JP7006115B2 - タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
近年、車両走行時の安全性の面から、ウェットグリップ性能(ウェット路面での制動性能)の向上が求められている。これに対し、タイヤのトレッド部を構成するゴム成分に、白色充填剤(特にシリカ)を配合して、ウェットグリップ性能を向上させる方法が知られている。
しかし、シリカはゴム成分との親和性が低く、また、シリカ同士の凝集性が高いため、ゴム成分に単にシリカを配合してもシリカが分散せず、ウェットグリップ性能を向上させる効果が十分に得られないという問題があった。
このような問題に対して、特許文献1~3には、ジエン系ゴム、シリカ、硫黄含有シランカップリング剤およびアミン化合物を含有するゴム組成物が開示されている。特許文献1~3によると、上記組成物を用いることで、シリカの分散性が向上し、ウェットグリップ性を向上させることができる旨が記載されている。
特開2012-062383号公報 特開2012-062437号公報 特開2012-087167号公報
一方、近年、安全性等の向上のために、タイヤのウェットグリップ性能のさらなる向上が望まれている。
本発明者らが特許文献1~3に記載のゴム組成物について検討したところ、白色充填剤の分散性は十分とは言えず、ウェットグリップ性能が昨今求められているレベルを満たさないもとのとなることが明らかになった。
そこで、本発明は、白色充填剤の分散性に優れ、タイヤにしたときにウェットグリップ性能に優れるタイヤ用ゴム組成物、ならびに、上記タイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ジエン系ゴムに対して、アミン系化合物とともに特定のエステル化合物を所定量配合することにより、白色充填剤の分散性が改善され、タイヤにしたときにウェットグリップ性能が良好となることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1] ジエン系ゴム(A)と、エステル化合物(B)と、白色充填剤(C)と、アミン系化合物(D)とを含有し、
上記エステル化合物(B)が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸エステル、および、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種のエステル化合物であり、
上記エステル化合物(B)の含有量が、上記白色充填剤(C)100質量部に対して0.5~20質量部であり、
上記エステル化合物(B)および上記アミン系化合物(D)の含有量が、下記式(I)を満たす、タイヤ用ゴム組成物。
5 ≦ Y/(X+Y)×100 ≦ 40 ・・・(I)
ここで、上記式(I)中、Xはエステル化合物(B)の含有量を表し、Yはアミン系化合物(D)の含有量を表す。
[2] 上記アミン系化合物(D)の酸解離定数pKaが6.5~14である、[1]に記載のタイヤ用ゴム組成物。
[3] 上記アミン系化合物(D)が、下記式(1)で表されるピペラジン化合物である、[1]または[2]に記載のタイヤ用ゴム組成物。
Figure 0007006115000001
ここで、上記式(1)中、X、X、XおよびXは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、AおよびAは、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表し、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。ただし、R11およびR12の少なくとも一方は、炭素数3~30の1価の炭化水素基を表す。
[4] 上記アミン系化合物(D)の含有量が、上記エステル化合物(B)100質量部に対して5.5~60質量部である、[1]~[3]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
[5] 上記エステル化合物(B)が、下記式(2)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルである、[1]~[4]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
Figure 0007006115000002
ここで、上記式(2)中、Rは炭素数3~21のアルキル基を表し、nは1~10の整数を表し、mは1または2を表し、Rは水素原子または炭素数1~10のアルキル基を表し、mが1である場合、複数のRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、mが2である場合、複数のRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
[6] 上記白色充填剤(C)の含有量が、上記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して30~200質量部である、[1]~[5]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
[7] 上記白色充填剤(C)のCTAB吸着比表面積が150~300m2/gである、[1]~[6]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
[8] 上記ジエン系ゴム(A)の80質量%以上が、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、および、芳香族ビニル-共役ジエン共重合ゴム、からなる群から選択される少なくとも1種のゴムである、[1]~[7]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
[9] [1]~[8]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をタイヤトレッドに用いる空気入りタイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、白色充填剤の分散性に優れ、タイヤにしたときにウェットグリップ性能に優れるタイヤ用ゴム組成物、ならびに、上記タイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの模式的な部分断面図である。
