JP7025931B2 - 水性害虫防除液 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は以下の通りである。
[1] 式(1)
〔式中、R1及びR2は同一または相異なり水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又は塩素原子を表し、R3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるピレスロイド化合物、Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-10~1×10-4mmHgであり、かつ1以上の(C4-C12アルコキシ)カルボニル基を有するエステル化合物、グリコールエーテル及び水を含有する水性害虫防除液。
[2] 式(1)で示されるピレスロイド化合物の含有量が、水性害虫防除液全体に対して0.01~5重量%であり、Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-10~1×10-4mmHgであり、かつ1以上の(C4-C12アルコキシ)カルボニル基を有するエステル化合物の含有量が、水性害虫防除液全体に対して0.01~5重量%であり、グリコールエーテルの含有量が、水性害虫防除液全量に対して10~60重量%であり、水の含有量が、水性害虫防除液全量に対して30~85重量%である[1]記載の水性害虫防除液。
[3] 式(1)で示されるピレスロイド化合物の含有量が、水性害虫防除液全体に対して0.01~5重量%であり、Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-10~1×10-4mmHgであり、かつ1以上の(C4-C12アルコキシ)カルボニル基を有するエステル化合物の含有量が、水性害虫防除液全体に対して0.01~5重量%であり、グリコールエーテルの含有量が、水性害虫防除液全量に対して10~50重量%であり、水の含有量が、水性害虫防除液全量に対して40~85重量%である[1]記載の水性害虫防除液。
[4] Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-10~1×10-4mmHgであり、かつ1以上の(C4-C12アルコキシ)カルボニル基を有するエステル化合物が、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ(2-エチルへキシル)、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジ(n-オクチル)、アジピン酸ジイソノニル、セバシン酸ジ(2-エチルへキシル)、1,10-デカンジカルボン酸ジ(2-エチルへキシル)、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジ(n-ブチル)、O-アセチルクエン酸トリ(n-ブチル)、マレイン酸ジ(2-エチルへキシル)及びトリメリト酸トリ(2-エチルへキシル)からなる群より選ばれる1種以上である[1]~[3]いずれか一項記載の水性害虫防除液。
[5] グリコールエーテルが、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルからなる群より選ばれる1種以上である[1]~[4]いずれか一項記載の水性害虫防除液。
[6] さらに、グリコールを含有し、グリコールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール及びポリプロピレングリコールからなる群より選ばれる1種以上であり、グリコールの含有量が、水性害虫防除液全量に対して1~45重量%である[1]~[5]いずれか一項記載の水性害虫防除液。
[7] 式(1)で示されるピレスロイド化合物が、[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルフェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)メチル=3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート及び[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=3-(3,3,3-トリフルオロ-1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレートからなる群より選ばれる1種以上である[1]~[6]いずれか一項記載の水性害虫防除液。
[8] [1]~[7]いずれか一項記載の水性害虫防除液を、大気中に加熱蒸散させることを特徴とする害虫防除方法。
〔式中、R1及びR2は同一または相異なり水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又は塩素原子を表し、R3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるピレスロイド化合物、Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-10~1×10-4mmHgであり、かつ1以上の(C4-C12アルコキシ)カルボニル基を有するエステル化合物、グリコールエーテル、及び水を含有する。
式(1)で示されるピレスロイド化合物としては、具体的には[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルフェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)メチル=3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート及び
[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=3-(3,3,3-トリフルオロ-1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレートが挙げられる。これら化合物は、例えば、特開2000-63329号公報、特許第2647411号明細書、特開昭57-123146号公報、特開2001-11022号公報、特開平11-222463号公報、特開2002-145828号公報、国際公開第2010/043122号に記載される化合物であり、該公報に記載の方法により製造することができる。
