JP6986885B2 - 証券 - Google Patents
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〈1〉 スタンプを押印されるための証券であって、
基材層及び表面スタンプ受像層を具備しており、
上記表面スタンプ受像層が、上記証券の表面の少なくとも一部に露出しており、
上記表面スタンプ受像層が、蛍光材料と、上記スタンプのインキに含有されている樹脂と同種の樹脂とを含有している、
証券。
〈2〉 上記表面スタンプ受像層が、上記証券の表面の一部にのみ形成されている、上記〈1〉項に記載の証券。
〈3〉 上記基材層と、上記表面スタンプ受像層との間に、印刷層を更に具備している、上記〈1〉又は〈2〉項に記載の証券。
〈4〉 上記表面スタンプ受像層上の一部に、印刷層を更に具備しており、それによって上記表面スタンプ受像層及び上記印刷層が、上記証券の表面に露出するようにされている、上記〈1〉項に記載の証券。
〈5〉 上記表面スタンプ受像層の厚さが、0.9μm以下である、上記〈1〉〜〈4〉項のいずれか一項に記載の証券。
〈6〉 上記樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂である、上記〈1〉〜〈5〉項のいずれか一項に記載の証券。
〈7〉 上記基材層が、非浸透性層を有し、かつ上記非浸透性層を被覆するようにして上記表面スタンプ受像層が存在している、上記〈1〉〜〈6〉項のいずれか一項に記載の証券。
〈8〉 基材層及び表面スタンプ受像層を具備しており、
上記表面スタンプ受像層が、上記証券の表面の少なくとも一部に露出しており、
上記表面スタンプ受像層が、蛍光材料と、ポリビニルブチラール樹脂とを含有している、
証券。
〈9〉 スタンプと証券とのセットであって、
上記スタンプが、樹脂を含有しているインキを用いるスタンプであり、
上記証券が、
基材層及び表面スタンプ受像層を具備しており、
上記表面スタンプ受像層が、上記証券の表面の少なくとも一部に露出しており、かつ
上記表面スタンプ受像層が、蛍光材料と、上記インキに含有されている樹脂と同種の樹脂とを含有している、
スタンプと証券とのセット。
図1(a)に示すように、本発明の第一の態様の証券(100)は、スタンプを押印されるための証券であって、基材層(20)及び表面スタンプ受像層(10)を具備しており、表面スタンプ受像層(10)が、証券(100)の表面の少なくとも一部に露出しており、表面スタンプ受像層(10)が、蛍光材料と、スタンプのインキに含有されている樹脂と同種の樹脂とを含有している、証券である。この証券は、図1(b)に示すように、基材層(20)と、表面スタンプ受像層(10)との間に、印刷層(30)を更に具備していてもよい。
基材層としては、他の層を積層できる基材であれば随意の基材を用いることができる。しかしながら、基材層が、スタンプのインキを層内に浸透させない非浸透性層を有する場合、ここにはスタンプのインキが浸透せず、溶剤等でふき取ったときに、スタンプが消失しやすい。したがって、本発明の表面スタンプ受像層がより有益となるのは、非浸透性層を被覆するようにして表面スタンプ受像層が存在している場合である。
表面スタンプ受像層は、証券の表面の少なくとも一部に露出している層であり、蛍光材料と、スタンプのインキに含有されている樹脂と同種の樹脂とを含有している。
表面スタンプ受像層の樹脂としては、押印に用いるスタンプのインキに含有されている樹脂に応じ、これと同種の樹脂を選択することができる。ここで、本発明において、樹脂が同種であるとは、樹脂を構成するモノマーの種類が互いに同一であることを意味する。このような樹脂を表面スタンプ受像層の樹脂として用いることにより、スタンプのインキに含有されている樹脂を溶解させるためにインキに含有されている溶剤によって、表面スタンプ受像層の樹脂を溶解させることができ、かつスタンプのインキに含有されている樹脂と表面スタンプ受像層の樹脂とが互いに相溶することとなる。
ポリビニルブチラール樹脂は、ポリビニルアルコールにブチルアルデヒドを反応させることにより生成した(コ)ポリマーである。具体的には、この樹脂は、以下の式で表されるコポリマーである。
