本発明における第1の発明は、トッププレートと、加熱部と、操作部と、制御部と、を備える誘導加熱調理器である。トッププレートには調理容器が載置される。加熱部は調理容器を誘導加熱する。操作部は調理コースの選択を受け付ける。調理コースは複数の調理工程を含む。複数の調理工程の各々は、調理容器の加熱条件に対応付けられる。制御部は、加熱条件に基づいて加熱部を制御する。さらに操作部は、調理コースが選択された場合に、複数の調理工程のうち任意の調理工程の選択を受け付けるように構成されている。さらに制御部は、選択された調理工程に対応付けられた加熱条件に基づいて加熱部を制御する。
これにより、使用者は、予め設定された複数の調理工程のなかから任意の調理工程を実行させることができる。したがって調理の自由度が向上する。また誘導加熱調理器の使い勝手が向上する。
本発明における第2の発明は、特に、第1の発明に関する。第2の発明の誘導加熱調理器は、調理コースが選択された場合において、複数の調理工程のうち実行中の第1の調理工程を停止するための入力を受け付ける第1の停止操作部を備える。第1の停止操作部が操作された場合に、制御部は第1の調理工程を停止させる。
これにより、使用者は、実行中の調理工程を一時的に停止させることができる。したがって調理の自由度がさらに向上する。また誘導加熱調理器の使い勝手が向上する。
本発明における第3の発明は、特に、第2の発明に関する。第3の発明の誘導加熱調理器は、第1の調理工程の実行中に、第1の停止操作部が操作された場合において、調理コースが停止された第1の調理工程の次の第2の調理工程を含む場合は、制御部は、第2の調理工程に対応付けられた加熱条件に基づいて加熱部を制御する。調理コースが第2の調理工程を含まない場合は、制御部は、第1の調理工程に対応付けられた加熱条件に基づいて加熱部を制御する。
これにより、使用者は第1の停止操作部を操作することで、実行中の調理工程を停止させることができる。また停止された調理工程の次の調理工程がある場合は、次の調理工程を選択させることができる。そのため、調理コースを利用した調理の使い勝手が向上する。また誘導加熱調理器の使い勝手が向上する。
本発明における第4の発明は、特に、第2又は第3の発明に関する。第4の発明の誘導加熱調理器は、加熱条件を表示するように構成された表示部を備える。操作部で調理コースの選択を受け付けた場合と、調理コースの実行中に第1の停止操作部が操作された場合とにおいて、制御部は、表示部に調理コースに含まれる複数の調理工程を表示させる。
これにより、使用者は、実行中の調理コースにおける調理内容又は調理工程の進捗状況を表示部で確認することができる。そのため、誘導加熱調理器の使い勝手が向上する。
本発明における第5の発明は、特に、第1〜第3の発明に関する。第5の発明の誘導加熱調理器は、調理コースの実行中に、調理コースを終了するための入力を受け付ける第2の停止操作部を備える。第2の停止操作部が操作された場合に、制御部は調理コースを終了させる。
これにより、使用者は、第2の停止操作部を操作することで、調理コースの進行具合に関わらず、実行中の調理コースを終了させることができる。そのため、誘導加熱調理器の使い勝手が向上する。
本発明における第6の発明は、特に、第5の発明に関する。第6の発明の誘導加熱調理器は、加熱条件を表示するように構成された表示部を備える。第6の発明の誘導加熱調理器において、調理コースの実行中に第2の停止操作部が操作された場合に、制御部は、表示部にトッププレートに載置された調理容器の加熱状態を表示させる。また制御部は、操作部に加熱条件の入力を受け付けさせる。
これにより、使用者が第2の停止操作部を操作して実行中の調理コースを終了させた時、使用者は調理容器の加熱状態を表示部で確認することができる。また使用者は、操作部で調理容器の加熱条件を設定することができる。そのため、調理の自由度が向上する。また誘導加熱調理器の使い勝手が向上する。
本発明の第7の発明は、特に第4の発明に関する。第7の発明の誘導加熱調理器は、調理コースの実行中に、調理コースを終了するための入力を受け付ける第2の停止操作部を備える。第7の発明の誘導加熱調理器では、第2の停止操作部が操作された場合に、制御部は調理コースを終了させる。
これにより、使用者は、第2の停止操作部を操作することで、調理コースの進行具合に関わらず、実行中の調理コースを終了させることができる。そのため、誘導加熱調理器の使い勝手が向上する。
本発明の第8の発明は、特に第7の発明に関する。第8の発明の誘導加熱調理器では、調理コースの実行中に第2の停止操作部が操作された場合に、制御部は、表示部にトッププレートに載置された調理容器の加熱状態を表示させる。また制御部は、操作部に加熱条件の入力を受け付けさせる。
これにより、使用者が第2の停止操作部を操作して実行中の調理コースを終了させた時、使用者は調理容器の加熱状態を表示部で確認することができる。また使用者は、操作部で調理容器の加熱条件を設定することができる。そのため、調理の自由度が向上する。また誘導加熱調理器の使い勝手が向上する。
以下、図面を参照しながら本発明の誘導加熱調理器の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分に同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
本発明の誘導加熱調理器の実施の形態1について、以下、図1〜図11を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器を示すブロック図である。図3は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の操作表示部において、調理容器を加熱する位置が選択されていない状態の加熱状態表示の一例を示す図である。図4は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の操作表示部において、調理容器を加熱する位置が選択された状態の加熱状態表示の一例を示す図である。図5は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の操作表示部に調理コース選択表示が表示された状態の一例を示す図である。図6は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の操作表示部に調理工程表示が表示された状態の一例を示す図である。図7は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の操作表示部において、任意の調理工程が実行された状態の加熱状態表示の一例を示す図である。図8は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の操作表示部において、第2の停止操作部が操作された状態の加熱状態表示の一例を示す図である。
1.構成
図1及び図2に示すように、誘導加熱調理器100は、本体1と、加熱部2とを有する。本体は、上方に開口を有する筐体1aと、筐体1aの開口を覆うトッププレート1bとを有する。加熱部2は本体1の内部に配置されている。加熱部2は調理容器Hを誘導加熱する。調理容器Hは、トッププレート1bの上面に載置された鍋又はフライパンなどである。
トッププレート1bの材料は、耐熱性の高いガラス材料である。また、トッププレート1bの上面の前方中央部には、後述する操作表示部5に対向して配置された透明な操作表示窓部1cが形成されている。
加熱部2は、複数の加熱コイルユニット3とインバータ基板4とを有する。複数の加熱コイルユニット3のそれぞれは、トッププレート1bの上面に載置された調理容器Hを誘導加熱する。インバータ基板4は、複数の加熱コイルユニット3のそれぞれに高周波電流を供給する。
それぞれの加熱コイルユニット3は、複数の加熱コイル3aと略長方形状のシールド板3bとを有する。複数の加熱コイル3aは、トッププレート1bの上面に載置された調理容器Hを誘導加熱する。シールド板3b上には、複数の加熱コイル3aが配置される。
それぞれの加熱コイル3aの形状は、平面視において短径と長径とを有する楕円形である。シールド板3bの形状は、対向する一対の辺が長辺であり、他の対向する一対の辺が短辺となる略長方形状である。複数の加熱コイル3aは、シールド板3bの上面において、互いに近接するように、本体1の前後方向に一列に配列される。また複数の加熱コイル3aのそれぞれは、本体1の左右方向に平行な方向の長さである長径を有するように配列されている。
ここで、本実施の形態において、楕円形は、数学的な2つの焦点を有する楕円形に限られない。楕円形の形状は、少なくとも短径と長径とを有する形状であればよく、外形に直線部分が含まれる形状でもよい。なお、楕円形の角は曲線部分からなることが好ましい。
また、本実施の形態において、前後方向とは、図1に示す矢印Xの方向である。また、本実施の形態において、左右方向とは、図1に示す矢印Yの方向である。
インバータ基板4は商用電源に接続されている。またインバータ基板4は、交流電流を直流電流に整流する整流回路、及び直流電源回路に接続されている。インバータ基板4は、複数の加熱コイル3aに高周波電流を供給するインバータ回路を搭載する。