式(1)で示されるピレスロイド化合物には、シクロプロパン環上に存在する2つの不斉炭素原子に由来する異性体、及び二重結合に由来する異性体が存在する場合があるが、本発明には活性な異性体を任意の比率で含有するものを使用することができる。
また、本発明防除液においては、式(1)で示されるピレスロイド化合物は、1種又は2種以上を使用することができる。
また、本発明防除液においては、前記のピレスロイド化合物のうち、好ましくは[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルフェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)メチル=3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート及び[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=3-(3,3,3-トリフルオロ-1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレートが用いられ、より好ましくは[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート及び[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートが用いられる。
かかるエステル化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。カッコ内はDonovan法による25℃における蒸気圧を表す。
フタル酸ジイソデシル (1.0×10-8mmHg);
フタル酸ジ(2-エチルへキシル) (1.4×10-7mmHg);
アジピン酸ジイソデシル (2.4×10-7mmHg);
セバシン酸ジ(n-オクチル) (2.1×10-8mmHg);
アジピン酸ジイソノニル (6.2×10-8mmHg);
セバシン酸ジ(2-エチルへキシル) (2.1×10-8mmHg);
1,10-デカンジカルボン酸ジ(2-エチルへキシル) (5.4×10-9mmHg);
アジピン酸ジオクチル (4.0×10-7mmHg);
セバシン酸ジ(n-ブチル) (2.7×10-6mmHg);
O-アセチルクエン酸トリ(n-ブチル) (1.3×10-6mmHg);
マレイン酸ジ(2-エチルへキシル) (3.1×10-6mmHg);及び、
トリメリト酸トリ(2-エチルへキシル) (1.6×10-10mmHg)。
これらエステル化合物は、1種又は2種以上を使用することができる。また、これらのエステル化合物の1種以上を含有する市販品も用いることができる。かかる市販品としては、例えば610A(田岡化学株式会社製、アジピン酸((C6、C8、C10アルコキシ)カルボニル基、3.1×10-6~3.4×10-8mmHg)が挙げられる。
また、本発明防除液においては、前記のエステル化合物のうち、好ましくはセバシン酸ジ(n-ブチル)及びアジピン酸ジオクチルが用いられる。
本発明防除液におけるエステル化合物の含有量は、本発明防除液の全量に対し、通常0.01~5重量%であり、好ましくは0.01~3重量%であり、より好ましくは0.1~2重量%であり、特に好ましくは0.1~0.7重量%である。
エチレングリコール系エーテルとしては、例えば、下式(2)
〔式中、R4はメチル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、アリル基、フェニル基又はベンジル基を表し、nは1~10の整数のいずれかを表す。〕
で示されるグリコールエーテルが挙げられ、具体的には例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテルが挙げられる。
プロピレングリコール系エーテルとしては、例えば、下式(3)
〔式中、R5はメチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基又はアリル基を表し、mは1~3の整数のいずれかを表す。〕
で示されるグリコールエーテルが挙げられ、具体的には例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
ジアルキルグリコール系エーテルとしては、例えば、下式(4)
〔式中、R6及びR7は同一又は相異なり、メチル基、エチル基又はブチル基を表し、mは前記と同じ意味を表す。〕
で示されるグリコールエーテルが挙げられ、具体的には例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルが挙げられる。
本発明防除液においては、防除液の安定性の点から、好ましくはエチレングリコール系エーテルまたはプロピレングリコール系エーテルが用いられる。また、ピレスロイド化合物、エステル化合物及び水との溶解性の点で、エチレングリコール系エーテルにおいては、好ましくはエチレングリコールモノブチルエーテル及びジエチレングリコールモノブチルエーテルが用いられ、プロピレングリコール系エーテルにおいては、好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルが用いられる。
なお、本発明防除液においては、グリコールエーテルは、1種又は2種以上を使用することができる。
本発明防除液に用いられるグリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール及びポリプロピレングリコールが挙げられる。溶状安定性の点から、好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールが用いられ、さらに好ましくはトリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールが用いられる。
なお、本発明防除液においては、グリコールは、1種又は2種以上を使用することができる。
図1は本発明の害虫防除方法に用いられる装置の一例を示すものであり、害虫防除液1中に吸液芯3の一部が浸漬されており、該吸液芯3に害虫防除液1を吸液させ、該吸液芯3の上部を発熱体2で加熱することができるようになっている。該吸液芯3の上部を約60~135℃の温度に発熱体2で間接加熱することにより、該吸液芯3に吸液された害虫防除液1を大気中に蒸散させて害虫を防除することができる。