以下に、本発明のタイヤ用ゴム組成物、および、本発明のタイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤについて説明する。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[タイヤ用ゴム組成物]
本発明のタイヤ用ゴム組成物(以下、単に「本発明のゴム組成物」とも略す。)は、ジエン系ゴム(A)と、エステル化合物(B)と、白色充填剤(C)と、アミン系化合物(D)とを含有する。
ここで、上記エステル化合物(B)は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸エステル、および、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種のエステル化合物である。
また、上記エステル化合物(B)の含有量は、上記白色充填剤(C)100質量部に対して0.5~20質量部である。
また、上記エステル化合物(B)および上記アミン系化合物(D)の含有量は、下記式(I)を満たす含有量である。
5 ≦ Y/(X+Y)×100 ≦ 40 ・・・(I)
ここで、上記式(I)中、Xはエステル化合物(B)の含有量を表し、Yはアミン系化合物(D)の含有量を表す。
本発明においては、上述した通り、アミン系化合物(D)とともに特定のエステル化合物(B)を所定量配合することにより、白色充填剤の分散性が改善され、タイヤにしたときにウェットグリップ性能が良好となる。
これは、詳細には明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
すなわち、本発明のゴム組成物に含有するポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどの特定のエステル化合物(B)は、加水分解が進行しやいと考えられ、また、この加水分解によって、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸などが生成していると考えられる。
また、アミン系化合物(D)は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのエステル化合物(B)やシランカップリング剤の加水分解を促進させると考えられ、この加水分解により生成したポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸やシラノール基などと、白色充填剤(特にシリカ)の表面に存在しうる水酸基とが脱水反応により縮合し、化学結合していると考えられる。
そして、加水分解により生成したポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸などと、白色充填剤(特にシリカ)の表面に存在しうる水酸基とが、脱水反応による縮合や水素結合によって相互作用していると考えられる。
そのため、本発明においては、特定のエステル化合物(B)の加水分解生成物が白色充填剤の表面に化学結合することにより、ジエン系ゴムを含有するゴム組成物の系内において白色充填剤を高いレベルで分散することが可能となり、その結果、ウェットグリップ性能が良好になったと考えられる。
以下に、本発明のゴム組成物が含有する各成分について詳細に説明する。
〔ジエン系ゴム(A)〕
本発明のゴム組成物が含有するジエン系ゴム(A)は特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル-共役ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br-IIR、Cl-IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記芳香族ビニル-共役ジエン共重合体ゴムとしては、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレンイソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。
また、上記ジエン系ゴム(A)は、上述した各ゴムの末端や側鎖がアミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基等で変成(変性)された誘導体であってもよい。
本発明においては、上記ジエン系ゴム(A)の80質量%以上が、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、および、芳香族ビニル-共役ジエン共重合ゴム、からなる群から選択される少なくとも1種のゴムであることが好ましい。
なかでも、上記ジエン系ゴム(A)の90質量%~100質量%が、天然ゴム、ブタジエンゴム、および、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、からなる群から選択される少なくとも1種のゴムであることがより好ましい。
〔エステル化合物(B)〕
本発明のゴム組成物が含有するエステル化合物(B)は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸エステル、および、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種のエステル化合物である。
本発明においては、白色充填剤の分散性がより向上する理由から、上記エステル化合物(B)が、下記式(2)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルであることが好ましい。
Figure 0007006115000003
ここで、上記式(2)中、Rは炭素数3~21のアルキル基を表し、nは1~10の整数を表し、mは1または2を表し、Rは水素原子または炭素数1~10のアルキル基を表し、mが1である場合、複数のRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、mが2である場合、複数のRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
が示す炭素数3~21のアルキル基は、直鎖状のアルキル基であっても分岐鎖状のアルキル基であってもよい。また、アルキル基の炭素数は、5~15であることが好ましく、7~13であることがより好ましく、9~13であることが更に好ましい。