図2に示すように、本体1の内部には、操作表示部5が配置されている。操作表示部5は、図3に示す操作部6と表示部31とを含む。操作部6は、トッププレート1bの上面に配置された調理容器Hを加熱する加熱条件などの入力を受け付ける。表示部31は、制御部36の制御を受けて種々の画面を表示する。例えば表示部31は、操作部6で設定された加熱条件を表示する。また表示部31は、図5に示す調理メニューの選択画面、及び図6に示す調理工程の選択画面を表示する。なお、本実施の形態において、操作部6は操作表示部5の一部であり、表示部31も操作表示部5の一部である。操作部6の少なくとも一部と表示部31の少なくとも一部とは、操作表示部5の表示画面上において、互いに重複する領域に配置されてもよい。
また、図2に示すように、本体1の内部には、操作部6で設定された加熱条件に基づき加熱部2を制御する制御部36が配置されている。
操作表示部5は、液晶の表示装置と、液晶の表示装置の上面に配置されたタッチパネルとで構成されている。また、操作表示部5は、トッププレート1bに形成された図1の操作表示窓部1cに対向するように、本体1の前側の中央部に配置されている。そして、操作表示部5は、操作部6と表示部31とが液晶の表示装置の画面に表示されることで、使用者がトッププレート1bの上面に載置された調理容器Hを加熱する加熱条件を設定することができるように構成され、またトッププレート1bの上面に載置された調理容器Hの加熱状態を視認できるように構成されている。
2.表示態様
以下、本実施の形態における操作表示部5の表示態様について説明する。
2−1.加熱位置が選択されていない状態における加熱状態表示
使用者によって、誘導加熱調理器100の電源がオン(ON)されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、図3に示すような加熱状態表示を表示させる。加熱状態表示とは、トッププレート1bの上面に載置された調理容器Hの加熱状態が確認できる表示である。さらに加熱状態表示とは、トッププレート1bの上面に載置された調理容器Hの加熱条件の入力を受け付けるように構成された表示である。操作表示部5が加熱状態表示を表示する場合、制御部36は、操作表示部5を制御して、操作表示部5の予め設定された位置に、操作部6及び表示部31を表示する。
さらに図3に示す加熱状態表示は、使用者によって調理容器Hを加熱する位置(以下加熱位置という)が選択されていない状態における加熱状態表示である。図3の加熱状態表示において、操作表示部5には、操作部6として、加熱位置選択キー7と、掃除モード選択キー8と、ヘルプキー9と、タイマーキー10と、設定キー11と、ロックキー12とが表示される。加熱位置選択キー7は、加熱位置の選択を受け付ける。掃除モード選択キー8は、ユーザがトッププレート1bの上面を掃除する際に操作される。ヘルプキー9は、誘導加熱調理器100の操作方法などの情報を表示する際に操作される。タイマーキー10は、タイマーの時間の設定に関する入力を受け付ける。設定キー11は、操作表示部5に表示される言語などの設定に関する入力を受け付ける。ロックキー12は、操作部6が種々の操作を受け付けないようにするために操作される。
加熱位置が選択されていない場合の加熱状態表示では、複数の加熱位置選択キー7は、表示部31内に表示される。また、加熱位置が選択されていない場合の加熱状態表示では、表示される操作部6のうちの、掃除モード選択キー8、ヘルプキー9、タイマーキー10、設定キー11、及びロックキー12は、各々が他のひとつと近接するように配置される。また掃除モード選択キー8、ヘルプキー9、タイマーキー10、設定キー11、及びロックキー12は、図3の紙面上における操作表示部5の下部において、操作表示部5の左右方向に一列に並ぶように表示される。
また、図3に示すように、加熱位置が選択されていない状態における加熱状態表示では、図3の紙面上における操作表示部5の中央及び上部に、表示部31が表示される。加熱状態表示において、表示部31には、トッププレート1bの上面を模した表示が表示されている。以下、トッププレート1bの上面を模した表示を、トッププレート表示という。またトッププレート表示には、実際の加熱コイルユニット3の位置に対応する位置が、調理容器Hを加熱可能な位置として表示されている。以下、トッププレート表示上における、加熱コイルユニット3の位置に対応する位置を示す表示を、加熱位置表示という。
加熱位置選択キー7は、表示部31に表示されたトッププレート表示において、加熱位置表示に対応する位置に表示されている。使用者は、加熱位置選択キー7を操作することで、加熱位置を選択できる。
掃除モード選択キー8は、図3の紙面上において、操作表示部5の下部に表示された操作部6の左端に配置されている。使用者によって掃除モード選択キー8が操作されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、予め設定された所定時間の間、他の操作部6の操作を受け付けないように操作表示部5を制御する。
ヘルプキー9は、掃除モード選択キー8の図3の紙面上における右側に配置されている。使用者によってヘルプキー9が操作されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、表示部31の表示をトッププレート表示(トッププレート1bの上面を模した表示)から誘導加熱調理器100の操作方法などに関する情報の表示へと切り替える。つまりヘルプキー9の操作により、表示部31には、誘導加熱調理器100の操作方法などに関する情報が表示される。
タイマーキー10は、ヘルプキー9の図3の紙面上における右側に配置されている。使用者によってタイマーキー10が操作されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、操作部6として、使用者がタイマーの時間を設定できるキーを表示させる。
設定キー11は、タイマーキー10の図3の紙面上における右側に配置されている。使用者によって設定キー11が操作されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、表示部31の表示をトッププレート表示から誘導加熱調理器100の機器設定情報の表示へと切り替える。機器設定情報には、言語などの設定に関する情報を含む。なお、制御部36は、操作表示部5が、表示部31に表示された機器設定情報のうち、言語などの所定の機器設定情報のみの変更を受け付けるように制御する。
ロックキー12は、図3の紙面上において、操作表示部5の下部に表示された操作部6の右端に配置されている。使用者によってロックキー12が操作されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、他の操作部6の操作を受け付けないように操作表示部5を制御する。
2−2.加熱位置が選択された場合における加熱状態表示
図4は、使用者によって加熱位置選択キー7が操作され、加熱位置が選択された場合における加熱状態表示を示す。加熱位置が選択されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、図3の加熱状態表示(加熱位置が選択されていない状態における加熱状態表示)から図4の加熱状態表示(加熱位置が選択された状態における加熱状態表示)に操作表示部5の表示を切り替える。
図4に示す加熱状態表示において、操作表示部5には、操作部6として、加熱位置選択キー7と、火力設定キー13と、温度設定キー14と、調理コース表示キー15と、湯沸しキー16とが表示される。火力設定キー13は、調理容器Hを加熱する火力の設定を受け付ける。温度設定キー14は、調理容器Hを加熱する温度の設定を受け付ける。調理コース表示キーは、使用者が、複数の調理コースのなかから任意の調理コースを選択する際に操作される。つまり調理コース表示キーは、調理コースの選択を受け付ける。複数の調理コースは、予め誘導加熱調理器100に記憶されている。また複数の調理コースのそれぞれは、予め設定された複数の調理工程を含む。湯沸しキー16は、調理容器Hに収容された水を沸騰させる際に操作される。
図4に示す加熱状態表示において、火力設定キー13、温度設定キー14、調理コース表示キー15、及び湯沸しキー16は、各々が他のひとつと近接するように配置される。また火力設定キー13、温度設定キー14、調理コース表示キー15、及び湯沸しキー16は、操作表示部5の図4の紙面上における下部において、操作表示部5の左右方向に一列に並ぶように表示される。また、加熱位置選択キー7は、トッププレート表示上における加熱位置表示に対応するように表示される。
また、図4に示す加熱状態表示において、表示部31には、使用者が加熱位置選択キー7で選択した加熱位置を表示する加熱選択位置表示32が表示される。加熱選択位置表示32は、表示部31に表示されているトッププレート1bを模した表示にあわせて、使用者によって選択された加熱位置を四角形状の枠で囲む表示である。このような表示形態により、図4に示す加熱状態表示は、使用者によって選択された加熱位置を表示している。
