JP6974287B2 - 釣竿 - Google Patents

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Description

本発明は、穂先竿の竿杆同士の継合構造に特徴を有する釣竿に関する。
従来、例えば、特許文献1に開示されているように、中実竿杆をこの中実竿杆よりも大径の中空竿杆に差し込んで穂先竿を構成することにより、軽量化及び撓み性の向上を図った釣竿が知られている。このように中実竿杆を中空竿杆に差し込む継合構造の穂先竿(釣竿)では、その継合部(表面の継ぎ目が存在する部分)に必然的に段差が生じることから、そのような段差を樹脂の肉盛によって埋めたり、或いは、釣糸ガイドを継合部よりも穂先側に位置させることも行なわれている。
また、このような継合構造の穂先竿では、大撓みが生じることも想定されるため、継合部に釣糸ガイドを装着して強度の向上を図ると共に、継ぎ目を見えなくして外観の向上を図ることも行われている。具体的には、前述した特許文献1では、小径の中実竿杆と大径の中空竿杆とを継合し、その継ぎ目に下糸層となる糸条体を巻回するとともに、この下糸層の上に釣糸ガイドの脚部を載置して、該脚部の上から更に上糸層となる糸条体を巻回した後、合成樹脂を塗布することにより、継ぎ目を釣糸ガイドで見えなくして補強した継合構造を構成している。
また、特許文献2には、小径の中空竿杆と大径の中空竿杆とを継合し、小径の中空竿杆の外周面から大径の中空竿杆の表面段差部に達する位置まで締付糸を巻き付けるとともに、巻き付けた締付糸を覆うように樹脂塗料を更に塗布して巻き付け状態を保護した後、研磨、樹脂塗装を施してガイド取付座面を形成し、その上から釣糸ガイドの脚部を載せて締付糸で固定して、樹脂を更に塗布した穂先竿の継合構造が開示されている。
特開2001−69878号 特開2007−209301号
ところで、段差を伴う竿杆同士のこのような継合構造において、段差を前述したように樹脂で埋めると、樹脂の硬度によっては穂先竿の曲がりが滑らかにならない場合がある。特に、小径の中実竿杆が継合部を境に先細りのテーパ形状を成す場合には、継合部の段差が更に大きくなり、したがって、段差を埋める樹脂の量も増えることから、穂先竿の漸次的でスムーズな曲がりを実現できなくなる。
また、継合部の段差に伴って前述したように釣糸ガイドを継合部よりも穂先側に位置させるようにすると、一般に、釣糸ガイドを竿杆に取り付けるための巻き糸を継合部にまで延在させて継合部を覆うことにより継合部を露出させないようにするため、糸巻き量が多くなり(糸巻き範囲が長くなり)、バランスの悪い外観になるとともに、糸量が増える分、重量化するという問題も生じる。
また、このような竿杆同士の継合構造においては、特に中実竿杆が金属製で且つ中空竿杆が樹脂製である場合に、継合部で剛性差が大きくなるため、継合部で応力集中が生じ易くなる(ひいては、塑性曲がりをもたらす)。そのため、特許文献1及び特許文献2に開示されるように継合部に釣糸ガイドを装着して強度の向上を図る(継合部を補強して応力を分散させる)ことは有益であるが、特許文献1及び特許文献2はいずれも釣糸ガイド固定用の糸条体の上からこれを覆うように糸止め樹脂を塗布しているため、実際に釣竿が撓んだ際、応力集中し易い継合部で糸止め樹脂に亀裂が入り易く、このような亀裂は、視認し易いことから、外観を損ねてしまう。また、特許文献1及び特許文献2ではいずれも、積層される糸条体及び樹脂が継合部の領域のみにほぼ同じ長さにわたって集中的に配設されているだけであるため、補強及び応力の分散が局所的に行なわれるにすぎず、応力を効果的に分散して穂先竿の漸次的でスムーズ(滑らか)な曲がりを実現することが難しい。
