JP6972201B2 - 多層積層体及び包装体 - Google Patents

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本発明は、医薬品、医療品、化粧品、食品等を内容品として収容する多層積層体及び包装体に関し、より詳しくは、水分遮断性を有し且つ水分及びにおい成分を吸収する機能を有する多層積層体及び包装体に関する。
従来から、錠剤やカプセルなどの固形物を収納する包装にプレス・スルー・パッケージやブリスター包装を使用した包装体が広く使用されている。
プレス・スルー・パッケージ又はブリスター包装は錠剤やカプセルなどの固形物が封入される前のフィルムまたはシート状の単層又は多層の積層体を熱や圧力等により固形物を収納するための空間(ポケット)を成形した包装形態である。
単層又は多層の積層体からポケットを成形されたプレス・スルー・パッケージ又はブリスター包装は、ポケット部分の内側に錠剤やカプセルなどの固形の製剤を収容した状態で、その周縁部に蓋材を熱溶着することにより、製剤が収納されたプレス・スルー・パッケージ又はブリスター包装とする。収納されている製剤は、ポケット部分を押して蓋材部分を固形物で破くことで取り出すか、又は蓋材部分を指で破ったり、イージーピールの場合には剥離することで取り出すことが可能である。
プレス・スルー・パッケージ又はブリスター包装に収納される製剤の有効成分には、不快なにおいを発する薬剤がある。例えばACE阻害剤であるカプトプリル、ビタミンB1欠乏症治療薬のフルスルチアミン、抗リウマチ薬であるリマチル、肝機能増強剤であるL−システインは、それらの分子内のスルフヒドリル基由来のにおいを発する。またアンジオテンシンII受容体拮抗剤であるオルメサルタンメドキソミル製剤は、ジアセチル由来のにおいを発する。これらの製剤の中には空気中の水分の影響や製剤製造工程や包装工程、流通・保管時における水分の影響により、においを強く発するものもある。このように、医薬品の発するにおいは、患者が服薬時不快に感じるだけでなく、薬剤処方時や保管時に薬局における不快臭の原因ともなっている。
このような内容物のにおいを解決するための手段として、従来から様々な包装が提案されている。特許文献1、2には、疎水性ゼオライトを含有する紙からなる包装材料が開示されているが、水分遮断性を有する明確なバリア機能がなく、空気中の水分の影響によりにおいを強く発する製剤には適さない。
特許文献3には、吸収剤として疎水性ゼオライトを含有したにおい吸着層を有し、吸着層の上の最外層となるバリア層を順に積層したブリスター包装が提案されている。しかし、におい吸収剤を含有したにおい吸着層にも、最外層となるバリア層にも水分遮断性を明確に示すための水分透過量を示したバリア機構を設けてはいない。またバリア層に使用される樹脂としてポリプロピレンやポリ塩化ビニルが例示されているが、これらの樹脂は、水は直接には透過させない機能を有するものの、一般的に空気中の水分透過を遮断する機能が高いものではない。
特許文献4には、臭い吸着剤としてハイシリカゼオライト、疎水性ゼオライトを低密度ポリエチレンに含有した包装材が提案されている。しかし、臭い吸着剤を含有した吸着層にも、シートの他の層のいずれにも水分遮断性を明確に示すための水分透過量を示したバリア機構を設けてはいない。
特許文献5には、液体及び気体の少なくとも一方を吸収する吸収層を含むブリスターパック用積層体が提案されている。におい吸収剤として、合成ゼオライトをポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂に含有させた中間層を有している。しかし、におい吸収剤を含有した中間層にも、隣接する外スキン層、内スキン層のいずれの層にも、水分遮断性を明確に示すための水分透過量を示したバリア機構を設けてはいない。基材層にはPVC、ポリ塩化ビニリデンコートをしたPVCを使用可能であることが開示されているが、水分遮断性を明確に示すための水分透過量を示したバリア機構は設けてはいない。また一般に水分透過量が多いPVCがポリ塩化ビニリデンコートをしたPVCと併記されており、どちらを採用しても良いことから、水分の透過とにおい発生との関係についても十分な検討がなされていないと考えられ、完全に問題を解決するに至っていない。
特許第2538487号公報 特許第2994921号公報 特許第4659523号公報 特許第5241503号公報 特開2013−199283号公報
本発明は従来の欠点に鑑み、錠剤やカプセルなどの固形製剤から発生する「におい」及び、製剤自体が含有する水分や包装体内の空気に含まれる水分を吸収又は吸着する吸収層を有し、
且つ包装体外部の水分の包装体内部への透過を遮断する水分遮断層を有することによりにおいの発生を抑えることが可能な多層積層体及び包装体を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を行った結果、少なくとも1層の吸収層及び少なくとも1層の水分遮断層を含む多層構造を有する多層積層体であって、前記多層積層体の総厚みが60μm以上、500μm以下であり、前記水分遮断層の水分透過量が0.7(g/m・40℃・90%RH・24時間)以下であることを特徴とする多層積層体とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記多層積層体及び包装体を提供する。本発明は、下記の構成をとる。
請求項1:
酸化カルシウムを含むにおい吸収層及び/又は水分遮断層を有する多層積層体であって、
前記多層積層体は、少なくとも1層のにおい吸収層及び少なくとも1層の水分遮断層を有し、
前記水分遮断層は、前記積層体の少なくとも一方の表面に、又は、前記少なくとも一方の表面と前記におい吸収層との間に設けられた多層構造を有し、
又は、少なくとも1層のにおい吸収層を兼ねる水分遮断層が設けられた多層構造を有しており、
さらに、前記におい吸収層より一方の表面側にフッ素系樹脂を主成分として含有するフッ素樹脂含有層を有し、
前記多層積層体の総厚みが60μm以上、500μm以下であり、
