JP6981482B2 - 易接着性ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
性を有し製造時や液晶表示装置の偏光板製造工程等の後工程でのハンドリング性に優れる光学用途において好適に使用できる易接着性ポリエステルフィルムの製造方法を提供することにある。
1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂、ナフタレン骨格を有するポリエステル樹脂、架橋剤、滑剤粒子(粒子B)を含有する塗布層を有し、塗布層固形分全量を100質量%とした場合のポリウレタン樹脂成分の含有量(質量%)をa、ナフタレン骨格を有するポリエステル樹脂成分の含有量(質量%)をb、これら以外の成分の合計量(質量%)をcとして三角図表に表した時に、a、b、cが直線P1、直線Q1、直線R1、直線S3の4つの直線で囲まれた領域内にあり、塗布層固形分全量を100質量%とした場合のナフタレン骨格を有するポリエステル樹脂成分の含有量bが、10質量%以上である易接着性ポリエステルフィルムの製造方法であって、塗工方法としてインラインコーティング法を採用する易接着性ポリエステルフィルムの製造方法。
ここで直線P1、直線Q1、直線R1、直線S3は以下の通りである。
直線P1:aが10質量%、bが55質量%、cが35質量%の点と、aが10質量%、bが10質量%、cが80質量%の点とを通過する直線
直線Q1:aが10質量%、bが10質量%、cが80質量%の点と、aが70質量%、bが10質量%、cが20質量%の点とを通過する直線
直線R1:aが70質量%、bが10質量%、cが20質量%の点と、aが50質量%、bが40質量%、cが10質量%の点とを通過する直線
直線S3:aが52質量%、bが38質量%、cが10質量%の点と、aが10質量%、bが48質量%、cが42質量%の点とを通過する直線
2. 塗布層が、屈折率1.7以上の金属酸化物粒子(粒子A)を含有する上記第1に記載の易接着性ポリエステルフィルムの製造方法。
3. 塗布層の膜厚が0.5μm以下である上記第1又は第2に記載の易接着性ポリエステルフィルムの製造方法。
4. 上記第1〜第3のいずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルムの塗布層上に、ハードコート層、防眩層、防眩性反射防止層、反射防止層及び低反射層からなる群より選択される1以上の機能層を有する積層ポリエステルフィルムの製造方法。
本発明で基材として用いるポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂より構成されるフィルムであり、主に、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの少なくとも1種を構成成分とするポリエステルフィルムが好ましい。また、前記のようなポリエステルに第三成分モノマーが共重合された共重合ポリエステルからなるフィルムであってもよい。これらのポリエステルフィルムの中でも、物性とコストのバランスからポリエチレンテレフタレートフ
ィルムが最も好ましい。
本発明における易接着性ポリエステルフィルムは、上記のようなポリエステル製の基材フィルム上に易接着性の塗布層が積層されているものである。
本発明における塗布層は、塗布層全量(固形分)を100質量%とした場合のポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂成分の含有量(質量%)をa、ナフタレン骨格を
有するポリエステル樹脂成分の含有量(質量%)をb、これら以外の成分の合計量(質量%)をcとして三角図表として表した時に、a、b、cが直線P1、直線Q1、直線R1、直線S1の4つの直線で囲まれた領域の範囲内であることが好ましい。
直線P1:aが10質量%、bが55質量%、cが35質量%の点と、aが10質量%、bが10質量%、cが80質量%の点とを通過する直線
直線Q1:aが10質量%、bが10質量%、cが80質量%の点と、aが70質量%、bが10質量%、cが20質量%の点とを通過する直線
直線R1:aが70質量%、bが10質量%、cが20質量%の点と、aが50質量%、bが40質量%、cが10質量%の点とを通過する直線
直線S1:aが45質量%、bが45質量%、cが10質量%の点と、aが10質量%、bが55質量%、cが35質量%の点とを通過する直線
直線P1の代わりには、直線P2(aが15質量%、bが55質量%、cが30質量%の点と、aが15質量%、bが10質量%、cが75質量%の点とを通過する直線)を採用することが好ましい。
らには直線Q3(aが20質量%、bが20質量%、cが60質量%の点と、aが70質量%、bが10質量%、cが20質量%の点とを通過する直線)を採用することが好ましい。
ポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂成分の含有量aの上限は好ましくは70質量%であり、より好ましくは60質量%であり、さらに好ましくは50質量%であり、特に好ましくは40質量%である。ポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂成分の含有量aが70質量%以下であると、屈折率が高く保たれ、低干渉性が得られるので好ましい。
