JP7027260B2 - プラスチック製品の製造方法、並びにコネクタの製造方法及びセンサの製造方法 - Google Patents
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Description
このレーザによるダイレクトマーキングは、プラスチック製品の表面の一部にレーザを照射することで、照射部位のプラスチック製品を発泡させ、この発泡部が基材のプラスチック製品と異なる色を示す(変色する)ことを利用し、両者の色からなる2次元コード(二値化された情報部)を形成するものである。又、プラスチック製品にレーザマーキング用添加剤(発色剤)を混合し、レーザ照射部位を変色させることも行われている。
そこで、本発明は、プラスチック製品の表面にレーザで直接形成された情報部の損傷を抑制したプラスチック製品の製造方法、並びにコネクタの製造方法及びセンサの製造方法を提供することを目的とする。
又、凹部の形成と、凹部内の発泡部の形成ではレーザのエネルギが異なるので、これを同一工程(1段階)で行うと、発泡部の形成が不十分になって明瞭な情報部の形成が難しくなったり、凹部が浅くなって情報部が損傷しやすくなる。そこで、凹部と発泡部の形成を別工程(2段階)で行うことで、明瞭で損傷を抑制した情報部が得られる。
本発明のプラスチック製品の製造方法において、前記情報部は、1次元又は2次元のコードであってもよい。
このプラスチック製品の製造方法によれば、1次元又は2次元のコードの損傷を抑制し、読み取り等が困難になることを防止できる。
図1は本発明の実施形態に係るプラスチック製品の製造方法によって製造したプラスチック製品(コネクタ)10の斜視図、図2はこのコネクタ10にセンサ本体200及び外部機器100を接続した態様を示す模式図、図3は本発明の実施形態に係るプラスチック製品の製造方法の工程図、図4は凹部10hと発泡部5bを示す斜視図である。
2次元コードには、個々のガスセンサ200毎に異なる検出感度への感度補正値や、ロットやシリアル番号等の管理情報等が記憶されており、スキャナにより2次元コードからこれらの情報を読み取り、ECU100へ受け渡したり、製造工程や組立工程での工程管理等を行うために利用される。ECU100は感度補正値をもとに、ガスセンサ200の検出信号を取得して酸素濃度等のガス成分の濃度を算出する。ガスセンサ200としては、車両に搭載される酸素センサやNOxセンサが例示される。
さらに、ECU側コネクタ104には図示しない回路が搭載されており、ガスセンサ200で検出された信号がこの回路で補正され、ECU100に送信される。
本実施形態では、2次元コード(情報部)5をレーザによりダイレクトマーキングする、つまりプラスチック(ポリブチレンテレフタレート)製品であるコネクタ10(カバー11)の表面10aの一部にレーザを照射してポリブチレンテレフタレート(濃色)を発泡させ、ポリブチレンテレフタレートと異なる色(淡色)を示す発泡部を形成させることで、ポリブチレンテレフタレートの地色と発泡部との2色からなる二値化された情報部を形成することを前提とする。
次に、図3(b)に示すように、発泡形成予定部(各凹部10h)にレーザL2を照射し、各凹部10h内に発泡部5bを設ける(発泡部形成工程)。具体的には、各凹部10hは底面が平坦になっており、この底面にレーザL2を照射するとポリブチレンテレフタレートが発泡し、凹部10h内を上方に向かって膨張し、発泡部5bとなる。
そして、図3(c)に示すように、各凹部10h内に形成された発泡部5b(淡色)と、隣接する凹部10hの間でレーザL2が照射されなかった表面10aの地色(濃色)とで、情報部である2次元コード5が形成される。
又、凹部10hの形成と、凹部10h内の発泡部5bの形成ではレーザのエネルギが異なるので、これを同一工程(1段階)で行うと、発泡部5bの形成が不十分になって明瞭な2次元コード5の形成が難しくなったり、凹部10hが浅くなって発泡部5bが損傷しやすくなる。そこで、凹部10hと発泡部5bの形成を別工程(2段階)で行うことで、明瞭で損傷を抑制した2次元コード5が得られる。