前記多層積層体の水分透過量が0.7(g/m・40℃・90%RH・24時間)以下であることを特徴とする多層積層体。
請求項2:
前記酸化カルシウムの50%粒子径が2μm以上、40μm以下であることを特徴とす る請求項1に記載の多層積層体。
請求項3:
前記におい吸収層及び/又はにおい吸収層に隣接する層が、環状オレフィン系樹脂を20%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の多層積層体。
請求項4:
前記におい吸収層及び/又はにおい吸収層に隣接する層が、環状オレフィン系樹脂を50%以上含有することを特徴とする請求項3に記載の多層積層体。
請求項5:
前記フッ素系樹脂がポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)であることを特徴とす る請求項4に記載の多層積層体。
請求項6:
請求項1の多層積層体から製造される包装体。
請求項7:
前記水分遮断層及び/又は前記フッ素樹脂含有層が、前記包装体の最内層側に設けられ た前記におい吸収層よりも最外層側に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の包装体。
請求項8:
ACE阻害剤のカプトプリル、ビタミンB1欠乏症治療薬のフルスルチアミン、抗リウマチ薬のリマチル、肝機能増強剤のL−システイン、アンジオテンシンII受容体拮抗剤のオルメサルタンメドキソミル製剤が充填されることを特徴とする請求項6に記載の包装体。
([原出願の特許請求の範囲]
請求項1:
吸収層及び/又は水分遮断層を有する多層積層体であって、
前記多層積層体は、少なくとも1層の吸収層及び少なくとも1層の水分遮断層を有し、前記水分遮断層は、前記積層体の少なくとも一方の表面に、又は、前記少なくとも一方の表面と前記吸収層との間に設けられた多層構造を有し、
又は、少なくとも1層の吸収層を兼ねる水分遮断層を設けられた多層構造を有しており、
前記多層積層体の総厚みが60μm以上500μm以下であり、
前記水分遮断層の水分透過量が0.7(g/m・40℃・90%RH・24時間)以下であることを特徴とする多層積層体。
請求項2:
前記吸収層がアルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属の硫酸塩、金属酸化物及びゼオライト、活性炭及びそれらの一部を改質・変性した修飾体の1つ以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の多層積層体。
請求項3:
前記吸収層が酸化カルシウムを含むことを特徴とする請求項2に記載の多層積層体。
請求項4:
前記酸化カルシウムの50%粒子径が2μm以上、40μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の多層積層体。
請求項5:
前記吸収層及び/又は吸収層に隣接する層が、環状オレフィン系樹脂を20%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の多層積層体。
請求項6:
前記吸収層及び/又は吸収層に隣接する層が、環状オレフィン系樹脂を50%以上含有することを特徴とする請求項5に記載の多層積層体。
請求項7:
前記吸収層より一方の表面側にフッ素系樹脂を主成分として含有するフッ素樹脂含有層を有することを特徴とする請求項1に記載の多層積層体。
請求項8:
前記フッ素系樹脂がポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)であることを特徴とする請求項7に記載の多層積層体。
請求項9:
請求項1の多層積層体から製造される包装体。
請求項10:
前記水分遮断層及び/又は前記フッ素樹脂含有層が、前記包装体の最内層側に設けられた前記吸収層よりも最外層側に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の包装体。
請求項11:
ACE阻害剤のカプトプリル、ビタミンB1欠乏症治療薬のフルスルチアミン、抗リウマチ薬のリマチル、肝機能増強剤のL−システイン、アンジオテンシンII受容体拮抗剤のオルメサルタンメドキソミル製剤が充填されることを特徴とする請求項9に記載の包装体。)
本発明の多層積層体及び包装体は、収納される錠剤やカプセルなどの固形製剤から発生する「におい」を抑えることを目的として、におい成分と水分の両者を吸収又は吸着する吸収層を有し、且つ製剤自体が含有する水分や包装体内の空気や包装外の空気に含まれる水分により発生するにおいを抑えるために水分透過量0.7(g/m・40℃・90%RH・24時間)以下となる水分遮断層を有する多層構成からなるフィルム又はシートであり、錠剤やカプセルなどの固形製剤などを収納する容器として、安価で実用性に優れている。
詳細には以下の通りである。なお、原出願の特許請求の範囲に基づくものである。
請求項1の発明によれば、におい成分と水分の両者を吸収又は吸着する事が可能であり、製剤自体が持つにおいの他に、保存、流通過程にて製剤に残存する水分や包装体内の空気中の水分、包装体外の空気中の水分により製剤が分解あるいは変質することで発生するにおいも吸収又は吸着することができる。特にこれまでの知見では明確には見出されていなかったにおいを吸収又は吸着する吸収層と水分透過量0.7(g/m・40℃・90%RH・24時間)以下の水分遮断層とを有する構成とすることにより、水分の影響により発生するにおいをより効果的に抑えることができる。
請求項2、3の発明によれば、においと水分を効率良く吸収又は吸着することが出来き、中でもアルカリ土類金属酸化物として酸化カルシウムを単独で選択するか、複数種を組み合わせて選択する事により、その効果をより高める事ができ、且つゼオライトを単独で選択するよりも安価に製造する事が可能である。
請求項4の発明によれば、酸化カルシウムの粒径を50%粒子径が2μm以上40μm以下とすることで、重量対比での表面積を広げる事が可能となり、吸収効率を向上させることができることと、添加量を減らすことが可能となりより安価に製造する事ができる。また透明性を向上すること事ができるため、内容物の視認性を向上させることができるため誤飲防止にも役立つことができる。
