JP6981163B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置、照明装置等の用途に適用可能な有機エレクトロルミネッセンス素子の封止材料として有用な硬化性組成物に関する。
本発明は、封止材としての硬化性能を維持しながらも、屈折率が高く、塗布性、透明性に優れた硬化性組成物を提供することを目的とする。
対象物を硬化物により保護する等の目的で、硬化物を形成するための硬化性組成物として、現在までに種々の硬化性材料が提案されている。例えば、近年開発が進められている電子デバイス用素子の一つとして、陽極、有機発光層および陰極からなる積層構造を有する有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子が知られている。
しかしながら、有機発光層に含まれる発光材料は水分および酸素により劣化しやすいため、有機EL素子の封止を行う必要がある。そこで、有機発光層を保護するため、硬化性組成物を用いた素子封止が知られている(特許文献1)。また、有機EL素子は、その発光が素子内で起こるため、その光の取り出しには様々な方法がとられており、一般的には発光層から最外層までの各層の屈折率を調整することにより、光の取り出し効率を上げる工夫がなされている(特許文献2)
有機EL素子の封止において、素子へのダメージを低減するため、焼成レス、溶剤レスの硬化組成物が望まれており、光硬化性が望ましいとされている(特許文献3)。また、省液化の観点からインクジェット塗布法が普及しつつあり、インクジェット塗布適性として低粘度の硬化組成物が望まれている。
しかしながら特許文献3に記載の硬化物は、光硬化できるものの粘度が高いためインクジェット塗布に適さない不具合がある。
以上のように、光硬化性があり、無溶剤で低粘度、そして高屈折率の硬化性組成物が有機EL素子の封止素材として求められている。
特開2014−225380号公報 特許5395677号公報 特許5479248号公報
本発明の目的は、上記の有機EL素子の封止性能、ダメージ低減、インクジェット塗布性および光取り出し効率を向上させるために無溶剤で低粘度、高屈折率、加熱無しで光照射のみで硬化可能な硬化組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を有する硬化性組成物により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
さらに本発明によれば、インクジェット塗布対象上での濡れ広がり性に優れ、したがって膜ムラが少なく、かつ硬化後にアウトガスの発生が少ない硬化性組成物を提供することができる。そして封止性能を維持しながらも、光取り出し効率を向上させることができる屈折率を有する封止材を得ることができる。また、このような特性を利用し、固体撮像素子等に用いるマイクロレンズ形成用材料としても好適に用いることができる。
(1)少なくとも
(A)ビニル基を有する芳香族炭化水素基が1個以上直接結合した構造を有する化合物、
(B)1個以上のチオール基を有する化合物、および
(C)重合開始剤、
を含有する、粘度が1〜100mPa・sである、硬化性組成物。
(2)上記(A)化合物のビニル基を有する芳香族炭化水素基が、ビニルフェニル基である前記(1)記載の硬化性組成物。
(3)上記(A)化合物の分子量が100以上1000以下である前記(1)または(2)に記載の硬化性組成物。
(4)前記(1)から(3)のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させて得られる、屈折率1.60以上の硬化膜。
(5)有機EL素子の封止膜形成に用いる前記(1)から(3)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(6)前記(5)に記載の封止膜を含有する有機EL素子。
以下、本発明の実施形態について詳細に述べるが、これに限られることはない。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、少なくとも(A)ビニル基を有する芳香族炭化水素基が1個以上直接結合した構造を有する化合物、(B)1個以上のチオール基を有する化合物、および(C)重合開始剤、を含有する、粘度が1〜100mPa・sである、硬化性組成物であることを特徴とする。
本発明では、(A)化合物と(B)化合物が異なる化合物であってもよいし、1分子中にビニル基を有する芳香族炭化水素基が1個以上直接結合した構造と1個以上のチオール基を有する構造の両方を有する(A)化合物と(B)化合物を兼ねる化合物であってもよい。
<(A)化合物>
本発明の(A)化合物は、1分子中にビニル基を有する芳香族炭化水素基が1個以上直接結合した構造を有する化合物である。
本発明の芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、クリセン環、ピレン環、トリフェニレン環等を挙げることができ、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましい。
本発明のビニル基は、芳香族炭化水素環と直接結合している。ビニル基を有する芳香族炭化水素基は、一分子中に少なくとも一つ存在し二つ以上であることが好ましい。
具体的にはスチレン、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、1,4−ジビニルナフタレン、1,5−ジビニルナフタレン、1、6−ジビニルナフタレン、2、6−ジビニルナフタレン、2、7−ジビニルナフタレン、9−ビニルアントラセン、2−ビニルアントラセン、9−ビニルフェナントレン、3−ビニルフェナントレン、ビニルトリフェニレン等が挙げられる。等を挙げることができるが、ジイソプロペニルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、1,4−ジビニルナフタレン、1,5−ジビニルナフタレン、1、6−ジビニルナフタレン、2、6−ジビニルナフタレン、2、7−ジビニルナフタレンが揮発性、粘度の観点で好ましい。
