JP7011733B2 - ドアラッチ装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ドアラッチ装置に関する。
ドアラッチ装置は、ストライカを離脱可能に保持するフォークと、保持位置のフォークに係止するクローレバーとを備える。フォークは、クローレバーによる係止が解除されると、スプリングの付勢力によって保持位置から開放位置に回転する。この際、車体とドアの間に配置された防水用のウェザーストリップの弾性力も加わり、フォークは勢いよく回転する。その結果、ドアの開放時には、速い回転によるフォークの振動と、この振動がドア等と共鳴することによる異音とが発生する。この振動と異音の発生を抑制するようにしたドアラッチ装置が、特許文献1、2に開示されている。
特許文献1のドアラッチ装置では、フォークとフォークの配置面に、これらの間の隙間を局部的に無くすように、突起がそれぞれ設けられている。フォークが保持位置に回転すると、これらの突起が互いに圧接される。この圧接(抵抗)によって、保持位置から開放位置に向けたフォークの急激な回転が抑制される。
特許文献2のドアラッチ装置は、フォークを操作する第1操作部と、クローレバーを操作する第2操作部とを有するギア部材を備える。ギア部材が開駆動されて回転すると、第1操作部によって保持位置から開放位置に向けたフォークの移動を規制した後、第2操作部によってクローレバーによるフォークの係止を解除する。その後、フォークの移動を規制しながらギア部材が回転し、その回転に連動して開放位置へフォークが回転する。これにより、開放位置に向けたフォークの急激な回転が抑制される。
特許文献1のドアラッチ装置では、突起による圧接抵抗を大きくすると、フォークの通常作動に支障を来し、フォークが開放位置に回転しない虞がある。また、突起同士の圧接が解除されると、フォークが開放位置に向けて急激に回転する。よって、フォークによる振動と異音の抑制について、十分な効果は得られない。
特許文献2のドアラッチ装置では、ギア部材の回転に連動してフォークが開放位置へ回転するため、ドア開放時の振動と異音の発生を効果的に抑制できる。しかし、ギア部材は、第1操作部と第2操作部によってフォークとクローレバーを直接操作するので、配置位置と大きさが限定されるため、設計の自由度が低い。また、フォーク、クローレバー、及びギア部材が同一面上に配置されているため、広い配置面を確保する必要がある。よって、このドアラッチ装置は大型であり、小型化について何も考慮されていない。
本発明は、開放時の振動と異音の発生を抑制しつつ、小型化が可能なドアラッチ装置を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、ストライカを保持する保持位置から、前記ストライカを離脱可能な開放位置に回転するように、第1付勢部材によって付勢されたフォークと、前記保持位置の前記フォークに係止する係止位置と、前記フォークとの係止が解除されて前記第1付勢部材の付勢による前記フォークの回転を許容する非係止位置とに、回転可能なクローレバーと、前記第1付勢部材の付勢による前記フォークの回転を許容する解除位置から、前記第1付勢部材の付勢に抗して前記保持位置に前記フォークを保持する規制位置を経て、この規制位置を越えた退避位置まで移動可能な規制部材と、第1の向きと、この第1の向きとは逆の第2の向きとに回転可能な回転部材とを備え、前記回転部材は、前記規制位置の前記規制部材と当接可能であり、前記退避位置の前記規制部材を操作不可能な第1操作部と、前記退避位置の前記規制部材を操作可能な第2操作部とを有し、定められた中立位置から前記第1の向きへ前記回転部材が回転する第1駆動時、前記第1操作部は、前記規制位置に前記規制部材を保持した後、前記第1付勢部材の付勢による前記フォークの押圧によって前記規制位置から前記解除位置に向けた前記規制部材の移動を許容し、その後、前記退避位置への前記規制部材の移動を許容し、前記中立位置に向けて前記第2の向きへ前記回転部材が回転する第2駆動時、前記第2操作部は、前記退避位置の前記規制部材を前記解除位置に移動させて保持する、ドアラッチ装置を提供する。
このドアラッチ装置では、第1駆動時、第1操作部によって規制部材は、規制位置に保持された後、規制位置から解除位置に向けて徐々に移動される。これにより、規制部材の移動に連動してフォークの回転規制が徐々に解除されるため、第1付勢部材の付勢によって保持位置のフォークが開放位置に向けて徐々に回転する。そして、規制部材が解除位置まで移動すると、規制部材によるフォークの回転規制が解除されるため、第1付勢部材の付勢によって開放位置に向けてフォークが回転する。一方、第2駆動時、第2操作部によって退避位置の規制部材が解除位置に移動されて、その状態が保持される。
このように、第1駆動時、規制部材を介してフォークが保持位置から開放位置へ徐々に回転するため、フォークが急激に回転した場合のような振動と異音の発生を効果的に抑制できる。回転部材と別体の規制部材を介してフォークの回転を規制するため、回転部材の設計の自由度を向上でき、装置を小型化できる。第2駆動時、規制部材が解除位置に回転されて保持されるため、規制部材との干渉によるフォークの動作不良を抑制できる。
本発明では、開放時の振動と異音の発生を抑制しつつ、ドアラッチ装置の小型化が可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るドアラッチ装置10を示す。図1に示すように、このドアラッチ装置10は、車体1の後部開口を開閉するバックドア4に配置され、車体1に対してバックドア4を開放可能に閉じた状態に保持する。車体1には、バックドア4との隙間をシールするゴム製のウェザーストリップ3が配置されている。
(ドアラッチ装置の概要)
図2に示すように、ドアラッチ装置10は、ラッチ機構20、電動開閉機構40、及び手動開放機構70を備え、これらがフレーム12に一体に取り付けられている。
図2に示すように、ドアラッチ装置10は、ラッチ機構20、電動開閉機構40、及び手動開放機構70を備え、これらがフレーム12に一体に取り付けられている。
ラッチ機構20は、電動開閉機構40によって図9Bに示すラッチ状態に切り換えられ、電動開閉機構40又は手動開放機構70によって図14Bに示すオープン状態に切り換えられる。ラッチ状態のラッチ機構20は、車体1に配置されたU字形状のストライカ2を離脱不可能に保持し、車体1に対してバックドア4を閉状態に保持する。オープン状態のラッチ機構20は、ストライカ2の離脱を許容し、車体1に対するバックドア4の開放を許容する。
電動開閉機構40は、車両のバッテリとECU(Electronic Control Unit)に電気的に接続されている。バックドア4に配置された開スイッチ(図示せず)が操作されると、電動開閉機構40は、ECU(制御部)の指令によって開駆動し、ラッチ状態のラッチ機構20をオープン状態に開作動させる。開状態のバックドア4が閉じられて、ラッチ機構20にストライカ2が進入すると、電動開閉機構40は、ECUの指令によって閉駆動し、ラッチ機構20をラッチ状態に閉作動させる。
手動開放機構70は、バッテリの電力不足等によって電動開閉機構40を開駆動できない場合に用いられる。ユーザの操作によって手動開放機構70は開駆動し、ラッチ状態のラッチ機構20をオープン状態に開作動させる。
(フレームの概要)
図1から図3に示すように、フレーム12は、ベースプレート13、フェンスブロック14、ラッチベース15、及びラッチカバー16を備える。ベースプレート13には、電動開閉機構40の一部と手動開放機構70とが配置されている。フェンスブロック14には、ラッチ機構20と電動開閉機構40の残りとが配置されている。
図1から図3に示すように、フレーム12は、ベースプレート13、フェンスブロック14、ラッチベース15、及びラッチカバー16を備える。ベースプレート13には、電動開閉機構40の一部と手動開放機構70とが配置されている。フェンスブロック14には、ラッチ機構20と電動開閉機構40の残りとが配置されている。
ベースプレート13は、金属製であり、バックドア4のアウターパネル5に沿って配置される。ベースプレート13の両側には、ラッチベース15とラッチカバー16を組み付けるためのブラケット13aがそれぞれ設けられている。
フェンスブロック14は、樹脂製であり、バックドア4の先端パネル6に沿って配置される。フェンスブロック14は、ラッチベース15とラッチカバー16に挟み込まれた状態で、これらを介してベースプレート13に組み付けられている。先端パネル6と対向するフェンスブロック14の下側には、ストライカ2を挿通する挿通溝14aが設けられている。
ラッチベース15は、金属製であり、フェンスブロック14の下面に配置されている。ラッチベース15の両側には、ベースプレート13に組み付けるためのブラケット15aがそれぞれ設けられている。ブラケット15aは、フェンスブロック14の側面を覆うように屈曲している。バックドア4を閉じる向きの先端側、つまりインナーパネル7と対向するラッチベース15の前部には、カバー部15bが設けられている。カバー部15bを含むラッチベース15には、挿通溝14aを露出させる開口15cが形成されている。
ラッチカバー16は、金属製であり、ラッチベース15の反対側に位置するフェンスブロック14の上面に配置されている。ラッチカバー16の両側には、ベースプレート13に組み付けるためのブラケット16aがそれぞれ設けられている。図2に最も明瞭に示すように、ラッチカバー16とベースプレート13の間には、電動開閉機構40の一部を配置するための隙間が設けられている。