請求項5、6の発明によれば、吸収層及び/又は吸収層に隣接する層の樹脂として、環状オレフィン系樹脂を20%以上、好ましくは50%以上含有するように構成する事で、水分透過量を0.7以下にすることが容易となり、またプレス・スルー・パッケージやブリスター包装とするためのポケット成形性がし易くすることができる。
請求項7、8の発明によれば、吸収層より一方の表面側にフッ素系樹脂を主成分として含有するフッ素樹脂含有層を設け、特にフッ素樹脂をポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)で構成することにより、水分透過量を0.7以下にするための水分遮断層の厚みを20μm以下と薄膜とすることができるため、水分透過量を低くすることと合わせて、多層積層体の硬さを柔らかくすることが可能となり、プレス・スルー・パッケージ又はブリスター包装形態の包装体とした場合に患者が薬剤を取り出す時の開封性を向上することができる。
請求項9、10の発明によれば、におい成分と水分の両者を吸収又は吸着する事が可能であり、製剤自体が持つにおいの他に、保存、流通過程にて製剤に残存する水分や包装体内の空気中の水分、包装体外の空気中の水分により製剤が分解あるいは変質することで発生するにおいも吸収又は吸着することができる。特にこれまでの知見では明確には見出されていなかった水分透過量0.7(g/m・40℃・90%RH・24時間)以下の水分遮断層を有する構成とすることにより、水分の影響により発生するにおいをより効果的に抑える包装体を得ることができる。
請求項11の発明によれば、ACE阻害剤のカプトプリル、ビタミンB1欠乏症治療薬のフルスルチアミン、抗リウマチ薬のリマチル、肝機能増強剤のL−システイン、アンジオテンシンII受容体拮抗剤のオルメサルタンメドキソミル製剤のにおいを吸収又は吸着する事により、服薬時や調剤・保管時の臭気による問題を解決する事ができる。
(a)〜(f)は、本発明の多層積層体及び包装体の層構成を示す断面模式図である。
以下、本発明に係る多層積層体及び包装体の好適な実施の形態につき説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る多層積層体及び包装体の層構成の組合せを例示する断面模式図である。
図中の層間には必要に応じて図示しない接着層やガスバリア層、水蒸気バリア層を単独または複数層設けることもできる。
本発明の多層積層体及び包装体において最内層とは、本発明の多層積層体の一方の表面であり、多層積層体を包装体とした際に、該包装体に収容される内容品と直接に接触する層を指す。
本発明の多層積層体及び包装体において最外層とは、本発明の多層積層体の一方の表面であり、多層積層体を包装体とした際に、該包装体の最外層となって当該包装体の外部と接触する層を指す。
最外層に水分遮断を設け、そのまま包装体の最外層とすることもできる。
本発明の多層積層体は、におい成分と水分の両者を吸収又は吸着する吸収層を少なくとも1層以上含む多層構成からなるフィルム又はシートであり、吸収層は1層以上、3層以下が好ましい。4層以上とすることも可能だが、これ以上に層を増やす事による効果には差が生じないことから3層以下が好ましい。吸収層の合計厚みは、10μm以上200μm以下が好ましい。10μmより薄いと水分とにおいの吸収効果が乏しくなり好ましくない。200μmを超えて使用することも可能で吸収効果も高まるが、透明性が著しく劣り、内容物の視認性が落ちる為、誤飲の可能性が高まることと、コストが高くなり好ましくない。
本発明で水分遮断層とは、水分遮断層単独、及び吸収層を兼ねる水分遮断層を示し、水分透過量0.7(g/m・40℃・90%RH・24時間)以下、より好ましくは0.6(g/m・40℃・90%RH・24時間)以下となる前記水分遮断層で構成される多層構成からなるフィルム又はシートとすることにより、特に保存、流通過程にて内容品を収容した包装体内の空気中の水分や、前記包装体と厚みが6μm以上、好ましくは9μm以上のアルミニウム又は合金箔を使用した多層構成のフィルムで集積包装した外装包装内の空気中の水分、或いは外装包装を開封した場合の外の空気中の水分透過により、製剤が分解あるいは変質することで発生するにおいを極力抑え、同時に水分とにおい成分を効率よく吸収することが可能となる。このような構成とすることにより、水分透過によるにおい発生を抑えることが可能であり、使用する吸収剤の量を少なくすることが可能であり、より安価に製造することが可能となる。このような知見はこれまで明確には見出されていなかった。水分遮断層は単独で設けても複数層を設けても問題はなく、その合計厚みは10μm以上、300μm以下が好ましい。
尚、外装包装のフィルム構成は、一般的には外側から順にポリエステル12μm、ポリエチレン13μm、アルミニウム9μm、ポリエチレン30μmをラミネートした積層フィルムか、ポリエステル12μm、アルミニウム9μm、ポリエチレン30μmをラミネートした積層フィルムを使用する事ができる。使用するポリエステルやポリエチレンは一般的な石油由来の樹脂を使用することもできるが、バイオマス由来の樹脂を使用したものであると環境への配慮の上で好ましく、合計のバイオマス度が15%以上であるとより好ましい。更に外装包装がピロー包装の場合にはガセットの折込部に沿って表層のポリエステルのみにミシン目を施した易開封性を付与したものであると使用性が向上する為、より好適である。
アルミニウムとシーラントのポリエチレンの間には、水分やにおいを吸収する吸収層を単独或いは多層共押出で設けた構成としても良く、また外装包装内に水分やにおいを吸収する吸収剤を封入した小袋を入れる事もできる。
多層積層体の総厚みは、60μm以上500μm以下、より好ましくは150μm以上350μm以下とすることにより、プレス・スルー・パッケージ又はブリスター包装などのポケットを成形する用途の場合では成形が容易になる為、製造コストを低減する事が可能であり好ましい。また500μm以上であるとポケットの成形性が劣ることと、ホケットをつぶして内容品を押出す時の開封強度が大きくなり、容易に取り出せなくなる為好ましくない。150μm以下ではブリスター成形用途ではなく、包装袋用のフィルム用途としての利用が可能である。