<(B)化合物>
本発明の(B)化合物は、1個以上のチオール基を有する化合物である。2個以上のチオール基を有することが好ましい。具体的には(B−1)〜(B−17)を挙げることができる。好ましくは(B−2)〜(B−16)、さらに好ましくは(B−7a)〜(B−7c)である。
Figure 0006981163
<(A)と(B)を同一分子中に有する化合物>
具体的には(1−1)〜(1−4)を挙げることができる。ただし、Rは水素原子もしくは炭素数1〜3のアルキル基、nは0〜10の整数である。
Figure 0006981163
スピンコートやインクジェット塗布時に揮発による膜減りの観点から、(A)化合物、(B)化合物は、分子量が100以上1000程度であり135以上であることが好ましい。特に(A)化合物が100以上1000以下であることが好ましい。(A)と(B)を同一分子中に有する化合物の場合は、135以上1000以下であることが好ましい。
ビニル基とチオール基の比率はビニル基100モル部に対してチオールが10〜1000モル部、好ましくは50〜200モル部である。この比率だと、光エン−チオール反応により良好な硬化膜を得ることができる。
チオール基は、芳香族炭化水素環に直接結合している必要はないが、一分子中に少なくとも一つ存在し、二つ以上であることが好ましい。
アウトガスの点から、沸点は、150℃以上であり、200℃以上であることが好ましい。(A)化合物および(B)化合物の総計は、硬化性組成物の30〜99質量%含有される。
具体的な化合物を下記に挙げる。
<(C)重合開始剤>
本発明で好ましく使用される重合開始剤は光開始剤が好ましく、光ラジカル開始剤が挙げられる。
本発明の(C)重合開始剤は、硬化性組成物の1〜10質量%含有される。
≪光ラジカル開始剤≫
光ラジカル開始剤としては、例えば、O−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、感放射線性カチオン重合開始剤、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、α−ジケトン化合物、多核キノン化合物、キサントン化合物、ホスフィン化合物、トリアジン化合物などを挙げることができる。
上記O−アシルオキシム化合物の具体例としては、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−アセテート、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)またはエタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)を好ましいものとして挙げることができる。
これらO−アシルオキシム化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
上記アセトフェノン化合物としては、例えばα−アミノケトン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物およびその他のアセトフェノン化合物を挙げることができる。
これらの具体例としては、α−アミノケトン化合物として、例えば2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンなど;
α−ヒドロキシケトン化合物として、α−アミノケトン化合物が好ましく、特に2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オンまたは2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンが好ましい。
上記ビイミダゾール化合物の具体例としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールまたは2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましく、特に2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましい。
<その他の添加材料>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて増感剤、重合禁止剤、酸化防止剤、界面活性剤等を含有させてもよい。溶媒は必要であれば使用することは可能であるが、使用することなしに硬化性組成物とすることができる。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、露光や加熱により発生したラジカル、又は酸化によって生成した過酸化物を分解し、重合体分子の結合の開裂を防止することができる成分である。その結果、得られる硬化膜は経時的な酸化劣化が防止され、例えば硬化膜の輝度低下を抑制することができる。