例えば、フレーム12は次のように組み立てられる。まず、ラッチベース15の上側にフェンスブロック14を配置する。続いて、ベースプレート13の下側にラッチベース15を配置し、ベースプレート13のブラケット13aの下側にラッチベース15のブラケット15aを重ねる。その後、ラッチカバー16をフェンスブロック14の上面に配置し、ベースプレート13のブラケット13aの上側にラッチカバー16のブラケット16aを重ねる。最後に、重ねられた3枚のブラケット13a,15a,16aをボルト止めする。
(ラッチ機構の概要)
図2及び図4に示すように、ラッチ機構20は、ストライカ2を離脱可能に保持するフォーク22と、フォーク22を離脱可能に係止するクローレバー27とを備える。フォーク22は、フェンスブロック14の挿通溝14aの一側(図2において右側)に回転可能に取り付けられている。クローレバー27は、フェンスブロック14の挿通溝14aの他側(図2において左側)に回転可能に取り付けられている。
図2及び図4に示すように、ラッチ機構20は、ストライカ2を離脱可能に保持するフォーク22と、フォーク22を離脱可能に係止するクローレバー27とを備える。フォーク22は、フェンスブロック14の挿通溝14aの一側(図2において右側)に回転可能に取り付けられている。クローレバー27は、フェンスブロック14の挿通溝14aの他側(図2において左側)に回転可能に取り付けられている。
フルラッチ位置(保持位置)に回転したフォーク22をクローレバー27が係止し、クローレバー27によってフォーク22をフルラッチ位置に保持する。クローレバー27とフォーク22の係止が解除されることで、フルラッチ位置からオープン位置(開放位置)へのフォーク22の回転を許容する。
フォーク22は、フェンスブロック14に配置された回転軸23に軸支されている。回転軸23を中心としてフォーク22は、図9Bに示すフルラッチ位置と、図14Bに示すオープン位置とに回転可能である。図4を併せて参照すると、フォーク22は、スプリング(第1付勢部材)24によって、フルラッチ位置からオープン位置へ反時計回りに付勢されている。
フォーク22は、外周部から回転軸23に向けて延びる保持溝22aを備える。図9Bに示すフルラッチ位置の保持溝22aは、挿通溝14aに対して交差する姿勢になり、ストライカ2を離脱不可能に保持する。図14Bに示すオープン位置の保持溝22aは、挿通溝14aに沿って延びて、先端開口が挿通溝14a上に位置する姿勢になり、ストライカ2の離脱を許容する。
図14Bを参照すると、オープン位置で挿通溝14a側に位置するフォーク22の外周には、フルラッチ段部22bとハーフラッチ段部22cが設けられている。フルラッチ位置にフォーク22が回転すると、フルラッチ段部22bにクローレバー27が係止する。フルラッチ位置とオープン位置の間のハーフラッチ位置にフォーク22が回転すると、ハーフラッチ段部22cにクローレバー27が係止する。
図2及び図4に示すように、クローレバー27は、フェンスブロック14に配置された回転軸30に軸支されている。回転軸30を中心としてクローレバー27は、図9Bに示す係止位置と、図13Bに示す非係止位置とに回転可能である。図4を参照すると、クローレバー27は、スプリング31によって、非係止位置から係止位置へ時計回りに付勢されている。
図7を参照すると、クローレバー27は、金属製のレバー本体28と、レバー本体28を覆う樹脂(例えばポリアセタール)製の被覆材29とを備え、インサート成形によって形成されている。挿通溝14a側に位置するレバー本体28の角には係止部28aが設けられている。係止部28aは被覆材29から露出している。図9Bに示す係止位置の係止部28aは、フォーク22のフルラッチ段部22bに係止可能であり、フォーク22をフルラッチ位置に保持する。また、係止位置の係止部28aは、フォーク22のハーフラッチ段部22cに係止可能であり、フォーク22をハーフラッチ位置に保持する。図13Bに示す非係止位置の係止部28aは、フルラッチ段部22b及びハーフラッチ段部22cのいずれにも係止不可能であり、スプリング24の付勢によるオープン位置へのフォーク22の回転を許容する。
(電動開閉機構の概要)
引き続いて図2及び図4を参照すると、電動開閉機構40は、アクチュエータ42、セクタギア(回転部材)48、及び規制部材55を備える。アクチュエータ42とセクタギア48は、ベースプレート13に取り付けられている。規制部材55は、ラッチカバー16に取り付けられている。電動開閉機構40は、クローレバー27に一体に設けられた開操作受部33と、フォーク22に一体に設けられた閉操作受部26とを更に備える。
引き続いて図2及び図4を参照すると、電動開閉機構40は、アクチュエータ42、セクタギア(回転部材)48、及び規制部材55を備える。アクチュエータ42とセクタギア48は、ベースプレート13に取り付けられている。規制部材55は、ラッチカバー16に取り付けられている。電動開閉機構40は、クローレバー27に一体に設けられた開操作受部33と、フォーク22に一体に設けられた閉操作受部26とを更に備える。
ECUによってアクチュエータ42が開駆動されると、セクタギア48、規制部材55、及びクローレバー27(開操作受部33)が開作動する。具体的には、セクタギア48が第1の向きA1(図5参照)に回転し、規制部材55によってフルラッチ位置からオープン位置に向けたフォーク22の回転を規制する。この状態で、セクタギア48の第1操作部51による開操作を受けた開操作受部33が、係止位置のクローレバー27を非係止位置に回転させる。その後、規制部材55を介してフルラッチ位置のフォーク22をオープン位置へ徐々に回転させ、フォーク22が定められた角度位置まで回転されると、規制部材55によるフォーク22の回転規制を解除する。これにより、ラッチ機構20がオープン状態になる。
ECUによってアクチュエータ42が閉駆動されると、セクタギア48、及びフォーク22(閉操作受部26)が閉作動する。具体的には、セクタギア48が第2の向きA2(図5参照)に回転し、第1操作部51による閉操作を受けた閉操作受部26が、ハーフラッチ位置のフォーク22をフルラッチ位置に回転させる。これにより、フルラッチ段部22bにクローレバー27が係止し、ラッチ機構20がラッチ状態になる。
アクチュエータ42は、正転(開駆動)と逆転(閉駆動)が可能な電動モータ43と、電動モータ43の出力軸に機械的に接続された出力ギア44とを備える。電動モータ43は、アウターパネル5と対向するベースプレート13の外面側に固定されている。出力ギア44は、ベースプレート13の貫通部13b(図3参照)を通して、インナーパネル7と対向するベースプレート13の内面側に配置されている。
図1及び図2を参照すると、ECU及びバッテリに対して電動モータ43を電気的に接続するための電線45が配索されている。電線45の両端にはコネクタ46A,46Bがそれぞれ取り付けられている。一方のコネクタ46Aが電動モータ43に接続され、他方のコネクタ46BがECU及びバッテリに接続されたコネクタ(図示せず)に接続される。
コネクタ46Bには、図2に示すフォーク22用のスイッチ25、図9Bに示すクローレバー27用のスイッチ32、及び図2に示すセクタギア48用のスイッチ53が、更に電気的に接続されている。スイッチ25は、フォーク22の回転に連動する検出子を備える回転スイッチであり、フォーク22がオープン位置、ハーフラッチ位置、及びフルラッチ位置のいずれに回転しているのかを検出する。スイッチ32は、マイクロスイッチであり、クローレバー27による押圧によって、クローレバー27が非係止位置に回転したことを検出する。スイッチ53は、マイクロスイッチであり、セクタギア48の干渉部材50による押圧によって、セクタギア48が中立位置に回転したことを検出する。
図2及び図4に示すように、セクタギア48は、ベースプレート13の内面側に配置された概ね扇形の板体であり、出力ギア44の歯44aに噛み合う複数の歯48aを備える。図3及び図7を参照すると、セクタギア48は、ベースプレート13の貫通孔13cに配置された回転軸49に軸支されている。前述のように、フォーク22の回転軸23とクローレバー27の回転軸30はフェンスブロック14に配置されている。つまり、ベースプレート13に配置された回転軸49は、回転軸23及び回転軸30に対して交差する方向に延びるように配置されている。
セクタギア48は、図9Aに示す定められた中立位置を起点とし、電動モータ43が正転することで、出力ギア44によって反時計回り(第1の向き)に回転し、電動モータ43が逆転することで、出力ギア44によって時計回り(第2の向き)に回転する。つまり、図5に示すように、回転軸49を中心としてセクタギア48は、円弧軌道Aを描くように回転する。開駆動時、セクタギア48は、図9Aに示す中立位置から図13Aに示す回転角度位置まで、第1の向きA1へ回転する。閉駆動時、セクタギア48は、図9Aに示す中立位置から図15Aに示す回転角度位置まで、第2の向きA2へ回転する。
セクタギア48の内面側には、干渉部材50、第1操作部51、及び第2操作部52が設けられている。図9Aに示す中立位置にセクタギア48が回転したときに、干渉部材50はベースプレート13に固定されたスイッチ53をオン操作する。開駆動時(第1駆動時)、第1操作部51は規制部材55とクローレバー27を操作する。開駆動後に中立位置に向けて第2の向きA2へセクタギア48が回転する復帰時(第2駆動時)、第2操作部52は規制部材55を操作する。閉駆動時(第3駆動時)、第1操作部51はフォーク22を操作する。閉駆動後に中立位置に向けて第1の向きA1へセクタギア48が回転する復帰時(第4駆動時)、第1操作部51と第2操作部52は、フォーク22、規制部材55及びクローレバー27のうちのいずれも操作しない。第1操作部51と第2操作部52の具体的構成については後で詳述する。
