JP6977602B2 - ポット精紡方法及びポット精紡機 - Google Patents

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Description

本発明は、ポット精紡方法及びポット精紡機に関する。
精紡方法の1つとして、円筒形のポットを用いるポット精紡方法が知られている。ポット精紡方法は、大別すると、3つのステップを有する。第1のステップは、糸材料を所定の細さに引き伸ばすステップである。第2のステップは、第1のステップで引き伸ばされた糸をポットの内壁に巻き付けてケークを形成するステップである。第3のステップは、ケークを形成している糸をポットの内壁からボビンに巻き返すステップである。
第2のステップにおいては、所定の回転数でポットを回転させるとともに、第1のステップで引き伸ばされた糸を導糸管を通してポット内に導く。ポット内に導かれた糸は、導糸管の一端部から排出され、ポットの回転にともなう遠心力によってポットの内壁に押し当てられる。その際、導糸管から排出される糸は、ポットの回転によって撚られながら、ポットの内壁に巻き付けられる。
また、第2のステップにおいては、ポットの中心軸方向に導糸管を往復移動させながら、導糸管の一端部をポットの開口部側に移動させることにより、ポットの内壁にケークを形成する。ケークの形成を終えたら糸切りを行う。糸切りは、糸の送り方向において導糸管よりも上流側で糸を切ることにより行う。
糸切りを行うと、その瞬間に糸の張力が解放される。糸の張力が解放されると、その反動で導糸管の一端部から糸が勢い良く飛び出す。その結果、導糸管から飛び出した糸の一部がループ状に浮き上がり、浮き上がった糸が、ポットの内壁から離れたまま、ポット内の空間に存在する場合がある。このように、ポットの内壁から離れて存在する糸は、弦とも呼ばれる。本明細書では、弦を形成する糸を弦糸という。弦糸は、ポットの回転にともなう遠心力を受けて湾曲するが、ポットの内壁に巻かれる糸からは離れて孤立して存在する。また、弦糸の両端は、ポットの内壁に巻かれる糸に引っ掛かるかたちで固定状態に支持される。
上述のようにポット内の空間に弦糸が存在すると、たとえば、弦糸が導糸管の外周面に接触することにより、弦糸が他の糸と共に導糸管に巻き付いてしまうことがある。また、これ以外にも、たとえば、ポット内にボビンを挿入する途中で弦糸がボビンの外周面に接触し、これによってボビンへの糸の巻き返しが想定よりも早く始まってしまうことがある。その結果、いずれの場合もボビンに糸を適切に巻き返すことができず、巻き返し不良となってしまう。
特許文献1には、ドラフト装置を構成するフロントローラ対の下流側に導糸用のエプロン対を設けるとともに、エプロン対の先端部をポット内に配置可能としたポット精紡機に関する発明が記載されている。特許文献1に記載の発明では、エプロン対の上流側で糸を切断しても、切断した糸をエプロン対によってニップしたままポット内まで導くことができる。このため、糸の切断点となる糸端がエプロン対の先端部を通過する時点では、糸端からポット内壁までの距離が短くなる。したがって、弦糸の発生を抑制しながら糸端をポットの内壁に巻き付けることができる。
特公昭29−8226号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、導糸管の代わりにエプロン対を使用しているため、次のような課題がある。導糸管は、細長い円筒形の単純な構造であるのに対し、エプロン対は、エプロンを支持するローラや他の部材を含む複雑な構造になる。また、ポットの内壁に対する糸の巻き位置をポットの中心軸方向にずらすために、ポット自身を昇降動作させる機構が必要になる。さらに、ポット内にエプロン対を導き入れるために部品サイズも大きくなる。したがって、特許文献1に記載の発明では、ポット精紡機の構成が複雑かつ大掛かりになり、発明の実施に必要な費用が高くなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、弦糸の発生に起因する巻き返し不良の発生を安価に抑制することができるポット精紡方法及びポット精紡機を提供することにある。
本発明は、導糸管をポット内に挿入した状態で前記ポットを回転させるとともに、前記導糸管を前記ポットの中心軸方向に移動させることにより、前記導糸管の一端部から排出する糸を前記ポットの内壁に巻き付けてケークを形成するケーク形成ステップと、前記ポット内にボビンを進出させて、前記ケークを形成している糸を前記ポットの内壁から前記ボビンに巻き返す巻き返しステップと、を有するポット精紡方法であって、
前記ケークの形成途中または形成終了後に、前記ポットの内壁から離れて前記ポット内の空間に存在する弦糸を、押圧部材の押圧面によって前記ポットの中心軸方向に押圧して消滅させ、前記弦糸が消滅した後に前記ポットの内部に前記ボビンを進出させ、前記ボビンの進出が完了した後に前記巻き返しステップを開始する。