酸化防止剤として、具体的には、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、チオール系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。また、本実施形態で用いられる酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有していないものが好ましい。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはチオール系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤およびチオール系酸化防止剤である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4’−ブチリデンビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−tert−アミル−ヒドロキノン、2,2’チオジエチルビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)−ブタン、2,2’−メチレンビス(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することができる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N’−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することができる。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4’イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ナトリウムビス(4−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、ナトリウム−2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することができる。
チオール系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することができる。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することができる。
ベンゾフェノン系酸化防止剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することができる。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することができる。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tert−ブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することができる。
(A)化合物と(B)化合物成分の和100質量部に対する酸化防止剤の含有量の下限としては、0.01質量部が好ましく、0.1質量部がより好ましい。上記酸化防止剤の含有量の上限としては、10質量部が好ましく、8質量部がより好ましく、7質量部がさらに好ましい。酸化防止剤の含有量を上記範囲とすることで、得られる硬化膜の経時的な酸化劣化を効果的に抑制することなどができる。なお、酸化防止剤を2種以上用いる場合、上記含有量は合計量である。
[界面活性剤]
本実施形態の硬化性組成物に含有可能な界面活性剤は、硬化性組成物の塗布性の改善、塗布ムラの低減、放射線照射部の現像性を改良するために添加することができる。好ましい界面活性剤の例としては、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば1,1,2,2−テトラフルオロオクチル(1,1,2,2−テトラフルオロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル等のフルオロエーテル類;パーフルオロドデシルスルホン酸ナトリウム;1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフルオロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロデカン等のフルオロアルカン類;フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム類;フルオロアルキルオキシエチレンエーテル類;フルオロアルキルアンモニウムヨージド類;フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル類;パーフルオロアルキルポリオキシエタノール類;パーフルオロアルキルアルコキシレート類;フッ素系アルキルエステル類等を挙げることができる。
これらのフッ素系界面活性剤の市販品としては、エフトップ(登録商標)EF301、303、352(新秋田化成(株)製)、メガファック(登録商標)F171、172、173(DIC(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG(登録商標)710(旭硝子(株)製)、サーフロン(登録商標)S−382、SC−101、102、103、104、105、106(AGCセイミケミカル(株)製)、FTX−218((株)ネオス製)等を挙げることができる。
シリコーン系界面活性剤の例としては、市販されている商品名で、SH200−100cs、SH28PA、SH30PA、ST89PA、SH190、SH 8400 FLUID(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
その他任意成分として界面活性剤を使用する場合、その含有量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.01質量部〜10質量部、より好ましくは0.05質量部〜5質量部である。界面活性剤の使用量を0.01質量部〜10質量部とすることによって、本実施形態の硬化性組成物の塗布性を最適化することができる。
[リン酸エステル化合物]