吸収層に含まれる吸収剤は、従来公知の水分及びにおいを吸収するものであれば特に制限はないが、Ca、Sr、Ba、Ra等のアルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属の硫酸塩、その他の金属酸化物及びゼオライト、活性炭、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム及びそれらの一部を改質・変性した修飾体の1つ以上を単層、或いは複数層として含有することで、水分とにおいを同時に吸収できるように層を構成する事ができる。特にゼオライトは疎水性ゼオライトと親水性ゼオライトを使用する事が可能であるが、親水性ゼオライトであると水分吸収能力が高く、より好適である。吸収層に含有される前記吸収剤は合計で7重量%以上50%以下の含有量であると好ましい。7重量%より少ないと吸収能力が十分ではなく、また50重量%を超えて使用する事も可能であるが、透明性が更に低下する事とコストが上昇するため好ましくない。
吸収層として、酸化カルシウム及び/又は親水性ゼオライトを含有するように構成することで、水分とにおいを同時に効率よく吸収する事が可能であり、ハイシリカゼオライト等の疎水性ゼオライトを単独で使用するよりも安価に製造する事が可能であり、より好ましい。前記酸化カルシウム及び/又は親水性ゼオライトは合計で15重量%以上40%以下の含有量であるとより好ましい。15重量%以下では吸収能力が十分ではなく、40重量%を超えて使用する事も可能であるが、透明性が更に低下するため好ましくない。
本発明において、吸収層に使用する酸化カルシウムは、酸化カルシウムの粒径を50%粒子径が2μm以上40μm以下とすることで、吸収層に配合する重量対比での表面積を効率よく広げる事が可能となり、吸収効率を向上させることができ、添加量を低減することが可能となり、より安価に製造する事ができることまた透明性を向上することができるため、内容物の視認性を向上させることができるため誤飲防止にも役立つことができるので好ましい。90%粒子径が4μm以上60μm以下とすることで、さらに効果を高める事ができるためより好ましい。
吸収層及び/又は吸収層に隣接する層が、環状オレフィン系樹脂を20%以上、好ましくは50%以上含有することで、水分遮断と成形性を併せ持つことが可能となり好適である。環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度はポケットの成形性の観点から160℃以下が好ましく、より好ましくは140℃以下、110℃以下であると価格が安くなるため最も好ましい。160℃を超えると硬さが一層増加してポケットの成形時の温度コントロールが困難となり好ましくない。またガラス転移温度が上がると価格も上昇する傾向であり、特に160℃以上は電子・光学用途向けとなりより高価となるため好ましくない。
使用する環状オレフィン系樹脂はノルボルネンであれば特に制限はないが、例えば、種々の環状オレフィンモノマーの重合体や、環状オレフィンモノマーとエチレンなどの他のモノマーとの共重合体およびそれらの水素添加物などが挙げられる。環状オレフィンモノマーとしては、例えばノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、塩素化ノルボルネン、クロロメチルノルボルネン、トリメチルシリルノルボルネン、フェニルノルボルネン、シアノノルボルネン、ジシアノノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、ピリジルノルボルネン、ナヂック酸無水物、ナヂック酸イミドなどの二環シクロオレフィン;ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体などの三環シクロオレフィン;ジメタノヘキサヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフタレンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体などの四環シクロオレフィン;トリシクロペンタジエンなどの五環シクロオレフィン;ヘキサシクロヘプタデセンなどの六環シクロオレフィンなどが挙げられる。また、ジノルボルネン、二個のノルボルネン環を炭化水素鎖またはエステル基などで結合した化合物、これらのアルキル、アリール置換体などのノルボルネン環を含む化合物が挙げられる。本発明の環状オレフィン系樹脂としては、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン、テトラシクロドデセンといった、分子骨格中にノルボルネン骨格を含むノルボルネン系モノマーの1種または2種以上を重合して得られるポリノルボルネン系樹脂、またはその水素添加物、およびそれらを1種または2種以上を混合したものが、成形した際の強度および柔軟性の観点から好ましい。
なお、本発明における環状オレフィン系樹脂のモノマー分子の重合方法や重合機構としては、開環重合であっても、付加重合であっても良い。また、複数種のモノマーを併用する場合の重合方法や重合機構としては、公知の方法を用いることができ、モノマー時に配合して共重合を行っても良いし、ある程度重合した後に配合してブロック共重合しても良い。
上記環状オレフィン系樹脂の具体的な構造としては、例えば、下記一般式(1)または(2)で表される構造式を示すことができる。このうち特に下記一般式(1)で示される環状オレフィン系樹脂で構成される場合には、衝撃や圧力等による層自体の割れやクラック発生が少なく、特に薬剤の保存安定性を向上させる上でより高い効果を示す。また下記一般式(2)で示される環状オレフィン系樹脂で構成される場合には、他の層との層間接着強度がより高まり、多層積層体としての安定性が向上することを見出したものである。
Figure 0006972201
