JP2019137951A - ポット精紡機およびポット精紡方法 - Google Patents

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大輔 槌田
康広 宮田
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康広 宮田
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祐介 中村
俊樹 近藤
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俊樹 近藤
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Abstract

【課題】弦糸の発生に起因する巻き返し不良の発生を安価に抑制することができるポット精紡機を提供する。【解決手段】本発明は、導糸管11と、導糸管11が挿入されるポット12と、を備え、ポット12内で導糸管11の下端部11aから糸18を排出するとともに、その糸18をポット12の回転にともなう遠心力によってポット12の内壁22に巻き付けることによりケーク28を形成するポット精紡機1であって、ケーク28の形成途中または形成終了後に、ポット12の内壁22から離れてポット12内の空間に存在する弦糸33を切断するためのカッター20を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ポット精紡機およびポット精紡方法に関する。
精紡方法の1つとして、円筒形のポットを用いるポット精紡方法が知られている。ポット精紡方法は、大別すると、3つのステップを有する。第1のステップは、糸材料を所定の細さに引き伸ばすステップである。第2のステップは、第1のステップで引き伸ばされた糸をポットの内壁に巻き付けてケークを形成するステップである。第3のステップは、ケークを形成している糸をポットの内壁からボビンに巻き返すステップである。
第2のステップにおいては、所定の回転数でポットを回転させるとともに、第1のステップで引き伸ばされた糸を導糸管を通してポット内に導く。ポット内に導かれた糸は、導糸管の一端部から排出され、ポットの回転にともなう遠心力によってポットの内壁に押し当てられる。その際、導糸管から排出される糸は、ポットの回転によって撚られながら、ポットの内壁に巻き付けられる。
また、第2のステップにおいては、ポットの中心軸方向に導糸管を往復移動させながら、導糸管の一端部をポットの開口部側に移動させることにより、ポットの内壁にケークを形成する。ケークの形成を終えたら糸切りを行う。糸切りは、糸の送り方向において導糸管よりも上流側で糸を切ることにより行う。
糸切りを行うと、その瞬間に糸の張力が解放される。糸の張力が解放されると、その反動で導糸管の一端部から糸が勢い良く飛び出す。その結果、導糸管から飛び出した糸の一部がループ状に浮き上がり、浮き上がった糸が、ポットの内壁から離れたまま、ポット内の空間に存在する場合がある。このように、ポットの内壁から離れて存在する糸は、弦とも呼ばれる。本明細書では、弦を形成する糸を弦糸という。弦糸は、ポットの回転にともなう遠心力を受けて湾曲するが、ポットの内壁に巻かれる糸からは離れて孤立して存在する。また、弦糸の両端は、ポットの内壁に巻かれる糸に引っ掛かるかたちで固定状態に支持される。
上述のようにポット内の空間に弦糸が存在すると、たとえば、弦糸が導糸管の外周面に接触することにより、弦糸が他の糸と共に導糸管に巻き付いてしまうことがある。また、これ以外にも、たとえば、ポット内にボビンを挿入する途中で弦糸がボビンの外周面に接触し、これによってボビンへの糸の巻き返しが想定よりも早く始まってしまうことがある。その結果、いずれの場合もボビンに糸を適切に巻き返すことができず、巻き返し不良となってしまう。
特許文献1には、ドラフト装置を構成するフロントローラ対の下流側に導糸用のエプロン対を設けるとともに、エプロン対の先端部をポット内に配置可能としたポット精紡機に関する発明が記載されている。特許文献1に記載の発明では、エプロン対の上流側で糸を切断しても、切断した糸をエプロン対によってニップしたままポット内まで導くことができる。このため、糸の切断点となる糸端がエプロン対の先端部を通過する時点では、糸端からポット内壁までの距離が短くなる。したがって、弦糸の発生を抑制しながら糸端をポットの内壁に巻き付けることができる。
特公昭29−8226号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、導糸管の代わりにエプロン対を使用しているため、次のような課題がある。導糸管は、細長い円筒形の単純な構造であるのに対し、エプロン対は、エプロンを支持するローラや他の部材を含む複雑な構造になる。また、ポットの内壁に対する糸の巻き位置をポットの中心軸方向にずらすために、ポット自身を昇降動作させる機構が必要になる。さらに、ポット内にエプロン対を導き入れるために部品サイズも大きくなる。したがって、特許文献1に記載の発明では、ポット精紡機の構成が複雑かつ大掛かりになり、発明の実施に必要な費用が高くなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、弦糸の発生に起因する巻き返し不良の発生を安価に抑制することができるポット精紡機およびポット精紡方法を提供することにある。
