JP7000186B2 - 低騒音化構造、及び、走行車両 - Google Patents

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Description

本発明は、乗客を乗せて走行する車両に適用されるのが好適な低騒音化構造に関する。
自動運転を指向した都市公共交通機関として、日本で普及が進んでいる「自動案内軌条式旅客輸送システム(AGT:Automated Guideway Transit)」が知られている。
AGTの車両では、乗客の快適性向上のために、低騒音化が求められているが、モータや減速機などの振動源が発する振動が車体に伝わることで、車内騒音レベルが高くなる。振動源が発する振動は専ら床下から伝って車両を構成する床面、側面、天井を伝わり、音となって車内に伝搬する。この音は、ある特定の走行速度で走行する場合に、これに対応する周波数で定在波となり、車両内の特定の位置で騒音レベルが高くなることがある。
特許文献1は、車両内に生ずる騒音を低減する方法として、低減しようとする固有振動数で共鳴するサイドブランチ(一端閉塞管)の開口端が車室内に配置することを提案する。特許文献1は、サイドブランチの透過損失効果によって、低減しようとする固有振動数の音圧を低減することができる。また、サイドブランチの共鳴作用によって、低減しようとする固有振動数をその前後の振動数へと分割することが可能となり、低減しようとする固有振動数の消音効果をより一層高めることができる。また、サイドブランチの開口端が、車室内における音圧の腹となっている場所の近傍に配置されていることで、消音効果を最も高めることができる。
特開2006-219061号公報
特許文献1の提案は、音響管で騒音の低減を図ろうとしている。しかし、一種類の騒音の低減要素だけでは、発生する騒音の周波数によっては、騒音の低減効果を十分に得ることができない。一方で、騒音を低減する構造を車両内に設けることで、乗客が占有するスペースを狭くすることは好ましくない。
以上より、本発明は、発生する騒音の周波数に対応することができるとともに、例えば列車に適用されても乗客が占有するスペースを抑えることのできる低騒音化構造を提供することを目的とする。また、本発明は、この低騒音構造を備える走行車両を提供することを目的とする。
本発明の低騒音化構造は、表裏を貫通する複数の孔が設けられる孔あき板と、穴あき板の背後に設けられる空気層と、を有する第一騒音低減要素と、音響管を有し、第一騒音低減要素と対向して配置される第二騒音低減要素と、を備え、音響管は、その軸線が水平方向に沿っている、ことを特徴とする。
本発明の低騒音化構造における音響管は、孔あき板の背後に設けられる空気層の内部に設けられるか、又は、空気層の外部に設けられる。
本発明における孔あき板は、低減したい騒音の周波数がf(Hz)だとすると、下記の式(1)及び式(2)に基づく仕様で作製される、ことが好ましい。
f=c/2π×(P/{(t+0.8φ)L1}) … 式(1)
P=πφ/4D … 式(2)
c:音速(m/s) L1:空気層の厚さ(mm)
t:孔あき板の板厚(mm) D:孔あき板の孔の間隔(mm)
φ:孔あき板の孔の直径(mm)
本発明における音響管は、低減したい騒音の周波数がf(Hz)だとすると、下記の式(3)に基づく仕様で作製される、ことが好ましい。
f=c/(4f)=L2+0.6r … 式(3)
c:音速(m/s) L2:音響管の長さ(mm) r:音響管の半径(mm)
本発明の低騒音化構造が複数の音響管を備える場合に、隣接する音響管は以下の態様を採用できる。
隣接する音響管は、それぞれの軸線が平行をなすか、又は、交差する、ことができる。
隣接する音響管は、長さ及び半径の一方又は双方が同じか、又は、異なる、ことができる。
隣接する音響管は、軸線方向の位置が一致するか、又は、異なる、ことができる。
一端閉塞管からなる複数の音響管を備える場合には、隣接する音響管は、開放端が同じ方向を向くか、又は、異なる方向を向く、ことができる。
単数か複数かに関らず、本発明の低騒音化構造における音響管は、長さが伸縮可能である。
本発明は、客室を備える車両本体と、客室の内部に設けられる、以上で説明した低騒音化構造と、を備える走行車両を提供する。この低騒音化構造の音響管は、その軸線方向が車両本体の走行方向に沿って設けられる。
この低騒音化構造は、客室の複数の異なる位置に設けることができる。