このようなアルキル基としては、具体的には、例えば、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基などが挙げられる。
nは、1~10の整数を表し、2~8の整数であることが好ましく、3~6の整数であることが好ましい。なお、nは、エチレンオキシ基(O-CH-CH)の付加モル数とも言えるため、平均値(平均付加モル数)で表すと、3~10程度の数であることが好ましい。
が示す炭素数1~10のアルキル基は、直鎖状のアルキル基であっても分岐鎖状のアルキル基であってもよい。
このようなアルキル基としては、具体的には、例えば、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
上記式(2)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルとしては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレンデシルエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンデシルエーテルのリン酸ジエステル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテルのリン酸ジエステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルのリン酸ジエステル、ポリオキシエチレントリデシルエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレントリデシルエーテルのリン酸ジエステルなどが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エステル化合物(B)の含有量は、後述する白色充填剤(C)100質量部に対して0.5~20質量部であり、1~15質量部であることが好ましく、2~12質量部であることが更に好ましい。
〔白色充填剤(C)〕
本発明のゴム組成物が含有する白色充填剤(C)は特に限定されず、その具体例としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、補強性の観点から、シリカが好ましい。
シリカとしては、具体的には、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ウェットグリップ性能がより向上し、転がり抵抗、耐摩耗性等のバランスという観点から、湿式シリカが好ましい。
本発明においては、混練性が良好となる理由から、上記白色充填剤(C)は、CTAB吸着比表面積が150~300m2/gであることが好ましい。
ここで、CTAB吸着比表面積は、シリカ表面への臭化n-ヘキサデシルトリメチルアンモニウムの吸着量をJIS K6217-3:2001「第3部:比表面積の求め方-CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
また、本発明においては、上記白色充填剤(C)の含有量は、上記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して30~200質量部であることが好ましく、40~180質量部であることがより好ましく、40~150質量部であることが更に好ましい。
〔アミン系化合物(D)〕
本発明のゴム組成物は、上記エステル化合物(B)の加水分解を促進させる観点から、アミン系化合物(D)を含有する。
上記アミン系化合物(D)は特に限定されず、その具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミンなどの脂肪族第一級アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2-エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミンなどの脂肪族第二級アミン類;N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミンなどの脂肪族第三級アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族不飽和アミン類;アニリン、ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミンなどの芳香族アミン類;ピリジン、ピリジン-2-カルボン酸(ピコリン酸)、2-アミノピリジン、2-(ジメチルアミノ)ピリジン、4-(ジメチルアミノピリジン)、2-ヒドロキシピリジン、イミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、モルホリン、N-メチルモルホリン、ピペリジン、2-ピペリジンメタノール、2-(2-ピペリジノ)エタノール、ピペリドン、1,2-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7(DBU)、6-(ジブチルアミノ)-1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7(DBA-DBU)、6-(2-ヒドロキシプロピル)-1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ-7-エン(OH-DBU)、OH-DBUの水酸基をウレタン化などで変性した化合物、1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン-5(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、アジリジンなどの含窒素複素環式化合物;DBUのフェノール塩(具体的には、商品名:U-CAT SA1(サンアプロ製))、DBUのオクチル酸塩(具体的には、商品名:U-CAT SA102(サンアプロ製))、DBUのp-トルエンスルホン酸塩(具体的には、商品名:U-CAT SA506(サンアプロ製))、DBNのオクチル酸塩(具体的には、商品名:U-CAT 1102(サンアプロ製))などの含窒素複素環式化合物から誘導される塩、および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3-ヒドロキシプロピルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N-メチル-1,3-プロパンジアミン、N,N'-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、ベンジルアミン、3-メトキシプロピルアミン、3-ラウリルオキシプロピルアミン、3-ジメチルアミノプロピルアミン、3-ジエチルアミノプロピルアミン、3-ジブチルアミノプロピルアミン、3-モルホリノプロピルアミン、2-(1-ピペラジニル)エチルアミン、キシリレンジアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどのアミン類;グアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジンなどのグアニジン類;ブチルビグアニド、1-o-トリルビグアニドや1-フェニルビグアニドなどのビグアニド類;等が挙げられる。
