JP5050276B2 - ドアラッチ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のドアに適用されるドアラッチ装置に関するものである。
四輪自動車等の車両には、車両本体とドアとの間に、車両本体に対してドアを閉じた状態に維持するためのドアラッチ装置が設けられている。ドアラッチ装置は、ストライカ進入溝を有したカバープレートにラッチ及びラチェットを配設することによって構成されている。このドアラッチ装置では、ストライカ進入溝に進入したストライカにラッチを噛み合わせるとともに、ラッチにラチェットを係合させて開放方向への回転を規制し、ストライカ進入溝からのストライカの逸脱を阻止することでドアを閉じた状態に維持するようにしている。一方、ラッチに対するラチェットの係合状態を解除すると、ラッチとストライカとの噛み合い状態も解除され、ストライカをストライカ進入溝から逸脱させることができるようになる。これにより、車両本体に対してドアを開けることが可能となる。
この種のドアラッチ装置には、ラッチの回転位置を検出するためのラッチ検出センサを備えたものも提供されている。ラッチ検出センサは、ラッチに対してリンクにより連係してあり、ラッチの回転位置に応じた検出信号を出力することが可能である。ラッチ検出センサを備えたドアラッチ装置では、ラッチ検出センサの検出信号に基づいてラッチとストライカとの噛み合い状態を検出することができる。従って、例えば、ラッチとストライカとが噛み合っていない状態では、室内灯を点灯させることで乗員にドアが半開きであることを知らせることができる(例えば、特許文献1参照)。
特公平5−57688号公報
ところで、ドアラッチ装置のカバープレート及びストライカは、互いの噛み合い強度を十分に確保するため、それぞれ金属によって成形するのが一般的である。しかしながら、ストライカがカバープレートのストライカ進入溝に進入する際に両者が接触すると、大きな打撃音が発生するばかりでなく、双方に損傷を来す恐れもある。
そこで、昨今のドアラッチ装置には、カバープレートに本体ボディと称される緩衝材を配設し、上述の問題を解決することが行われている。本体ボディは、比較的硬質の合成樹脂材によって厚肉のブロック状に成形されたもので、カバープレートのストライカ進入溝に対応した緩衝溝を有している。この本体ボディは、緩衝溝をストライカ進入溝に合致させるとともに、先端部をカバープレートの先端面に合致させ、さらにカバープレートに配設されたラッチ及びラチェットを覆う態様でカバープレートに取り付けられている。カバープレートに配設されたラッチ及びラチェットを本体ボディによって覆うのは、ストライカとの噛合位置をストライカの固定基端部側に位置させるためである。上記のような本体ボディを備えたドアラッチ装置によれば、ストライカがカバープレートに接触する以前に本体ボディがストライカに接触することになるため、ストライカがストライカ進入溝に進入する際の衝撃を緩和するとともに、打撃音の発生を抑えることができる。
しかしながら、本体ボディを備えるドアラッチ装置では、ラッチに連係されるラッチ検出センサが本体ボディとカバープレートとの間に配設されることになるため、カバープレートに本体ボディを取り付けた後にラッチ検出センサを組み付けることが困難となる。
通常のドアラッチ装置では、ラッチやラチェットを組み立てる際に、これらの動作を滑らかにすべくグリースを塗布することが行われる。但し、このグリースは、ラッチ検出センサに付着した場合、検出不良を招来する恐れがある。このため、ラッチ検出センサの組付手順としては、一番最後に実施することが好ましい。つまり、上述のドアラッチ装置においてラッチ検出センサの検出不良を確実に防止するには、一旦カバープレートに組み付けた本体ボディを取り外した状態でラッチ検出センサの組み付けを行わなければならず、ラッチ検出センサの組付作業性を著しく損なうこととなる。
