JPH09104844A - 防虫型フロアーポリッシュ及びその製造方法 - Google Patents

防虫型フロアーポリッシュ及びその製造方法

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JPH09104844A
JPH09104844A JP7286535A JP28653595A JPH09104844A JP H09104844 A JPH09104844 A JP H09104844A JP 7286535 A JP7286535 A JP 7286535A JP 28653595 A JP28653595 A JP 28653595A JP H09104844 A JPH09104844 A JP H09104844A
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JP
Japan
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floor polish
weight
insect
acrylic resin
emulsion
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Application number
JP7286535A
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English (en)
Inventor
Tomohisa Saitou
友尚 斎藤
Toshihiro Yaginuma
敏博 柳沼
Masachika Hiwatari
将央 樋渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yushiro Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Yushiro Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体等への毒性が低く、形成される樹脂皮膜
が強靱であって、優れた防虫効果が長期に渡って維持さ
れる、耐久性に優れた防虫型フロアーポリッシュ及びそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 アクリル酸エチル他のモノマーの混合物
を乳化重合し、重量平均分子量が10万〜200万、特
に20万以上のアクリル樹脂を含有するエマルションを
調製する。その後、このエマルションを20〜55重量
%含み、その他にワックスエマルション、レベリング剤
等が配合された水系の配合物を調製し、ホルマリン等を
加えてそのpHを7.0〜8.5に調整する。この配合
物に、別途準備したピレスロイド系防虫成分をフタル酸
エステル系可塑剤に溶解した溶液を加え、フロアーポリ
ッシュを100重量%とした場合に防虫成分が0.1〜
5.0重量%含まれる防虫型フロアーポリッシュを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性のフロアーポ
リッシュに関し、更に詳しくは、ゴキブリ等の不快害虫
に対する防虫効果を有する防虫型フロアーポリッシュに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、飲食店や家庭において、ゴキ
ブリ等の害虫を駆除するため殺虫剤が用いられている。
しかし、殺虫剤の人体をはじめ犬、猫等のペットへの毒
性が問題視されるようになってきた。そのため、殺虫剤
に代わるものとして、種々の害虫忌避剤の使用が試みら
れている。しかしながら、害虫忌避剤を床面等に直接塗
布して使用したのでは、水拭き等の清掃により忌避剤が
容易に除去されてしまい、効果が持続しない。このよう
な問題を解決するため、害虫忌避成分を配合したフロア
ーポリッシュ等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のフロアーポリッ
シュとしては、アクリル樹脂系ワックス、ウレタン樹脂
系ワックス等に少量の害虫忌避成分が配合されたものが
提供されている。しかし、これまで使用されているワッ
クス成分は、その分子量が小さいため、フロアーポリッ
シュを塗布し、乾燥することにより形成される樹脂皮膜
の機械的強度が小さく、耐久性に劣るものである。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、形成された樹脂皮膜が強靱であって、優れた防虫効