リン酸エステル化合物としては、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの6−ヘキサノリド付加重合物と無水リン酸の反応生成物 (日本化薬社製「KAYAMER PM−21」)、アルキル(C12,C14,C16,C18)アシッドホスフェート(城北化学工業社製「JB−512」等が挙げられる。このようなリン酸エステル化合物は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.01質量部〜10質量部、より好ましくは0.05質量部〜5質量部である。リン酸エステル化合物の使用量を0.01質量部〜10質量部とすることによって、本実施形態の硬化性組成物から得られる硬化膜の基板に対する密着性を向上させることができる。
[接着助剤]
接着助剤は、本実施形態の硬化性組成物から得られる絶縁膜と、その下層に配置される層や基板等との接着性をさらに向上させる目的で使用することができる。接着助剤としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、オキシラニル基等の反応性官能基を有する官能性シランカップリング剤が好ましく用いられ、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
[有機溶剤]
必要に応じて有機溶剤を用いることができる。有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
本実施形態の硬化性組成物に使用可能な有機溶剤としては、他の含有成分を溶解または分散させるとともに、他の含有成分と反応しないものを挙げることができる。
例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート等のエステル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられる。
<粘度>
本発明の硬化材料は、粘度が1〜100mPa・sであることを特徴とする。なお粘度は、JIS K2283に準拠して、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)を用いて、25℃で測定した値である。この粘度とすることで硬化性組成物が被硬化物(有機EL素子)に適当な濡れ性を有することとなり、封止性を確保することができる。
この粘度は、硬化性組成物に含有される(A)化合物、(B)化合物の分子量、添加量比によって調整することができ、特に(A)化合物の分子量によって調整することが好ましい。またこの粘度範囲は、経時による粘度上昇が起こりにくい範囲でもある点で好ましい。
本実施形態の硬化膜の形成方法は、以下の工程によって形成される。
[工程(1)]
工程(1)では、当該硬化性組成物の溶液を基板表面に塗布し、必要に応じてプレベークを行うで塗膜を形成する。工程(1)で使用する基板としては、例えばガラス基板、シリコンウエハー、プラスチック基板、およびこれらの表面に窒化珪素等の各種無機膜が形成された基板が挙げられる。プラスチック基板としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックを主成分とする基板などが挙げられる。
当該硬化性組成物の塗布方法としては、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法等の適宜の方法を採用することができる。これらの塗布方法の中でも、スピンコート法、インクジェット塗布法が好ましい。プレベークの条件としては、当該硬化性組成物の含有成分の種類、含有量等によっても異なるが、例えば60℃以上100℃以下で30秒間以上10分間以下程度とすることができる。上記塗膜の平均膜厚は、プレベーク後の下限として、0.1μmが好ましい。また、この上限としては、15μmが好ましく、10μmがより好ましく、8μmがさらに好ましい。
[工程(2)]
工程(2)では、工程(1)で形成した塗膜に所定のパターンを有するマスクを介して放射線を照射する。このときの放射線としては、例えば紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等が挙げられる。
露光波長としては300〜450nmが好ましい。光源としては高圧水銀灯やLEDを用いることができる。露光量としては、例えば100J/m以上100,000J/m以下が好ましい。また、必要に応じてインプリント法によりパターンを形成してもよい。
[工程(3)]
必要に応じて塗膜を加熱・焼成処理(ポストベーク処理)することによって塗膜の硬化を行ってもよい。また、工程(3)における焼成温度の下限としては、80℃が好ましい。一方、この上限としては、250℃が好ましい。焼成時間としては、加熱機器の種類により異なるが、例えばホットプレート上で加熱処理を行う場合には5分以上40分以下、オーブン中で加熱処理を行う場合には30分以上80分以下とすることができる。
当該製造方法によれば、当該硬化性組成物の感放射線性を利用した露光および加熱によって硬化膜を形成することができる。
<硬化膜>
本発明の硬化性組成物を硬化した硬化物は、屈折率が1.60以上であり好ましくは1.65以上である。硫黄原子等の重量元素の使用、または縮合炭化水素環の含有割合を増やすことによって、高屈折率の硬化物を設計することができる。本発明の硬化膜は液晶表示素子や有機EL素子の封止、マイクロレンズ、反射防止膜、AR素子の回折格子などに用いることができる。
化合物の構造同定は、H−NMR測定(ブルカー製、AVANCE500型)を用いて行い、分子量の測定は液体クロマトグラフ質量分析計(LC−MS 島津製作所製、LCMS−8045)を用いて行い、目的の化合物が得られていることを確認した。
[合成例1]
<化合物(1−1)の合成>
リアクティブ アンド フアンクショナルポリマー(Reactive&Functional Polymers)73(2013)624−633に従い合成した。(1−1)の分子量は150.24である。