本発明は、導糸管と、前記導糸管が挿入されるポットと、を備え、前記ポット内で前記導糸管の一端部から糸を排出するとともに、前記糸を前記ポットの回転にともなう遠心力によって前記ポットの内壁に巻き付けることによりケークを形成するポット精紡機であって、前記ポットの内壁から離れて前記ポット内の空間に存在する弦糸を切断するためのカッターを備える。
本発明に係るポット精紡機において、前記カッターは、前記導糸管に設けられていてもよい。
また、前記カッターと共に前記導糸管に設けられ、前記弦糸を前記カッターの刃に導くためのテーパー面を有するガイド部材を備えていてもよい。
また、前記カッターは、前記導糸管の中心軸と直交する方向に対して斜めに傾いた姿勢で配置されていてもよい。
また、前記カッターは、円盤状のカッターであってもよい。
また、本発明は、導糸管をポット内に挿入した状態で前記ポットを回転させることにより、前記導糸管の一端部から排出する糸を前記ポットの内壁に巻き付けてケークを形成するポット精紡方法であって、前記ケークの形成途中または形成終了後に、前記ポットの内壁から離れて前記ポット内の空間に存在する弦糸をカッターで切断する。
本発明によれば、弦糸の発生に起因する巻き返し不良の発生を安価に回避することができる。
本発明の実施形態に係るポット精紡機の主要部の構成例を示す概略図である。 図1の一部を拡大した断面図である。 カッターとガイド部材の構成を説明する側面図である。 図3のIV矢視図である。 本発明の実施形態に係るポット精紡機の駆動制御系の構成例を示すブロック図である。 ポット精紡方法の基本的な流れを示す図である。 ケーク形成ステップにおけるポット内の様子を示す図である。 ケーク形成ステップにおける導糸管の動作を説明する図である。 ポット内に弦糸が発生した状態を示す図である。 ポット内に存在する弦糸にカッターが近づく様子を示す概略図である。 ポット内に存在する弦糸が導糸管の下降によって押し下げられた状態を示す概略図である。 カッターの刃に弦糸が接触している状態を示す側面図である。 導糸管にガイド部材なしでカッターを設けた構成を示す側面図である。 巻き返しステップの開始時におけるポット内の様子を示す図である。 巻き返しステップの終了時におけるポット内の様子を示す図である。 導糸管にカッターを斜めに配置した構成を示す図である。 本発明の第1変形例を説明する図である。 本発明の第2変形例を説明する図である。 本発明の第3変形例を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
<ポット精紡機>
まず、本発明の実施形態に係るポット精紡機について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るポット精紡機の主要部の構成例を示す概略図である。 図1に示すように、ポット精紡機1は、ドラフト装置10と、導糸管11と、ポット12と、ボビン支持部13と、を備えている。なお、これらの構成要素は、紡績の一単位となる1つの紡錘を構成するものである。ポット精紡機1は、複数の紡錘を備えるものであるが、ここではそのうちの1つの紡錘の構成について説明する。
(ドラフト装置)
ドラフト装置10は、粗糸などの糸材料を所定の細さに引き伸ばす装置である。ドラフト装置10は、バックローラ対15、ミドルローラ対16およびフロントローラ対17を含む複数のローラ対を用いて構成されている。複数のローラ対は、糸材料の送り方向の上流側から下流側に向かって、バックローラ対15、ミドルローラ対16およびフロントローラ対17の順に配置されている。
各々のローラ対15,16,17は、後述するドラフト駆動部の駆動に従って回転するものである。各々のローラ対15,16,17の単位時間あたりの回転数(rpm)を比較すると、ミドルローラ対16の回転数はバックローラ対15の回転数よりも高く、フロントローラ対17の回転数はミドルローラ対16の回転数よりも高い。このように各々のローラ対15,16,17の回転数は互いに異なり、この回転数の違い、すなわち回転速度差を利用してドラフト装置10は糸材料を細く引き伸ばす。以降の説明では、ローラ対の回転数を回転速度ともいう。ローラ対の回転数と回転速度とは互いに比例関係にある。
(導糸管)
導糸管11は、ドラフト装置10で所定の細さに引き伸ばされた糸18をポット12内に導くものである。導糸管11は、細長い管状に形成されている。導糸管11を長さ方向と直交する方向に断面したときの形状は円形になっている。
導糸管11は、ドラフト装置10の下流側に、ポット12と同軸になるように配置されている。導糸管11の下部は、ポット12内に挿入されている。導糸管11は、フロントローラ対17から糸供給管14を通して供給される糸18をポット12内に導く。ドラフト装置10で引き伸ばされた糸18は、たとえば、空気の旋回流を利用して糸供給管14に引き込まれた後、糸供給管14を通して導糸管11に導入される。導糸管11に導入された糸18は、導糸管11の下端部11aから排出される。導糸管11は、後述する導糸管駆動部によって上下方向に移動可能に設けられている。