本発明は、導糸管をポット内に挿入した状態で前記ポットを回転させるとともに、前記導糸管を前記ポットの中心軸方向に移動させることにより、前記導糸管の一端部から排出する糸を前記ポットの内壁に巻き付けてケークを形成し、前記ポット内にボビンを進出させて、前記ケークを形成している糸を前記ポットの内壁から前記ボビンに巻き返すポット精紡機であって、
前記ケークの形成途中または形成終了後に、前記ポットの内壁から離れて前記ポット内の空間に存在する弦糸を前記ポットの中心軸方向に押圧して消滅させる押圧面を有する押圧部材を備え、前記弦糸が消滅した後に前記ポットの内部に前記ボビンを進出させ、前記ボビンの進出が完了した後に、前記ケークを形成している糸を前記ボビンに巻き返すことを開始する
本発明に係るポット精紡機において、前記押圧部材を前記導糸管に設け、前記ケークを形成するときの前記導糸管の移動動作を利用して前記弦糸を前記押圧面によって押圧するようにしてもよい。
本発明に係るポット精紡機において、前記押圧部材を前記ボビンに設け、前記ポット内に前記ボビンを進出させるときの前記ボビンの移動動作を利用して前記弦糸を前記押圧面によって押圧するようにしてもよい。
本発明に係るポット精紡機において、前記押圧面は、前記ポットの中心軸方向から見て円形であってもよい。
本発明によれば、弦糸の発生に起因する巻き返し不良の発生を安価に抑制することができる。
本発明の実施形態に係るポット精紡機の主要部の構成例を示す概略図である。 図1の一部を拡大した断面図である。 押圧部材の構成を説明する側面図である。 図3のIV矢視図である。 本発明の実施形態に係るポット精紡機の駆動制御系の構成例を示すブロック図である ポット精紡方法の基本的な流れを示す図である。 ケーク形成ステップにおけるポット内の様子を示す図である。 ケーク形成ステップにおける導糸管の動作を説明する図である。 ポット内に弦糸が発生した状態を示す図である。 巻き返し不良の一例を示す図である。 ボビンに弦糸が接触した状態を示す図である。 ボビンへの糸の不正巻き返しが開始された状態を示す図である。 ボビンへの糸の不正巻き返しが進行している状態を示す図である。 ボビンへの糸の不正巻き返しが終わった状態を示す図である。 押圧部材の押圧面によって弦糸を押圧する前の状態を示す図である。 押圧部材の押圧面によって弦糸を押圧した状態を示す図である。 押圧部材の押圧面によって弦糸を押圧したときの弦糸の動きを説明する図である。 巻き返しステップの開始時におけるポット内の様子を示す図である。 巻き返しステップの終了時におけるポット内の様子を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
<ポット精紡機>
まず、本発明の実施形態に係るポット精紡機について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るポット精紡機の主要部の構成例を示す概略図である。 図1に示すように、ポット精紡機1は、ドラフト装置10と、導糸管11と、ポット12と、ボビン支持部13と、を備えている。なお、これらの構成要素は、紡績の一単位となる1つの紡錘を構成するものである。ポット精紡機1は、複数の紡錘を備えるものであるが、ここではそのうちの1つの紡錘の構成について説明する。
(ドラフト装置)
ドラフト装置10は、粗糸などの糸材料を所定の細さに引き伸ばす装置である。ドラフト装置10は、バックローラ対15、ミドルローラ対16およびフロントローラ対17を含む複数のローラ対を用いて構成されている。複数のローラ対は、糸材料の送り方向の上流側から下流側に向かって、バックローラ対15、ミドルローラ対16およびフロントローラ対17の順に配置されている。
各々のローラ対15,16,17は、後述するドラフト駆動部の駆動に従って回転するものである。各々のローラ対15,16,17の単位時間あたりの回転数(rpm)を比較すると、ミドルローラ対16の回転数はバックローラ対15の回転数よりも高く、フロントローラ対17の回転数はミドルローラ対16の回転数よりも高い。このように各々のローラ対15,16,17の回転数は互いに異なり、この回転数の違い、すなわち回転速度差を利用してドラフト装置10は糸材料を細く引き伸ばす。以降の説明では、ローラ対の回転数を回転速度ともいう。ローラ対の回転数と回転速度とは互いに比例関係にある。
(導糸管)
導糸管11は、ドラフト装置10で所定の細さに引き伸ばされた糸18をポット12内に導くものである。導糸管11は、細長い管状に形成されている。導糸管11を長さ方向と直交する方向に断面したときの形状は円形になっている。
