JP3429878B2 - 給紙ローラ及び給紙装置 - Google Patents

給紙ローラ及び給紙装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摩擦を利用した給紙ロ
ーラ及びこのローラを使用した給紙装置に係り、更に詳
しくは特に複写機、レーザープリンター、ファクシミリ
等のOA機器における給紙装置において使用される用紙
への耐汚染性、給紙特性に優れた給紙ローラ及び給紙装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機、プリンター等に搭載
される給紙装置はゴムローラの摩擦を利用した給紙機構
が用いられている。図16は、このような装置を例を示
すものである。用紙トレイ上に積まれた用紙1の上にピ
ックアップローラ(給紙ローラ)2が圧接状態で備えら
れ、このピックアップローラ(給紙ローラ)2が回転し
て用紙1を送り出し、続いて設置されたフィードローラ
(給紙ローラ)3で更に用紙1を送り出し、用紙1が重
送された場合にはリバースローラ(給紙ローラ)4が反
給紙方向に回転して重送された用紙の下の用紙を停止さ
せる機構を有している。上記給紙機構に搭載される給紙
ローラ2〜4は、高い摩擦係数を得るために多量のオイ
ルを含ませ低硬度化を図ったゴム材を配材し、これにロ
ーラ外周面を研磨加工によって粗面化し、高い摩擦係数
を発現することにより確実な給紙を行おうとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような多量のオイルを含んだゴム材を配材した給紙ロ
ーラはオイルの移行が起こり製品の性能上、外観上の問
題や用紙汚染を引き起こす。又、上記したようにローラ
外周面を研磨加工によって粗面化することにより高い摩
擦係数が得られることは周知の通りであるがどのような
研磨加工を施せば高い摩擦係数を、しかも安定に発現で
きるのかは提案されていない。したがって、研磨加工に
よって初期の摩擦係数の高い給紙ローラは得られている
が長期間の使用中もその摩擦係数が安定して発現される
給紙ローラは得られていない実情である。
【0004】上記したような外周面を研磨加工によって
粗面化した給紙ローラ(フィードローラとリバースロー
ラ、ピックアップローラ)の組合せでは、使用中にロー
ラが用紙にこすられることによるローラの摩耗が起こり
やすく、又紙粉の付着によってローラの摩擦係数が変化
して用紙搬送力が低下したり、異常すべりによりローラ
の局部的な摩耗(偏摩耗)が起こり用紙搬送が出来なく
なることがある。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、長期間の使用中も外観汚染や用紙汚染を引き起こす
こともなく、また偏摩耗を起こすこともなく、耐摩耗性
に優れ安定した摩擦係数を発現することによって確実な
給紙が行える給紙ローラ及び該給紙ローラを搭載した給
紙装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の給紙ローラは、ローラ外周面層が、低分子
材と媒体材とを含む低分子材保持媒体材複合物(A)と
ゴム材料(B)とを含むゴム組成物から成り、低分子材
が100℃において5×105 センチポイズ以下の粘度
を有し、低分子材と媒体材の各々の溶解度パラメーター
値の差が3.0以下であるとともに、両材の重量比が
1.0以上であり、低分子材とゴム材料(B)の各々の
溶解度パラメーター値の差が4.0以下であり、該低分
子材と該ゴム材料の重量比が0.3以上であり、該媒体
材が三次元連続の網状骨格構造を有するブタジエン重合
体の水素添加物又はブタジエン−スチレン共重合体の水
素添加物であり、該ゴム材料が、エチレンプロピレンゴ
ム、エチレンプロピレンジエン三元共重合体ゴム、天然
ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタ
ジエンゴム、ポリノルボルネンゴム又はそれらのブレン
ドゴムであり、用紙に接触する外周面に摩耗減衰用の多
数の溝および搬送力保持のための、断面が非対称波形形
状をなす多数の溝山とを紙搬送方向と直角に形成し、外
周面に形成された多数の溝が、この溝の幅をW、深さを
H、溝間隔をLとし、かつ断面が非対称波形形状をなす
多数の溝山がこの溝山の間隔をP、溝底から山頂までの
水平距離をl、溝山の高さをtとすると 0.1mm≦W≦2mm 0.5mm≦H≦2mm 1 mm≦L≦20mm かつ 0.05mm≦P≦2mm −0.05≦l/P≦0.5 0.02mm≦t≦0.5mm となるように形成したものである。また、この給紙装置
はこのような給紙ローラを使用したものである。
【0007】
【作用】本発明において給紙ローラに配材される低硬度
ゴム材料は、低分子材保持媒体材複合物(A)をゴム材
料(B)に混合したゴム組成物であり、混合比によって
ゴム組成物の硬度を容易に設計コントロールでき、低硬
度化の役割を担う低分子材が媒体材に保持された複合物
(A)としてゴム材料(B)に分散しているため、低分
子材のブリードも極めて少ない。したがって得られる給
