JP6309760B2 - 熱可塑性樹脂組成物、フィルム、偏光板および画像表示装置 - Google Patents
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Description
本発明のフィルムを構成する樹脂組成物(D)は、主鎖に環構造Xを有する熱可塑性アクリル樹脂(A)と;環構造Xとは異なる環構造Yを主鎖に有し、アクリル樹脂(A)と相溶する熱可塑性アクリル樹脂(B)と;を含む。樹脂同士は、それが仮にアクリル樹脂同士であったとしても、相溶するとは限らない。相溶しない樹脂の組み合わせの方が、一般的である。相溶しない樹脂同士を組み合わせた樹脂組成物から構成されるフィルムは光学的透明性が低く、光学用途への使用に不適である。本発明者らは、主鎖に環構造を有するアクリル樹脂について、環構造の種類が互いに異なる場合においても相溶が実現すること、当該相溶する2種以上のアクリル樹脂を含む樹脂組成物によって、アクリル樹脂の主鎖に位置する環構造に基づくメリット、例えば光学用途に使用可能な高いTg、を享受しながら、成形性、機械的特性、延伸性および光学特性といった諸特性の制御の自由度が高いフィルムが得られることを見出した。なお、環構造の種類が異なるとは、環構造の基本骨格が異なることを意味する。環構造の種類が異なることには、環構造の置換基の種類のみが異なる場合は含まれない。環構造の置換基の種類のみが異なる組み合わせは、例えば、本実施例において使用しているN−フェニルマレイミドおよびN−シクロヘキシルマレイミドの組み合わせである。これらの環構造は、いずれもN−置換マレイミド構造であり、環構造の置換基がフェニル基であるかシクロヘキシル基であるかのみが互いに異なっている。
Me0=3cRT0/E’0 ・・・(I)
N=(MwE’)/(3cRT)・・・(II)
N0=Mw/Me0 ・・・(III)
本発明のフィルムは、樹脂組成物(D)から構成される。これにより、主鎖に環構造を有するアクリル樹脂を含む樹脂組成物から構成されるフィルムであって、アクリル樹脂の主鎖に位置する環構造に基づくメリットを享受しながら、成形性、機械的特性、延伸性および光学特性といった諸特性の制御の自由度が向上したフィルムとなる。
本発明の偏光板は、本発明のフィルムを備える。偏光板は、一般に、ポリビニルアルコールなどの樹脂フィルムからなる偏光子と、当該偏光子を保護するための偏光子保護フィルムとを備える。本発明のフィルムは、例えば、偏光子保護フィルムとして偏光板に組み込まれている。
本発明の画像表示装置は、本発明のフィルムを備える限り特に限定されない。本発明の画像表示装置は、例えばLCDであり、当該LCDの画像表示部が、液晶セル、バックライトなどの部材とともに、本発明のフィルムを備える。本発明の画像表示装置は、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、有機電界発光表示装置(OLED)でありうる。
CMI:N−シクロヘキシルマレイミド
PMI:N−フェニルマレイミド
MMA:メタクリル酸メチル
DM:n−ドデシルメルカプタン
St:スチレン
MEK:メチルエチルケトン
樹脂および樹脂組成物のTgは、JIS K7121の規定に準拠して求めた。具体的には、示差走査熱量計(リガク製、DSC−8230)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃まで昇温(昇温速度20℃/分)して得られたDSC曲線から、始点法により評価した。リファレンスには、α−アルミナを用いた。
樹脂および樹脂組成物のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算により求めた。Mwの測定に用いた装置および測定条件は、以下のとおりである。
システム:東ソー製GPCシステム HLC−8220
測定側カラム構成:
・ガードカラム:東ソー製、TSKguardcolumn SuperHZ-L
・分離カラム:東ソー製、TSKgel SuperHZM-M 2本直列接続
リファレンス側カラム構成:
・リファレンスカラム:東ソー製、TSKgel SuperH-RC
展開溶媒:クロロホルム(和光純薬工業製、特級)
展開溶媒の流量:0.6mL/分
標準試料:TSK標準ポリスチレン(東ソー製、PS−オリゴマーキット)
カラム温度:40℃
作製したフィルムの厚さは、デジマチックマイクロメーター(ミツトヨ製)を用いて測定した。
