JP7029778B2 - 半導体素子及びその製造方法 - Google Patents
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上記支持基板901は、電流が縦方向(図の上下方向)に流れる領域であり、20mΩ・cm以下の低い抵抗率とされる。一方、上記能動層902は、高電圧の耐圧が必要であるため、支持基板901と比べて2~3桁高い抵抗率とされている。SiCを用いる半導体素子はバンドギャップ幅が大きいため、能動層902の厚さを5~10μm程度と薄くできることが特徴である。能動層902は、支持基板901の上にエピタキシャル成長によって形成されるため、その結晶性は下地となる支持基板901に依存する。このため、支持基板901のSiCの結晶品質が重要となる。支持基板901の厚さは、単結晶基板の取り扱い時の割れ防止等のため、6インチサイズの基板の場合、400μm程度が必要とされる。そして、基板の表面側に素子形成後、支持基板部の抵抗を低くするために、裏面を研削して厚さは100μm以下まで薄くされる。図10のような縦型構造は、Si素子と同様な構造で作り易いという特徴を有する。
また、SiCからなる半導体素子の基板の場合には表層の能動層だけが単結晶であればよいので、薄い単結晶基板と単結晶ではない支持基板とを接合する製造方法が開発されている。表面活性化手法等により基板の貼り合わせを行うことが可能である(特許文献2を参照)。
従来、シリコン半導体基板に素子を形成した後、半導体基板の裏面に金属基板を接合して縦型構造のMOSFETを製造する方法が知られている(例えば特許文献1)。シリコン半導体に対して、化合物半導体の場合にはバンドギャップ幅が大きいため、高電圧素子とする場合にも極めて薄い基板(厚さ5~10μm程度)を使用することができる。しかし、薄い化合物半導体基板は曲がり易く、反りも大きいので、支持基板(仮支持基板)に接合した状態で半導体素子の形成プロセスを行う必要がある。また、バンドギャップの広い化合物半導体の特徴を生かせば、縦型構造のみならず、横型構造のパワーMOSFETを小さな寸法で構成することも可能となる。これらの点から、化合物半導体基板の主面側に半導体素子を形成し、裏面に金属基板を接合する従来の製造方法を採用することは困難である。
1.化合物半導体の単結晶からなる半導体基板に形成され、少なくとも3つの端子を具備する半導体素子であって、前記半導体基板に形成された第1電極、第2電極及び制御電極を含む少なくとも3つの電極と、前記半導体基板の主面側に接合され、導電性を有し1つの端子を兼ねる支持基板と、前記半導体基板の裏面に形成された金属層からなる少なくとも2つの裏面端子と、導電性を有し、前記半導体基板を貫通して形成された貫通電極部と、を備え、前記制御電極は前記半導体基板の前記主面に形成され、前記貫通電極部を介して1つの前記裏面端子と電気的に接続されており、前記第1電極及び前記第2電極のうちの一方は前記支持基板と電気的に接続されており、他方は別の前記裏面端子と電気的に接続されていることを特徴とする半導体素子。
2.前記半導体基板にはソース領域、ドレイン領域及びゲートを備えるMOSFETが形成されており、前記第1電極及び前記第2電極の一方はソース電極であり、他方はドレイン電極であり、前記制御電極はゲート電極である前記1.記載の半導体素子。
3.前記半導体基板はn型半導体であり、
前記貫通電極部は、前記n型半導体とは電気的に分離された高濃度n型部又は金属によって形成されている前記1.又は2.に記載の半導体素子。
4.前記半導体基板の前記主面側に前記ソース電極及び前記ゲート電極、前記裏面に前記ドレイン電極が形成されており、前記ソース電極は前記支持基板と電気的に接続されており、前記ドレイン電極及び前記ゲート電極はそれぞれ前記裏面端子と電気的に接続されている前記2.又は3.に記載の半導体素子。