Figure 0006981163
[合成例2]
<化合物(1−2)の合成>
温度計、窒素導入管を備えた500mLの三口フラスコに(1−1)15.2g、15%水酸化ナトリウム水溶液、プロピレンスルフィド35.1g、トルエン200mL、4−メトキシフェノール0.02gおよびベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.1gを仕込み、室温で12時間撹拌した。反応終了後、5℃以下に氷冷した後、濃塩酸を加えてpH1に調整し、分液ロートにて水層を除去し、さらに、水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。つづいて、シリカカラム精製(展開溶剤:ヘキサン)を行った後、濃縮、乾固して(1−2)を15.7g得た。(1−2)の分子量は224.39である。
Figure 0006981163
[合成例3]
<化合物(1−3)の合成>
特許3444682の実施例1に従い化合物テトラメルカプト体(1−3B)を合成した。(1−3B)の分子量は366.74である。ついで温度計および窒素導入管を備えた500mLの三口フラスコに(1−3B)9.17g(0025mol)、エタノール200mL、4−メトキシフェノール0.02gおよびトリエチルアミン10.1gを加えた。次に、ビニルベンジルクロリド7.78g(0.051mol)を加えて一昼夜、室温で撹拌した。反応終了後、ろ過して得られた濃縮し、塩化メチレン300mLを加えて、水で3回分液洗浄を行った。次に、有機層を濃縮し、300mLのヘキサンを加え上澄みを除去することでオイル状の物質を得た。この操作を再度行い、オイル状物質を真空乾燥することで(1−3:メルカプト基の2置換体)を10.48g得た。プロトンNMRで求めた変性率は50mol%であった。(1−3)の分子量は599.06である。
Figure 0006981163
[実施例1〜8、比較例1〜6]
<(1)硬化性組成物の調製>
表1に示す組成で調整後、0.2μmのフィルターを用いてろ過を行い、硬化性組成物(J−1)〜(J−8)、(RJ−1)〜(RJ−3)を得た。表1に示す材料は、下記に示した通りである。
比較例4として特許第5479248号実施例1記載の組成物を作製した。
粘度は、JIS K2283に準拠して、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)を用いて、実施例および比較例で得られた硬化性組成物の25℃での値を測定した。
(C)成分
(C−1):DAROCUR TPO(BASF(株)製)
(C−2):Irg.OXE−01(BASF(株)製)
(B)成分
VNA :1−ビニルナフタレン
DVNA:1,5−ジビニルナフタレン
DVB :ジビニルベンゼン m、p混合物
Figure 0006981163
下記界面活性剤S−1は(A)化合物と(C)化合物との総量に対して1質量%添加した。なお、実施例9だけは、実施例2の組成物から界面活性を除いた。
(S−1):SH 190(東レ・ダウコーニング(株)製)
<硬化性組成物の評価>
以上の硬化性組成物について、下記の評価を行った。結果を表2に示す。なお、特に断りの無い限り、測定は25℃55%RHの雰囲気下が行った。
≪光硬化性≫
4インチシリコンウエハー上に膜厚が5μmになるようスピンコーターの回転数を調整して塗布した。この塗膜に下記露光量の紫外線を照射して得た硬化膜のタック有無を観察した。なお、露光量は365nm換算である。
AA:1J/cm露光でタック無し
AB:2J/cm露光でタック無し
BB:2J/cm露光でタックが少しあり
CC:2J/cm露光で液状
≪屈折率≫
上記硬化膜(2J/cm露光)をプリズムカプラ法によりModel201(Metricon社製)を使用して測定した。
≪保存安定性≫
硬化組成物を40℃の恒温槽に3日間保管し、粘度変化率を評価した。
(粘度変化率)=((保管後粘度)−(初期粘度))/(初期粘度)×100(%)
粘度変化率
AA:5%未満
AB:5〜10%
BB:10〜20%
CC:20%以上もしくはゲル化
≪吐出安定性の評価≫
紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドから、硬化性組成物1〜16の吐出試験を行い、下記の判断基準で評価した。
AA:室温(20〜25℃)で硬化性組成物をヘッドから吐出可能であり、
目視に於いて全てのノズルからインクジェット吐出可能であった。
BB:40〜60℃の加温により硬化性組成物をヘッドから吐出可能であり、
目視に於いて全てのノズルからインクジェット吐出可能であった。
CC:硬化性組成物をヘッドから吐出の初期段階で吐出不可能であった。
≪塗布膜ムラの評価≫
ガラス基板上にSiNxを膜厚100nmで成膜した評価基板に対して、50μm×50μmピッチで、ピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドから、硬化性組成物1〜16のインクジェット吐出を行い、10cm角の塗布膜を作製した。さらに5分後に前記395nmLEDランプを用いて露光量1000mJ/cmを照射し、塗布膜を硬化させた。その際、硬化膜の膜厚が10μmまたは5μmとなる様にインクジェットヘッドに印可する電圧を変化させ、吐出されるインクドット1滴の量を調整した。得られた硬化膜に対して以下の基準で評価を行った。
AA(優) :目視にて塗布膜ムラが観察されない。
BB(良) :目視にて部分的な膜厚変化による塗布膜ムラが観察される。
CC(不可):目視にて未塗布箇所が観察される。
Figure 0006981163
Figure 0006981163
