JP7027179B2 - 給送回転体、シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

給送回転体、シート給送装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、シートに当接して回転し、シートを給送する給送回転体、給送回転体を備えるシート給送装置、及びシートに画像を形成する画像形成装置に関する。
プリンタ、複写機、及び複合機等の画像形成装置において、記録材や原稿として用いられるシートを給送するシート給送装置は、シートに当接して回転することでシートを給送するローラ等の給送回転体を備えている。多くの場合、ローラの表面はゴム等のシートに対する摩擦係数が高い材質で形成され、ローラの回転によってローラ表面とシートとの間に生じる摩擦力によってシートを搬送する。しかし、シートの搬送を繰り返し行うことでローラ表面は徐々に摩耗するため、適切な時期にローラを交換することが求められる。
特許文献1には、給送カセットからシートを給送するローラの摩耗の程度を、ローラより下流でシートを検知するシート検知センサの検知タイミングによって予測する技術が記載されている。この技術では、ローラの摩耗が進むほど搬送効率(ローラ1回転当たりのシート搬送距離)が低下することを利用し、予め設定された設定値に対するシート検知センサの検知タイミングの遅れを予測関数に当てはめることでローラの摩耗の程度を予測する。そして、シート検知センサの検知タイミングの設定値に対する遅延率が所定の閾値を超える時期が、ローラの耐用期間の限界(寿命)であると判断する。
特開2003-261237号公報
上記文献では、ローラの摩耗が進むにつれ、搬送効率が徐々に低下することを前提としている。しかしながら、筆者らが実際にシートの検知タイミングを取得しながらシートの給送を繰り返す耐久試験を行った結果、摩耗量に対する搬送効率の変化は線形性が低く、一定枚数のシートを給送すると急激に搬送効率が低下する場合があった。このような場合、ローラの寿命を事前に予測することが難しく、検知タイミングによって摩耗が顕在化した時点で、シート詰まりが高い頻度で発生する状態になってしまっていることがある。
そこで、本発明は、搬送効率が著しく低下する前に摩耗の程度を把握することができる給送回転体、このような給送回転体を備えたシート給送装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、シートに当接して回転し、シートを給送する給送回転体であって、前記給送回転体の回転方向に直交する幅方向から視た断面において、前記給送回転体の外周部に、複数の第1領域と複数の第2領域とが前記回転方向に交互に配置され、前記複数の第1領域の各々は、前記回転方向の複数の位置に設けられた複数の第1の凸部と、前記複数の第1の凸部の中で前記回転方向に隣り合う2つの第1の凸部の間にそれぞれ配置された複数の第1の凹部と、を有し、前記複数の第2領域の各々は、前記回転方向の複数の位置に設けられた複数の第2の凸部と、前記複数の第2の凸部の中で前記回転方向に隣り合う2つの第2の凸部の間にそれぞれ配置された複数の第2の凹部と、を有し、前記複数の第1の凸部及び前記複数の第2の凸部は、シートに当接する前記給送回転体の外周面を形成しており前記複数の第1の凹部は、前記外周面に対して第1の深さとなるように凹んでおり、前記複数の第2の凹部は、前記外周面に対して前記第1の深さより浅い第2の深さとなるように凹んでおり前記第1の深さに対する前記第2の深さの比が、0.4以上かつ0.8以下である、ことを特徴とする。
本発明の他の態様は、シートを支持するシート支持部と、前記シート支持部に支持されたシートに当接して回転し、シートを給送するローラ部材と、前記ローラ部材のシート給送方向における前記ローラ部材より下流の位置において、シートを検知するシート検知手段と、前記シート検知手段の検知結果に基づいて、前記ローラ部材を交換する必要があることを報知する報知動作を実行可能な制御手段と、を備え、前記ローラ部材は、前記ローラ部材の回転方向に直交する幅方向から視た断面において、前記ローラ部材の回転軸を中心とする円筒面に沿って、シートに当接する外周面を形成する複数の凸部と、前記複数の凸部の間で、前記回転軸に対する径方向の内側に向かって、前記外周面に対して第1の深さとなるように凹んだ複数の第1の凹部と、前記ローラ部材の回転方向において前記第1の凹部とは異なる位置に設けられ、前記複数の凸部の間で、前記回転軸に対する径方向の内側に向かって、前記外周面に対して前記第1の深さより浅い第2の深さとなるように凹んだ複数の第2の凹部と、を有し、前記ローラ部材は、前記第1の凹部が設けられた複数の第1領域と、前記第2の凹部が設けられた複数の第2領域とが、前記ローラ部材の回転方向において交互に配置され、かつ、前記複数の第1領域の各々に前記第1の凹部が複数設けられ、前記複数の第2領域の各々に前記第2の凹部が複数設けられている、ことを特徴とする。
本発明によれば、搬送効率が著しく低下する前に給送回転体の摩耗の程度を把握することができる。
本開示に係る画像形成装置の概略図。 中板が待機位置にある場合(a)及び給送位置にある場合(b)のシート給送部の概略図。 給送ユニットの周囲を示す拡大図。 給送ユニットの上視図。 シート給送部の制御構成を示すブロック図。 実施例1に係るローラの斜視図。 実施例1に係るローラの断面図(a)及びその拡大図(b)。 ローラ表面の凹凸形状のピッチと搬送力の関係を表すグラフ。 実施例1に係るローラの摩耗による表面形状の変化を説明するための斜視図(a、b)。 実施例1に係るローラの回転量と搬送力の関係を表すグラフ。 実施例1に係るローラを用いて給送したシートの枚数と搬送センサへのシート到達タイミングとの関係を表すグラフ。 実施例1におけるシート給送部の制御方法を表すフローチャート。 実施例2に係るローラの斜視図(a)及びその拡大図(b)、並びに断面図(c)及びその拡大図(d)。 実施例3に係るローラの斜視図(a)及びその拡大図(b)、並びに断面図(c)及びその拡大図(d)。
以下、図面を参照しながら、本開示に係る画像形成装置について説明する。画像形成装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、及び複合機を含み、外部PCから入力された画像情報や原稿から読取った画像情報に基づいてシートに画像を形成する。記録媒体として用いられるシートには、普通紙及び厚紙等の紙、コート紙等の特殊紙、オーバーヘッドプロジェクタ用のプラスチックフィルム、並びに布が含まれる。
本開示に係る画像形成装置1は、図1に示すように、電子写真方式の画像形成部201Bを搭載したレーザープリンタである。画像形成装置本体(以下、プリンタ本体とする)201Aの上方には画像読取装置202が略水平に設置されている。画像読取装置202とプリンタ本体201Aとの間に、シート排出用の排出空間Sが形成されている。
画像形成手段としての画像形成部201Bは、4ドラムフルカラー方式の電子写真ユニットである。即ち、画像形成部201Bは、レーザスキャナ210と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー画像を形成する4個のプロセスカートリッジPY,PM,PC,PKを備える。各プロセスカートリッジPY~PKは、感光体である感光ドラム212、帯電手段である帯電器213、及び現像手段である現像器214を備えている。また、画像形成部201Bは、プロセスカートリッジPY~PKの上方に配された中間転写ユニット201Cと、定着部220とを備えている。中間転写ユニット201Cの上方には、各現像器214にトナーを供給するためのトナーカートリッジ215が装着されている。
