本発明の一態様の加熱調理器は、複数の調理工程を含む自動調理を実行可能な加熱調理器であって、食材を加熱する加熱デバイスと、前記加熱デバイスの加熱動作設定情報をそれぞれ含む前記複数の調理工程の情報から構成される自動調理シーケンス情報を記憶する記憶部と、前記自動調理シーケンス情報の前記調理工程の情報それぞれに含まれる前記加熱動作設定情報に基づいて前記加熱デバイスを制御することにより、前記自動調理として前記複数の調理工程を順番に実行する制御部と、前記自動調理シーケンス情報に基づく自動調理の実行中において、現在実行中の調理工程の情報を示すとともに前記自動調理の進捗情報を示す表示部と、を有する。
このような態様によれば、自動調理を実行することができ、様々な調理品を効率よく且つ一定の品質で作製することを可能にする加熱調理器を提供することができる。
例えば、前記複数の調理工程それぞれが識別子を有し、前記表示部が、前記自動調理の進捗情報として、前記複数の調理工程全ての識別子を表示するとともに、終了した調理工程および現在実行中の調理工程の識別子を他の識別子と区別可能に表示してもよい。これにより、ユーザは自動調理の進捗を知ることができる。
例えば、前記識別子が、前記複数の調理工程の実行順を示す数字であってもよい。
例えば、前記自動調理シーケンス情報が、前記調理工程の終了後に次の調理工程を自動的に開始するか否かを示す次工程自動移行設定の情報を含み、前記制御部は、前記次工程自動移行設定がON設定である場合に、前記調理工程が終了すると前記次の調理工程を自動的に開始してもよい。これにより、複数の調理工程を自動的に実行することができる。
例えば、前記自動調理シーケンス情報が、調理工程間に前記表示部にコメントを表示するか否かを示す工程間コメント設定の情報を含み、前記工程間コメント設定においてコメントが設定されている場合、記表示部が当該調理工程間に前記コメントを表示してもよい。これにより、ユーザに対して必要な作業を指示することができる。
例えば、前記加熱調理器がブザーを有し、前記自動調理シーケンス情報が、調理工程が終了すると前記ブザーを鳴らすか否かを示す終了ブザー設定の情報を含み、前記終了ブザー設定がON設定である場合に、前記ブザーが当該調理工程の終了後に鳴ってもよい。これにより、調理工程の終了をユーザに知らせることができる。
例えば、前記ブザーが、最終の調理工程が終了する所定の時間前から鳴り始めてもよい。これにより、自動調理が完了間近であることをユーザに知らせることができる。
例えば、前記加熱デバイスの動作について、加熱温度の設定可能範囲が異なる少なくとも1つの加熱コースが予め決められ、前記加熱コースに基づいて前記加熱デバイスが動作するとき、前記表示部が、現在の設定加熱温度を表示するとともに当該加熱コースにおける加熱温度の設定可能範囲をバーグラフ表示してもよい。これにより、ユーザは、現在の加熱温度とともにその加熱温度の設定可能範囲を知ることができる。例えば、現在の加熱温度からその温度を上げるまたは下げる余地があるかをユーザは簡単に知ることができる。
例えば、前記加熱デバイスの動作について、火力の設定可能範囲が異なる少なくとも1つの加熱コースが予め決められ、前記加熱コースに基づいて前記加熱デバイスが動作するとき、前記表示部が、現在の設定火力を表示するとともに当該加熱コースにおける火力の設定可能範囲をバーグラフ表示してもよい。これにより、ユーザは、現在の火力とともにその火力の設定可能範囲を知ることができる。例えば、現在の火力からその火力を上げるまたは下げる余地があるかをユーザは簡単に知ることができる。
例えば、前記加熱調理器は、前記自動調理シーケンス情報をユーザが作成するための自動調理シーケンス作成部を有してもよい。これにより、ユーザオリジナルの調理のための自動調理が実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る加熱調理器を示している。また、図2は、加熱調理器の構成を示すブロック図である。なお、図1に示すX−Y−Z座標系は、本発明に係る実施の形態の理解を容易にするためのものであって、発明を限定するものではない。X軸方向は加熱調理器の左右方向を示し、Y軸方向は前後方向を示し、Z軸方向は上下方向を示している。
図1に示すように、本実施の形態に係る加熱調理器10は、レストランなどでの使用に適した(業務用に適した)いわゆる誘導加熱調理器であって、本体12と、本体12の上部に設けられて調理対象である食材を収容した調理容器が載置されるトッププレート14とを有する。また、本体12の前面には、インターフェース16が設けられている。
図2に示すように、加熱調理器10は、食材を加熱する加熱デバイスとして、誘導加熱コイル18を有する。誘導加熱コイル18は、トッププレート14の下方に位置するように本体12内に搭載されている。
図3は、加熱調理器のインターフェースを示す図である。