吸液芯は一般に多孔質材からなる。該多孔質材としては、例えばクレー、タルク、カオリン、珪藻土、石膏、パーライト、ベントナイト、酸性白土、グラスファイバー、石綿等の無機粉末をカルボキシメチルセルロース、澱粉、アラビアガム、ゼラチン、ポリビニルアルコール等の糊剤にて粘結、成形したものや、クレー、タルク、ベントナイト、アルミナ、シリカ等の無機物質を芯状に固めて焼成したものや、樹脂を芯状に成型加工したものや、ガラス繊維等を束ねたものなどが用いられる。
[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以下、ピレスロイド化合物Aと記す。) 0.29部、セバシン酸ジ(n-ブチル) 0.70部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル 39.01部、ジプロピレングリコール10部を混合し、攪拌した後、水 50部を加え、さらに撹拌することにより、水性害虫防除液(1)100部を得た。
製造例2
ピレスロイド化合物A 0.29部、セバシン酸ジ(n-ブチル) 0.50部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル 29.21部、ジプロピレングリコール 20部を混合し、攪拌した後、水 50部を加え、さらに撹拌することにより、水性害虫防除液(2)100部を得た。
製造例3
ピレスロイド化合物A 0.29部、アジピン酸ジオクチル 0.30部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル 39.41部、ジプロピレングリコール 10部を混合し、攪拌した後、水 50部を加え、さらに撹拌することにより、水性害虫防除液(3)100部を得た。
製造例4
[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=3-(3,3,3-トリフルオロ-1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.30部、セバシン酸ジ(n-ブチル) 0.20部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル 49.50部を混合し、攪拌した後、水 50部を加え、さらに撹拌することにより、水性害虫防除液(4)100部を得た。
製造例5
[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート 0.30部、アジピン酸ジイソノニル 0.10部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル 29.6部、ジプロピレングリコール 20部を混合し、攪拌した後、水 50部を加え、さらに撹拌することにより、水性害虫防除液(5)100部を得た。
製造例6
(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)メチル=3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.30部、アジピン酸ジオクチル 0.30部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル 39.40部、ジプロピレングリコール 10部を混合し、攪拌した後、水 50部を加え、さらに撹拌することにより、水性害虫防除液(6)100部を得た。
製造例7
[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.18部、セバシン酸ジ(n-ブチル) 0.10部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル 49.72部を混合し、攪拌した後、水 50部を加え、さらに撹拌することにより、水性害虫防除液(7)100部を得た。
製造例8
ピレスロイド化合物A 1.0部、アジピン酸ジイソノニル 0.10部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル 38.9部、プロピレングリコール 10部を混合し、攪拌した後、水 50部を加え、さらに撹拌することにより、水性害虫防除液(8)100部を得た。
製造例9
ピレスロイド化合物A 0.29部、トリメリト酸トリ(2-エチルへキシル) 0.20部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル 39.51部、ジプロピレングリコール 10部を混合し、攪拌した後、水 50部を加え、さらに撹拌することにより、水性害虫防除液(9)100部を得た。
製造例10
ピレスロイド化合物A 0.29部、アジピン酸ジオクチル 0.20部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル 49.51部を混合し、攪拌した後、水 50部を加え、さらに撹拌することにより、水性害虫防除液(10)100部を得た。
製造例11
[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート 0.60部、アジピン酸ジイソノニル 0.025部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル 29.375部、ジプロピレングリコール 10部を混合し、攪拌した後、水 60部を加え、さらに撹拌することにより、水性害虫防除液(11)100部を得た。
比較製造例1
ピレスロイド化合物A 0.29部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル 39.71部、ジプロピレングリコール 10部を混合し、攪拌した後、水 50部を加え、さらに撹拌することにより、比較用水性害虫防除液(1)100部を得た。
比較製造例2
ピレスロイド化合物A 0.29部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル 49.71部を混合し、攪拌した後、水 50部を加え、さらに撹拌することにより、比較用水性害虫防除液(2)100部を得た。