(式中、R1、R2、R3およびR4は互いに同一または異種の炭素数1〜20の有機基を示し、また、R1とR2、および/またはR3とR4は互いに環を形成していてもよい。m、pは0または1以上の整数を示す。l、nは1以上の整数を示す。)
上記炭素数1〜20の有機基として、より具体的には、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、i−ペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、t−オクチル(1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル)、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等のアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等のシクロアルキル基;1−メチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチル−4−i−プロピルシクロヘキシル等のアルキルシクロアルキル基;アリル、プロペニル、ブテニル、2−ブテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ビフェニル基、フェノキシフェニル基、クロロフェニル基、スルホフェニル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基(フェネチル基)、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基等のアラルキル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらは1種を単独で、あるいは2種以上を併用しても良い。
このような環状オレフィンのガラス転移温度は、上記一般式(1)、(2)中のl、m、n、pの値、あるいは置換基を適宜選択することにより適宜調整することが可能である。上記一般式(1)、(2)以外の環状オレフィンのガラス転移温度についても、用いるモノマー種、モノマー種の配合割合、モノマー配列、置換基の種類などを適宜設定することにより、任意に調整することができる。
上記一般式(1)で示される環状オレフィンとしては市販品を用いることができ、例えば日本ゼオン株式会社製のゼオネックス、ゼオノアを好適に用いることができる。上記一般式(2)で示される環状オレフィンとしては市販品を用いることができ、例えば三井化学株式会社製のアペル、Topas Advanced Polymers GmbH社製のTOPAS、JSR製のARTONを好適に用いることができる。
本発明の環状オレフィンとしては、上記一般式(1)で示されるものを用いるのが最も好ましいが、層間接着強度や価格等の利点から上記一般式(2)で示される樹脂を使用しても良く、単独で構成されるか、複数種を混合しても良い。また別々の層としてそれぞれを構成しても良い。また他の樹脂種が含有されないことがより好ましいが、環状オレフィン系樹脂を20%以上、好ましくは50%以上含有する範囲で添加することもできる。他の樹脂としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂が好ましいが、通常使用できる樹脂であれば特に限定されない。
フッ素樹脂含有層は、フッ素系樹脂を主成分として含有しており、本発明において使用できるフッ素系樹脂としては、フッ素を含むオレフィンを重合して得られる合成樹脂であり、他の樹脂やモノマーとの共重合体や修飾体、置換体を含む従来公知のフッ素系樹脂を使用することができ、密度が1.3g/cm以上であれば特に制限はない。密度が1.3g/cm未満であると、水分遮断効果が十分に得られなくなり、好ましくない。このようなフッ素系樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(略号:PTFE)、ポリクロロ三フッ化エチレン(ポリクロロトリフルオロエチレン 略号:PCTFE,CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(略号:PVDF)、ポリフッ化ビニル(略号:PVF)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(略号:PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(略号:FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(略号:ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(略号:ECTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、パーフルオロエチレン−プロペンコポリマー(FEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、パーフルオロエチレンープロピレン共重合体、パーフルオロエチレンプロペン共重合体、ポリふっ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチン、テトラフルオロエチレンーパーフルオロジオキソール共重合体、ポリふっ化ビニル、接着性を改良したEFEP、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/クロロトリフルオロエチレン共重合体(CPT)等が挙げられる。なかでも、より好ましくはポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)であると、水分遮断効果を出すための厚みを薄くすることが可能であり最も好ましい。