5.前記半導体基板を貫通するように形成されたp型層と、前記p型層に形成された前記ソース領域と、前記p型層と一定の長さ離隔して前記半導体基板を貫通するように形成されたドレイン接続用の高濃度n型部と、を備え、前記ソース電極は前記支持基板と電気的に接続されており、前記ドレイン接続用の高濃度n型部及び前記貫通電極部は、それぞれ前記裏面端子と電気的に接続されている前記2.又は3.に記載の半導体素子。
6.前記ソース領域は前記半導体基板を貫通するように形成されており、前記半導体基板の前記裏面に前記ゲート電極が更に形成されている前記5.記載の半導体素子。
7.化合物半導体の単結晶からなる半導体基板に少なくとも3つの端子を具備する半導体素子を形成する半導体素子の製造方法であって、前記半導体基板の裏面に仮支持基板が接合されており、前記半導体基板に第1電極及び第2電極を形成し、前記半導体基板の主面に制御電極を形成する素子形成工程と、前記半導体基板を貫通し前記制御電極と電気的に接続される貫通電極部を形成する貫通電極部形成工程と、前記第1電極及び前記第2電極のうちの一方と電気的に接続されるように前記半導体基板の前記主面側に導電性を有する支持基板を貼り合わせる支持基板接合工程と、前記仮支持基板を除去する仮支持基板除去工程と、前記半導体基板の前記裏面に金属層からなる少なくとも2つの裏面端子を形成すると共に、前記貫通電極部を1つの前記裏面端子に電気的に接続し、前記第1電極及び前記第2電極のうちの他方を別の前記裏面端子に電気的に接続する裏面端子形成工程と、を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
8.前記素子形成工程において、前記半導体基板にソース領域、ドレイン領域及びゲートからなるMOSFETを形成し、前記第1電極及び前記第2電極の一方はソース電極であり、他方はドレイン電極であり、前記制御電極はゲート電極である前記7.記載の半導体素子の製造方法。
9.前記半導体基板はn型半導体であり、前記貫通電極部形成工程は、前記n型半導体とは電気的に分離された高濃度n型部又は金属によって前記貫通電極部を形成する前記7.又は8.に記載の半導体素子の製造方法。
10.前記素子形成工程において、前記半導体基板の前記主面側に前記ソース電極及び前記ゲート電極、前記裏面に前記ドレイン電極を形成し、前記支持基板接合工程において、前記ソース電極を前記支持基板と電気的に接続し、前記裏面端子形成工程において、前記ドレイン電極及び前記貫通電極部をそれぞれ前記裏面端子と電気的に接続する前記8.又は9.に記載の半導体素子の製造方法。
11.前記貫通電極部形成工程は、金属からなる前記貫通電極部を、前記半導体基板の前記裏面側で拡がるテーパ形状に形成する前記10.記載の半導体素子の製造方法。
12.前記素子形成工程において、前記半導体基板を貫通するようにp型層を形成し、前記p型層に前記ソース領域を形成すると共に、前記p型層と一定の長さ離隔して前記半導体基板を貫通するようにドレイン接続用の高濃度n型部を形成し、前記支持基板接合工程において、前記ソース電極を前記支持基板と電気的に接続し、前記裏面端子形成工程において、前記貫通電極部及び前記ドレイン接続用の高濃度n型部をそれぞれ前記裏面端子と電気的に接続する前記8.又は9.に記載の半導体素子の製造方法。
13.前記素子形成工程において、前記半導体基板を貫通するように前記ソース領域を形成し、前記半導体基板の前記裏面に前記ゲート電極を更に形成する前記12.に記載の半導体素子の製造方法。
前記半導体基板はn型半導体であり、前記貫通電極部は、前記n型半導体とは電気的に分離された高濃度n型部又は金属によって形成されている場合には、半導体素子の構造に応じて最適な貫通電極部とすることができる。
前記半導体基板の前記主面側に前記ソース電極及び前記ゲート電極、前記裏面に前記ドレイン電極が形成されており、前記ソース電極は前記支持基板と電気的に接続されており、前記ドレイン電極及び前記ゲート電極はそれぞれ前記裏面端子と電気的に接続されている場合には、電流が縦方向(基板面と垂直な方向)に流れる縦型構造のパワーMOSFETを構成することができる。