なお、本実施の形態の誘導加熱調理器100において、図1の複数の加熱コイル3aの間には、調理容器Hの温度を検知する温度センサがそれぞれ配置されている。そして図4に示す加熱選択位置表示32の内部には、センサ種類表示32aが表示されている。センサ種類表示32aは、選択された加熱位置に配置されている温度センサの種類を表示する。センサ種類表示32aは、例えば、検知できる温度帯域を示す。配置されている温度センサが、広い温度帯域を検知できる場合には、センサ種類表示32aは、加熱選択位置表示32の内部において、「sensor+」と表示する。一方で、配置されている温度センサが、狭い温度帯域を検知する場合には、センサ種類表示32aは、加熱選択位置表示32の内部において、「sensor」と表示する。つまりセンサ種類表示32aは、温度センサの種類の違いを、文字によって表示している。このようなセンサ種類表示32aの表示により、使用者は、選択した加熱位置に配置されている温度センサの種類を容易に認識できる。したがって誘導加熱調理器100の使い勝手が向上する。
火力設定キー13は、図4の紙面上において、操作表示部5の下部に表示された操作部6の左端に配置されている。使用者によって火力設定キー13が操作され、調理容器Hを加熱する火力が設定されると、制御部36は、火力設定キー13で設定された火力に基づき、インバータ基板4から加熱コイル3aに供給される電力を制御し、調理容器Hを加熱する火力を制御する。
温度設定キー14は、火力設定キー13の図4の紙面上における右側に配置されている。使用者によって温度設定キー14が操作され、調理容器Hを加熱する温度が設定されると、制御部36は、温度設定キー14で設定された温度、及び、調理容器Hの下方にある温度センサで検知された温度に基づき、インバータ基板4から加熱コイル3aに供給される電力を制御し、調理容器Hを加熱する温度を制御する。
調理コース表示キー15は、温度設定キー14の図4の紙面上における右側に配置されている。使用者によって調理コース表示キー15が操作されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、図4の加熱状態表示から図5に示す調理コース選択表示に、操作表示部5の表示を切り替える。
湯沸しキー16は、図4の紙面上における操作表示部5の下部に表示された操作部6の右端に配置されている。使用者によって湯沸しキー16が操作されると、制御部36は、調理容器Hの下方にある温度センサで検知された温度に基づき、インバータ基板4から加熱コイル3aに供給される電力を制御して、調理容器Hに収容された水を沸騰させる。また制御部36は、温度センサで検知された温度に基づいて加熱コイル3aに供給される電力を制御し、調理容器内の沸騰した水を一定の温度に保つ。
2−3.調理コース選択表示
図5は調理コース選択表示を示す。図4の加熱状態表示において、調理コース表示キー15が操作されると、操作表示部5には、図5に示す調理コース選択表示が表示される。調理コース選択表示は、使用者によって選択された加熱位置で調理可能な複数の調理コースを表示する。調理コース選択表示は、使用者が複数の調理コースのなかから所望の調理コースを選択する時に操作される。つまり調理コース選択表示は、調理コースの選択を受け付ける。
調理コース選択表示において、操作表示部5には、操作部6として、調理コース選択キー17と、第1の順送りキー18と、第1の逆送りキー19と、頭文字選択キー20と、選択表示終了キー21と、が表示される。調理コース選択キー17は、調理コースの選択を受け付ける。第1の順送りキー18は、使用者が表示部31に表示された複数の調理コースの表示を順送りする際に操作される。第1の逆送りキー19は、使用者が表示部31に表示された複数の調理コースの表示を逆送りする際に使用される。頭文字選択キー20は、使用者が調理コースの名称の頭文字を選択する際に操作される。選択表示終了キー21は、調理コース選択表示を終了する際に操作される。
なお、調理コース選択表示で表示される操作部6のうち、頭文字選択キー20、及び選択表示終了キー21は、図5の紙面上において、操作表示部5の下部に、操作表示部5の左右方向に一列に並ぶように表示される。
調理コース選択表示において、操作表示部5の表示部31には、複数の調理コースのうち、使用者によって選択された加熱位置で使用することができる調理コースが表示される。なお、複数の調理コースは、誘導加熱調理器100で調理することのできる調理物の種類に応じて、制御部36に予め記憶されている。また、複数調理コースは、それぞれの調理コースの名称の頭文字に応じてアルファベット順に並べられた状態で表示部31に表示される。さらに、選択された加熱位置で使用可能な調理コースが複数ある場合、制御部36は、複数の調理コースのうちの所定の数の調理コースのみを表示部31に表示させる。また制御部36は、第1の順送りキー18又は第1の逆送りキー19の操作に応じて、表示部31に表示されている調理コースを順送り又は逆送りして、他の調理コースを表示部31に表示させる。
複数の調理コース選択キー17は、表示部31に表示されたそれぞれの調理コースに対応するように配置されている。使用者は、表示部31に表示される複数の調理コースのなかから、調理容器Hに収容された調理物の調理に使用する調理コースを探し、使用する調理コースの表示を触ることで、調理コースを選択できる。
第1の順送りキー18及び第1の逆送りキー19は、表示部31に表示された複数の調理コースの図5の紙面上における右側に一列に表示されている。使用者によって第1の順送りキー18又は第1の逆送りキー19が操作されると、制御部36は、使用者の操作に基づき、操作表示部5を制御して、表示部31に表示されている調理コースを順送り又は逆送りする。
具体的には、図5に示すように、選択された加熱位置で使用することができる調理コースとして、表示部31に「Bolonese sauce,simmering」、「Burgers」、「Canned foods, heating」、及び、「Casserole, simmering」という4つの調理コースが表示されているとする。この状態において、使用者が第1の順送りキー18を1回操作すると、制御部36は、表示部31に表示されている4つの調理コースのうちの最上部に表示されている「Bolonese sauce,simmering」という調理コースが表示されないように制御する。また制御部36は、「Burgers」、「Canned foods, heating」、及び、「Casserole, simmering」という3つの調理コースの表示位置をそれぞれ1つずつ上方へ移動させる。また、制御部36は、図5の状態で(使用者によって第1の順送りキー18が1回操作される前の状態で)「Casserole, simmering」という調理コースが表示されていた位置に、選択された加熱位置で使用することができる調理コースのうち、調理コースの名称のアルファベット順が「Casserole, simmering」の1つ後である調理コースを表示させる。
すなわち、制御部36は、図5の状態において、使用者が第1の順送りキー18を1回操作すると、図5の状態から、表示部31に「Burgers」、「Canned foods, heating」、「Casserole, simmering」、及び“「Casserole, simmering」の1つ後の調理コース”の4つの調理コースを表示するように、表示部31における複数の調理コースの表示を順送りする。
一方、表示部31に「Burgers」、「Canned foods, heating」、「Casserole, simmering」、及び“「Casserole, simmering」の1つ後の調理コース”の4つの調理コースが表示されている状態において、使用者が第1の逆送りキー19を1回操作すると、制御部36は、表示部31に表示されている4つの調理コースのうちの最下部に表示されている“「Casserole, simmering」の1つ後の調理コース”が表示されないように制御する。また制御部36は、「Burgers」、「Canned foods, heating」、及び、「Casserole, simmering」という3つの調理コースの表示位置をそれぞれ1つずつ下方へと移動させて表示させる。また、制御部36は、使用者が第1の逆送りキー19を1回操作する前に「Burgers」という調理コースが表示されていた位置に、選択された加熱位置で使用することができる調理コースのうち、調理コースの名称のアルファベット順が「Burgers」の1つ前である調理コース(図5に示す表示例においては「Bolonese sauce,simmering」)を表示させる。
すなわち、表示部31に「Burgers」、「Canned foods, heating」、「Casserole, simmering」、及び“「Casserole, simmering」の1つ後の調理コース”の4つの調理コースが表示されている状態において、使用者が第1の逆送りキー19を1回操作すると、制御部36は、表示部31に「Burgers」、「Canned foods, heating」、「Casserole, simmering」、及び“「Casserole, simmering」の1つ後の調理コース”の4つの調理コースが表示されている状態から、表示部31に“「Burgers」の1つ前の調理コース(図5に示す表示例においては「Bolonese sauce,simmering」)”、「Burgers」、「Canned foods, heating」、及び「Casserole, simmering」の4つの調理コースが表示されている状態となるように、表示部31に表示された複数の調理コースの表示を逆送りする。