導糸管11は、ドラフト装置10の下流側に、ポット12と同軸になるように配置されている。導糸管11の下部は、ポット12内に挿入されている。導糸管11は、フロントローラ対17から糸供給管14を通して供給される糸18をポット12内に導く。ドラフト装置10で引き伸ばされた糸18は、たとえば、空気の旋回流を利用して糸供給管14に引き込まれた後、糸供給管14を通して導糸管11に導入される。導糸管11に導入された糸18は、導糸管11の下端部11aから排出される。導糸管11は、後述する導糸管駆動部によって上下方向に移動可能に設けられている。
導糸管11には押圧部材24が設けられている。押圧部材24は、導糸管11の下端部11aに配置されている。以下に、図2、図3および図4を用いて、押圧部材24の構成について説明する。図2は図1の一部を拡大した断面図である。図2においては、導糸管11の中心軸を一点鎖線で示している。図3は押圧部材の構成を説明する側面図であり、図4は図3のIV矢視図である。
(押圧部材)
押圧部材24は、押圧面24aとテーパー面24bとを有し、図3に示すように台形円錐状に形成されている。押圧部材24は、ポット12の内壁22から離れてポット12内の空間に存在する弦糸33(図9参照)を消滅させるために設けられたものである。押圧面24aおよびテーパー面24bはいずれも、凹凸のない滑らかな面で形成されている。押圧面24aは、ポット12の中心軸方向に弦糸33を押圧するために押圧部材24に形成されている。本実施形態においては、ポット12内の空間に弦糸33が発生した場合、この弦糸33を押圧部材24の押圧面24aによって下方に押圧する構成となっている。このため、押圧面24aは、鉛直下向きに配置されている。
押圧面24aは、導糸管11の中心軸方向において、導糸管11の下端部11aと同じ位置に配置されている。ただし、これに限らず、導糸管11の下端部11aよりも僅かに下方に突き出した状態で押圧面24aを配置してもよい。
押圧面24aは、ポット12の中心軸K(図1参照)と直交する方向に平行な平面となっている。また、押圧面24aは、ポット12の中心軸方向から見て円形(図4参照)に形成されている。本実施形態においては、ポット12と同軸に導糸管11が配置されているため、ポット12の中心軸を導糸管11の中心軸と読み替えてもよい。押圧面24aの直径Dg(図2、図4参照)は、ボビン25の巻き返し領域の最大直径Da(図1参照)よりも大きく設定されている。ボビン25の巻き返し領域とは、ケーク28を形成する糸をポット12の内壁22からボビン25へと巻き返す場合に、その糸が巻かれる対象領域をいう。また、押圧面24aの直径Dgは、ケーク28の最小内径Db(図1参照)よりも小さく設定されている。押圧面24aの直径Dgは、押圧部材24の最大外径に相当する。このため、押圧面24aの直径Dgをケーク28の最小内径Db未満とすれば、押圧部材24がケーク28に接触することを避けることができる。
テーパー面24bは、テーパー面24bの各部の直径が押圧面24aから上方に向かって連続的に小さくなるように傾斜している。導糸管11の外周面に対するテーパー面24aの傾斜角度θ(図2参照)は、好ましくは15度以上60度以下、さらに好ましくは30度以上50度以下の範囲に設定するとよい。
押圧部材24は、たとえば、セラミックス、金属などによって構成することができる。導糸管11と押圧部材24を共に金属材料によって構成する場合は、両者を一体構造で形成することができる。その場合の金属材料には、たとえばステンレス鋼などを適用することができる。また、導糸管11と押圧部材24を別構造とする場合は、導糸管11の外径に対応する径の貫通孔を押圧部材24に形成し、導糸管11に対して、たとえば接着、ネジ止め、圧入等によって押圧部材24を固定すればよい。
(糸センサ)
フロントローラ対17と糸供給管14との間には糸センサ19が配置されている。糸センサ19は、ドラフト装置10によって引き伸ばされる糸の状態を検出するセンサである。本実施形態においては、糸センサ19が検出する糸の状態の一例として、糸切れを挙げる。また、本実施形態では、一例として、発光器19aと受光器19bを組み合わせた光センサを用いて糸センサ19が構成されている。
(ポット)
ポット12は、ケーク28の形成と糸の巻き返しに用いられるものである。ポット12は、円筒形に形成されている。ポット12は、ポット12の中心軸回りに回転可能に設けられている。ポット12の中心軸Kは、鉛直方向と平行に配置されている。このため、ポット12の中心軸方向の一方は上方、他方は下方となっている。
ポット12は、後述するポット駆動部の駆動に従って回転するものである。ポット12の上端側には導糸管挿入口21が形成されている。導糸管挿入口21は、ポット12に導糸管11を挿入するための開口である。ポット12の下端部には開口部23が形成されている。導糸管挿入口21は、ポット12の内径Dp(図1参照)よりも小さな直径で上向きに開口している。ポット12の内径Dpは、ポット12の内容積を規定する、内壁22の位置を基準とする直径である。開口部23は、ポット12の内径Dpと同じ直径で下向きに開口している。
(ボビン支持部)