前記半導体基板を貫通するように形成されたp型層と、前記p型層に形成された前記ソース領域と、前記p型層と一定の長さ離隔して前記半導体基板を貫通するように形成されたドレイン接続用の高濃度n型部と、を備え、前記ソース電極は前記支持基板と電気的に接続されており、前記ドレイン接続用の高濃度n型部及び前記貫通電極部は、それぞれ前記裏面端子と電気的に接続されている場合には、電流が横方向(基板面と平行な方向)に流れる横型構造のパワーMOSFETを構成することができる。バンドギャップの大きい化合物半導体においては、pn接合部における空乏層の拡がりは数μm程度の狭い範囲に留まる。したがって、空乏層が横方向に拡がる横型のMOSFETを構成しても、小さな寸法とすることが可能である。
前記ソース領域は前記半導体基板を貫通するように形成されており、前記半導体基板の前記裏面に前記ゲート電極が更に形成されている場合には、半導体基板の両面にFETが形成された横型構造のパワーMOSFETを構成することができる。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本開示に係る半導体素子は、SiC、GaN、Ga2O3等、バンドギャップの大きい化合物半導体の単結晶からなる半導体基板に形成される高耐圧の半導体素子(1)である。半導体素子(1)は、電流が縦方向に流れる縦型構造であってもよいし、電流が横方向に流れる横型構造であってもよい。「横方向」とは半導体基板の表面に平行な方向をいい、「縦方向」とは半導体基板の表面に対して垂直な方向をいう。
バンドギャップの大きい化合物半導体においては、高電圧が加わってもpn接合の空乏層の拡がりは少ない。それ故、半導体素子(1)を横型構造としても、無駄が少なく高密度に素子を形成することができる。普及しているSi半導体においては空乏層の拡がりが大きいため、横方向の高耐圧半導体素子を形成するには素子面積が大きくなり、採用し難い構成である。また、半導体素子(1)を縦型構造とした場合も、半導体基板は薄くてよい。このため、半導体基板の熱伝導性は小さくても、放熱性の良い半導体素子を構成することができる。
半導体基板(2)の一方の面を「主面」(201)、主面とは反対側の面を「裏面」(202)と呼ぶ。貫通電極部(57、59)は、半導体基板(2)を縦方向に貫通するように設けられる。また、半導体基板(2)において素子を構成する各半導体領域の電気的接点を「電極」といい、外部との接続用の電気的接点を「端子」といっている。
尚、半導体基板(2)に素子を形成する過程においては、半導体基板の裏面(202)は仮支持基板81に接合されている。
また、半導体素子の構造により、貫通電極部は、半導体基板(2)のn-型半導体層(21)とは電気的に分離された金属等の導電材料によって形成されてもよい(以下、金属等により構成される貫通電極部を「貫通メタル電極」(59)ともいう。)。貫通メタル電極(59)は、シリコン酸化膜等の絶縁膜を設けることによって、n-型半導体層(21)と電気的に分離することができる。
このような貫通電極部(57、59)によって、半導体基板の主面(201)側に形成されたMOSFETのゲート電極(53)を、裏面に配設されるゲート端子(77)に接続することが可能になる。
MOSFET11では、半導体基板の主面201側にp型層(pウェル)5が形成され、ソース領域及びソース電極51、ドレイン領域52、ゲート及びゲート電極53が形成されている。また、基板の裏面202側に裏面ドレイン521及びドレイン電極が形成されている。同図(b)に示すように、後に貫通メタル電極59を形成するためのテーパ形状の貫通穴591、上面ゲート電極部531が形成されている。
尚、本例においては、高濃度n型部561が、pウェル5及び貫通電極部との間に一定以上の距離をおいてそれらを囲むように、MOSFET(能動層15部)の周縁部に形成されている。