紙ローラは外観汚染、用紙汚染の極めて少ないものとな
る。
【0008】また、弾性体と剛体(紙を含む)とを摩擦
接触させると、弾性体表面で振動数が10Hzオーダー
のスティックスリップ振動と、スティックスリップ振動
によって誘発される高周波微振動(500〜1000H
zのオーダー)が発生する。この高周波微振動により弾
性体表面に最初のミクロクラックが発生し、ミクロクラ
ックは弾性体の摩耗面全体に広がっていく。発生したミ
クロクラックはスティックスリップ振動によって急速に
成長し、定常的なアブレージョンパターンになる。この
ように周期的な模様であるアプレージョンパターンを発
生させ、成長させるのは周期的な外力すなわち弾性体と
剛体とが摩擦接触するときに発生する弾性体固有の2種
類の振動であり、これらの振動は表面波となって弾性体
の接触面全体をおおう。このような表面波は接触面に所
定の溝を多数形成することで減衰させることができるの
で、このような溝の形成により耐摩耗性向上、耐偏摩耗
性向上が図れる。
【0009】しかし乍らそれでも、摩擦によって給紙ロ
ーラ(ゴム)は確実に摩耗していくために接触面(摩擦
面)の状態も使用初期と使用経過時とでは変化し、そこ
で発現される摩擦係数も摩耗の進行によって変わってし
まう。従って、研磨加工によって高い摩擦係数を発現す
る接触面を形成しても、その高い摩擦係数を発現するの
は初期だけで使用経過によって接触面状態(形状)が変
化し、発現する摩擦係数も変化(通常は低下)してしま
う。これは摩耗という現象がきわめて複雑で使用時の摩
耗によって接触面に形成される接触面状態(形状)の予
測がきわめて困難なためによる。
【0010】弾性体と剛体(紙を含む)との摩擦接触に
より発生したミクロクラックは急速に成長し定常的なア
ブレージョンパターンになるが、周期的な波形模様であ
るアブレージョンパターンは摩擦条件によってその周期
的なピッチ間隔および深さが決定されるため一定の摩擦
条件下(使用条件下)では、初期の摩擦面形状がどんな
ものであってもいずれはこの摩擦条件によって決定され
たアブレージョンパターン形状になる。つまり初期の摩
擦係数は初期の摩擦面形状によって発現されるが、摩耗
の進行とともに新たにアブレージョンパターンが形成さ
れるとここで発現される摩擦係数は、形成されたアブレ
ージョンパターンによることになり、初期の摩擦係数と
は変化してしまう。従って、使用時に形成される、この
アブレージョンパターン形状を予め摩擦面に与えておけ
ば、使用初期から使用経過時、使用末期に至るどの過程
でも常に同じ摩擦面形状を保持できるため、安定した摩
擦係数を発現できる。そして、使用時に形成されるアブ
レージョンパターン形状は給紙ローラを構成するゴム材
料の耐摩耗性および使用時にローラにかかる負荷の大き
さにより決定され、摩擦を利用した給紙機構に基づく給
紙装置での使用条件下では前述記載の形状および寸法内
のアブレージョンパターンが形成される。
【0011】
【実施例】以下に、この発明の好適な実施例である給紙
ローラ5について、図面に基づき説明する。この給紙ロ
ーラ5は低分子材と媒体材とを含む低分子材保持媒体材
複合物(A)とゴム材料(B)とを含むゴム組成物から
成る。本発明の低分子材としては100℃における粘度
が5×105 センチポイズ以下、効果の点から好ましく
は1×105 センチポイズ以下の材料である。分子量の
観点から付言すれば低分子材の数平均分子量は20、0
00以下、効果の点から好ましくは10、000以下、
より好ましくは5、000以下である。通常、室温で液
体又は液体状の材料が好適に用いられる。また、親水
性、疎水性のいずれの低分子材も使用できる。
【0012】低分子材としては前記の条件を満たすもの
であればすべて使用でき、特に制限されないが例示すれ
ば次のような材料を挙げることができる。 軟化材:鉱物油系、植物油系、合成油系等の各種ゴム
用或いは樹脂用軟化剤。鉱物油系としては、アロマティ
ック系、ナフテン系、パラフィン系等のプロセス油等が
挙げられる。植物油系としては、ひまし油、綿実油、あ
まに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生
油、木ろう、パインオイル、オリーブ油等が挙げられ
る。合成油系としては、アロマティック系等が挙げられ
る。 可塑剤:フタル酸エステル、フタル酸混基エステル、
脂肪族二塩基酸エステル、グリコールエステル、脂肪酸
エステル、リン酸エステル、ステアリン酸エステル等の
各種エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、その他プラ
スチック用可塑剤又は、フタレート系、アジペート系、
セバケート系、フォスフェート系、ポリエーテル系、ポ
リエステル系等のNBR用可塑剤。 粘着付与剤:クマロン樹脂、クマロン−インデン樹
脂、フェノールテルペン樹脂、石油系炭化水素、ロジン
誘導体等の各種粘着付与剤(タッキファイヤー)。 オリゴマー:クラウンエーテル、含フッ素オリゴマ
ー、ポリイソブチレン、キシレン樹脂、塩化ゴム、ポリ
