで、得られた樹脂組成物(A-4)を手動式加熱プレス機(井元製作所製、IMC-180C型)にて250℃でプレス成型し、160μmのフィルムを得た。そのフィルムの透過率を島津製作所製、紫外・可視分光光度計UV-1650PCを用いて石英セルに水を満たし、その中にフィルムを浸漬して測定したところ、透過率差は4.6%であった。
実施例2において0.005質量部のAO-412Sに代えて0.005質量部のIrganoxPS802FL(BASFジャパン社製)を使用したこと以外は同様にしてポリアクリル酸ブチルからなるポリマーブロック(I)の両末端に、PMI、MMAからなるポリマーブロック(II)を有するブロック共重合体と、PMI、MMA、Stからなる共重合体とを含む樹脂組成物(A-5)を得た。
前処理条件1で調製した樹脂組成物(A-5)のゲル発生量は3.5wt%であった。
次いで、得られた樹脂組成物(A-5)を手動式加熱プレス機(井元製作所製、IMC-180C型)にて250℃でプレス成型し、160μmのフィルムを得た。そのフィルムの透過率を島津製作所製、紫外・可視分光光度計UV-1650PCを用いて石英セルに水を満たし、その中にフィルムを浸漬して測定したところ、透過率差は5.0%であった。
実施例2において0.005質量部のAO-80及び0.005質量部のアデカスタブ2112に代えて0.010質量部のAO-80及び0.010質量部のアデカスタブ2112を使用したこと以外は同様にしてポリアクリル酸ブチルからなるポリマーブロック(I)の両末端に、PMI、MMAからなるポリマーブロック(II)を有するブロック共重合体と、PMI、MMA、Stからなる共重合体とを含む樹脂組成物(A-6)を得た。
前処理条件1で調製した樹脂組成物(A-6)のゲル発生量は2.4wt%であった。
次いで、得られた樹脂組成物(A-6)を手動式加熱プレス機(井元製作所製、IMC-180C型)にて250℃でプレス成型し、160μmのフィルムを得た。そのフィルムの透過率を島津製作所製、紫外・可視分光光度計UV-1650PCを用いて石英セルに水を満たし、その中にフィルムを浸漬して測定したところ、透過率差は4.9%であった。
実施例1において酸化防止剤を何も使用しないこと以外は同様にしてポリアクリル酸ブチルからなるポリマーブロック(I)の両末端に、PMI、MMAからなるポリマーブロック(II)を有するブロック共重合体と、PMI、MMA、Stからなる共重合体とを含む樹脂組成物(A-7)を得た。
前処理条件1で調製した樹脂組成物(A-7)のゲル発生量は23.6wt%であった。
次いで、得られた樹脂組成物(A-7)を手動式加熱プレス機(井元製作所製、IMC-180C型)にて250℃でプレス成型し、160μmのフィルムを得た。そのフィルムの透過率を島津製作所製、紫外・可視分光光度計UV-1650PCを用いて石英セルに水を満たし、その中にフィルムを浸漬して測定したところ、透過率差は4.2%であった。
実施例2においてAO-412Sを使用しないこと以外は同様にしてポリアクリル酸ブチルからなるポリマーブロック(I)の両末端に、PMI、MMAからなるポリマーブロック(II)を有するブロック共重合体と、PMI、MMA、Stからなる共重合体とを含む樹脂組成物(A-8)を得た。
前処理条件1で調製した樹脂組成物(A-8)のゲル発生量は5.5wt%であった。
次いで、得られた樹脂組成物(A-8)を手動式加熱プレス機(井元製作所製、IMC-180C型)にて250℃でプレス成型し、160μmのフィルムを得た。そのフィルムの透過率を島津製作所製、紫外・可視分光光度計UV-1650PCを用いて石英セルに水を満たし、その中にフィルムを浸漬して測定したところ、透過率差は6.2%であった。
実施例2においてアデカスタブ2112を使用しないこと以外は同様にしてポリアクリル酸ブチルからなるポリマーブロック(I)の両末端に、PMI、MMAからなるポリマーブロック(II)を有するブロック共重合体と、PMI、MMA、Stからなる共重合体とを含む樹脂組成物(A-9)を得た。
前処理条件1で調製した樹脂組成物(A-9)のゲル発生量は6.2wt%であった。
次いで、得られた樹脂組成物(A-9)を手動式加熱プレス機(井元製作所製、IMC-180C型)にて250℃でプレス成型し、160μmのフィルムを得た。そのフィルムの透過率を島津製作所製、紫外・可視分光光度計UV-1650PCを用いて石英セルに水を満たし、その中にフィルムを浸漬して測定したところ、透過率差は5.6%であった。