作製したフィルム(延伸フィルム)の位相差は、位相差フィルム・光学材料検査装置(大塚電子製、RETS−100)を用いて、波長550nmの光に対する面内位相差Re、同波長の光に対する厚さ方向の位相差Rthとして求めた。厚さ方向の位相差Rthについては、アッベ屈折率計で測定したフィルムの平均屈折率およびフィルムの厚さd、ならびに上記装置によりフィルムを40°傾斜させて測定した位相差値(Re(40°))および三次元屈折率nx、ny、nzを用いて、式Rth={(nx+ny)/2−nz}×dより求めた。nxはフィルムの遅相軸方向の屈折率、nyは進相軸方向の屈折率、nzはフィルムの厚さ方向の屈折率、dはフィルムの厚さ(nm)である。フィルムを傾斜させる方向について、遅相軸を傾斜軸としたRe(S40°)と進相軸を傾斜軸としたRe(F40°)とを予め測定し、Re(S40°)>Re(F40°)となる場合は遅相軸を、Re(S40°)<Re(F40°)となる場合は進相軸を、それぞれ傾斜軸とした。
樹脂および樹脂組成物の絡み合い点間分子量Me0、および絡み合い数N0は、以下のようにして求めた。最初に、測定対象物である樹脂または樹脂組成物から構成されるフィルムを5mm×30mmのサイズに切断して得た評価試料を、25℃、60%RHの雰囲気下に2時間以上放置して調湿した後、動的粘弾性測定装置(TAインスツルメント製、RSA3)を用い、当該試料の貯蔵弾性率E’、損失弾性率E’’およびこれらの比であるtanδを求めた。このとき、試料のつかみ間距離を20mm、測定周波数を1Hzとし、温度条件は30℃からのスタートおよび昇温速度5℃/分とした。
Me0=3cRT0/E’0 ・・・(I)
N=(MwE’)/(3cRT)・・・(II)
N0=Mw/Me0 ・・・(III)
作製したフィルム(未延伸フィルム)のヘイズ(全ヘイズ)および内部ヘイズは、濁度計(日本電色工業製、NDH5000)を用いて測定した。なお、内部ヘイズは、石英セル内のテトラリン中に、測定対象物であるフィルムを浸漬した状態で測定した。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器に、MMA181重量部、CMI12重量部、PMI6重量部、酸化防止剤(アデカスタブ2112、ADEKA製)0.1重量部、およびトルエン1561重量部を仕込んだ。次に、反応容器に窒素ガスを導入しながら内温を105℃まで昇温させ、還流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富製、ルペロックス570)0.206重量部を添加し、同時に、トルエン42重量部およびt−アミルパーオキシイソノナノエート0.41重量部の混合物の滴下を開始した。2時間かけて上記混合物を滴下した後、さらに6時間の熟成を行った。
反応容器に仕込んだ単量体を、「MMA162重量部、CMI22重量部、およびPMI16重量部」(製造例2)、「MMA140重量部、CMI34重量部、およびPMI26重量部」(製造例3)、「MMA146重量部、CMI36重量部、PMI8重量部、およびSt10重量部」(製造例4)、とした以外は製造例1と同様にして、N−シクロヘキシルマレイミド構造およびN−フェニルマレイミド構造を主鎖に有するアクリル樹脂(A−2)〜(A−4)のペレットを得た。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器に、MMA30重量部、酸化防止剤(アデカスタブ2112、ADEKA製)0.05重量部、およびMEK65重量部を仕込んだ。次に、反応容器に窒素ガスを導入しながら内温を80℃まで昇温させ、還流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(アルケマ吉富製、ルペロックス575)0.052重量部およびMEK5重量部を添加した。添加後、窒素気流下の還流状態で、反応容器内を6時間攪拌した。
国際公開第06/129573号の製造例1および特開2011−246623号公報の実施例を参考に、製造例5で作製したPMMA(A−5)を用いて、主鎖にグルタルイミド構造を有するアクリル樹脂を製造した。具体的にはPMMA(A−5)を、バレル温度260℃に設定した、サイドフィーダーを有するベントタイプスクリュー二軸押出機に導入し、上記サイドフィーダーからPMMA(A−5)100重量部に対して5重量部のモノメチルアミンを注入することにより、PMMA(A−5)の主鎖にグルタルイミド構造(X2が窒素原子であり、R4が水素原子、R5およびR6がメチル基である式(2)に示す環構造)を形成する環化反応を進行させた。この反応は、副生成物および過剰のメチルアミンを押出機のベント口より除去するとともに、得られたアクリル樹脂におけるグルタルイミド構造の含有率(イミド化率)が5重量%となるようにPMMA(A−5)およびモノメチルアミンを連続的に押出機に供給しながら進行させた。反応後の樹脂をペレット化して、主鎖にグルタルイミド構造を有するアクリル樹脂(A−6)のペレットを得た。