また、半導体基板2の裏面202上には、選択的に形成された絶縁層6を挟んで、選択的に形成された金属層7が積層されている。そして、テーパ形状の貫通穴591部には、金属層7と同じ金属により、貫通メタル電極59が形成されている。これにより、ゲート53は、貫通メタル電極59と電気的に接続される。選択的に形成された金属層7は2つの裏面端子を構成し、裏面ドレイン521及びドレイン電極は、1つの裏面端子76と電気的に接続され、ゲート電極53は貫通電極部(57)を介して別の裏面端子(77)と電気的に接続される。すなわち、裏面ドレイン521と接点を有する金属膜7はドレイン端子(D)76となり、貫通メタル電極59と接点を有する金属膜7はゲート端子(G)77となる。
上記絶縁層6の材料は特に問わず、例えば、Si酸化膜61とポリイミドPIQ膜を積層して構成することができる。また、上記金属膜7の材料は特に問わず、例えば、Al薄膜71とNiメッキ膜72を積層して構成することができる。
また、半導体基板2の横方向にpウェル5から一定の長さL2離隔して、半導体基板2を縦方向に貫通するように形成されたドレイン接続用の高濃度n型(n+)部56を備えている。半導体基板2のn-型半導体層21と高濃度n型部56との界面は、半導体基板2の表面に対して垂直な平面状に形成されており、pウェル5と高濃度n型部56との間には、長さL2のn-型半導体層21が存在する。距離L2は3μm程度と狭くてよい。このドレイン接続用の高濃度n型部56により、ドレイン52が形成される主面とは反対側の裏面202においてドレイン電位をとれるように構成することができる(以下、ドレイン接続用の高濃度n型部56を「貫通ドレイン」ともいう。)。
横型構造の場合には、横方向への空乏層の拡がりのため、pウェル5と高濃度n型部56との間のドリフト長L2が長くなり、一般には素子の面積が大きくなってしまう。しかし、横型構造とすることで縦方向の寸法に制限はなくなり、半導体基板2の厚さT2を例えば2μm程度と薄くすることが可能である。
尚、本例においては、高濃度n型部561が、pウェル5及び貫通n+電極57との間に一定以上の距離をおいてそれらを囲むように、MOSFET(能動層15部)の周縁部に形成されている。
また、半導体基板2の裏面202には、選択的に形成された絶縁層6を挟んで、選択的に形成された金属膜7が積層されている。選択的に形成された金属層7は2つの裏面端子を構成し、貫通ドレイン56は1つの裏面端子76と電気的に接続され、ゲート53と接続されている貫通n+電極57は別の裏面端子77と電気的に接続される。すなわち、貫通ドレイン56と接点を有する金属膜7はドレイン端子(D)76となり、貫通n+電極57と接点を有する金属膜7はゲート端子(G)77となる。
上記絶縁層6の材料は特に問わず、例えば、Si酸化膜61とポリイミドPIQ膜を積層して構成することができる。また、上記金属膜7の材料は特に問わず、例えば、Al薄膜71とNiメッキ膜72を積層して構成することができる。
例えば酸化ガリウムのようにバンドギャップが4.8V程度と大きい場合には、耐圧1000Vとするにも、逆バイアス時の空乏層の拡がりであるpウェル5と貫通ドレイン56との間隔L3を狭くすることができる(例えばL3=3μm程度)。また、バンドギャップの大きい化合物半導体を用いた横型構造のMOSFET13(12)においては、半導体基板2の厚さT3(T2)は2μm程度と薄くすることができる。縦方向の空乏層の広がりは無視できるため、半導体基板2が薄くても機能上問題はない。よって、貫通n+電極57の形成が容易であるというメリットが大きい。
図5(a)は、支持基板8をソース(S)端子75、裏面の金属層7をドレイン(D)端子76及びゲート(G)端子77とした例を表している。同図(b)に上記MOSFETの回路構成を示す。ソース端子Sとドレイン端子Dとの間の抵抗は、MOSFETのチャンネル抵抗Rcとドリフト抵抗Rdとからなる。チャンネル抵抗Rcは、MOSFETがオンした状態のチャンネル部の抵抗である。ドリフト部分は、MOSFETがオフの時にpウェル5とn-型半導体層21の間で空乏層が広がる領域であり、そのドリフト部分にMOSFETのオン電流が流れるときの抵抗がドリフト抵抗Rdである。