中間転写ユニット201Cは、駆動ローラ216a及びテンションローラ216bに巻き掛けられた中間転写ベルト216を備えている。中間転写ベルト216の内側には、各感光ドラム212に対向した位置で中間転写ベルト216に当接する一次転写ローラ219が設けられている。中間転写ベルト216は、不図示の駆動部により駆動される駆動ローラ216aによって図中反時計回り方向に回転する。
中間転写ユニット201Cの駆動ローラ216aと対向する位置には、中間転写ベルト216に担持されたカラー画像をシートPに転写する二次転写ローラ217が設けられている。二次転写ローラ217の上方に定着部220が配置され、定着部220の上方には第1排出ローラ対225a、第2排出ローラ対225b及び両面反転部201Dが配置されている。両面反転部201Dは、正逆転可能な反転ローラ対222、及び一面に画像が形成されたシートを再度、画像形成部201Bに搬送する再搬送通路R等が設けられている。また、画像形成装置1には、画像形成動作及びシート給送動作等を制御する制御手段として、制御部260が搭載されている。
画像形成部201Bの画像形成動作について説明する。原稿の画像情報は画像読取装置202によって読み取られ、制御部260によって画像処理された後、電気信号に変換されて画像形成部201Bのレーザスキャナ210に伝送される。画像形成部201Bでは、帯電器213によって表面が所定の極性・電位に一様に帯電させられた感光ドラム212にレーザスキャナ210からのレーザ光が照射され、ドラムの回転に伴ってドラム表面が露光される。これにより、各プロセスカートリッジPY~PKの感光ドラム212の表面に、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの単色画像に対応する静電潜像が形成される。これら静電潜像は、現像器214から供給される各色トナーにより現像されて可視化された後、一次転写ローラ219に印加される一次転写バイアスにより、感光ドラム212から中間転写ベルト216へと互いに重ね合わせて一次転写される。
このような動作に並行して、いずれかのシート給送部30,250からレジストレーションローラ対240へ向けて1枚ずつシートPが給送される。プリンタ本体201Aの下部には、シートを収納するカセット106と、カセット106に収納されたシートPを給送する給送ユニット100と、をそれぞれ備えた複数のシート給送部30が配置される。給送ユニット100の構成については後述する。
給送ユニット100は、カセット106に収納されたシートPの最上位シートを1枚ずつ給送する。給送ユニット100によって送り出されたシートPは、搬送ローラ対123を介してレジストレーションローラ対240へ向けて上方に搬送される。また、プリンタ本体201Aの側部に設けられた手差しシート給送部250からは、手差しトレイ29にセットされたシートが給送ユニット100によってレジストレーションローラ対240へ向けて給送される。
レジストレーションローラ対240は、シートPの斜行を補正した後、画像形成部201Bによるトナー像形成の進捗に合わせてシートPを二次転写ローラ217へ向けて送り出す。二次転写ローラ217と中間転写ベルト216との間に形成される転写部(二次転写部)において、二次転写ローラ217に印加される二次転写バイアスにより、シートPに対してフルカラーのトナー像が一括して二次転写される。トナー像が転写されたシートPは、定着部220に搬送され、定着部220において付与される熱及び圧力によって各色のトナーが溶融混色することで、トナー像はシートPにカラー画像として定着する。
この後、シートPは、定着部220の下流に設けられた第1排出ローラ対225a又は第2排出ローラ対225bにより、排出空間Sの底部に配置された排出部223に積載される。シートPの両面に画像を形成する際は、第1面に画像が形成されたシートPが反転ローラ対222により反転した状態で再搬送通路Rに搬送され、再度、画像形成部201Bに搬送される。そして、画像形成部201Bによって第2面に画像を形成されたシートPは、第1排出ローラ対225a又は第2排出ローラ対225bによって排出部223に排出される。
なお、上述の画像形成部201Bは画像形成手段の一例であり、感光体に形成したトナー像をシートに直接転写する直接転写方式の画像形成部を用いてもよい。また、電子写真方式に代えて、インクジェット方式やオフセット印刷方式の画像形成手段を用いてもよい。
(シート給送部)
シート給送装置の一例であるシート給送部30の構成について説明する。シート給送部30は、図2(a)、(b)に示すように、カセット106と、カセット106に収納されたシートを給送する給送ユニット100と、を備えている。カセット106は、プリンタ本体201A(図1参照)に対して着脱可能(引出し及び引抜き可能)に装着されている。
カセット106には、シートを支持するシート支持部としての中板119と、中板119を支持して昇降させる昇降板120と、が設けられている。中板119は、回動軸119aを中心にして上下方向に回動可能(昇降可能)である。昇降板120は、中板119の下方に配置され、昇降モータM1によって昇降軸120aを中心にして上下方向に回動する。中板119は、昇降板120に下方から押されることで、図2(a)に示す待機位置から図2(b)に示す給送位置に上昇する。そして、中板119が給送位置に到達すると、中板119に積載されたシートPが給送ユニット100のピックアップローラ110に当接する。
給送ユニット100は、ピックアップローラ110と、分離ニップ128を形成するフィードローラ111及びリタードローラ112と、を有している。ピックアップローラ110はシート支持部からシートを送り出す第1ローラに相当し、フィードローラ111は分離部材であるリタードローラと共にシートを分離しながら搬送する第2ローラに相当する。また、ピックアップローラ110及びフィードローラ111は、いずれもシートに当接して回転することでシートを給送する給送回転体の一例である。
図3はシートの幅方向、つまり給送ユニット100によるシート給送方向V1に直交する方向から視た給送ユニット100の断面構成を表す概略図であり、図4は給送ユニット100を上方から視た概略図である。図3及び図4に示すように、フィードローラ111は、給送モータM2によって駆動されるフィードローラ軸115に回転可能に支持されている。フィードローラ軸115には、昇降プレート113が上下方向に揺動可能に支持されている。
昇降プレート113には、アイドラ軸127及びピックアップローラ軸116が回転可能に支持されており、ピックアップローラ軸116には、ピックアップローラ110が回転可能に支持されている。また、フィードローラ軸115、アイドラ軸127及びピックアップローラ軸116には、それぞれフィードギヤ124、アイドラギヤ125及びピックアップギヤ126が取り付けられている。これらフィードギヤ124、アイドラギヤ125及びピックアップギヤ126によって、給送モータM2によって駆動されるフィードローラ軸115の回転がピックアップローラ軸116に伝達される。即ち、駆動源である給送モータM2の駆動力により、ピックアップローラ110及びフィードローラ111はシート給送方向V1に沿った回転方向(図中反時計回り方向)に回転する。
昇降プレート113は、付勢部材であるピックアップバネ114によって下方に付勢されている。中板119が給送位置にあるとき、このピックアップバネ114の付勢力によってピックアップローラ110が所定の給送圧でシートの上面と当接する。分離部材としてのリタードローラ112は、不図示のトルクリミッタを介してリタード軸112aに回転可能に支持されており、付勢部材であるリタードバネ118によってフィードローラ111に向けて付勢されている。これにより、リタードローラ112は、ニップ部としての分離ニップ128においてフィードローラ111に圧接している。また、リタード軸112aには、フィードローラ軸115と共に給送モータM2からの駆動力が伝達されている。従って、リタードローラ112は、給送モータM2の駆動力により、分離ニップ128においてシートPをカセット106に押し戻す方向(図3における反時計回り方向)に回転しようとする。