エチレンワックス、石油樹脂、ロジンエステルゴム、ポ
リアルキレングリコールジアクリレート、液体ゴム(ポ
リブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン
−アクリロニトリルゴム、ポリクロロプレン等)、シリ
コーン系オリゴマー、ポリ−α−オレフィン等の各種オ
リゴマー。 滑剤:パラフィン、ワックス等の炭化水素系滑剤、高
級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミ
ド、アルキレンビス脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド系滑
剤、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコ
ールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル等のエス
テル系滑剤、脂肪酸アルコール、多価アルコール、ポリ
グリコール、ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、
金属石鹸、混合系滑剤等の各種滑剤。
【0013】その他、ラテックス、エマルジョン、液
晶、瀝青組成物、粘土、天然のデンプン、糖、更に無機
系のシリコンオイル、フォスファゼンなども低分子材と
して適している。更に、牛油、豚油、馬油等の動物油、
鳥油或いは魚油:はちみつ、果実、又はチョコレート、
ヨーグルト等の乳製品系、炭化水素系、ハロゲン化炭化
水素系、アルコール系、フェノール系、エーテル系、ア
セタール系、ケトン系、脂肪酸系、エステル系、窒素化
合物系、硫黄化合物系等の有機溶剤:或いは、種々の薬
効成分、土壌改質材、肥料類、石油類、水、水溶液が適
している。これらの成分は1種で用いても2種混合して
も良い。
【0014】低分子材はゴム組成物の要求特性、用途、
また本発明の他の成分である媒体材、ゴム材料との相溶
性等を勘案して、最適なものが選択され、最適な量で使
用される。
【0015】本発明における媒体材とは、低分子材とゴ
ム材料との媒体としての機能を有する材料であり、本発
明の目的達成に重要な成分である。詳しくは、多量の低
分子材とゴム材料との均一な組成物を可能とするため、
多量低分子材と媒体材を用いて、多量の低分子材を保持
した低分子材保持媒体材複合物を先ず得て、これとゴム
材料との組合せで目的とする多量の低分子材を保持した
高分子組成物を得ようとするものである。低分子材と媒
体材とゴム材料とを同時に混合しても均一な、低弾性率
のゴム組成物とはなり得ない。また、多量の低分子材と
ゴム材料を直接混合し、多量の低分子材を含むゴム材料
を得ようとしても、低分子材が均一に混合し得ず、また
ブリードし易いことがしばしば起こり、目的とする低弾
性率のゴム組成物は得られない。ここで、前記した低分
子材を“保持する”とは低分子材が媒体材及びゴム材料
に均一に分散し、ブリードしないか、ブリードが抑制さ
れることを意味するものである。勿論、ゴム組成物の目
的によってはブリードの程度をコントロールすることも
容易に行うことができる。最終的に、この低分子材保持
媒体材複合物がゴム材料との混合時に、この中に均一分
散する統一的なメカニズムは必ずしも明らかではないが
この複合物の多くは微小粒に分断した状態でゴム材料中
に保持されるものと考えられる。
【0016】本発明の媒体材は前記したような機能を有
する、多量の低分子材を保持する複合物を形成する材料
であれば、すべて使用することができるが通常、熱可塑
性の高分子材料又はこの高分子材料を構成要素とする各
種材料が用いられる。
【0017】媒体材としては例えば、スチレン系(ブタ
ジエンスチレン系、イソプレンスチレン系等)、塩化ビ
ニル系、オレフィン系(ブタジエン系、イソプレン系、
エチレンプロピレン系等)、エステル系、アミド系、ウ
レタン系などの各種熱可塑性エラストマー、並びに、そ
れらの水素添加物、その他による変性物、スチレン系、
ABS系、オレフィン系(エチレン系、プロピレン系、
エチレンプロピレン系、エチレンスチレン系、プロピレ
ンスチレン系等)、アクリル酸エステル系(アクリル酸
メチル系等)、メタクリル酸エステル系(メタクリル酸
メチル系等)、カーボネイト系、アセタール系、ナイロ
ン系、ハロゲン化ポリエーテル系(塩化ポリエーテル系
等)、ハロゲン化オレフィン系(塩化ビニル系、四フッ
化エチレン系、フッ化−塩化エチレン系、フッ化エチレ
ンプロピレン系等)、セルロース系(アセチルセルロー
ス系、エチルセルロース系等)、ビニリデン系、ビニル
ブチラール系、アルキレンオキサイド系(プロピレンオ
キサイド系等)等の熱可塑性樹脂、及びこれらの樹脂の
ゴム変性物などが挙げられる。中でも熱可塑性エラスト
マーが効果の点から好ましく使用される。
【0018】この中で結晶構造、凝集構造などの硬質ブ
ロックを形成しやすい部分と、アモルファス構造などの
軟質ブロックとを一緒にもち合わせているものが好まし
い。
【0019】本発明における低分子材、媒体材及び低分
子材保持媒体材複合物に関して、一部、特開平5−23