ワイドバンドギャップの半導体は、高耐圧素子においても横方向の電界の拡がりが小さくて済むことに特徴がある。例えば、Ga2O3の場合には、900Vの耐圧を得るにも、ソース51及びpウェル5と貫通ドレイン56との横方向の間隔L(L2、L3)は3μm程度と狭くてよい。MOSFET12-14の構造は、ワイドバンドギャップの半導体の特徴を生かした構造である。
本開示に係る半導体素子の製造方法は、化合物半導体の単結晶からなる半導体基板(2)に少なくとも3つの端子を具備する半導体素子(1)を形成する半導体素子の製造方法であって、予め半導体基板(2)の裏面(202)に仮支持基板(81)が接合されている。仮支持基板81の材料は特に限定されず、化合物半導体がGaNの場合には、Si基板、サファイア基板等を用いることができる。また、化合物半導体がGa2O3の場合には、仮支持基板81としてサファイア基板等を用いることができる。また、貼り合せ技術により半導体基板2を仮支持基板81上に接合する場合には、仮支持基板81の材料は問わない。
そして、半導体素子(1)の製造方法は、半導体基板(2)に第1電極及び第2電極(51、52)を形成し、半導体基板の主面(201)に制御電極(53)を形成する素子形成工程と、半導体基板(2)を貫通し制御電極(53)と電気的に接続される貫通電極部(57、59)を形成する貫通電極部形成工程と、第1電極及び第2電極(51、52)のうちの一方と電気的に接続されるように半導体基板の主面(201)側に導電性を有する支持基板(8)を貼り合わせる支持基板接合工程と、仮支持基板(81)を除去する仮支持基板除去工程と、半導体基板の裏面(202)に金属層(7)からなる少なくとも2つの裏面端子(76、77)を形成すると共に、貫通電極部(57、59)を1つの裏面端子(76)に電気的に接続し、第1電極及び第2電極(51、52)のうちの他方を別の裏面端子(76)に電気的に接続する裏面端子形成工程と、を含む。
図6及び7は、MOSFET11の製造工程の一例を示す模式的断面図である。予め、化合物半導体の単結晶からなる半導体基板2は、仮支持基板81上に接合されている。
図6(a)は、素子形成工程において、半導体基板2の主面201側に、p型層(pウェル)5及びソース領域51を形成した状態を表している。更に高濃度n型部561を形成することができる(図1参照)。pウェル5は、半導体基板2に不純物を選択的にイオン注入することにより形成される。次いで、pウェル5に選択的にn型不純物を注入することにより、ソース51を形成する。隣り合うpウェル5の間の領域は、ドレイン領域52となる。
図6(b)は、素子形成工程において、pウェル5の主面201上にゲート53を形成した状態を表している。ゲート53はゲート酸化膜とゲート金属とにより形成することができる。また、後に貫通メタル電極59を形成するために、主面201上に金属膜からなる上面ゲート電極部531が形成されている。ゲート酸化膜はSi酸化膜に限らず、種々の絶縁物を採用し得る。縦型構造のMOSFET11のドレイン部は、主面201側のドレイン52から始まり裏面ドレイン521(図7参照)に至る部分で構成される。
その後、同図(d)に示すように、金属膜7上に導電性の支持基板8(半導体基板又は金属基板)を接合する。支持基板8は、導電性樹脂、金属接合等によって金属膜7と接合可能である。これにより、支持基板8は外部接続用のソース端子75を兼ねるようにすることができる。
同図(b)及び(c)は、半導体基板2の裏面202に裏面端子(76、77)を形成する前記裏面端子形成工程を表している。同図(b)は、仮支持基板81が除去された半導体基板2の裏面202に、選択的に絶縁層6を形成した状態を示している。絶縁層6は、Si酸化膜61の上にポリイミドPIQ膜62を積層することが好ましい。絶縁層6には、半導体基板2の下面に形成される裏面ドレイン521及び貫通孔591部が露出するように開口が設けられている。