但し、凹部10hが深すぎると、発泡部5bが読み取り難くなったり、凹部形成用レーザL1の照射でプラスチック材料の一部が昇華せずに凹部10hの壁面に残り、同様に発泡部5bが読み取り難くなることがある。凹部10hの深さは限定されないが、例えば40μm以下とするとよい。
又、本実施形態(図3)のように、レーザL1、L2の照射位置がいずれも発泡形成予定部、つまり発泡形成予定部に対して凹部10hを形成する領域が略同一に設定すると、凹部10hにほぼ同寸の発泡部5bが形成されるので、後述する図5の場合に比べ、異物が入り込み難く、発泡部5bにキズが付いたり削られることがより一層抑制される。
例えば、上記実施形態においては、図3(b)に示すように、発泡形成予定部と凹部10hは同一であったが、図5に示すように、凹部10h2を、発泡形成予定部を包含しつつ発泡形成予定部よりも大きい領域としてもよい。
これにより、図5(c)に示すように、凹部10h2内に形成された発泡部5b(淡色)と、発泡部5bを除く凹部10h2の底面12a(濃色)とで、情報部である2次元コード5が形成される。
この場合、図6(b)に示すように、凹部10h3の底部から周縁10s3の間の側壁の一部を発泡形成予定部Rとし、発泡形成予定部RのみにレーザL2を照射する。
これにより、発泡形成予定部Rに発泡部5bを形成し、この発泡部5bが周縁10s3から表面側に突出しないように設けられる。
凹部の深さ方向断面はV字の他、U字が例示される。
なお、基材のプラスチック製品と、発泡部との濃淡の差は、例えば両者を含む画像を二値化できるもの(上記画像を所定の閾値で二値化処理したときに両者の輝度が1ビット(0又は1)の諧調となるもの)であればよい。
5b 発泡部
10 プラスチック製品(コネクタ)
10a 表面
10h 凹部
10s 凹部の周縁
11 カバー
100 外部機器(ECU)
200 センサ本体(ガスセンサ)
L1 凹部形成用レーザ
L2 レーザ
R 発泡形成予定部
Claims (5)
- プラスチック製品の表面の一部にレーザを照射して前記プラスチック製品を発泡させ、該プラスチック製品と異なる色を示す発泡部を形成させることで、前記プラスチック製品の色と前記発泡部の色とからなる情報部を形成するプラスチック製品の製造方法であって、
少なくとも前記発泡部となる前記プラスチック製品の発泡形成予定部に凹部を設ける凹部形成工程と、
前記発泡形成予定部に前記レーザを照射し、前記凹部の周縁から突出しないように前記発泡部を設ける発泡部形成工程と、
を有し、
前記凹部形成工程において、前記プラスチック製品の発泡形成予定部に凹部形成用レーザを照射して前記凹部を設け、
前記レーザ及び前記凹部形成用レーザとして同一のレーザを用い、かつ前記凹部形成用レーザの出力を前記レーザの出力より高くするプラスチック製品の製造方法。 - プラスチック製品の表面の一部にレーザを照射して前記プラスチック製品を発泡させ、該プラスチック製品と異なる色を示す発泡部を形成させることで、前記プラスチック製品の色と前記発泡部の色とからなる情報部を形成するプラスチック製品の製造方法であって、
少なくとも前記発泡部となる前記プラスチック製品の発泡形成予定部に凹部を設ける凹部形成工程と、
前記発泡形成予定部に前記レーザを照射し、前記凹部の周縁から突出しないように前記発泡部を設ける発泡部形成工程と、
を有し、
前記発泡形成予定部と前記凹部とを略同一の領域に設けるプラスチック製品の製造方法。 - 前記情報部は、1次元又は2次元のコードである請求項1又は2に記載のプラスチック製品の製造方法。
- プラスチック製のカバーを有するコネクタの製造方法であって、
請求項1~3のいずれか一項に記載のプラスチック製品の製造方法を用いて前記カバーの表面に前記情報部を形成する、コネクタの製造方法。 - センサ本体と、
前記センサ本体と外部機器とを接続し、プラスチック製のカバーを有するコネクタと、
を有するセンサの製造方法であって、
請求項4に記載のコネクタの製造方法を用いて、前記カバーの表面に前記情報部を形成する、センサの製造方法。
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