ボビン支持部13は、ボビン25を支持するものである。ボビン支持部13は、ボビン台座26と、ボビン装着部27と、を有する。ボビン台座26は板状に形成されている。ボビン装着部27はボビン台座26に固定されている。ボビン装着部27は、柱状に形成されるとともに、ボビン台座26の上面から上方に突出するように配置されている。
ボビン装着部27は、ボビン25が着脱自在に装着される部分となる。ボビン装着部27は、ポット12の中心軸方向で導糸管11と対向するように、ポット12と同軸に配置されている。また、ボビン装着部27は、導糸管11よりも下方に配置されている。このため、ボビン装着部27にボビン25を装着すると、ボビン25は、ポット12の中心軸K上で導糸管11と対向するように配置される。
ボビン25は、ボビン外周径がボビン中心軸方向の一端側から他端側に向かって連続的に変化するテーパー構造になっている。ボビン25は、少なくとも一端側が中空の構造になっている。ボビン25は、一端側の中空の部分をボビン装着部27に嵌合させることにより、ボビン台座26から垂直に起立して支持されるようになっている。
ボビン支持部13は、後述するボビン駆動部によって上下方向に移動可能に設けられている。ボビン25の外周径は、ポット12の内壁22に形成されるケーク28の最小内径Dp(図1参照)よりも小さく設定されている。これにより、ポット12の開口部23を通してポット12内にボビン25を挿入して配置するときに、ボビン25とケーク28の接触を避けることができる。
また、ボビン台座26には、糸ほぐし部材31が取り付けられている。糸ほぐし部材31は、ケーク28の巻き終わり側の端部28bに接触することにより、巻き返しの起点となる糸をケーク28からほぐすものである。ケーク28は、後述する導糸管11およびポット12の動作によってポット12の内壁22に形成される糸の積層体である。
図5は、本発明の実施形態に係るポット精紡機の駆動制御系の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、ポット精紡機1は、制御部51と、ドラフト駆動部52と、導糸管駆動部53と、ポット駆動部54と、ボビン駆動部55と、を備えている。
(制御部)
制御部51は、ポット精紡機1全体の動作を統括的に制御するものである。制御部51には、動作制御の対象として、ドラフト駆動部52、導糸管駆動部53、ポット駆動部54およびボビン駆動部55が電気的に接続されている。また、制御部51には、糸センサ19が電気的に接続されている。糸センサ19は、ドラフト装置10で糸切れが発生した場合に、その旨を知らせる糸切れ発生信号を制御部51に出力する。
(ドラフト駆動部)
ドラフト駆動部52は、バックローラ対15、ミドルローラ対16およびフロントローラ対17をそれぞれ所定の回転数で回転させるものである。ドラフト駆動部52は、制御部51からドラフト駆動部52に与えられるドラフト駆動信号に基づいて駆動することにより、バックローラ対15、ミドルローラ対16およびフロントローラ対17を回転させる。
(導糸管駆動部)
導糸管駆動部53は、導糸管11を上下方向に移動させるものである。導糸管駆動部53は、制御部51から導糸管駆動部53に与えられる導糸管駆動信号に基づいて駆動することにより、導糸管11を上下方向に移動させる。
(ポット駆動部)
ポット駆動部54は、ポット12を回転させるものである。ポット駆動部54は、制御部51から与えられるポット駆動信号に基づいて駆動することにより、ポット12の中心軸Kを回転中心としてポット12を回転させる。
(ボビン駆動部)
ボビン駆動部55は、ボビン25を上下方向に移動させるものである。ボビン駆動部55は、制御部51から与えられるボビン駆動信号に基づいて駆動することにより、ボビン支持部13のボビン装着部27に装着されるボビン25を、糸ほぐし部材31と共に上下方向に移動させる。
<ポット精紡方法>
続いて、本発明の実施形態に係るポット精紡方法について説明する。
図6は、ポット精紡方法の基本的な流れを示す図である。
図6示すように、ポット精紡方法は、引き伸ばしステップS1と、ケーク形成ステップS2と、巻き返しステップS3と、を有する。
引き伸ばしステップS1は、粗糸などの糸材料を所定の細さに引き伸ばすステップである。ケーク形成ステップS2は、引き伸ばしステップS1で所定の細さに引き伸ばされた糸をポット12の内壁22に巻き付けてケーク28を形成するステップである。巻き返しステップS3は、ケーク28を形成する糸をボビン25に巻き返すステップである。以下、各ステップに基づくポット精紡機1の動作について説明する。
なお、ポット精紡機1を動作させる前は、糸供給管14に導糸管11が近接して配置されるとともに、ボビン支持部13のボビン装着部27にボビン25が装着され、かつ、ボビン25がポット12よりも下方に退避して配置される。また、導糸管11の下部は、ポット12内に挿入した状態で配置される。
(引き伸ばしステップ)