果が長期に渡って維持される、耐久性に優れた防虫型フ
ロアーポリッシュ及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1発明は、アクリル樹
脂を含有するエマルションを含むフロアーポリッシュに
おいて、上記アクリル樹脂の重量平均分子量は10万〜
200万であり、ピレスロイド系防虫成分を含有するこ
とを特徴とする。第2発明は、アクリル樹脂を含有する
エマルションを含むフロアーポリッシュにおいて、上記
アクリル樹脂の重量平均分子量は10万〜200万であ
り、上記フロアーポリッシュを100重量%とした場合
に、0.1〜5.0重量%のピレスロイド系防虫成分を
含むことを特徴とする。
【0006】また、第3発明は、アクリル樹脂を含有す
るエマルションを含むフロアーポリッシュにおいて、上
記アクリル樹脂の重量平均分子量は10万〜200万で
あり、ピレスロイド系防虫成分、及びフタル酸エステル
系可塑剤を含有することを特徴とする。第4発明は、ア
クリル樹脂を含有するエマルションを含むフロアーポリ
ッシュにおいて、上記アクリル樹脂の重量平均分子量は
10万〜200万であり、上記フロアーポリッシュを1
00重量%とした場合に、0.1〜5.0重量%のピレ
スロイド系防虫成分、及び0.1〜2.0重量%のフタ
ル酸エステル系可塑剤を含有することを特徴とする。
【0007】上記「アクリル樹脂」としては、アクリル
酸、メタクリル酸、並びにアクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸エチル
等のアクリル酸エステルなどの単独重合体又は2種以上
のモノマーからなる共重合体が挙げられる。また、上記
のアクリル系モノマーにスチレン等のビニル系モノマー
を共重合させた樹脂を使用することもできる。
【0008】このアクリル樹脂の「重量平均分子量」
(以下、平均分子量という。)が10万未満では、得ら
れる「防虫型フロアーポリッシュ」(以下、フロアーポ
リッシュということもある。)により形成される樹脂皮
膜の機械的強度が小さく、その耐久性が低下する。ま
た、通常の製造方法により得られるアクリル樹脂の平均
分子量は最大でも200万であり、更にこの平均分子量
が200万を越える場合は、樹脂皮膜の除去性が低下す
る。尚、第5発明のように、この平均分子量は特に「2
0万以上」であることが好ましく、このように高分子量
のアクリル樹脂を使用すれば、より強度の大きい、耐久
性に優れた樹脂皮膜を形成することができるフロアーポ
リッシュが得られる。
【0009】アクリル樹脂を含有する上記「エマルショ
ン」としては、上記の各種モノマーを使用し、常法の乳
化重合で合成されたものを使用することができる。常法
の乳化重合では、エマルション中のアクリル樹脂の含有
量が、エマルション100重量%中、30〜40重量
%、特に第6発明のように、「35〜40重量%」程度
となるように合成することが好ましい。アクリル樹脂の
含有量が30〜40重量%の範囲となるように合成すれ
ば、反応、操作が容易であり、安定したエマルションを
得ることができる。
【0010】また、上記のエマルションはフロアーポリ
ッシュの一成分として、フロアーポリッシュを100重
量%とした場合に、15〜60重量%、特に第7発明の
ように、「20〜55重量%」配合することが好まし
い。この配合量が15重量%未満では、エマルション中
のアクリル樹脂の含有量が多い場合であっても、形成さ
れる樹脂皮膜が薄く、フロアーポリッシュ本来の床の保
護等の機能が不十分になることがあり、また、防虫性能
も低下する。一方、配合量が60重量%を越える場合
は、エマルション中のアクリル樹脂の含有量が少ない場
合であっても、フロアーポリッシュの粘度が高くなっ
て、取り扱い難くなり、床へ塗布する際の作業性も低下
することがある。
【0011】上記「ピレスロイド系防虫成分」(以下、
防虫成分ということもある。)は、各種防虫成分の中で
は人体に対する毒性が低く、特に飲食店や家庭のダイニ
ングキッチン等において使用する防虫成分として好適で
ある。このピレスロイド系防虫成分は、第2及び第4発
明のように、フロアーポリッシュを100重量%とした
場合に、0.1〜5.0重量%含有させることが好まし
い。この含有量が0.1重量%未満では防虫性能が不十
分になることがあり、5重量%を越えて多量に含有させ
ても、それ以上の防虫性能の向上はなく、防虫成分が高
価なこともあって経済的に不利である。ピレスロイド系
防虫成分としては、例えばシフェノトリン〔(±)−α
−シアノ−3−フェノキシベンジル(+)−シス/トラ