また図5に示す頭文字選択キー20は、図5の紙面上において、操作表示部5の下部に表示されている。頭文字選択キー20は、表示部31に表示された複数の調理コースの頭文字の表示を順送りする第2の順送りキー20aと、表示部31に表示された複数の調理コースの頭文字の表示を逆送りする第2の逆送りキー20bと、を有している。また、頭文字選択キー20は、第2の順送りキー20aと第2の逆送りキー20bとの間に配置された頭文字表示部33を有している。頭文字表示部33には、複数の調理コースの頭文字のアルファベットが表示される。使用者が第2の順送りキー20a又は第2の逆送りキー20bを操作すると、制御部36は、使用者の操作に基づき、操作表示部5を制御して、頭文字表示部33に表示される調理コースの頭文字を順送り又は逆送りする。
具体的には、選択された加熱位置で使用することができる調理コースとして、表示部31に「Bolonese sauce,simmering」、「Burgers」、「Canned foods, heating」、及び、「Casserole, simmering」という4つの調理コースが表示されている状態において、使用者によって第2の順送りキー20aが1回操作され、調理コースの頭文字として「C」が選択されると、制御部36は、表示部31に表示されている調理コースのうちの調理コースの頭文字が「B」である「Bolonese sauce,simmering」及び「Burgers」という調理コースが表示されないように制御する。また制御部36は、調理コースの頭文字が「C」である「Canned foods, heating」及び「Casserole, simmering」という調理コースの表示位置をそれぞれ2つずつ上方へと移動させて表示させる。また、制御部36は、図5の状態で(使用者が第2の順送りキー20aを1回操作する前の状態で)「Canned foods, heating」及び「Casserole, simmering」という調理コースが表示されていた位置に、選択された加熱位置で使用することができる調理コースのうち、調理コースの名称のアルファベット順が「Casserole, simmering」の1つ後である調理コース、及び、調理コースの名称のアルファベット順が「Casserole, simmering」の2つ後である調理コースを表示させる。
すなわち、制御部36は、使用者が第2の順送りキー20aを操作すると、使用者が第2の順送りキー20aを操作した回数に応じて、頭文字表示部33の中央部に表示される調理コースの頭文字を「A→B→C→・・・→Z」の順に順次表示させる。また、制御部36は、使用者が第2の順送りキー20aを操作し、調理コースの頭文字を選択すると、使用者によって選択された頭文字を有する調理コースを表示部31に表示させる。このとき制御部36は、使用者によって選択された頭文字を有する調理コースのうち、調理コースの名称のアルファベット順が最初となる調理コースを表示部31の最上部に表示させる。
一方、使用者によって調理コースの頭文字として「C」が選択され、表示部31に「Canned foods, heating」、「Casserole, simmering」、“「Casserole, simmering」の1つ後の調理コース”、及び“「Casserole, simmering」の2つ後の調理コース”が表示されている状態において、使用者が第2の逆送りキー20bを1回操作して、調理コースの頭文字として「B」を選択すると、制御部36は、調理コースの頭文字が「B」である「Bolonese sauce,simmering」という調理コース、調理コースの頭文字が「B」である「Burgers」という調理コース、調理コースの名称のアルファベット順が「Burgers」の1つ後である調理コース(図5に示す表示例においては「Canned foods, heating」という調理コース)、及び、調理コースの名称のアルファベット順が「Burgers」の2つ後である調理コース(図5に示す表示例においては「Casserole, simmering」という調理コース)を表示部31に表示させる。
すなわち、制御部36は、使用者が第2の逆送りキー20bを操作すると、使用者が第2の逆送りキー20bを操作した回数に応じて、頭文字表示部33の中央部に表示される調理コースの頭文字を「Z→Y→X→・・・→A」の順に順次表示させる。また、制御部36は、使用者が第2の逆送りキー20bを操作して、調理コースの頭文字を選択すると、使用者によって選択された頭文字を有する調理コースを表示部31に表示させる。このとき制御部36は、使用者によって選択された頭文字を有する調理コースのうち、調理コースの名称のアルファベット順が最初となる調理コースを表示部31の最上部に表示させる。
図5に示す選択表示終了キー21は、図5の紙面上における操作表示部5の下部の左端に表示されている。制御部36は、選択表示終了キー21が操作されると、操作表示部5を制御して、図5に示す調理コース選択表示を終了し、図4に示す加熱状態表示を表示させる。
2−4.調理工程表示
図6は調理工程表示を示す。図5に示す調理コース選択表示において、調理コース選択キー17が操作され、調理コースが選択されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、図5に示す調理コース選択表示から図6の調理工程表示に操作表示部5の表示を切り替える。調理工程表示では、使用者が選択した調理コースに含まれる複数の調理工程が表示される。
調理工程表示において、操作表示部5には、操作部6として、調理工程選択キー22と、調理工程開始キー23と、加熱状態表示キー24と、調理コース選択表示キー25と、が表示される。調理工程選択キー22は、使用者が複数の調理工程のなかから任意の調理工程を選択する際に操作される。調理工程開始キー23は、調理工程選択キー22で選択された調理工程を実行するための入力を受け付ける。加熱状態表示キー24は、調理工程表示を終了して加熱状態表示を表示するための入力を受け付ける。調理コース選択表示キー25は、調理工程表示を終了して調理コース選択表示を表示するための入力を受け付ける。
調理工程表示において表示される操作部6のうち、調理工程選択キー22は、調理コースに含まれる複数の調理工程に対応する位置に表示される。また、調理工程表示において表示される操作部6のうち、調理工程開始キー23、加熱状態表示キー24、及び調理コース選択表示キー25は、各々が他のひとつと近接するように配置される。また調理工程開始キー23、加熱状態表示キー24、及び調理コース選択表示キー25は、図6の紙面上において、操作表示部5の下部に、操作表示部5の左右方向に一列に並ぶように表示される。
調理工程表示において、操作表示部5の表示部31の上部には、使用者によって選択された調理コースの名称が表示される。
また、調理工程表示において、操作表示部5の表示部31には、選択された調理コースに含まれる複数の調理工程が表示される。表示される調理工程の数は、調理コースによって異なる。また、複数の調理工程は、調理工程の順に並ぶように表示される。
複数の調理工程選択キー22は、調理コースに含まれる複数の調理工程に対応する位置にそれぞれ配置されている。使用者は、調理工程選択キー22を操作することで、調理コースに含まれる複数の調理工程のなかから任意の調理工程を選択することができる。また、制御部36は、使用者によって任意の調理工程が選択された際に、選択された調理工程に対応する調理工程選択キー22の表示と他の調理工程選択キー22の表示とが異なるように操作表示部5を制御する。
たとえば図6に示す例においては、調理工程選択キー22はチェックボックスである。選択された調理工程に対応するチェックボックスには、チェックが入る。これにより、選択された調理工程に対応する調理工程選択キー22の表示と他の調理工程選択キー22の表示とが異なる表示となる。
調理工程開始キー23は、図6の紙面上において、操作表示部5の下部に表示された操作部6の右端に配置されている。使用者によって調理工程選択キー22が操作され、複数の調理工程のなかから任意の調理工程が選択されたあとに調理工程開始キー23が操作されると、調理工程が開始される。つまり制御部36は、使用者によって選択された調理工程に基づき、インバータ基板4から加熱コイル3aに供給される電力を制御し、使用者によって選択された調理工程を実行する。
また任意の調理工程が選択され、調理工程開始キー23が操作されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、図6の調理工程表示から、使用者によって任意の調理工程が実行された状態における加熱状態表示(図7の加熱状態表示)に操作表示部5の表示を切り替える。
また加熱状態表示キー24は、調理工程開始キー23の図6の紙面上における左側に配置されている。使用者によって加熱状態表示キー24が操作されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、図6の調理工程表示から加熱状態表示(図4のような加熱状態表示)に操作表示部5の表示を切り替える。
調理コース選択表示キー25は、図6の紙面上において、操作表示部5の下部に表示された操作部6の左端に配置されている。使用者によって調理コース選択表示キー25が操作されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、図6の調理工程表示から図5の調理コース選択表示に操作表示部5の表示を切り替える。
2−5.調理工程を実行中の加熱状態表示