製造例1で得られた水性害虫防除液(1)45gを容器に入れて吸液芯を取り付け、吸液芯付き水性害虫防除液(1)入りボトルとした。該ボトルを図1の加熱蒸散型殺虫装置にセットして加熱した。加熱方法は、8時間連続加熱したあと、4時間加熱を止めるまでを1サイクルとし、これを繰り返した。加熱開始から63サイクルまでの特定サイクルにおいて、加熱開始後7~8時間における1時間のピレスロイド化合物の蒸散量を測定した。水性害虫防除液(1)の代わりに、それぞれ水性害虫防除液(2)乃至(11)、並びに、比較用水性害虫防除液(1)及び比較用水性害虫防除液(2)を用いて、同様の試験を行い、ピレスロイド化合物の蒸散量を測定した。
ただし、本発明の水性害虫防除液と比較用水性害虫防除液中のピレスロイド化合物の蒸散挙動を比較するためには、加熱蒸散型殺虫装置で使用した際の水性害虫防除液の消失時間が同等である必要がある。本発明のエステル化合物は水性害虫防除液の消費速度を調節する効果も有するため、水性害虫防除液(1)~(11)は、直径7.0mmの吸液芯と組み合わせて加熱蒸散型殺虫装置で使用した際、使用時間の合計で約400~500時間で防除液が消失する。比較用水性害虫防除液(1)は、直径5.5mmの吸液芯と組み合わせて使用することにより、使用時間の合計約400~500時間で水性害虫防除液が消失するように調整されている。また、比較用水性害虫防除液(2)は直径6.5mmの吸液芯と組み合わせて使用することにより、使用時間の合計約400~500時間で水性害虫防除液が消失するように調整されている。
ピレスロイド化合物の蒸散量は、ポリウレタンスポンジを吸着剤として充填したガラスカラムにより、蒸散してきた本化合物を経時的に捕集し、その後、ポリウレタンスポンジをアセトンにより抽出し、ガスクロマトグラフにてピレスロイド化合物量を定量分析することにより求めた。
結果を表1、2に示す。
水性害虫防除液(1)45gを容器に入れて吸液芯を取り付け、吸液芯付き水性害虫防除液(1)入りボトルとした。該ボトルを図1の加熱蒸散型殺虫装置にセットして加熱した。加熱方法は、8時間連続加熱したあと、4時間加熱を止めるまでを1サイクルとし、これを繰り返した。加熱開始から49サイクルまで加熱を継続し、50サイクル目の加熱開始後7時間後に到達した時点で、該ボトル付加熱蒸散型殺虫装置を、3.0m×4.0m×2.3mの直方体の試験室内(28m3)の床中央部に設置した。該ボトル付加熱蒸散型殺虫装置を設置後すぐに、アカイエカ雌成虫約100匹を室内に放った。放虫後、一定時間後にノックダウンしたアカイエカの数を調査し、得られたデータからKT50(供試虫の50%がノックダウンするのに要する時間)を求めた。水性害虫防除液(1)の代わりに、水性害虫防除液(2)、(3)並びに、比較用水性害虫防除液(1)を用いて、同様の試験を行い、KT50を求めた。
結果を表3に示す。
2:発熱体
3:吸液芯
4:薬液を入れたボトル
Claims (6)
- [2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-10~1×10-4mmHgであり、かつ1以上の(C4-C12アルコキシ)カルボニル基を有するエステル化合物、グリコールエーテル、及び水を含有する水性害虫防除液であり、
Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-10~1×10-4mmHgであり、かつ1以上の(C4-C12アルコキシ)カルボニル基を有するエステル化合物が、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ(2-エチルへキシル)、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジ(n-オクチル)、アジピン酸ジイソノニル、セバシン酸ジ(2-エチルへキシル)、1,10-デカンジカルボン酸ジ(2-エチルへキシル)、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジ(n-ブチル)、O-アセチルクエン酸トリ(n-ブチル)、マレイン酸ジ(2-エチルへキシル)、及びトリメリト酸トリ(2-エチルへキシル)からなる群より選ばれる1種以上である水性害虫防除液。 - [2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートの含有量が、水性害虫防除液全体に対して0.01~5重量%であり、前記Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-10~1×10-4mmHgであり、かつ1以上の(C4-C12アルコキシ)カルボニル基を有するエステル化合物の含有量が、水性害虫防除液全体に対して0.01~5重量%であり、グリコールエーテルの含有量が、水性害虫防除液全量に対して10~60重量%であり、水の含有量が、水性害虫防除液全量に対して30~85重量%である請求項1記載の水性害虫防除液。
- [2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2-ジメチル-3-(1-プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートの含有量が、水性害虫防除液全体に対して0.01~5重量%であり、Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-10~1×10-4mmHgであり、かつ1以上の(C4-C12アルコキシ)カルボニル基を有するエステル化合物の含有量が、水性害虫防除液全体に対して0.01~5重量%であり、グリコールエーテルの含有量が、水性害虫防除液全量に対して10~50重量%であり、水の含有量が、水性害虫防除液全量に対して40~85重量%である請求項1記載の水性害虫防除液。
- グリコールエーテルが、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルからなる群より選ばれる1種以上である請求項1~3いずれか一項記載の水性害虫防除液。
- さらに、グリコールを含有し、グリコールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール及びポリプロピレングリコールからなる群より選ばれる1種以上であり、グリコールの含有量が、水性害虫防除液全量に対して1~45重量%である請求項1~4いずれか一項記載の水性害虫防除液。
- 請求項1~5いずれか一項記載の水性害虫防除液を、大気中に加熱蒸散させることを特徴とする害虫防除方法。
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