9256号公報及び特開平5−194763号公報に記
載されている。媒体材としてはこの公報に開示された三
次元連続の網状骨格構造を有するものが本発明において
も、代表的なものとして、好適に使用され、例えばブタ
ジエン重合体の水素添加物、ブタジエン−スチレン共重
合体の水素添加物及びエチレン−プロピレン系共重合体
等が挙げられ、中でも、ブタジエン重合体の水素添加
物、ブタジエン−スチレン共重合体の水素添加物が更に
好ましい。前記ブタジエン重合体の水素添加物はこの重
合体の水素添加率が90%以上のものが好ましく用いら
れる。この水素添加物は出発重合体であるブタジエン重
合体の1,4結合と1,2結合の組成及びその組成分布
により、種々の分子構造をとることができる。この分子
構造によって、水素添加物は1分子鎖中に結晶性、アモ
ルファス性並びに結晶性とアモルファス性とを合せもつ
特性等種々の結晶特性のセグメントを含むことができ
る。
【0020】この水素添加物の結晶特性のセグメントは
具体的には、(1) 1,4結合ブタジエン単位の水素添加
に基づく、エチレン単位を主として含むエチレンブロッ
クからなる結晶性セグメント(S1)、(2) 1,4結合
ブタジエン単位と1,2結合ブタジエン単位の水素添加
に基づく、各々エチレン単位とブチレン単位を主として
含むブロックからなるアモルファス性セグメント(S
2)等を挙げることができる。
【0021】本発明におけるブタジエン重合体の水素添
加物は結晶性とアモルファス性とを併せもつ結晶特性の
セグメントを有することが好ましい。
【0022】中でも、前記エチレンブロックからなる結
晶性セグメント(S1)と前記エチレン単位とブチレン
単位を含むブロックからなるアモルファス性セグメント
(S2)とを併せもつものが好ましい。この場合、1分
子鎖中の前記エチレンブロックは1つのブロックでも、
又は2つ以上のマルチブロックとして存在してもよい。
また、1分子鎖中の前記エチレンブロックの割合は5〜
80%、効果の点から、好ましくは10〜70%であ
る。さらに、この水素添加物の数平均分子量は3×10
4 以上、効果の点から、好ましくは5×104 以上であ
る。
【0023】前記ブタジエン−スチレン共重合体の水素
添加物はこの共重合体の水素添加率が90%以上のもの
が好ましく用いられる。この水素添加物は出発共重合体
のブタジエン部の1,4結合、1,2結合及びスチレン
部の組成及びその組成分布により、種々の分子構造をと
ることができる。この分子構造によって、水素添加物は
1分子鎖中に結晶性、凝集性、アモルファス性、結晶性
とアモルファス性とを併せもつ特性、凝集性とアモルフ
ァス性とを併せもつ特性並びに結晶性と凝集性とアモル
ファス性とを併せもつ特性等種々の結晶特性のセグメン
トを含むことができる。
【0024】この水素添加物の結晶特性のセグメントは
具体的には、(1) 1,4結合ブタジエン単位の水素添加
に基づく、エチレン単位を主として含むエチレンブロッ
クからなる結晶性セグメント(S1)、(2) 1,4結合
ブタジエン単位と1,2結合ブタジエン単位の水素添加
に基づく、各々エチレン単位とブチレン単位を主として
含むブロックからなるアモルファス性セグメント(S
2)、(3) スチレン単位を主として含むスチレンブロッ
クからなる凝集性セグメント(S3)、(4) 1,2結合
ブタジエン単位とスチレン単位の水素添加に基づく、各
々ブチレン単位とスチレン単位を主として含むブロック
からなるアモルファス性セグメント(S4)、(5) 1,
4結合ブタジエン単位と1,2結合ブタジエン単位とス
チレン単位の水素添加に基づく、各々エチレン単位とブ
チレン単位とスチレン単位を主として含むブロックから
なるアモルファス性セグメント(S5)等を挙げること
ができる。
【0025】本発明におけるブタジエン−スチレン共重
合体の水素添加物は結晶性とアモルファス性とを併せも
つ特性、凝集性とアモルファス性とを併せもつ特性並び
に結晶性と凝集性とアモルファス性とを併せもつ特性等
の結晶特性のセグメントを有することが好ましい。
【0026】中でも、次の水素添加物等が好ましく用い
られる。前記エチレンブロックからなる結晶性セグメン
ト(S1)と前記エチレン単位とブチレン単位とスチレ
ン単位を含むブロックからなるアモルファス性セグメン
ト(S5)とを併せもつ水素添加物の場合、1分子鎖中
の前記エチレンブロックは1つのブロックでも、又は2
つ以上のマルチブロックとして存在してもよい。また、
1分子鎖中の前記エチレンブロックの割合は5〜80
%、効果の点から、好ましくは10〜70%である。さ
らに、この水素添加物の数平均分子量は3×104
上、効果の点から、好ましくは5×104 以上である。
【0027】前記スチレンブロックからなる凝集性セグ
メント(S3)と前記エチレン単位とブチレン単位を含
むブロックからなるアモルファス性セグメント(S2)
とを併せもつ水素添加物の場合、1分子鎖中の前記スチ
レンブロックは2つ以上のマルチブロックとして存在す
ることが好ましい。また、1分子鎖中の前記スチレンブ
ロックの割合は5〜60%、効果の点から、好ましくは