引き伸ばしステップS1は、ドラフト装置10を用いて行われる。ドラフト駆動部52は、制御部51から与えられるドラフト駆動信号に基づいて駆動することにより、バックローラ対15、ミドルローラ対16およびフロントローラ対17をそれぞれ所定の回転速度で回転させる。これにより、粗糸などの糸材料は、各々のローラ対15,16,17の回転に従って搬送される。
その際、制御部51は、バックローラ対15の回転速度をミドルローラ対16の回転速度よりも低速に設定するとともに、ミドルローラ対16の回転速度をフロントローラ対17の回転速度よりも低速に設定する。これにより、バックローラ対15とミドルローラ対16との間では、それらのローラ対の回転速度差によって糸が引き伸ばされる。同様に、ミドルローラ対16とフロントローラ対17との間でも、それらのローラ対の回転速度差によって糸が引き伸ばされる。
その結果、粗糸などの糸材料は、バックローラ対15、ミドルローラ対16およびフロントローラ対17を順に通過しながら所定の細さに引き伸ばされる。こうして引き伸ばされた糸18は、その後、空気の旋回流などを利用して糸供給管14に引き込まれた後、導糸管11に導入される。
また、ポット駆動部54は、引き伸ばしステップS1の開始に先立って、制御部51から与えられるポット駆動信号に基づいて駆動することにより、ポット12を所定の回転数で回転させる。
(ケーク形成ステップ)
ケーク形成ステップS2は、導糸管11とポット12を用いて行われる。導糸管駆動部53は、制御部51から与えられる導糸管駆動信号に基づいて駆動することにより、導糸管11を所定量だけ下方に移動させる。また、ポット駆動部54は、制御部51から与えられるポット駆動信号に基づいて駆動することにより、ポット12の回転を継続する。なお、導糸管11を下方に移動させると、糸供給管14から導糸管11が離間した状態となる。また、糸供給管14から導糸管11に導入された糸18は、導糸管11の下端部11aから排出される。
導糸管11の下端部11aから排出される糸18には、ポット12の回転による遠心力が働き、この遠心力によって糸18がポット12の内壁22に押し付けられる。また、導糸管11の下端部11aから排出される糸18は、ポット12の回転によって撚りを加えられた状態でポット12の内壁22に巻き付けられる。
また、ケース形成ステップS2において、導糸管駆動部53は、上記導糸管駆動信号に基づいて駆動することにより、図7に示すように、導糸管11を所定の周期で繰り返し上下方向に往復移動させながら、導糸管11の位置を相対的に下方に変位させる。これにより、ポット12の内壁22に糸18が巻かれて積層され、ケーク28が形成される。なお、図7においては、押圧部材24の表示を省略している。
図8は、ケーク形成ステップにおける導糸管の動作を説明する図である。図中の縦軸は、ポット中心軸方向における導糸管の位置を示し、横軸は時間を示す。
図8において、導糸管11は、まず、P1位置まで下降した後、P2位置まで上昇し、次いでP3位置まで下降した後、P4位置まで上昇する。つまり、導糸管11は繰り返し上下方向に往復移動する。この場合、導糸管11がP1位置に到達してからP3位置に到達するまでの期間T1、および、導糸管11がP2位置に到達してからP4位置に到達するまでの期間T2が、それぞれ一周期となる。また、導糸管11の位置を相対的に下方に変位させるため、P3位置はP1位置よりも低位となり、P4位置はP2位置よりも低位となる。P1位置とP3位置の上下方向のズレ量H1、および、P2位置とP4位置の上下方向のズレ量H2は、それぞれ一周期における導糸管11の変位ステップ量となる。つまり、導糸管11は、一定の周期で繰り返し上下方向への往復移動を繰り返しながら、一定の変位ステップ量ずつ下方に変位する。
このような導糸管11の移動動作は、導糸管11がPm位置に到達するまで続く。この場合、P1位置は、図1に示すケーク28の巻き始め側の端部(以下、「始端」ともいう。)28aを規定し、Pm位置は、同図に示すケーク28の巻き終わり側の端部(以下、「終端」ともいう。)28bを規定する。また、導糸管11がP1位置からPm位置まで移動する期間は、ケーク28の形成途中に相当し、導糸管11がPm位置に達した後の期間は、ケーク28の形成終了後に相当する。
制御部51は、導糸管駆動部53に導糸管駆動信号を与えることにより、図7および図8に示すように導糸管11を移動動作させる。そして、導糸管11がPm位置に到達した段階で糸切りを行う。この糸切りによってケーク28の形成が終了となる。糸切りは、制御部51の制御下で行われる。具体的には、制御部51は、フロントローラ対17の回転を継続したまま、バックローラ対15およびミドルローラ対16の回転を共に停止するように、ドラフト駆動部52の駆動を制御する。そうすると、ミドルローラ対16の下流側で糸18が強制的に切られる。これにより、ポット12の内壁22には図1に示すような形状でケーク28が形成される。