図7は、調理工程を実行中の加熱状態表示を示す。図6の調理工程表示において、調理工程選択キー22により任意の調理工程が選択され、調理工程開始キー23が操作されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、図6の調理工程表示から図7の加熱状態表示に表示を切り替える。
図7に示すように、任意の調理工程が実行された状態における加熱状態表示において、操作表示部5には、操作部6として、加熱位置選択キー7と、加熱条件設定キー26と、調理工程説明表示キー27と、時間設定キー28と、第1の停止操作部29と、が表示される。
加熱条件設定キー26は、使用者が選択した調理工程において設定可能な加熱条件の入力を受け付ける。調理工程説明表示キー27は、実行中の調理工程の説明を表示する際に操作される。時間設定キー28は、実行中の調理工程の実行時間に関する設定を受け付ける。第1の停止操作部29は、実行中の調理工程を停止するための入力を受け付ける。
図7に示す加熱状態表示において、加熱条件設定キー26と、調理工程説明表示キー27と、時間設定キー28と、第1の停止操作部29とは、各々が他のひとつと近接するように配置される。また加熱条件設定キー26と、調理工程説明表示キー27と、時間設定キー28と、第1の停止操作部29とは、図7の紙面上において、操作表示部5の下部に表示され、操作表示部5の左右方向に一列に並ぶように表示される。また、加熱位置選択キー7は、表示部31に表示されたトッププレート表示(トッププレート1bの上面を模した表示)の対応する位置に表示される。
また、図7に示す加熱状態表示において、表示部31には、トッププレート表示と、トッププレート表示にあわせて表示された加熱選択位置表示32とが表示されている。
図7の加熱状態表示において、加熱選択位置表示32の内部には、加熱条件表示34が表示されている。加熱条件表示34は、実行中の調理工程における加熱条件を表示する。加熱条件表示34は、加熱アイコン表示34aと設定値表示34bとを含む。加熱アイコン表示34aは、実行中の加熱条件を図形として表示する。設定値表示34bは、実行中の加熱条件における設定値(たとえば温度)を表示する。制御部36は、実行中の加熱条件に応じて、操作表示部5に加熱アイコン表示34aと設定値表示34bとを表示させる。
加熱条件設定キー26は、図7の紙面上において、操作表示部5の下部に表示されている。加熱条件設定キー26は、第3の順送りキー26aと、第3の逆送りキー26bと、を有する。第3の順送りキー26aは、使用者が選択した調理工程において設定可能な加熱条件の設定値(たとえば温度)を上昇させる際に操作される。第3の逆送りキー26bは、使用者が選択した調理工程において設定可能な加熱条件の設定値を下降させる際に操作される。また加熱条件設定キー26は、第3の順送りキー26aと第3の逆送りキー26bとの間に配置された設定値表示部35を含む。設定値表示部35は、使用者が選択した調理工程において設定可能な加熱条件の設定値を表示する。使用者によって第3の順送りキー26a又は第3の逆送りキー26bが操作されると、制御部36は、使用者の操作に基づき、操作表示部5を制御して、設定値表示部35に表示される設定値を上昇又は下降させる。また、制御部36は、使用者によって第3の順送りキー26a又は第3の逆送りキー26bが操作され、実行中の調理工程の加熱条件の設定値が変更され、変更された設定値が確定されると、設定値表示部35に表示された設定値と同一の設定値を加熱条件表示34の設定値表示34bに表示させる。
具体的には、図7に示すように、使用者によって任意の調理工程が実行された場合、制御部36は、使用者によって実行された調理工程に基づき、操作表示部5を制御して、加熱条件表示34の加熱アイコン表示34aを表示させる。加熱アイコン表示34aは、図7に示すような実行中の加熱条件を図形化したアイコン、及び調理工程選択キー22及び調理工程開始キー23が操作され、調理工程が実行されていることを示すアイコンなどの少なくとも一つである。また、実行中の調理工程において、調理容器Hを加熱する温度が設定可能である場合、制御部36は、実行中の調理工程において設定されている現在の温度(図7に示す表示例においては160℃)を加熱条件表示34の設定値表示34b、及び設定値表示部35に表示させる。
実行中の調理工程において設定されている温度が表示されている状態において、使用者が第3の順送りキー26aを1回操作すると、制御部36は、使用者が第3の順送りキー26aを操作した回数に応じて上昇させた温度(図7に示す表示例においては170℃)を設定値表示部35に表示させる。一方、実行中の調理工程において設定されている温度が表示されている状態において、使用者が第3の逆送りキー26bを1回操作すると、制御部36は、使用者が第3の逆送りキー26bを操作した回数に応じて下降させた温度(図7に示す表示例においては150℃)を設定値表示部35に表示させる。
使用者が第3の順送りキー26a又は第3の逆送りキー26bを操作することにより、実行中の調理工程の加熱条件の設定値が変更されたあと、第3の順送りキー26a又は第3の逆送りキー26bが所定時間操作されなかった場合、制御部36は、使用者によって変更された加熱条件の設定値を確定させる。また制御部36は、確定した設定値に基づいて加熱部2を制御し、調理容器Hを加熱する。また、制御部36は、変更された設定値を確定すると、設定値表示部35に表示されている設定値と同一の設定値を加熱条件表示34の設定値表示34bに表示させる。
すなわち、制御部36は、使用者が第3の順送りキー26a又は第3の逆送りキー26bを操作すると、使用者が第3の順送りキー26a又は第3の逆送りキー26bを操作した回数に応じて、設定値表示部35に表示させる温度を上昇又は下降させる。また、制御部36は、実行中の調理工程の加熱条件の設定値が変更されたあと、第3の順送りキー26a又は第3の逆送りキー26bが所定時間操作されなかった場合に、使用者によって変更された設定値を確定させる。そして制御部36は、確定させた設定値に基づいて調理工程を実行する。さらに、制御部36は、変更された設定値を確定させると、確定させた設定値、すなわち、設定値表示部35に表示されている設定値と同一の設定値を加熱条件表示34の設定値表示34bに表示させる。
なお、実行中の調理工程における加熱条件の設定値は、予め設定された範囲内において、予め設定された間隔(図7に示す表示例においては10℃毎)で上昇又は下降させることができるように構成されている。
図7の各キーの説明に戻る。調理工程説明表示キー27は、図7の紙面上において、加熱条件設定キー26の右側に表示されている。制御部36は、使用者によって調理工程説明表示キー27が操作されると、操作表示部5を制御して、図7の加熱状態表示から実行中の調理工程の具体的な説明の表示へと操作表示部5の表示を切り替える。なお、実行中の調理工程の具体的な説明の表示は、図6に示す調理工程表示と同様であってもよく、また、図6に示す調理工程表示とは別の表示であってもよい。
時間設定キー28は、図7の紙面上において、調理工程説明表示キー27の右側に表示されている。使用者によって時間設定キー28が操作されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、使用者が実行中の調理工程の実行時間を設定できるキーを、操作部6として表示させる。また、制御部36は、調理工程の実行時間が設定されると、設定された実行時間が完了するまで、加熱部2を制御して、調理工程を実行する。さらに制御部36は、使用者によって設定された実行時間が完了すると、加熱部2を制御して、実行中の調理工程を停止させる。
第1の停止操作部29は、図7の紙面上において、操作表示部5の下部の左端に表示されている。制御部36は、使用者によって第1の停止操作部29が操作されると、加熱部2を制御して、実行中の調理工程を停止させる。また、制御部36は、使用者によって第1の停止操作部29が操作されると、操作表示部5を制御して、図7の加熱状態表示(任意の調理工程が実行された状態における加熱状態表示)から図6の調理工程表示に操作表示部5の表示を切り替える。この切り替え動作については、「3.動作」の項目で詳細に説明する。
2−6.第2の停止操作部が操作された場合の「オフ(OFF)」表示
図7の加熱状態表示において、加熱条件設定キー26の第3の逆送りキー26bが操作されると、図7の設定値表示部35には、図8に示すように「OFF」の表示が示される。つまり誘導加熱調理器100は、実行中の調理工程における加熱条件の設定値の下限値として、「OFF」という設定値を設定可能である。つまり加熱条件設定キー26の少なくとも一部は、実行中の調理コースを停止する第2の停止操作部30として機能する。制御部36は、使用者によって「OFF」が選択されたあと、第3の順送りキー26a又は第3の逆送りキー26bが所定時間操作されなかった場合、加熱部2を制御して、実行中の調理コースを終了させる。
3.動作
さらに図9〜図11を参照し、誘導加熱調理器100の動作を説明する。
図9は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の操作表示部において、第1の停止操作部が操作され、停止された調理工程の次の調理工程が選択された状態の調理工程表示の一例を示す図である。図10は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の操作表示部において、第1の停止操作部が操作され、最終の調理工程が選択された状態の調理工程表示の一例を示す図である。図11は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の操作表示部において、最終の調理工程が実行された状態の加熱状態表示の一例を示す図である。