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、穂先竿を構成する竿杆同士の継合部において応力集中を伴わない漸次的で滑らかな曲がりを実現できる継合構造を有する釣竿を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明は、中空竿杆の穂先側に前記中空竿杆よりも小径の中実竿杆を挿入固定した継合部を有する穂先竿を備えた釣竿であって、前記継合部における前記穂先竿の表面の段差を埋めるように前記中実竿杆の外周に巻回される第1の糸条体と、前記継合部の外周に前記中空竿杆と前記中実竿杆上の前記第1の糸条体とにわたって巻回されて釣糸ガイドの脚部を載置するための下地層を形成する第2の糸条体とを有し、前記第2の糸条体上に釣糸ガイドの脚部が載置され、前記第1の糸条体は、その穂先側端部が前記第2の糸条体の穂先側端部よりも穂先側に位置されるように延在することを特徴とする。
上記構成によれば、第1の糸条体の穂先側端部が第2の糸条体の穂先側端部よりも穂先側に位置されるように第1及び第2の糸条体が階段状に配設されることによって継合部が位置される穂先竿の外径が糸条体により段階的に変化するため、継合部において応力が効果的に分散されて応力集中を伴わない竿杆の漸次的で滑らかな曲がりを実現できる。すなわち、広範囲にわたって補強及び応力の分散が段階的になされることにより、継合部での穂先竿の撓み性が良くなり、穂先竿の局所的な曲がり(例えば「へ」の字状の曲がり)を防止できる。
また、上記構成によれば、継合部における穂先竿の表面の段差を樹脂によって埋めるのではなく糸条体(第1の糸条体)によって埋めるため、樹脂に比べてスムーズな竿杆の曲がりを実現できるとともに、応力集中し易い継合部で樹脂に亀裂が入って外観を損ねてしまうこともなくなる。これは、特に、中実竿杆が継合部を境に先細りのテーパ形状を成すことにより継合部の段差が更に大きくなる場合に有益である。また、上記構成によれば、継合部に中空竿杆と中実竿杆とにわたって釣糸ガイドを装着しているため、釣糸ガイドによって継合部を補強して応力を分散させる(強度の向上を図る)ことができる。これは、特に、継合部で剛性差が大きくなって応力集中が生じ易くなる構造、すなわち、例えば中実竿杆が金属製で且つ中空竿杆が樹脂製である場合に有益である。また、このように継合部に釣糸ガイドを装着すれば、前述したように釣糸ガイドを継合部よりも穂先側に位置させた場合と比べて、糸巻き量を少なくでき(糸巻き範囲を短くでき)、バランスの良い外観をもたらすことができるとともに、糸量が減る分、軽量化を図ることもできる。
なお、上記構成では、釣糸ガイドを継合部に中空竿杆と中実竿杆とにわたって装着することに関連して、継合部(中空竿杆と中実竿杆との境界部)が釣糸ガイドの脚部の全長の中央に位置されることが望ましい。これにより、応力をバランス良く分散させることができる。また、上記構成において、継合部における段差を埋めるための第1の糸条体は、段差による釣糸ガイドの傾きを防止するために、その段差の程度に応じて糸の太さが選定されることが好ましい。また、釣糸ガイドの傾きを効果的に防止するために、釣糸ガイドの脚部から延びるガイド本体と竿杆との間の隙間を塗装等によって埋めることが好ましい。
また、上記構成では、釣糸ガイドの脚部を継合部に対して固定するための第3の糸条体を更に備え、第2の糸条体は、その穂先側端部が第3の糸条体の穂先側端部よりも穂先側に位置されるように延在することが好ましい。これによれば、糸条体の階段状の配設形態が更に促進されるため、竿杆のより滑らかな漸進的湾曲を実現できる。なお、中実竿杆が先細りのテーパ状を成す場合、糸条体による穂先竿の外径の段階的変化度合いは、中実竿杆のテーパ度合いに対応することが好ましい。
また、上記構成において、第2の糸条体は、釣糸ガイドの脚部が第3の糸条体から穂先竿の長手軸方向で抜けるのを防止する抜け止め部を有することが好ましい。これによれば、第3の糸条体と第2の糸条体との協働によって釣糸ガイドの脚部の固定を確実ならしめることができる。また、この場合、抜け止め部が継合部の補強を兼ねることが好ましい。