導糸管11にはカッター20が設けられている。また、導糸管11には、カッター20と共にガイド部材24が設けられている。カッター20とガイド部材24は、ポット12内において、導糸管11の下端部11aの近傍に配置されている。以下に、図2、図3および図4を用いて、カッター20とガイド部材24の構成について説明する。図2は図1の一部を拡大した断面図である。図2においては、導糸管11の中心軸を一点鎖線で示している。図3はカッターとガイド部材の構成を説明する側面図であり、図4は図3のIV矢視図である。
(カッター)
カッター20は、ポット12の内壁22から離れてポット12内の空間に存在する弦糸33(図9参照)を切断するために設けられたものである。カッター20は、円盤状に形成されている。カッター20の外周部には全周にわたって刃20aが形成されている。カッター20の刃20aは、導糸管11の中心軸方向から見て円形に形成されている。また、カッター20の刃20aは、糸18を切断できるように鋭利に形成されている。カッター20は、たとえば、超硬合金などの金属材料によって構成することができる。
カッター20は、導糸管11の中心軸方向と直交するように水平に配置されている。カッター20の中心部には、導糸管11の外径に対応する孔が形成され、この孔に導糸管11が嵌合されている。カッター20の外周径は、カッター20の刃20aがケーク28に接触しないよう、ケーク28の最小内径よりも小さく設定されている。また、カッター20は、導糸管11の中心軸方向において、導糸管11の下端部11aから所定の距離G(図2参照)を隔てた位置に配置されている。所定の距離Gは、糸切り時または糸切れ時において、糸端がループ状に浮き上がっても、浮き上がった糸端がカッター20を超えない程度に設定される。
(ガイド部材)
ガイド部材24は、カッター20よりも導糸管11の下端部11aに近い位置に配置されている。ガイド部材24は、図3に示すように台形円錐状に形成されている。ガイド部材24の外周面はテーパー面24aとなっている。テーパー面24aは、弦糸33を導糸管11に巻き付かせることなくカッター20の刃20aに導くために形成された面である。テーパー面24aは、後述する糸切りまたは糸切れの直後にループ状に浮き上がろうとしてテーパー面24aに接触した糸が、テーパー面24aの傾斜によって滑り落ちるように滑らかに形成されている。テーパー面24aは、導糸管11の下端部11aに向けてテーパー面24aの各部の直径が連続的に変化する先細形状となっている。導糸管11の中心軸に対するテーパー面24aの傾斜角度θ(図2参照)は、少なくとも10度以上に設定するとよい。
ガイド部材24は、たとえば、セラミックス、金属などによって構成することができる。導糸管11とガイド部材24を共に金属材料によって構成する場合は、両者を一体構造で形成することができる。その場合の金属材料には、たとえばステンレス鋼などを適用することができる。また、導糸管11とガイド部材24を別構造とする場合は、導糸管11の外径に対応する径の貫通孔をガイド部材24に形成し、導糸管11に対して、たとえば接着、ネジ止め、圧入等によってガイド部材24を固定すればよい。一方、カッター20に関しては、導糸管11と一体構造とされたガイド部材24、あるいは、導糸管11に固定されたガイド部材24に対し、たとえば、ネジ止め、接着等によってカッター20を固定すればよい。また、カッター20を導糸管11に直接、固定してもよい。
ガイド部材24の最大外径Dgは、カッター20の外周径よりも小さく設定されている。また、ガイド部材24の上面は、カッター20の下面に接触している。これにより、ガイド部材24のテーパー面24aとカッター20の下面との境界部分には隅部32が形成されている。隅部32は鈍角に形成されている。
(糸センサ)
フロントローラ対17と糸供給管14との間には糸センサ19が配置されている。糸センサ19は、ドラフト装置10によって引き伸ばされる糸の状態を検出するセンサである。本実施形態においては、糸センサ19が検出する糸の状態の一例として、糸切れを挙げる。また、本実施形態では、一例として、発光器19aと受光器19bを組み合わせた光センサを用いて糸センサ19が構成されている。
(ポット)
ポット12は、ケーク28の形成と糸の巻き返しに用いられるものである。ポット12は、円筒形に形成されている。ポット12は、ポット12の中心軸回りに回転可能に設けられている。ポット12の中心軸Kは、鉛直方向と平行に配置されている。このため、ポット12の中心軸方向の一方は上方、他方は下方となっている。
ポット12は、後述するポット駆動部の駆動に従って回転するものである。ポット12の上端側には導糸管挿入口21が形成されている。導糸管挿入口21は、ポット12に導糸管11を挿入するための開口である。ポット12の下端部には開口部23が形成されている。導糸管挿入口21は、ポット12の内径Dp(図1参照)よりも小さな直径で上向きに開口している。ポット12の内径Dpは、ポット12の内容積を規定する、内壁22の位置を基準とする直径である。開口部23は、ポット12の内径Dpと同じ直径で下向きに開口している。
(ボビン支持部)
