JP7015463B2 - グルコース輸送阻害剤及びグルコース輸送阻害用の機能性食品 - Google Patents
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Description
本発明は、又、前記グルコース輸送阻害剤を含有することを特徴とする抗がん剤を提供することを課題とする。
本発明は、又、細胞内へのグルコース輸送を阻害する生物活性を有するグルコース輸送阻害用の機能性食品を提供することを課題とする。
又、本発明のグルコース輸送阻害剤は、がん細胞内への栄養素としてのグルコースの取り込みを阻害することから、がん細胞の生体内における増殖を抑制する優れた生物活性を有するので、抗がん剤として使用できると考えられる。
又、食後の血糖上昇、過血糖の抑制により、食後のインスリン分泌を低下させ細胞内における脂肪合成を抑制するので、本発明のグルコース輸送阻害剤は抗肥満剤として用いることができると考えられる。
以下に、カンカニクジュヨウからアクテオシド及びエキナコシドを得る方法の一例を説明する。なお、アクテオシド及びエキナコシドは、カンカニクジュヨウの他に、種々の植物に含まれていることが、これまでに報告されている。すなわち、以下に説明する方法は、アクテオシド及びエキナコシドを得る方法の一例であり、本発明のグルコース輸送阻害剤や機能性食品に含まれるアクテオシドやエキナコシドの原料は、カンカニクジュヨウに限定されない。例えば、アクテオシド及びエキナコシドは、和光純薬社などから市販されているが、これらの市販品を本発明の用途に使用することもできる。
抽出液は、カンカニクジュヨウの肉質茎をそのまま、水、低級脂肪族アルコール及び低級脂肪族アルコールの含水物より選ばれる抽出溶媒により抽出しても得られるが、肉質茎を、粉砕、破砕、切断、すりつぶしなどによる形状変化を行った後、前記抽出溶媒により抽出する方法が、抽出効率の面で好ましい。
前記の抽出工程により得られた抽出液にはカンカニクジュヨウの肉質茎の含有成分が溶出されている。第1の態様のグルコース輸送阻害剤、第3の態様の機能性食品の製造には、このようにして得られた抽出液をそのまま用いてもよいが、前記抽出液を濃縮して抽出エキスにして用いてもよい。濃縮は、低温で減圧下に行うのが好ましい。なお、濃縮する前にろ過してろ液を濃縮してもよい。抽出エキスは、濃縮したままの状態で第1の態様のグルコース輸送阻害剤として用いることができる。又、濃縮を乾固するまで行い粉末状として又は凍結乾燥品等として第1の態様のグルコース輸送阻害剤とすることができる。濃縮する方法、粉末状及び凍結乾燥品とする方法は、当該分野での公知の方法を用いることができる。
前記のようにして得られる抽出液又は抽出エキスを、精製処理に付し、含有される各成分に分離することにより、前記構造式のアクテオシド及びエキナコシドが得られる。
カンカニクジュヨウの肉質茎、前記抽出液、抽出エキス、又はアクテオシド及びエキナコシドからなる群から選ばれる化合物を含有させて、第1の態様のグルコース輸送阻害剤、第3の態様の機能性食品を製造することができる。ヒト又は動物用医薬である第1の態様のグルコース輸送阻害剤を製造する場合は、そのままの状態で又は適当な媒体で希釈して、医薬品等の製造分野における公知の方法により製造することができ、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤又は液剤等の種々の形態とすることができる。
グルコース輸送阻害用の機能性食品は、カンカニクジュヨウの肉質茎、前記抽出液、抽出エキス、又はアクテオシド及びエキナコシドからなる群から選ばれる化合物を、それぞれを単独で又は2種以上の混合物として、食品又は機能性食品に、混合又は塗布、噴霧等により添加して、前記食品又は機能性食品にグルコース輸送阻害作用を与えることにより製造することができる。食品又は機能性食品への添加は、これらの食品の製造工程において行うこともできるし、又は最終製品に行うこともできる。
(1)カンカニクジュヨウメタノール抽出エキスの調製
乾燥したカンカニクジュヨウ(C.tubulosa)の肉質茎部を粉砕し、これに約10質量倍量のメタノールを加え、加熱還流下3時間抽出した。抽出後、ひだ折りろ紙でろ過した後、抽出残渣に再度、前記とほぼ同量のメタノールを加え、3時間加熱還流し、同様にろ過作業を行った。前記抽出操作を合計3回行い、その抽出液をあわせ、ロータリーエバポレーターを用いて、減圧下に溶媒を留去して、カンカニクジュヨウのメタノール抽出エキスを得た。
アクテオシド及びエキナコシドは、前記で得られたメタノール抽出エキスより、特開2007-191416号公報の実施例2の「メタノール抽出エキスの分離及び精製」に記載の方法、条件により単離した。
実施例1で得られたアクテオシド、エキナコシド、及び典型的SGLT阻害剤であるフロリジン(陽性対照薬)について、次に示す方法によりナトリウム依存性グルコース取り込み阻害作用を評価した。評価は、以下に示す1)、2)、3)の手順で行った。
1)被験物質の存在下及び非存在下のそれぞれについて、ナトリウム存在下及び非存在下での糖取り込み量を測定した。
2)1)で測定された糖取り込み量について、ナトリウム存在下及び非存在下での差を算出した。この差(算出値)は、SGLT1による糖取り込み量を示す。
3)2)で算出されたSGLT1による糖取り込み量について、被験物質の非存在下での糖取り込み量を100%とし、被験物質の存在下での糖取り込み量の相対値を算出し、グルコース取込み阻害作用(糖輸送阻害活性)を評価した。その結果を表1に示す。
使用した2-NBDGはCayman Chemical社(Ann Arbor、MI)から、フロリジンは和光純薬社から購入した。
Caco-2細胞は、理化学研究所バイオリソースセンター(茨城、日本)から購入し、定法により培養して試験に供した。
Claims (2)
- アクテオシド又は/及びエキナコシドを有効成分として含み、ナトリウム依存性グルコース輸送体SGLT1による細胞内へのグルコース輸送を阻害する作用を有することを特徴とするグルコース輸送阻害剤。
- アクテオシド又は/及びエキナコシドを有効成分として含み、ナトリウム依存性グルコース輸送体SGLT1による細胞内へのグルコース輸送を阻害する作用を奏することを特徴とするグルコース輸送阻害用の機能性食品。
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Carcinogenesis,Vol.28/No.9,P.1928-1936 |
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