ナフタレン骨格を有するポリエステル樹脂成分の含有量bの上限は好ましくは55質量%であり、より好ましくは50質量%であり、さらに好ましくは48質量%であり、特に好ましくは45質量%である。ナフタレン骨格を有するポリエステル樹脂成分の含有量bが55質量%以下であると、耐ブロッキング性が発揮されて好ましい。
その他の成分の含有量cの上限は好ましくは80質量%であり、より好ましくは70質量%であり、さらに好ましくは60質量%であり、特に好ましくは55質量%である。その他の成分の含有量cが80質量%以下であると、結果的にポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂成分の含有量a及びナフタレン骨格を有するポリエステル樹脂成分の含有量bのバランスをとり易く、密着性が保持され、耐ブロッキング性と屈折率(低干渉性)のバランスが取り易く好ましい。
ポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂の構成成分であるジオール成分には、耐熱、耐加水分解性に優れる脂肪族系ポリカーボネートポリオールを含有させることが好ましい。本発明の光学用途においては、黄変防止の点からも脂肪族系ポリカーボネートポリオールを用いることが好ましい。
前記比率(A1460/A1530)が0.40以上の場合は、強硬なウレタン成分が多くなり過ぎず、塗布層の応力緩和が低下せず耐湿熱性が低下するおそれがなく好ましい。また、前記比率(A1460/A1530)が、2.30以下の場合は、柔軟な脂肪族系ポリカーボネートの脂肪族成分が多くなり過ぎず、塗布層の耐溶剤性が保たれ耐湿熱性が低下するおそれがなく好ましい。
塗布層に含有されるポリエステル樹脂の酸成分として、ナフタレンジカルボン酸由来成分を含有させることにより、屈折率が増加し、蛍光灯下での虹彩状色彩を制御し易くなる。また、耐湿熱性を向上させることが可能となる。
ある。
(1)HOOC−(CH2)n−COOH (式中、nは4≦n≦10の整数)
(2)HO−(CH2)n−OH (式中、nは4≦n≦10の整数)
式(1)のジカルボン酸成分としては、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などが上げられる。また、式(2)のジオール成分としてはブタンジオール、へキサンジオール等が上げられる。
ましい。これらの界面活性剤は、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果や密着性を損なわない程度の範囲で塗布層に含有させることが好ましい。
5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは15質量%以下である。
本発明における光学用易接着性ポリエステルフィルムは、一般的なポリエステルフィルムの製造方法に従って製造することができる。例えば、ポリエステル樹脂を溶融し、シート状に押出し成形された無配向ポリエステルをガラス転移温度以上の温度において、ロールの速度差を利用して縦方向に延伸した後、テンターにより横方向に延伸し、熱処理を施す方法が挙げられる。
本発明において、主に光学用途に用いられる積層ポリエステルフィルムは、本発明の易接着性ポリエステルフィルムの塗布層上に、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂等からなるハードコート層等を設けることにより得られる。
本発明における積層ポリエステルフィルムの製造方法について、易接着性ポリエステルフィルムを例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
〔走査型電子顕微鏡による測定法〕
上記の粒子の平均粒径の測定は下記の方法により行うことができる。粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径(最も離れた2点間の距離)を測定し、その平均値を平均粒径とする。本発明における塗布層中に存在する粒子の平均粒径は当該測定方法により測定できる。
粒子の平均粒径は、粒子やフィルムの製造時においては動的散乱法により求めることもできる。ゾルを分散媒で希釈し、分散媒のパラメーターを用いてサブミクロン粒子アナライザーN4 PLUS(ベックマン・コールター社製)にて測定し、キュムラント法にて演算することで平均粒子径を得た。動的光散乱法ではゾル中の粒子の平均粒子径が観測され、粒子同士の凝集があるときは、それらの凝集粒子の平均粒子径が観測される。
粒子の屈折率測定は下記の方法により行うことができる。無機粒子を150℃で乾燥後、乳鉢で粉砕した粉末を、溶媒1(粒子より低屈折率のもの)に浸漬した後、溶媒2(粒子より高屈折率のもの)を少量ずつ微粒子がほぼ透明になるまで添加した。この液の屈折率をアッベの屈折計(株式会社アタゴ製アッベ屈折率計)を用いて測定した。測定は23℃、D線(波長589nm)で行われた。上記溶媒1と溶媒2は互いに混合可能なものを選定し、屈折率に応じて、例えば1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2−プロパノール、クロロホルム、四塩化炭素、トルエン、グリセリン等の溶媒が挙げられる。