本発明は、上記実情に鑑みて、組付作業性を損なうことなく、グリースの付着によるラッチ検出センサの検出不良を防止することのできるドアラッチ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るドアラッチ装置は、ストライカが進入するストライカ進入溝を有し、かつストライカ進入溝を挟んだ位置にラッチ及びラチェットを備えたカバープレートと、ラッチを覆う態様でカバープレートに配設し、かつストライカ進入溝に対応する部位に緩衝溝を有した合成樹脂製の本体ボディと、本体ボディに対するラッチの回転位置を検出するラッチ検出センサとを備え、ストライカ進入溝にストライカが進入した状態でラッチを噛合方向に回転させるとともに、回転したラッチにラチェットを係合させることによってラッチの開放方向の回転を阻止し、ストライカ進入溝からのストライカの逸脱を規制するようにしたドアラッチ装置において、本体ボディにおいてラッチに対応する部位にはラッチを覆う面から反対側の表面に貫通するリンク用切欠を形成し、かつラッチを覆う面とは反対側の表面におけるリンク用切欠よりもストライカ進入溝の奥側であって、表面に沿うようにラッチ検出センサを配設し、ラッチには、リンク用切欠を介して本体ボディの表面側に位置し、ラッチの移動に伴って本体ボディの表面に沿ってストライカ進入溝の奥側に向かって動作するリンク部材を配設し、リンク部材を介してラッチ検出センサを動作させることを特徴とする。
また、本発明は、上述したドアラッチ装置において、本体ボディとの間に設けた仮止め手段を介して本体ボディの表面に係止され、かつラッチ検出センサを保持するセンサ保持部を有したスイッチプレートを備えることを特徴とする。
また、本発明は、上述したドアラッチ装置において、リンク部材の先端部にラッチの回転軸心に沿って案内ピンを設ける一方、本体ボディ及びスイッチプレートにおいて案内ピンに対応する部位に案内溝を形成し、リンク部材の先端部を本体ボディとスイッチプレートとの間に挟持させるとともに、案内ピンを本体ボディ及びスイッチプレートの案内溝にそれぞれスライド可能に収容させたことを特徴とする。
また、本発明は、上述したドアラッチ装置において、本体ボディ及びスイッチプレートに直線状の案内溝を形成したことを特徴とする。
また、本発明は、上述したドアラッチ装置において、ラッチ検出センサは、センサ本体から信号ケーブルが延出したものであり、スイッチプレートは、信号ケーブルにおいてセンサ本体に近接した部分を保持するケーブル保持部を有することを特徴とする。
本発明によれば、本体ボディの表面側にラッチ検出センサを取り付けることができるため、カバープレートにラッチ、ラチェット、本体ボディを取り付けた後にラッチ検出センサの組み付けを行うことが可能となる。従って、ラッチやラチェットにグリースを十分に塗布した場合にもこれがラッチ検出センサに付着して検出不良を招来する恐れはない。しかも、カバープレートに対してラッチ、ラチェット、本体ボディ、ラッチ検出センサを順番に組み付ければ良いため、ラッチ検出センサの組付作業を良好に行うことができるようになる。
図1は、本発明の実施の形態であるドアラッチ装置の要部を示す側面一部破断図である。 図2は、図1に示したドアラッチ装置の背面図である。 図3は、図1に示したドアラッチ装置の正面図である。 図4は、図1に示したドアラッチ装置を適用する四輪自動車の斜視図である。 図5は、図1に示したドアラッチ装置のラッチ及びラチェットの係合状態を示す概念図である。 図6は、図1に示したドアラッチ装置に適用するカバープレート、本体ボディ及びバックプレートを示す斜視図である。 図7は、図1に示したドアラッチ装置に適用する本体ボディを表面側から見た図である。 図8は、図1に示したドアラッチ装置においてラッチがフルラッチ位置に配置された場合のリンク部材及びラッチ検出センサの状態を示す概念図である。 図9は、図1に示したドアラッチ装置においてラッチが開放位置に配置された場合のリンク部材及びラッチ検出センサの状態を示す概念図である。 図10は、図9における矢視X図である。 図11は、図1に示したドアラッチ装置がロック状態にある場合のアクチュエータユニットの動作を示す図である。 図12は、図1に示したドアラッチ装置がアンロック状態にある場合のアクチュエータユニットの動作を示す図である。 図13は、図1に示したドアラッチ装置のアクチュエータユニットに適用するケーブルレバーの概念図である。 図14は、図1に示したドアラッチ装置のアクチュエータユニットに適用するオープンレバーの概念図である。 図15は、図1に示したドアラッチ装置のアクチュエータユニットに適用するロックレバーの概念図である。 図16は、図1に示したドアラッチ装置のアクチュエータユニットに適用するユニットカバーの概念図である。 図17は、図1に示したドアラッチ装置のアクチュエータユニットに適用する電動モータのターミナル部分を示す断面図である。 図18は、図1に示したドアラッチ装置のアクチュエータユニットに適用する電動モータのターミナル部材を示したもので、(a)は図17における矢視Y図、(b)は図18の(a)における矢視Z図である。 図19は、図1に示したドアラッチ装置に適用するスイッチプレートの概念図である。 