図3に示すように、誘導加熱コイル18をユーザ(例えば、レストランの調理人)が操作するために、インターフェース16には、複数の操作ボタン等が設けられている。本実施の形態の場合、インターフェース16には、電源ボタン20、メモリーボタン22、コースボタン24、温度/火力ボタン26、タイマーボタン28、切/スタートボタン30、およびセレクトダイヤル32が設けられている。さらに、誘導加熱コイル18の動作状態などの情報をユーザに知らせるために、インターフェース16にはディスプレイ(表示部)34とブザー36(図1には示されていない)とが設けられている。さらに、加熱調理器10は、食材の温度(すなわち調理容器の加熱温度)を検出する温度センサ38(図1には示されていない)を備える。温度センサ38は、例えば、トッププレート14の下方に配置され、そのトッププレート14を介して調理容器の温度を検出する赤外線センサである。
図2に示すように、これらの複数のボタン等に対するユーザの操作と温度センサ38の検出温度とに基づいて誘導加熱コイル18を制御する制御ユニット40が、加熱調理器10の本体12内に搭載されている。例えば、制御ユニット40は、CPUなどのプロセッサとメモリなどの記憶部42が実装された回路基板で構成されている。記憶部42に記憶されているプログラムにしたがってプロセッサが駆動することにより、制御ユニット40は、誘導加熱コイル18に対して様々な制御を実行する。
ここからは、加熱調理器10の動作、すなわち制御ユニット40による誘導加熱コイル18の制御内容について説明する。
まず、制御ユニット40は、誘導加熱コイル18に対する制御として、ユーザの操作に即座に応答して誘導加熱コイル18を制御するマニュアル制御モードと、予めユーザによって設定された動作シーケンスに基づいて誘導加熱コイル18を自動または半自動で制御するシーケンス制御モードとを実行するように構成されている。まず、マニュアル制御モードについて説明する。
図4は、マニュアル制御モードにおける一例のインターフェースを示す図である。
図4に示すように、本実施の形態の場合、インターフェース16のディスプレイ34には、加熱コース、加熱温度、および加熱温度の設定可能範囲が表示されている。加熱コースは調理内容に応じてユーザが選択するコースであって、加熱コース毎にユーザが設定できる加熱条件、すなわち誘導加熱コイル18の動作内容が予め決められている。
図4に示すように、加熱コースは、ディスプレイ34の左側に、ピクトグラフとして表示されている。現在の加熱温度(設定加熱温度)は、その数値(図4では200℃)がディスプレイ34の中央に表示されている。また、現在の加熱温度およびその設定可能範囲が、バーグラフの形態で表示されている。
図5は、複数の加熱コースの詳細を示す表である。
図5に示すように、本実施の形態の場合、複数の加熱コースとして、「焼く」、「低温」、「揚げる」、「皿加熱」、および「加熱」が予め決められている。
加熱コース「焼く」は焼き物に適した加熱コースであって、このコースでは温度センサ38によって検出される検出温度が設定加熱温度で維持されるように誘導加熱コイル18の火力(出力)が制御される。また、ユーザが設定可能な加熱温度の設定可能範囲が、70〜230℃に予め決められている。さらに、加熱コース「焼く」においては、加熱温度は、22段階で設定可能にされている。
図4に示すように、加熱コース「焼く」が選択されている場合、インターフェース16のディスプレイ34には、加熱コース「焼く」を示すピクトグラフが表示される。また、設定加熱温度(例えば200℃)とともに、加熱温度の設定可能範囲を示して22個の目盛りを備えるバーグラフが表示される。表示されているバーグラフの目盛数が現在の設定加熱温度に対応する。目盛数が最小の場合には設定加熱温度が設定可能範囲における最小温度(70℃)であることを示し、目盛数が最大の場合には設定加熱温度が設定可能範囲における最大温度(230℃)であることを示す。したがって、バーグラフの目盛数により、ユーザは、現在の設定加熱温度が設定可能範囲のどのあたりであるかを知ることができる。また、現在の加熱温度からその温度を上げるまたは下げる余地があるかを、ユーザは簡単に知ることができる。
加熱コースの選択は、ユーザがコースボタン24を押すことにより可能になる。コースボタン24を押した後にセレクトダイヤル32を回転させることにより、複数の加熱コースが順番に1つずつディスプレイ34に表示され、加熱コースを選択することができる。
加熱温度の設定は、ユーザが温度/火力ボタン26を押すことにより可能になる。
図6は、マニュアル制御モードにおいて加熱温度を設定している最中の一例のインターフェースを示している。
図4に示す状態からユーザが温度/火力ボタン26を押すと、図6に示すように、ディスプレイ34において、設定加熱温度およびバーグラフの色が反転する。例えば白黒反転することにより、設定加熱温度およびバーグラフの色が白色から黒色に変化する。このような色反転により、ユーザは、加熱温度が設定可能な状態であることを知ることができる。
図6に示すように加熱温度が設定可能な状態でユーザがセレクトダイヤル32を回転させると、ディスプレイ34に表示されている設定加熱温度が変化する。これにより、ユーザは所望する加熱温度に設定することができる。