図5から図7に示すように、規制部材55は、第1操作部51による操作を受けて、フルラッチ位置からオープン位置に向けたフォーク22の回転を規制する。具体的には、係止位置のクローレバー27が非係止位置へ回転されるとき(開駆動の初期)、規制部材55はフォーク22をフルラッチ位置に保持する。その後(開駆動の後期)、セクタギア48の回転に連動して、規制部材55は、スプリング24の付勢によるオープン位置へのフォーク22の回転を徐々に許容する。フォーク22が所定の回転角度位置まで回転すると、規制部材55は、フォーク22の回転規制を解除し、オープン位置へのフォーク22の回転を許容する。
規制部材55は、ラッチカバー16の取付孔16b(図3参照)に配置された回転軸59に軸支され、ラッチベース15とラッチカバー16の間の隙間に配置されている。回転軸59を中心として規制部材55は、図9A及び図9Bに示す解除位置から、図11A及び図11Bに示す規制位置を経て、図13A及び図13Bに示す退避位置まで、回転可能である。解除位置では、規制部材55はフォーク22の回転を許容する。規制位置では、規制部材55はフォーク22をフルラッチ位置に保持する。退避位置では、規制部材55は第1操作部51と干渉(当接)しない。
規制部材55は、スプリング(第2付勢部材)60によって、解除位置から退避位置まで反時計回り(図5に示す向きB1)に付勢されている。フォーク22の回転位置を検出するスイッチ25のケースに規制部材55が当接することで、規制部材55は退避位置に停止する(図13A参照)。
規制部材55は、フルラッチ位置のフォーク22に当接する保持部56と、開駆動時に第1操作部51による操作を受ける操作受部57と、開駆動後の復帰時に第2操作部52による操作を受ける被操作部58とを備える。
保持部56は、金属製の基板55aの下端に設けられており、フォーク22に向けて円柱状に突出している。規制位置に回転した規制部材55の保持部56は、フルラッチ位置のフォーク22のハーフラッチ段部22cに当接する。前述のように、規制部材55は、スプリング60によって向きB1に付勢され、スプリング24によるフォーク22の付勢によって向きB1とは逆向きB2に押圧されている。スプリング60の付勢力はスプリング24の付勢力よりも小さい。よって、保持部56がハーフラッチ段部22cに当接した規制部材55は、スプリング24の付勢によって、規制位置から解除位置に向けた向きB2へ付勢される。但し、フォーク22にクローレバー27が係止している状態では、規制位置から解除位置に向けて規制部材55は回転しない。
図5を参照すると、操作受部57は、基板55aにおいて、中立位置のセクタギア48の第1操作部51の下部(開作動により移動する向きA1)、かつ右側(第1操作部51の円弧軌道Aの内側)に位置する部分に形成されている。規制部材55が解除位置及び規制位置に回転しているとき、操作受部57には第1操作部51が当接(操作)可能である。これにより、開駆動時、第1操作部51との当接によって操作受部57は、向きB2への規制部材55の回転を規制し、フルラッチ位置のフォーク22をオープン位置へ徐々に回転させる。規制部材55が退避位置に回転しているとき、操作受部57には第1操作部51が当接(操作)不可能である。これにより、開駆動後の復帰時、操作受部57への第1操作部51の干渉によるセクタギア48の動作不良を抑制できる。
被操作部58は、基板55aにおいて、回転軸59に対して保持部56とは反対側(つまり上側)に設けられている。被操作部58は、開駆動後の復帰時、第2操作部52の当接(押圧)によって退避位置から解除位置に規制部材55を回転させる。セクタギア48が中立位置に回転した状態では、第2操作部52によって被操作部58の移動が規制され、規制部材55が解除位置に保持される。
図5及び図7に示すように、開操作受部33は、樹脂製の被覆材29に一体に設けられ、ベースプレート13とラッチカバー16の隙間から第1操作部51側に突出している。開操作受部33は、第1操作部51の下部(開作動により移動する向きA1)、かつ左側(第1操作部51の円弧軌道Aの外側)に配置されている。開操作受部33は、第1操作部51による操作を受けて、係止位置のクローレバー27が非係止位置に位置するように、スプリング31の付勢に抗して向きC1へクローレバー27を回転させる。これにより、フォーク22とクローレバー27の係止を解除し、フォーク22の回転を許容する。
図2及び図4に示すように、閉操作受部26は、第1操作部51による操作を受けて、スプリング24の付勢に抗してハーフラッチ位置のフォーク22をフルラッチ位置に回転させる。閉操作受部26は屈曲した固定部26aを備え、この固定部26aがラッチカバー16から突出した回転軸23の先端に固定されている。閉操作受部26は、回転軸23に沿って突出し、回転軸23を中心とする円弧状に形成されている。図14A及び図14Bを参照すると、オープン位置の閉操作受部26は、第2の向きA2における第1操作部51の前側かつ近傍に配置されている。
(手動開放機構の概要)
引き続いて図2及び図4を参照すると、手動開放機構70は、ベースプレート13に回転可能に配置されたオープンレバー72を備える。また、手動開放機構70は、クローレバー27の開操作受部33に形成された当接部33aを備える。つまり、開操作受部33は、電動開閉機構40による開操作と、手動開放機構70による開操作の両方を受ける。当接部33aは、オープンレバー72に向けて開操作受部33から突出している。
引き続いて図2及び図4を参照すると、手動開放機構70は、ベースプレート13に回転可能に配置されたオープンレバー72を備える。また、手動開放機構70は、クローレバー27の開操作受部33に形成された当接部33aを備える。つまり、開操作受部33は、電動開閉機構40による開操作と、手動開放機構70による開操作の両方を受ける。当接部33aは、オープンレバー72に向けて開操作受部33から突出している。
オープンレバー72は、ベースプレート13の取付孔13d(図3参照)に回転可能に取り付けられる軸部72aを備える。また、オープンレバー72は、軸部72aから突出するハンドル部72bと開操作部72cを備える。ハンドル部72bは、ラッチ機構20とは逆向きに突出している。開操作部72cは開操作受部33に向けて突出し、クローレバー27を回転させる向きC1とは逆側(向きC2)に先端が配置されている。クローレバー27を開作動させた操作位置から、開操作受部33から向きC2へ離反した非操作位置へ、オープンレバー72はスプリング73によって付勢されている。
工具等によって車内側からハンドル部72bを操作するために、インナーパネル7には図示しない開口部が設けられている。ハンドル部72bの操作により、図2においてオープンレバー72が時計回りに回転し、開操作部72cによって当接部33aを押圧する。これにより係止位置のクローレバー27が非係止位置に向けて回転する。
(第1操作部の詳細)
図10A、図10B、図11A及び図11Bに示すように、開駆動時、第1操作部51は、規制位置から解除位置に向けた規制部材55の移動規制と、フォーク22に対するクローレバー27の係止解除とを、この順で行う。ここで、係止解除とは、フォーク22とクローレバー27の係止を完全に解除した状態を意味する。つまり、係止位置から非係止位置に向けたクローレバー27の移動(操作)開始は、規制部材55の移動規制よりも先に行われてもよい。閉駆動時、第1操作部51は、ハーフラッチ位置のフォーク22をフルラッチ位置へ移動させる。
図10A、図10B、図11A及び図11Bに示すように、開駆動時、第1操作部51は、規制位置から解除位置に向けた規制部材55の移動規制と、フォーク22に対するクローレバー27の係止解除とを、この順で行う。ここで、係止解除とは、フォーク22とクローレバー27の係止を完全に解除した状態を意味する。つまり、係止位置から非係止位置に向けたクローレバー27の移動(操作)開始は、規制部材55の移動規制よりも先に行われてもよい。閉駆動時、第1操作部51は、ハーフラッチ位置のフォーク22をフルラッチ位置へ移動させる。
図5及び図7に示すように、第1操作部51は、角部を丸面取りした概ね四角柱状の第1ピン51Aと、円柱状の第2ピン51Bとを備える。これらは、規制部材55とクローレバー27が位置する車内に向けて、セクタギア48から突出している。第1ピン51Aと第2ピン51Bは、セクタギア48の径方向に間隔をあけて配置されている。回転軸49側に位置する第1ピン51Aの全長は、第1ピン51Aよりも回転軸49から離れて位置する第2ピン51Bの全長よりも長い。
図9Aに示すように、中立位置(第1の回転角度位置)にセクタギア48が停止している状態では、第1ピン51Aと第2ピン51Bは、規制部材55の操作受部57及びクローレバー27の開操作受部33から離反している。セクタギア48の回転により第1ピン51Aと第2ピン51Bは、回転軸49を中心として円弧軌道Aを描くように回転する。
開駆動時、図9Aに示す中立位置から第1の向きA1へセクタギア48が回転する。この回転によって、第1ピン51Aが規制部材55の操作受部57を操作する。また、第1ピン51Aがクローレバー27の開操作受部33を操作した後、第2ピン51Bが開操作受部33を操作する。つまり、第1ピン51Aによって所定角度位置までクローレバー27を回転させた状態で、第2ピン51Bは、開操作受部33に当接し、第1ピン51Aに引き続いて非係止位置に向けてクローレバー27を回転させる。なお、第2ピン51Bでは操作受部57の操作は行わない。
具体的には、図10Aに示す第2の回転角度位置(第2位置)のように、第1ピン51Aは、クローレバー27の開操作受部33と規制部材55の操作受部57とに、この順で当接する。これにより、係止位置から非係止位置に向けたクローレバー27の回転が開始される。また、規制位置から解除位置に向けた規制部材55の回転が規制される。これにより、規制部材55を介してフルラッチ位置からオープン位置に向けたフォーク22の回転が規制される。
続いて、図11Aに示す第3の回転角度位置(第3位置)のように、操作受部57に当接した第1ピン51Aが、規制部材55を規制位置に保持し、この規制部材55を介してフルラッチ位置のフォーク22を保持する。また、開操作受部33に当接した第2ピン51Bが非係止位置に向けてクローレバー27を移動させる。