使用者によって誘導加熱調理器100の電源がONされると、制御部36は、操作表示部5を制御して、図3に示す加熱状態表示を表示させる。図3の加熱状態表示では、トッププレート1bの上面に載置された調理容器Hの加熱状態を確認できる。また図3の加熱状態表示は、調理容器Hの加熱条件の設定を受け付ける表示である。
図3に示す加熱状態表示は、使用者によって加熱位置が未だ選択されていない状態における表示である。図3の加熱状態表示において、制御部36は、加熱位置選択キー7、掃除モード選択キー8、ヘルプキー9、タイマーキー10、設定キー11、及びロックキー12を含む操作部6を操作表示部5に表示させる。また、図3の加熱状態表示において、制御部36は、トッププレート表示(トッププレート1bの上面を模した表示)を操作表示部5の表示部31に表示させる。
使用者によって、加熱位置選択キー7が操作され、調理容器Hを加熱する加熱位置が選択されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、加熱位置が選択されていない状態における加熱状態表示(図3に示す加熱状態表示の表示)から加熱位置が選択された状態における加熱状態表示(図4に示す加熱状態表示の表示)に操作表示部5の表示を切り替える。
図4に示す加熱状態表示において、制御部36は、加熱位置選択キー7、火力設定キー13、温度設定キー14、調理コース表示キー15、及び湯沸しキー16を有する操作部6を操作表示部5に表示させる。また、図4に示す加熱状態表示において、制御部36は、加熱選択位置表示32をトッププレート表示にあわせて表示させる。さらに制御部36は、加熱位置に配置されている温度センサの種類を表示するセンサ種類表示32aを加熱選択位置表示32の内部に表示させる。
図4に示す加熱状態表示において、使用者によって火力設定キー13が操作され、調理容器Hを加熱する火力が設定されると、制御部36は、設定された火力に基づいて、インバータ基板4から加熱コイル3aに供給される電力を制御し、調理容器Hを加熱する。なお、本実施の形態の誘導加熱調理器100においては、例えば、インバータ基板4から加熱コイル3aに供給される電力の最小値を「1」、インバータ基板4から加熱コイル3aに供給される電力の最大値を「9」として、インバータ基板4から加熱コイル3aに供給される電力に応じて火力が数字として予め設定されている。したがって、使用者は、火力設定キー13によって任意の数字を選択することで、調理容器Hを加熱する火力を設定できる。
また、使用者によって温度設定キー14が操作され、調理容器Hを加熱する温度が設定されると、制御部36は、温度設定キー14で設定された温度、及び、調理容器Hの下方にある温度センサで検知された温度に基づき、インバータ基板4から加熱コイル3aに供給される電力を制御し、調理容器Hを加熱する温度を制御する。
また、使用者によって湯沸しキー16が選択されると、制御部36は、調理容器Hの下方にある温度センサで検知された温度に基づき、インバータ基板4から加熱コイル3aに供給される電力を制御して、調理容器Hに収容された水を沸騰させる。また制御部36は、沸騰した水を一定の温度に保つようにインバータ基板4を制御する。
さらに、使用者によって調理コース表示キー15が操作されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、調理容器Hの加熱位置が選択された状態における加熱状態表示(図4に示す加熱状態表示の表示)から、図5の調理コース選択表示に操作表示部5の表示を切り替える。
図5に示すように、調理コース選択表示において、制御部36は、調理コース選択キー17、第1の順送りキー18、第1の逆送りキー19、頭文字選択キー20、及び選択表示終了キー21を操作部6として操作表示部5に表示させる。また、調理コース選択表示において、制御部36は、選択された加熱位置で使用可能な複数の調理コースを、それぞれの調理コースの名称のアルファベット順に並べて表示部31に表示する。
調理コース選択表示において、使用者は、第1の順送りキー18又は第1の逆送りキー19を操作することで、表示部31に表示された調理コースを順送り又は逆送りすることができる。制御部36は、使用者によって第1の順送りキー18又は第1の逆送りキー19が操作された回数に応じて、表示部31に表示された調理コースを順送り又は逆送りし、表示部31に表示する。
また、調理コース選択表示において、使用者は、頭文字選択キー20の第2の順送りキー20a又は第2の逆送りキー20bを操作することで、頭文字表示部33に表示された調理コースの名称の頭文字を順送り又は逆送りすることができる。制御部36は、使用者によって第2の順送りキー20a又は第2の逆送りキー20bが操作された回数に応じて、頭文字表示部33に表示された調理コースの名称の頭文字を順送り又は逆送りする。また制御部36は、使用者によって選択された頭文字を有する一又は複数の調理コースを表示する。
また、調理コース選択表示において、複数の調理コース選択キー17は、表示部31に表示された複数の調理コースにそれぞれ対応するように表示されている。したがって使用者は、表示部31に表示された複数の調理コースのなかから任意の調理コースを探し、実行する調理コースに触ることで、調理コースを選択できる。そして、任意の調理コースが選択されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、図5の調理コース選択表示から図6の調理工程表示に操作表示部5の表示を切り替える。
つまり図5に示す調理コース選択表示において、使用者は、調理コース選択キー17、第1の順送りキー18、第1の逆送りキー19、及び頭文字選択キー20を操作することで、複数の調理コースのなかから所望の調理コースを容易に選択することができる。したがって誘導加熱調理器100の使い勝手が向上する。
以下、図5の調理コース選択表示において、調理容器Hの調理コースとして、使用者によって「Bolognese sauce,simmering」という調理コースが選択された場合について説明する。
図5の調理コース選択表示において、使用者が調理コース選択キー17を操作して「Bolognese sauce,simmering」という調理コースを選択すると、制御部36は、操作表示部5を制御して、図6に示すように、「Bolognese sauce,simmering」という調理コースに含まれる複数の調理工程を表示する調理工程表示を表示する。
図6の調理工程表示おいて、制御部36は、調理工程選択キー22、調理工程開始キー23、加熱状態表示キー24、及び調理コース選択表示キー25を操作部6として操作表示部5に表示させる。また、調理工程表示において、制御部36は、「Bolognese sauce,simmering」に含まれる調理工程である「Pan Frying Mode(160−180℃) Preheat the pot; add the meat, vegetables and fly.」(以下、「第1の調理工程」という。)、「Manual mode Add the other ingredients and bring to a boil.」(以下、「第2の調理工程」という。)、及び、「Low Temperature Mode(95−105℃) Simmer for 30−90minutes.」(以下、「第3の調理工程」という。)という3つの調理工程を表示部31に表示する。
調理工程表示おいて、複数の調理工程選択キー22は、第1の調理工程、第2の調理工程、及び第3の調理工程のそれぞれに対応して表示されている。そのため、使用者は、複数の調理工程のなかから実行したい調理工程に対応する調理工程選択キー22を操作することで、任意の調理工程を容易に選択することができる。したがって誘導加熱調理器100の使い勝手が向上する。
図6に示すように、例えば、使用者によって第1の調理工程が選択され、調理工程開始キー23が操作されると、制御部36は、第1の調理工程として予め設定された加熱条件に基づき、加熱部2を制御して、第1の調理工程を実行する。
第1の調理工程が実行されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、調理工程表示から第1の調理工程が実行された状態における加熱状態表示(図7の加熱状態表示)に操作表示部5の表示を切り替える。
つまり使用者によって第1の調理工程を実行する指示が入力されると、図7に示すように、制御部36は、加熱位置選択キー7、加熱条件設定キー26、調理工程説明表示キー27、時間設定キー28、及び第1の停止操作部29を操作部6として操作表示部5に表示させる。また、使用者によって第1の調理工程を実行する指示が入力されると、制御部36は、トッププレート表示と加熱選択位置表示32とを表示部31に表示させる。また制御部36は、加熱選択位置表示32の内部に、実行中の第1の調理工程における加熱条件を示す加熱条件表示34を表示させる。加熱条件表示34は、加熱アイコン表示34aを含む。さらに加熱条件表示34は、設定値表示34bを含む。設定値表示34bとは、実行中の第1の調理工程において、現在設定されている加熱条件である調理容器Hを加熱する温度(160℃)の表示である。このような加熱条件表示34により、使用者は、実行中の調理工程において設定されている加熱条件を容易に確認することができ、誘導加熱調理器の使い勝手が向上する。