参考例2において0.005質量部のAO-80及び0.005質量部のアデカスタブ2112に代えて0.010質量部のAO-80及び0.010質量部のアデカスタブ2112を使用したこと以外は同様にしてポリアクリル酸ブチルからなるポリマーブロック(I)の両末端に、PMI、MMAからなるポリマーブロック(II)を有するブロック共重合体と、PMI、MMA、Stからなる共重合体とを含む樹脂組成物(A-10)を得た。
前処理条件1で調製した樹脂組成物(A-10)のゲル発生量は5.1wt%であった。
次いで、得られた樹脂組成物(A-10)を手動式加熱プレス機(井元製作所製、IMC-180C型)にて250℃でプレス成型し、160μmのフィルムを得た。そのフィルムの透過率を島津製作所製、紫外・可視分光光度計UV-1650PCを用いて石英セルに水を満たし、その中にフィルムを浸漬して測定したところ、透過率差は4.8%であった。
なお、表において、酸化防止剤の種類は、以下の通りである。
B1-1:ペンタエリスリトールテトラキス-[3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASFジャパン社製「Irganox1010」
B1-2:3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]-ウンデカン、ADEKA社製「アデカスタブAO-80」
B1-3:1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-t-ブチルベンジル)イソシアヌレート、SONGWON社製「Songnox1790」
B2-1:ペンタエリスリチルテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)、ADEKA社製「AO-412S」
B2-2:ジステアリル-3,3’-チオジプロピオネート、BASFジャパン社製「IrganoxPS802FL」
B3-1:トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、ADEKA社製「アデカスタブ2112」
B3-2:3,9-ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、ADEKA社製「アデカスタブPEP36」
Claims (9)
- アクリル酸エステル由来の構造単位を含むポリマーブロック(I)を有し、かつラクトン環構造及びマレイミド構造から選ばれる少なくとも1種の環構造を有するブロック共重合体(A)と、酸化防止剤(B)とを含む組成物であって、酸化防止剤(B)が、フェノール系酸化防止剤(B1)、イオウ系酸化防止剤(B2)、及びリン系酸化防止剤(B3)を含む樹脂組成物であり、
ブロック共重合体(A)が、メタクリル酸エステル由来の構造単位を含むポリマーブロック(II)を有し、
ブロック共重合体(A)における環構造の含有率が1~50質量%であり、
フェノール系酸化防止剤(B1)が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤又はセミヒンダードフェノール系酸化防止剤であり、
イオウ系酸化防止剤(B2)が、チオエーテル系酸化防止剤であり、
リン系酸化防止剤(B3)が、ホスファイト系酸化防止剤であり、
フェノール系酸化防止剤(B1)の割合が、ブロック共重合体(A)100質量部に対して、0.01~10質量部であり、
イオウ系酸化防止剤(B2)の割合が、ブロック共重合体(A)100質量部に対して、0.01~10質量部であり、
リン系酸化防止剤(B3)の割合が、ブロック共重合体(A)100質量部に対して、0.01~10質量部である、樹脂組成物。 - ブロック共重合体(A)が、メタクリル酸エステル由来の構造単位を含むポリマーブロック(II)を、ブロック(I)/ブロック(II)(質量比)=20/80~90/10の含有割合で有する請求項1記載の組成物。
- フェノール系酸化防止剤(B1)及びイオウ系酸化防止剤(B2)と、リン系酸化防止剤(B3)との割合が、フェノール系酸化防止剤(B1)及びイオウ系酸化防止剤(B2)/リン系酸化防止剤(B3)(質量比)=8/1~0.6/1である請求項1又は2記載の組成物。
- さらに、メタクリル酸エステル由来の構造単位を有する他の樹脂を含む請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1~4のいずれかに記載の組成物を含むフィルム。
- 光学フィルムである請求項5記載のフィルム。
- 偏光子保護フィルムである請求項5又は6記載のフィルム。
- 請求項5~7のいずれかに記載のフィルムを備えた偏光板。
- 請求項5~7のいずれかに記載のフィルムを備えた画像表示装置。
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