ンス−クリサンテマート〕、シハロトリン、シフルトリ
ン等を使用することができる。
【0012】本発明の防虫型フロアーポリッシュは、第
8発明のように、そのpHを「7.0〜8.5」に調整
することが好ましい。このpHが7.0未満であると、
フロアーポリッシュの貯蔵安定性が低下することがあ
る。また、この種のピレスロイド系の防虫成分はアルカ
リ性の水溶液中では加水分解し易いため、pHが8.5
を越えると、貯蔵中、経時的に防虫性能が低下する傾向
にある。pH調整剤としては例えばホルマリン等を使用
することができる。
【0013】第9発明の防虫型フロアーポリッシュの製
造方法は、アクリル樹脂を含有するエマルションを含む
フロアーポリッシュの製造方法において、フタル酸エス
テル系可塑剤にピレスロイド系防虫成分を溶解し、その
後、得られる溶液を上記エマルションに配合することを
特徴とする。
【0014】上記「フタル酸エステル系可塑剤」(以
下、可塑剤ということもある。)を使用せず、ピレスロ
イド系防虫成分のみを配合した場合は、フロアーポリッ
シュの貯蔵安定性等が低下することがある。また、ピレ
スロイド系防虫成分とフタル酸エステル系可塑剤とを、
それぞれ別々にエマルション等の他成分に配合した場合
は、樹脂皮膜形成後の防虫成分の皮膜表面へのブリード
アウトが十分ではなく、適量の防虫成分を配合しても防
虫性能が不十分になることがある。
【0015】上記の可塑剤としては、例えばフタル酸ジ
ブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチ
ル、及びフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等、通常、可
塑剤として使用されるものを特に制限されず、使用する
ことができる。ピレスロイド系防虫成分はこのフタル酸
エステル系の可塑剤に、比較的容易に溶解させることが
でき、この溶液は安定であって、予め適量を調製し、適
宜エマルション等の他成分に配合すればよい。
【0016】尚、ピレスロイド系防虫成分をフタル酸エ
ステル系可塑剤に溶解する際の重量比は、第12発明の
ように、「防虫成分1に対して可塑剤を0.1〜2の範
囲」とすることがが好ましい。この量比は、特に1:
0.2〜1.5、更には0.3〜1.2の範囲が好適で
ある。この量比が0.1未満では、防虫成分の配合量を
適量にしようとすると、防虫成分の可塑剤への溶解がや
やし難くなり、樹脂皮膜形成後の防虫成分の皮膜表面へ
のブリードアウトが不十分となって、防虫性能が低下す
ることがある。また、量比が2を越える場合は、防虫成
分を適量とした場合に、可塑剤が過剰となり耐ヒールマ
ーク性が低下するため好ましくない。
【0017】本発明の防虫型フロアーポリッシュは、フ
ローリング等の木質系床材、ビニル床タイル、ビニル床
シート等のプラスチック系床材、及び大理石等の石質系
床材など各種の床材に適用することができる。使用に際
しては床面に1回乃至数回塗布し、乾燥させるだけで光
沢及び耐久性等に優れた強靱な樹脂皮膜が形成される。
また、形成された皮膜はゴキブリ等の不快害虫に対して
高い防虫効果を示し、且つその防虫効果は長期に渡って
維持される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例及び比較例
により更に具体的に説明する。以下の実施例等におい
て、部は重量部を表し、%は重量%を表す。尚、エマル
ションの調製、フロアーポリッシュの製造及びその性能
評価は以下の方法で行った。
【0019】(1) アクリル樹脂を含有するエマルション
の調製 アクリル樹脂エマルション;アクリル酸エチル30
部、スチレン40部及びメタクリル酸10部を混合し、
レドックス系重合開始剤を用いて乳化重合した。開始剤
ラジカルの発生速度を調整することにより、平均分子量
10万のアクリル樹脂を40%含有するエマルションを
調製した。その後、アクリル樹脂のカルボキシル基に対
して0.6化学当量の亜鉛炭酸アンモニウム錯体を添加
し、カルボキシル基を亜鉛架橋した。
【0020】アクリル樹脂エマルション;上記と同
様のモノマー組成で、開始剤ラジカルの発生速度を調整
し、平均分子量30万のアクリル樹脂を40%含有する
エマルションを調製した。その後と同様にして亜鉛架
橋した。 アクリル樹脂エマルション;上記と同様のモノマー
組成で、開始剤ラジカルの発生速度を調整し、平均分子
量200万のアクリル樹脂を40%含有するエマルショ
ンを調製した。その後と同様にして亜鉛架橋した。
【0021】(2) 防虫型フロアーポリッシュの製造 表1〜4に示す18種類の組成のフロアーポリッシュを