図6に示すように、ユーザによって加熱コース「焼く」が設定されるとともに加熱温度が200℃に設定されている状態で切/スタートボタン30がユーザによって押されると、制御ユニット40は、温度センサ38の検出温度が200℃で維持される誘導加熱コイル18の火力(出力)制御を開始する。それと同時に、図4に示すように、設定加熱温度およびバーグラフの色が反転する(例えば黒色から白色に変化する)。切/スタートボタン30がユーザによって再び押されると、誘導加熱コイル18が停止して食材への加熱が停止する。
図5に戻り、加熱コース「低温」は煮物に適したコースであって、このコースでは、温度センサ38によって検出される検出温度が設定加熱温度で維持されるように誘導加熱コイル18の火力が制御される。また、ユーザが設定可能な加熱温度の設定可能範囲が、70〜120℃に予め決定されている。さらに、加熱コース「低温」においては、加熱温度は、11段階で設定可能にされている。
加熱コース「揚げる」は揚げ物に適したコースであって、このコースでは温度センサ38によって検出される検出温度が設定加熱温度で維持されるように誘導加熱コイル18の火力が制御される。また、ユーザが設定可能な加熱温度の設定可能範囲が140〜200℃に予め決定されている。さらに、加熱コース「揚げる」においては、加熱温度は、7段階で設定可能にされている。
加熱コース「皿加熱」は調理済みの食材が盛られる皿を短時間で温めるのに適したコースであって、このコースでは、温度センサ38によって検出される検出温度が設定加熱温度で維持されるように誘導加熱コイル18の火力が制御される。また、ユーザが設定可能な加熱温度の設定可能範囲が250〜280℃に予め決定されている。さらに、加熱コース「皿加熱」においては、加熱温度は、4段階で設定可能にされている。
加熱コース「加熱」は、これまでの加熱コースと異なり、誘導加熱コイル18の火力(出力)を設定火力で維持するコースである。加熱コース「加熱」においては、火力は10段階で設定可能にされている。例えば、図7は、ユーザが火力をレベル6に設定している最中の一例のインターフェース16を示している。なお、図7では、ユーザにより、タイマーボタン28が押され、セレクトダイヤル32によって10分の加熱時間が設定されている状態のインターフェース16が示されている。
ここまではマニュアル制御モードについて説明してきた。ここからは、予めユーザによって設定された動作シーケンスに基づいて誘導加熱コイル18を制御するシーケンス制御モードについて説明する。
図2に示すように、加熱調理器10の制御ユニット40は、シーケンス制御モードを実行するために、その記憶部42に、少なくとも1つの自動調理シーケンスデータF1〜F3を記憶している。
具体的には、制御ユニット40は、複数の自動調理シーケンスデータF1〜F3それぞれに基づいて、誘導加熱コイル18を制御するように、また場合によってはディスプレイ34およびブザー36の少なくとも1つを制御するように構成されている。
図8は、自動調理シーケンスデータの構成を示す図である。また、図9は、サーロインステーキを自動調理するための自動調理シーケンスデータの構成を示す図である。
図8および図9に示すように、自動調理シーケンスデータは、誘導加熱コイル18の加熱動作設定情報(加熱コース、温度/火力、加熱時間)をそれぞれ含む複数の調理工程の情報から構成される自動調理シーケンス情報を示す設定ファイルである。制御ユニット40は、自動調理シーケンスデータ内の情報を参照し、その参照した情報に基づいて誘導加熱コイル18、ディスプレイ34、およびブザー36を制御する。
図8に示すように、自動調理シーケンスデータは、メニュー名設定情報100と、N個(Nは2以上の整数)の調理工程情報102−1、102−2、・・・102−Nとを含んでいる。
図9に示すように、サーロインステーキ用の自動調理シーケンスデータの場合、メニュー名設定情報100として、メニュー名「サーロインステーキ」が設定されている。また、3つの調理工程情報102−1〜102−3が含まれている。なお、メニュー名設定情報100として設定されているメニュー名は、インターフェース16のディスプレイ34に表示される。
図8に示すように、調理工程情報102−1〜102−Nそれぞれは、誘導加熱コイル18の加熱動作設定情報として、加熱コース設定情報104、温度/火力設定情報106、および加熱時間設定情報108を含んでいる。
加熱コース設定情報104として、その調理工程において実行される、上述した「焼く」などの加熱コースが設定されている。また、温度/火力設定情報106として、加熱コース設定情報104として設定された加熱コースを実行するときの加熱温度または火力が設定されている。そして、加熱時間設定情報108として、加熱コース設定情報104として設定された加熱コースを実行する時間が設定されている。
例えば、図9に示すように、サーロインステーキ用の自動調理シーケンスデータにおける一番目(最初)の調理工程情報102−1には、加熱コース「焼く」(加熱コース設定情報104)を、「230℃」の加熱温度(温度/火力設定情報106)で、「1分間」(加熱時間設定情報108)実行する誘導加熱コイル18の加熱動作についての設定情報が含まれている。また、二番目の調理工程情報102−2には、加熱コース「焼く」を、「200℃」の加熱温度で、「3分30秒」実行する加熱動作についての情報が含まれている。そして、三番目(最終)の調理工程情報102−3には、加熱コース「焼く」を、「200℃」の加熱温度で、「3分30秒」実行する加熱動作についての設定情報が含まれている。