続いて、図12Aに示す第4の回転角度位置(第4位置)のように、セクタギア48の回転に連動して操作受部57に摺接した第1ピン51Aが、解除位置に向けた規制部材55の回転を徐々に許容し、この規制部材55を介してオープン位置に向けたフォーク22の回転を徐々に許容する。また、開操作受部33に当接した第2ピン51Bがクローレバー27を非係止位置に保持する。
最後に、図13Aに示す第5の回転角度位置(第5位置)のように、開操作受部33に当接した第2ピン51Bがクローレバー27を非係止位置に維持する。また、規制部材55によるフォーク22の回転規制が解除され、スプリング60の付勢によって退避位置へ規制部材55が回転することで、操作受部57が第1ピン51Aから離反する。
開駆動後の復帰時、第1ピン51A及び第2ピン51Bは、いずれの部材の操作も行わない。具体的には、復帰時の初期、規制部材55は退避位置へ回転しているため、第1ピン51Aは操作受部57に当接しない。よって、規制部材55との干渉によるセクタギア48の動作不良を抑制できる。
閉駆動時、図9Aに示す中立位置から第2の向きA2へセクタギア48が回転する。この回転によって、第1ピン51Aがフォーク22の閉操作受部26に押圧する。これにより、スプリング24の付勢に抗して、ハーフラッチ位置のフォーク22がフルラッチ位置に向けて回転する。図15A及び図15Bに示す回転角度位置では、第1ピン51Aによって、ハーフラッチ位置からフルラッチ位置を越えてフォーク22が回転されている。この閉駆動時には、閉操作受部26の操作は第2ピン51Bでは行わない。
閉駆動後の復帰時、第1ピン51A及び第2ピン51Bは、いずれの部材の操作も行わない。中立位置に向けた第1の向きA1への回転によって、第1ピン51Aが閉操作受部26から離反すると、係止位置のクローレバー27がフォーク22に係止する。
このように、セクタギア48の開駆動により第1ピン51Aは、円弧軌道Aの内側に配置された規制部材55の操作受部57を操作するとともに、円弧軌道Aの外側に配置されたクローレバー27の開操作受部33を操作する。また、第1ピン51Aと第2ピン51Bは、開操作受部33を順番に操作するため、クローレバー27の回転角度(作動ストローク)を十分に確保できる。よって、開操作受部33の形状を小さくすることができる。また、小型化により開操作受部33の重量を軽くできるため、車両の衝突時、開操作受部33に作用する慣性力を低減できる。したがって、車両の衝突時に、不意にクローレバー27が係止位置から非係止位置に移動して、フォーク22の係止が解除され、バックドア4が開放することを防止できる。
(第2操作部の詳細)
図5及び図7に示すように、第2操作部52は、セクタギア48の径方向における干渉部材50の内側に一体に設けられている。第2操作部52は、規制部材55が位置する車内に向けて突出している。回転軸49が延びる方向から見ると、第2操作部52は、回転軸49と同軸の円弧状に形成されている。セクタギア48の回転により第2操作部52は、回転軸49を中心として円弧軌道Aを描くように回転する。
図5及び図7に示すように、第2操作部52は、セクタギア48の径方向における干渉部材50の内側に一体に設けられている。第2操作部52は、規制部材55が位置する車内に向けて突出している。回転軸49が延びる方向から見ると、第2操作部52は、回転軸49と同軸の円弧状に形成されている。セクタギア48の回転により第2操作部52は、回転軸49を中心として円弧軌道Aを描くように回転する。
図9Aに示すように、中立位置にセクタギア48が停止している状態では、第2操作部52は、解除位置に回転した規制部材55の被操作部58に当接し、スプリング60の付勢による退避位置に向けた規制部材55の回転を規制する。
図10Aに示すように、開駆動時、第1ピン51Aが規制部材55の操作受部57とクローレバー27の開操作受部33に当接する前に、第2操作部52は、被操作部58から離反し、規制部材55の回転規制を解除する。これにより、スプリング60の付勢によって規制部材55は、解除位置から退避位置に向けて回転する。但し、この状態では、フルラッチ位置にフォーク22が位置するため、規制部材55は規制位置で停止する。
図13A及び図14Aに示すように、開駆動後の復帰時、第2操作部52は、被操作部58に当接する。第2の向きA2へのセクタギア48の回転に連動して、第2操作部52は、被操作部58を押圧し、スプリング60の付勢に抗して退避位置の規制部材55を解除位置に回転させる。
図9A及び図15Aに示すように、閉駆動時及び閉駆動後の復帰時、第2操作部52は、被操作部58に当接した状態を維持し、規制部材55を解除位置に保持する。
このように、開駆動後の復帰時、つまりオープン位置へのフォーク22の回転許容後、第2操作部52によって規制部材55は、退避位置から解除位置に回転されて保持される。よって、閉駆動時、つまりバックドア4を閉じる際、規制部材55との干渉によるフォーク22の動作不良を効果的に抑制できる。
(規制部材の詳細)
図5及び図7に示すように、規制部材55は、セクタギア48と平行に配置された板状の部材であり、前述のように、保持部56、操作受部57、及び被操作部58を備える。開駆動時、フォーク22の回転を規制するために、規制部材55は、第1操作部51によって規制位置に保持された後、第1操作部51の当接とフォーク22の押圧とによって解除位置へ徐々に回転され、その後、スプリング60の付勢によって退避位置に回転される。開駆動後の復帰時、フォーク22の回転規制を解除した状態を維持するために、規制部材55は、第2操作部52によって退避位置から解除位置に回転される。
図5及び図7に示すように、規制部材55は、セクタギア48と平行に配置された板状の部材であり、前述のように、保持部56、操作受部57、及び被操作部58を備える。開駆動時、フォーク22の回転を規制するために、規制部材55は、第1操作部51によって規制位置に保持された後、第1操作部51の当接とフォーク22の押圧とによって解除位置へ徐々に回転され、その後、スプリング60の付勢によって退避位置に回転される。開駆動後の復帰時、フォーク22の回転規制を解除した状態を維持するために、規制部材55は、第2操作部52によって退避位置から解除位置に回転される。
規制部材55の回転軸59は、規制部材55の上端に設けられ、中立位置の第1ピン51Aの横に位置するように、ラッチカバー16に配置されている。回転軸59は、フォーク22の回転軸23及びクローレバー27の回転軸30に対して直交し、セクタギア48の回転軸49に対して平行に位置している。
保持部56は、フォーク22に向けて突出する棒状の部材であり、フォーク22の回転軌道面に対して、概ね同一平面上に配置されている。図10Bに示す規制位置及び図13Bに示す退避位置に規制部材55が回転した状態の保持部56は、フォーク22の回転軌道内に位置する。図12Bは、規制部材55によるフォーク22の回転規制を解除する直前の状態を示している。図9Bを併せて参照すると、解除位置に規制部材55が回転した状態の保持部56は、フォーク22の回転軌道外に位置する。
フルラッチ位置にフォーク22が回転している場合、ハーフラッチ段部22cに保持部56が当接(係止)するため、スプリング60の付勢によって規制部材55は規制位置を越えて退避位置の方へは回転しない。オープン位置にフォーク22が回転している場合、フォーク22に保持部56が干渉しないため、規制部材55は規制位置を越えて退避位置の方へ回転する。但し、開駆動後には、第2操作部52によって退避位置の規制部材55が解除位置に回転されるため、保持部56にフォーク22は干渉しない。
図5に最も明瞭に示すように、操作受部57は、回転軸59と保持部56の間に設けられている。操作受部57は、解除位置及び規制位置に規制部材55が回転した状態では第1ピン51Aの円弧軌道A1上に位置し、退避位置に規制部材55が回転した状態では第1ピン51Aとは干渉しない領域に位置する。操作受部57は、セクタギア48の回転軸49から最も離れて位置する突出頂部57aと、突出頂部57aから保持部56の方へ延びる傾斜部57bとを備える。また、本実施形態の操作受部57には、突出頂部57aから回転軸59の方へ延びる補強部57cが設けられている。これらは、基板55aを絞り加工することで形成されており、互いに連なり、保持部56と同じ向きに突出している。
突出頂部57aは、傾斜部57bと補強部57cを連続させる円弧状の湾曲部分である。図11Aを参照すると、突出頂部57aに第1ピン51Aが当接した状態で規制部材55が規制位置に回転するように、突出頂部57aの位置が設定されている。
傾斜部57bは、第1ピン51Aに線接触する板状に形成され、突出頂部57aから回転軸59の方へ向かうに従って、中立位置の第1ピン51Aから離れる向きに傾斜している。つまり、傾斜部57bは、右下がりの傾斜面によって構成されている。第1ピン51Aの当接によって傾斜部57bは、スプリング24の付勢によるフォーク22の押圧に抗して、解除位置へ向けた規制部材55の回転を規制する。また、第1の向きA1への回転による第1ピン51Aの摺動に連動して、傾斜部57bは、フォーク22の押圧による規制位置から解除位置に向けた規制部材55の回転を徐々に許容する。
補強部57cは、第1ピン51Aの当接による操作受部57の変形と、規制部材55の動作不良を防止する。補強部57cは、第1ピン51Aに線接触する板状に形成され、回転軸59から突出頂部57cの方へ向かうに従って、中立位置の第1ピン51Aから離れる向きに傾斜している。つまり、傾斜部57bは、左下がりの傾斜面によって構成されている。