低騒音化構造を異なる複数の位置に設ける場合には、異なる位置ごとに孔あき板及び音響管の一方又は双方の仕様が同じであってもよいし、又は、異なってもよい。
低騒音化構造を客室の異なる複数の位置に設ける場合には、客室に生じる騒音分布に応じて設けることができる。
また、低騒音化構造は、客室に設けられる座席の下、客室の天井、及び、客室の側壁と天井の境界部のいずれかに設ける、ことができる。
本発明の低騒音化構造は、それぞれが単純な構造を有する孔あき板と音響管60から構成されるので、低コストで足りる構成要素で騒音を低減できる。しかも、孔あき板と音響管という異なる低騒音化手段を採用するので、設置スペースの制約により一方の手段では低減しようとする騒音の周波数に対応できない場合にも、いずれか一方で対応ができる。
また、低騒音化構造は、音響管の軸線が水平方向に沿っているので、例えば車両を想定すると、音響管を車両の上下方向に沿って設けるのに比べて、乗客の居住空間を占有するスペースが少なくてすむ。
本発明の一実施形態に係る走行車両を示す横断面図である。 図1に示す走行車両の部分縦断面図である。 本実施形態の低騒音化構造を構成する要素を説明する図であり、(a)は孔あき板を示し、(b)は音響管を示す図である。 (a)、(b)、(c)は、本実施形態で取り得る孔あき板と音響管の配置例を示す図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は、本実施形態で取り得る複数の音響管の変形例を示す図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は、本実施形態で取り得る複数の音響管の他の変形例を示す図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は、本実施形態で取り得る複数の音響管のさらに他の変形例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る軌道式の走行車両1について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る走行車両1は、第一騒音低減要素としての孔あき板50と、第二騒音低減要素としての音響管60と、を組み合わせて対向して配置した低騒音化構造40を備えている。以下、軌道式車両の概略構成を説明した後に低騒音化構造40に言及する。
[走行車両1]
走行車両としての走行車両1は、図1に示すように軌道2の幅方向の両側部に設けられた、いわゆるサイドガイド型のガイドレール3によって案内されて軌道2の走行路4上を走行する。
[走行車両1の全体構成]
図1に示すように、走行車両1は、車体5と、走行装置6とを備えている。
車体5は、車両本体7と緩衝装置8とを備えている。走行装置6は、車体5を支持する台車9を有している。なお、走行車両1において、前後方向L、幅方向W及び上下方向Hが、図1及び図2に示す通りに定義されるものとする。
車両本体7は、前後方向に長い略直方体の乗客を収容可能な空間である客室を備える客車である。この空間は、床7Aと、床7Aの幅方向Wの両端から上下方向Hに向けて立ち上がる側壁7B,7Bと、側壁7B,7Bの上端を繋ぐ天井7Cとから取り囲まれている。この空間には、乗客が座る座席7D,7Dが幅方向Wの両側において床7Aに固定されている。座席7Dは、図2に示すように、車両本体7の前後方向Lに沿って延びている。
緩衝装置8は、走行路4の路面上の凹凸などによる振動が車両本体7に伝わることを防止する。緩衝装置8の詳しい構造については後述する。なお、緩衝装置8によって振動が車両本体7に伝わるのを全て防止することはできないために、走行車両1は低騒音化構造40を備えている。
[走行装置6]
走行装置6は、車体5を下方から走行可能に支持する装置である。各々の走行装置6は、車両本体7の前後方向Lの複数の位置に設けられるが、ここでは図1及び図2に基づいて、前部に配置される走行装置6について説明する。
走行装置6は、電動機12(図2)と、ギヤボックス14と、車軸15と、一対の走行用の車輪16と、懸架装置10(図2)と、ガイド機構17と、を備えている。
一対の走行用の車輪16は、ゴムタイヤが装着された、いわゆるタイヤ付ホイールである。これら車輪16は、幅方向Wの両側に延びる車軸15,15のそれぞれの先端部に接続されている。車軸15,15の基部は、ギヤボックス14にそれぞれ接続されている。車輪16は、例えば、車軸15を覆う車軸カバー(図示せず)の幅方向W両側の端部などに配されたキングピン軸(図示せず)回りに揺動可能とされている。