本発明においては、白色充填剤の分散性がより向上する理由から、上記アミン系化合物(D)は、酸解離定数pKaが6.5~14であるアミン系化合物であることが好ましく、酸解離定数pKaが8~13であるアミン系化合物であることがより好ましい。
ここで、酸解離定数pKaは、酸の強さを定量的に表すための指標のひとつであり、酸からプロトンが放出される解離反応の平衡定数(Ka)の負の常用対数で表される。pKaの値は大きいほど強い塩基であることを示す。本発明においては、酸解離定数pKaの値は、「化学便覧基礎編改訂5版」に記載されたデータを採用する。ただし、「化学便覧基礎編改訂5版」に記載のない化合物については、水溶液中、温度25℃で平沼産業(株)製自動滴定装置COM-1600にて測定した値を採用する。
具体的には、例えば、ピコリン酸(pKa=7.7)、DABCO(pKa=8.8)、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン(pKa=10.7)、DBU(pKa=12.5)、DBN(pKa=12.9)などが好適に挙げられる。
また、本発明においては、酸解離定数pKaが10程度となり、かつ、白色充填剤の分散性がより良好となる理由から、上記アミン系化合物(D)が、下記式(1)で表されるピペラジン化合物であることが好ましい。
Figure 0007006115000004
ここで、上記式(1)、X、X、XおよびXは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、AおよびAは、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表し、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。ただし、R11およびR12の少なくとも一方は、炭素数3~30の1価の炭化水素基を表す。
上記式(1)、X、X、XおよびXは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、水素原子であることが好ましい。
上記置換基としては、1価の置換基であれば特に制限されないが、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、アシル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、シリル基、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基などが挙げられる。
上記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
上記ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基のヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子などが挙げられる。
上記ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状または分岐状のアルキル基(特に、炭素数1~30)、直鎖状または分岐状のアルケニル基(特に、炭素数2~30)、直鎖状または分岐状のアルキニル基(特に、炭素数2~30)などが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、ナフチル基などが挙げられる。上記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6~18のアリール基などが挙げられる。
上記式(1)、AおよびAは、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。
2価の連結基としては、例えば、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基;酸素原子を含む、2価の酸素原子含有連結基;置換基を有していてもよい2価の炭化水素基と2価の酸素原子含有連結基との組み合わせ;等が挙げられる。
ここで、2価の炭化水素基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基などの2価の脂肪族炭化水素基;アリーレン基、アラルキレン基などの2価の芳香族炭化水素基;が挙げられる。なかでも、2価の脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキレン基がより好ましく、炭素原子数1~6のアルキレン基がさらに好ましい。
また、2価の酸素原子含有連結基は、酸素原子以外のヘテロ原子(例えば、炭素原子、水素原子、硫黄原子、窒素原子など)を有していてもよく、具体的には、例えば、エーテル結合(-O-)、エステル結合(-C(=O)-O-)、アミド結合(-C(=O)-NH-)、カルボニル基(-C(=O)-)、カーボネート結合(-O-C(=O)-O-)、イミド結合(-C(=O)-N(Q)-C(=O)-)等が挙げられる。なお、イミド結合中のQは、1価の炭化水素基を示し、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基などの1価の脂肪族炭化水素基;アリール基、アラルキル基などの1価の芳香族炭化水素基;等が挙げられる。
また、2価の炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、上記式(1)のX、X、XおよびXにおいて説明したものと同様のものが挙げられる。なかでも、ヒドロキシ基が好ましい。