このように、規制部材55は、フォーク22の回転を徐々に許容する傾斜部57bを有する操作受部57を備えている。よって、開駆動時、フォーク22の回転を規制しつつ、フォーク22の押圧により規制位置の規制部材55を解除位置へ回転させる動きを、簡単かつ確実に実現できる。
図5及び図7に示すように、被操作部58は板状であり、回転軸59を挟んで保持部56とは反対側に位置する規制部材55の端に設けられている。図5に最も明瞭に示すように、解除位置に回転した規制部材55の被操作部58は、セクタギア48の回転軸49と同軸の円弧状に形成されている。つまり、この状態での被操作部58は、セクタギア48の第2操作部52と同心の円弧状であり、第2操作部52の内周に位置している。
図5に破線で示すように、退避位置に回転した規制部材55の被操作部58は、第2操作部52の円弧軌道Aに対して交差する姿勢になる。より具体的には、被操作部58の基端58aは第2操作部52の円弧軌道Aの内側に位置し、被操作部58の先端58bは第2操作部52の円弧軌道Aの外側に位置し、開駆動後の復帰時に第2操作部52が回転する第2の向きA2に沿って傾斜している。これにより、第2操作部52が被操作部58に当接し、セクタギア48の回転に連動して、退避位置から解除位置に規制部材55を回転できる。
基端58aから先端58bまでの被操作部58の全長は、次のように設定されている。図9Aに示すように、中立位置にセクタギア48が回転した状態で、被操作部58の基端58aが第2操作部52の周方向の範囲内に位置する。図10Aに示すように、開駆動時、第1ピン51Aが操作受部57に当接する前に、被操作部58が第2操作部52から離れる。図15Aに示すように、閉駆動時、第1ピン51Aが閉操作受部26を押圧し、フルラッチ位置にフォーク22が回転した状態で、被操作部58の先端58bが第2操作部52の周方向の範囲内に位置する。これらの条件を満足するように、被操作部58の全長と第2操作部52の全長とが設定されている。
(開操作受部の詳細)
図7を参照すると、開操作受部33は、前述のように、クローレバー27を構成する樹脂製の被覆材29に形成されている。クローレバー27は、回転軸30に沿って第1操作部51に向けて突出する腕部27aを備え、この腕部27aの先端に開操作受部33が設けられている。開操作受部33は、オープンレバー72の開操作部72cが当接する当接部33aと、セクタギア48の第1操作部51が当接する傾斜部33bとを備える。
図7を参照すると、開操作受部33は、前述のように、クローレバー27を構成する樹脂製の被覆材29に形成されている。クローレバー27は、回転軸30に沿って第1操作部51に向けて突出する腕部27aを備え、この腕部27aの先端に開操作受部33が設けられている。開操作受部33は、オープンレバー72の開操作部72cが当接する当接部33aと、セクタギア48の第1操作部51が当接する傾斜部33bとを備える。
図5を併せて参照すると、傾斜部33bは、スプリング31の付勢によりクローレバー27が回転する方(向きC2)に向かうに従って、中立位置のセクタギア48の第1操作部51から離れる向き(向きA1)に傾斜している。また、傾斜部33bは、クローレバー27が回転する周方向の円弧軌道に対して接線方向に延びている。これにより、傾斜部33bには、第1ピン51Aと第2ピン51Bが交差する姿勢で上方から当接する。第1ピン51A及び第2ピン51Bが傾斜部33bを下向きに押圧することで、傾斜部33bの傾斜によってクローレバー27は、係止位置から非係止位置へ回転する。
傾斜部33bの傾斜角度(レバー本体28の上面と傾斜部33bとのなす角)が緩すぎると、クローレバー27の回転が困難になり、開操作受部33が大型になる。一方、傾斜部33bの傾斜角度が急すぎると、クローレバー27の作動ストロークが短くなる。よって、開操作受部33を小型化するために傾斜部33bの傾斜角度は、45度以上とすることが好ましく、本実施形態では、45度に設定している。また、電動によるクローレバー27の作動回転角度は、クローレバー27の実際のリリース角度(フォーク22とクローレバー27との係止が解除される角度)が約20度、フルストローク(機械的にクローレバー27が回転できる角度)が約30度であるため、20度以上30度以下とすることが好ましく、本実施形態では25度としている。
図8に示すように、クローレバー27の径方向の内側から外側までの傾斜部33bの幅Wが大きすぎると、ベースプレート13とラッチカバー16の隙間を大きくする必要がある。また、傾斜部33bの幅Wが小さすぎると、第1ピン51Aと第2ピン51Bの全長を長くしなければ、クローレバー27を非係止位置に回転させるまで、第1ピン51A又は第2ピン51Bを傾斜部33bに当接した状態に維持できない。一方、クローレバー27の腕部27aは、金属製のレバー本体28の一部をクローレバー27の回転軸方向C1,C2に沿って概ね直角に屈曲させるので、本実施形態においては、レバー本体28の板厚を5mmとし、腕部27aを構成する被覆材29の幅を1.5mmとしている。そして、傾斜部33bの幅Wは更に広げて8mmとし、傾斜部33bに第1ピン51A又は第2ピン51Bが当接するための十分な当接代を確保している。
引き続いて図8を参照すると、傾斜部33bは、ピン51A,51Bに向けて突出する曲面状に形成されている。つまり、傾斜部33bの幅Wに沿った方向の断面形状は、上向きに湾曲している。これにより、第1ピン51Aと第2ピン51Bは、傾斜部33bに対して点接触する。よって、傾斜部33bとピン51A,51Bは、ストローク領域内でスムーズな接点移動が可能であり、作動中はスムーズな動摩擦状態により摩擦抵抗を低減できる。よって、セクタギア48の駆動によってクローレバー27を確実に回転できる。傾斜部33bの曲率半径rは、傾斜部33bの幅Wに対して摺動点の移動距離が1/2W以上となるように設定することが好ましく、本実施形態では10mmとしている。これは、クローレバー27が係止位置から非係止位置に回転したときに、第1操作部51と傾斜部33bとの摺動軌道が傾斜部33bの幅方向の一端側から他端側まで延び、摺動距離を長くするためである。このように構成すれば、摺動点がよりスムーズな動摩擦状態となり、第1操作部51と傾斜部33bとの摺動抵抗を小さくでき、傾斜部33bの磨耗を低減できる。
このように、開操作受部33をクローレバー27の腕部27aの先端に設けることで、開操作受部33を第1操作部51に近づけて配置できるため、セクタギア48の配置の自由度を向上できる。開操作受部33は、樹脂部品であるため、第1操作部51が当接した際の衝突音と、第1操作部51が傾斜部33bに摺接する際の作動音とを低減できる。
図8を併せて図9Aを参照すると、セクタギア48を正対する方向から見て、傾斜部33bは、セクタギア48の回転軸49と同じ高さに配置されている。つまり、開操作受部33の傾斜部33bとセクタギア48の回転軸49とは、左右に間隔をあけて位置し、ラッチカバー16からの距離が概ね同一になるように設定されている。言い換えれば、傾斜部33bと回転軸49とは、クローレバー27の回転軸30が延びる方向と直交する方向に間隔をあけて配置されている。
このようにした傾斜部33bには、セクタギア48の第1操作部51が鉛直方向の上方から当接する。よって、開操作受部33とセクタギア48の回転軸49とが、クローレバー27の回転軸30に沿って間隔をあけて配置された場合と比べて、セクタギア48の回転角度が少なくても、クローレバー27を長いストロークで作動できる。その結果、セクタギア48を小型化できるため、装置全体も小型化できる。
図4を併せて図8を参照すると、当接部33aは、傾斜部33bに対してフォーク22から離れる方に位置する板状の部分である。オープンレバー72の開駆動によって開操作部72cが回転する向きC1において、当接部33aは、傾斜部33bに対して間隔をあけて先方に位置するように、連結部33cを介して設けられている。クローレバー27が係止位置に回転した状態では、当接部33aは、オープンレバー72の軸部72aの軸線に沿って延びている。
次に、ドアラッチ装置10の動作について説明する。
(非駆動状態)
車体1に対してバックドア4が閉じられた状態では、図9Bに示すように、フォーク22はフルラッチ位置に回転し、クローレバー27は係止位置に回転してフォーク22を係止している。また、フォーク22の保持溝22aにストライカ2を保持し、ストライカ2が挿通溝14aから離脱不可能になっている。図9Aに示すように、セクタギア48は中立位置に位置し、規制部材55は解除位置に位置している。
車体1に対してバックドア4が閉じられた状態では、図9Bに示すように、フォーク22はフルラッチ位置に回転し、クローレバー27は係止位置に回転してフォーク22を係止している。また、フォーク22の保持溝22aにストライカ2を保持し、ストライカ2が挿通溝14aから離脱不可能になっている。図9Aに示すように、セクタギア48は中立位置に位置し、規制部材55は解除位置に位置している。
(電動開閉機構による開駆動)
ラッチ状態でバックドア4の開スイッチが操作されると、電動モータ43が正転されることで、出力ギア44が時計回り(第1の向きA1)に回転し、図9Aに示す中立位置のセクタギア48が反時計回りに開駆動される。これにより、図10Aに示すように、まず、第2操作部52と被操作部58の当接(規制)が解除され、スプリング60の付勢によって解除位置の規制部材55が退避位置に向けて回転する。この際、フォーク22がフルラッチ位置に回転しているため、保持部56がハーフラッチ段部22cに当接し、規制部材55は規制位置で停止する。
ラッチ状態でバックドア4の開スイッチが操作されると、電動モータ43が正転されることで、出力ギア44が時計回り(第1の向きA1)に回転し、図9Aに示す中立位置のセクタギア48が反時計回りに開駆動される。これにより、図10Aに示すように、まず、第2操作部52と被操作部58の当接(規制)が解除され、スプリング60の付勢によって解除位置の規制部材55が退避位置に向けて回転する。この際、フォーク22がフルラッチ位置に回転しているため、保持部56がハーフラッチ段部22cに当接し、規制部材55は規制位置で停止する。