図20は、図19に示したスイッチプレートの背面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るドアラッチ装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明の実施の形態であるドアラッチ装置を示したものである。ここで例示するドアラッチ装置LAは、図4に示すように、四輪自動車の車両本体Bに設けたストライカSに噛み合うことにより、車両本体Bに対してテールゲートと称されるバックドアDを閉じた状態に維持するものである。バックドアDは、車両本体Bの後端上縁部に支持してあり、左右方向に沿った軸心回りに回転させることにより、車両本体Bの後端部開口を開閉することが可能である。
図1〜図3、図5に示すように、本実施の形態のドアラッチ装置LAは、カバープレート10を備えている。カバープレート10は、ドアラッチ装置LAのベースとなるもので、比較的板厚の大きな金属板によって成形してある。このカバープレート10には、矩形状を成すプレート基部10aにストライカ進入溝11が設けてあるとともに、ストライカ進入溝11を挟んで両側となる部位にラッチ軸12及びラチェット軸13が設けてある。ストライカ進入溝11は、プレート基部10aの先端中央部から基端に向けて設けた切欠であり、ストライカSを挿通させることのできる幅に形成してある。ラッチ軸12及びラチェット軸13は、互いに平行となる態様でプレート基部10aの内表面に突出する柱状部材である。ラッチ軸12にはラッチ20が回転可能に配設してあり、ラチェット軸13にはラチェット30が回転可能に配設してある。
ラッチ20は、外周面に開口する噛合溝21を有した板状部材であり、この噛合溝21をストライカ進入溝11に交差させる態様でラッチ軸12の軸心回りに回転することが可能である。このラッチ20は、図5において反時計回り(以下、「開放方向」という)に回転させた場合、図5の(a)に示すように、噛合溝21の開口がプレート基部10aに形成したストライカ進入溝11の開口に合致し、噛合溝21よりも右方側に位置するフック部22がストライカ進入溝11から退避した状態となる(以下、図5の(a)に示すラッチ20の位置を「アンラッチ位置」という)。また、このアンラッチ位置においては、噛合溝21を挟んでフック部22に対向するラッチ20のストライカ当接部23が、その先端に向かうに従って漸次ストライカ進入溝11の開口に近接するように傾斜した状態に配置される。図5の(a)に示す状態からラッチ20を時計回り(以下、「噛合方向」という)に回転させると、図5の(b)に示すように、ラッチ20のフック部22が漸次ストライカ進入溝11の先端から奥方に移動しながらこれを横切るように移動し、図5の(c)に示すように、フック部22がストライカ進入溝11の奥方を横切ることによりストライカ進入溝11の開口が閉塞されることになる(以下、図5の(b)に示すラッチ20の位置を「ハーフラッチ位置」といい、図5の(c)に示すラッチ20の位置を「フルラッチ位置」という)。
ラチェット30は、ラッチ係合部31、第1解除操作入力部32及び第2解除操作入力部33を有した板状部材であり、ラッチ係合部31をラッチ20の外周面に離接させる態様でラチェット軸13の軸心回りに回転可能に配設してある。ラッチ係合部31は、ラチェット軸13から径外方向に延在する部分であり、ラチェット30が図5において時計回りに回転した場合にその突出端面を介してラッチ20のストライカ当接部23もしくは外周爪部24に係合することが可能である。具体的には、図5の(b)に示すように、ラッチ20がハーフラッチ位置に配置された状態で時計回りに回転した場合にラチェット30のラッチ係合部31がラッチ20の外周爪部24に係合し、また図5(c)に示すように、ラッチ20がフルラッチ位置に配置された状態で時計回りに回転した場合にラチェット30のラッチ係合部31がラッチ20のストライカ当接部23に係合し、それぞれの位置においてラッチ20の開放方向への回転が阻止されることになる。従って、ラッチ20のストライカ進入溝11にストライカSが進入した状態でラッチ20にラチェット30が係合すれば、ハーフラッチ位置もしくはフルラッチ位置からの開放方向への移動を阻止し、車両本体Bに対してバックドアDを閉じた状態に維持することができるようになる。