主鎖にグルタルイミド構造を有するアクリル樹脂(A−7)として、市販のアクリル樹脂(ダイセル・エボニック製、プレキシイミド8813)を準備した。アクリル樹脂(A−7)は、X2が窒素原子であり、R4〜R6がメチル基である式(2)に示す環構造を主鎖に有する。アクリル樹脂(A−7)は、当該構造とMMA単位とを構成単位として有し、グルタルイミド構造の含有率は42重量%であった。
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた反応釜に、MMA229.6重量部、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)33重量部、重合溶媒としてトルエン248.6重量部、酸化防止剤(アデカスタブ2112、ADEKA製)0.138重量部、およびn−ドデシルメルカプタン0.1925重量部を仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた反応容器に、MMA40重量部、MHMA10重量部、酸化防止剤(アデカスタブ2112、ADEKA製)0.025重量部、および重合溶媒としてトルエン50重量部を仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。
実施例I群では、グルタルイミド構造を主鎖に有するアクリル樹脂と、N−置換マレイミド構造を主鎖に有するアクリル樹脂とを含む樹脂組成物について評価した。
製造例6で作製した主鎖にグルタルイミド構造を有するアクリル樹脂(A−6)と、製造例1で作製した主鎖にN−置換マレイミド構造を有するアクリル樹脂(A−1)とを、混合比(重量比)1:1でドライブレンドした後、ポリマーフィルタ(濾過精度5μm)を備えるとともにTダイを先端に備えた単軸押出機を用いて成形温度270℃で溶融押出成形して、アクリル樹脂(A−6)および(A−1)を含む樹脂組成物(E−1)から構成される厚さ180μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(E−1)のTgは121℃、Mwは14.5万、絡み合い点間分子量Me0は12500、絡み合い数N0は12.3、温度範囲TMは28℃であった。なお、双方の樹脂のペレットは、ドライブレンドした後に60℃の乾燥エアー中で24時間乾燥させた。
製造例1で作製したアクリル樹脂(A−1)の代わりに、製造例2で作製したアクリル樹脂(A−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、アクリル樹脂(A−6)および(A−2)を含む樹脂組成物(E−2)から構成される厚さ140μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(E−2)のTgは126℃、Mwは15.0万、絡み合い点間分子量Me0は15200、絡み合い数N0は10.0、温度範囲TMは26℃であった。
製造例6で作製したアクリル樹脂(A−6)の代わりに製造例7で準備したアクリル樹脂(A−7)を用い、製造例1で作製したアクリル樹脂(A−1)の代わりに製造例3で作製したアクリル樹脂(A−3)を用いた以外は実施例1と同様にして、アクリル樹脂(A−7)および(A−3)を含む樹脂組成物(E−3)から構成される厚さ110μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(E−3)のTgは138℃、Mwは15.7万、絡み合い点間分子量Me0は18700、絡み合い数N0は8.4、温度範囲TMは25℃であった。
製造例1で作製したアクリル樹脂(A−1)の代わりに、製造例3で作製したアクリル樹脂(A−3)を用いた以外は実施例1と同様にして、アクリル樹脂(A−6)および(A−3)を含む樹脂組成物(C−1)から構成される厚さ190μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(C−1)のMwは13.2万であったが、Tgは複数観察された。