ボビン支持部13は、ボビン25を支持するものである。ボビン支持部13は、ボビン台座26と、ボビン装着部27と、を有する。ボビン台座26は板状に形成されている。ボビン装着部27はボビン台座26に固定されている。ボビン装着部27は、柱状に形成されるとともに、ボビン台座26の上面から上方に突出するように配置されている。
ボビン装着部27は、ボビン25が着脱自在に装着される部分となる。ボビン装着部27は、ポット12の中心軸方向で導糸管11と対向するように、ポット12と同軸に配置されている。また、ボビン装着部27は、導糸管11よりも下方に配置されている。このため、ボビン装着部27にボビン25を装着すると、ボビン25は、ポット12の中心軸K上で導糸管11と対向するように配置される。
ボビン25は、ボビン外周径がボビン中心軸方向の一端側から他端側に向かって連続的に変化するテーパー構造になっている。ボビン25は、少なくとも一端側が中空の構造になっている。ボビン25は、一端側の中空の部分をボビン装着部27に嵌合させることにより、ボビン台座26から垂直に起立して支持されるようになっている。
ボビン支持部13は、後述するボビン駆動部によって上下方向に移動可能に設けられている。ボビン25の外周径は、ポット12の内壁22に形成されるケーク28の最小内径よりも小さく設定されている。これにより、ポット12の開口部23を通してポット12内にボビン25を挿入して配置するときに、ボビン25とケーク28の接触を避けることができる。
また、ボビン台座26には、糸ほぐし部材31が取り付けられている。糸ほぐし部材31は、ケーク28の巻き終わり側の端部28bに接触することにより、巻き返しの起点となる糸をケーク28からほぐすものである。ケーク28は、後述する導糸管11およびポット12の動作によってポット12の内壁22に形成される糸の積層体である。
図5は、本発明の実施形態に係るポット精紡機の駆動制御系の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、ポット精紡機1は、制御部51と、ドラフト駆動部52と、導糸管駆動部53と、ポット駆動部54と、ボビン駆動部55と、を備えている。
(制御部)
制御部51は、ポット精紡機1全体の動作を統括的に制御するものである。制御部51には、動作制御の対象として、ドラフト駆動部52、導糸管駆動部53、ポット駆動部54およびボビン駆動部55が電気的に接続されている。また、制御部51には、糸センサ19が電気的に接続されている。糸センサ19は、ドラフト装置10で糸切れが発生した場合に、その旨を知らせる糸切れ発生信号を制御部51に出力する。
(ドラフト駆動部)
ドラフト駆動部52は、バックローラ対15、ミドルローラ対16およびフロントローラ対17をそれぞれ所定の回転数で回転させるものである。ドラフト駆動部52は、制御部51からドラフト駆動部52に与えられるドラフト駆動信号に基づいて駆動することにより、バックローラ対15、ミドルローラ対16およびフロントローラ対17を回転させる。
(導糸管駆動部)
導糸管駆動部53は、導糸管11を上下方向に移動させるものである。導糸管駆動部53は、制御部51から導糸管駆動部53に与えられる導糸管駆動信号に基づいて駆動することにより、導糸管11を上下方向に移動させる。
(ポット駆動部)
ポット駆動部54は、ポット12を回転させるものである。ポット駆動部54は、制御部51から与えられるポット駆動信号に基づいて駆動することにより、ポット12の中心軸Kを回転中心としてポット12を回転させる。
(ボビン駆動部)
ボビン駆動部55は、ボビン25を上下方向に移動させるものである。ボビン駆動部55は、制御部51から与えられるボビン駆動信号に基づいて駆動することにより、ボビン支持部13のボビン装着部27に装着されるボビン25を、糸ほぐし部材31と共に上下方向に移動させる。
<ポット精紡方法>
続いて、本発明の実施形態に係るポット精紡方法について説明する。
図6は、ポット精紡方法の基本的な流れを示す図である。
図6示すように、ポット精紡方法は、引き伸ばしステップS1と、ケーク形成ステップS2と、巻き返しステップS3と、を有する。
引き伸ばしステップS1は、粗糸などの糸材料を所定の細さに引き伸ばすステップである。ケーク形成ステップS2は、引き伸ばしステップS1で所定の細さに引き伸ばされた糸をポット12の内壁22に巻き付けてケーク28を形成するステップである。巻き返しステップS3は、ケーク28を形成する糸をボビン25に巻き返すステップである。以下、各ステップに基づくポット精紡機1の動作について説明する。
なお、ポット精紡機1を動作させる前は、糸供給管14に導糸管11が近接して配置されるとともに、ボビン支持部13のボビン装着部27にボビン25が装着され、かつ、ボビン25がポット12よりも下方に退避して配置される。また、導糸管11の下部は、ポット12内に挿入した状態で配置される。
(引き伸ばしステップ)
引き伸ばしステップS1は、ドラフト装置10を用いて行われる。ドラフト駆動部52は、制御部51から与えられるドラフト駆動信号に基づいて駆動することにより、バックローラ対15、ミドルローラ対16およびフロントローラ対17をそれぞれ所定の回転速度で回転させる。これにより、粗糸などの糸材料は、各々のローラ対15,16,17の回転に従って搬送される。