蛍光材料としては、紫外線を照射することにより発光し、かつ表面スタンプ受像層が発光したときに、この発光を視認できる随意の蛍光材料を用いることができる。このような蛍光材料としては、有機系蛍光材料、無機系蛍光材料が挙げられる。蛍光材料は、色材として用いられている有色であるものであっても、色材としては用いられていない実質的に無色であるものであってもよい。また、蛍光材料として、実質的に無色であるものを用いることが、コバート技術としての作用の観点から好ましい。
印刷層は、基材層と、表面スタンプ受像層との間に存在することができる随意の層である。印刷層としては、パール印刷層、着色印刷層等が挙げられる。印刷層としては、これらの印刷層を単独で用いてもよく、又は組み合わせて用いてもよい。
パール印刷層は、バインダー樹脂、及びパール材を含有している印刷層であることができる。パール材は、バインダー樹脂に分散していてよい。
パール材としては、通常のパール印刷で使用されるマイカをベースとしたマイカパール(例:MERCK社のIriodinシリーズ、solarflairシリーズ、日本光研工業社のPEARL GLAZEシリーズ、TWINCLE PEARLシリーズ)ガラスフレークをベースとしたガラスパール(MERCK社のMiravalシリーズ、日本板硝子社のメタシャインシリーズ)、アルミナフレークをベースとしたアルミナパール(MERCK社のXirallicシリーズ)の他に、2色性パール(MERCK社のColorstreamシリーズ、東洋アルミニウム社のコスミカラー)も使用できる。
バインダー樹脂としては、通常の印刷インキで使用される随意の樹脂を用いることができ、例えば、シェラックやマツ油、琥珀などの天然樹脂、天然樹脂の誘導体としてロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、硝化綿及び繊維素誘導体、ポリアミド樹脂、石油樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、塩素化ポリプロピレン、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、スチレン系樹脂、マレイン酸系樹脂等、並びにこれらの共重合体を用いることができる。
着色印刷層は、バインダー樹脂、及び色材を含有している印刷層であることができる。色材は、バインダー樹脂に分散していてよい。バインダー樹脂としては、パール印刷層に関して挙げたバインダー樹脂を用いることができる。
色材としては、例えば無機顔料、有機顔料、染料、トナー用有機色素等が挙げられる。
本発明の第二の態様の証券は、基材層及び表面スタンプ受像層を具備しており、
上記表面スタンプ受像層が、上記証券の表面の少なくとも一部に露出しており、
上記表面スタンプ受像層が、蛍光材料と、ポリビニルブチラール樹脂とを含有している、
証券である。
本発明のセットは、スタンプと証券とのセットであって、
上記スタンプが、樹脂を含有しているインキを用いるスタンプであり、
証券が、
基材層及び表面スタンプ受像層を具備しており、
表面スタンプ受像層が、証券の表面の少なくとも一部に露出しており、かつ
表面スタンプ受像層が、蛍光材料と、インキに含有されている樹脂と同種の樹脂とを含有している、
スタンプと証券とのセットである。
〈実施例1〉
基材層としてのコート紙(ジャンダルコート、中越パルプ工業社)上に、蛍光材料としてのビスマス・ユウロピウム付活バナジン酸イットリウムと、ポリビニルブチラール樹脂を含有している樹脂組成物とを、蛍光材料の固形分の含有率が10質量%となるように混合し、乾燥膜厚が0.5μmとなるように塗工して表面スタンプ受像層を形成し、実施例1のサンプルを得た。塗工には、メーターバー(メータバーコーティング#0、RK Print Coat Instruments社)及び塗工機(塗工機III、井元製作所社)を用いた。
蛍光材料の固形分の含有率を52質量%としたことを除き、実施例1と同様にして、実施例2のサンプルを得た。
蛍光材料として酸化亜鉛を用いたことを除き、実施例1と同様にして、実施例3のサンプルを得た。
蛍光材料として2,5−ビス(5−tert−ブチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン(UVITEX OB、チバ・ジャパン社)を用い、蛍光材料の固形分の含有率を0.1質量%としたことを除き、実施例1と同様にして、実施例4のサンプルを得た。