シート給送方向V1においてフィードローラ111及びリタードローラ112の下流には、内側ガイド121、外側ガイド122、及び搬送ローラ対123が配置されている。搬送ローラ対123は、搬送回転体としての駆動ローラ123aと、従動ローラ123bとを有し、駆動ローラ123aは回転軸123cに回転可能に支持されている。そして、回転軸123cが搬送モータM3によって駆動されることで、駆動ローラ123aが回転すると共に、従動ローラ123bが駆動ローラ123aに従動回転する。駆動ローラ123a及び従動ローラ123bによって形成される搬送ニップ140のシート給送方向上流、かつ分離ニップ128の下流には、シートを検知する搬送センサ130が配置されている。搬送センサ130は、シート給送方向V1における給送回転体の下流でシートを検知するシート検知手段の一例である。
(シート給送動作)
シート給送ジョブが入力されるかカセット106がプリンタ本体201Aに挿入されると、昇降モータM1が駆動し、中板119が上昇する。中板119に積載された最上位のシートの位置は、不図示のセンサによって検知されており、図2(b)に示すように、最上位のシートが所定高さに到達すると中板119は停止する。
この状態で、第1駆動源としての給送モータM2及び第2駆動源としての搬送モータM3が駆動し、ピックアップローラ110が中板119に積載されたシートを給送する。ピックアップローラ110によって給送されたシートは、分離ニップ128において1枚ずつに分離される。具体的には、分離ニップ128にシートが1枚だけ給送された際には、リタード軸112aとリタードローラ112との間に設けられたトルクリミッタが空転し、リタードローラ112がフィードローラ111に連れ回る。また、分離ニップ128にシートが2枚以上侵入した際には、リタードローラ112は、カセット106にシートを戻す方向に回転し、2枚目以降のシートが最上位のシートに対して滑ってカセット106に戻される。なお、リタードローラ112は、駆動力が入力されないローラ部材を用いてもよく、また、ローラ部材に代えてフィードローラ111に当接するパッド上の分離部材(分離パッド)を設けてもよい。
分離ニップ128によって1枚ずつに分離されたシートは、内側ガイド121及び外側ガイド122によって搬送ローラ対123に案内され、搬送ローラ対123の搬送ニップ140によってさらに搬送される。なお、本実施の形態では、ピックアップローラ110、分離ニップ128及び搬送ニップ140によるシートの搬送速度(フィードローラ111及び駆動ローラ123aの周速)は同じに設定されているが、これに限定されない。例えば、搬送ニップ140によるシートの搬送速度をピックアップローラ110及び分離ニップ128によるシートの搬送速度よりも速くして、生産性を向上してもよい。この場合、ピックアップローラ110及びフィードローラ111に、対応するローラ軸115,116に対する相対回転を許容するワンウェイクラッチを内蔵させると好適である。これにより、シート先端が搬送ニップ140に到達した後は給送モータM2と各ローラ110,111との駆動連結が解除され、搬送ニップ140と分離ニップ128との間でシートの引っ張り合いが生じることを避けられる。
(制御構成)
図5は、シート給送部30の制御構成を示すブロック図である。シート給送部30の動作は、プリンタ本体201Aに搭載された制御部260により制御される。制御部260は、少なくとも1つのプロセッサを備え、記憶部132からプログラムを読み出して実行することで画像形成装置1の動作を統括制御する。記憶部132は、例えば読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及びハードディスクドライブ等を含む。記憶部132は、画像形成装置1の制御プログラムや画像形成動作の設定情報を一時的又は恒久的に記憶する他、制御部260が制御プログラムを実行する際の作業スペースとして使用される。
画像形成装置1には、ユーザインタフェースとして操作画面129が設けられている。操作画面129は、画像により上方をユーザに表示する液晶パネル等の表示手段と、ユーザの入力操作を受け付けるタッチパネル等の入力手段とを備える。ユーザや保安員は、操作画面129を介した操作により、記憶部132に記憶された設定情報を変更可能である。また、制御部260は、LAN等のネットワークに接続するためのネットワークインターフェース(I/F)131を備えている。これにより、画像形成装置1は、通信手段としてのネットワークI/F131を介して、パーソナルコンピュータ(PC)等の外部機器との間でデータを送受信可能である。
シート給送部30の制御に関して、制御部260は、上述の搬送センサ130からの検知結果に基づいて、昇降モータM1、給送モータM2、及び搬送モータM3の駆動ON/OFF及び速度制御を行う。また、制御部260は、記憶部132に格納されている設定情報に従って、後述のピックアップローラ110やフィードローラ111についての寿命予兆検知制御を行う。
第1の実施例(実施例1)に係る給送回転体としてのローラ及びその寿命予兆検知方法について、図6~図12を用いて説明する。図6に示す本実施例のローラ101は、上述のシート給送部30において、ピックアップローラ110及びフィードローラ111の一方又は両方に使用される。
図6に示すように、ローラ101は、ゴム素材からなる外周部133と、合成樹脂からなるコア134によって構成される。コア134はローラ軸に着脱可能に装着される。円筒状の外周部133は、コア134の外周に装着された状態でコア134と共に回転する。外周部133の表面には、ローレット形状、つまり周方向に規則的な凹凸が繰り返されるパターン形状が形成されている。
図7(a)はローラ101を幅方向から視た断面図を表し、図7(b)は図7(a)に矩形で示した範囲を拡大した図である。図7(a)、(b)に示すように、ローラ101のローレット形状は、複数の凸部136と複数の凹部135とが周方向に交互に配列されることで構成されている。凸部136はいずれも径方向外側に向かって突出し、外周側の端面により円筒状の外周面137を構成している。凹部135は、隣り合う凸部136の間で外周面137から径方向の内側に凹んでいる。図6及び図7に示すように、凹部135は、軸方向における外周部133の両端部に亘って軸方向に沿って互いに平行に延びる溝状の凹形状であり、凸部136は隣り合う凹部135の間で軸方向に延びる畝状の凸形状である。ローラ101は、主として外周面137においてシートに当接し、コア134が装着されるローラ軸と一体的に回転しながら摩擦力をシートに付与することでシートを搬送する。
ここで、凹部135は、シート表面に付着している微細な異物を吸収することで、凸部136の端面に対する異物の付着を低減する役割を有する。凸部136への異物付着が抑制されることで、ローラ101とシートとの間の摩擦係数の低下が長期間に亘って抑制される。このような異物の典型例は紙粉であるため、以下、異物を代表するものを指して「紙粉」とする。
筆者らの検討において、紙粉が多い紙と、様々なローレット形状のローラとの間で、シートに付与可能な搬送力の水準、つまりシートとローラとの間に働く摩擦係数の大きさを測定した。その結果、図8に示すように、ローレット形状の周方向のピッチが細かいほど高い搬送力が得られることが分かった。ローレット形状のピッチが細かければ、凸部136の端面に紙粉が付着したとしても、紙粉がこの凸部136に隣接する凹部135に逃げやすいためと考えられる。