その際、制御部51は、バックローラ対15の回転速度をミドルローラ対16の回転速度よりも低速に設定するとともに、ミドルローラ対16の回転速度をフロントローラ対17の回転速度よりも低速に設定する。これにより、バックローラ対15とミドルローラ対16との間では、それらのローラ対の回転速度差によって糸が引き伸ばされる。同様に、ミドルローラ対16とフロントローラ対17との間でも、それらのローラ対の回転速度差によって糸が引き伸ばされる。
その結果、粗糸などの糸材料は、バックローラ対15、ミドルローラ対16およびフロントローラ対17を順に通過しながら所定の細さに引き伸ばされる。こうして引き伸ばされた糸18は、その後、空気の旋回流などを利用して糸供給管14に引き込まれた後、導糸管11に導入される。
また、ポット駆動部54は、引き伸ばしステップS1の開始に先立って、制御部51から与えられるポット駆動信号に基づいて駆動することにより、ポット12を所定の回転数で回転させる。
(ケーク形成ステップ)
ケーク形成ステップS2は、導糸管11とポット12を用いて行われる。導糸管駆動部53は、制御部51から与えられる導糸管駆動信号に基づいて駆動することにより、導糸管11を所定量だけ下方に移動させる。また、ポット駆動部54は、制御部51から与えられるポット駆動信号に基づいて駆動することにより、ポット12の回転を継続する。なお、導糸管11を下方に移動させると、糸供給管14から導糸管11が離間した状態となる。また、糸供給管14から導糸管11に導入された糸18は、導糸管11の下端部11aから排出される。
導糸管11の下端部11aから排出される糸18には、ポット12の回転による遠心力が働き、この遠心力によって糸18がポット12の内壁22に押し付けられる。また、導糸管11の下端部11aから排出される糸18は、ポット12の回転によって撚りを加えられた状態でポット12の内壁22に巻き付けられる。
また、ケース形成ステップS2において、導糸管駆動部53は、上記導糸管駆動信号に基づいて駆動することにより、図7に示すように、導糸管11を所定の周期で繰り返し上下方向に往復移動させながら、導糸管11の位置を相対的に下方に変位させる。これにより、ポット12の内壁22に糸18が巻かれて積層され、ケーク28が形成される。なお、図7においては、カッター20とガイド部材24の表示を省略している。
図8は、ケーク形成ステップにおける導糸管の動作を説明する図である。図中の縦軸は、ポット中心軸方向における導糸管の位置を示し、横軸は時間を示す。
図8において、導糸管11は、まず、P1位置まで下降した後、P2位置まで上昇し、次いでP3位置まで下降した後、P4位置まで上昇する。つまり、導糸管11は繰り返し上下方向に往復移動する。この場合、導糸管11がP1位置に到達してからP3位置に到達するまでの期間T1、および、導糸管11がP2位置に到達してからP4位置に到達するまでの期間T2が、それぞれ一周期となる。また、導糸管11の位置を相対的に下方に変位させるため、P3位置はP1位置よりも低位となり、P4位置はP2位置よりも低位となる。P1位置とP3位置の上下方向のズレ量H1、および、P2位置とP4位置の上下方向のズレ量H2は、それぞれ一周期における導糸管11の変位ステップ量となる。つまり、導糸管11は、一定の周期で繰り返し上下方向への往復移動を繰り返しながら、一定の変位ステップ量ずつ下方に変位する。
このような導糸管11の移動動作は、導糸管11がPm位置に到達するまで続く。この場合、P1位置は、図1に示すケーク28の巻き始め側の端部(以下、「始端」ともいう。)28aを規定し、Pm位置は、同図に示すケーク28の巻き終わり側の端部(以下、「終端」ともいう。)28bを規定する。また、導糸管11がP1位置からPm位置まで移動する期間は、ケーク28の形成途中に相当し、導糸管11がPm位置に達した後の期間は、ケーク28の形成終了後に相当する。
制御部51は、導糸管駆動部53に導糸管駆動信号を与えることにより、図7および図8に示すように導糸管11を動作させる。そして、導糸管11がPm位置に到達した段階で糸切りを行う。この糸切りによってケーク28の形成が終了となる。糸切りは、制御部51の制御下で行われる。具体的には、制御部51は、フロントローラ対17の回転を継続したまま、バックローラ対15およびミドルローラ対16の回転を共に停止するように、ドラフト駆動部52の駆動を制御する。そうすると、ミドルローラ対16の下流側で糸18が強制的に切られる。これにより、ポット12の内壁22には図1に示すような形状でケーク28が形成される。
上述のように糸切りを行うと、図9に示すように、ポット12内の空間に弦糸33が発生することがある。図9はポット12の内部を開口部23側から見た図である。図9においては、ポット12の回転方向Rを矢印で示すとともに、カッター20とガイド部材24の表示を省略している。
弦糸33は、「背景技術」の欄でも説明したとおり、糸切りによって糸の張力が解放され、これによって導糸管11の下端部11aから飛び出した糸の一部がポット12の内壁22から離れてポット12内の空間に存在したものである。弦糸33の頂部33a付近は、ポット12の内壁22に巻かれる糸18よりも緩やかな曲がりで湾曲する。弦糸33の両端33bは、ポット12の内壁22に巻かれる糸18に引っ掛かるかたちで固定状態に支持される。このように、ポット12内の空間に弦糸33が存在すると、前述したとおり、弦糸33が導糸管11の外周面に接触したり、あるいは、弦糸33がボビン25の外周面に接触したりして、巻き返し不良が発生するおそれがある。