表面スタンプ受像層の乾燥膜厚を0.8μmとしたことを除き、実施例1〜4と同様にして、実施例5〜8のサンプルをそれぞれ得た。
表面スタンプ受像層の乾燥膜厚を1.0μmとしたことを除き、実施例1〜4と同様にして、実施例9〜12のサンプルをそれぞれ得た。
表面スタンプ受像層の乾燥膜厚を1.6μmとしたことを除き、実施例1〜4と同様にして、実施例13〜16のサンプルをそれぞれ得た。
表面スタンプ受像層を形成しなかったことを除き、実施例1と同様にして、比較例1のサンプルを得た。
表面スタンプ受像層を、蛍光材料としてのビスマス・ユウロピウム付活バナジン酸イットリウムと、ポリエステルウレタン樹脂を含有している樹脂組成物(NLJ−1、櫻宮化学社)とを、蛍光材料の固形分の含有率が36質量%となるように混合し、乾燥膜厚が0.8μmとなるように塗工して形成したものに変更したことを除き、実施例1と同様にして、比較例2のサンプルを得た。
〈印影の消去処理〉
作製したサンプルに、ポリビニルブチラール樹脂を含有しているスタンプのインキ(Xstamper(登録商標) 補充インキ チケッター用、シヤチハタ社)を充填したインキ浸透印(Xstamper(登録商標) チケッター、シヤチハタ社)を用いて捺印し、10分間放置して印影を乾燥させた。乾燥させた印影を、中性洗剤(ママレモン(登録商標)、ライオン社)を浸した綿棒を用いて擦過させた。
上記の処理を施したサンプルに、印影が消失しているか否かを目視で確認した。以下の表1においては、印影が消失しなかったものを○、印影が消失したものを×とした。
上記の処理を施したサンプルのうち、印影が消失したサンプルに、紫外光を照射し、消去処理の形跡の有無を確認した。形跡が見られたものを○、形跡が見られなかったものを×とした。
10’ 従来の証券の表面層
10a 発光した状態の表面スタンプ受像層
12 消失領域
20 基材層
30 印刷層
50 印影
100 証券
100’ 従来の証券
Claims (9)
- スタンプを押印されるための証券であって、
基材層及び表面スタンプ受像層を具備しており、
前記表面スタンプ受像層が、前記証券の表面の少なくとも一部に露出しており、
前記表面スタンプ受像層が、蛍光材料と、前記スタンプのインキに含有されている樹脂と同種の樹脂とを含有している、
証券。 - 前記表面スタンプ受像層が、前記証券の表面の一部にのみ形成されている、請求項1に記載の証券。
- 前記基材層と、前記表面スタンプ受像層との間に、印刷層を更に具備している、請求項1又は2に記載の証券。
- 前記表面スタンプ受像層上の一部に、印刷層を更に具備しており、それによって前記表面スタンプ受像層及び前記印刷層が、前記証券の表面に露出するようにされている、請求項1に記載の証券。
- 前記表面スタンプ受像層の厚さが、0.8μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の証券。
- 前記樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の証券。
- 前記基材層が、非浸透性層を有し、かつ前記非浸透性層を被覆するようにして前記表面スタンプ受像層が存在している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の証券。
- 基材層及び表面スタンプ受像層を具備しており、
前記表面スタンプ受像層が、前記証券の表面の少なくとも一部に露出しており、
前記表面スタンプ受像層が、蛍光材料と、ポリビニルブチラール樹脂とを含有している、
証券。 - スタンプと証券とのセットであって、
前記スタンプが、樹脂を含有しているインキを用いるスタンプであり、
前記証券が、
基材層及び表面スタンプ受像層を具備しており、
前記表面スタンプ受像層が、前記証券の表面の少なくとも一部に露出しており、かつ
前記表面スタンプ受像層が、蛍光材料と、前記インキに含有されている樹脂と同種の樹脂とを含有している、スタンプと証券とのセット。
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