電動機12は、外部から供給される電力を用いて回転動力を発生する。この電動機12の駆動軸(図示せず)には、ドライブシャフト13(図2)が接続されている。電動機12は、このドライブシャフト13を介してギヤボックス14に接続されている。
ギヤボックス14は、差動機構および減速機構等の動力伝達機構を備えている。電動機12からドライブシャフト13を介してギヤボックス14に伝達される回転動力は、車軸15,15に分配される。車軸15,15は、ギヤボックス14から幅方向Wの両側に延びてそれぞれ走行用の車輪16,16に連係される。
車軸15,15は、幅方向Wに離れて設けられた一対の台車枠19,19によって、それぞれ回転可能に支持されている。
懸架装置10(図2)は、車体5に対する車輪16の上下動を許容しつつ、車輪16の駆動力および制動力を車体5に伝達する装置である。懸架装置10は、台車枠19と、台車9から車体5へ駆動力を伝達させる伝達機構である牽引リンク機構20と、懸架枠21と、を備えている。
台車枠19,19は、ギヤボックス14を幅方向Wで挟み込むように離れて配置され、車軸15,15を回転可能な状態で支持する。
牽引リンク機構20は、図2に示すように、車体5に対する台車枠19の上下方向Hへの変位を許容しつつ、車輪16による駆動力や制動力すなわち走行車両1が走行する前後方向(以下、単に走行方向と称する)に作用する力を、台車枠19から懸架枠21に伝達する伝達機構である。この牽引リンク機構20は、車体5と台車9との間に前後方向に沿って配され、互いに平行となる上リンク22と下リンク23とを備えている。上リンク22および下リンク23は、前後方向の各端部が懸架枠21および台車枠19に対してピン結合され、台車枠19および懸架枠21に対して上下方向Hに揺動可能とされている。
懸架枠21は、牽引リンク機構20を介して伝達された走行方向(図2中、前後方向L)の力を車体5に伝達する。この懸架枠21は、台車枠19の走行方向後方に配され、車体5の床7A下面から下方に向かって延びる垂下部24(図2)を備えている。
ガイド機構17は、走行車両1が軌道2の走行路4上を走行する際に、例えば、車輪16の舵角を軌道2の曲線部の円弧形状に応じて変化させる機構である。ガイド機構17は、主に、案内枠26と、案内輪27とを備えている。案内枠26は、上下方向Hを向く軸線の回りに回動自在な状態でギヤボックス14に支持されている。さらに、案内枠26は、車輪16に対してステアリングアーム(図示せず)などを介して連係されている。ステアリングアームは、案内枠26の回転方向への変位に応じて車輪16を操舵する。
案内輪27は、軌道2の幅方向W両側に配置されたガイドレール3によって案内される。案内輪27は、上下方向Hを向く軸線の回りに回転自在とされている。案内輪27は、その外周面がそれぞれガイドレール3に当接可能となっている。例えば、ガイドレール3から案内輪27が反力を受けると、この案内輪27が上述した案内枠26を押圧して、案内枠26が回動することとなる。
ここで、走行車両1が軌道2の曲線部を走行する場合、曲線部の外軌側に配置されるガイドレール3から、主に、前方の外軌側の案内輪27が幅方向Wの外側からの反力を受ける。この前方外軌側の案内輪27が受ける反力は、案内枠26に伝達されて、これにより案内枠26がその軸線の回りに回動することとなる。この案内枠26の回動量は、曲率半径の大きさに応じて変化する。そして、この案内枠26の回動に伴いステアリングアームが変位して、案内枠26の回動方向に車輪16が操舵される。これにより、曲線部の曲率に応じて車輪16が内軌側を向き、走行車両1が曲線部に沿って円滑に走行可能となる。
[緩衝装置8]
緩衝装置8は、空気ばね28と、電動機防振ゴム29(図2)とを備えている。空気ばね28は、内部に圧縮空気を溜めることができるゴム等の弾性体からなる袋状の部材であって、車両本体7の床7Aと台車枠19との間に配置されている。空気ばね28は、車両本体7の前部および後部に互いに幅方向Wで離間するように1つずつ配置されている。また、車両本体7の床7Aと台車枠19とは、所定のダンパ30によって接続されている。
電動機防振ゴム29は、電動機12と車両本体7の床7Aとの間に配置されている。電動機防振ゴム29は、例えば、プロピレンゴム等の合成ゴムによって形成することができる。