ラチェット30の第1解除操作入力部32及び第2解除操作入力部33は、それぞれラチェット30を図5において反時計回りに回転させる際の操作部として機能するものである。第1解除操作入力部32は、ラッチ係合部31に隣接した位置においてラチェット軸13から径外方向に延在する部分である。第2解除操作入力部33は、第1解除操作入力部32からほぼ180°ずれた位置においてラチェット軸13から径外方向に延在した後、ラチェット軸13の延在方向に沿って延在した部分である。
尚、図には明示していないが、ラッチ20には、後述する本体ボディ40との間にラッチ20を図5において常時反時計回りに回転させるためのラッチバネが介在させてあり、ラチェット30には、本体ボディ40との間にラチェット30を図5において常時時計回りに回転させるためのラチェットバネが介在させてある。
また、カバープレート10には、図1、図2及び図6に示すように、本体ボディ40及びバックプレート50が設けてある。本体ボディ40は、比較的硬質の合成樹脂材によって厚肉のブロック状に成形したもので、図6〜図10に示すように、カバープレート10の先端部内表面を覆う大きさに形成してある。本体ボディ40には、ラッチ軸12及びラチェット軸13に対応する部位にそれぞれ軸挿通孔41,42が形成してあるとともに、ストライカ進入溝11に対応する部位に緩衝溝43が形成してある。軸挿通孔41,42は、ラッチ軸12及びラチェット軸13に嵌合する内径を有した貫通孔であり、軸方向に沿った長さがラッチ軸12及びラチェット軸13よりも短く構成してある。緩衝溝43は、本体ボディ40の先端中央部から基端に向けて設けた切欠であり、ストライカ進入溝11よりもわずかに狭い幅を有するように形成してある。緩衝溝43の開口端部はストライカSを挿通させることができる大きさを有している一方、緩衝溝43の奥方端部は奥方に向けて漸次幅が狭くなるように形成してある。図7中の符号44は、緩衝溝43の最奥方に装着したクッション用の弾性部材である。
この本体ボディ40は、ラッチ軸12及びラチェット軸13を対応する軸挿通孔41,42に挿入し、ラッチ20及びラチェット30を覆う態様でカバープレート10の内表面側に配設してある。カバープレート10に取り付けた本体ボディ40は、先端面がカバープレート10の先端面に合致し、かつ緩衝溝43の両側内壁面がそれぞれストライカ進入溝11の両側内壁面から突出した状態に位置決め配置される。図6及び図7中の符号45は、本体ボディ40の先端部に形成した操作用開口である。この操作用開口45は、本体ボディ40によって覆われたラチェット30の第2解除操作入力部33を外部から操作するための貫通孔である。
バックプレート50は、図1、図2、図6に示すように、本体ボディ40の基端部表面を覆うラッチカバー部50Aと、ラッチカバー部50Aの基端から本体ボディ40に対して離隔する方向に屈曲したユニット保持部50Bとを有し、これらラッチカバー部50A及びユニット保持部50Bを一体に形成した板状部材である。バックプレート50のラッチカバー部50Aは、本体ボディ40の軸挿通孔41,42に対応する部位にそれぞれ軸取付孔51,52を有するとともに、カバープレート10のストライカ進入溝11に対応する部位に切欠溝53を有したもので、軸取付孔51,52にラッチ軸12の先端部及びラチェット軸13の先端部をかしめることによってカバープレート10に連結してある。図6からも明らかなように、ラッチカバー部50Aにおいてラチェット30の第1解除操作入力部32に対応する部位には、レバー挿入用開口54が設けてある。レバー挿入用開口54は、第1解除操作入力部32を外部から操作するための貫通孔であり、長辺がラチェットカバー部50Aの左右方向に沿った矩形状であって、後述するオープンレバー130の回転によって解除操作部131が左右方向に振れることができる幅に形成してある。
バックプレート50のユニット保持部50Bは、図2、図11、図12に示すように、アクチュエータユニット100を保持するための部分である。アクチュエータユニット100は、ラッチ20に対してラチェット30のラッチ係合部31が係合している場合にこれを解除するためのもので、オープンレバー軸101、ロックレバー軸102及び電動モータ110を備えている。
オープンレバー軸101は、図11及び図12に示すように、バックプレート50のユニット保持部50Bにおいてレバー挿入用開口54に近接した側縁部に設けたもので、ケーブルレバー120及びオープンレバー130を回転可能に支持している。