なお、本実施の形態の場合、調理工程情報102−1〜102−Nそれぞれは、設定された調理工程名である調理工程名設定情報110を含んでいる。調理工程名設定情報110として設定された調理工程名は、インターフェース16のディスプレイ34に表示される。例えば、図9に示すように、サーロインステーキ用の自動調理シーケンスデータにおいては、一番目の調理工程の調理工程名として「予熱」が、二番目の調理工程の調理工程名として「表面」、そして、三番目の調理工程の調理工程名として「裏面」が設定されている。
また、本実施の形態の場合、調理工程情報102−1〜102−(N−1)それぞれには、次工程自動移行設定情報112と、終了ブザー設定情報114とが含まれている。ただし、最終の調理工程である調理工程情報102−Nは、これらの情報を含んでいない。
次工程自動移行設定情報112は、調理工程の終了後に次の調理工程を自動的に開始するか否かを示す設定情報である。次工程自動移行設定が「ON」設定である場合、制御ユニット40は、次の調理工程を自動的に開始する。「OFF」設定である場合、次の調理工程は、自動的に開始されず、ユーザのインターフェース16のボタン等に対する所定の操作によって開始される。本実施の形態の場合、メモリーボタン22がユーザによって押されることにより、制御ユニット40は、次の調理工程を開始する。
終了ブザー設定情報114は、調理工程の終了後に、ブザー36を鳴らしてユーザに当該調理工程の終了を報知するか否かを示す設定情報である。終了ブザー設定が「ON」設定である場合、制御ユニット40は、ブザー36を鳴らしてユーザに当該調理工程の終了を報知する。「OFF」設定である場合、制御ユニット40は、調理工程の終了後にブザー36を鳴らさない。
さらに、本実施の形態の場合、自動調理シーケンスデータは、調理工程間にディスプレイ34にコメントを表示するか否かを示す工程間コメント設定情報116−1〜116−(N−1)を含んでいる。
工程間コメント設定情報116−1〜116−(N−1)は、調理工程間にディスプレイ34にコメントを表示するか否かを示す設定情報である。コメントが設定されている場合、制御ユニット40は、当該調理工程の終了後にそのコメントをディスプレイに表示する。
このような自動調理シーケンスデータに基づく自動調理、すなわち加熱調理器10のシーケンス制御モードを、一例に挙げて説明する。ここでは、図9に示すサーロインステーキ用の自動調理シーケンスデータに基づく自動調理について説明する。
図10Aは、サーロインステーキ用の自動調理シーケンスデータをユーザが選択している最中の一例のインターフェースを示している。
本実施の形態の場合、加熱調理器10は、メモリーボタン22がユーザによって押されると、記憶部42に記憶されている複数の自動調理シーケンスデータF1〜F3の中から所望の自動調理シーケンスデータをユーザが選択する自動調理シーケンス選択モードに移行する。図10Aに示すように、セレクトダイヤル32がユーザによって回転されると、制御ユニット40は、記憶部42に記憶されている複数の自動調理シーケンスデータF1〜F3をディスプレイ34に順に1つずつ表示する。このとき、自動調理シーケンスデータのメニュー名設定情報100として設定されているメニュー名(ここでは「サーロインステーキ」)がディスプレイ34に表示される。
図10Aに示すように、「サーロインステーキ」がディスプレイ34に表示されている状態でユーザが切/スタートボタン30を押すと、制御ユニット40は、図9に示すサーロインステーキ用の自動調理シーケンスデータに基づく自動調理を開始する。
まず、図9に示すように、最初の調理工程である一番目の調理工程情報102−1に基づく調理工程を、制御ユニット40は実行する。
図10Bは、最初の(一番目)の調理工程の開始時における一例のインターフェースを示している。
制御ユニット40は、図9に示す自動調理シーケンスデータにおける一番目の調理工程情報102−1に基づいて、一番目の調理工程として、加熱コース「焼く」が「230℃」の加熱温度で「1分間」実行されるように誘導加熱コイル18を制御する。サーロインステーキ用の自動調理シーケンスデータに基づく自動調理において、この一番目の調理工程は、フライパンなどの調理容器を予熱するための工程である。
一番目の調理工程の実行中、図10Bに示すように、制御ユニット40は、加熱コース名である「焼く」、加熱温度である「230℃」、加熱時間(残り時間)である「1分00秒」、メニュー名である「サーロインステーキ」を、ディスプレイ34に表示する。なお、図10Cに示すように、一番目の調理工程の実行中、加熱時間(残り時間)に代わって、調理工程名(ここでは「予熱」)が表示されてもよい。あるいは、加熱時間と調理工程名が同時にまたは交互に表示されてもよい。