裏面ドレイン521と接する金属層7部は、外部接続用のドレイン端子76となる。また、貫通メタル電極59と接する金属層7部は、ゲート端子77となる。以上により、MOSFET11が形成される。
図8及び9は、MOSFET12の製造工程の一例を示す模式的断面図である。図3に示したMOSFET13についても製造方法は同様である。予め、化合物半導体の単結晶からなる半導体基板2は、仮支持基板81上に接合されている。仮支持基板81については、前記MOSFET11の場合と同様である。
図8(a)は、素子形成工程において、半導体基板2を貫通するようにp型層(pウェル)5を形成した状態を表している。pウェル5は半導体基板2に不純物を選択的にイオン注入することにより形成される。同様にして、半導体基板2を縦方向に貫通するp型層(pウェル)58を形成することができる。pウェル5と半導体基板2のn型層(n-型半導体層21)との界面であるpn接合面は、半導体基板2の表面に対して垂直な平面状に形成することができる。
更に、pウェル5の主面201上にゲート53を形成する。ゲート53はゲート酸化膜とゲート金属とにより形成することができる。ゲート酸化膜はSi酸化膜に限らず、種々の絶縁物を採用可能である。ゲート53と貫通ドレイン56との間のn-型半導体層21は、ドレイン52となる。
貫通n+電極57は、pウェル58により半導体基板2(n-型半導体層21)とは電気的に分離されている。上記の貫通ドレイン56及び貫通n+電極57により、半導体基板2の裏面202からも、ドレイン電位及びゲート電位が取れるように構成できる。
尚、pウェル5及び58との間に一定以上の距離をおいてそれらを囲むように、高濃度n型部561を形成することができる(図2(a)参照)。
その後、同図(d)に示すように、金属膜7上に導電性の支持基板8(半導体基板又は金属基板)を接合する。支持基板8は、導電性樹脂、金属接合等によって金属膜7と接合可能である。これにより、支持基板8は外部接続用のソース端子75を兼ねるようにすることができる。
図10(a)は、MOSFET12と同様の方法(図9(a)参照)により、半導体素子層が形成された半導体基板2の主面201側に、絶縁層6、相互配線層65及び金属層7(図示せず)を介して支持基板8が接合され、その後裏面202側に接合されていた仮支持基板81が除去された状態を表している。半導体基板2には、半導体基板2を貫通し且つpn接合面が基板面に対して垂直方向となるように、pウェル5が形成されている。また、ソース51、ドレイン52及び貫通ドレイン56が形成されている。更に、半導体基板2を貫通するように形成されたpウェル58に囲まれ、高濃度n型部(貫通n+電極)57が設けられている。貫通n+電極57はpウェル58によって半導体基板2から電気的に分離されている。
同図(b)は、pウェル5の裏面202側に、主面201側と同様の方法でゲート53を形成した状態を示している。
同図(d)は、半導体基板2の裏面202側に、絶縁層6及び相互配線層65を挟み、金属層7(71、72)が選択的に形成された状態を示している。金属層7により、外部接続用のドレイン端子76及びゲート端子77がそれぞれ形成される。ドレイン端子76は貫通ドレイン56と電気的に接続され、ゲート端子77は貫通n+電極57と電気的に接続されている。以上により、MOSFET14が形成される。
Claims (10)
- 化合物半導体の単結晶からなる半導体基板に形成され、少なくとも3つの端子を具備する半導体素子であって、
前記半導体基板にはソース領域、ドレイン領域及びゲートを備えるMOSFETが形成されており、
前記半導体基板に形成されたソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を含む少なくとも3つの電極と、