そこで、本実施形態においては、ケーク形成ステップS2において、ケーク28の形成を終了した後、制御部51は、図8に示すPm位置に到達した導糸管11を所定量Lhだけ下方に移動させる。これにより、導糸管11は、Pm位置からPn位置へと変位する。また、上述した糸切りによって弦糸33が発生した場合は、導糸管11がPm位置からPn位置に移動する過程で、弦糸33がカッター20の刃20aで切断される。所定量Lhは、ポット12内の空間に弦糸33が存在する場合に、導糸管11に設けられたカッター20の刃20aに弦糸33を接触させるのに必要な量に応じて設定される。
ここで、カッター20が弦糸33を切断するときの状況について説明する。
まず、図10に示すように、ポット12内に弦糸33が存在する状態で、導糸管11を下降させていくと、弦糸33は、図中矢印Rで示すようにポット12の回転に連れ回りながら、図11に示すように導糸管11の下降によって押し下げられる。このとき、弦糸33は、ガイド部材24のテーパー面24aまたはカッター20の下面に接触する。具体的には、図9に示すポット12の中心軸から弦糸33の頂部33aまでの径Lrが、図2に示すガイド部材24の最大外径Dg未満であれば、弦糸33はガイド部材24のテーパー面24aに接触する。また、ポット12の中心軸から弦糸33の頂部33aまでの径Lrがガイド部材24の最大外径Dg以上であれば、弦糸33はカッター20の下面に接触する。
弦糸33がガイド部材24のテーパー面24aに接触した場合は、導糸管11の下降動作にともなって弦糸33の頂部33a付近がテーパー面24aに案内されて図3の矢印M1で示すように隅部32まで移動する。また、弦糸33が管糸29の下面に接触した場合は、導糸管11の下降動作にともなって弦糸33の頂部33a付近がカッター20の下面に案内されて図3の矢印M2で示すように隅部32まで移動する。弦糸33の頂部33a付近が隅部32に到達すると、径方向における弦糸33の移動が抑制される。このため、その後さらに導糸管11が下降すると、図12に示すように、弦糸33がカッター20の刃20aに接触する。このとき、カッター20からはみ出した弦糸33の両側は、導糸管11の下降動作に従って破線矢印の方向に立ち上がる。その結果、弦糸33がカッター20の刃20aに巻き掛けられる。カッター20の刃20aに対する弦糸33の巻き掛け角度αは、カッター20の下面とカッター20からはみ出す弦糸33とのなす角度である。
このように、カッター20の刃20aに巻き掛けられた弦糸33は、ポット12の回転に連れ回りながら、カッター20の刃20aに押し当てられる。また、カッター20の刃20aに対する弦糸33の巻き掛け角度αは、導糸管11の下降動作に従って徐々に大きくなる。したがって、導糸管11をPm位置からPn位置に下降させる途中で、弦糸33がカッター20の刃20aで擦り切れる。こうして弦糸33が切断されると、それまで弦糸33を形成していた糸は、ポット12の回転にともなう遠心力によってポット12の内壁22に押し当てられる。すなわち、ポット12内の空間から弦糸33が消滅する。
なお、弦糸33の両側が立ち上がり始めるタイミングは、その時々の状況によって変わる可能性がある。このため、弦糸33がカッター20で切断されるタイミングは、弦糸33の頂部33a付近が隅部32に到達する前となる場合もあり得る。
また、図13に示すように、導糸管11にガイド部材24が設けられていない場合は、弦糸33がカッター20の下面に接触した後、弦糸33の両側が立ち上がる。この場合でも、弦糸33がカッター20の刃20aに接触して擦られるため、弦糸33をカッター20で切断することが可能である。すなわち、導糸管11にガイド部材24を設けなくても、弦糸33をカッター20で切断することができる。
ただし、導糸管11にガイド部材24を設けた場合は、弦糸33の頂部33aを隅部32に引っ掛けて弦糸33の移動を抑制し、弦糸33の両側を立ち上がりやすくすることができる。また、糸切り直後または糸切れ直後に、ポット12内でループ状になって浮き上がろうとする糸を、ガイド部材24のテーパー面24aの傾斜を利用して滑り落とすことができる。このため、ループ状になって導糸管11の下端部近傍に巻き付こうとする糸をガイド部材24のテーパー面24aで強制的に滑り落として、その巻き付きを避けることができる。
また、導糸管11を下降動作させる場合の移動速度に関し、制御部51は、次のように導糸管駆動部53を駆動制御することが好ましい。まず、ケーク28の形成途中の導糸管11の移動速度をV1とし、ケーク28の形成終了後の導糸管11の移動速度をV2とする。移動速度V1は、たとえば、導糸管11をPm−1位置からPm位置に移動させるときの移動速度に相当する。移動速度V2は、導糸管11をPm位置からPn位置に移動させるときの移動速度に相当する。そうした場合、制御部51は、移動速度V2が移動速度V1よりも低速となるように、導糸管駆動部53を駆動制御することが好ましい。移動速度V2を移動速度V1よりも低速にすると、カッター20の刃20aに対して、弦糸33の接触時間が増えるため、より確実に弦糸33を切断することができる。なお、Pm−1位置からPn位置まで導糸管11を移動させる場合は、導糸管11がPm位置に達した段階で一旦、導糸管11の移動を停止してもよいし、一旦停止せずに導糸管11の移動を継続してもよい。