上述のように糸切りを行うと、図9に示すように、ポット12内の空間に弦糸33が発生することがある。図9はポット12の内部を開口部23側から見た図である。図9においては、ポット12の回転方向Rを矢印で示すとともに、押圧部材24の表示を省略している。
弦糸33は、「背景技術」の欄でも説明したとおり、糸切りによって糸の張力が解放され、これによって導糸管11の下端部11aから飛び出した糸の一部がポット12の内壁22から離れてポット12内の空間に存在したものである。ポット12の円周方向において、形成される弦糸33の向きや径Lrは、その時々の状況によって異なる。弦糸33の頂部33a付近は、ポット12の内壁22に巻かれる糸18よりも緩やかな曲がりで湾曲する。弦糸33の径Lrは、ポット12の回転中心Cから弦糸33の頂部33aまでの径を示す。弦糸33の径Lrは、弦糸33の長さが長くなるほど大きくなる。弦糸33の両端33bは、ポット12の内壁22に巻かれる糸18に引っ掛かるかたちで固定状態に支持される。このように、ポット12内の空間に弦糸33が存在すると、前述したとおり、弦糸33が導糸管11の外周面に接触したり、あるいは、弦糸33がボビン25の外周面に接触したりして、巻き返し不良が発生するおそれがある。
具体的には、たとえば、弦糸33が導糸管11の外周面に接触すると、それをきっかけに、図10に示すように、導糸管11に糸18が巻き付いてしまうことがある。また、たとえば図11(A)に示すように、ポット12内にケーク28を形成して糸切りしたときに弦糸33が発生し、その後、ポット12内にボビン25を挿入するときに、挿入の途中でボビン25の外周面に弦糸33が接触することがある。ボビン25の外周面に弦糸33が接触すると、ポット12の回転に連れ回っている弦糸33がボビン25に巻き付きやすくなる。そして実際にボビン25に弦糸33が巻き付くと、それをきっかけに、図11(B)に示すように、ボビン25への糸18の不正な巻き返しが開始され、その後、図11(C)のように不正な巻き返しが進行していく。その結果、図11(D)に示すように、ボビン25に予定されている巻き返し領域から大きく外れた位置に糸18が不正に巻き返されてしまう。
そこで、本実施形態においては、ケーク形成ステップS2において、ケーク28の形成を終了した後、制御部51は、図8に示すPm位置に到達した導糸管11を所定量Lhだけ下方に移動させる。これにより、導糸管11は、Pm位置からPn位置へと下降動作し、これに従って押圧部材24も下降動作する。また、糸切りによって弦糸33が発生した場合は、導糸管11がPm位置からPn位置に下降動作するときに、押圧部材24が弦糸33を押圧することにより弦糸33が消滅する。その理由は以下のとおりである。
まず、導糸管11がPm位置からPn位置に下降動作するときは、図12および図13に示すように、押圧部材24の下降によって押圧面24aが弦糸33に接触し、そのまま弦糸33を下方に押圧する。そうすると、押圧面24aよりも外側にはみ出した弦糸33に引張り力Fが加わり、この引張り力Fによって弦糸33が引っ張られる。その結果、たとえば弦糸33が図14の破線で示す位置にあったとすると、弦糸33の頂部33aはポット12の回転中心Cに近づく方向、すなわち弦糸の径Lr(図9参照)が小さくなる方向に移動する。
一方で、ポット12の回転にともなう遠心力は、ポット12の回転中心Cから遠ざかる方向に働く。このため、図14の一点鎖線で示すように弦糸33の頂部33aがポット12の回転中心Cに達する前は、弦糸33に対して遠心力が図14の上方向に働くが、図14の二点鎖線で示すように弦糸33の頂部33aがポット12の回転中心Cに達すると、弦糸33に対して遠心力が図14の下方向に働くようになる。このため、ポット12の回転中心Cに達した弦糸33は、遠心力によってポット12の内壁22まで寄せられる。その結果、ポット12内の空間から弦糸33が消滅する。このとき、押圧部材24の押圧面24aの直径Dgを、ボビン25の巻き返し領域の最大直径Daよりも大きく設定しておけば、ボビン25の巻き返し領域に接触する可能性のある弦糸33を押圧部材24によって消滅させることができる。
なお、Pm−1位置からPn位置まで導糸管11を移動させる場合は、導糸管11がPm位置に達した段階で一旦、導糸管11の移動を停止してもよいし、一旦停止せずに導糸管11の移動を継続してもよい。
ケーク形成ステップS2は、上述のようにケーク形成および糸切りが行われ、かつ、導糸管11をPn位置まで下降動作させた段階で終了となる。また、前述した引き伸ばしステップS1は、ケーク形成ステップS2と並行して行われ、ケーク形成ステップS2において糸切りが行われた段階で終了となる。
(巻き返しステップ)
巻き返しステップS3は、ポット12とボビン25と糸ほぐし部材31を用いて行われる。巻き返しステップS3では、導糸管駆動部53、ポット駆動部54およびボビン駆動部55の駆動により、開口部23を通してポット12内にボビン25と糸ほぐし部材31を配置する。