以上の結果から、芳香族炭化水素環に直接結合したビニル基と、チオール基を、同一分子中に少なくとも一つずつ有する化合物を含有する硬化性組成物は、良好な光硬化性を示し、高屈折の塗膜を得ることができ、さらに溶剤無しで塗布することが可能である。
<有機EL素子のサンプルの評価>
≪有機EL素子の作製≫
アレイ状にITO透明電極が形成されたガラス基材(日本電気硝子社製「OA−10」)と、前記ITO透明電極の一部のみが露出したコンタクトホールを有する、膜厚3μmの平坦化層とを有するアレイ基材を複数用意した。
Alターゲットを用いてDCスパッタ法により、平坦化層上に膜厚100nmのAl膜を形成した。ITOターゲットを用いてDCマグネトロンリアクティブスパッタリング法により、Al膜上に膜厚20nmのITO膜を形成した。この様にしてAl膜とITO膜とからなる陽極層を形成した基材を用いた。
レジスト材料(JSR製「オプトマーNN803」)を用いて陽極層上に塗膜を形成し、i線(波長365nm)照射、現像、流水洗浄、風乾および加熱処理を含む一連の処理を行い、陽極層の一部を開口領域として持つ画素規定層を形成した。
陽極および画素規定層が形成された基材を真空成膜室へ移動し、成膜室を1E−4Paまで排気した後、前記基材上に、所定のパターンの蒸着マスクを用いて、正孔注入性を有する酸化モリブデン(MoOx)を抵抗加熱蒸着法により成膜速度0.004〜0.005nm/secの条件で成膜し、膜厚1nmの正孔注入層を形成した。
正孔注入層上に、所定のパターンの蒸着マスクを用いて、正孔輸送性を有する4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を抵抗加熱蒸着法により正孔注入層と同様の排気条件で成膜し、膜厚35nmの正孔輸送層を形成した。成膜速度は、0.2〜0.3nm/secの条件であった。
正孔輸送層上に、所定のパターンの蒸着マスクを用いて、緑色の発光材料としてアルキレート錯体であるトリス(8−キノリノラト)アルミニウムを抵抗加熱蒸着法により正孔輸送層と同様の成膜条件で成膜し、膜厚35nmの発光層を形成した。成膜速度は、0.5nm/sec以下の条件であった。
発光層上に、フッ化リチウムを抵抗加熱蒸着法により正孔注入層と同様の排気条件で成膜し、膜厚0.8nmの電子注入層を形成した。成膜速度は、0.004nm/sec以下の条件であった。
続いて電子注入層上に、マグネシウムおよびAgを抵抗加熱蒸着法により正孔注入層と同様の排気条件で同時に成膜し、膜厚5nmの第1陰極層を形成した。成膜速度は、0.5nm/sec以下の条件であった。
続いて、別の成膜室(スパッタ室)に上記基材を移送し、第1陰極層上に、ITOターゲットを用いてRFスパッタリング法により、膜厚100nmの第2陰極層を形成した。
以上のようにして、評価用有機EL素子を得た。
≪有機EL素子の薄膜封止≫
得られた有機EL素子に対して、以下の手順にて薄膜封止層を形成した。成膜室(スパッタ室)に前記有機EL素子を移送し、陰極層上に、SiNxターゲットを用いてRFスパッタリング法により、膜厚100nmの無機封止層(SiNx膜)を形成した。続いて、前記有機EL素子をN置換されたグローブボックス中に移送し、ピエゾ方式インクジェットプリンタによって、硬化性組成物1〜16を所定のパターンに吐出し、続いてウシオ電機社製UniJetE110ZHD 395nm LEDランプを用いて露光量1000mJ/cmを照射し、製膜された硬化性組成物を硬化させ、膜厚10μmの有機封止層を形成した。
成膜室(スパッタ室)に前記有機EL素子を移送し、有機封止層上に、SiNxターゲットを用いてRFスパッタリング法により、膜厚100nmの無機封止層(SiNx膜)を形成した。以上のようにして、有機ELデバイスを得た。
≪有機ELデバイスの信頼性≫
上記で得られたそれぞれの有機ELデバイスについて、85℃85%RH湿熱条件下で100h保管した後、順方向電流を10mA/cmで通電し、発光外観(ダークスポット)を観察した。下記基準に基づき、評価した。
A(優):ダークスポットが観察されない。
C(不可):ダークスポットが1箇所以上観察される。
≪光取り出し評価≫
有機EL素子サンプルを室温(25℃)、2.5mA/cmの定電流条件下による点灯を行い、点灯開始直後の発光輝度(L)[cd/m]を測定することにより、外部取り出し効率を評価した。ここで、発光輝度の測定は分光放射輝度計(TOPCON社製SR-3AR)を用いて行い、外部取り出し効率を評価した。比較例4の輝度を100とした相対強度で結果を示す。
≪光取り出しの評価ランク≫
A:相対強度が103を超えて110以下である
B:相対強度が100を超えて103以下である
C:相対強度が100以下である。
Figure 0006981163
以上の通り、本発明の硬化性組成物は、封止性だけでなく、光取り出し効率にも寄与することが明らかである。

Claims (4)

  1. 有機EL素子の封止膜形成に使用する硬化性組成物であって、
    少なくとも、
    (A)ビニル基芳香族炭化水素基が1個以上直接結合した構造および(B)1個以上のチオール基、を有する、分子量が135以上1000以下である化合物、ならびに
    (C)重合開始剤、
    を含有し、粘度が1〜100mPa・sである、硬化性組成物。
  2. 前記化合物のビニル基を有する芳香族炭化水素基が、ビニルフェニル基である請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 前記請求項1または2記載のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化させて得られる、屈折率1.60以上の硬化膜。
  4. 前記請求項1に記載の封止膜を含有する有機EL素子。
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