ケーク形成ステップS2は、上述のようにケーク形成および糸切りが行われ、かつ、弦糸33を切断するための導糸管11の下降動作が終了した段階で終了となる。また、前述した引き伸ばしステップS1は、ケーク形成ステップS2と並行して行われ、ケーク形成ステップS2において糸切りが行われた段階で終了となる。
(巻き返しステップ)
巻き返しステップS3は、ポット12とボビン25と糸ほぐし部材31を用いて行われる。巻き返しステップS3では、導糸管駆動部53、ポット駆動部54およびボビン駆動部55の駆動により、開口部23を通してポット12内にボビン25と糸ほぐし部材31を配置する。
導糸管駆動部53は、制御部51から与えられる導糸管駆動信号に基づいて駆動することにより、図14に示すように、導糸管11を上方に移動させる。これにより、ポット12内では、ボビン25の進入に先立って、導糸管11がボビン25に接触しない位置へと退避する。ポット駆動部54は、制御部51から与えられるポット駆動信号に基づいて駆動することにより、ポット12の回転を継続する。
ボビン駆動部55は、制御部51から与えられるボビン駆動信号に基づいて駆動することにより、ボビン支持部13を上方に移動させる。これにより、ボビン装着部27(図1参照)に装着されているボビン25と、ボビン台座26に取り付けられている糸ほぐし部材31が、共に上方に移動する。また、ボビン25と糸ほぐし部材31は、ポット12の開口部23を通してポット12内に進入する。その際、糸ほぐし部材31の上端部は、図14に示す破線の位置でケーク28の終端28bに接触する。そうすると、糸ほぐし部材31が接触した箇所では、ケーク28の終端28bに巻かれている糸がほぐれるとともに、ほぐれた糸がポット12の内壁22から離れてボビン25に巻き付く。これにより、ほぐれた糸を巻き返し起点として、ボビン25への糸の巻き返しが開始される。
その後、ケーク28を形成しているすべての糸が図15に示すようにボビン25に巻き返されると、制御部51は、ボビン駆動部55にボビン駆動信号を与えることにより、ボビン支持部13を下方に移動させる。これにより、ボビン25と糸ほぐし部材31が共に下方に移動し、巻き返しステップS3が終了となる。
以上の動作により、管糸29が巻かれたボビン25が得られる。管糸29が巻かれたボビン25はボビン装着部27から取り外される。その後、空のボビン25がボビン装着部27に装着された後、上記同様の動作が行われる。
なお、弦糸33は、上述した糸切りによって発生する場合だけでなく、ケーク28の形成途中で糸18が切れてしまう糸切れによって発生する場合もある。「糸切り」と「糸切れ」の違いは次のとおりである。糸切りは、ポット12の内壁22に予め決められた所定量の糸18が巻かれた段階、すなわちケーク28の形成を終了するときに制御部51によって意図的に行われるものである。糸切れは、ポット12の内壁22に所定量の糸18が巻かれる前、すなわちケーク28を形成している途中で何らかの理由により糸18が切れてしまう現象である。
ケーク28の形成途中で糸切れが発生する場合、糸切れの発生段階では導糸管11がPm位置まで下降していない。このため、導糸管11は、糸切れによって弦糸33が発生した場合でも、一定の変位ステップ量ずつ下方に変位し続ける。したがって、糸切れ発生後、導糸管11がPm位置またはPn位置まで下降する間に、上記同様の原理で、弦糸33がカッター20の刃20aに接触する。よって、ケーク28の形成途中で発生する弦糸33についても、カッター20によって切断することができる。
<実施形態の効果>
本発明の実施形態においては、導糸管11の下端部11aの近傍にカッター20を設け、ケーク28の形成途中または形成終了後に、ポット12の内壁22から離れてポット12内の空間に存在する弦糸33をカッター20で切断する構成を採用している。これにより、特許文献1に記載されたエプロン対などの複雑かつ大掛かりな構成を採用することなく、弦糸33が導糸管11の外周面やボビン25の外周面に接触する状況を回避することができる。このため、弦糸33の発生に起因する巻き返し不良の発生を安価に抑制することができる。
また、本発明の実施形態においては、平面視円形の刃20aを有する円盤状のカッター20を採用している。このため、カッター20の外周上のいずれの箇所でも弦糸33を切断することができる。また、カッター20の構造が単純であるため、安価に実施できる。
<変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、上記実施形態においては、円盤状のカッター20が導糸管11の中心軸方向と直交するように、カッター20を水平に配置したが、本発明はこれに限らない。たとえば、図16に示すように、導糸管11の中心軸と直交する方向に対してカッター20を斜めに傾いた姿勢で配置してもよい。斜めに傾いた姿勢とは、図中一点鎖線で示す導糸管11の中心軸と直交する方向に対し、カッター20の傾き角度βが2度以上となるようにカッター20が傾いた状態を意味する。傾き角度βの好ましい範囲は、5度以上、20度以下である。