上記式(1)、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。ただし、R11およびR12の少なくとも一方は、炭素数3~30の1価の炭化水素基を表す。
上記置換基としては、例えば、上記式(1)のX、X、XおよびXにおいて説明したものと同様のものが挙げられる。なかでも、ヒドロキシ基が好ましい。
また、炭素数3~30の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基などが挙げられる。
アルキル基としては、例えば、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基などが挙げられ、なかでも、炭素数3~18のアルキル基が好ましい。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、なかでも、炭素数3~10のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基としては、例えば、1-プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基などが挙げられ、なかでも、炭素数3~18のアルケニル基が好ましい。
上記式(1)で表されるピペラジン化合物としては、具体的には、例えば、下記式(D-1)~(D-6)で表される化合物が挙げられる。なお、下記式(D-5)中、rは、1~10の整数を表し、1~5の整数であることが好ましい。
Figure 0007006115000005
本発明においては、上記アミン系化合物(D)の含有量は、上述した通り、上記エステル化合物(B)の含有量Xと、上記アミン系化合物(D)の含有量Yとが、下記式(1)を満たし、下記式(1-1)を満たすことが好ましく、下記式(1-2)を満たすことがより好ましい。
また、上記アミン系化合物(D)の含有量は、早期加硫を抑制する観点から、上記エステル化合物(B)100質量部に対して5.5~60質量部であることが好ましく、10~55質量部であることがより好ましい。
5 ≦ Y/(X+Y)×100 ≦ 40 ・・・(1)
6 ≦ Y/(X+Y)×100 ≦ 37 ・・・(1-1)
8 ≦ Y/(X+Y)×100 ≦ 35 ・・・(1-2)
〔シランカップリング剤〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤの補強性能を向上させる理由から、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。
上記シランカップリング剤を配合する場合の含有量は、上記白色充填剤(C)100質量部に対して、0.1~20質量部であるのが好ましく、4~12質量部であるのがより好ましい。
上記シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3-ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、補強性改善効果の観点から、ビス-(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドおよび/またはビス-(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを使用することが好ましく、具体的には、例えば、Si69[ビス-(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド;エボニック・デグッサ社製]、Si75[ビス-(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド;エボニック・デグッサ社製]等が挙げられる。
〔カーボンブラック〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤの補強性能を向上させる理由から、カーボンブラックを含有するのが好ましい。
上記カーボンブラックとしては、具体的には、例えば、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPE、SRF等のファーネスカーボンブラックが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記カーボンブラックは、ゴム組成物の混合時の加工性や空気入りタイヤの補強性等の観点から、窒素吸着比表面積(N2SA)が10~300m2/gであるのが好ましく、20~200m2/gであるのがより好ましい。
ここで、N2SAは、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K 6217-2:2001「第2部:比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法」にしたがって測定した値である。
本発明においては、上記カーボンブラックを含有する場合の含有量は、上記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して40~130質量部であるのが好ましく、50~100質量部であるのよりが好ましい。
〔その他の成分〕
本発明のゴム組成物は、上述した成分以外に、炭酸カルシウムなどのフィラー;ジニトロソペンタメチレンテトラアミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタスチレンテトラミン、オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド(OBSH)、ベンゼンスルフォニルヒドラジド誘導体、二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、窒素を発生するトルエンスルホニルヒドラジド、P-トルエンスルホニルセミカルバジド、ニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N′-ジメチル-N,N′-ジニトロソフタルアミド、P,P′-オキシービス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)などの化学発泡剤;硫黄等の加硫剤;スルフェンアミド系、グアニジン系、チアゾール系、チオウレア系、チウラム系などの加硫促進剤;酸化亜鉛、ステアリン酸などの加硫促進助剤;ワックス;アロマオイル;老化防止剤;可塑剤;等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられている各種のその他添加剤を配合することができる。
これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。例えば、ジエン系ゴム(A)100質量部に対して、硫黄は0.5~5質量部、加硫促進剤は0.1~5質量部、加硫促進助剤は0.1~10質量部、老化防止剤は0.5~5質量部、ワックスは1~10質量部、アロマオイルは5~30質量部、それぞれ配合してもよい。
〔タイヤ用ゴム組成物の製造方法〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等)を用いて、混練する方法等が挙げられる。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明のタイヤ用ゴム組成物を、タイヤトレッドに用いた空気入りタイヤである。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの模式的な部分断面図を示すが、本発明のタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3は本発明のタイヤ用ゴム組成物から構成されるトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明の空気入りタイヤは、例えば従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<アミン化合物4の合成>
1-ブロモオクタデカン(東京化成工業(株)製)33.3gと、1-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン(日本乳化剤(株)製ヒドロキシエチルピペラジン)13.0gとを、テトラヒドロフラン及びジクロロメタン中、室温(23℃)で1時間反応させた。
次いで、反応溶液を炭酸カリウム水溶液で水洗した後、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。
次いで、無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで、下記式で表されるアミン化合物4(ピペラジン化合物)を得た。
Figure 0007006115000006
<標準例1~2、実施例1~8および比較例1~2>
下記表1に示す成分を、下記表1に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記表1に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃付近に温度を上げてから、5分間混合した後に放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。
次いで、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し、タイヤ用ゴム組成物を得た。
<ペイン効果>
調製したタイヤ用ゴム組成物(未加硫)について、歪せん断応力測定機(RPA2000、α-テクノロジー社製)を用い、170℃で10分間加硫した後、歪0.28%の歪せん断弾性率G′と歪30.0%の歪せん断弾性率G′とを測定し、その差G′0.28(MPa)-G′30.0(MPa)をペイン効果として算出した。
結果を下記表1に示す。結果は、実施例1~4および比較例1~2については標準例1のペイン効果を100とする指数で表し、実施例5~6については標準例2のペイン効果を100とする指数で表した。指数が小さいほどペイン効果が小さく、白色充填剤としてのシリカの分散性が優れることを示す。
<ムーニースコーチ>
調製したタイヤ用ゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300-1:2013に準じて125℃にてムーニースコーチを測定した。
結果を下記表1に示す。結果は、実施例1~4および比較例1~2については標準例1のムーニースコーチを100とする指数で表し、実施例5~6については標準例2のムーニースコーチを100とする指数で表した。指数が大きいほどムーニースコーチが良いことを意味する。指数97までは許容範囲とする。
<評価用加硫ゴムシートの作製>
調製したタイヤ用ゴム組成物(未加硫)を、金型(15cm×15cm×0.2cm)中、160℃で20分間プレス加硫して、加硫ゴムシートを作製した。
<tanδ(0℃)>
上述のとおり作製した加硫ゴムシートについて、JIS K6394:2007に準拠し、粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所社製)を用いて、伸張変形歪率10%±2%、振動数20Hz、温度0℃の条件でtanδ(0℃)を測定した。
結果を下記表1に示す。結果は、実施例1~4および比較例1~2については標準例1のtanδ(0℃)を100とする指数で表し、実施例5~6については標準例2のtanδ(0℃)を100とする指数で表した。指数が大きいほどtanδ(0℃)が大きく、タイヤにしたときにウェットグリップ性能に優れる。
<耐摩耗性>
上述のとおり作製した加硫ゴムシートについて、JIS K6264-1、2:2005に準拠し、ランボーン摩耗試験機(岩本製作所製)を用いて、温度20℃、スリップ率50%の条件で摩耗減量を測定した。
結果を下記表1に示す。結果は、実施例1~4および比較例1~2については標準例1の摩耗量を100として、次式により指数化したものを表し、実施例5~6については標準例2の摩耗量を100として、次式により指数化したものを表した。
耐摩耗性=(比較例1の摩耗量/試料の摩耗量)×100
Figure 0007006115000007
上記表1中の各成分は、以下のものを使用した。
・SBR1:E581(油展品(SBR100質量部に対して油展オイル37.5質量部を含む。SBR中のSBRの正味は72.7質量%。)、スチレン含有量:37質量%、ビニル単位含有量:42.5モル%、重量平均分子量:126000、旭化成社製)
・BR1:Nipol BR1220(日本ゼオン社製)
・シリカ1:Zeosil Premium 200MP(CTAB比表面積=200m/g、ローディア社製)