製造例6で作製したアクリル樹脂(A−6)の代わりに、製造例7で作製したアクリル樹脂(A−7)を用いた以外は実施例1と同様にして、アクリル樹脂(A−7)および(A−1)を含む樹脂組成物(C−2)から構成される厚さ190μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(C−2)のMwは17.1万であったが、Tgは複数観察された。なお、形成したフィルムは白濁していたため、二軸延伸フィルムの作製は省略した。
製造例6で作製したアクリル樹脂(A−6)の代わりに、製造例5で作製したPMMA(A−5)を用いた以外は実施例1と同様にして、アクリル樹脂(A−1)およびPMMMA(A−5)を含む樹脂組成物(R−1)から構成される厚さ170μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(R−1)のTgは110℃、Mwは14.8万であった。
製造例1で作製したアクリル樹脂(A−1)の代わりに、製造例5で作製したPMMA(A−5)を用いた以外は実施例1と同様にして、アクリル樹脂(A−6)およびPMMMA(A−5)を含む樹脂組成物(R−2)から構成される厚さ170μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(R−2)のTgは108℃、Mwは10.0万であった。
実施例II群では、N−置換マレイミド構造を主鎖に有するアクリル樹脂と、ラクトン環構造を主鎖に有するアクリル樹脂とを含む樹脂組成物について評価した。
製造例1で作製した主鎖にN−置換マレイミド構造を有するアクリル樹脂(A−1)と、製造例8で作製した主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂(A−8)とを、混合比(重量比)1:1でドライブレンドした後、実施例1と同様にして、アクリル樹脂(A−1)および(A−8)を含む樹脂組成物(E−11)から構成される厚さ180μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(E−11)のTgは122℃、Mwは16.1万、絡み合い点間分子量Me0は10500、絡み合い数N0は15.4、温度範囲TMは32℃であった。なお、双方の樹脂のペレットは、ドライブレンドした後に60℃の乾燥エアー中で24時間乾燥させた。
製造例8で作製したアクリル樹脂(A−8)の代わりに、製造例9で作製したアクリル樹脂(A−9)を用いた以外は実施例11と同様にして、アクリル樹脂(A−1)および(A−9)を含む樹脂組成物(E−12)から構成される厚さ140μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(E−12)のTgは126℃、Mwは16.3万、絡み合い点間分子量Me0は14000、絡み合い数N0は12.0、温度範囲TMは30℃であった。
製造例1で作製したアクリル樹脂(A−1)の代わりに、製造例4で準備したアクリル樹脂(A−4)を用いた以外は実施例11と同様にして、アクリル樹脂(A−4)および(A−8)を含む樹脂組成物(E−13)から構成される厚さ150μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(E−13)のTgは130℃、Mwは16.8万、絡み合い点間分子量Me0は14100、絡み合い数N0は11.9、温度範囲TMは28℃であった。
製造例1で作製したアクリル樹脂(A−1)の代わりに、製造例3で作製したアクリル樹脂(A−3)を用いた以外は実施例11と同様にして、アクリル樹脂(A−3)および(A−8)を含む樹脂組成物(E−14)から構成される厚さ170μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(E−14)のTgは132℃、Mwは15.1万、絡み合い点間分子量Me0は15500、絡み合い数N0は10.5、温度範囲TMは27℃であった。
製造例1で作製したアクリル樹脂(A−1)の代わりに製造例2で作製したアクリル樹脂(A−2)を用い、製造例8で作製したアクリル樹脂(A−8)の代わりに製造例9で作製したアクリル樹脂(A−9)を用いた以外は実施例11と同様にして、アクリル樹脂(A−2)および(A−9)を含む樹脂組成物(C−11)から構成される厚さ155μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(C−11)のMwは16.6万であったが、Tgは複数観察された。なお、形成したフィルムは白濁していたため、二軸延伸フィルムの作製は省略した。