また、上記構成では、中実竿杆の表面を覆う被覆層を更に備え、この被覆層上に第1の糸条体が巻回されることが好ましい。これによれば、被覆層によって金属表面を露出させないで済み、穂先竿の所望の外観を維持できる。なお、被覆層としては、例えば、糸条体、塗装、又は、カーボンシート等を挙げることができる。被覆層を糸条体によって形成する場合には、その上に巻回される第1の糸条体の竿杆に対する滑りを防止するアンカー効果を得ることができる。特に中空竿杆が樹脂製で且つ中実竿杆が金属製である場合、被覆層は、中実竿杆における金属の特性を損なわない厚さで形成されることが好ましい。
本発明によれば、穂先竿を構成する竿杆同士の継合部において応力集中を伴わない漸次的で滑らかな曲がりを実現できる継合構造を有する釣竿が得られる。
本発明に係る釣竿の一実施形態を示す側面図である。 図1の釣竿の穂先竿を構成する大径竿杆と小径竿杆の継合部を示す側断面図である。 図2のA部(継合部)を拡大して示す側断面図である。
以下、本発明に係る釣竿の一実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
図1に示されるように、本実施形態の釣竿1は、元竿3、中竿5、及び、穂先竿10を備えており、各竿は、並継ぎ式によって継合されている。また、釣竿1には、元竿3にリールシート4が設けられており、元竿3、中竿5、及び、穂先竿10には、リールシート4に装着されるリールRから繰り出される釣糸を案内する釣糸ガイドが適所に取着される。図1では、元竿3に設けられる釣糸ガイドが7Aで示され、中竿5に設けられる釣糸ガイドが7Bで示され、穂先竿10に設けられる釣糸ガイドが7Cで示される。また、穂先竿10の先端には、トップガイド8が取着されている。この場合、各釣糸ガイド7A,7B,7C及びトップガイド8は、竿杆の外周面に糸巻きや接着等によって取着されているが、一部に、軸方向に移動して固定されるタイプ(遊動ガイド)を用いてもよい。
なお、図1に示される釣竿1は、並継ぎ式として構成されるが、各竿の継合構造は、振出方式、逆並継方式、インロー方式であってもよい。また、中竿5は複数本(2本以上)あってもよく、無くてもよい。また、全体として1本竿で構成されていてもよい。
元竿3及び中竿5は、好ましくは、繊維強化樹脂製の管状体(中空竿杆)で構成されており、例えば、強化繊維(主に炭素繊維やガラス繊維等)にエポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸した繊維強化樹脂プリプレグ(プリプレグシート)を芯金に巻回して加熱工程を経た後、脱芯する等、定法にしたがって所定寸法の管状に形成されている。
また、図2に明確に示されるように、穂先竿10は、中空竿杆12と、この中空竿杆12よりも小径に形成されて中空竿杆12の穂先側に挿入固定される中実竿杆15とによって構成される。すなわち、穂先竿10は、継合部(表面に継ぎ目が存在する部分)60で中実竿杆15を中空竿杆12に差し込む継合構造を成している。この場合、大径の中空竿杆12は、元竿3や中竿5と同様、樹脂製のプリプレグシートを芯金に巻回し、加熱工程を経た後、脱芯する等、定法にしたがって所定寸法の管状体に形成され、また、小径の中実竿杆15は、中実状の芯材として構成されており、後述するように、基端側(元竿側)が中空竿杆12の先端開口12aに挿入されて接着剤等によって継合固定される。
また、本実施形態の小径の中実竿杆15は、穂先竿として撓み性を向上させている。具体的には、中実竿杆15は、撓み性が良好な素材、例えば、超弾性合金線材(Ni−Ti合金やFe−Al合金等の金属材料)によって形成されている。しかしながら、中実竿杆15は、金属以外の材料、例えば超弾性樹脂材料(ポリフェニールサルサン(PPSU))等によって形成されてもよい。この場合、炭素繊維等を長手方向に指向させ、これにエポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸して形成される繊維強化樹脂材料によって形成されていてもよい。