ケーブルレバー120は、図11〜図13に示すように、操作出力部121及びケーブル係合部122を有したもので、オープンレバー軸101の基端部に配設してある。ケーブルレバー120の操作出力部121は、オープンレバー軸101からユニット保持部50Bの中心側に向けて延在した部分である。ケーブルレバー120のケーブル係合部122は、操作出力部121からほぼ180°ずれた位置において径外方向に向けて延在した部分であり、延在端部がユニット保持部50Bの一側縁から外部に突出している。図には明示していないが、ケーブル係合部122の延在端部には、バックドアDに設けた図示せぬ操作ハンドルとの間を連係する操作ケーブルが係合させてある。
オープンレバー130は、図11、図12、図14に示すように、解除操作出力部131及び係合入力部132を有したもので、オープンレバー軸101の先端側においてケーブルレバー120に重なる位置に配設してある。オープンレバー130の解除操作出力部131は、オープンレバー軸101からバックプレート50のラッチカバー部50Aに向けて径外方向に延在し、その先端部がレバー挿入用開口54を介して内部に進入している。図5の(c)中に二点鎖線で示すように、オープンレバー130の解除操作出力部131は、ラチェット30のラッチ係合部31がラッチ20に係合している場合に、図において第1解除操作入力部32の右側に位置しており、オープンレバー130がオープンレバー軸101の軸心回りに回転することによりラチェット30の第1解除操作入力部32に当接することが可能である。オープンレバー130の係合入力部132は、図14に示すように、解除操作出力部131からほぼ90°ずれた位置においてオープンレバー軸101からユニット保持部50Bの中心側に向けて延在した部分である。この係合入力部132には、スライダ133が設けてある。スライダ133は、係合入力部132の延在方向に沿って移動可能に配設したスライド基部133aと、スライド基部133aにおいてユニット保持部50Bに対向する面に突設した係合ピン133bと、スライド基部133aにおいてユニット保持部50Bから離隔した面に突設したカムピン133cとを備えたものである。このスライダ133は、係合入力部132の基端側に配置された場合に係合ピン133bを介してケーブルレバー120の操作出力部121に係合可能となる一方、係合入力部132の先端側に移動させた場合にケーブルレバー120の操作出力部121に対して非係合となることが可能である。尚、オープンレバー130とユニット保持部50Bとの間には、図11及び図12においてオープンレバー130を常時反時計回りに回転させるオープンレバーバネ134が介在させてある。
アクチュエータユニット100のロックレバー軸102は、図11及び図12に示すように、ユニット保持部50Bにおいてオープンレバー軸101よりも中心側、かつラッチカバー部50Aから離隔した位置に設けたもので、ロックレバー140を回転可能に支持している。
ロックレバー140は、図11、図12、図15に示すように、カムレバー部141及びセクタギヤ部142を有したもので、カムレバー部141がオープンレバー130の係合入力部132に重なる態様でロックレバー軸102に配設してある。カムレバー部141は、ロックレバー軸102からラッチカバー部50Aに向けて径外方向に延在したもので、カム溝143を有している。カム溝143は、オープンレバー軸101に向かう部分が凹となるように形成した湾曲状の切欠である。このカム溝143には、スライダ133のカムピン133cが摺動可能に貫通している。セクタギヤ部142は、カムレバー部141からほぼ180°ずれた位置においてロックレバー軸102を中心として扇形状に形成した部分であり、円弧状の外周面にギヤ144を有している。
電動モータ110は、図2、図11、図12に示すように、ユニット保持部50Bにおいてラッチカバー部50Aからもっとも離隔した部分に配設したもので、出力軸111にウォームギヤ112が設けてある。ウォームギヤ112は、ロックレバー140のセクタギヤ部142に形成したギヤ144に歯合するもので、電動モータ110が駆動した場合にロックレバー140をロックレバー軸102の軸心回りに回転させることが可能である。
図2及び図3に示すように、上述したアクチュエータユニット100には、ユニットカバー150が設けてある。ユニットカバー150は、合成樹脂材によって形成したもので、アクチュエータユニット100においてケーブルレバー120のケーブル係合部122を除く部分全体を覆う大きさを有しており、ネジ等の締結手段によってバックプレート50に取り付けてある。