ところで、ローラ101のような給送回転体が寿命に近いか否か、つまり耐用期間の限界に近づいているかどうかを判断する寿命予兆検知の方法として、シート搬送の遅れを検知する方法が利用可能である。つまり、シートの給送を繰り返すことで凸部136が摩耗すると、凹部135による紙粉の吸着能力が消失又は低下し、ローラ101とシートとの間の摩擦係数が低下する。その結果、シートの搬送効率(ローラ101の1回転当たりのシートの搬送距離)が低下し、搬送経路上の所定位置にシートが到達するまでの所要時間が延びる。これを利用し、上述の搬送センサ130にシートが到達するタイミングの変動からローラ101の摩耗量を予測し、ローラ101が寿命に近いか否かを判断する方法が考えられる。ローラ101が寿命に近いと判断した場合、何らかの方法でユーザ又は保安員に報知することで、ローラ101が著しく摩耗してシートの給送が不可能となる前に、ローラ101の交換を促すことができる。
しかしながら、筆者らが実際に搬送センサ130に対するシートの通過タイミングを取得しながら給送を繰り返す耐久試験を行った結果、シートの搬送効率はジャムが発生する直前に急激に低下する、という現象が見られた。より具体的には、平均的に270000枚程度のシートを給送させた場合にジャムが発生するのに対し、顕著な搬送効率の低下はジャム直前の2000~3000枚の区間で見られた。
このように、ローラ101の摩耗が一定レベルを超えて進むと搬送効率が急激に低下すると、高頻度でジャムが発生する状態に至る前にローラ101の寿命を的確に予想することが難しい。これは、ローラ101の交換後、長い期間に亘って新品に近い搬送効率が発揮される一方で、搬送センサ130によって観測可能な顕著な搬送効率の低下が生じた時点で、既にジャムが発生し易いレベルまでローラ101の摩耗が進行しているためである。また、仮に高頻度でジャムが発生する状態より前にローラ101の寿命を予測できたとしても、摩耗が少し進行するだけで容易にジャムが発生してしまう。従って、ローラ101の交換が間に合わずにジャムが発生してしまう可能性がある。また、搬送効率の低下を検知した時点でシート給送部30からのシートの給送を行わない設定とした場合、ローラ101を交換するまではシート給送部30が使用できないことになって利便性の低下を招く。
そこで、本実施例では、図7(a)、(b)に示すように凹部135の深さが異なる2つの領域A,Bを設けている。領域A(第1領域)には比較的深い凹部135a(第1の凹部)が設けられ、領域B(第2領域)には比較的浅い凹部135b(第2の凹部)が設けられている。つまり、領域Bにおける凹部135bの深さd2は、領域Aの凹部135aの深さd1に比べて小さい(d2<d1)。ただし、凹部135a,135bの深さd1,d2は、凸部136が形成する円周状の外周面137から凹部135a,135bの底部までの、ローラ101の回転軸に対する径方向の距離を表す。また、ローラ101の回転軸から凸部136の径方向外側の端面までの距離は、領域A,Bを通じて一定と見做せるものとする。
ローラ101には、周方向に複数の領域Aと複数の領域Bとが交互に配置され、領域Aの各々に複数の凹部135aが配置され、領域Bの各々に複数の凹部135bが配置される。言い換えると、ローラ101の外周部133の表面形状は、径方向において第1の高さの凹凸が連続する区間(領域A)と、第1の高さより低い第2の高さの凹凸形状が連続する区間(領域B)とが、周方向に沿って交互に出現するように形成されている。
(ローラの摩耗による変化)
本実施例に係るローラ101の摩耗に伴う変化について説明する。ローラ101は、上述した通り初期状態では周方向の全周に亘ってローレット形状が形成されている。シートの給送を繰り返すことにより、ローレット形状の凸部136は徐々に摩耗していく。そして、凸部136が一定程度(凹部135bの深さd2と同程度)摩耗すると、図9(a)に示すように、領域Bのローレット形状が消失して、領域Bは円筒面に沿った平滑な面となる。このとき、領域Aのローレット形状は依然として残っており、領域Aの凸部136に対する紙粉の付着を低減する作用が維持されている。その結果、領域Aがシートに当接した状態では初期とほぼ同程度の搬送力を発揮する一方、領域Bがシートに当接した状態では紙粉により大きく搬送力が低下した状態となる。
さらにシートの給送を繰り返すと、図9(b)に示すように、領域Aの凸部136の摩耗がさらに進行して領域Aでもローレット形状は消失する。すると、周方向の全周に亘って紙粉の付着を低減する作用が失われ、ローラ101のどの部分がシートに当接しても初期よりも低い搬送力しか発揮できない状態となる。
図10は、図9(a)の状態のローラ101が1回転する間に、シートに付与される搬送力の推移を表す概念図である。図中、Fiは初期のローラ101の搬送力、Fnはシートの搬送に必要な搬送力、Faはローレット形状が消失した状態(図9(b))での搬送力である。Fi、Fn、Faの関係は、
Fi > Fn > Fa
であるものとする。これは、初期のローラ101(図6)は全周に亘りシート搬送に必要な力Fn以上の搬送力Fiを発揮するが、ローレット形状が消失した状態(図9(b))の場合、全周に亘りFnを下回る搬送力Faしか発揮できない、ということを示している。
ここで、本実施例のローラ101を使用した場合、初期の状態(図6)からローレット形状が消失した状態に至る前に、図9(a)に示すように領域Aにのみローレット形状が残る。このとき、図10の実線に示すように、ローラ101がシートに付与し得る搬送力の大きさは、ローラ101の回転に伴ってFiとFaとを交互に繰り返すように周期的に変化する。搬送力がFiとなるのはローレット形状が残っている領域Aがシートに当接する区間であり、搬送力がFaとなるのはローレット形状が消失した領域Bがシートに当接する区間である。この場合、搬送力がFiの区間があるため、シートの搬送自体は可能であるが、搬送力がFaの区間では搬送抵抗に打ち克ってシートを移動させることができず、ローラ101が1回転する間のシートの搬送距離は低下する。即ち、初期の状態に比べてローラ101の搬送効率が低下することになり、搬送センサ130への到達タイミングが初期に比べて遅くなる。
(搬送センサ到達タイミングの推移)
図11は、シートの給送を繰り返した場合の、搬送センサ130へのシート到達タイミングの典型的な推移を示す。実線が本実施例に係るローラ101を用いた場合、破線はローレットの凹部135の深さが全周に亘って深い凹部135aと同じ構成とした参考例のローラを用いた場合を表している。シート到達タイミングとは、中板119が給送位置にある状態で給送モータM2の駆動が開始された時刻を基準として、搬送センサ130がシートを検知するまでの経過時間を指す。
なお、図中のT3は、シート給送部30がシートの給送を続行可能なシート到達タイミングの限界を表している。画像形成装置1の生産性は、一般的に、予め設定されたインターバル(紙間)を守ってシートが画像形成部201Bに供給されることで最大となる。そのため、搬送センサ130へのシート到達タイミングが設定上のシート到達タイミング(T0)に比べて遅れている場合、シートの搬送速度を増大させることで画像形成部201Bへの供給間隔が調整される。しかしながら、本実施例において、T3より遅れたタイミングで搬送センサ130に到達したシートは、例え給送モータM2及び搬送モータM3を最大速度で動作させても画像形成部201Bが要求する間隔に間に合わない。従って、本実施例では、T3を超えても搬送センサ130にシートが到達していない場合にシート給送部30によるシートの給送が実質上不可能であると判断する。
図11の実線に示すように、本実施の形態に係るローラ101の場合、シートの給送を繰り返すことで搬送センサ130へのシート到達タイミングはわずかであるが徐々に遅れていく。これは、ローラ101の外周部133が徐々に摩耗していくためである。ただし、領域A,Bのローレット形状が残っている状態(給送枚数N1未満)では、凸部136に対する紙粉の付着が軽微であるため、シート到達タイミングが大きく遅れることはない。