また、図10Bに示すように、一番目の調理工程の実行中、インターフェース16のディスプレイ34には、その調理工程の加熱温度や加熱時間などの情報が表示されるとともに、自動調理シーケンスデータに基づく自動調理の進捗情報が表示される。
具体的には、本実施の形態の場合、図9に示すように、複数の調理工程102−1、102−2、102−3それぞれに識別子として数字「1」、「2」、「3」が設定されており、その識別子「1」、「2」、「3」全てがディスプレイ34に表示される。なお、この識別子「1」、「2」、「3」は、調理工程の実行順を示す数字である。これにより、自動調理の調理工程の全数を、ユーザは知ることができる。
また、本実施の形態の場合、ディスプレイ34は、終了した調理工程および現在実行中の調理工程の識別子を他の識別子と区別可能に表示する。例えば、図10Bに示すように、ディスプレイ34は、現在実行中の調理工程102−1の識別子「1」を、他の識別子「2」、「3」と異なる色表示する。例えば、前者を黒色で表示し、後者を白色で表示する。これにより、ユーザは、例えば、これまでに終了した調理工程の数を知ることができるとともに、残りの調理工程の数を知ることができる。すなわち、ユーザは、自動調理の進捗(例えば、自動調理の全期間に対する現在実行中の調理工程の時間的位置)を知ることができる。
一番目の調理工程(調理工程情報102−1に基づく調理工程)が終了すると、制御ユニット40は、図9に示す自動調理シーケンスデータにおける調理工程情報102−1の終了ブザー設定情報114(「ON」設定)に基づき、ブザー36を鳴らして一番目の調理工程が終了したことをユーザに報知する。それとともに、工程間コメント設定情報116−1に基づき、コメントを表示する。
図10Dは、最初(一番目)の調理工程が終了してコメントが表示されている状態の一例のインターフェースを示している。
図10Dに示すように、ディスプレイ34には、一番目の調理工程、すなわちフライパンなどの調理容器の「予熱」工程が終了したことを伝えるコメントと、次の調理工程のために、食材(すなわち生肉)を予熱された調理容器に投入することをユーザに促すコメントとが表示される。上述したように、一番目の調理工程の終了後にブザー36を鳴らすことにより、一番目の調理工程が終了してすぐに、ユーザにコメントを提示することができる。
なお、ユーザによって食材が予熱された調理容器に投入される必要があるために、図9に示すように、一番目の調理工程(調理工程102−1)における次工程自動移行設定が「OFF」に設定されている。また、図10Dに示すように、食材の投入が完了したことを確認するために、すなわち、一番目の調理工程に続く二番目の調理工程を開始するために、ユーザにメモリーボタン22を押すように促すコメントがディスプレイ34に表示される。ユーザによってメモリーボタン22が押されると、制御ユニット40は、図9に示す自動調理シーケンスデータにおける二番目の調理工程情報102−2に基づく二番目の調理工程を開始する。
図10Eは、二番目の調理工程の開始時における一例のインターフェースを示している。
図10Eに示すように、制御ユニット40は、図9に示す自動調理シーケンスデータにおける二番目の調理工程情報102−2に基づいて、二番目の調理工程として、加熱コース「焼く」が「200℃」の加熱温度で「3分30秒」実行されるように誘導加熱コイル18を制御する。サーロインステーキ用の自動調理シーケンスデータに基づく自動調理において、この二番目の調理工程は、調理容器上の生肉の表面(一方の面)を焼くための工程である。
二番目の調理工程の実行中、図10Eに示すように、制御ユニット40は、加熱コース名である「焼く」、加熱温度である「200℃」、加熱時間(残り時間)である「3分30秒」、メニュー名である「サーロインステーキ」を、ディスプレイ34に表示する。なお、図10Fに示すように、二番目の調理工程の実行中、加熱時間(残り時間)に代わって、調理工程名(ここでは「表面」)が示されてもよい。あるいは、加熱時間と調理工程名が同時にまたは交互に表示されてもよい。
図10Eに示すように、自動調理の進捗を示すために、既に終了した一番目の調理工程の識別子「1」と現在実行中の二番目の調理工程の識別子「2」とが黒色で表示されるとともに、まだ開始していない最終(三番目)の調理工程の識別子「3」が白色で表示される。これにより、ユーザは、例えば残りの調理工程が1つであること、すなわち、もうすぐ自動調理が完了してサーロインステーキが完成することを知ることができる。
二番目の調理工程(調理工程情報102−2に基づく調理工程)が終了すると、制御ユニット40は、図9に示す自動調理シーケンスデータにおける調理工程情報102−2の終了ブザー設定情報114(「ON」設定)に基づき、ブザー36を鳴らして二番目の調理工程が終了したことをユーザに報知する。それとともに、工程間コメント設定情報116−2に基づき、コメントを表示する。
図10Gは、二番目の調理工程が終了してコメントが表示されている状態の一例のインターフェースを示している。