易接着性ポリエステルフィルムのヘイズはJIS K 7136:2000に準拠し
濁度計(日本電色製、NDH2000)を用いて測定した。
実施例で得られたポリエステルフィルムの易接着層上に、前述のハードコート層の形成の項目で記述したハードコート層を形成した。ハードコートを形成した易接着用ポリエステルフィルムをJIS−K5400−1990の8.5.1の記載に準拠し、ハードコート層と基材フィルムとの密着性を求める。
密着性(%)={1−(剥がれたマス目の数/100)}×100
各実施例で得られた光学用易接着性ポリエステルフィルムの易接着層上にハードコート層を形成した。ハードコートを形成した光学用易接着性ポリエステルフィルムを10cm(フィルム幅方向)×15cm(フィルム長手方向)の面積に切り出し、試料フィルムを作成した。得られた試料フィルムのハードコート層面とは反対面に、黒色光沢テープ(日東電工株式会社製、ビニルテープ No21;黒)を貼り合わせた。この試料フィルムのハードコート面を上面にして、3波長形昼白色(ナショナル パルック、F.L 15EX-N 15W)を光源として、斜め上から目視でもっとも反射が強く見える位置関係(光源からの距離40〜60cm、15〜45°の角度)で観察した。
◎:あらゆる角度からの観察でも虹彩状色彩が見られない
○:ある角度によっては僅かに虹彩状色彩が見られる
△:僅かに虹彩状色彩が観察される
×:はっきりとした虹彩状色彩が観察される
2枚の積層フィルムの塗布面が対向するように重ね合わせ、5kg/cm2の荷重を掛け、これを50℃の雰囲気中で24時間放置した。重ね合わせたフィルムを剥離し、その剥離状態を下記の基準で判定した。
◎:軽く剥離できる
○:剥離時に抵抗があるが、塗布層が相手面に転移はしない。
△:剥離音が発生し、部分的に塗布層が相手面に転移している
×:2枚のフィルムが固着し剥離できないもの、あるいは剥離できても基材フィルムが劈開している
JIS K7121−1987に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ製、DSC6200)を使用して、樹脂サンプル10mgを25〜300℃の温度範囲にわたって20℃/minで昇温させ、DSC曲線から得られた補外ガラス転移開始温度をガラス転移温度とした。
樹脂0.03gをテトラヒドロフラン 10ml に溶かし、GPC−LALLS装置低角度光散乱光度計 LS−8000(東ソー株式会社製、テトラヒドロフラン溶媒、リファレンス:ポリスチレン)を用い、カラム温度30℃、流量1ml/分、カラム(昭和電工社製shodex KF−802、804、806)を用い、数平均分子量を測定した。
樹脂を重クロロホルムに溶解し、ヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行ってその積分比より各組成のモル%比を決定した。
塗布層用共重合ポリエステル樹脂(B1)〜(B3)の重合
攪拌機、温度計、及び部分還流式冷却器を具備するステンレススチール製オートクレー
ブに、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル342.0質量部、ジメチルテレフタレート35.0質量部、ジメチル−5−ナトリウムスルホイソフタレート35.5質量部、エチレングリコール198.6質量部、1,6−ヘキサンジオール118.2質量部、及びテトラーnーブチルチタネート0.4質量部を仕込み、160℃から220℃まで4時間かけてエステル交換反応を行なった。さらに、セバシン酸60.7質量部を加え、エステル化反応を行なった.次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、30Paの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステル樹脂(B1)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂は、淡黄色透明であった。
共重合ポリエステル樹脂(B1)の組成は表1の通りである。
また、原料を変更して同様にして表1に記載の組成の共重合ポリエステル樹脂(B2)、(B3)を得た。
攪拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、共重合ポリエステル樹脂(B1)30質量部、エチレングリコール−n−ブチルエーテル15質量部を入れ、110℃で加熱、攪拌し樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、水55質量部をポリエステル溶液に攪拌しつつ徐々に添加した。添加後、液を攪拌しつつ室温まで冷却して、固形分25質量%の乳白色のポリエステル水分散体(Bw1)を作製した。