製造例1で作製したアクリル樹脂(A−1)の代わりに、製造例5で作製したPMMA(A−5)を用いた以外は実施例11と同様にして、アクリル樹脂(A−8)およびPMMMA(A−5)を含む樹脂組成物(C−12)から構成される厚さ170μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(C−12)のMwは11.8万であったが、Tgは複数観察された。
実施例III群では、グルタルイミド構造を主鎖に有するアクリル樹脂と、ラクトン環構造を主鎖に有するアクリル樹脂とを含む樹脂組成物について評価した。
製造例6で作製した主鎖にグルタルイミド構造を有するアクリル樹脂(A−6)と、製造例8で作製した主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂(A−8)とを、混合比(重量比)1:1でドライブレンドした後、実施例1と同様にして、アクリル樹脂(A−6)および(A−8)を含む樹脂組成物(E−21)から構成される厚さ180μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(E−21)のTgは120℃、Mwは11.5万、絡み合い点間分子量Me0は12500、絡み合い数N0は10.7、温度範囲TMは26℃であった。なお、双方の樹脂のペレットは、ドライブレンドした後に60℃の乾燥エアー中で24時間乾燥させた。
製造例8で作製したアクリル樹脂(A−8)の代わりに、製造例9で作製したアクリル樹脂(A−9)を用いた以外は実施例21と同様にして、アクリル樹脂(A−6)および(A−9)を含む樹脂組成物(C−21)から構成される厚さ105μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(C−21)のMwは11.3万であったが、Tgは複数観察された。なお、形成したフィルムは白濁していたため、二軸延伸性のフィルムの作製は省略した。
製造例6で作製したアクリル樹脂(A−6)の代わりに、製造例7で作製したアクリル樹脂(A−7)を用いた以外は実施例21と同様にして、アクリル樹脂(A−7)および(A−8)を含む樹脂組成物(C−22)から構成される厚さ170μmのフィルム(未延伸フィルム)を形成した。樹脂組成物(C−22)のMwは13.8万であったが、Tgは複数観察された。なお、形成したフィルムは白濁していたため、二軸延伸性のフィルムの作製は省略した。
Claims (18)
- 主鎖に環構造Xを有する熱可塑性アクリル樹脂(A)、および
前記環構造Xとは異なる環構造Yを主鎖に有し、前記アクリル樹脂(A)と相溶する熱可塑性アクリル樹脂(B)、を含み、
光学的に等方である熱可塑性樹脂組成物。 - 前記アクリル樹脂(A)が、熱可塑性アクリル樹脂(C)に対して前記環構造Xを形成する環化反応を進行させて得た樹脂であり、
前記アクリル樹脂(B)が、前記環構造Yを有する単量体を含む単量体群の重合により形成された樹脂である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 前記環構造Xが、ラクトン環構造、グルタルイミド構造、無水グルタル酸構造、N−置換マレイミド構造、および無水マレイン酸構造からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記環構造Yが、前記群から前記環構造Xが属する構造を除いた群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 前記環構造Xが、ラクトン環構造、グルタルイミド構造、および無水グルタル酸構造からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記環構造Yが、N−置換マレイミド構造、および無水マレイン酸構造からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 前記アクリル樹脂(A)における前記環構造Xの含有率が2重量%以上30重量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記アクリル樹脂(B)における前記環構造Yの含有率が2重量%以上40重量%以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記アクリル樹脂(A)および前記アクリル樹脂(B)の双方が、いずれも光学的に等方な樹脂である、請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 以下の式(I)に示される、動的粘弾性スペクトルのゴム状平坦領域における絡み合い点間分子量Me0が10000以上、かつ以下の式(II)に示される絡み合い数Nが10以上500以下となる温度範囲が25℃以上である、請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