図10Gに示すように、ディスプレイ34には、二番目の調理工程、すなわち食材(生肉)の「表面」に対する加熱工程が終了したことを伝えるコメントと、次の調理工程のために、食材を裏返すことをユーザに促すコメントとが表示される。上述したように、二番目の調理工程の終了後にブザー36を鳴らすことにより、二番目の調理工程が終了してすぐに、ユーザにコメントを提示することができる。
なお、ユーザによって食材が裏返しにされる必要があるために、図9に示すように、二番目の調理工程(調理工程情報102−2)における次工程自動移行設定が「OFF」に設定されている。また、図10Gに示すように、食材の投入が完了したことを確認するために、すなわち、二番目の調理工程に続く最終(三番目)の調理工程を開始するために、ユーザにメモリーボタン22を押すように促すコメントがディスプレイ34に表示される。ユーザによってメモリーボタン22が押されると、制御ユニット40は、図9に示す自動調理シーケンスデータにおける最終(三番目)の調理工程情報102−3に基づく最終(三番目)の調理工程を開始する。
図10Hは、最終(三番目)の調理工程の開始時における一例のインターフェースを示している。
図10Hに示すように、制御ユニット40は、図9に示す自動調理シーケンスデータにおける最終(三番目)の調理工程情報102−3に基づいて、最終(三番目)の調理工程として、加熱コース「焼く」が「140℃」の加熱温度で「3分30秒」実行されるように誘導加熱コイル18を制御する。サーロインステーキ用の自動調理シーケンスデータに基づく自動調理において、この最終(三番目)の調理工程は、調理容器上の表面が焼けた生肉の裏面(他方の面)を焼くための工程である。
最終(三番目)の調理工程の実行中、図10Hに示すように、制御ユニット40は、加熱コース名である「焼く」、加熱温度である「140℃」、加熱時間(残り時間)である「3分30秒」、メニュー名である「サーロインステーキ」を、ディスプレイ34に表示する。なお、図10Iに示すように、最終(三番目)の調理工程の実行中、加熱時間(残り時間)に代わって、調理工程名(ここでは「裏面」)が示されてもよい。あるいは、加熱時間と調理工程名が同時にまたは交互に表示されてもよい。
図10Hに示すように、自動調理の進捗を示すために、既に終了した一番目および二番目の調理工程の識別子「1」および「2」と現在実行中の三番目の調理工程の識別子「3」とが黒色で表示される。これにより、ユーザは、現在実行中の調理工程が最終工程であること、すなわち、自動調理が完了直前であってサーロインステーキが完成する直前であることを知ることができる。
図10Jは、自動調理が完了する直前の一例のインターフェースを示している。
図10Jは、最終(三番目)の調理工程が終了する所定の時間前(例えば5秒前)、すなわち自動調理が完了する直前のインターフェースを示している。本実施の形態の場合、最終の調理工程が終了する所定の時間前になると、ユーザに対して自動調理の完了が間近であることを知らせるために、制御ユニット40は、ブザー36を鳴らし始める。これにより、ユーザは、例えば、自動調理が完了してすぐの食材を、レストランの客に提供することができる。
最終(三番目)の調理工程が終了すると、すなわち自動調理が完了すると、制御ユニット40は、ユーザに対して自動調理が完了したことをユーザに対して通知する。
図10Kは、自動調理が完了したときの一例のインターフェースを示している。
図10Kに示すように、制御ユニット40は、自動調理が完了すると、その旨を通知するコメントを表示するとともに、加熱調理器10から調理済みの食材(ここでは「サーロインステーキ」)を取り出してメモリーボタン22を押すように促すコメントを表示する。ユーザがメモリーボタン22を押すことにより、制御ユニット40は、サーロインステーキ用の自動調理シーケンスデータに基づく制御を終了し、図10Aに示す自動調理シーケンスデータを選択するための自動調理シーケンス選択モードに戻る。
なお、自動調理シーケンスデータに基づく自動調理が完了して自動調理シーケンス選択モードに戻ったとき、同一の自動調理を続けて実行できるように、同一の自動調理シーケンスデータ(メニュー名)がディスプレイ34に表示されてもよい。これにより、ユーザは切/スタートボタン30を押すだけで同一の自動料理を簡単に開始することができる。また、電源ボタン20が押されて加熱調理器10がONしたとき、加熱調理器10をOFFする直前に実行した自動調理が切/スタートボタン30を押すだけで開始できるように、加熱調理器10が構成されてもよい。
また、本実施の形態の場合、図2に示すように、加熱調理器10は、自動調理シーケンス情報(データ)をユーザが作成するための自動調理シーケンス作成装置50を有する。
本実施の形態の場合、自動調理シーケンス作成装置50は、加熱調理器10の本体12の外部にあって、入力デバイスと出力デバイスとを備える装置である。例えば、自動調理シーケンス作成装置50は、入力デバイスと出力デバイスの両方を兼ねるタッチスクリーンディスプレイを備える汎用の携帯端末である。その携帯端末は、加熱調理器10の製造メーカーのサーバーからダウンロードした自動調理シーケンスデータを作成するためのプログラムをインストールすることにより、自動調理シーケンス作成装置50として動作する。