さらにシートの給送を繰り返し、給送枚数N1に到達した時点で、図9(a)に示すように領域Bのローレット形状が消失し、領域Aでのみローレット形状が残った状態になったとする。すると、シート到達タイミングが急激に変化し始める。前述した通り、この状態のローラ101によってシートが給送されると、搬送センサ130への到達タイミングが初期(T0)に比べて遅いタイミングT2になる。ただし、領域Aは初期と同程度の搬送力Fiを発揮するため、遅いながらもシートの搬送は可能であり、シート到達タイミングT2はT3を下回っている。
さらにシートの給送を繰り返すと、領域Aの凸部136も摩耗していく。そして給送枚数N2の前後で、A領域の凹凸形状も消失し始め、搬送力はFaまで低下する。その結果、搬送センサ130への到達タイミングはT3を超え、シートの給送が実質上不可能な状態となる。以上のように、本実施例に係るローラ101を用いた場合、搬送センサ130へのシート到達タイミングは“T0付近→T2付近→T3超え(給送不可能)”と変化していく。
一方、ローレットの凹部135が全て同一深さのローラの場合、図11の破線に示すように、給送枚数N1を超えても全周に亘ってローレット形状が残り、ローレット形状のピッチは変化しない。そのため、シート到達タイミングはT0付近のままである。しかし、給送枚数N2を超えると、全周に亘ってローレット形状が消失し始める。そのため、このローラがシートに付与する搬送力はローラの全周に亘って急激に低下し、搬送センサ130へのシート到達タイミングは、“T0付近→T3超え(給送不可能)”のように変化する。
(寿命予兆検知の制御方法)
次に、図12のフローチャートを用いて、ローラの寿命予兆検知方法について説明する。以下のフローチャートの各工程は、制御部260が記憶部132に記憶されたプログラムを実行することで達成される。また、ここではローラ101がピックアップローラ110及びフィードローラ111の両方に使用されるものとして説明するが、ピックアップローラ110又はフィードローラ111のいずれかに使用される場合であっても同様の制御方法を実行可能である。
シート給送ジョブ(シート給送部30からシートを給送させるための指令)の実行が開始されると、給送モータM2及び搬送モータM3の駆動が開始される(S1)。すると、ピックアップローラ110及びフィードローラ111によってシートが給送され、シート先端が搬送センサ130に到達する(S2)。ここで、制御部260は読み取った搬送センサ130に対するシート到達タイミングが、閾値となる時間長さ(T1)以下であるかを判断する(S3)。シート到達タイミングがT1以下だった場合、ピックアップローラ110及びフィードローラ111は寿命間近ではないと判断される。この場合、シート給送ジョブが終了したか否かを判断し(S6)、ジョブが終了していない場合(後続シートを給送する場合)は再度給送動作に入り(S1)、ジョブが終了した場合は処理を終了する。
上記S3において、シート到達タイミングがT1を超えている場合、給送枚数がN1を超えた状態、つまりローラ101の領域Bのローレット形状が失われた状態であると考えられる。そこで、制御部260はローラの寿命が間近であると判断し(S4)、報知動作としてユーザ又は保安員にローラ寿命が間近であることを発報する(S5)。報知方法としては、画像形成装置1に接続されたLANを介し、記憶部132に記憶されたユーザ又は保安員のアドレスに宛てて電子メールを送信する方法が挙げられる。
S5の報知処理を実行した後も、制御部260はシート給送ジョブを続行可能、かつ新たなシート給送ジョブを開始可能である。これは、S3においてシート到達タイミングがT1を超えていても、上述した通り、領域Aにローレット形状が残っているためシートの給送が可能な状態(図11のN1とN2の間の状態)にあるからである。その後、発報を受けた保安員が、給送枚数N2に到達する前にローラ交換を行うことで、ユーザはシート詰まり等のトラブルに直面すること無く画像形成装置の使用を継続できる。なお、S5の報知処理を実行した後もローラ交換が行われず、搬送センサ130へのシート到達タイミングがT3を超えた場合には、シート給送ジョブを中止して操作画面129にシートの給送が不可能であることを表すエラー画面を表示する。
(本実施例の効果)
以上説明した通り、本実施例に係るローラ101は、外周面137を構成する凸部136と、外周面137に対して深さd1で凹んだ凹部135aと、外周面137に対して深さd2(ただし、d2<d1)で凹んだ凹部135bと、を有する。言い換えると、本実施例に係る給送回転体は、複数の凸部が形成する外周面に対して第1の深さで凹んだ複数の第1の凹部(135a)と、外周面に対して第1の深さより浅い第2の深さで凹んだ複数の第2の凹部(135b)と、を有する。この構成により、給送回転体の表面が摩耗していく過程で、第2の凹部による紙粉の吸着機能が失われ、かつ第1の凹部による紙粉の吸着機能が残っている中間状態(図11のN1とN2の間)が生じる。
この中間状態において、給送回転体とシートの摩擦係数は、周方向において第1の凹部の付近ではシートを搬送できる程度に高く、第2の凹部の付近ではシートの搬送抵抗によってシートに対して滑る程度に低い状態となる。即ち、第1の凹部及び第2の凹部がいずれも機能している初期状態に比べて搬送効率は低下するものの、シートの給送は可能な状態である。このような中間状態は、給送回転体の表面の摩耗がさらに進行して、第1の凹部の機能が消失するまで(図11のN2を超えるまで)維持される。
これにより、給送回転体によるシートの給送が高い頻度で失敗する状態に至る前に、給送回転体が寿命に近いことを検知することが可能になっている。なぜならば、第1の凹部が残っているか否かによって給送回転体の摩耗の程度を把握できる一方、そのような判断を行う時点では第2の凹部が残っているためシートの給送自体は可能であり、給送不能となるまでに時間的余裕があるためである。一方、ローラ101の表面に設けられた凹部の深さが均一な参考例(図11の破線)では、摩耗の影響(搬送効率の低下)が顕在化した時点で、シートの給送が不可能であるか、給送が難しい状態となってしまっている。
本実施例では、ローラ101が寿命に近いか否かを、搬送センサ130へのシート到達タイミングによって制御部260が自動的に判断し、必要であれば、ローラ101の交換の必要性を報知する報知動作(図12のS5)を実行する構成とした。これにより、シートのジャムが高い頻度で発生する状態となる前に(つまりローラ101が上述の中間状態にある間に)、ローラ101を交換させるようにユーザ又は保安員に促すことができる。
(構成例)
本実施例に沿った具体的構成を例示する。ローラ101の外周部133は、JIS-A硬度で25~35度のEPDMゴム(エチレンプロピエンジエンゴム)を、厚さ3mmの円筒形状に形成したものを用いることができる。ローラ101のローレット形状の周方向ピッチは、0.7mm~1.0mmに設定すると好適である。
凹部135a,135bの外周面137に対する深さd1,d2は、ローラ101がシート等に接触していない状態で、d1=0.5[mm]、d2=0.3[mm]とすると好適である。なお、凹部135a,135bの深さd1,d2[mm]は、小数点第2位を四捨五入する。これは、小数点第2位のオーダーまでローラ101の凹凸形状の深さ[mm]を均一に製造することが困難であるからである。d2とd1の比は0から1の範囲(0<d2/d1<1)とするが、d2/d1が1に近い程、凹部135bが消失してから凹部135aが消失するまでの時間的余裕が少なくなる。また、d2/d1が0に近い程、凹部135bが早く消失してしまい、搬送効率が低下した状態でローラ101が使用される期間が長くなる。従って、d2/d1は、例えば0.4以上かつ0.8以下の範囲、より好ましくは0.5以上かつ0.7以下の範囲とすると好適である。なお、凹部の深さが3種類以上ある場合には、最大深さのものをd1、最少深さのものをd2とする。