Me0=3cRT0/E’0 ・・・(I)
N=(MwE’)/(3cRT)・・・(II)
[式(I),(II)において、
cは、25℃における前記熱可塑性樹脂組成物の密度(g・m-3)
Rは、気体定数(8.31J・K-1・mol-1)
Tは、前記熱可塑性樹脂組成物の温度(K)
E’は、前記温度Tにおける前記熱可塑性樹脂組成物の貯蔵弾性率(Pa)
T0は、前記熱可塑性樹脂組成物における前記ゴム状平坦領域の中間点の温度(K)
E’0は、前記温度T0における前記熱可塑性樹脂組成物の貯蔵弾性率(Pa)
Mwは、前記熱可塑性樹脂組成物の重量平均分子量、である] - 以下の式(III)に示される、前記ゴム状平坦領域における絡み合い数N0が9以上である、請求項8に記載の熱可塑性樹脂組成物。
N0=Mw/Me0 ・・・(III) - 主鎖に環構造Xを有する熱可塑性アクリル樹脂(A)、および
前記環構造Xとは異なる環構造Yを主鎖に有し、前記アクリル樹脂(A)と相溶する熱可塑性アクリル樹脂(B)、を含み、
前記環構造Xが、グルタルイミド構造、および無水グルタル酸構造からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記環構造Yが、N−置換マレイミド構造、および無水マレイン酸構造からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
延伸により正の位相差を発現する、熱可塑性樹脂組成物。 - 主鎖に環構造Xを有する熱可塑性アクリル樹脂(A)、および
前記環構造Xとは異なる環構造Yを主鎖に有し、前記アクリル樹脂(A)と相溶する熱可塑性アクリル樹脂(B)、を含み、
前記環構造Xが、グルタルイミド構造、および無水グルタル酸構造からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記環構造Yが、N−置換マレイミド構造、および無水マレイン酸構造からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
以下の式(I)に示される、動的粘弾性スペクトルのゴム状平坦領域における絡み合い点間分子量Me 0 が10000以上、かつ以下の式(II)に示される絡み合い数Nが10以上500以下となる温度範囲が25℃以上である、熱可塑性樹脂組成物。
Me 0 =3cRT 0 /E’ 0 ・・・(I)
N=(MwE’)/(3cRT)・・・(II)
[式(I),(II)において、
cは、25℃における前記熱可塑性樹脂組成物の密度(g・m -3 )
Rは、気体定数(8.31J・K -1 ・mol -1 )
Tは、前記熱可塑性樹脂組成物の温度(K)
E’は、前記温度Tにおける前記熱可塑性樹脂組成物の貯蔵弾性率(Pa)
T 0 は、前記熱可塑性樹脂組成物における前記ゴム状平坦領域の中間点の温度(K)
E’ 0 は、前記温度T 0 における前記熱可塑性樹脂組成物の貯蔵弾性率(Pa)
Mwは、前記熱可塑性樹脂組成物の重量平均分子量、である] - 請求項1〜11のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物から構成されるフィルム。
- 内部ヘイズが1.0%以下である、請求項12に記載のフィルム。
- 延伸フィルムである、請求項12または13に記載のフィルム。
- 二軸延伸フィルムである、請求項12〜14のいずれかに記載のフィルム。
- 波長550nmの光に対する面内位相差Reが5nm以下であり、前記光に対する厚さ方向の位相差Rthの絶対値が5nm以下である、請求項12〜15のいずれかに記載のフィルム。
- 請求項12〜16のいずれかに記載のフィルムを備える偏光板。
- 請求項12〜16のいずれかに記載のフィルムを備える画像表示装置。
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