10〜50%である。さらに、この水素添加物の数平均
分子量は3×104 以上、効果の点から、好ましくは5
×104 以上である。
【0028】前記エチレンブロックからなる結晶性セグ
メント(S1)と前記スチレンブロックからなる凝集性
セグメント(S3)と前記エチレン単位とブチレン単位
を含むブロックからなるアモルファス性セグメント(S
2)及び/又は前記エチレン単位とブチレン単位とスチ
レン単位を含むブロックからなるアモルファス性セグメ
ント(S5)とを併せもつ水素添加物の場合、1分子鎖
中の前記エチレンブロック、前記スチレンブロック及び
前記アモルファス性セグメントはいずれも1つのブロッ
クでも、又は2つ以上のマルチブロックとして存在して
もよい。また、1分子鎖中の前記アモルファス性セグメ
ントの割合は20〜90%、効果の点から、好ましくは
30〜85%である。さらに、この水素添加物の数平均
分子量は3×104 以上、効果の点から、好ましくは5
×104 以上である。
【0029】前記エチレン−プロピレン系共重合体には
エチレン−プロピレン二元共重合体及びエチレン−プロ
ピレン−ジエン三元共重合体が好適に含まれる。好まし
いエチレン−プロピレン系共重合体としては、エチレン
単位を主として含むエチレンブロックからなる結晶性セ
グメントの割合が5〜60%、効果の点から7〜50%
である共重合体及びプロピレン単位を主として含むプロ
ピレンブロックからなる結晶性セグメントの割合が5〜
60%、効果の点から7〜50%である共重合体等を挙
げることができる。
【0030】これらブタジエン重合体の水素添加物、ブ
タジエン−スチレン共重合体の水素添加物及びエチレン
−プロピレン系共重合体等のような各種熱可塑性エラス
トマーは主に単独で用いられるが、2種以上をブレンド
して用いてもよい。
【0031】本発明における媒体材は特に制限されない
が通常のバルク状、粒状、ゲル状、フォーム状、不織布
状等の使用形態をとることができる。また、低分子材を
包含するカプセルを内蔵した形態でも用いることができ
る。
【0032】また、多量の低分子材と媒体材を含む低分
子材保持媒体材複合物を得るに当たっては、用いる低分
子材と媒体材の各々の溶解度パラメーター値の差が3以
下、効果の点から好ましくは2.5以下となるよう、両
材料が選択される。この差が3を越えると相溶性の点か
ら、低分子材を多量に保持されにくく、ゴム組成物の低
弾性率化に障害となり、また、低分子材のブリードが発
生し易くなるので、好ましくない。
【0033】さらに、低分子材と媒体材の重量比は1.
0以上であり、効果の点から2.0以上が好ましく、
3.0以上がさらに好ましい。この重量比が1.0未満
では非常に低弾性率のゴム組成物を得ることが困難とな
り、本発明の目的を達成することはできない。
【0034】低分子材と媒体材を含む複合物の生成方法
は低分子材及び媒体材の種類、特性、混合割合等によ
り、公知の方法を含む最適な方法を用いればよく、特に
制限されない。前出の特開平5−239256号公報に
記載の方法も1つの方法である。
【0035】給紙ローラ5に用いるゴム材料(B)は給
紙装置に搭載される給紙ローラ5として使用される環境
条件や要求性能の点から、エチレンプロピレンゴム、エ
チレンプロピレンジエン三元共重合体ゴム、天然ゴム、
イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエン
ゴム、ポリノルボルネンゴムを単独あるいはブレンドし
て用いる。
【0036】本発明に係る給紙ローラ5においては、低
分子材とゴム材料(B)の各々の溶解度パラメーター値
の差が4.0以下、好ましくは3.0以下となるよう
に、両材料が選択される。低分子材は低分子材保持媒体
材複合物(A)の形でゴム材料(B)と混合されるが、
この場合も低分子材とゴム材料(B)の相溶性が問題と
なる。このパラメーターの差が4.0を越えると相溶性
の点から前記複合物(A)中に多量に保持された低分子
材はゴム材料(B)中に保持されにくく、ゴム組成物の
硬度の低下に支障をきたし、また低分子材のブリードが
発生し易くなるので好ましくない。
【0037】低分子材保持媒体材複合物(A)とゴム材
料(B)の混合方法は制限されないが、両者の特性、混
合割合等により、公知の方法を含む最適な方法を採用す
ればよい。これにより本発明に係る給紙ローラ5のゴム
組成物が容易に得られる。
【0038】ゴム組成物は低硬度領域で、所望の硬度に
コントロールすることができる。例えば、測定温度25
℃におけるアスカーC硬度で、10以下の超低硬度化も
容易に達成できる。
【0039】ゴム組成物に添加物(硫黄、ペルオキシド
等)、加硫促進剤(テトラメチルチウラムモノサルファ
イド(ノクセラーTS)、メルカプトベンゾチアゾール
(ノクセラーM)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチ
アジルサルフェンアミド(ノクセラーCZ)、ジフェニ
ルグアニジン(ノクセラーG)等)、加硫助剤(エチレ
ングリコールジメタクリレート(EDMA)、トリアリ
