JP7009028B2 - 配線孔部材 - Google Patents

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本発明は、電気電子機器収納用箱の開口部に取り付けられる配線孔部材に関するものである。
特許文献1に記載されているように、開口部に配線孔部材を装着することが知られている。配線孔部材は爪部により開口部に係止されており、配線孔を有する本体部と、本体部の配線孔を被覆したり開口したりするパネル部を備えている。例えば、配線孔部材が開口するようにパネル部を配置すれば、配線孔部材内にケーブルを通過させることができる。また、ケーブルを使用しない場合は開口部を覆う状態とし、塵などが開口部に侵入することを抑制することができる。
特開平11-177249号公報
ところで、特許文献1に記載されたような構造であると、パネル部を開放させた状態で、配線孔から手を挿入して爪部を操作することができる。したがって、配線孔から手を挿入して配線孔部材を取り外すことができる。配線孔部材を取り外せば、内部の機器に触れることが可能となってしまうため、セキュリティ上、問題が生じる虞があった。
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明の課題は、配線孔部材に設けられた配線孔が開いた状態で手を挿入しても配線孔部材を取り外すことができない構造を提供することである。
上記課題を解決するため、電気電子機器収納用箱の開口部に取り付けられる配線孔部材であって、開口部の端部に係止させる爪部と、ケーブルを通過させる配線孔と、摺動自在に移動することで配線孔を開閉するパネル部を備え、配線孔を開口させた際に、パネル部を爪部に隣接させることで、爪部の移動を禁止する配線孔部材とする。
また、パネル部の摺動をガイドする溝部及び溝部に嵌る突起部を備えた摺動部と、パネル部が段階的に移動するように規制する規制部を備えた構成とすることが好ましい。
また、摺動部と規制部が離れた位置に設けられた構成とすることが好ましい。
本発明では、配線孔部材に設けられた配線孔が開いた状態で手を挿入しても配線孔部材を取り外すことができない構造を提供することが可能となる。
実施形態の配線孔部材を備えた電気電子機器収納用箱の斜視図である。 電気電子機器収納用箱から配線孔部材とブラインドシートを分離した状態を表した斜視図である。ただし、電気電子機器収納用箱の側面を覆う部材は省略している。 配線孔部材を斜め上方から見た斜視図である。ただし、配線孔は閉じている。 配線孔部材を斜め下方から見た斜視図である。ただし、配線孔は閉じている。 配線孔部材を斜め上方から見た斜視図である。ただし、配線孔は開いている。 配線孔部材を斜め下方から見た斜視図である。ただし、配線孔は開いている。 配線孔部材を天井板に設けられた開口部に取り付ける直前の状態を示した図である。 パネル部の斜視図である。 パネル部を本体部に取り付ける直前の状態における、配線孔部材を斜め下方から見た斜視図である。 配線孔部材の摺動部を表した断面図である。 配線孔部材の規制部を表した断面図である。 底面開口とブラインドシートの斜視図である。 底面開口をブラインドシートで覆った状態を示した斜視図である。 ブラインドシートの切込を破ることで確保した空間に、ケーブルを通した状態を示した図である。 ブラインドシートの平面図である。ただし、切込の端部に丸孔を設けていない。 切込の端部に丸孔を設けたブラインドシートの平面図である。
以下に発明を実施するための形態を示す。本実施形態の配線孔部材1は、電気電子機器収納用箱2の開口部21に取り付けられるものであって、開口部21の端部に係止させる爪部33と、ケーブルを通過させる配線孔34と、を備えた本体部3を備えている。また、本体部3に備えられた配線孔34の開閉に用いられるパネル部4を備えている。そして、本実施形態の配線孔部材1は、パネル部4を摺動させて配線孔34を開口させた際に、パネル部4を爪部33に隣接させることで、爪部33の移動を禁止する。このため、配線孔部材1に設けられた配線孔34が開いた状態で手を挿入しても配線孔部材1を取り外すことができない構造とすることが可能となる。
図1及び図2に示すことから理解されるように、本実施形態の電気電子機器収納用箱2は、天井板22や側板23や扉24を備えている。また、天井板22に平面視四角形状の開口部21を備えている。配線孔部材1はこの開口部21に挿入して係止して固定される。なお、複数の開口部21がある場合は、開口部21毎に配線孔部材1を取り付けることが可能であるが、一部の開口部21については、配線孔部材1の代わりに換気扇ユニットを取り付けるようにしても良い。本実施形態においては、図1に示すように扉24と配線孔部材1との位置関係が前後方向、側板23方向が左右方向、配線孔部材1と底面開口26との位置関係が上下方向を示すものである。