同様にして共重合ポリエステル樹脂B2からポリエステル水分散体Bw2を、共重合ポリエステル樹脂B3からポリエステル水分散体Bw3を得た。
脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とする水溶性ポリウレタン樹脂(A1)の重合
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート43.75質量部、ジメチロールブタン酸12.85質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール153.41質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン8.77質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を
得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450gを添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分37質量%の水溶性ポリウレタン樹脂(A1)を調製した。得られたポリウレタン樹脂のガラス転移点温度は−30℃であった。
イソホロンジイソシアネート38.41質量部、ジメチロールプロパン酸
6.95質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール158.99質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部とした以外はA1の重合と同様にして水溶性ポリウレタン樹脂(A2)を調製した。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA)100質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量750)30質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分40質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(Cx1)を得た。
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器、滴下ロート、および攪拌機を備えたフラスコに水性媒体としてのイオン交換水58質量部とイソプロパノール58質量部との混合物、および、重合開始剤(2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)・二塩酸塩)4質量部を投入した。一方、滴下ロートに、オキサゾリン基を有する重合性不飽和単量体としての2−イソプロペニル−2−オキサゾリン16質量部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(エチレングリコールの平均付加モル数・9モル、新中村化学製)32質量部、およびメタクリル酸メチル32質量部の混合物を投入し、窒素雰囲気下、70℃において1時間にわたり滴下した。滴下終了後、反応溶液を9時間攪拌し、冷却することで固形分濃度40質量%のオキサゾリン基を有する水溶性樹脂(Cx2)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネート168質量部とポリエチレングリコールモノメチルエーテル(M400、平均分子量400)220質量部を仕込み、120℃で1時間、撹拌し、更に4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート26質量部とカルボジイミド化触媒として3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド3.8質量部(全イソシイアネートに対し2質量%)を加え、窒素気流下185℃で更に5時間撹拌した。反応液の赤外スペクトルを測定し、波長2200〜2300cm−1の吸収が消失したことを確認した。60℃まで放冷し、イオン交換水を567質量部加え、固形分40質量%のカルボジイミド水溶性樹脂(Cx3)を得た。
エポキシ系架橋剤として、ナガセケムテックス社製 デナコール(登録商標)EX−521(固形分濃度100%)を使用した(エポキシ系架橋剤(Cx4))。
メラミン系架橋剤として、DIC社製 ベッカミン(登録商標)M−3(固形分濃度60%)を使用した(メラミン系架橋剤(Cx5))。
特開2008−290896号公報の実施例8を参照し、以下のように行った。
3リットルのガラス製容器に、純水2283.6gとシュウ酸二水和物403.4gとを投入し、40℃に加熱して10.72質量%シュウ酸水溶液を調製した。この水溶液を