本実施形態において、台車9は、走行車両1において、車体5に直結されていない部位である。即ち、台車9は、ギヤボックス14、台車枠19、車軸15、ガイド機構17等を有し、車体5側に懸架装置10を介して接続されている。
[低騒音化構造40]
以上説明したように、走行車両1は車両本体7に振動が伝わるのを防止する緩衝装置8を備えるものの、これだけで振動が伝わるのを完全になくすことは困難である。そこで、走行車両1は低騒音化構造40を備えることで、車両本体7に伝わる振動による騒音を低減する。
低騒音化構造40は、第一騒音低減要素としての孔あき板50と、孔あき板50と近接して設けられる第二騒音低減要素としての音響管60と、から構成される。このように、異なる二種類の騒音低減要素を用いるのは、一種類の騒音低減要素だけでは低減が不十分な周波数の騒音を、他の騒音低減要素で補って低減するためである。
例えば、孔あき板50は後述するようにその背後の空気層の厚さによって低減できる騒音の周波数が定まるが、対象とする周波数に対応する空気層の厚さを、設置スペースの関係で得ることができないこともある。そこで、孔あき板50に加えて、音響管60を用いることで、孔あき板50では低減できない周波数に対応しようというものである。
[低騒音化構造40の配置]
走行車両1は、図1及び図2に示すように、孔あき板50と音響管60からなる低騒音化構造40を複数の箇所に備えている。これらの低騒音化構造40は、以下説明するように、乗客の居住空間とは重ならない、乗客にとってデッドスペースに設けられている。
走行車両1は、図1及び図2に示すように、座席7Dの下、側壁7Bと天井7Cの境界部分、及び、天井7Cの幅方向Wの中央に低騒音化構造40を備えている。なお、それぞれの位置に設けられる低騒音化構造40を区別するために、図1及び図2に示すように、低騒音化構造40A、低騒音化構造40B及び低騒音化構造40Cと称する。
低騒音化構造40Aは、座席7Dの下、つまり座席7Dの座面と床7Aの間の空間に設けられるものであるから、乗客の脚がこの空間に入り込むのを遮る程度の制約を乗客に与えるのに留まる。
低騒音化構造40B及び低騒音化構造40Cは、相当に背の高い乗客でなければ届かない天井7C周りの高さに設けられるものであるから、乗客の居住空間を奪うことがない。
低騒音化構造40A,40B,40Cは、いずれも孔あき板50と複数の音響管60を備える点で共通する。また、低騒音化構造40A,40B,40Cは、車両本体7の側から音響管60、孔あき板50の順に配列されており、車両本体7の空間の側から観ると、音響管60が孔あき板50により覆われているといえる。
低騒音化構造40A,40B,40Cにおける孔あき板50は、いずれもその平面が前後方向Lに沿って配列されている。前後方向Lは水平方向と一致するので、孔あき板50はその平面が床7A、側壁7B、天井7Cに対して水平方向に沿うように配列されている。この方向は、走行車両1の走行方向とも一致する。
低騒音化構造40A,40B,40Cにおける音響管60は、いずれもその軸線Cが前後方向Lに沿って配列されている。前後方向Lは水平方向と一致するので、音響管60はその軸線Cが床7A、側壁7B、天井7Cに対して水平となるように配列されている。
ただし、ここでいう前後方向Lに沿って、とは、音響管60の軸線Cが前後方向Lに平行になるように音響管60が配列される場合に加えて、軸線Cと前後方向Lの交差角度が±10°の範囲で音響管60が前後方向Lからずれていてもよい。
低騒音化構造40Aは、座席7Dに付随するものであり、孔あき板50は座席7Dの座面の先端部と床7Aとを繋ぐように、上下方向Hに沿って設けられる。この孔あき板50の背後には床7Aと側壁7Bの間に横断面が矩形状の空気層ARが形成され、この空気層ARの中には一例として3本の音響管60が収容される。3本の音響管60は床7Aと側壁7Bの境界部分に配列される。
低騒音化構造40Bは、側壁7Bと天井7Cの境界部分に設けられるものであり、孔あき板50はこの境界部分を塞ぐように設けられる。この孔あき板50の背後には横断面が三日月状の空気層ARが形成され、この空気層ARの中には一例として2本の音響管60が収容される。2本の音響管60は側壁7Bと天井7Cの境界部分に配列される。