実施形態の配線孔部材1は本体部3とパネル部4からなるものである。図3から図6に示すことから理解されるように、本体部3は配線孔34を備えた天面部31と、天面部31の裏面側(電気電子機器収納用箱2の内部側)に延びる側面部32を備えている。側面部32には、弾性変形可能な爪部33を備えている。実施形態においては、配線孔34の開閉時にパネル部4が摺動自在に移動するものであり、爪部33が、配線孔34から見てパネル部4の摺動方向側、すなわち、配線孔34と爪部33が前後方向にずらして設けられている。したがって、パネル部4を摺動させて配線孔34を開放した際には、爪部33の移動を禁止することができ、爪部33と開口部21とが係止した状態の解除ができないようにすることが可能となる。このようにして、パネル部4によって配線孔34を全閉させた場合には、パネル部4は爪部33の弾性変形の障害とはならないものとしつつ、パネル部4を摺動させて配線孔34を開いた状態とした際に、パネル部4が爪部33の変形の障害となるような構成としている。つまり、配線孔部材1を取り外す場合には、パネル部4によって配線孔34を全閉させた状態で、電気電子機器収納用箱2の内側から爪部33を操作する。そのため、電気電子機器収納用箱2の外側からは取り外すことが出来ず、電気電子機器収納用箱2の側板23や扉24を開放して操作できる構造となっている。
側面部32の左右側の部位を構成する左右面の内面側には、パネル部4を摺動可能に支持するパネル保持部35が複数突出している。側面部32には弾性変形可能な爪部33が形成されており、側面部32のうち、この爪部33を形成した左右側の側面部32と直交する面である直交面39には、開口部21の端部と係合する係合部36を備えている。このため、係合部36を開口部21の端部に係合させてから、回動させるようにすれば、爪部33を開口部21に係止させることができるため、配線孔部材1の取り付けをしやすいものとすることができる。また、筐体内側から配線孔部材1を取り外す場合、左右側の側面部32の爪部33の係止のみを解除すれば良く、取り外しをしやすいものとすることができる。
係合部36を形成した直交面39との対向側は側面部32を形成しない開放された状態となっており、開放端部側からパネル部4を着脱可能としている。そして、複数形成したパネル保持部35のうち、開放端部側のパネル保持部35aは、係合部36側のものより、本体部3の裏面との間隔を広くしているため、パネル部4の挿入作業が行いやすくなる。また、本実施形態では、パネル部4を本体部3に対して水平にしたときにガタツキが起こらないようにするため、本体部3の裏面には、開放端部側に幅広に形成したパネル保持部35に対応する位置に突出部37を形成している。
また、左右に位置する側面部32の開放端部側は配線孔部材1を挿入しやすいように曲面状としたR部38が形成されている。このため、配線孔部材1の挿入時に、図7に示す状態から、R部38が開口部21の端部に接するように移動させれば、係合部36を開口部21の端部に係合させた状態とするとともに、爪部33を開口部21の端部に係止させた状態とすることができる。
実施形態のパネル部4は、図8に示すように、線状の突起部51を備えている。また、図9及び図10に示すことから理解されるように、本体部3の天面部31には、突起部51の摺動をガイドする溝部52を備えている。突起部51と溝部52により構成された摺動部5は、パネル部4の左右両側に設けられているが、図11に示すように、両摺動部5の間には、パネル部4の移動を段階的に規制する規制部6を備えている。なお、規制部6の構成要素である孔部62のうち、配線孔34側から一つ目の孔部62aに凸部61を係合させた場合、爪部33に対応する位置にパネル部4が来るように構成している。
実施形態では、パネル部4側に設けた突起部51と突起部51との間に凸部61を設けるとともに、天面部31側における凸部61に対応する位置に孔部62を設けることで規制部6を構成している。図11に示すように、孔部62は、所定間隔をあけて複数設けられており、凸部61が各々の孔部62に嵌ると、パネル部4がやや移動しにくくなる。このような構成にすると、パネル部4が少し開いた状態を維持しやすくなる。