ルイソシアヌレート(TAIC)、N,N′−m−フェ
ニレンジマレイミド(バルノックPM)等)、各種充填
剤(カーボンブラック、ホワイトカーボン、白蝋華CC
等)、老化防止剤(スチレン化フェノール(アンテージ
SP−P)、2,6ジーターフャルブチル−4−メチル
フェノール(ノクラック200)、ジブチルハイドロゲ
ンホスファイト(DBP)等)、の一般的な配合剤及び
帯電防止剤(導電性カーボン(ケッチェンブラックE
C)、白色導電粉等)を含有して加硫することにより本
発明の給紙装置に搭載される給紙ローラ5を得ることが
できる。
【0040】ゴム組成物には、必要に応じて、更に次の
ような充填材を配合してもよい。すなわち、クレー、ケ
イ藻土、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水
酸化アルミニウム等の鱗片状無機充填材、各種の金属
粉、木片、ガラス粉、セラミック粉、粒状ないし粉末ポ
リマー等の粒状ないし粉末固体充填材、その他各種の天
然または人工の短繊維、長繊維(例えば、ワラ、毛、ガ
ラスファイバー、金属ファイバー、その他各種のポリマ
ーファイバー等)等を配合することができる。
【0041】ゴム組成物は、低分子材と充填材とを含む
低分子材保持媒体材複合物(A)のゴム材料(B)への
配合量が給紙ローラ製造時の加工性とロス特性の点から
ゴム材料100重量部に対して400重量部以下、好ま
しくは10〜300重量部、より好ましくは20〜20
0重量部である。10重量部以下ではゴム組成物の硬度
を下げる効果が乏しくなり、一方400重量部以上にな
ると給紙ローラ5のクリーブや永久歪(セット)が大き
くなる。
【0042】本発明に係る給紙ローラ5のJIS−A硬
度は60°以下であり、好ましくは50°以下、より好
ましくは40°以下、最も好ましいのは30°以下であ
り、給紙装置に搭載される給紙ローラ5に適した範囲に
設計、コントロールできる。
【0043】図1,2は本発明に係る給紙ローラ5の一
実施例を示したものであってこの給紙ローラ5は、外周
面に紙搬送方向と直交する多数の溝6を有し更に加えて
紙搬送方向と直交する多数の溝山7とからなる。
【0044】図3〜図15はローラの径方向に沿って切
断し、水平方向に延ばした図であり、溝山7の山頂8と
溝底9とを示し、隣り合う溝底9間の間隙すなわち溝山
7の間隔(溝山7の底辺長さ)をPとし、溝底9から山
頂8までの水平距離をlとし、溝山7の高さ、すなわち
溝底9から山頂8までの高さをt、更に溝6の幅をW、
深さをH、溝間隔をLとした。弾性体と剛体との繰り返
し摩擦により弾性体が摩耗して摩擦面に形成されるアブ
レージョンパターンは図3〜図15に示される断面形状
をなす。溝山7の間隔P、溝底9から山頂8までの水平
距離l、溝山7の高さtは弾性体の材料の耐摩耗性およ
びローラとして使用される条件によってその最適寸法が
異なるが、給紙ローラ5としての一般的な使用条件下で
は、0.05mm≦P≦2mm、−0.05≦l/P≦0.
5、0.02mm≦t≦0.5mmが好適である。
【0045】摩擦を利用した給紙ローラ5では、安定し
た給紙搬送性能の確保のために摩擦係数発現性の安定性
のみならず、耐摩耗性の向上による寿命の向上も不可欠
の要素であり、本発明の給紙ローラ5はローラ外周面に
形成された溝6が、摩耗を引き起こす表面波を遮断し振
動を減衰させることができるので耐摩耗性向上が図れ
る。 この溝6の溝幅Wが小さすぎると外力によって溝
6の両側面が接触するため溝6の効果がなくなる。一方
溝幅Wが大きすぎると剛体(紙)との接触面積の低下か
ら摩擦係数が小さくなるばかりか、異常な振動を誘発し
たり、異常な破壊をもたらす。この溝幅Wは0.1mm≦
W≦2mmが好適である。溝深さHは、一般的には深くな
るほど摩耗減衰効果が大きいが給紙ローラ5の破壊をも
たらし易くなる。したがって溝深さHは0.5mm≦H≦
2mmが好適である。溝間隔Lは、小さくなりすぎると給
紙ローラ5の表面の横剛性を小さくし、摩擦係数の低下
や異常な破壊を引きおこし、大きくなりすぎると溝6を
形成した減衰性の効果がなくなる。したがって、溝間隔
Lは1mm≦L≦20mmが好適である。
【0046】図3に示す実施例は溝6の底10を側面に
対して直角な平面に形成している。図4に示す実施例は
溝6の底11を鋭角に形成している。図5に示す実施例
は溝6の底12を半径Rの曲面に形成した。半径Rと溝
幅Wとの関係は2R≧Wであることが望ましい。平面の
底10、鋭角の底11よりも曲面の底12の方がクラッ
クが発生しにくい。図6に示す実施例も図5と同様に底
13を曲面に形成し2R>Wとしたものである。図7〜
図15に示す各実施例は、ローラの摩擦面に形成される
溝山の断面形状を三角形、台形としたものである。給紙
ローラ5として用いられる弾性材料は、一般の加硫ゴ
ム、未加硫ゴム、熱可塑性ゴム等の高分子材料である。
発明の主旨からも、耐摩耗性に優れた弾性材料を選ぶこ
とが望ましい。
【0047】次に図3に示した実施例の寸法を適宜に変
えた給紙ローラを用いて複写機用給紙装置に搭載し給紙
性能、通紙性能等を試験した。回転方向は図3矢印方向