本発明の多層積層体及び包装体が適用可能な薬剤としては、においのある薬剤や水分によりにおいをより発生させる薬剤であれば特に制限はないが、例えばACE阻害剤のカプトプリル、ビタミンB1欠乏症治療薬のフルスルチアミン、抗リウマチ薬のリマチル、肝機能増強剤のL−システイン、アンジオテンシンII受容体拮抗剤のオルメサルタンメドキソミル製剤及びそれらの誘導体/修飾体に対しての適用が、服薬性、誤飲防止性、保存安定性の観点から好ましく、なかでも水分の存在によりにおいを強く発生させるオルメサルタンメドキソミル製剤及びそれらの誘導体/修飾体であるとより好ましい。
本発明は吸収層と水分遮断層を有する多層積層体であり、最外層と最内層及び中間層、接着層を必要に応じて設ける事ができる。各層に使用できる樹脂としては、密度0.88〜0.95の直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂や密度0.94〜0.98の高密度ポリエチレン系樹脂や密度0.88〜0.91のポリプロピレン系樹脂を使用すると柔軟性を高めることができ、衝撃強度を向上させる観点から好ましい。この他、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンやエチレンとプロピレンのランダム共重合体やブロック共重合体、ポリエチレン系エラストマーやポリプロピレン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、メチルテンペン、ポリブテン、ポリエチレンもしくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂を用いることができる。また多層として他の樹脂層と接着するために接着性樹脂層を中間層として使用する事も出来る。
前記直鎖状低密度ポリエチレンの融点としては、JIS K7121(DSC)にて測定した融解ピーク温度の値として、105〜130℃であるのが好ましく、110〜130℃であるのが特に好ましい。前記高密度ポリエチレンの融点としては、JIS K7121(DSC)にて測定した融解ピーク温度の値として、120〜145℃であるのが好ましく、130〜140℃であるのが特に好ましい。前記ポリプロピレンの融点としては、JIS K7121(DSC)にて測定した融解ピーク温度の値として、118〜170℃であるのが好ましく、123〜165℃であるのが特に好ましい。また、上記の直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンやポリプロピレンを主成分とするポリマーのブレンドであってもよい。さらに、上記ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂には、従来公知の酸化防止剤、光安定剤、中和剤、α晶核剤、β晶核剤、アンチブロッキング剤、滑剤等の各種添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することができる。
なお、本発明において主成分というときは、その成分の含有量が50重量%以上の場合を指す。
本発明の多層積層体は、吸収層と水分遮断層を含む多層構成からなるフィルム又はシートであって、その製造方法は、ドライラミネーションや、押出コーティング、押出しラミネーション、共押出インフレーション法や共押出Tダイ法等の共押出ラミネーション、共押出水冷インフレーション、ヒートラミネーションなどの従来公知の方法を単独または組み合わせて用いることが出来る。さらにシートにガスバリア性を付与するため、幾つかの層をバリア層として積層していてもよい。前記バリア層として積層する材料として、シリカあるいはアルミナの蒸着PETフィルムや蒸着ナイロンフィルム、アルミ蒸着PET、アルミ蒸着ナイロン、有機及び/又は無機のナノコンポジット樹脂又は有機及び/又は無機のナノコンポジットコートフィルム、アルミ箔、EVOH、PVA樹脂又はそのコート、PVDC樹脂又はそのコート、MXDナイロン等を使用することができる。異材質の樹脂、フィルムを用いて多層とする場合に、二液硬化型のポリエステルウレタン系接着剤やポリエーテルウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等の有機系接着剤を安全衛生性に十分配慮した上で使用することができ、接着性樹脂としては、異種材質との接着性に優れるものであれば従来公知の樹脂を用いることができ、単独或いは複数を使用することが出来る。接着性樹脂としては、酸変性ポリオレフィン樹脂やメタロセン系LLDPE等が挙げられる。酸変性ポリオレフィン樹脂として好適な樹脂の具体例としては、金属架橋ポリエチレン(アイオノマー)、エチレン―アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン―メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン―アクリル酸エチル共重合体(EEA)、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどが挙げられる。酸変性ポリオレフィン樹脂の原料にグラフト重合される不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、またはそれらの酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩等の誘導体を挙げることができる。メタロセン系LLDPEは、メタロセン触媒を用いて重合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。例えば、三井化学製のアドマー、三菱化学製のモディック、東ソー製のDLZや密度0.91以下のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンなどがあげられる。
以下、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
[実施例および比較例]
図1に示す構成にて水分遮断層、吸収層を有する2層以上の多層積層体及び包装体を構成した。詳細な構成を表1に具体的に示す。
なお、多層積層体及び包装袋を構成する樹脂として、吸収層は下記a〜g、水分遮断層は下記I〜VIを使用した。