実施形態のように、パネル部4の摺動方向を規制する溝部52及び溝部52に嵌る突起部51を備えた摺動部5とともに、パネル部4の移動を段階的に規制する規制部6を備える構造とすると、例えば、配線孔34を通過させたケーブルが揺れてパネル部4に当たったとしてもパネル部4が開放しないようにすることができる。このように、意図的に開放操作しないとパネル部4が動作しないようにすることができるため、内部に塵埃等が侵入することを抑制することができる。
なお、摺動部5と規制部6が離れた位置に設けられた構成とすることにより、パネル部4を開放させるときに容易に移動させることができる。特に、摺動部5に対して最も離れている位置である中央位置に規制部6を形成すると、パネル部4を摺動させやすくすることができる。
ところで、図8に示すことから理解されるように、パネル部4の表面には、使用者が指を引っ掛けることが可能な操作部41を備えており、この操作部41を利用して、パネル部4の開閉をすることができる。本実施形態の操作部41は、左右方向に長い形態としており、操作部41の長手方向は、パネル部4の摺動方向に対して直交するような構成となっている。この操作部41の両端には打ち抜くことが可能なノックアウト42を設けている。このノックアウト42を利用すれば、パネル部4を閉塞した状態でもケーブル9を通過させることができる。このため、通過させるケーブル9が少ないときは、ノックアウト42を使用すれば、開口を最少限とすることができ、塵埃の侵入を抑制することができる。
また、電気電子機器収納用箱2の底面25に設けた平面視四角形状の底面開口26を、電気線などの通路として使用する場合がある。実施形態では、図12及び図13に示すことから理解されるように、筐体内部側の底面開口26の周縁を覆うように可撓製のブラインドシート7を取り付けている。このブラインドシート7の取り付けには両面テープなどを用いることができる。
図13及び図14に示すことから理解されるように、実施形態のブラインドシート7は、その一部を切込に沿って破ることによって、片部を撓ませたりすることができる。筐体内部に張り付けられたブラインドシート7を筐体内側から外側に向かって撓ませた時、ブラインドシート7は底面開口26の端部の板金部分を覆うことができる。
図15及び図16に示すように、実施形態のブラインドシート7は方形状であり、シートの両端には、角部に向けて傾斜させた切込71を備えている。また、角部に向けて傾斜させた切込71間には、縦横に延びる切込72を設けている。したがって、どの部分を破っても、下方に垂れ下がる部位は、底面開口26の端部を覆うことができ、電線が、底面開口26の端部で破損することを抑制することができる。
また、縦横の切込72と傾斜させた切込71の交点73は切込が交わらないように形成している。この構成を採用することにより必要以上にシートを破ることを防止することができる。また、図16に示すように、切込の端部に丸孔74を形成している。この構成を採用することによっても、必要以上にシートを破ることを防止することができる。
以上、一つの実施形態について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、開口部は側板に形成するものでもよい。
また、溝部をパネル部側に設け、突起部を天面側に設けることも可能である。
摺動部と規制部を一体的に形成しても良い。
1 配線孔部材
2 電気電子機器収納用箱
3 本体部
4 パネル部
5 摺動部
6 規制部
21 開口部
33 爪部
34 配線孔
36 係合部
51 突起部
52 溝部

Claims (3)

  1. 電気電子機器収納用箱の開口部に取り付けられる配線孔部材であって、
    開口部の端部に係止させる爪部と、
    ケーブルを通過させる配線孔と、
    摺動自在に移動することで配線孔を開閉するパネル部を備え
    パネル部で配線孔を全閉させた場合は、パネル部は爪部の弾性変形の障害とはならず、配線孔部材を電気電子機器収納用箱から取り外し可能であり、配線孔を開口させた際に、パネル部を爪部に隣接させることで、爪部の移動を禁止し、配線孔部材を電気電子機器収納用箱から取り外しできないようにすることが可能な配線孔部材。
  2. パネル部の摺動をガイドする溝部及び溝部に嵌る突起部を備えた摺動部と、
    パネル部が段階的に移動するように規制する規制部を備えた請求項1に記載の配線孔部材。
  3. 摺動部と規制部が離れた位置に設けられた請求項2に記載の配線孔部材。
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