ローラ101の回転軸方向に垂直な断面において、周方向における領域Aの長さの和と領域Bの長さの和との比は、領域Bの長さの和を1としたとき、領域Aの長さの和が2以上かつ3以下の範囲となるように設定すると好適である。領域Bの長さの和が領域Aの長さの和に対して大きすぎる場合(例えば領域Aの長さの和より小さい場合)、領域Bのローレット形状が消失した時点でシートの搬送が不可能となる虞がある。また、領域Bの長さの和が領域Aの長さの和よりも小さすぎる場合、領域Bのローレット形状が消失しても搬送効率の低下が非常に小さなものとなってしまう。この場合、搬送センサ130へのシート到達タイミングからローラ101の摩耗を判断することが難しくなる可能性がある。
ローラ101の大きさは、軸方向長さが22mmで外径が18mmとする。ローラ101をピックアップローラ110として用いる場合、ピックアップバネ114(図3参照)の付勢力は、シートに対する当接圧の総荷重が200グラム重程度になるように設定すると好適である。また、ローラ101をフィードローラ111として用いる場合、リタードバネ118の付勢力は分離ニップ128におけるニップ圧の総荷重が400グラム重程度になるように設定すると好適である。
(変形例)
なお、寿命予兆検知の方法としては、搬送センサ130へのシート到達タイミングによって搬送効率の低下を検知する方法以外の方法を用いてもよい。例えば、ローラ101の表面が一定深さ以上の凹凸を有するか否かを検知する光学センサを設け、領域Bが平滑になった(凹凸の深さが閾値未満)と判断した際に寿命が間近であると判断する構成としてもよい。また、制御部260が自動的に寿命予兆検知を実行する構成に代えて、ユーザ又は保安員が、目視によりローラ101の領域Bにおけるローレット形状の有無を判断する構成としてもよい(図9(a)参照)。この場合、ローラ表面に凹凸があると不可視であり、ローラ表面が平滑になると視認可能となるマークを、領域Bに埋め込んでおくことが考えられる。
また、本実施例では、搬送センサ130へのシート到達タイミングによってローラ101の寿命が近いと判断した場合のアクション(S5)として、電子メールによる保安員への報知を行うものとして説明したが、他のアクションを行ってもよい。例えば、ローラ101の寿命が近いと判断した場合に、操作画面129にローラ101の交換を促す情報を表示させたり、保安員への連絡を推奨する情報を表示させてもよい。また、寿命が近いと判断されたローラ101を含むシート給送部30の使用頻度を下げ、可能な限り、同じサイズのシートが収納された別のシート給送部30を使用することで画像形成装置全体としての耐久性の向上を図ってもよい。
また、本実施例では、ローラ表面に互いに平行な溝が形成された凹凸形状の例として、凹部135がローラ101の回転軸方向(シート幅方向)に延びる溝形状であるものとして説明した。しかしながら、凹凸形状がローラ101の周方向に交差するように延びていれば、回転軸方向に対して傾斜していてもよい。例えば、ヘリカルギヤのようにらせん状の凹凸が複数配列された形状としてもよく、所謂山歯歯車(ダブルヘリカルギヤ)のように巻き方向が異なるらせん状の凹凸形状を組み合わせたものを用いてもよい。これらの場合であっても、シート幅方向から視た断面において、ローラ表面に複数の凸部と、深さの異なる複数の第1の凹部及び複数の第2の凹部とを有する形状であれば、本実施例と同様の効果を得ることができる。
上述した通り、本実施例のローラ101は、シート給送部30のピックアップローラ110及びフィードローラ111の一方又は両方に使用することができる。なお、ローラ101をピックアップローラ110及びフィードローラ111の一方のみに使用する場合、他方のローラは、表面が平滑なローラ、又は表面の凹凸形状の深さが周方向の全周に亘って一定のローラを用いることが可能である。
次に、第2の実施例(実施例2)について、図13の各図を用いて説明する。本実施例は、給送回転体として用いるローラ201の表面形状が上記実施例1と異なっている。その他の実施例1と共通する要素には、実施例1と同じ符号を付して説明を省略する。
図13(a)は、本実施例に係るローラ201の斜視図である。このローラ201は、コア234及び外周部233を有し、実施例1のローラ101と同様に、シート給送部30のピックアップローラ110及びフィードローラ111の一方、又はその両方に用いることができる。
図13(b)に示すように、外周部233の表面には、格子状の凸構造である山部238と、山部238によって区画された矩形状のセルである複数の凹部235と、が設けられている。図13(c)の断面図及び図13(d)の拡大断面図に示すように、幅方向(ローラ201の回転軸方向)から視た断面において、山部238は複数の凸部236となり、凹部235は隣り合う凸部236の間に形成された凹形状である。なお、凹部235を通過しない断面位置の場合、山部238は周方向の全域に亘る円周面となる。凹部235は、実施例1における凹部135と同様にシートの給送に伴って生じる紙粉を吸着し、山部238に対する紙粉の吸着による搬送効率の低下を低減する作用を有する。
ここで、図13(c)、(d)に示すように、ローラ201には、比較的深い凹部235a(第1の凹部)が設けられた領域A(第1領域)と、比較的浅い凹部235b(第2の凹部)が設けられた領域B(第2領域)とが設けられている。領域Bにおける凹部235bの深さd4は、領域Aにおける凹部235aの深さd3に比べて小さい(d4<d3)。領域A及び領域Bは、周方向に関して交互に配置される。また、領域Aの各々には複数の凹部235aが設けられ、領域Bの各々には複数の凹部235bが設けられている。その他、外周部233を構成するゴム素材や凹凸形状のピッチ、凹部235a,235bの深さの比(d4/d3)等の具体的構成については、実施例1と同様の値に設定可能である。
ローラ201を用いてシートの給送を繰り返すと、搬送センサ130へのシート到達タイミングは、実施例1と同様に“T0付近→T2付近→T3超え(給送不可能)”と段階的に変化する(図11参照)。即ち、一定枚数(N1)のシートを給送すると、山部238の摩耗により領域Bの凹凸形状が消失する一方、領域Aの凹凸形状が残った中間状態となる。この状態では、領域Bの搬送力が低下することでローラ201の搬送効率が低下するものの、領域Aによってシートの給送は可能である。従って、搬送センサ130へのシート到達タイミング(T2)は、初期のタイミング(T0)に比べて遅れるものの、T3より前となる。その後、シートの給送をさらに繰り返すと、領域Aの凹凸形状も消失してシートの給送が実質的に不可能な状態となる。
このように、本実施例のローラ201の形状を用いた場合も、シートの給送が高い頻度で失敗する状態に至る前に、ローラ201が寿命に近いことを検知することが可能である。
特に、本実施例において、幅方向から視た断面における複数の凸部236が、径方向外側から視て格子状の山部238を構成している(図13(b)、(d)参照)。つまり、ローラ201の外周面237を構成する山部238が、ローラ201の外周側から視て互いに独立した複数の凸形状ではなく、平面的に広がる形状となっている。ここで、紙粉の影響を低減するためには、上述した通り凹凸形状の周方向のピッチを小さくすることが効果的である(図8参照)。しかし、ピッチが小さくなる程シートに当接している凸部に応力が集中して凸部の変形量が大きくなり、周方向における凸部の端部のみがシートに当接する線接触に近い状態となって、ローラ201が所望の搬送力を発揮できない可能性がある。一方、本実施形態の構成によれば、山部238が格子状に形成されているから、格子のピッチに関係なく、山部238によって形成される外周面237がシートに対して面接触する。このため、山部238の格子のピッチを小さく設定して紙粉の付着を低減する作用と、シートを安定して搬送する作用とを高いレベルで両立することができる。