低騒音化構造40Cは、天井7Cに付随するものであり、孔あき板50は天井7Cに片持ち支持される一対のブラケット55,55の先端同士を繋ぎ、天井7Cと平行に設けられる。この孔あき板50の背後には天井7Cとブラケット55,55との間に横断面が区形状の空気層ARが形成され、この空気層ARの中には一例として3本の音響管60が収容される。3本の音響管60は天井7Cと平行に配列される。
車両本体7の内部で発生する騒音の周波数は、走行車両1の走行速度によって変化する。使用する速度ごとの代表位置での音圧レベルを計測しておき、低減が必要となる騒音レベルが発生している周波数を低減の対象とし、孔あき板50及び音響管60の仕様を設定する。複数、例えば2つの周波数f1,f2を低減の対象とする場合には、孔あき板50では対応するのが難しいので、例えば2本の音響管60を設けるとすると、周波数f1に対応する音響管60と周波数f2に対応する音響管60を用いることができる。
車両本体7の内部の複数個所で音圧レベルを計測して騒音分布を生成し、音圧が高い位置に低騒音化構造40A,40B,40C設置することで、騒音低減の効果は大きくなる。例えば、座席7Dの下であって前後方向Lの音圧の高い位置を選んで、低騒音化構造40Aを設ける。
[孔あき板50]
次に、孔あき板50について説明する。
孔あき板50は、図3(a)に示すように、扁平な基材51にその表裏を貫通する複数の孔53を形成した構造を有する。孔あき板50は、単体では騒音低減の効果を示さないが、背後に空気層ARを備えると、孔の部分の空気と背後の空気層ARとでヘルムホルツの共鳴器(Helmholtz Resonator)を構成することで吸音機構を発揮する。この吸音機構は、特定の周波数の音があたると開口面積の小さい孔の部分の空気の運動が激しくなって摩擦損失が増大し、その周波数を中心にした山形の吸音特性を示す。
孔あき板50を構成する材料の如何によって吸音特性に相違がないために、孔あき板50を構成する材料は任意であり、金属板、合板、石こうボードなどを用いることができる。ただし、孔あき板50が走行車両1に用いられることを前提にすれば、強度の観点から金属製の孔あき板50を用いることが好ましい。
背後に空気層ARを備える孔あき板50が吸音する音、つまり低減しようとする騒音の周波数(固有振動数)fは、下記の式(1)で定まる。この式(1)は近似式であるが、低減したい騒音の周波数fがこの式(1)に適合するように、孔あき板50が作製されるとともに、空気層ARの厚さLが得られる位置に配置される。ただし、本発明は式(1)の左辺と右辺が一致する場合に限るものではない。例えば、式(1)において周波数fに一致する仕様の孔あき板50を、0.9f~1.1fの周波数の騒音に用いても相当の効果が見込める。本発明における「式(1)及び式(2)に基づく仕様」とは、この10%程度のマージンを含んでいる。
f=c/2π×(P/{(t+0.8φ)L1}) … 式(1)
P=πφ/4D … 式(2)
c:音速(m/s) L1:空気層の厚さ(mm)
t:孔あき板の板厚(mm) D:孔あき板の孔の間隔(mm)
φ:孔あき板の孔の直径(mm)
低騒音化構造40A,40Bのように、空気層ARの厚さLが一定にはならずに変化する場合には、式(1)において空気層ARの厚さLは平均値を採用すればよい。
[音響管60]
次に、音響管60について説明する。
音響管60は、図3(b)に示すように、一端が開口し他端が開口する一端閉塞管からなる。つまり、音響管60は管本体61と、管本体61の一方端に設けられる閉塞端63と、管本体61の他方端に設けられる開放端65と、管本体61、閉塞端63及び開放端65で取り囲まれる共鳴室67と、を備えている。
音響管60は、低減しようとする騒音の周波数(固有振動数)で共鳴する固有振動数を有する。音響管60は、その内部の空間である共鳴室67における定在波の腹の位置と音響管60における共鳴波の節の位置を合わせ、この位置において共鳴室67における音圧分布を緩和することにより、定在波、つまり騒音を低減する。
音響管60を構成する材料は任意であるが、通常、金属材料から構成される。
音響管60は、低減しようとする騒音の周波数fが計測されていれば、音響管60の長さL、半径rを以下の式(3)により特定する。
f=c/(4f)=L2+0.6r … 式(3)
c:音速(m/s) L2:音響管の長さ(mm) r:音響管の半径(mm)
[低騒音化構造40による効果]
以下、低騒音化構造40が奏する効果を説明する。