撹拌しながら、オキシ炭酸ジルコニウム粉末(ZrOCO3、AMR International Corp.製、ZrO2に換算して39.76質量%を含有する。)495.8gを徐々に添加し30分間混合した後、90℃で30分の加熱を行った。次いで、25.0質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(多摩化学工業(株)製)1747.2gを1時間かけて徐々に添加した。この時点で混合液はスラリー状であり、ZrO2換算で4.0質量%含有した。このスラリーをステンレス製オートクレーブ容器に移し替え、145℃で5時間の水熱処理を行った。この水熱処理後の生成物は、未解膠物がなく完全にゾル化した。得られたゾルは、ZrO2として4.0質量%含有し、pH6.8、動的光散乱法による平均粒子径は19nmであった。また、ゾルをZrO2濃度2.0質量%に純水で調整して測定した透過率は88%であった。透過型電子顕微鏡により粒子を観察したところ、7nm前後のZrO2一次粒子の凝集粒子がほとんどであった。上記の水熱処理を行って得られたZrO2濃度4.0質量%のジルコニアゾル4000gを限外濾過装置を使用して、純水を徐々に添加しながら洗浄及び濃縮を行って、ZrO2濃度13.1質量%、pH4.9、ZrO2濃度13.1質量%のときの透過率76%のジルコニアゾル953gが得られた。
特開2011−132484号公報の実施例1を参照し、以下のように行った。
四塩化チタン(大阪チタニウムテクノロジーズ(株)製)をTiO2換算基準で7.75質量%含む四塩化チタン水溶液12.09kgと、アンモニアを15質量%含むアンモニア水(宇部興産(株)製)4.69kgとを混合し、pH9.5の白色スラリー液を調製した。次いで、このスラリーを濾過した後、純水で洗浄して、固形分含有量が10質量%の含水チタン酸ケーキ9.87kgを得た。次に、このケーキに、過酸化水素を35質量%含む過酸化水素水(三菱瓦斯化学(株)製)11.28kgと純水20.00kgとを加えた後、80℃の温度で1時間、撹拌下で加熱し、さらに純水57.52kgを加えて、過酸化チタン酸をTiO2換算基準で1質量%含む過酸化チタン酸水溶液を98.67kg得た。この過酸化チタン酸水溶液は、透明な黄褐色でpHは8.5であった。
した。次に、カリウムイオンなどを取り込んだ陽イオン交換樹脂を分離した後、オートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製、120L)に入れて、165℃の温度で18時間、加熱した。
さらに特開2011−132484号公報の実施例2を参照して平均粒径32nmのCpt2、実施例4を参照して平均粒径42nmのCpt3を得た。
上記で得られたジルコニア粒子(Cpz1)とチタニア粒子(Cpt1)を75/25の質量比率で混合することで固形分濃度13質量%のジルコニア/チタニア混合粒子((Cp1):平均粒径23nm)を作成した。
さらに同様にしてCpz2とCpt2からCp2(平均粒径32nm)を、Cpz3とCpt3からCp3(平均粒径46nm)を得た。
特開2011−132107号公報を参照し、以下のように実験を行った。
塩化セリウム(III)七水和物216gを蒸留水10Lに入れて攪拌し、溶解した。さらに攪拌を続けながら温度を93℃に昇温し、1.0%水酸化ナトリウム水溶液5.6kgの全量を一度に加えた。さらに93℃で6時間攪拌した後、25℃に冷却して白色沈殿を得た。
遠心分離機により沈殿物を分離し、得られた沈殿物に蒸留水15Lを加えて攪拌、再分散後、遠心分離機で沈殿物を分離した。この操作を合計3回行って、沈殿物を洗浄した。
得られた沈殿物に蒸留水を加え、pHを9.2に調整して超音波分散機で分散させ、固形分濃度12質量%のセリア粒子分散体(Cp4)を得た。動的光散乱法による平均粒径は34nmであった。
後述する実施例で製造したポリエステルフィルムの偏光子と接着する面とは反対側の面に、下記組成のハードコート層形成用塗布液を#10ワイヤーバーを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥し、溶剤を除去した。次いで、ハードコート層を塗布したフィルムに高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2の紫外線を照射し、厚み5μmのハードコート層を有する偏光子保護フィルムを得た。
・ハードコート層形成用塗布液
メチルエチルケトン 65.00質量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 27.20質量%
(新中村化学製A−DPH)
ポリエチレンジアクリレート 6.80質量%
(新中村化学製A−400)
光重合開始剤 1.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
塗布液原料
・粒子A水分散体:平均粒径23nmのジルコニア/チタニア混合粒子(Cp1)
(ジルコニア/チタニア中のジルコニア量75質量%、固形分濃度13質量%)
・粒子B水分散体:平均粒径450nmのシリカゾル(固形分濃度4質量%)
・ ポリエステル水分散体((Bw1)、固形分濃度25質量%)
・ポリウレタン水分散体((A1),固形分濃度37質量%)
・ブロックイソシアネート系架橋剤((Cx1)、固形分濃度40質量%)
下記の組成の塗布液を調整した。
水 36.00質量部
イソプロピルアルコール 30.31質量部
粒子A水分散体 10.99質量部
粒子B水分散体 0.91質量部