なお、山部238が構成する格子パターンは矩形状に限らず、例えば三角格子状であってもよく、径方向外側から視て円状の凹部(ディンプル)が周期的に配列されたパターンであってもよい。
次に、第3の実施例(実施例3)について、図14の各図を用いて説明する。本実施例は、給送回転体として用いるローラ301の表面形状が上記実施例1と異なっている。その他の実施例1と共通する要素には、実施例1と同じ符号を付して説明を省略する。
図14(a)は、本実施例に係るローラ301の斜視図である。このローラ301は、コア334及び外周部333を有し、実施例1のローラ101と同様に、シート給送部30のピックアップローラ110及びフィードローラ111の一方、又はその両方に用いることができる。
図14(b)に示すように、外周部333の表面には、ローラ301の回転軸方向(シートの幅方向)及び周方向について規則的に配列された複数の凸部336と、凸部336を区画する格子状の底部339と、が設けられている。図14(c)の断面図及び図14(d)の拡大断面図に示すように、幅方向(ローラ301の回転軸方向)から視た断面において、底部339は隣り合う凸部336の間に形成された凹部335となる。言い換えると、凹部335a,335bは、ローラ301の外周側から視たとき、凸部336を区画する格子状の面を構成している。凸部336の径方向外側の端面は、ローラ301がシートに当接する円筒状の外周面337を構成している。なお、凸部336を通過しない断面位置の場合、底部339がローラ301の外周となる。凹部335は、実施例1における凹部135と同様にシートの給送に伴って生じる紙粉を吸着し、凸部336に対する紙粉の吸着による搬送効率の低下を低減する作用を有する。
ここで、図14(c)、(d)に示すように、ローラ301には、比較的深い凹部335a(第1の凹部)が設けられた領域A(第1領域)と、比較的浅い凹部335b(第2の凹部)が設けられた領域B(第2領域)とが設けられている。領域A及び領域Bは、周方向に関して交互に配置される。領域Bにおける凹部335bの深さd6は、領域Aにおける凹部335aの深さd5に比べて小さい(d6<d5)。また、領域Aの各々には複数の凹部335aが設けられ、領域Bの各々には複数の凹部335bが設けられている。その他、外周部333を構成するゴム素材や凹凸形状のピッチ、凹部335a,335bの深さの比(d6/d5)等の具体的構成については、実施例1又は2と同様の値に設定可能である。
ローラ301を用いてシートの給送を繰り返すと、搬送センサ130へのシート到達タイミングは、実施例1と同様に“T0付近→T2付近→T3超え(給送不可能)”と段階的に変化する(図11参照)。即ち、一定枚数(N1)のシートを給送すると、凸部336の摩耗により領域Bの凹凸形状が消失する一方、領域Aの凹凸形状が残った中間状態となる。この状態では、領域Bの搬送力が低下することでローラ301の搬送効率が低下するものの、領域Aによってシートの給送は可能である。従って、搬送センサ130へのシート到達タイミング(T2)は、初期のタイミング(T0)に比べて遅れるものの、T3より前となる。その後、シートの給送をさらに繰り返すと、領域Aの凹凸形状も消失してシートの給送が実質的に不可能な状態となる。
このように、本実施例のローラ301の形状を用いた場合も、シートの給送が高い頻度で失敗する状態に至る前に、ローラ301が寿命に近いことを検知することが可能である。
(その他の実施形態)
以上、給送回転体の表面形状の具体例を実施例1~3を用いて説明したが、シートの幅方向から視た少なくとも一部の断面において、比較的深い第1の凹部と比較的浅い第2の凹部とが配置される表面形状であれば、上記実施例と同様の効果を得られる。
この場合において、第1の凹部が配置される第1領域と、第2の凹部が配置される第2領域とがある程度の幅を有し、各領域に複数の第1の凹部又は第2の凹部がまとまって配置される構成が好ましい。これは、例えば第1の凹部と第2の凹部とが周方向において1つずつ交互に配置されていた場合、摩耗によって第2の凹部が消失した際に、残された凹凸形状のピッチ(第1の凹部と第1の凹部の間隔)が広くなってしまうためである。この場合、第1の凹部が残っているにも関わらず、その間隔が広すぎることで紙粉の影響を低減できず、シートに付与する搬送力が低下してしまう(図8参照)。そして、このような搬送力の低下は周方向の全域に亘って生じてしまい、図10に示すような周方向の位置によって搬送力に差が生じた状態とはならない可能性がある。結果として、搬送力がシートの搬送に必要な大きさ(Fn)を超えていれば搬送効率の低下を搬送センサ130によって検知することが難しく、搬送力がFnを下回っていればシートの給送が実質的に不可能となる虞がある。
一方、各領域に複数の第1の凹部又は第2の凹部がまとまって配置されていれば、第2の凹部が消失しても、少なくとも第1領域については第1の凹部同士の間隔が初期と変わらない。このため、第2の凹部が消失し、第1の凹部が残っている中間状態において、シートの給送に必要な搬送力を確保することができる。
なお、深さが異なる凹部を備えていても、表面を荒らし加工されたローラのように凹部の深さの分布がランダムに近い構成では実施例1~3のような効果は得られない。これは、凹部の深さがランダムであると、シートの給送を繰り返すことで、周方向の全域に亘って浅い凹部から順に消失してしまい、図10に示すような周方向の位置によって搬送力に差が生じた状態とはならないためである。即ち、シートの幅方向から視た断面において、比較的深い第1の凹部と比較的浅い第2の凹部とが、それぞれ複数設けられた表面形状であることが必要である。
上記実施例1~3では、凹部の深さが2段階で設定されているが、3段階以上の設定として、第1及び第2の深さとは異なる第3の深さの凹部を設けてもよい。
上記実施例1~3で例示したローラ101,201,301は給送回転体の一例であり、ローラ部材に張架されて回転することでシートを給送するベルト部材の表面に各実施例で例示した表面形状を設けてもよい。また、ローラ101,201,301は、ピックアップローラ110及びフィードローラ111の両方を備える上述の給送ユニット100とは別の給送構成にも用いることができる。例えば、1つのローラ部材が、シート支持部に支持されたシート及びローラ部材に対向する分離部材の両方に当接するように配置され、シート支持部からシートを送り出す役割と、シートを分離しながら搬送する役割を兼ねる構成であってもよい。
また、上述のシート給送部30はシート給送装置の一例であり、例えば、画像読取装置202において原稿となるシートを給送するためのシート給送装置に本技術を適用してもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1…画像形成装置/30,250…シート給送装置(シート給送部、手差しシート給送部)/101,201,301…給送回転体(ローラ)/110…給送回転体、第1ローラ(ピックアップローラ)/111…給送回転体、第2ローラ(フィードローラ)/112…分離部材(リタードローラ)/119…シート支持部(中板)/129…表示手段(操作画面)/130…シート検知手段(搬送センサ)/131…通信手段(ネットワークI/F)/135a,235a,335a…第1の凹部(凹部)/135b,235b,335b…第2の凹部(凹部)/136,236,336…凸部/137,237,337…外周面/260…制御手段(制御部)/A…第1領域/B…第2領域/d1,d3,d5…第1の深さ/d2,d4,d6…第2の深さ