図7に示すように、実行中の第1の調理工程において、加熱条件設定キー26は、予め設定された範囲内で調理容器Hを加熱する温度の変更を受け付ける。そのため、使用者は、加熱条件設定キー26の第3の順送りキー26a又は第3の逆送りキー26bを操作することで、現在設定されている温度を任意の温度に変更できる。この構成により、使用者は、使用者の好みに応じて、予め設定された調理工程における加熱条件を変更することができ、調理の自由度が向上する。
使用者によって、第3の順送りキー26a又は第3の逆送りキー26bが操作されると、制御部36は、第3の順送りキー26a又は第3の逆送りキー26bが操作された回数に応じて、操作表示部5を制御して、設定値表示部35に表示される設定値(温度)を上昇又は下降させる。そして、制御部36は、設定値が変更されたあと、第3の順送りキー26a又は第3の逆送りキー26bが所定時間操作されなかった場合、変更された設定値(温度)を確定させ、確定した設定値に基づいて、第1の調理工程を実行する。また、制御部36は、変更された設定値(温度)が確定すると、確定した設定値を加熱条件表示34にも表示させる。
ここで、第1の調理工程が実行されている状態において、使用者によって第1の停止操作部29が操作されると、制御部36は、加熱部2を制御して、実行中の第1の調理工程を停止させる。この構成により、実行中の調理工程を一時的に停止させることができる。さらに制御部36は、第1の調理工程の次の調理工程(たとえば第2の調理工程)が存在するか判断する。制御部36が、第2の調理工程が存在すると判断した場合、図9に示すように、制御部36は、第2の調理工程が選択された状態の調理工程表示を操作表示部5に表示させる。
図9の調理工程表示において、第2の調理工程が選択された状態で調理工程開始キー23が操作されると、制御部36は、加熱部2を制御して選択された調理工程(第2の調理工程)を実行する。また制御部36は、操作表示部5を制御して、図9の調理工程表示から、第2の調理工程が実行された状態における加熱状態表示に操作表示部5の表示を切り替える。
一方、使用者が、第1の調理工程を実行中に第1の停止操作部29を操作して、操作表示部5が図9の調理工程表示を表示した場合において、使用者が第1の調理工程を再度実行したいときは、使用者は第1の調理工程に対応する調理工程選択キー22を操作し、第1の調理工程を選択すればよい。その後、使用者によって調理工程開始キー23が操作されると、制御部36は、第1の調理工程に基づき、加熱部2を制御して、第1の調理工程を再度実行させる。
また第2の調理工程が実行されている状態において、使用者によって第1の停止操作部29を操作されると、制御部36は、加熱部2を制御して、実行中の第2の調理工程を停止する。
そして制御部36は、第2の調理工程の次の調理工程(たとえば第3の調理工程)が存在するか否かを判断する。第3の調理工程が存在する場合、制御部36は、図10に示すように、操作表示部5に、第3の調理工程が選択された状態の調理工程表示を表示させる。この状態で使用者によって調理工程開始キー23が操作されると、制御部36は、加熱部2を制御して第3の調理工程を実行させる。
第3の調理工程が実行されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、図10の調理工程表示から図11に示す加熱状態表示(第3の調理工程が実行された状態における加熱状態表示)に操作表示部5の表示を切り替える。
図11に示すように、第3の調理工程が実行されると、制御部36は、加熱位置選択キー7、加熱条件設定キー26、調理工程説明表示キー27、時間設定キー28、及び第1の停止操作部29を操作部6として操作表示部5に表示させる。また、第3の調理工程が実行されると、制御部36は、加熱選択位置表示32を表示部31に表示させる。また制御部36は、加熱選択位置表示32の内部に、実行中の第3の調理工程における加熱条件を加熱条件表示34として表示させる。加熱条件表示34は、図11に示すような実行中の第3の調理工程を図形として表示したアイコン、及び第3の調理工程が実行されていることを示すアイコンの少なくとも一つを含む。また、加熱条件表示34は、設定値表示34bを含む。設定値表示34bは、実行中の第3の調理工程において、現在設定されている加熱条件である調理容器Hを加熱する温度(100℃)を示す。また、図11に示すように、誘導加熱調理器100は、使用者が、調理容器Hを加熱する温度を予め設定された範囲内で変更できるように構成されている。使用者は、第3の順送りキー26a又は第3の逆送りキー26bを操作することで、現在設定されている温度を任意の温度に変更することができる。
第3の調理工程が実行されている状態において、第1の停止操作部29が操作されると、制御部36は、加熱部2を制御して、実行中の第3の調理工程を停止させる。
そして制御部36は、第3の調理工程の次の調理工程が存在するか否かを判断する。制御部36が、第3の調理工程の次の調理工程は存在しないと判断した場合、制御部36は、図10に示すような、停止中の第3の調理工程が選択された状態の調理工程表示を操作表示部5に表示させる。
以上の構成により、使用者は、第1の停止操作部29を操作するだけで、実行中の調理工程を停止させることができる。そして本実施の形態の誘導加熱調理器100において、停止中の調理工程の次の調理工程が存在する場合は、自動で次の調理工程が選択される。したがって、使用者は調理工程開始キー23を操作するだけで、次の調理工程を実行させることができる。一方で、本実施の形態の誘導加熱調理器100において、停止中の調理工程の次の調理工程が存在しない場合は、自動で停止中の調理工程が選択される。したがって、使用者は調理工程開始キー23を操作するだけで、停止させた調理工程を再度実行させることができる。なお、使用者は、第1の停止操作部29を操作して操作表示部5に図10の調理工程表示を表示させた後、調理工程選択キー22を操作することにより、調理工程表示から任意の調理工程を選択することもできる。
さらに、使用者は、第1の調理工程、第2の調理工程、又は第3の調理工程の実行中に、加熱条件設定キー26を操作することで、各調理工程において予め定められた範囲で加熱条件を変更することができる。したがって調理の自由度が向上する。また誘導加熱調理器100の使い勝手が向上する。
一方、図8に示すように、第1の調理工程、第2の調理工程、又は第3の調理工程が実行されている状態において、使用者によって第3の逆送りキー26bが操作され、「OFF」が選択された場合、加熱条件設定キー26は第2の停止操作部30として機能する。「OFF」が選択された後、第3の順送りキー26a又は第3の逆送りキー26bが所定時間操作されなかった場合、制御部36は、実行中の調理コースである「Bolognese sauce,simmering」を終了する。また、使用者によって第2の停止操作部30が操作され(第3の逆送りキー26bにより「OFF」が選択され)、実行中の調理コースが終了されると、制御部36は、操作表示部5を制御して、図4に示す加熱状態表示を操作表示部5に表示させる。
この構成により、使用者は、第2の停止操作部30を操作するだけで、実行中の調理コースを終了させることができる。また、制御部36は、使用者によって第2の停止操作部30が操作されると、操作表示部5に加熱状態表示を表示させる。したがって、使用者は、加熱状態表示によって調理容器の加熱状態を容易に確認できる。また使用者は、加熱状態表示を介して、調理容器Hの加熱位置、調理容器Hの加熱条件、別の調理容器の加熱位置、及び別の調理容器の加熱条件などの少なくとも一つをスムーズに設定できる。
4.効果等
(1)図2に示すように、本実施の形態の誘導加熱調理器100は、トッププレート1bと、加熱部2と、操作部(図3の操作部6)と、制御部36と、を備える。トッププレート1bには、調理容器Hが載置される。加熱部2は、調理容器Hを誘導加熱する。操作部6(操作部6のうちたとえば図5の調理コース選択キー17)は、各々が調理容器Hの加熱条件に対応付けられた複数の調理工程を含む調理コースの選択を受け付ける。制御部36は、加熱条件に基づいて加熱部2を制御する。
操作部6(操作部6のうち、たとえば図6の調理工程選択キー22)は、調理コースが選択された場合に、複数の調理工程のうち任意の調理工程の選択を受け付けるように構成される。
制御部36は、選択された調理工程に対応付けられた加熱条件に基づいて加熱部2を制御する。
これにより使用者は、調理コースを選択する場合に、誘導加熱調理器100に、任意の調理工程の調理を実施させることができる。したがって調理の自由度が向上する。また誘導加熱調理器100の使い勝手が向上する。
(2)また、本実施の形態においては、調理コースが選択された場合において、複数の調理工程のうち実行中の第1の調理工程を停止するための入力を受け付ける第1の停止操作部(たとえば図7の第1の停止操作部29)を備える。調理工程の実行中に第1の停止操作部29が操作された場合、制御部36は実行中の調理工程を停止する。
これにより使用者は、第1の停止操作部29を操作することで、実行中の調理工程を一時的に停止できる。したがって、調理の自由度がさらに向上する。また誘導加熱調理器100の使い勝手がさらに向上する。