製造した。フロアーポリッシュの製造は、まず、水、ア
クリル樹脂エマルション及びワックスエマルションを攪
拌、混合し、この混合物に、攪拌しながらpH調整剤を
除くレベリング剤及びその他の成分を順次添加した。そ
の後、pH調整剤を加え、実験例1〜16及び実験例1
8のフロアーポリッシュのpHを8.0に、実験例17
のフロアーポリッシュのpHを9.0にそれぞれ調整し
た。一方、フタル酸エステル系可塑剤にピレスロイド系
防虫成分を溶解した溶液を準備し、pH調整後、上記溶
液を攪拌しながら添加した。尚、この溶液の添加による
pHの変動はなかった。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】上記表1〜4中、アクリル樹脂エマルショ
ンを除く各成分としては、下記のものを使用した。 1)ワックスエマルション;アライドシグナル社製の商品
名「A−Cポリエチレン」(グレード名;A−C39
2)を乳化して30%のエマルションにしたもの 2)レベリング剤;アルカリ可溶性樹脂(アルコケミカル
社製、商品名「SMAレジン2625A」)をアンモニ
アで中和して15%の水溶液にしたもの
【0027】3)可塑剤;トリブトキシエチルホスフェー
ト、大八化学工業株式会社製 4)融合剤;ジエチレングリコールモノエチルエーテル;
日本触媒化学工業株式会社製 5)フッ素系界面活性剤;住友スリーエム株式会社製、商
品名「フロラードFC−171」 6)消泡剤;ダウコーニング株式会社製、商品名「FSア
ンチフォーム544コンパウンド」
【0028】7)pH調整剤;ホルマリン(ホルムアルデ
ヒド37%溶液) 8)防虫成分;シフェノトリン、シハロトリン、シ
フルトリン 9)フタル酸エステル系可塑剤;フタル酸ジブチル又はフ
タル酸ジ−2−エチルヘキシル
【0029】(3) フロアーポリッシュの塗布方法 床材としてコンポジションビニル床タイルを使用し、床
材を水拭きした後、実施例及び比較例の各フロアーポリ
ッシュをガーゼを使用して塗布した。1回の塗布量を1
0ml/m2 とし、3回塗布し、乾燥させた。そして、
貯蔵安定性を除く一般的な性能評価は塗布後4日経過後
の樹脂塗膜について、また防虫性能の評価は、塗布直
後、並びに塗布後6日及び12日経過した樹脂塗膜につ
いて実施した。
【0030】(4) フロアーポリッシュとしての一般的な
性能評価 日本工業規格 JIS K 3920に準じて性能評価
を行った。 1)貯蔵安定性;JIS K 3920の12、合格とは
ゲル化、相分離、固形分の沈殿がないことである。 2)光沢度;JIS K 3920の14(3回塗布、6
0度鏡面光沢度) 3)耐ヒールマーク性:JIS K 3920の15(ヒ
ールマーク付着量:◎;ほとんどなし、○;少ない、
△;やや多い、×;多い。)
【0031】4)耐水性;JIS K 3920の17
(良好;僅かに白化、優秀;白化なし) 5)耐洗剤性;JIS K 3920の18(良好;僅か
に光沢低下が認められる、優秀;光沢の低下及び皮膜の
損傷がない) 6)除去性;JIS K 3920の19.精密法(良
好;除去に要する洗浄回数が100往復以内、優秀;洗
浄回数が50往復以内)
【0032】(4) 防虫性能の評価 温度25℃でフロアーポリッシュを床材に塗布し、殺虫
活性と忌避活性を評価した。尚、各フロアーポリッシュ
は調製後、密栓して25℃で30日間貯蔵したものを用
いた。尚、供試虫としては、チャバネゴキブリの成虫
を、雄、雌同数使用した。
【0033】1)殺虫活性(強制継続接触法) 図1のように、フロアーポリッシュを塗布した床材1上
に、内面にバター2を塗布した、内径90mm、高さ1
00mmの塩化ビニル製の筒3を立設し、その中に供試
虫10匹を収容して強制的に床材表面に接触させ、24
時間後の致死率を測定した。 致死率(%)=(死亡したゴキブリ数/全ゴキブリ数)
×100 表5〜8における致死率の評価欄の++は、致死率80
%以上で強い殺虫効果がある、+は致死率50〜80%
で殺虫効果がある、±は致死率20〜50%で弱い殺虫
効果がある、及び−は致死率20%以下で殺虫効果がな
い、ことをそれぞれ意味する。
【0034】2)忌避活性 a)図2に示すように、底面寸法35×45cm、高さ1
0cmのポリエチレン製の容器4の四隅に、面積10×
10cm、高さ1cmのシェルター5(隠れる場所)を
設けた試験容器の底面中心部に餌と水の入れ物を置き、
容器4中に、供試虫50匹を放し、24時間順化させ
た。 b)24時間後、供試虫が最も多く潜んでいたシェルター