a:50%粒子径が6μm、90%粒子径が25μmの酸化カルシウムを30重量%含有するMFR9の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ノバテック)67重量%、MFR18のポリプロピレン(プライムポリマー社製プライムポリプロ)23重量%、MFR10のスチレン系エラストマー(クレイトンポリマー社製SEBS KRATON)10重量%。
b:50%粒子径が6μm、90%粒子径が25μmの酸化カルシウムを30重量%含有するMFR9の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ノバテック)67重量%、ガラス転移温度80℃、MFR30の環状オレフィン樹脂(三井化学製アペル)23重量%、MFR10のスチレン系エラストマー(クレイトンポリマー社製SEBS KRATON)10重量%。
c:50%粒子径が6μm、90%粒子径が25μmの酸化カルシウムを30重量%含有するMFR9の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ノバテック)67重量%、MFR9のポリプロピレン(プライムポリマー社製プライムポリプロ)23重量%、MFR10のスチレン系エラストマー(クレイトンポリマー社製SEBS KRATON)10重量%。
d:50%粒子径が6μm、90%粒子径が25μmの酸化カルシウムを30重量%含有するMFR9の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ノバテック)60重量%、親水性ゼオライト(ユニオン昭和製モレキュラーキューブ)を30重量%含有するMFR9の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ノバテック)7重量%、MFR18のポリプロピレン(プライムポリマー社製プライムポリプロ)23重量%、MFR10のスチレン系エラストマー(クレイトンポリマー社製SEBS KRATON)10重量%。
e:50%粒子径が3μm、90%粒子径が15μmの酸化カルシウムを30重量%含有するガラス転移温度70℃、MFR20の環状オレフィン樹脂(日本ゼオン製ゼオノア)90重量%、MFR10のスチレン系エラストマー(クレイトンポリマー社製SEBS KRATON)10重量%。
f:50%粒子径が40μm、90%粒子径が60μmの酸化カルシウムを30重量%含有するMFR9の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ノバテック)67重量%、MFR18のポリプロピレン(プライムポリマー社製プライムポリプロ)23重量%、MFR10のスチレン系エラストマー(クレイトンポリマー社製SEBS KRATON)10重量%。
g:50%粒子径が6μm、90%粒子径が25μmの酸化カルシウムを50重量%含有するMFR9の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ノバテック)40重量%、ガラス転移温度80℃、MFR30の環状オレフィン樹脂(三井化学製アペル)50重量%、MFR10のスチレン系エラストマー(クレイトンポリマー社製SEBS KRATON)10重量%。
h:50%粒子径が6μm、90%粒子径が25μmの酸化カルシウムを30重量%含有するMFR9の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ノバテック)50重量%、MFR18のポリプロピレン(プライムポリマー社製プライムポリプロ)40重量%、MFR10のスチレン系エラストマー(クレイトンポリマー社製SEBS KRATON)10重量%。
I:ガラス転移温度が80℃、MFR30の環状ポリオレフィン(三井化学製アペル)
II:ガラス転移温度が70℃、MFR20の環状ポリオレフィン(日本ゼオン製、ゼオノア)
III:ガラス転移温度が135℃、MFR15の環状ポリオレフィン(三井化学製、アペル)
IV:密度2.1のフッ素系樹脂(ポリクロロトリフルオロエチレン)
V:密度2.12のフッ素系樹脂(ダイキン製、ネオフロン)
VI:ガラス転移温度が163℃、MFR6の環状ポリオレフィン(日本ゼオン製ゼオネックス)
VII:ガラス転移温度が65℃、MFR7の環状ポリオレフィン(ポリプラスチックス製、トパス)
VIII:ガラス転移温度が80℃、MFR13の環状ポリオレフィン(ポリプラスチックス製、トパス)
多層積層体を構成するために、最内層、最外層及び各層間に中間層や接着性樹脂を使用しても良く、下記α〜γを使用した。
α:MFR20のポリプロピレン系エラストマー(三菱化学製ゼラス)50重量%とMFR7のポリプロピレン(日本ポリプロ製ウィンテック)30重量%、MFR8のポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)10重量%、MFR10のスチレン系エラストマー(クレイトンポリマー社製SEBS KRATON)10重量%。
β:ポリ塩化ビニル(三菱樹脂製ビニホイル)
γ:MFR18のポリプロピレン(プライムポリマー製プライムポリプロ)50重量%とMFR9のポリプロピレン(プライムポリマー製プライムポリプロ)50重量%
Figure 0006972201
[製造方法1]
実施例1〜4、7、8、10〜14、16〜21及び比較例1は、表1に示す構成として、共押出しTダイ法により多層積層体を作製した。その後、多層積層体の最内層側をポケットの内側となるようにしてCKD株式会社製の成型機にてポケットを作製し、薬剤としてオルメサルタンメドキソミル製剤を充填した後、東洋アルミニウム株式会社製のアルミリッド材にて熱溶着して密封してプレス・スルー・パッケージ(PTP)を作製した。
[製造方法2]
実施例5は、表1に示す構成として、共押出しTダイ法により中間層/吸収層/最内層の3層の多層積層体を作製した後、水分遮断層としてIVと最外層としてβを順次2液硬化型のポリエステル系ウレタン接着剤(三井化学株式会社製タケラック/タケネート)を使用してドライラミネートを行って多層積層体を作製した。その後、製造方法1と同様にプレス・スルー・パッケージ(PTP)を作製した。