このユニットカバー150には、図16及び図17に示すように、電動モータ110を収容するモータ収容部151に一対のターミナル部材152,153が設けてある。ターミナル部材152,153は、電動モータ110に対して給電端子となるもので、図16〜図18に示すように、一方の端部にカバー係合部152a,153aを有し、かつ他方の端部にコンタクト部152b,153bを有している。カバー係合部152a,153aは、ユニットカバー150に設けたターミナル装着孔154に装着して係止される部分であり、係止爪片152c,153cを有している。係止爪片152c,153cは、ターミナル部材152,153の一方の端部側が基端となり、かつ他方の端部側に位置する先端が自由端となった条片部である。図18に代表して示すように、係止爪片152c,153cは、カバー係合部152a,153aによって板厚方向以外の周囲全周が囲まれる態様となっており、基端から先端に向けて漸次面外方向に傾斜している。図3に示すように、ターミナル部材152,153の一方の端部は、ユニットカバー150の外表面に開口するターミナル装着孔154から外方に突出してコネクタ接続端子を構成している。ターミナル装着孔154は、図3及び図17に示すように、カバー係合部152a,153aを挿通できるだけの大きさを有した係合孔部154aと、係合孔部154aによって囲まれる態様で係止爪片152c,153cを抜け止め可能な係止爪孔部154bとを有している。また、係止爪孔部154bは、係止爪片152c,153cに係止可能な突部154cを有している。ターミナル部材152,153は、突部154cに係止爪片152c,153cを係止させることでユニットカバー150に確実に抜け止めされている。しかも、カバー係合部152a,153aと係合孔部154aとが、係止爪片152c,153cを囲むように保持するため、ターミナル部材152,153の一方の端部が位置ずれするのを防止でき、給電ケーブルのコネクタ(図示せず)を確実に接続することが可能である。コンタクト部152b,153bは、電動モータ110をユニットカバー150のモータ収容部151に収容させた場合に電動モータ110の入力端子に接続する位置に設けてある。従って、ターミナル装着孔154に給電ケーブルのコネクタ(図示せず)を接続すれば、ユニットカバー150に収容した電動モータ110に対して給電を行うことができるようになる。
上記のように構成したアクチュエータユニット100では、電動モータ110を駆動し、図11の(a)に示すように、ロックレバー140を図中において反時計回りに回転した状態に配置させると、カム溝143に貫通したカムピン133cを介してスライダ133がオープンレバー130の係合入力部132においてその先端側に移動した状態となる(ロック状態)。この状態においては、図11の(b)に示すように、バックドアDに設けた図示せぬ操作ハンドルを開操作し、操作ケーブルを介してケーブルレバー120を図中において時計回りに回転させた場合にも、ケーブルレバー120の操作出力部121とスライダ133の係合ピン133bとが係合することはない。従って、図示せぬ操作ハンドルの開操作によってはオープンレバー130が回転することがなく、オープンレバー130の解除操作出力部131がラチェット30の第1解除操作入力部32に当接することもない。
これに対して、図11に示す状態から電動モータ110を駆動して、ロックレバー140を図中において時計回りに回転させ、図12の(a)に示すように、時計回りに回転した状態に配置させると、カム溝143に貫通したカムピン133cを介してスライダ133がオープンレバー130の係合入力部132において基端側に移動した状態となる(アンロック状態)。この状態においては、図12の(b)に示すように、バックドアDに設けた図示せぬ操作ハンドルを開操作し、操作ケーブルを介してケーブルレバー120を図中において時計回りに回転させた場合、ケーブルレバー120の操作出力部121がスライダ133の係合ピン133bと係合するため、スライダ133を介してオープンレバー130が図中において時計回りに回転することになる。この結果、オープンレバー130の解除操作出力部131がラチェット30の第1解除操作入力部32に当接し、ラチェット30を図5中において反時計回りに回転させることになり、ラッチ20に対してラチェット30が係合した状態であってもこれを解除し、ラッチ20の開放方向への回転が許容される。
一方、上記ドアラッチ装置LAには、図5に示すように、カバープレート10に対するラッチ20の回転位置を検出するための検出ユニット200が設けてある。検出ユニット200は、ラッチ検出センサ210とこれを動作させるためのリンク部材220とを備えて構成したものである。