例えば、自動調理シーケンス作成装置50は、そのディスプレイに図8に示す自動調理シーケンスデータをユーザが設定するための設定画面を表示する。自動調理シーケンス作成装置50は、その入力デバイスを介して、自動調理シーケンスデータにおいて、メニュー名設定情報100、調理工程名設定情報110、および工程間コメント設定情報116−1〜116−(N−1)を、ユーザにテキスト入力させる。また、加熱コース設定情報104として、所望する加熱コースを複数の加熱コース(図5参照)からユーザに選択入力させる。さらに、温度/火力設定情報106として、選択した加熱コースに対して予め決められている加熱温度または火力の設定可能範囲から所望する加熱温度または火力レベルをユーザに選択入力させる。さらにまた、加熱時間設定情報108として、加熱時間をユーザに入力させる。そして、次工程自動移行設定情報112および終了ブザー設定情報114として、ユーザにONまたはOFFを選択入力させる。
ユーザの入力内容に基づいて、自動調理シーケンス作成装置50は自動調理シーケンスデータを作成する。本実施の形態の場合、加熱調理器10の本体12の外部にある自動調理シーケンス作成装置50によって作成された自動調理シーケンスデータは、記録媒体を介して、加熱調理器10に提供される。そのために、図1に示すように、加熱調理器10の本体12には、記録媒体内のデータを読み取る読み取り部52が設けられる。読み取り部52によって読み取られた自動調理シーケンスデータは、制御ユニット40の記憶部42に記憶される。なお、自動調理シーケンス作成装置50と加熱調理器10の本体12との間の自動調理シーケンスデータのやりとりは、記憶媒体を介さずに、有線または無線で行ってもよい。
このような自動調理シーケンス作成装置50により、ユーザオリジナルの調理品を自動調理することが可能になる。なお、自動調理シーケンス作成装置50は、加熱調理器10の本体12に組み込まれてもよい。この場合、インターフェース16の複数のボタン20〜28およびセレクトダイヤル32が自動調理シーケンス作成装置50の入力デバイスとして機能し、ディスプレイ34が自動調理シーケンス作成装置50の出力デバイスとして機能する。
次に、加熱調理器10の動作フローについて、図11を参照しながら説明する。
図11は、シーケンス制御モードにおける加熱調理器10の一例の動作フローを示すフローチャートである。
図11に示す加熱調理器10(その制御ユニット40)の動作フローは、図10Aに示すように自動調理シーケンスデータが選択され、次に切/スタートボタン30が押されてスタートする。また、この動作フローは、N個の調理工程を実行するための動作フローである。
まず、ステップ100において、変数iに1を代入する。
次に、ステップS110において、自動調理シーケンスデータにおける調理工程No.iの情報(調理工程情報102−i)に基づいて、制御ユニット40は調理工程No.iを開始する。
ステップS120において、変数i=Nであるか否か、すなわちステップS110で開始した調理工程が最終の調理工程No.Nであるか否かが判定される。iがNである場合、ステップS130に進む。そうでない場合、ステップ170に進む。
ステップS120で変数i=Nであると判定された場合(ステップS110で開始した調理工程が最終の調理工程No.Nである場合)、ステップS110で開始した調理工程No.iの残り時間が5秒であるか否かが判定される。残り時間が5秒である場合に次のステップS140に進む。
ステップS140において、制御ユニット40は、自動調理が完了直前であることを、ブザー36を鳴らし始めることによってユーザに報知する。
続くステップS150において、調理工程No.Nの残り時間がゼロであるか否か、すなわち調理工程No.Nが終了したか否かが判定される。調理工程No.Nが終了した場合に次のステップS160に進む。
ステップS160において、制御ユニット40は、図10Kに示すように、自動調理の完了コメントをディスプレイ34に表示する。そして、自動調理を完了する。
一方、ステップS120でi=Nではないと判定された場合、ステップS170において、調理工程No.iの残り時間がゼロであるか否か、すなわち調理工程No.iが終了したか否かが判定される。調理工程No.iが終了した場合に次のステップS180に進む。
ステップS180において、自動調理シーケンスデータを参照することにより、終了ブザー設定がONであるか否かが判定される。ON設定である場合、ステップS190に進む。そうでない場合、ステップS190をスキップしてステップS200に進む。
ステップS190において、制御ユニット40は、調理工程No.iが終了したことを、ブザー36を鳴らすことによってユーザに報知する。
ステップS200において、自動調理シーケンスデータを参照することにより、工程間コメントが設定されているか否かが判定される。コメントが設定されている場合、ステップS210に進む。そうでない場合、ステップS210をスキップしてステップS220に進む。
ステップS210において、制御ユニット40は、自動調理シーケンスデータの工程間コメント情報116−iに基づいて、コメントをディスプレイ34に表示する。