続いて、図10Aに示すように、セクタギア48の第1ピン51Aが、クローレバー27の傾斜部33bに当接し、直後に規制部材55の突出頂部57aの上部に当接する。図10Bに示すように、この状態では、第1ピン51Aによる開操作受部33の押圧によって、係止位置から非係止位置に向けたクローレバー27の回転は開始されるが、非係止位置までは到達せず、係止部28aでフルラッチ段部22bを係止した状態を維持している。また、規制部材55が規制位置に保持されることで、保持部56がフォーク22をフルラッチ位置に保持している。
セクタギア48の回転が進むと、第1ピン51Aが傾斜部33bの下端に位置するとともに、第2ピン51Bが傾斜部33bの上端に当接する。その後、図11Aに示すように、第1ピン51Aは、クローレバー27の傾斜部33bから離反するとともに、規制部材55の突出頂部57aに最外端に位置する。また、第2ピン51Bは傾斜部33bを押圧する。
図11Aのように第2ピン51Bが傾斜部33bの中段に位置する状態では、図11Bに示すように、クローレバー27とフォーク22の係止は未だ解除されていない。傾斜部33bの中段よりも下方に第2ピン51Bが位置することで、クローレバー27とフォーク22の係止が解除される。また、第1ピン51Aによって規制部材55が規制位置に保持され、保持部56がハーフラッチ段部22cを保持した状態を維持している。よって、フルラッチ位置からオープン位置に向けたフォーク22の回転規制が維持されている。
図12Aに示すように、セクタギア48の回転が更に進むと、クローレバー27が非係止位置に回転した状態が第2ピン51Bによって保持される。また、第1ピン51Aが傾斜部57bに位置し、傾斜部57bに対する第1ピン51Aの摺接と、スプリング24の付勢によるフォーク22の押圧とによって、規制位置の規制部材55が解除位置に向けて徐々に回転する。図12Bに示すように、規制部材55の回転に連動し、フルラッチ位置のフォーク22がオープン位置に向けて徐々に回転する。これにより、バックドア4が少し開き、ウェザーストリップ3の弾性力によるバックドア4への付勢力が弱まる。
図13Aに示すように、セクタギア48の回転によって第2ピン51Bが傾斜部33bの下端に位置すると、規制部材55の傾斜部57bの下端に第1ピン51Aが位置する。この状態では、クローレバー27は非係止位置に保持される。また、規制部材55が解除位置まで回転することで、保持部56とハーフラッチ段部22cの当接が解除され、規制部材55によるフォーク22の回転規制が解除される。
これにより、図13Bに示すように、スプリング24の付勢によってフォーク22がオープン位置へ回転し、保持溝22aからストライカ2が離脱可能になる。この際、前述のようにウェザーストリップ3によるバックドア4への付勢力は弱まっているため、係止解除時のフォーク22の振動を低減でき、異音を低減できる。また、スプリング60の付勢によって、解除位置から退避位置へ規制部材55が回転し、第1ピン51Aから操作受部57が離反する。
フォーク22がオープン位置まで回転したことをスイッチ25が検出すると、電動モータ43の正転が停止され、電動モータ43の逆転が開始される。これにより、出力ギア44が反時計回りに回転し、セクタギア48が時計回り回転する。
(電動開閉機構による開駆動後の復帰)
図13Aに示す状態から復帰駆動が行われると、クローレバー27の開操作受部33に対する第1操作部51の当接(押圧)が解除される。これにより、図14Bに示すように、スプリング31の付勢によってクローレバー27は、非係止位置から係止位置へ回転する。この際、退避位置に回転した規制部材55の操作受部57には、第1操作部51は当接しない。
図13Aに示す状態から復帰駆動が行われると、クローレバー27の開操作受部33に対する第1操作部51の当接(押圧)が解除される。これにより、図14Bに示すように、スプリング31の付勢によってクローレバー27は、非係止位置から係止位置へ回転する。この際、退避位置に回転した規制部材55の操作受部57には、第1操作部51は当接しない。
セクタギア48の回転が進み、第1操作部51が操作受部57よりも上方に位置すると、第2操作部52が規制部材55の被操作部58に当接する。その後、図14Aに示すように、第2操作部52による被操作部58の押圧によって規制部材55は、退避位置から解除位置に回転する。その後、第2操作部52と被操作部58の当接が維持されることで、第2操作部52によって規制部材55が解除位置に保持される。この際、スプリング24の付勢によってフォーク22はオープン位置に保持されているため、規制部材55の回転範囲内にはフォーク22が位置しない。よって、規制部材55の復帰作動をフォーク22が妨げることはない。
干渉部材50がスイッチ53をオンすることで、中立位置までセクタギア48が回転したことを検出すると、電動モータ43の逆転が停止される。
なお、電動モータ43は、駆動開始から所定時間が経過するまで正転(開駆動)され、所定時間経過すると逆転(復帰駆動)されてもよい。この所定時間は、中立位置から第1ピン51Aが規制部材55の傾斜部57bの下端に達し、中立位置から第2ピン51Bが傾斜部33bの下端に達するまでの長さに、予め設定することが好ましい。また、スイッチ32の検出結果に基づいて、電動モータ43の正転と逆転を切り換えてもよい。また、電動モータ43の逆転は、スイッチ53によるセクタギア48の中立位置の検出の代わりに、時間によって制御してもよい。
以上のように、ドアラッチ装置10では、開駆動時、クローレバー27によるフォーク22の係止が解除されても、規制部材55を介してオープン位置に向けたフォーク22の回転が規制されている。よって、スプリング24の付勢にウェザーストリップ3の弾性力が加わり、オープン位置へ勢いよくフォーク22が回転することはない。その結果、バックドア4の開放時の振動と異音の発生を効果的に抑制できる。
フォーク22の回転は、セクタギア48の第1操作部51によって直接規制されるのではなく、別体の規制部材55を介して規制されるため、セクタギア48の配置位置と大きさをある程度自由に設定でき、装置を小型化できる。
第1操作部51の円弧軌道A1の内側と外側のうち、一方に規制部材55の操作受部57を配置し、他方にクローレバー27の開操作受部33を配置し、第1操作部51によって、規制部材55とクローレバー27の両方を操作する。つまり、規制部材55とクローレバー27とを第1操作部51を挟んで近づけて配置しているため、装置を小型化できる。また、規制部材55によるフォーク22の回転規制と、クローレバー27の係止解除とを、1個のアクチュエータ42で行うことができるため、ドアラッチ装置10の部品点数を削減し、製造コストを低減できる。
フォーク22と規制部材55は異なる面に立体的に配置され、クローレバー27とセクタギア48も異なる面に立体的に配置されている。よって、フォーク22とクローレバー27を配置するラッチベース15及びフェンスブロック14を省スペース化でき、装置全体を小型化できる。
セクタギア48の第1操作部51は、クローレバー27の開操作受部33を直接操作するため、オープンレバー72の開操作部72cを、開操作受部33と第1操作部51との間に配置する必要がない。よって、クローレバー27とセクタギア48の間に余計なスペースを確保する必要がないため、部品を集約して配置することができ、この点でも装置全体を小型化できる。
規制部材55は、規制位置においてフォーク22をフルラッチ位置に保持するのみであり、スプリング24の付勢とウェザーストリップ3の弾性力に抗して、フォーク22をクローズ方向に回転させるものではない。よって、規制部材55と、規制部材55を支持するフレーム12に作用する反力を小さくできる。その結果、フレーム12に補強部材などを設ける必要がなく、製造コストを低減でき、軽量化も図ることができる。
開駆動の完了後、スプリング60の付勢によって規制部材55が退避位置に保持される。よって、中立位置へのセクタギア48の復帰時、規制部材55に対する第1操作部51の干渉を防止できる。その結果、これらの干渉によるセクタギア48の動作不良を抑制できる。中立位置では第2操作部52によって規制部材55が解除位置に保持されるため、規制部材55との干渉によるフォーク22の動作不良を抑制できる。
(手動開放機構による開駆動)
図2に示すように、ラッチ状態でオープンレバー72のハンドル部72bが時計回りに回転されると、オープンレバー72の開操作部72cは、クローレバー27の当接部33aに当接し、当接部33aを図2において左向きに押圧する。これにより、係止位置から非係止位置へ反対時計回りにクローレバー27が回転し、クローレバー27とフォーク22の係止が解除される。その結果、フォーク22は、スプリング24の付勢によってオープン位置へ回転する。
図2に示すように、ラッチ状態でオープンレバー72のハンドル部72bが時計回りに回転されると、オープンレバー72の開操作部72cは、クローレバー27の当接部33aに当接し、当接部33aを図2において左向きに押圧する。これにより、係止位置から非係止位置へ反対時計回りにクローレバー27が回転し、クローレバー27とフォーク22の係止が解除される。その結果、フォーク22は、スプリング24の付勢によってオープン位置へ回転する。
オープンレバー72の操作が止められると、スプリング73の付勢によって、操作位置から非操作位置へオープンレバー72が回転する。これにより、開操作部72cによる当接部33aの押圧が解除されるため、スプリング31の付勢によって、非係止位置から係止位置へクローレバー27が回転する。