とその対角線上のシェルターに、フロアーポリッシュを
塗布され、樹脂皮膜が形成された防虫処理床材6を入
れ、残りの2つのシェルターには防虫成分のみを含まな
いフロアーポリッシュが塗布された比較用床材7を入れ
た。
【0035】c)上記各床材を入れてから24時間後に各
シェルター内に潜んでいた供試虫数を数え、忌避率を算
出した。 忌避率(%)={(全ゴキブリ数−防虫処理床材を入れ
たシェルター内のゴキブリ数)/全ゴキブリ数}×10
0 表5〜8の忌避率の評価欄の++は、忌避率90%以上
で強い忌避効果がある、+は忌避率70〜90%で忌避
効果がある、−は忌避率70%以下で忌避効果が低い、
ことをそれぞれ意味する。
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】表5の結果によれば、防虫成分が0.1%
と下限値である実験例1〜4では、フロアーポリッシュ
の一般的な性能としては特に問題はない。一方、殺虫活
性、忌避活性はフロアーポリッシュ塗布直後はいずれも
++で優れているものの、6日経過後には+と活性が低
下し、特に12日経過後の殺虫活性は−となっており、
長期的な防虫効果という面では不十分である。しかし、
この点を考慮して使用すれば十分に実用に供することが
できる。
【0041】また、表6〜7の結果によれば、防虫成分
を2%とした実験例5〜10及び上限値の5%とした実
験例11〜14でも、フロアーポリッシュの貯蔵安定性
及び樹脂皮膜の一般性能には何ら問題はない。更に、殺
虫活性、忌避活性もともに非常に良好であり、いずれの
例においても12日経過した後も++の結果となってい
る。また、表6では防虫成分及び可塑剤それぞれの種類
及びその組み合わせを種々変えて評価を行っているが、
それら種類及び組み合わせの如何にかかわらず、得られ
るフロアーポリッシュは優れた防虫性能を有しているこ
とが分かる。
【0042】尚、上記のように実験例1〜14では、い
ずれもフロアーポリッシュの一般性能上特に問題はな
く、貯蔵安定性及び光沢度等は各例ともに同様に優れて
いるが、耐ヒールマーク性、耐洗剤性等はアクリル樹脂
の平均分子量が高いほどより優れていることが分かる。
一方、除去性については、アクリル樹脂の平均分子量が
低いほどより良好である。従って、実際のフロアーポリ
ッシュの使用に当たっては、これらの各特性を考慮しつ
つ各成分を適宜選択して使用すればよい。
【0043】また、実験例17では、フロアーポリッシ
ュのpHが9.0と高いため、調製後30日間貯蔵する
うちに防虫成分の加水分解が進み、一般的な性能におい
てはまったく問題ないものの、防虫性能の点でやや問題
がある。一方、防虫成分の配合量が下限未満と少ない実
験例15では、一般性能は良好であるが、防虫性能は極
めて劣っている。
【0044】更に、フタル酸エステル系可塑剤を使用せ
ず、防虫成分のみを配合した実験例18では、防虫成分
の樹脂皮膜表面へのブリードアウトが十分ではなく、防
虫性能が必ずしも十分ではない。尚、実験例16は、防
虫成分の配合量が上限を越えて過剰な例であり、当然の
ことに防虫性能は良好である。しかし、高価な防虫成分
を所要量以上に使用しているため、価格的に不利であっ
て実用上は問題がある。
【0045】
【発明の効果】第1発明の防虫型フロアーポリッシュ
は、貯蔵安定性が良好であり、また、形成される樹脂皮
膜の光沢度、耐ヒールマーク性等、フロアーポリッシュ
が備えるべき一般特性に優れ、且つ優れた防虫性能を備
える。特に防虫成分の含有量が第2発明の範囲であれ
ば、より実用的なフロアーポリッシュが得られる。ま
た、第3発明のフロアーポリッシュでは、防虫成分の樹
脂塗膜表面へのブリードアウトが促進され、より優れた
防虫性能を有する防虫型フロアーポリッシュが得られ
る。特に防虫成分及び可塑剤の含有量が第4発明の範囲
であれば、より実用的なフロアーポリッシュが得られ
る。
【0046】更に、第5発明のように、アクリル樹脂の
平均分子量が高い場合は、耐ヒールマーク性等の一般性
能に優れたフロアーポリッシュが得られ、また、アクリ
ル樹脂の含有量を第6発明の範囲とし、エマルションの
配合量を第7発明の範囲とすれば、安定したエマルショ
ンが得られ、適当な粘度のフロアーポリッシュとなり、
取り扱い易くなる。尚、フロアーポリッシュのpHを第
8発明に特定する範囲とすれば、フロアーポリッシュを
調製後、貯蔵中に防虫成分が加水分解することなく、十
分な防虫性能が発揮される。
【0047】また、第9発明の防虫型フロアーポリッシ
ュの製造方法では、防虫成分をそのままエマルション等