ステップS220において、自動調理シーケンスデータを参照することにより、次工程自動移行設定がONであるか否かが判定される。ON設定である場合、ステップS230に進む。そうでない場合、ステップS240に進む。
ステップS230において、変数iを1だけインクリメントする。そして、ステップS110に戻る。
ステップS220で次工程自動移行設定がONでないと判定された場合、ステップS240において、制御ユニット40は、図10Dや図10Gに示すように、ユーザに対してメモリーボタン22の操作を促すコメントを表示する。
続くステップS250において、メモリーボタン22が操作されたか否かが判定される。メモリーボタン22が操作された場合に次のステップS230に進む。
以上のような本実施の形態によれば、自動調理を実行することができ、様々な調理品を効率よく且つ一定の品質で作製することを可能にする加熱調理器を提供することができる。
具体的には、自動調理シーケンス情報(データ)に基づく自動調理により、ユーザ(例えば調理人)が誰であっても、例えば経験の浅いユーザであっても、一定の品質の調理品を作成することができる。
また、自動調理の進捗情報がディスプレイ34を介してユーザに提供されることにより、ユーザは効率よく様々な作業を実行することができる。例えば、自動調理の進捗情報に基づいて、その自動調理によって作製された調理品を盛る食器を準備するタイミングやその調理品を客に提供できるタイミングを適切に知ることできる。また例えば、繁忙中に複数の食材を複数の加熱調理器を用いて並行に調理している場合、それぞれの調理がどの工程まで進んでいるかを簡単に把握することができるため、混乱することなく複数の調理を効率よく進めることができる。その結果、様々な調理品を効率よく且つ一定の品質で作製することができる。
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
例えば、上述の実施の形態の場合、サーロインステーキを自動的に調理する例が挙げられている。しかしながら、本発明の実施の形態による調理は、サーロインステーキの調理に限らない。本発明の実施の形態が対象とする調理は、異なる複数の加熱工程が必要な調理であればよい。
また、サーロインステーキの場合、食材を裏返す作業があるため、加熱調理器10が実行する自動調理は完全自動ではなく、厳密には半自動である。しかしながら、調理内容によっては、食材に対する全ての調理工程を、ユーザを介することなく完了させることも可能である。すなわち、本発明の実施の形態における自動調理は、ユーザを介することなく複数の調理工程全てが完了する「完全」自動調理と、ユーザの作業が介入して複数の調理工程全てが完了する「半」自動調理とを含んでいる。
また、上述の実施の形態の場合、図9示すように、サーロインステーキの自動調理における3つの調理工程は、食材や調理容器を加熱する工程、すなわち誘導加熱コイル18が動作する工程である。しかしながら、本発明の実施の形態における調理工程は、これに限らない。例えば、調理工程は、誘導加熱コイル18を所定の時間停止させることにより、先の調理工程(加熱工程)によって加熱された食材について粗熱を取るまたは余熱で火を通す工程であってもよい。
さらに、上述の実施の形態の場合、例えば図10Bに示すように、自動調理の進捗を複数の調理工程の識別子を用いてユーザに提示し、またその識別子が調理工程の実行順を示す数字であるが、本発明の実施の形態はこれに限らない。例えば、複数の調理工程を識別するための識別子は、アルファベットであってもよい。または、ユーザによって調理工程名情報110として設定された調理工程名を調理工程の識別子としてもよい。
自動調理の進捗について、上述の実施の形態の場合、複数の調理工程の識別子(図10Bに示すように識別子「1」、「2」、「3」)を全て表示するとともに、終了した調理工程および現在実行中の調理工程の識別子を他の識別子と区別可能に表示している。しかしながら、本発明の実施の形態はこれに限らない。例えば、調理工程の合計数(数字)と現在実行中の調理工程の順番(数字)とを同時に表示することにより、自動調理の進捗をユーザに提示してもよい。
さらにまた、上述の実施形態の場合、加熱調理器は、食材を加熱する加熱デバイスが誘導加熱コイルである加熱調理器であるが、本発明の実施の形態はこれに限らない。例えば、加熱デバイスとしてガスバーナーを備えるガス調理器であってもよい。
すなわち、本発明は、広義には、複数の調理工程を含む自動調理を実行可能な加熱調理器であって、食材を加熱する加熱デバイスと、前記加熱デバイスの加熱動作設定情報をそれぞれ含む前記複数の調理工程の情報から構成される自動調理シーケンス情報を記憶する記憶部と、前記自動調理シーケンス情報の前記調理工程の情報それぞれに含まれる前記加熱動作設定情報に基づいて前記加熱デバイスを制御することにより、前記自動調理として前記複数の調理工程を順番に実行する制御部と、前記自動調理シーケンス情報に基づく自動調理の実行中において、現在実行中の調理工程の情報を示すとともに前記自動調理の進捗情報を示す表示部と、を有する加熱調理器である。