である。その結果を表1に示した。なお表1中の*1は
各ローラの動摩擦係数測定値(被摩擦材:普通紙上表
面)であり、*2は給紙装置による普通紙 100,000枚
(A4横方向)通紙後の給紙ローラ(フィードローラ)
摩耗減量から算出した摩耗深さを摩耗量としたものであ
る。
【0048】
【表1】
【0049】表1中の実施例1では、ゴムEPDM(デ
ュポン社製 NORDEL 1040 )100重量部に低分子材パ
ラフィン系オイル(日本サン石油社製 サンバー150 )
80重量部を媒体材・水添SBR(ブタジエン−スチレ
ンランダム共重合体とポリブタジエンとからなるブロッ
ク共重合体を水添して得られるポリエチレンとエチレン
−スチレンランダム共重合体とからなるブロック共重合
体)20重量部に保持された複合物(低分子材保持媒体
材複合物)としてブラベンダー混合して調整したゴム組
成物を所定の金型に入れて160℃、30分間加硫硬化
させてローラ外周に所定の溝および溝山を付加した給紙
ローラ5を製造した。
【0050】表1中の実施例2では、実施例1と同様に
調整したゴム組成物を所定の金型に入れて、加硫・硬化
させて、ローラ外周に所定の溝および溝山を付加した給
紙ローラ5を製造した。
【0051】表1中の実施例4では、実施例1,2と同
様に調整したゴム組成物を所定の金型に入れて加硫・硬
化させて、ローラ外周に所定の溝を付加した給紙ローラ
5に表面研磨加工を施し給紙ローラ5を製造した。
【0052】表1中の比較例1では、実施例1,2,
3,4と同様に調整したゴム組成物を所定の金型に入れ
て加硫・硬化させてローラ外周に所定の溝のみを付加し
た給紙ローラ5を製造した。
【0053】表1中の比較例2では、実施例1〜4、比
較例1と同様に調整したゴム組成物を、実施例4と同様
に加硫・硬化してローラ外周に所定の溝を付加した給紙
ローラ5に表面研磨加工を従来の方法で施し給紙ローラ
5を製造した。
【0054】表1中の比較例3では、実施例1〜4、比
較例1,2と同様に調整したゴム組成物を所定の金型に
入れて加硫・硬化させた後に表面研磨加工を施してロー
ラ外周に所定の溝山を形成した給紙ローラ5を製造し
た。
【0055】表1中の比較例4では、実施例1〜4、比
較例1〜3と同様に調整したゴム組成物を所定の金型に
入れて、加硫・硬化させてローラ外周に所定の溝および
溝山を付加した給紙ローラ5を製造した。
【0056】表1中の比較例5では、実施例1〜4、比
較例1〜4と同様に調整したゴム組成物を所定の金型に
入れて、加硫・硬化させた後に表面研磨加工を従来の方
法で施し給紙ローラ5を製造した。
【0057】表1中の比較例6では、実施例1〜4、比
較例1〜5と同様に調整したゴム組成物を所定の金型に
入れて、加硫・硬化させてその表面は何ら加工を施さず
に給紙ローラ5を製造した。
【0058】表1中の比較例7では、実施例1〜4、比
較例1〜6の低分子材保持媒体材複合物に代えて、低分
子材パラフィイン系オイル(日本サン石油社製サンパー
150)80重量部をブラベンダー混合して調整したゴム
組成物を所定の金型に入れて加硫・硬化させて、所定の
溝および溝山を付加した給紙ローラ5を製造した。
【0059】表1中の比較例8では、比較例7と同様に
調整したゴム組成物を所定の金型に入れて加硫・硬化さ
せて所定の溝および溝山を付加した給紙ローラ5に研磨
加工を従来の方法で施し給紙ローラ5を製造した。
【0060】表1中にて比較した特性は以下の試験によ
る。 (1) 硬度:各ローラと同一条件で作製した25×25×
15t (mm)のブロック状サンプルにつき、JIS K
6301規定の硬さ試験(A形)にて測定した。 (2) 汚染性:各ローラと同一条件で作製した30φ×1
2.5t (mm)の円柱状サンプルの上下面に複写機用普
通紙を挟み9.5mmのスペーサを介した2枚の鉄板間に
25%圧縮で挟まれた状態で、70℃雰囲気に2.2時
間放置し、普通紙表面の汚染およびサンプルの外観汚染
を目視にて確認した。 (3) 摩耗量:給紙装置において普通紙100,000枚
(A4長手方向)を通紙させ、この前後の摩耗減量から
算出したローラ半径変化量を通紙摩耗量とした。
【0061】表1の結果から明らかなように、低分子材
保持媒体材複合物(A)をゴム材料(B)に混合して得
たゴム組成物を配材し、ローラ外周面に所定の溝を多数
形成した本発明に係る給紙ローラ5は良好な摩擦力保持
性を示し給紙特性が優れ、しかも外観汚染、用紙汚染の
ない給紙ローラ5であり、この給紙ローラ5を搭載(ロ
ーラ外周面に従来の研磨加工を施したフィードローラと
の組合せ使用も含む)した本発明の給紙装置は、給紙、
紙送り特性に優れた給紙装置であることが認められる。
【0062】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明の給紙ローラに
よれば、長期使用においても用紙汚染や外観上の問題が
なく、並びにローラ表面(摩擦面)にローラ使用時の摩
耗によって形成されるアブレージョンパターンと類似形
状の断面が非対称波形形状をなす所定の溝山を、紙搬送
方向と直角に予め形成しておくことで、更に振動減衰用