の他の成分に配合するのではなく、予め第11及び第1
2発明に特定される量比でもってフタル酸エステル系の
可塑剤に溶解させ、この溶液をエマルション等に配合す
ることにより、樹脂皮膜表面への防虫成分のブリードア
ウトが促進され、より優れた防虫性能を有する防虫型フ
ロアーポリッシュを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】殺虫活性評価に用いた試験装置の斜視図であ
る。
【図2】忌避活性評価に用いた試験装置の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1;樹脂皮膜が形成された床材、2;バター、3;塩化
ビニル製の円筒、4;容器本体、5;シェルター、6;
防虫処理床材、7;比較用床材。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル樹脂を含有するエマルションを
    含むフロアーポリッシュにおいて、上記アクリル樹脂の
    重量平均分子量は10万〜200万であり、ピレスロイ
    ド系防虫成分を含有することを特徴とする防虫型フロア
    ーポリッシュ。
  2. 【請求項2】 アクリル樹脂を含有するエマルションを
    含むフロアーポリッシュにおいて、上記アクリル樹脂の
    重量平均分子量は10万〜200万であり、上記フロア
    ーポリッシュを100重量%とした場合に、0.1〜
    5.0重量%のピレスロイド系防虫成分を含むことを特
    徴とする防虫型フロアーポリッシュ。
  3. 【請求項3】 アクリル樹脂を含有するエマルションを
    含むフロアーポリッシュにおいて、上記アクリル樹脂の
    重量平均分子量は10万〜200万であり、ピレスロイ
    ド系防虫成分、及びフタル酸エステル系可塑剤を含有す
    ることを特徴とする防虫型フロアーポリッシュ。
  4. 【請求項4】 アクリル樹脂を含有するエマルションを
    含むフロアーポリッシュにおいて、上記アクリル樹脂の
    重量平均分子量は10万〜200万であり、上記フロア
    ーポリッシュを100重量%とした場合に、0.1〜
    5.0重量%のピレスロイド系防虫成分、及び0.1〜
    2.0重量%のフタル酸エステル系可塑剤を含有するこ
    とを特徴とする防虫型フロアーポリッシュ。
  5. 【請求項5】 上記アクリル樹脂の重量平均分子量は2
    0万〜200万である請求項1乃至4のいずれか1項に
    記載の防虫型フロアーポリッシュ。
  6. 【請求項6】 上記エマルションを100重量%とした
    場合に、上記アクリル樹脂は35〜40重量%である請
    求項1乃至5のいずれか1項に記載の防虫型フロアーポ
    リッシュ。
  7. 【請求項7】 上記防虫型フロアーポリッシュを100
    重量%とした場合に、上記エマルションは20〜55重
    量%である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の防虫
    型フロアーポリッシュ。
  8. 【請求項8】 そのpHが7.0〜8.5の範囲に調整
    されている請求項1乃至7のいずれか1項に記載の防虫
    型フロアーポリッシュ。
  9. 【請求項9】 アクリル樹脂を含有するエマルションを
    含むフロアーポリッシュの製造方法において、フタル酸
    エステル系可塑剤にピレスロイド系防虫成分を溶解し、
    その後、得られる溶液を上記エマルションに配合するこ
    とを特徴とする防虫型フロアーポリッシュの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記アクリル樹脂の重量平均分子量は
    10万〜200万である請求項9記載の防虫型フロアー
    ポリッシュの製造方法。
  11. 【請求項11】 上記フロアーポリッシュを100重量
    %とした場合に、上記ピレスロイド系防虫成分は0.1
    〜5.0重量%であり、上記フタル酸エステル系可塑剤
    は0.1〜2.0重量%である請求項9又は10記載の
    防虫型フロアーポリッシュの製造方法。
  12. 【請求項12】 上記ピレスロイド系防虫成分と上記フ
    タル酸エステル系可塑剤の重量比は、1:0.1〜2で
    ある請求項9乃至11のいずれか1項に記載の防虫型フ
    ロアーポリッシュの製造方法。
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