ラッチ検出センサ210は、図19及び図20に示すように、センサ本体211に揺動レバー212及びプランジャ213を備え、揺動レバー212の先端部がセンサ本体211に対して近接する方向に揺動した場合にプランジャ213を介してこれを検出するようにしたマイクロスイッチと称されるもので、スイッチプレート230を介して本体ボディ40の表面とバックプレート50のラッチカバー部50Aとの間に挟装保持してある。スイッチプレート230は、本体ボディ40の表面とラッチカバー部50Aとの間に挟持される板厚を有したプレート状に構成したもので、その内表面(センサ保持部)230aにラッチ検出センサ210を保持している。スイッチプレート230には、ケーブル保持部231が設けてある。ケーブル保持部231は、ラッチ検出センサ210のセンサ本体211から延在する信号ケーブル214を屈曲した状態で敷設して保持するための線状の凹部である。このスイッチプレート230は、本体ボディ40の表面との間にラッチ検出センサ210を挟持する状態で仮止め手段300を介して本体ボディ40の表面に取り付けてある。仮止め手段300は、本体ボディ40に対してスイッチプレート230を簡易的に係止させておくためのものである。
本実施の形態では、図7〜図10に示すように、本体ボディ40に一対の位置決めピン301及び一対の仮止め爪302を設ける一方、図19及び図20に示すように、スイッチプレート230に一対の位置決め孔303及び一対の仮止めフック304を設けることによって仮止め手段300を構成している。位置決めピン301は、図7に示すように、細径の円柱状を成すもので、互いに平行となる態様で本体ボディ40から突設してある。仮止め爪302は、図7〜図10に示すように、本体ボディ40の板厚方向に沿った面に形成した凸状部であり、カバープレート10に近接するに従って漸次突出量が増大し、かつカバープレート10に対向する部位に係止面を有している。位置決め孔303は、位置決めピン301に嵌合する内径を有した開口であり、それぞれの位置決めピン301に対応する部位にスイッチプレート230を貫通する態様で形成してある。仮止めフック304は、図10に示すように、仮止め爪302を覆うに十分な大きさを有し、かつ中央部に仮止め爪302を遊嵌することのできる大きさの開口を有した舌片状を成すもので、それぞれの仮止め爪302に対応する部位に設けてある。
リンク部材220は、ラッチ20の動作をラッチ検出センサ210の揺動レバー212に伝達するためのもので、図5、図8、図9に示すように、一端部にラッチピン221を有する一方、他端部に案内ピン222を有している。ラッチピン221は、本体ボディ40に形成したリンク用切欠46を介して本体ボディ40を貫通し、その先端部がラッチ20の端面に回転可能に枢止してある。案内ピン222は、リンク部材220の表裏両面に突出したもので、個々の突出端部が本体ボディ40及びスイッチプレート230に設けた案内溝47,232にスライド可能に収容してある。案内溝47,232は、図7〜図9、図19、図20に示すように、ストライカ進入溝11の延在方向に沿った直線状を成すものである。案内溝47,232の奥方側に位置する部分には、ラッチ検出センサ210のセンサ本体211から延在する揺動レバー212の先端部が交差する態様で配設してある。
上記のように構成した検出ユニット200によれば、カバープレート10に対してラッチ20が移動した場合、これに伴って案内溝47,232に対するリンク部材220の位置が変化し、ラッチ検出センサ210の揺動レバー212を介してプランジャ213の位置が変化することになる。従って、ラッチ検出センサ210の出力結果から、現在ラッチ20が開放位置、フルラッチ位置のいずれに配置されているかを検出することが可能となる。この結果、例えば、ラッチ20とストライカSとが噛み合っていない状態では、室内灯を点灯させることで乗員にバックドアDが半開きの状態であることを知らせることができる。
しかも、本体ボディ40に形成したリンク用切欠46を介してリンク部材220を本体ボディ40の表面側に配設するようにしているため、カバープレート10にラッチ20、ラチェット30、本体ボディ40を取り付けた後にラッチ検出センサ210の組み付けを行うことが可能となる。従って、ラッチ20やラチェット30にグリースを十分に塗布した場合にもこれがラッチ検出センサ210に付着して検出不良を招来する恐れはない。さらに、カバープレート10に対してラッチ20、ラチェット30、本体ボディ40、ラッチ検出センサ210を順番に組み付ければ良いため、ラッチ検出センサ210の組付作業を良好に行うことができるようになる。また、図9及び図10に示すように、スイッチプレート230を、リンク用切欠46と重ならないストライカ進入溝11の奥方に配置することで、ラッチピン221とリンク部材220との連結状態を確認することができ、装置としての信頼性が高いものとなる。