の溝も紙搬送方向と直交するように予め形成しておくこ
とで、使用初期から使用末期まで接触面状態を一定に保
ち摩擦係数安定化を図ることができ耐摩耗性、耐偏摩耗
性、摩擦係数安定性に優れる。
【0063】この給紙ローラを搭載した本発明の給紙装
置によれば、紙詰りのない安定した給紙を長期間に亘っ
て行うことができる。
【0064】本発明の給紙ローラ及び給紙装置は複写
機、プリンター等のOA機器をはじめ、給紙機構を有す
るあらゆる装置の給紙ローラ、給紙装置として有効に使
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】給紙ローラの斜視図。
【図2】図1のA部分の拡大図。
【図3】ローラの径方向に沿って切断し水平方向に延ば
した拡大図。
【図4】ローラの径方向に沿って切断し水平方向に延ば
した拡大図。
【図5】ローラの径方向に沿って切断し水平方向に延ば
した拡大図。
【図6】ローラの径方向に沿って切断し水平方向に延ば
した拡大図。
【図7】ローラの径方向に沿って切断し水平方向に延ば
した拡大図。
【図8】ローラの径方向に沿って切断し水平方向に延ば
した拡大図。
【図9】ローラの径方向に沿って切断し水平方向に延ば
した拡大図。
【図10】ローラの径方向に沿って切断し水平方向に延
ばした拡大図。
【図11】ローラの径方向に沿って切断し水平方向に延
ばした拡大図。
【図12】ローラの径方向に沿って切断し水平方向に延
ばした拡大図。
【図13】ローラの径方向に沿って切断し水平方向に延
ばした拡大図。
【図14】ローラの径方向に沿って切断し水平方向に延
ばした拡大図。
【図15】ローラの径方向に沿って切断し水平方向に延
ばした拡大図。
【図16】従来の給紙機構を示す図。
【符号の説明】
5 給紙ローラ 6 溝 7 溝山 8 山頂 9 溝底
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 15/00 510 G03G 15/00 510 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 3/06 330 B65H 16/00 B65H 27/00 G03G 15/00 510 C08L 21/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給紙機構を有する装置に搭載される各種
    の給紙ローラにおける該ローラ外周面層が低分子材と媒
    体材とを含む低分子材保持媒体材複合物(A)とゴム材
    料(B)とを含むゴム組成物から成り、 低分子材が100℃において5×105 センチポイズ以
    下の粘度を有し、 低分子材と媒体材の各々の溶解度パラメーター値の差が
    3.0以下であるとともに、両材の重量比が1.0以上
    であり、 低分子材とゴム材料(B)の各々の溶解度パラメーター
    値の差が4.0以下であり、該低分子材と該ゴム材料の
    重量比が0.3以上であり、 該媒体材が三次元連続の網状骨格構造を有するブタジエ
    ン重合体の水素添加物又はブタジエン−スチレン共重合
    体の水素添加物であり、 該ゴム材料が、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロ
    ピレンジエン三元共重合体ゴム、天然ゴム、イソプレン
    ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ポリ
    ノルボルネンゴム又はそれらのブレンドゴムであり、 用紙に接触する外周面に摩耗減衰用の多数の溝および搬
    送力保持のための、断面が非対称波形形状をなす多数の
    溝山とを紙搬送方向と直角に形成したことを特徴とする
    給紙ローラであって、 外周面に形成された多数の溝が、この溝の幅をW、深さ
    をH、溝間隔をLとしたとき 0.1mm≦W≦2mm 0.5mm≦H≦2mm 1 mm≦L≦20mm となるように形成され、 外周面に形成された断面が非対称波形形状をなす多数の
    溝山がこの溝山の間隔をP、溝底から山頂までの水平距
    離をl、溝山の高さをtとすると 0.05mm≦P≦2mm −0.05≦l/P≦0.5 0.02mm≦t≦0.5mm となるように形成したことを特徴とする給紙ローラ。
  2. 【請求項2】 外周面の溝および断面が非対称波形形状
    をなす溝山を予め金型に施した形状を転写する方法で付
    与した請求項1に記載の給紙ローラ。
  3. 【請求項3】 外周面に多数の溝を形成したあとに、断
    面が非対称波形形状をなす溝山を表面研磨加工により付
    加した請求項1記載の給紙ローラ。
  4. 【請求項4】 給紙ローラが複数設けられ摩擦により用
    紙を給紙する給紙装置において、複数のローラの少なく
    とも1つを請求項1ないし3のいずれかに記載の給紙ロ
    ーラとしたことを特徴とする給紙装置。
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