前記半導体基板の主面側に接合され、導電性を有し1つの端子を兼ねる支持基板と、
前記半導体基板の裏面に形成された金属層からなる少なくとも2つの裏面端子と、
n型半導体からなる前記半導体基板を貫通するように形成されたp型層と、前記p型層に形成された前記ソース領域と、前記p型層と一定の長さ離隔して前記半導体基板を貫通するように形成されたドレイン接続用の高濃度n型部と、
を備えることを特徴とする半導体素子。 - 導電性を有し、前記半導体基板を貫通して形成された貫通電極部を備え、
前記ソース電極及び前記ドレイン接続用の高濃度n型部のうちの一方は前記支持基板と電気的に接続されており、その他方及び前記貫通電極部はそれぞれ前記裏面端子と電気的に接続されている請求項1記載の半導体素子。 - 前記貫通電極部は、前記n型半導体とは電気的に分離された高濃度n型部又は金属によって形成されている請求項2記載の半導体素子。
- 前記ソース領域は前記半導体基板を貫通するように形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体素子。
- 化合物半導体の単結晶からなる半導体基板に少なくとも3つの端子を具備する半導体素子を形成する半導体素子の製造方法であって、
前記半導体基板の裏面に仮支持基板が接合されており、
前記半導体基板に第1電極及び第2電極を形成し、前記半導体基板の主面に制御電極を形成する素子形成工程と、
前記半導体基板を貫通し前記制御電極と電気的に接続される貫通電極部を形成する貫通電極部形成工程と、
前記第1電極及び前記第2電極のうちの一方と電気的に接続されるように前記半導体基板の前記主面側に導電性を有する支持基板を貼り合わせる支持基板接合工程と、
前記仮支持基板を除去する仮支持基板除去工程と、
前記半導体基板の前記裏面に金属層からなる少なくとも2つの裏面端子を形成すると共に、前記貫通電極部を1つの前記裏面端子に電気的に接続し、前記第1電極及び前記第2電極のうちの他方を別の前記裏面端子に電気的に接続する裏面端子形成工程と、
を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。 - 前記素子形成工程において、前記半導体基板にソース領域、ドレイン領域及びゲートからなるMOSFETを形成し、
前記第1電極及び前記第2電極の一方はソース電極であり、他方はドレイン電極であり、前記制御電極はゲート電極である請求項5記載の半導体素子の製造方法。 - 前記半導体基板はn型半導体であり、
前記貫通電極部形成工程は、前記n型半導体とは電気的に分離された高濃度n型部又は金属によって前記貫通電極部を形成する請求項5又は6に記載の半導体素子の製造方法。 - 前記素子形成工程において、前記半導体基板の前記主面側に前記ソース電極及び前記ゲート電極、前記裏面に前記ドレイン電極を形成し、
前記支持基板接合工程において、前記ソース電極を前記支持基板と電気的に接続し、
前記裏面端子形成工程において、前記ドレイン電極及び前記貫通電極部をそれぞれ前記裏面端子と電気的に接続する請求項6記載の半導体素子の製造方法。 - 前記素子形成工程において、前記半導体基板を貫通するようにp型層を形成し、前記p型層に前記ソース領域を形成すると共に、前記p型層と一定の長さ離隔して前記半導体基板を貫通するようにドレイン接続用の高濃度n型部を形成し、
前記支持基板接合工程において、前記ソース電極を前記支持基板と電気的に接続し、
前記裏面端子形成工程において、前記貫通電極部及び前記ドレイン接続用の高濃度n型部をそれぞれ前記裏面端子と電気的に接続する請求項6記載の半導体素子の製造方法。 - 前記素子形成工程において、前記半導体基板を貫通するように前記ソース領域を形成し、前記半導体基板の前記裏面に前記ゲート電極を更に形成する請求項6記載の半導体素子の製造方法。
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