上述のようにカッター20を斜めに配置すると、導糸管11の中心軸方向においてカッター20の刃20aが存在する範囲を広く確保することができる。このため、導糸管11を下降させるときに、カッター20の刃20aに弦糸33を接触させ得る時間を長く確保することができる。したがって、たとえば、ポット12の中心軸と導糸管11の中心軸との間に軸ずれが生じている場合でも、弦糸33がカッター20の刃20aに接触する可能性や頻度を高めることができる。よって、弦糸33をより確実に切断することができる。
また、上記実施形態においては、導糸管11に1つのカッター20を設けるようにしたが、これに限らず、複数のカッター20を導糸管11の中心軸方向に位置をずらして設けた構成を採用してもよい。
また、弦糸33を切断するためのカッターは、円盤状のカッター20に限らない。たとえば、図17に示すように、下向きの刃40aを有するカッター40を用いてもよい。また、図18に示すように、ガイド部材24の径方向に延在する直線状のカッター41を設け、このカッター41の刃41aを下向きに配置した構成を採用してもよい。また、図19に示すように、外周に刃42aを有する丸鋸状のカッター42を用いてもよい。カッター42を用いる場合は、ポット12の回転方向Rにカッター42の刃42aが斜めに傾くように、カッター42を配置すればよい。
なお、前述した円盤状のカッター20と、図19に示す丸鋸状のカッター42の違いは、それぞれの刃20a,42aの形状の違いにある。すなわち、カッター20の刃20aは凹凸のない円周刃形状になっており、カッター42の刃42aは凹凸のある鋸刃形状になっている。
また、上記実施形態においては、テーパー構造のボビン25を用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、ストレート構造のボビンを用いてもかまわない。
また、上記実施形態においては、弦糸を切断するためのカッターを導糸管11に設けた構成を採用したが、本発明はこれに限らず、たとえば、ボビン25の上端部にカッターを設けた構成を採用してもよい。あるいは、導糸管11とボビン25の両方にカッターを設けた構成を採用してもよい。また、導糸管11やボビン25とは別に、図示しない昇降機構にカッターを設け、このカッターをボビン25よりも先にポット12内に進出させて弦糸を切断する構成を採用してもよい。さらに、ボビン25または昇降機構にカッターを設ける場合は、上記実施形態と同様、カッターと共にガイド部材を設けてもよい。
導糸管11にカッターを設けた場合は、ケーク形成ステップS2における導糸管11の下降動作を利用して弦糸33を切断することができる。また、ボビン25にカッターを設けた場合は、巻き返しステップS3におけるボビン25の上昇動作を利用して弦糸33を切断することができる。これに対し、上記昇降機構にカッターを設けた場合は、導糸管11やボビン25の動作とは別に、昇降機構を動作させる必要がある。このため、導糸管11およびボビン25の少なくとも一方にカッターを設けた場合は、上記昇降機構にカッターを設ける場合に比べて、ポット精紡の生産性をほとんど落とすことなく、弦糸33を切断できるという利点がある。
1 ポット精紡機、11 導糸管、12 ポット、18 糸、20 カッター、20a 刃、22 内壁、24 ガイド部材、24a テーパー面、28 ケーク、33 弦糸。

Claims (6)

  1. 導糸管と、
    前記導糸管が挿入されるポットと、を備え、
    前記ポット内で前記導糸管の一端部から糸を排出するとともに、前記糸を前記ポットの回転にともなう遠心力によって前記ポットの内壁に巻き付けることによりケークを形成するポット精紡機であって、
    前記ポットの内壁から離れて前記ポット内の空間に存在する弦糸を切断するためのカッターを備える
    ポット精紡機。
  2. 前記カッターは、前記導糸管に設けられている
    請求項1に記載のポット精紡機。
  3. 前記カッターと共に前記導糸管に設けられ、前記弦糸を前記カッターの刃に導くためのテーパー面を有するガイド部材を備える
    請求項2に記載のポット精紡機。
  4. 前記カッターは、前記導糸管の中心軸と直交する方向に対して斜めに傾いた姿勢で配置されている
    請求項2または3に記載のポット精紡機。
  5. 前記カッターは、円盤状のカッターである
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のポット精紡機。
  6. 導糸管をポット内に挿入した状態で前記ポットを回転させることにより、前記導糸管の一端部から排出する糸を前記ポットの内壁に巻き付けてケークを形成するポット精紡方法であって、
    前記ケークの形成途中または形成終了後に、前記ポットの内壁から離れて前記ポット内の空間に存在する弦糸をカッターで切断する
    ポット精紡方法。
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