ポリエステル水分散体 8.80質量部
ポリウレタン水分散体 3.96質量部
ブロックイソシアネート系架橋剤 5.50質量部
高沸点溶媒(NMP) 3.00質量部
界面活性剤(フッソ系、固形分濃度10質量%) 0.25質量部
フィルム原料ポリマーとして、固有粘度(溶媒:フェノール/テトラクロロエタン=60/40)が0.62dl/gで、かつ粒子を実質上含有していないPET樹脂ペレットを、133Paの減圧下、135℃で6時間乾燥した。その後、押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温度20℃に保った回転冷却金属ロール上で急冷密着固化させ、未延伸PETシートを得た。
塗布層内でのポリウレタン樹脂成分、ポリエステル樹脂成分、その他の成分の比率を表2又は3になるようにした以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムを得た。
塗布液の架橋剤を変更し、塗布層内の各成分の組成を表2に記載の通りに変更した以外
は、実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムを得た。
塗布液の粒子Aの種類を変更し、塗布層内の各成分の組成を表2の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムを得た。
塗布層の膜厚を表2の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムを得た。
塗布層中の粒子Bの量を表2の通りに変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムを得た。
共重合ポリエステル樹脂成分の種類を表3の通りに変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂成分の種類を表3の通りに変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムを得た。
なお、実施例、比較例で得られたポリエステルフィルムの摩擦係数はJIS K7125-1999 プラスチック-フィルムおよびシート摩擦係数試験方法に準拠し、テンシロン(東洋ボールドウィン、RTM-100)を用いて測定したところ、いずれのフィルムも静摩擦係数(μs)で0.35〜0.5、動摩擦係数(μd)で0.45〜0.6の範囲内であり、巻き上げ性、ハンドリング性において問題のないものであった。
Q1 : 座標(10,10,80)と(70,10,20)とを通る直線
R1 : 座標(70,10,20)と(50,40,10)とを通る直線
S1 : 座標(45,45,10)と(10,55,35)とを通る直線
○ : 各実施例又は参考例のプロット
□ : 各比較例のプロット
三角図表内の数値 : 各実施例、参考例又は各比較例の番号
Claims (4)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂、ナフタレン骨格を有するポリエステル樹脂、架橋剤、滑剤粒子(粒子B)を含有する塗布層を有し、塗布層固形分全量を100質量%とした場合のポリウレタン樹脂成分の含有量(質量%)をa、ナフタレン骨格を有するポリエステル樹脂成分の含有量(質量%)をb、これら以外の成分の合計量(質量%)をcとして三角図表に表した時に、a、b、cが直線P1、直線Q1、直線R1、直線S3の4つの直線で囲まれた領域内にあり、塗布層固形分全量を100質量%とした場合のナフタレン骨格を有するポリエステル樹脂成分の含有量bが、10質量%以上である易接着性ポリエステルフィルムの製造方法であって、塗工方法としてインラインコーティング法を採用する易接着性ポリエステルフィルムの製造方法。
ここで直線P1、直線Q1、直線R1、直線S3は以下の通りである。
直線P1:aが10質量%、bが55質量%、cが35質量%の点と、aが10質量%、bが10質量%、cが80質量%の点とを通過する直線
直線Q1:aが10質量%、bが10質量%、cが80質量%の点と、aが70質量%、bが10質量%、cが20質量%の点とを通過する直線
直線R1:aが70質量%、bが10質量%、cが20質量%の点と、aが50質量%、bが40質量%、cが10質量%の点とを通過する直線
直線S3:aが52質量%、bが38質量%、cが10質量%の点と、aが10質量%、bが48質量%、cが42質量%の点とを通過する直線 - 塗布層が、屈折率1.7以上の金属酸化物粒子(粒子A)を含有する請求項1に記載の易接着性ポリエステルフィルムの製造方法。
- 塗布層の膜厚が0.5μm以下である請求項1又は2に記載の易接着性ポリエステルフィルムの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルムの塗布層上に、ハードコート層、防眩層、防眩性反射防止層、反射防止層及び低反射層からなる群より選択される1以上の機能層を有する積層ポリエステルフィルムの製造方法。
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