このように、ドアラッチ装置10では、バッテリの電力不足等の非常時に、オープンレバー72を直接操作することで、ラッチ機構20を開作動できる。また、オープンレバー72は非常時にしか使用されないため、耐久性を低くでき、機械的強度を低くしても、破損等の不具合が生じることはない。よって、オープンレバー72には焼付け等の熱処理が不要であるため、製造コストを削減できる。
セクタギア48が中立位置にある状態では、セクタギア48の第1操作部51はフォーク22、クローレバー27、及び規制部材55に干渉しない位置にあり、規制部材55はフォーク22と当接不可能な解除位置にある。よって、フォーク22がフルラッチ位置にある状態で、手動開放機構70によってフォーク22とクローレバー27の係止を解除しても、フォーク22と規制部材55が干渉することはない。そのため、フォーク22は問題なくフルラッチ位置からオープン位置まで移動でき、ラッチ機構20をオープン状態とすることができる。このとき、セクタギア48は中立位置にある状態が維持され、規制部材55は解除位置にある状態が維持される。したがって、引き続き、バックドア4を閉じて電動開閉機構40による閉駆動を行うことが可能である。
(電動開閉機構による閉駆動)
図14A及び図14Bに示すように、オープン位置にフォーク22が回転している状態で、開状態のバックドア4を閉操作すると、保持溝22aにストライカ2が相対的に進入する。これにより、バックドア4の回転によるストライカ2の押圧によって、オープン位置のフォーク22がフルラッチ位置に向けて回転する。オープン位置のフォーク22がハーフラッチ位置まで回転すると、ハーフラッチ段部22cにクローレバー27の係止部28aが係止する。ハーフラッチ位置にフォーク22が回転したことをスイッチ25が検出すると、電動モータ43の逆転が開始される。
図14A及び図14Bに示すように、オープン位置にフォーク22が回転している状態で、開状態のバックドア4を閉操作すると、保持溝22aにストライカ2が相対的に進入する。これにより、バックドア4の回転によるストライカ2の押圧によって、オープン位置のフォーク22がフルラッチ位置に向けて回転する。オープン位置のフォーク22がハーフラッチ位置まで回転すると、ハーフラッチ段部22cにクローレバー27の係止部28aが係止する。ハーフラッチ位置にフォーク22が回転したことをスイッチ25が検出すると、電動モータ43の逆転が開始される。
図15Aに示すように、電動モータ43の逆転により出力ギア44は反時計回りに回転し、セクタギア48が時計回りに閉駆動される。これにより、セクタギア48の第1ピン51Aがフォーク22の閉操作受部26に当接する。セクタギア48の回転が進むと、第1ピン51Aが閉操作受部26を押圧することで、スプリング24の付勢に抗して、ハーフラッチ位置のフォーク22がフルラッチ位置に向けて回転する。
図15Bに示すように、フルラッチ位置までフォーク22が回転すると、フルラッチ段部22bにクローレバー27の係止部28aが係止する。その後、フルラッチ位置までフォーク22が回転したことをスイッチ25が検出し、クローレバー27が係止位置に回転したことをスイッチ32が検出すると、電動モータ43の逆転が停止され、電動モータ43が正転される。この間、第2操作部52は、被操作部58に当接した状態を維持し、規制部材55を解除位置に保持する。
(電動開閉機構による閉駆動後の復帰)
図15Aに示す状態から復帰駆動が行われると、出力ギア44が時計回りに回転し、セクタギア48が反時計回り回転する。これにより、フォーク22の閉操作受部26に対する第1操作部51の当接(押圧)が解除され、第1操作部51が閉操作受部26から離反する。また、干渉部材50がスイッチ53をオンすることで、中立位置までセクタギア48が回転したことを検出すると、電動モータ43の正転が停止される。この間、第2操作部52は、被操作部58に当接した状態を維持し、規制部材55を解除位置に保持する。
図15Aに示す状態から復帰駆動が行われると、出力ギア44が時計回りに回転し、セクタギア48が反時計回り回転する。これにより、フォーク22の閉操作受部26に対する第1操作部51の当接(押圧)が解除され、第1操作部51が閉操作受部26から離反する。また、干渉部材50がスイッチ53をオンすることで、中立位置までセクタギア48が回転したことを検出すると、電動モータ43の正転が停止される。この間、第2操作部52は、被操作部58に当接した状態を維持し、規制部材55を解除位置に保持する。
なお、電動モータ43は、駆動開始から所定時間が経過するまで逆転(閉駆動)され、所定時間経過すると正転(復帰駆動)されてもよい。この所定時間は、第1ピン51Aが閉操作受部26を押圧し、ハーフラッチ位置からフルラッチ位置にフォーク22が回転するまでの長さに、予め設定することが好ましい。また、スイッチ32の検出結果に基づいて、電動モータ43の逆転と正転を切り換えてもよい。また、電動モータ43の正転は、スイッチ53による中立位置の検出の代わりに、時間によって制御してもよい。
(手動操作による閉駆動)
図14A及び図14Bに示すように、オープン位置にフォーク22が回転している状態で、開状態のバックドア4を勢いよく閉操作する。これにより、電動開閉機構40による閉駆動の場合と同様に、オープン位置に回転したフォーク22の保持溝22aに、ストライカ2が相対的に進入し、フォーク22がハーフラッチ位置まで回転する。この回転をスイッチ25が検出すると、電動モータ43が逆転駆動される。しかし、バックドア4の回転速度が速い場合、電動モータ43の逆転が開始される前、又は電動モータ43の逆転が開始され、セクタギア48の第1操作部51がフォーク22の閉操作受部26に当接する前に、フォーク22がフルラッチ位置まで回転し、バックドア4が閉じられる。つまり、電動開閉機構40による閉作動ではなく、手動による力でバックドア4が閉じられる。この場合、フルラッチ位置までフォーク22が回転したことをスイッチ25が検出し、係止位置にクローレバー27が回転したことをスイッチ32が検出すると、電動モータ43が正転されることで、途中まで回転したセクタギア48が中立位置に戻る。
図14A及び図14Bに示すように、オープン位置にフォーク22が回転している状態で、開状態のバックドア4を勢いよく閉操作する。これにより、電動開閉機構40による閉駆動の場合と同様に、オープン位置に回転したフォーク22の保持溝22aに、ストライカ2が相対的に進入し、フォーク22がハーフラッチ位置まで回転する。この回転をスイッチ25が検出すると、電動モータ43が逆転駆動される。しかし、バックドア4の回転速度が速い場合、電動モータ43の逆転が開始される前、又は電動モータ43の逆転が開始され、セクタギア48の第1操作部51がフォーク22の閉操作受部26に当接する前に、フォーク22がフルラッチ位置まで回転し、バックドア4が閉じられる。つまり、電動開閉機構40による閉作動ではなく、手動による力でバックドア4が閉じられる。この場合、フルラッチ位置までフォーク22が回転したことをスイッチ25が検出し、係止位置にクローレバー27が回転したことをスイッチ32が検出すると、電動モータ43が正転されることで、途中まで回転したセクタギア48が中立位置に戻る。
以上のように、本実施形態のドアラッチ装置10では、電動開閉機構40又は手動開放機構70によって、ラッチ機構20を開作動できる。また、電動開閉機構40によって、ラッチ機構20を閉作動できる。
セクタギア48は、開駆動時、中立位置から反時計回り(第1の向き)に回転されることで、第1操作部51によって規制部材55の規制作動とクローレバー27の開作動とを行った後、中立位置に戻される。また、セクタギア48は、閉駆動時、中立位置から時計回り(第2の向き)に回転されることで、第1操作部51によってフォーク22の閉作動を行った後、中立位置に戻される。そして、この中立位置では、退避位置に付勢された規制部材55が、第2操作部52によって解除位置に保持される。よって、手動でラッチ機構20を開作動又は閉作動させている最中に電動開閉機構40を駆動させて、引き続き、電動開閉機構40によってラッチ機構20を開作動又は閉作動させることができる。
セクタギア48が中立位置にある状態では規制部材55が解除位置にあり、解除位置の規制部材55は、フォーク22の回転範囲から外れた領域に位置している。よって、電動開閉機構40を使用することなくラッチ機構20を開作動又は閉作動させる場合、フォーク22が規制部材55に干渉しないため、規制部材55との干渉によるラッチ機構20の動作不良を防止できる。
なお、本発明のドアラッチ装置10は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、規制位置と解除位置に規制部材55を回転させる操作部と、係止位置から非係止位置にクローレバー27を回転させる操作部とは、個別に設けてもよい。また、第1操作部51が開駆動する回転軌道の内側と外側のうち、外側に規制部材55を配置し、内側にクローレバー27を配置してもよい。
セクタギア48の第1操作部51は、先に規制位置から解除位置に向けた規制部材55の移動規制を行い、後でフォーク22に対するクローレバー27の係止解除を行ったが、これらを同時に行ってもよい。第1操作部51は、オープンレバー72を介してクローレバー27を操作してもよい。
アクチュエータ42、第1操作部51を含むセクタギア48、規制部材55、開操作受部33、及び閉操作受部26の配置は、必要に応じて変更が可能であり、フォーク22、及びクローレバー27の配置も必要に応じて変更が可能である。勿論、フレーム12を構成する部品も、必要に応じて変更が可能である。
クローレバー27に形成する開操作受部33の傾斜部33bは、曲面を備えない平坦面状としてもよい。また、開操作受部33は、金属製のレバー本体28に一体成形してもよい。
セクタギア48の第1操作部51は、第1ピン51Aと第2ピン51Bとで構成したが、これらを一体化した径方向に長い1個の部材によって構成してもよいし、3個以上のピンによって構成してもよい。