Claims (15)

  1. シートに当接して回転し、シートを給送する給送回転体であって、
    前記給送回転体の回転方向に直交する幅方向から視た断面において、
    前記給送回転体の外周部に、複数の第1領域と複数の第2領域とが前記回転方向に交互に配置され、
    前記複数の第1領域の各々は、前記回転方向の複数の位置に設けられた複数の第1の凸部と、前記複数の第1の凸部の中で前記回転方向に隣り合う2つの第1の凸部の間にそれぞれ配置された複数の第1の凹部と、を有し、
    前記複数の第2領域の各々は、前記回転方向の複数の位置に設けられた複数の第2の凸部と、前記複数の第2の凸部の中で前記回転方向に隣り合う2つの第2の凸部の間にそれぞれ配置された複数の第2の凹部と、を有し、
    前記複数の第1の凸部及び前記複数の第2の凸部は、シートに当接する前記給送回転体の外周面を形成しており
    前記複数の第1の凹部は、前記外周面に対して第1の深さとなるように凹んでおり、
    前記複数の第2の凹部は、前記外周面に対して前記第1の深さより浅い第2の深さとなるように凹んでおり
    前記第1の深さに対する前記第2の深さの比が、0.4以上かつ0.8以下である、
    ことを特徴とする給送回転体。
  2. 前記幅方向から視た断面において、前記回転方向における前記複数の第2領域の長さの和を1としたとき、前記回転方向における前記複数の第1領域の長さの和が2以上かつ3以下の範囲となるように、前記第1領域および前記第2領域が配置されている、
    ことを特徴とする請求項に記載の給送回転体。
  3. 前記給送回転体の外周側から視て、
    前記複数の第1の凹部及び前記複数の第2の凹部は、いずれも前記回転方向に交差する方向に延びる溝形状である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の給送回転体。
  4. 前記溝形状は、前記幅方向における前記給送回転体の両端部に亘って前記幅方向と平行に延びている、
    ことを特徴とする請求項に記載の給送回転体。
  5. 前記複数の第1の凸部及び前記複数の第2の凸部は、前記給送回転体の外周側から視て格子状の前記外周面を形成しており、
    前記複数の第1の凹部及び前記複数の第2の凹部は、いずれも前記格子状の前記外周面によって区画された凹形状である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の給送回転体。
  6. 前記複数の第1の凸部及び前記複数の第2の凸部は、前記給送回転体の外周側から視て互いに独立に配置された凸形状であり、
    前記複数の第1の凹部は、前記外周面に対して前記第1の深さの位置で、前記給送回転体の外周側から視て前記凸形状を区画する格子状の面を形成しており、
    前記複数の第2の凹部は、前記外周面に対して前記第2の深さの位置で、前記給送回転体の外周側から視て前記凸形状を区画する格子状の面を形成している、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の給送回転体。
  7. 前記第1の深さに対する前記第2の深さの比が、0.5以上かつ0.7以下である、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の給送回転体。
  8. シートを支持するシート支持部と、
    前記シート支持部からシート給送方向にシートを給送する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の給送回転体と、
    前記シート給送方向における前記給送回転体より下流の位置においてシートを検知するシート検知手段と、
    前記シート検知手段の検知結果に基づいて、前記給送回転体を交換する必要があることを報知する報知動作を実行可能な制御手段と、を備える、
    ことを特徴とするシート給送装置。
  9. 前記制御手段は、前記給送回転体の回転を開始させてから、前記シート検知手段がシートを検知するまでの経過時間が、予め設定されている時間長さを超えた場合に前記報知動作を実行する、
    ことを特徴とする請求項に記載のシート給送装置。
  10. 外部機器と通信するための通信手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記報知動作において、前記給送回転体の交換を促す情報を外部機器に表示させるための信号を、前記通信手段を介して外部機器に送信する、
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載のシート給送装置。
  11. 情報を表示する表示手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記報知動作において、前記給送回転体の交換を促す情報を前記表示手段に表示させる、
    ことを特徴とする請求項乃至10のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  12. 前記給送回転体は、前記シート支持部の上方に配置され、前記シート支持部に支持されたシートの上面に当接して回転し、シートを前記シート支持部から送り出す第1ローラを含む、
    ことを特徴とする請求項乃至11のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  13. シートを分離するための分離部材をさらに備え、
    前記給送回転体は、前記分離部材に当接し、前記分離部材との間に形成されたニップ部においてシートを分離しながらシートを給送する第2ローラを含む、
    ことを特徴とする請求項乃至12のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  14. シートを支持するシート支持部と、
    前記シート支持部に支持されたシートに当接して回転し、シートを給送するローラ部材と、
    前記ローラ部材のシート給送方向における前記ローラ部材より下流の位置において、シートを検知するシート検知手段と、
    前記シート検知手段の検知結果に基づいて、前記ローラ部材を交換する必要があることを報知する報知動作を実行可能な制御手段と、を備え、
    前記ローラ部材は、前記ローラ部材の回転方向に直交する幅方向から視た断面において、
    前記ローラ部材の回転軸を中心とする円筒面に沿って、シートに当接する外周面を形成する複数の凸部と、
    前記複数の凸部の間で、前記回転軸に対する径方向の内側に向かって、前記外周面に対して第1の深さとなるように凹んだ複数の第1の凹部と、
    前記ローラ部材の回転方向において前記第1の凹部とは異なる位置に設けられ、前記複数の凸部の間で、前記回転軸に対する径方向の内側に向かって、前記外周面に対して前記第1の深さより浅い第2の深さとなるように凹んだ複数の第2の凹部と、を有し、
    前記ローラ部材は、前記第1の凹部が設けられた複数の第1領域と、前記第2の凹部が設けられた複数の第2領域とが、前記ローラ部材の回転方向において交互に配置され、かつ、前記複数の第1領域の各々に前記第1の凹部が複数設けられ、前記複数の第2領域の各々に前記第2の凹部が複数設けられている、
    ことを特徴とするシート給送装置。
  15. 請求項乃至14のいずれか1項に記載のシート給送装置と、
    前記シート給送装置によって給送されるシートに画像を形成する画像形成手段と、を備える、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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