また、中実竿杆15は、中空竿杆12との継合部60を境に先細りのテーパ形状を成している。具体的には、中実竿杆15は、中空竿杆12内に挿入されるようになっている外径が一定のままであるストレート部15Aと、中空竿杆12から露出されるようになっているとともに穂先へ向けて漸進的に外径が減少するテーパ部15Bとから成る。なお、本実施形態の中実竿杆15は、このように中空竿杆12との継合部60から先(穂先側)が次第に小径化されているが、全長にわたってストレート状に延在していてもよい。
一方、大径の中空竿杆12は、その穂先側端部に、中実竿杆15のストレート部15Aを嵌合状態で挿入するための先端開口12aを有する。この場合、中実竿杆15を中空竿杆12に挿入する際には、面接部分に接着剤が塗布され、これにより中実竿杆15が中空竿杆12に挿入固定される。
また、このようにして中実竿杆15を中空竿杆12に挿入固定すると、中空竿杆12の先端開口12aの端縁12bと中実竿杆15の表面との間に段差62(図3参照)が生じる。この段差62を生じさせる部分、すなわち、図2に一点鎖線の円により参照符号Aで示される中実竿杆15と中空竿杆12との間の継合部60は、穂先竿10が大きく撓んだ際に応力集中する部分となる。そのため、本実施形態の穂先竿10は、この応力集中を効果的に分散させて漸次的で滑らかな曲がりを実現できる継合構造を有している。以下、これについて図3を参照しながら詳しく説明する。
本実施形態では、継合部60における穂先竿10の表面の前述した段差62を埋めるように中実竿杆15のテーパ部15Bの外周に第1の糸条体30が密に巻回される。この場合、第1の糸条体30は、断面が略円形状(円、楕円に加え、六角形のような多面状も含む)の例えばポリエステル等の合成樹脂、綿等の天然繊維等から形成される糸を穂先竿10の長手軸Oの方向に沿って例えば段差62よりも前方に載置される釣糸ガイド70の脚部70aの2倍程度の長さにわたって密接するように巻回することによって構成され、接着剤の塗布等により固定される。なお、この第1の糸条体30は、段差62による釣糸ガイド70の傾きを防止するために、その段差62の程度に応じて糸の太さが選定されることが好ましい。また、釣糸ガイド70の傾きを効果的に防止するために、本実施形態では、釣糸ガイド70の脚部70aから延びるガイド本体70bと中実竿杆15のテーパ部15Bとの間の隙間が塗装等(図では塗料90)によって埋める。
また、本実施形態において、継合部60の外周には、釣糸ガイド70の脚部70aを載置するための下地層を形成する第2の糸条体32が中空竿杆12と中実竿杆15上の第1の糸条体30とにわたって密に巻回される。この場合も、第2の糸条体32は、断面が略円形状(円、楕円に加え、六角形のような多面状も含む)の例えばポリエステル等の合成樹脂、綿等の天然繊維等から形成される糸を穂先竿10の長手軸Oの方向に沿って例えば段差62よりも前方に載置される釣糸ガイド70の脚部70aの2倍程度の長さにわたって密接するように中空竿杆12の外表面上及び第1の糸条体30上に巻回することによって構成され、接着剤の塗布等により固定される。