この場合、本体ボディ40に対しては、スイッチプレート230を介してラッチ検出センサ210を取り付けるようにしているため、比較的小型に構成されたラッチ検出センサ210の取り扱い性を向上させることができる。しかも、センサ本体211から延在する信号ケーブル214をスイッチプレート230のケーブル保持部231に保持させるようにしているため、仮に信号ケーブル214に引っ張り力が作用したとしても、これが信号ケーブル214のハンダ付け部分に加えられることがなく、ラッチ検出センサ210の信頼性を著しく向上させることが可能である。加えて、本体ボディ40に対するスイッチプレート230の取り付けは、仮止め手段300を介して仮止めした後、バックプレート50のラッチカバー部50Aとの間に挟持する構成としている。このため、仮止め手段300としては、上述したように、位置決めピン301を位置決め孔303に嵌合させ、本体ボディ40の表面に沿った位置決めのみを確実に行へば良く、本体ボディ40から離隔する方向に対しては仮止め爪302及び仮止めフック304のように互いに遊嵌して脱落を阻止する程度のもので十分である。これにより、本体ボディ40に対するスイッチプレート230の取り付け作業を容易に行うことができ、その作業性を向上することができる。
10 カバープレート
11 ストライカ進入溝
20 ラッチ
30 ラチェット
40 本体ボディ
46 リンク用切欠
47,232 案内溝
200 検出ユニット
210 ラッチ検出センサ
214 信号ケーブル
220 リンク部材
230 スイッチプレート
231 ケーブル保持部
300 仮止め手段
B 車両本体
D バックドア
S ストライカ

Claims (5)

  1. ストライカが進入するストライカ進入溝を有し、かつストライカ進入溝を挟んだ位置にラッチ及びラチェットを備えたカバープレートと、ラッチを覆う態様でカバープレートに配設し、かつストライカ進入溝に対応する部位に緩衝溝を有した合成樹脂製の本体ボディと、本体ボディに対するラッチの回転位置を検出するラッチ検出センサとを備え、ストライカ進入溝にストライカが進入した状態でラッチを噛合方向に回転させるとともに、回転したラッチにラチェットを係合させることによってラッチの開放方向の回転を阻止し、ストライカ進入溝からのストライカの逸脱を規制するようにしたドアラッチ装置において、
    本体ボディにおいてラッチに対応する部位にはラッチを覆う面から反対側の表面に貫通するリンク用切欠を形成し、かつラッチを覆う面とは反対側の表面におけるリンク用切欠よりもストライカ進入溝の奥側であって、表面に沿うようにラッチ検出センサを配設し、
    ラッチには、リンク用切欠を介して本体ボディの表面側に位置し、ラッチの移動に伴って本体ボディの表面に沿ってストライカ進入溝の奥側に向かって動作するリンク部材を配設し、
    リンク部材を介してラッチ検出センサを動作させる
    ことを特徴とするドアラッチ装置。
  2. 本体ボディとの間に設けた仮止め手段を介して本体ボディの表面に係止され、かつラッチ検出センサを保持するセンサ保持部を有したスイッチプレートを備えることを特徴とする請求項1に記載のドアラッチ装置。
  3. リンク部材の先端部にラッチの回転軸心に沿って案内ピンを設ける一方、本体ボディ及びスイッチプレートにおいて案内ピンに対応する部位に案内溝を形成し、リンク部材の先端部を本体ボディとスイッチプレートとの間に挟持させるとともに、案内ピンを本体ボディ及びスイッチプレートの案内溝にそれぞれスライド可能に収容させたことを特徴とする請求項2に記載のドアラッチ装置。
  4. 本体ボディ及びスイッチプレートに直線状の案内溝を形成したことを特徴とする請求項3に記載のドアラッチ装置。
  5. ラッチ検出センサは、センサ本体から信号ケーブルが延出したものであり、
    スイッチプレートは、信号ケーブルにおいてセンサ本体に近接した部分を保持するケーブル保持部を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載のドアラッチ装置。
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