低騒音化構造40は、それぞれが単純な構造を有する孔あき板50と音響管60から構成されるので、低コストで足りる構成要素で車両本体7の内部の騒音を低減できる。しかも、孔あき板50と音響管60という異なる低騒音化手段を採用するので、車両本体7における設置スペースの制約により一方の手段では低減しようとする騒音の周波数に対応できない場合にも、いずれか一方で対応ができる。
また、低騒音化構造40は、音響管60を車両本体7の床7A、側壁7B及び天井7Cに対して平行に設けているので、例えば音響管60を上下方向Hに沿って設けるのに比べて、乗客の居住空間を占有するスペースが少なくてすむ。特に、低騒音化構造40は、座席7Dの下(低騒音化構造40A)、側壁7Bと天井7Cの境界部(低騒音化構造40B)、天井7Cの幅方向Wの中央(低騒音化構造40C)というように、乗客の居住空間とは重ならない領域に設けられているので、乗客を考慮したときの省スペースの効果は大きい。
また、低騒音化構造40は、孔あき板50が音響管60を覆い隠しているので、音響管60がむき出しになっているのに比べて、一般的な感覚からすると美観に優れている。
[変形例]
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることができる。
はじめに、図4を参照して、孔あき板50と音響管60の配置について説明する。
先に説明した天井7Cに付随する低騒音化構造40Cは図4(a)に示すように天井7Cの側から音響管60、孔あき板50の順番に配置されている。ところが本発明は、図4(b)に示すように天井7Cの側から孔あき板50、音響管60の順番に配置できる。この形態は音響管60がむき出しになるので一般的には美観に劣るという評価になるかもしれないが、剥き出しになっている音響管60を美的だと感ずる乗客もいる。
次に、先に説明した低騒音化構造40は図4(a)に示すように孔あき板50が単層であるが、図4(c)に示すように孔あき板50を複層、ここでは二層になるように設けることもできる。ここでは、低騒音化構造40Cを例にしたが、低騒音化構造40A、低騒音化構造40Bについても同様である。
また、図示を省略するが、音響管60についても、複層となるように設けることもできる。
次に、先に説明した低騒音化構造40は図2に示すように複数の音響管60の軸線Cの方向が互いに平行に配列される。ところが本発明は、図5(a)~図5(d)に示すように、隣接する音響管60,60の軸線C,Cが交差してもよい。この交差角度αが±10°の範囲であれば、走行車両1の前後方向Lに沿っていると言える。
また、先に説明した低騒音化構造40は図1及び図2に示すように複数の音響管60の長さL及び半径が同じであり、また、前後方向Lにおける配置が同じであることを前提とする。ところが本発明は、図6(a)~図6(d)に示すように、図1及び図2に示した音響管60の仕様、配置に限らない。例えば、図6(a)、(b)に示すように、隣接する音響管60,60の前後方向における位置をずらしてもよい。また、図6(c)に示すように、隣接する音響管60,60の長さが異なってもよい。さらに、図6(d)に示すように、隣接する音響管60の半径が異なってもよい。
このように音響管60の位置をずらしたり、異なる仕様の音響管60を用いたりすることにより、同じ位置、同じ仕様の音響管60を用いるのに対して、多様な騒音に対する低減効果が期待できる。
また、先に説明した低騒音化構造40は図1及び図2に示すように複数の音響管60の全ての開放端65が前後方向Lの同じ方向を向いている。ところが本発明は、図7(a)~(d)に示すように隣接する音響管60,60の開放端65,65が前後方向Lの異なる側に置かれていてもよい。こうすることにより、異なる方向からの騒音の低減効果が期待できる。
さらに、以上では、それぞれの音響管60の長さが一定であることを前提としているが、音響管60をアクチュエータにより伸縮させて長さを変動させることもできる。例えば、走行車両1の走行速度に応じてアクチュエータが音響管60を伸縮させることにより、当該走行速度により生ずる周波数の騒音に対応する音響管60の長さを設定できることが好ましい。
また、以上の実施形態では走行車両1に低騒音化構造を設ける例について説明したが、本発明の低騒音化構造が適用される対象は任意である。
1 走行車両
2 軌道
3 ガイドレール
4 走行路
5 車体
6 走行装置
7 車両本体
7A 床
7B 側壁
7C 天井
7D 座席
40,40A,40B,40C 低騒音化構造