そして、本実施形態では、更に、第2の糸条体32上に釣糸ガイド70の脚部70aが載置されるとともに、釣糸ガイド70の脚部70aを継合部60に対して固定するための第3の糸条体33が脚部70aを外側から完全に取り囲むように且つ第2の糸条体32の外周をその全長の少なくとも一部で完全に覆うように密に巻回される。無論、この場合も先と同様に、第3の糸条体33は、断面が略円形状(円、楕円に加え、六角形のような多面状も含む)の例えばポリエステル等の合成樹脂、綿等の天然繊維等から形成される糸を穂先竿10の長手軸Oの方向に沿って例えば釣糸ガイド70の脚部70aの前方に2,3巻き程度の長さにわたって密接するように巻回することによって構成され、接着剤の塗布等により固定される。また、第2の糸条体32上における釣糸ガイド70の脚部70aの載置に関しては、継合部60における中空竿杆12と中実竿杆15との境界部が釣糸ガイド70の脚部70aの全長の中央に位置されることが望ましい。これにより、竿杆に作用する応力をバランス良く分散させることができる。
また、このような継合構造を有する本実施形態の穂先竿10は、第1の糸条体30の穂先側端部30aが第2の糸条体32の穂先側端部32aよりも穂先側に位置されるように且つ第2の糸条体32の穂先側端部32aが第3の糸条体33の穂先側端部33aよりも穂先側に位置されるように各糸条体30,32,33が延在することを特徴とする。すなわち、本実施形態の穂先竿10では、糸条体30,32,33が階段状に配設されることによって継合部60が位置される穂先竿10の外径が段階的に変化している。なお、中実竿杆15が先細りのテーパ状を成す(中実竿杆15がテーパ部15Bを有する)本構成の場合、糸条体30,32,33による穂先竿10の外径の段階的変化度合いは、中実竿杆15のテーパ部15Bのテーパ度合いに対応することが好ましい。
また、本実施形態の継合構造において、第2の糸条体32は、釣糸ガイド70の脚部70aが第3の糸条体33から穂先竿10の長手軸O方向で(図3では穂先側へ)抜けるのを防止する抜け止め部32aを有している。この場合、抜け止め部32aは、継合部60の補強も兼ねており、第2の糸条体32の穂先側端部32aの側で第2の糸条体32の上側に部分的に重なり合うように糸を更に巻回することによって構成され、前述したガイド傾き防止用の塗料90中に埋め込まれるように位置される。
また、本実施形態において、穂先竿10は、中実竿杆15の表面を覆う(本実施形態では、テーパ部15Bの表面をその全長にわたって覆う)被覆層34を更に備え、この被覆層34上に第1の糸条体30が巻回されている。この場合、被覆層34としては、例えば、糸条体、塗装、又は、カーボンシート等を挙げることができる。被覆層34を図3に示されるように糸条体によって形成する場合には、その上に巻回される第1の糸条体30の竿杆(テーパ部15B)に対する滑りを防止するアンカー効果を得ることができる。特に中空竿杆12が樹脂製で且つ中実竿杆15が金属製である本実施形態の場合、被覆層34は、中実竿杆15における金属の特性を損なわない厚さで形成されることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の糸条体30の穂先側端部30aが第2の糸条体32の穂先側端部32aよりも穂先側に位置されるように第1及び第2の糸条体30,32が階段状に配設されることによって継合部60が位置される穂先竿10の外径が糸条体30,32により段階的に変化するため、継合部60において応力が効果的に分散されて応力集中を伴わない竿杆12,15の漸次的で滑らかな曲がりを実現できる。すなわち、広範囲にわたって補強及び応力の分散が段階的になされることにより、継合部60での穂先竿10の撓み性が良くなり、穂先竿10の局所的な曲がり(例えば「へ」の字状の曲がり)を防止できる。
また、本実施形態によれば、継合部60における穂先竿10の表面の段差62を樹脂によって埋めるのではなく糸条体(第1の糸条体30)によって埋めるため、樹脂に比べてスムーズな竿杆12,15の曲がりを実現できるとともに、応力集中し易い継合部60で樹脂に亀裂が入って外観を損ねてしまうこともなくなる。これは、特に、本実施形態のように中実竿杆15が継合部50を境に先細りのテーパ形状を成すことにより継合部60の段差62が更に大きくなる場合に有益である。