(3)さらに、本実施の形態においては、調理コースの実行中に、第1の停止操作部29が操作された場合において、調理コースが、停止された調理工程(以下、説明の便宜上、第1の調理工程というが、図6の最上部の調理工程に限られない)の次の調理工程(以下、説明の便宜上、第2の調理工程というが、図6の中央の調理工程に限られない)を含む場合は、制御部36は、加熱条件として第2の調理工程に対応付けられた加熱条件を設定する。また調理コースが第2の調理工程を含まない場合、つまり第1の調理工程が調理コースにおける最後の調理工程である場合は、制御部は、加熱条件として第1の調理工程に対応付けられた加熱条件を設定する。
つまり使用者は、第1の停止操作部29を操作することで、実行中の調理工程を停止させることができる。また停止させた調理工程の次の調理工程がある場合は、自動的に次の調理工程が選択される。さらに停止させた調理工程の次の調理工程が無い場合は、自動的に停止させた調理工程が選択される。したがって、調理コースを利用した誘導加熱調理器100の使い勝手が向上する。
(4)また、本実施の形態においては、加熱条件を表示するように構成された表示部31を備える。さらに本実施の形態においては、操作部6(たとえば図5の操作部6のうち、調理コース選択キー17)で調理コースの選択を受け付けた場合と、調理コースの実行中に第1の停止操作部(図7の第1の停止操作部29)が操作された場合とにおいて、制御部36は、図9又は図10に示すように、表示部31に調理コースに含まれる複数の調理工程を表示させる。
これにより使用者は、実行中の調理コースにおける調理内容及び調理工程の進捗状況を、表示部31を含む操作表示部5で確認できる。したがって誘導加熱調理器100の使い勝手が向上する。
(5)さらに、本実施の形態においては、調理コースの実行中に、調理コースを終了させるための入力を受け付ける第2の停止操作部(図8の第2の停止操作部30)を備える。
これにより使用者は、第2の停止操作部30を操作することで、調理コースの進行具合に関わらず、実行中の調理コースを終了させることができる。したがって誘導加熱調理器100の使い勝手が向上する。
(6)また、本実施の形態においては、調理コースの実行中に第2の停止操作部30が操作された場合に、制御部36は、図4に示すように、表示部31にトッププレートに載置された調理容器の加熱状態を表示させる。また制御部36は、操作部6に加熱条件の入力を受け付けさせる。
これにより使用者は、第2の停止操作部30を操作して実行中の調理コースを終了させた場合に、操作表示部5を介して調理容器Hの加熱状態を確認できる。また操作表示部5には、調理容器Hの加熱条件の設定を受け付ける画面が表示される。したがって、使用者は操作表示部5を介して加熱条件を設定できる。以上より本実施の形態では、調理の自由度が向上する。また誘導加熱調理器100の使い勝手が向上する。
5.他の実施の形態
以上、本発明の誘導加熱調理器の実施の形態1について説明したが、本発明の誘導加熱調理器は、上述の実施の形態1に限定されるものではない。
例えば、上述の実施の形態1においては、操作部6及び表示部31が操作表示部5に一体的に配置される構成について説明したが、操作部6及び表示部31は、本体1にそれぞれ個別に配置されていてもよい。この構成においても、上述した実施の形態1と同様の効果を奏することができ、誘導加熱調理器100の使い勝手が向上する。
また実施の形態1において、操作部6は全てタッチパネルで構成されているが、一部又は全部が機械式のプッシュボタン及びダイヤルなどの少なくとも一つで構成されていてもよい。
また、上述の実施の形態1においては、図1に示す複数の加熱コイル3aが互いに近接している。また複数の加熱コイル3aの長径が本体1の左右方向と同一方向となるように、複数の加熱コイル3aは、本体1の前後方向に一列に並べて配置されている。しかし本体1の左右両側部に配置されたそれぞれの加熱コイルユニット3においては、複数の加熱コイル3aの長径が本体1の左右方向と同一方向となるように、複数の加熱コイル3aが本体1の前後方向に一列に並べてシールド板3bの上面に配置されていてもよい。また本体1の中央部に配置された加熱コイルユニット3については、複数の加熱コイル3aの長径が本体1の前後方向と同一方向となるように、複数の加熱コイル3aが、本体1の左右方向に一列に並べてシールド板3bの上面に配置されていてもよい。この構成においても、上述した実施の形態1と同様の効果を奏することができ、誘導加熱調理器100の使い勝手が向上する。
さらに、上述の実施の形態1においては、図3、図4、図7、図8、及び図11に示す加熱状態表示、図5に示す調理コース選択表示、並びに図6、図9及び図10に示す調理工程選択表示において、表示される操作部6の各キーが操作表示部5の下部に配置されている。また各キーが、操作表示部5の左右方向に一列に並べて表示されている。しかし加熱状態表示、調理コース選択表示、及び調理工程選択表示において表示される各キーの配置位置及び配置順序は、上述の実施の形態1に限定されるものではなく、誘導加熱調理器の仕様に応じて適宜設定されていればよい。
また、上述の実施の形態1においては、図4のセンサ種類表示32aに示すように、使用者によって選択された調理容器Hの加熱位置に配置されている温度センサの種類の違いを文字で表し、加熱選択位置表示32の内部に表示することで、使用者に温度センサの種類を視認させる構成について説明したが、センサ種類表示32aの構成及び配置はこれに限られない。例えば、温度センサの種類に応じて加熱選択位置表示32の色を変更したり、加熱選択位置表示32とは別に操作表示部5に温度センサの種類を表示させたりするなど、使用者が加熱位置に配置されている温度センサの種類の違いを認識できる構成であればよい。この構成によっても、使用者が加熱位置に配置されている温度センサの種類を容易に認識することができ、誘導加熱調理器の使い勝手を向上させることができる。
さらに、上述の実施の形態1においては、使用者によって任意の調理工程が実行された状態における加熱状態表示(たとえば図7の加熱状態表示)おいて、使用者が加熱条件設定キー26を第2の停止操作部として操作し、「OFF」を加熱条件の設定値として選択した場合に、制御部36が実行中の調理コースを終了させる構成について説明したが、第2の停止操作部の構成及び配置はこれに限られない。つまり第2の停止操作部は、任意の調理工程が実行された状態における加熱状態表示において、実行中の調理コースを終了するための入力を受け付けるように構成されていればよい。例えば、第2の停止操作部は、第1の停止操作部29と同様に、操作表示部5に操作キーとして表示されていてもよい。この構成においても、上述した実施の形態1と同様の効果を奏することができ、誘導加熱調理器の使い勝手が向上する。
また、上述の実施の形態1においては、図5の調理コース選択表示において、複数の調理コースがアルファベット順に表示される構成を説明した。また使用者が、頭文字選択キー20によって、調理コースの頭文字を選択できる構成を説明した。しかし複数の調理コースの表示方法及び頭文字選択キー20による選択方法は、これに限られない。例えば、複数の調理コースが日本語で表示されている場合は、複数の調理コースを五十音順に表示してもよい。また頭文字選択キーによって五十音順に表示された調理コースの頭文字を選択できてもよい。いずれの場合も、誘導加熱調理器に設定されている複数の調理コースの種類に応じて、複数の調理コースの表示方法及び頭文字選択キーによる選択方法は、適宜設定されていればよい。この構成においても、使用者は、複数の調理コースのなかから任意の調理コースを容易に選択することができる。したがって誘導加熱調理器の使い勝手が向上する。
さらに、上述の実施の形態1においては、調理工程の実行中に、使用者が図7の加熱条件設定キー26を操作して、調理容器を加熱する温度を変更することができる構成について説明したが、加熱条件設定キー26は、図7の構成に限られない。つまり加熱条件設定キー26は、予め設定された調理工程に応じて、調理容器を加熱する加熱条件が変更できるように構成されていればよい。例えば、加熱条件設定キー26により、火力が変更できるように構成されていてもよい。この場合、加熱条件は火力に相当する。この構成においても、使用者は、好みに応じて任意の加熱条件を設定することができる。したがって調理コースを利用した調理の自由度が向上する。また誘導加熱調理器の使い勝手が向上する。
また、上述の実施の形態1は、誘導加熱調理器の構成として、加熱コイルユニット3の数に対応させて、調理容器Hを載置する位置を三つ有する構成を説明した。しかし加熱コイルユニット3の数と調理容器Hを載置する位置の数とは、必ずしも同じでなくてもよい。また調理容器Hを載置する位置の数は、一つでも三つ以上でもよい。調理容器Hを載置する位置の数が一つの場合は、誘導加熱調理器は、特に卓上の誘導加熱調理器に適する。
また、上述の実施の形態1においては、誘導加熱調理器は表示部を有するが、表示部を備えていなくてもよい。その場合、操作部は機械式のボタン及びダイヤルの少なくとも一方であってもよい。さらにその場合、使用者は、ボタン及びダイヤルの少なくとも一方を操作することにより、調理メニュー及び調理工程を選択できてもよい。
またトッププレートは、調理容器を載置できる面を有していればよく、全て平面のみで構成されなくてもよい。