導糸管駆動部53は、制御部51から与えられる導糸管駆動信号に基づいて駆動することにより、図15に示すように、導糸管11を上方に移動させる。これにより、ポット12内では、ボビン25の進入に先立って、導糸管11がボビン25に接触しない位置へと退避する。ポット駆動部54は、制御部51から与えられるポット駆動信号に基づいて駆動することにより、ポット12の回転を継続する。
ボビン駆動部55は、制御部51から与えられるボビン駆動信号に基づいて駆動することにより、ボビン支持部13を上方に移動させる。これにより、ボビン装着部27(図1参照)に装着されているボビン25と、ボビン台座26に取り付けられている糸ほぐし部材31が、共に上方に移動する。また、ボビン25と糸ほぐし部材31は、ポット12の開口部23を通してポット12内に進入する。その際、糸ほぐし部材31の上端部は、図15に示す破線の位置でケーク28の終端28bに接触する。そうすると、糸ほぐし部材31が接触した箇所では、ケーク28の終端28bに巻かれている糸がほぐれるとともに、ほぐれた糸がポット12の内壁22から離れてボビン25に巻き付く。これにより、ほぐれた糸を巻き返し起点として、ボビン25への糸の巻き返しが開始される。
その後、ケーク28を形成しているすべての糸が図16に示すようにボビン25に巻き返されると、制御部51は、ボビン駆動部55にボビン駆動信号を与えることにより、ボビン支持部13を下方に移動させる。これにより、ボビン25と糸ほぐし部材31が共に下方に移動し、巻き返しステップS3が終了となる。
以上の動作により、管糸29が巻かれたボビン25が得られる。管糸29が巻かれたボビン25はボビン装着部27から取り外される。その後、空のボビン25がボビン装着部27に装着された後、上記同様の動作が行われる。
なお、弦糸33は、上述した糸切りによって発生する場合だけでなく、ケーク28の形成途中で糸18が切れてしまう糸切れによって発生する場合もある。「糸切り」と「糸切れ」の違いは次のとおりである。糸切りは、ポット12の内壁22に予め決められた所定量の糸18が巻かれた段階、すなわちケーク28の形成を終了するときに制御部51によって意図的に行われるものである。糸切れは、ポット12の内壁22に所定量の糸18が巻かれる前、すなわちケーク28を形成している途中で何らかの理由により糸18が切れてしまう現象である。
ケーク28の形成途中で糸切れが発生する場合、糸切れの発生段階では導糸管11がPm位置まで下降していない。このため、導糸管11は、糸切れによって弦糸33が発生した場合でも、一定の変位ステップ量ずつ下方に変位し続ける。よって、糸切れによって弦糸33が発生した場合は、その発生後、導糸管11がPm位置またはPn位置まで下降する間に、押圧部材24の押圧面24aが弦糸33に接触し、そのまま弦糸33を下方に押圧する。したがって、ケーク28の形成途中で発生する弦糸33についても、押圧部材24によって消滅させることができる。
また、ケーク28の形成途中で弦糸33が発生した場合、この弦糸33の径Lr(図9参照)が押圧面24aの直径Dg(図2参照)に近い寸法になっていると、押圧部材24によって弦糸33を押圧しようとしたときに、弦糸33の頂部33a付近が押圧面24aをすり抜けてしまうことが考えられる。そうした場合は、巻き返しステップS3で導糸管11を上方に移動させるときに、押圧部材24が弦糸33に接触することになる。このとき、押圧部材24にテーパー面24bを形成しておけば、弦糸33の頂部33a付近がテーパー面24bに接触しながら滑り落ちる。このため、押圧部材24を弦糸33に過度に引っ掛けることなく、押圧部材24を上方に移動させることができる。
<実施形態の効果>
本発明の実施形態においては、導糸管11の下端部11aに押圧部材24を設け、ケーク28の形成途中または形成終了後に、ポット12の内壁22から離れてポット12内の空間に存在する弦糸33を、押圧部材24の押圧面24aによって下方に押圧して消滅させる構成を採用している。これにより、特許文献1に記載されたエプロン対などの複雑かつ大掛かりな構成を採用しなくても、弦糸33が導糸管11の外周面やボビン25の外周面に接触する状況を回避することができる。このため、弦糸33の発生に起因する巻き返し不良の発生を安価に抑制することができる。
また、本発明の実施形態においては、押圧部材24の押圧面24aを、ポット12の中心軸方向から見て円形に形成している。このため、押圧部材24によって弦糸33を押圧するときに、ポット12の円周方向で弦糸33がどのような向きに形成されていても、ポット12の回転に連れ回る弦糸33の動きが円滑になるよう、押圧面24aの周縁部で弦糸33を支持することができる。
また、本発明の実施形態においては、押圧部材24を導糸管11に設け、ケーク28を形成するときの導糸管11の移動動作を利用して弦糸33を押圧面24aによって押圧するようにしている。このため、ポット精紡の生産性をほとんど落とすことなく、弦糸33を消滅させることができる。