また、本実施形態によれば、継合部60に中空竿杆12と中実竿杆15とにわたって釣糸ガイド70を装着しているため、釣糸ガイド70によって継合部60を補強して応力を分散させる(強度の向上を図る)ことができる。これは、特に、本実施形態のように継合部60で剛性差が大きくなって応力集中が生じ易くなる構造、すなわち、中実竿杆15が金属製で且つ中空竿杆12が樹脂製である場合に有益である。また、このように継合部60に釣糸ガイド70を装着すれば、前述した従来技術のように釣糸ガイドを継合部よりも穂先側に位置させた場合と比べて、糸巻き量を少なくでき(糸巻き範囲を短くでき)、バランスの良い外観をもたらすことができるとともに、糸量が減る分、軽量化を図ることもできる。
また、本実施形態によれば、釣糸ガイド70の脚部70aを継合部60に対して固定するための第3の糸条体33が更に設けられ、第2の糸条体32は、その穂先側端部32aが第3の糸条体33の穂先側端部33aよりも穂先側に位置されるように延在している。そのため、前述した糸条体の階段状の配設形態が更に促進され、竿杆12,15のより滑らかな漸進的湾曲を実現できる。
また、本実施形態において、第2の糸条体32は、釣糸ガイド70の脚部70aが第3の糸条体33から穂先竿10の長手軸O方向で抜けるのを防止する抜け止め部32aを有するため、第3の糸条体33と第2の糸条体32との協働によって釣糸ガイド70の脚部70aの固定を確実ならしめることができる。
また、本実施形態では、中実竿杆15の表面を覆う被覆層34が更に設けられ、この被覆層34上に第1の糸条体30が巻回されるため、被覆層34によって金属表面を露出させないで済み、穂先竿10の所望の外観を維持できる。
以上、添付図面に関連して本発明の実施形態を説明してきたが、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、糸条体の長さ、材質、及び、外径は任意に設定できる。第1乃至第3の糸条体以外の糸条体が更に存在していても構わない。
1 釣竿
10 穂先竿
12 中空竿杆
15 中実竿杆
30 第1の糸条体
32 第2の糸条体
32 抜け止め部
33 第3の糸条体
34 被覆層

Claims (4)

  1. 中空竿杆の穂先側に前記中空竿杆よりも小径の中実竿杆を挿入固定した継合部を有する穂先竿を備えた釣竿であって、
    前記継合部における前記穂先竿の表面の段差を埋めるように前記中実竿杆の外周に巻回される第1の糸条体と、
    前記継合部の外周に前記中空竿杆と前記中実竿杆上の前記第1の糸条体とにわたって巻回されて釣糸ガイドの脚部を載置するための下地層を形成する第2の糸条体と、
    を有し、
    前記第2の糸条体上に釣糸ガイドの脚部が載置され、前記第1の糸条体は、その穂先側端部が前記第2の糸条体の穂先側端部よりも穂先側に位置されるように延在することを特徴とする釣竿。
  2. 前記釣糸ガイドの脚部を前記継合部に対して固定するための第3の糸条体を更に備え、前記第2の糸条体は、その穂先側端部が前記第3の糸条体の穂先側端部よりも穂先側に位置されるように延在することを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
  3. 前記第2の糸条体は、前記釣糸ガイドの脚部が前記第3の糸条体から前記穂先竿の長手軸方向で抜けるのを防止する抜け止め部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の釣竿。
  4. 前記中実竿杆の表面を覆う被覆層を更に備え、この被覆層上に前記第1の糸条体が巻回されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の釣竿。
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