・シリカ2:KS30-SC(CTAB比表面積=300m/g、トクヤマ社製)
・ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル1:ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル(プライサーフA215C、第一工業製薬株式会社製)
・アミン化合物1:ジメチルシクロヘキシルアミン(pKa=10.7)
・アミン化合物2:DABCO(pKa=8.8)
・アミン化合物3:ピコリン酸(pKa=7.7)
・アミン化合物4:上記で合成したピペラジン化合物(pKa=9.8)
・シランカップリング剤:Si69(Evonik Degussa社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸YR(日油社製)
・亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・老化防止剤:アミン系老化防止剤(サントフレックス 6PPD、フレクシス社製)
・プロセスオイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤1:加硫促進剤CBS(ノクセラーCZ-G、大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤2:加硫促進剤DPG(ノクセラーD、大内新興化学工業社製)
表1に示す結果から、エステル化合物(B)の含有量が、白色充填剤(C)100質量部に対して0.5~20質量部の範囲外である場合、白色充填剤の分散性が改善されないことが分かった(比較例1および2)。
これに対し、エステル化合物(B)の含有量が、白色充填剤(C)100質量部に対して0.5~20質量部の範囲内であり、かつ、エステル化合物(B)の含有量Xおよびアミン系化合物(D)の含有量Yが上記式(1)を満たす場合、白色充填剤の分散性に優れ、タイヤにしたときにウェットグリップ性能に優れることが分かった(実施例1~8)。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (8)

  1. ジエン系ゴム(A)と、エステル化合物(B)と、白色充填剤(C)と、アミン系化合物(D)とを含有し、
    前記エステル化合物(B)が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸エステル、および、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種のエステル化合物であり、
    前記アミン系化合物(D)が、下記式(1)で表されるピペラジン化合物であり、
    前記エステル化合物(B)の含有量が、前記白色充填剤(C)100質量部に対して0.5~20質量部であり、
    前記エステル化合物(B)および前記アミン系化合物(D)の含有量が、下記式(I)を満たす、タイヤ用ゴム組成物。
    5 ≦ Y/(X+Y)×100 ≦ 40 ・・・(I)
    ここで、前記式(I)中、Xはエステル化合物(B)の含有量を表し、Yはアミン系化合物(D)の含有量を表す。
    Figure 0007006115000008

    ここで、前記式(1)中、X 、X 、X およびX は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、A およびA は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表し、R 11 およびR 12 は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。ただし、R 11 およびR 12 の少なくとも一方は、炭素数3~30の1価の炭化水素基を表す。
  2. 前記アミン系化合物(D)の酸解離定数pKaが6.5~14である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記アミン系化合物(D)の含有量が、前記エステル化合物(B)100質量部に対して5.5~60質量部である、請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記エステル化合物(B)が、下記式(2)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルである、請求項1~のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 0007006115000009

    ここで、前記式(2)中、Rは炭素数3~21のアルキル基を表し、nは1~10の整数を表し、mは1または2を表し、Rは水素原子または炭素数1~10のアルキル基を表し、mが1である場合、複数のRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、mが2である場合、複数のRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
  5. 前記白色充填剤(C)の含有量が、前記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して30~200質量部である、請求項1~のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記白色充填剤(C)のCTAB吸着比表面積が150~300m2/gである、請求項1~のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記ジエン系ゴム(A)の80質量%以上が、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、および、芳香族ビニル-共役ジエン共重合ゴム、からなる群から選択される少なくとも1種のゴムである、請求項1~のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 請求項1~のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をタイヤトレッドに用いる空気入りタイヤ。
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