<変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、上記実施形態においては、押圧部材24の押圧面24aを、ポット12の中心軸と直交する方向に平行な平面としたが、本発明はこれに限らない。すなわち、押圧部材24によって弦糸33をポット12の中心軸方向に押圧したときに、弦糸33の頂部33aをポット12の回転中心Cに近づく方向に移動させ得るものであれば、押圧面24aはどのような態様で形成されていてもかまわない。たとえば、押圧部材24の押圧面24aは、上側に凹ませた凹面であってもよい。
また、上記実施形態においては、押圧部材24の押圧面24aを、ポット12の中心軸方向から見て円形としたが、本発明はこれに限らず、円形に代えて、たとえば、多角形などであってもよい。
また、上記実施形態においては、テーパー構造のボビン25を用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、巻き返し領域の直径が一様なストレート構造のボビンを用いてもかまわない。
また、上記実施形態においては、導糸管11の下端部11aに押圧部材24を設けたが、本発明はこれに限らない。たとえば、ボビン25の上端部に押圧部材を設けてもよい。あるいは、導糸管11とボビン25の両方に押圧部材を設けてもよい。また、導糸管11やボビン25とは別に、図示しない昇降機構に押圧部材を設けてもよい。
ただし、上記昇降機構に押圧部材を設けた場合は、導糸管11やボビン25の移動動作とは別に、昇降機構によって押圧部材を移動動作させる必要がある。これに対し、導糸管11に押圧部材24を設けた場合は、上述したとおり、ケーク28を形成するときの導糸管11の移動動作を利用して弦糸33を押圧面24aによって押圧することにより、弦糸33を消滅させることができる。また、ボビン25に押圧部材を設けた場合は、ポット12内にボビン25を進出させるときのボビン25の移動動作を利用して弦糸33を押圧面によって押圧することにより、弦糸33を消滅させることができる。このため、導糸管11およびボビン25の少なくとも一方に押圧部材を設けた場合は、昇降機構に押圧部材を設ける場合に比べて、ポット精紡の生産性をほとんど落とすことなく、弦糸33を消滅させることができるという利点がある。
1 ポット精紡機、11 導糸管、12 ポット、18 糸、22 内壁、24 押圧部材、24a 押圧面、25 ボビン、28 ケーク、33 弦糸。

Claims (5)

  1. 導糸管をポット内に挿入した状態で前記ポットを回転させるとともに、前記導糸管を前記ポットの中心軸方向に移動させることにより、前記導糸管の一端部から排出する糸を前記ポットの内壁に巻き付けてケークを形成するケーク形成ステップと、前記ポット内にボビンを進出させて、前記ケークを形成している糸を前記ポットの内壁から前記ボビンに巻き返す巻き返しステップと、を有するポット精紡方法であって、
    前記ケークの形成途中または形成終了後に、前記ポットの内壁から離れて前記ポット内の空間に存在する弦糸を、押圧部材の押圧面によって前記ポットの中心軸方向に押圧して消滅させ、前記弦糸が消滅した後に前記ポットの内部に前記ボビンを進出させ、前記ボビンの進出が完了した後に前記巻き返しステップを開始す
    ポット精紡方法。
  2. 導糸管をポット内に挿入した状態で前記ポットを回転させるとともに、前記導糸管を前記ポットの中心軸方向に移動させることにより、前記導糸管の一端部から排出する糸を前記ポットの内壁に巻き付けてケークを形成し、前記ポット内にボビンを進出させて、前記ケークを形成している糸を前記ポットの内壁から前記ボビンに巻き返すポット精紡機であって、
    前記ケークの形成途中または形成終了後に、前記ポットの内壁から離れて前記ポット内の空間に存在する弦糸を前記ポットの中心軸方向に押圧して消滅させる押圧面を有する押圧部材を備え、前記弦糸が消滅した後に前記ポットの内部に前記ボビンを進出させ、前記ボビンの進出が完了した後に、前記ケークを形成している糸を前記ボビンに巻き返すことを開始する
    ポット精紡機。
  3. 前記押圧部材を前記導糸管に設け、前記ケークを形成するときの前記導糸管の移動動作を利用して前記弦糸を前記押圧面によって押圧する
    請求項2に記載のポット精紡機。
  4. 前記押圧部材を前記ボビンに設け、前記ポット内に前記ボビンを進出させるときの前記ボビンの移動動作を利用して前記弦糸を前記押圧面によって押圧する
    請求項2に記載のポット精紡機。
  5. 前記押圧面は、前記ポットの中心軸方向から見て円形である
    請求項2〜4のいずれか1項に記載のポット精紡機。
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