規制部材55の回転軸59は、フォーク22の回転軸23に対して交差する方向に配置されれば、その傾斜角度は必要に応じて変更が可能である。そして、このように構成してもフェンスブロック14を省スペース化でき、装置全体を小型化できる。
セクタギア48の第1操作部51に、規制位置から解除位置に向けて規制部材55を移動させる傾斜部を設け、規制部材55の操作受部57を円柱状としてもよい。
図16に示すように、操作受部57は、補強部57cを設けずに、突出頂部57a及び傾斜部57bによって構成してもよい。
図17Aに示すように、規制部材55は、1枚の金属板からなる構成としてもよい。具体的には、規制部材55を構成する金属製の基板55aには、フォーク22に当接する保持部56と、第1操作部51による操作を受ける操作受部57と、第2操作部52による操作を受ける被操作部58とが、プレス加工によって一体に設けられている。図7に示す棒状部材からなる別体の保持部56を無くすことで、部品点数を削減している。基板55aの厚みは、図7に示す実施形態の基板55aの厚みよりも厚い(例えば2mm)。被操作部58の構成は、図7に示す被操作部58の構成と同様である。
保持部56は、別体の棒状部材の代わりに基板55aを屈曲させて設けられている。よって、保持部56のうち、フォーク22に当接する部分は、金属板の厚みに相当する平面である。つまり、線状に当接する棒状部材と比較して、本実施形態ではフォーク22との接触面積を確保できる。また、保持部56と連なる基板55aの外周面を、フォーク22との当接面として利用できる。よって、図7の例のように、棒状の保持部56とフォーク22との当接距離を確保するための屈曲部55bの形成は不要である。
操作受部57は、プレス加工による基板55aの外周面によって構成されている。この操作受部57は、図7に示すように絞り加工によって形成した曲面状の操作受部57と比較して、突出頂部57a及び傾斜部57bの曲率半径の設計の自由度を向上できる。特に、第1操作部51(第1ピン51A)による操作を受ける傾斜部57bは、2以上(図17Bでは2つ)の曲部57b1,57b2を組み合わせて構成できる。よって、第1ピン51Aが曲部57b1に当接する場合と、第1ピン51Aが曲部57b2に当接する場合とで、規制部材55の回転速度を変更できる。これにより、ウェザーストリップ3によるバックドア4への付勢が無くなるまではフォーク22の回転規制を徐々に解除する一方、その後は速やかにフォーク22の係止を解除するように、規制部材55の作動を調整できる。また、操作受部57の強度も確保できる。
1 車体
2 ストライカ
3 ウェザーストリップ
4 バックドア
5 アウターパネル
6 先端パネル
7 インナーパネル
10 ドアラッチ装置
12 フレーム
13 ベースプレート
13a ブラケット
13b 貫通部
13c 貫通孔
13d 取付孔
14 フェンスブロック
14a 挿通溝
15 ラッチベース
15a ブラケット
15b カバー部
15c 開口
16 ラッチカバー
16a ブラケット
16b 取付孔
20 ラッチ機構
22 フォーク
22a 保持溝
22b フルラッチ段部
22c ハーフラッチ段部
23 回転軸
24 スプリング(第1付勢部材)
25 スイッチ
26 閉操作受部
26a 固定部
27 クローレバー
27a 腕部
28 レバー本体
28a 係止部
29 被覆材
30 回転軸
31 スプリング
32 スイッチ
33 開操作受部
33a 当接部
33b 傾斜部
33c 連結部
40 電動開閉機構
42 アクチュエータ
43 電動モータ
44 出力ギア
44a 歯
45 電線
46A,46B コネクタ
48 セクタギア(回転部材)
48a 歯
49 回転軸
50 干渉部材
51 第1操作部
51A 第1ピン
51B 第2ピン
52 第2操作部
53 スイッチ
55 規制部材
55a 基板
55b 屈曲部
56 保持部
57 操作受部
57a 突出頂部
57b 傾斜部
57b1,57b2 曲部
57c 補強部
58 被操作部
58a 基端
58b 先端
59 回転軸
60 スプリング(第2付勢部材)
70 手動開放機構
72 オープンレバー
72a 軸部
72b ハンドル部
72c 開操作部
73 スプリング
A1 第1の向き
A2 第2の向き
2 ストライカ
3 ウェザーストリップ
4 バックドア
5 アウターパネル
6 先端パネル
7 インナーパネル
10 ドアラッチ装置
12 フレーム
13 ベースプレート
13a ブラケット
13b 貫通部
13c 貫通孔
13d 取付孔
14 フェンスブロック
14a 挿通溝
15 ラッチベース
15a ブラケット
15b カバー部
15c 開口
16 ラッチカバー
16a ブラケット
16b 取付孔
20 ラッチ機構
22 フォーク
22a 保持溝
22b フルラッチ段部
22c ハーフラッチ段部
23 回転軸
24 スプリング(第1付勢部材)
25 スイッチ
26 閉操作受部
26a 固定部
27 クローレバー
27a 腕部
28 レバー本体
28a 係止部
29 被覆材
30 回転軸
31 スプリング
32 スイッチ
33 開操作受部
33a 当接部
33b 傾斜部
33c 連結部
40 電動開閉機構
42 アクチュエータ
43 電動モータ
44 出力ギア
44a 歯
45 電線
46A,46B コネクタ
48 セクタギア(回転部材)
48a 歯
49 回転軸
50 干渉部材
51 第1操作部
51A 第1ピン
51B 第2ピン
52 第2操作部
53 スイッチ
55 規制部材
55a 基板
55b 屈曲部
56 保持部
57 操作受部
57a 突出頂部
57b 傾斜部
57b1,57b2 曲部
57c 補強部
58 被操作部
58a 基端
58b 先端
59 回転軸
60 スプリング(第2付勢部材)
70 手動開放機構
72 オープンレバー
72a 軸部
72b ハンドル部
72c 開操作部
73 スプリング
A1 第1の向き
A2 第2の向き
Claims (9)
- ストライカを保持する保持位置から、前記ストライカを離脱可能な開放位置に回転するように、第1付勢部材によって付勢されたフォークと、
前記保持位置の前記フォークに係止する係止位置と、前記フォークとの係止が解除されて前記第1付勢部材の付勢による前記フォークの回転を許容する非係止位置とに、回転可能なクローレバーと、
前記第1付勢部材の付勢による前記フォークの回転を許容する解除位置から、前記第1付勢部材の付勢に抗して前記保持位置に前記フォークを保持する規制位置を経て、この規制位置を越えた退避位置まで移動可能な規制部材と、
第1の向きと、この第1の向きとは逆の第2の向きとに回転可能な回転部材と
を備え、
前記回転部材は、
前記規制位置の前記規制部材と当接可能であり、前記退避位置の前記規制部材を操作不可能な第1操作部と、
前記退避位置の前記規制部材を操作可能な第2操作部と
を有し、
定められた中立位置から前記第1の向きへ前記回転部材が回転する第1駆動時、前記第1操作部は、前記規制位置に前記規制部材を保持した後、前記第1付勢部材の付勢による前記フォークの押圧によって前記規制位置から前記解除位置に向けた前記規制部材の移動を許容し、その後、前記退避位置への前記規制部材の移動を許容し、
前記中立位置に向けて前記第2の向きへ前記回転部材が回転する第2駆動時、前記第2操作部は、前記退避位置の前記規制部材を前記解除位置に移動させて保持する、ドアラッチ装置。 - 前記第1付勢部材の付勢力よりも小さい付勢力で、前記解除位置の前記規制部材を前記退避位置へ付勢する第2付勢部材を備える、請求項1に記載のドアラッチ装置。
- 前記第1駆動時、前記規制部材は、前記第1操作部が摺接し、前記フォークの押圧によって前記規制位置から前記解除位置に向けた前記規制部材の移動を許容するように傾斜した傾斜部を有する、請求項1又は2に記載のドアラッチ装置。
- 前記規制部材は前記第2操作部が当接可能な被操作部を有し、
前記被操作部は、前記第2駆動時、前記第2操作部の当接によって前記退避位置の前記規制部材を前記解除位置に移動させ、前記第1駆動時、前記第2操作部との当接解除によって前記解除位置から前記退避位置に向けた前記規制部材の移動を許容する、請求項1から3のいずれか1項に記載のドアラッチ装置。 - 前記第1駆動時、前記クローレバーは、前記第1操作部の操作によって前記係止位置の前記クローレバーを前記非係止位置に回転させる開操作受部を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載のドアラッチ装置。
- 前記第1駆動時、前記第1操作部の回転軌道の内側と外側のうち、一方に前記規制部材が配置されるとともに、他方に前記クローレバー又は前記クローレバーを連動させる部材が配置されており、
前記第1操作部は、前記規制位置から前記解除位置に向けた前記規制部材の移動規制と、前記フォークに対する前記クローレバーの係止解除とを、この順番又は同時に行う、請求項5に記載のドアラッチ装置。 - 前記規制部材は、前記退避位置と前記解除位置に前記規制部材を回転させるための回転軸と、前記フォークを前記保持位置に保持するための保持部とを有し、
前記回転軸は、前記フォークの回転軸に対して交差する方向に配置されている、請求項1から6のいずれか1項に記載のドアラッチ装置。 - 前記中立位置から前記第2の向きへ前記回転部材が回転する第3駆動時、前記フォークは、前記第1操作部が当接して前記フォークを前記保持位置に回転させる閉操作受部を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載のドアラッチ装置。
- 前記解除位置の前記規制部材は、前記フォークの回転範囲外に位置する、請求項1から8のいずれか1項に記載のドアラッチ装置。
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