50 孔あき板
51 基材
53 孔
55 ブラケット
60 音響管
61 管本体
63 閉塞端
65 開放端
67 共鳴室
AR 空気層

Claims (14)

  1. 表裏を貫通する複数の孔が設けられる孔あき板と、前記孔あき板の背後に設けられる空気層と、を有する第一騒音低減要素と、
    音響管を有し、前記第一騒音低減要素と対向して配置される第二騒音低減要素と、を備え、
    前記音響管は、その軸線が水平方向に沿っている、
    ことを特徴とする低騒音化構造。
  2. 前記音響管は、
    前記孔あき板の背後に設けられる前記空気層の内部に設けられるか、又は、前記空気層の外部に設けられる、
    請求項1に記載の低騒音化構造。
  3. 低減したい騒音の周波数がf(Hz)だとすると、
    前記孔あき板は、下記の式(1)及び式(2)に基づく仕様で作製される、
    請求項1又は請求項2に記載の低騒音化構造。
    f=c/2π×(P/{(t+0.8φ)L1}) … 式(1)
    P=πφ/4D … 式(2)
    c:音速(m/s) L1:空気層の厚さ(mm)
    t:孔あき板の板厚(mm) D:孔あき板の孔の間隔(mm)
    φ:孔あき板の孔の直径(mm)
  4. 低減したい騒音の周波数がf(Hz)だとすると、
    前記音響管は、下記の式(3)に基づく仕様で作製される、
    請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の低騒音化構造。
    f=c/(4f)=L2+0.6r … 式(3)
    c:音速(m/s) L2:音響管の長さ(mm) r:音響管の半径(mm)
  5. 複数の前記音響管を備え、
    隣接する前記音響管は、それぞれの軸線が平行をなすか、又は、交差する、
    請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の低騒音化構造。
  6. 複数の前記音響管を備え、
    隣接する前記音響管は、長さ及び半径の一方又は双方が同じか、又は、異なる、
    請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の低騒音化構造。
  7. 複数の前記音響管を備え、
    隣接する前記音響管は、軸線方向の位置が一致するか、又は、異なる、
    請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の低騒音化構造。
  8. 一端閉塞管からなる複数の前記音響管を備え、
    隣接する前記音響管は、開放端が同じ方向を向くか、又は、異なる方向を向く、
    請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の低騒音化構造。
  9. 前記音響管は、長さが伸縮可能である、
    請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の低騒音化構造。
  10. 客室を備える車両本体と、
    前記客室の内部に設けられる、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の低騒音化構造と、を備え、
    前記低騒音化構造の前記音響管は、
    その軸線方向が前記車両本体の走行方向に沿って設けられる、
    ことを特徴とする走行車両。
  11. 前記低騒音化構造は、
    前記客室の複数の異なる位置に設けられる、
    請求項10に記載の走行車両。
  12. 異なる位置に設けられる前記低騒音化構造は、
    異なる位置ごとに、前記孔あき板及び前記音響管の一方又は双方の仕様が同じか、又は、異なる、
    請求項11に記載の走行車両。
  13. 前記客室に生じる騒音分布に応じて、
    前記低騒音化構造が前記客室の異なる複数の位置に設けられる、
    請求項10~請求項12のいずれか一項に記載の走行車両。
  14. 前記低騒音化構造は、
    前記客室に設けられる座席の下、前記客室の天井、及び、前記客室の側壁と前記天井の境界部のいずれかに設けられる、
    請求項10~請求項13のいずれか一項に記載の走行車両。
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