[製造方法3]
実施例6は、表1に示す構成として、共押出しTダイ法により中間層/吸収層/最内層の3層の多層積層体を作製した後、水分遮断層としてIVを最外層として、2液硬化型のポリエステル系ウレタン接着剤(三井化学株式会社製タケラック/タケネート)を使用してドライラミネートを行って多層積層体を作製した。その後、製造方法1と同様にプレス・スルー・パッケージ(PTP)を作製した。
[製造方法4]
実施例9は、表1に示す構成として、共押出しTダイ法により中間層/吸収層/最内層の3層の多層積層体を作製した後、あらかじめ製膜したVを水分遮断層として最外層として、2液硬化型のポリエステル系ウレタン接着剤(三井化学株式会社製タケラック/タケネート)を使用してドライラミネートを行って多層積層体を作製した。その後、製造方法1と同様にプレス・スルー・パッケージ(PTP)を作製した。
[製造方法5]
実施例15は表1に示す構成として、共押出しTダイ法により多層積層体を作製した。その後、薬剤としてオルメサルタンメドキソミル製剤を充填した後、4方シール袋を作製した。
[製造方法6]
比較例2は、表1に示す構成として、共押出しTダイ法により中間層/吸収層/最内層の3層の多層積層体を作製した後、最外層としてβを2液硬化型のポリエステル系ウレタン接着剤(三井化学株式会社製タケラック/タケネート)を使用してドライラミネートを行って多層積層体を作製した。その後、製造方法1と同様にプレス・スルー・パッケージ(PTP)を作製した。
[評価方法]
本発明の多層積層体及び包装体について、下記の評価を行った。
<水分透過量(g/m・40℃・90%RH・24時間)>
多層積層体及び包装体を評価するため、上記実施例および比較例の多層積層体の水分透過試験をMOCON社製の水蒸気透過試験機を使用してJIS K 7129に則って評価した。
結果を表2に示す。
<におい試験>
多層積層体及び包装体を評価するため、上記実施例および比較例の包装体(PTP及び4方シール袋)のにおいの発生を官能試験により評価した。
結果を表2に示す。
Figure 0006972201
実施例1〜14および16〜21では、水分遮断層の水分透過量は0.7(g/m・40℃・90%RH・24時間)以下となっており、アルミニウム構成の外装袋(ピロー包装)を開封して、プレス・スルー・パッケージをそのままの状態で23℃、75%RH環境下で2週間保存した後にアルミリッド材を破り、ポケット内のにおいを官能試験により評価した結果、際立った不快なにおいの発生はなく、におい発生を抑制していることを確認した。
実施例15では、水分遮断層の水分透過量は0.7(g/m・40℃・90%RH・24時間)以下となっており、アルミニウム構成の外装袋(ピロー包装)を開封して、4方シール袋をそのままの状態で23℃、75%RH環境下で2週間保存した後に4方シール袋を開封し、袋内のにおいを官能試験により評価した結果、際立った不快なにおいの発生はなく、におい発生を抑制していることを確認した。
一方、比較例1、2では、いずれもアルミニウム構成の外装袋(ピロー包装)を開封して、プレス・スルー・パッケージをそのままの状態で23℃、75%RH環境下で2週間保存した後にアルミリッド材を破り、ポケット内のにおいを官能試験により評価した結果、際立った不快なにおいを発生しており、におい発生を抑制出来ていないことを確認した。
1 水分遮断層
2 吸収層
3 最内層
4 最外層
5 吸収層を兼ねる水分遮断層
6 中間層

Claims (9)

  1. 少なくとも1層の、におい吸収剤として酸化カルシウムを含むにおい吸収層、及び、少なくとも1層の水分遮断層を有する多層積層体であって、
    前記水分遮断層は、前記積層体の少なくとも一方の表面に、又は、前記少なくとも一方の表面と前記におい吸収層との間に設けられた多層構造を有し、
    さらに、前記におい吸収層より一方の表面側にフッ素系樹脂を主成分として含有するフッ素樹脂含有層を有し、
    前記多層積層体の総厚みが60μm以上、500μm以下であり、
    前記多層積層体の水分透過量が0.7(g/m・40℃・90%RH・24時間)以下であることを特徴とする多層積層体。
  2. 酸化カルシウムを含む少なくとも1層のにおい吸収層を兼ねる水分遮断層が設けられた多層構造を有しており、
    さらに、前記におい吸収層を兼ねる水分遮断層より一方の表面側にフッ素系樹脂を主成分として含有するフッ素樹脂含有層を有し、
    前記多層積層体の総厚みが60μm以上、500μm以下であり、
    前記多層積層体の水分透過量が0.7(g/m・40℃・90%RH・24時間)以下であることを特徴とする多層積層体。
  3. 前記酸化カルシウムの50%粒子径が2μm以上、40μm以下であることを特徴とす る請求項1または2に記載の多層積層体。
  4. 前記におい吸収層及び/又はにおい吸収層に隣接する層が、環状オレフィン系樹脂を20%以上含有することを特徴とする請求項1または2に記載の多層積層体。
  5. 前記におい吸収層及び/又はにおい吸収層に隣接する層が、環状オレフィン系樹脂を50%以上含有することを特徴とする請求項1または2に記載の多層積層体。
  6. 前記フッ素系樹脂がポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)であることを特徴とす る請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の多層積層体から製造される包装体。
  8. 前記水分遮断層及び/又は前記フッ素樹脂含有層が、前記包装体の最内層側に設けられた前記におい吸収層よりも最外層側に設けられていることを特徴とする請求項に記載の包装体。
  9. ACE阻害剤のカプトプリル、ビタミンB1欠乏症治療薬のフルスルチアミン、抗リウマチ薬のリマチル、肝機能増強剤のL−システイン、アンジオテンシンII受容体拮抗剤のオルメサルタンメドキソミル製剤が充填されることを特徴とする請求項に記載の包装体。
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