JP6653516B2 - 非吸着性シーラントフィルム及びそれよりなる包装材用積層体 - Google Patents
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Description
しかしながら、アクリロニトリル系樹脂は、良好なシール強度が得られず、また高価であるため、より好ましい非吸着性シーラントフィルムの開発が求められている。
(1)少なくとも、ベース樹脂層、接着剤層、及びシール層からなる非吸着性シーラントフィルムであって、該シール層は、ガラス転移点が70〜90℃である非晶性の共重合ポリエステルからなり、該ベース樹脂層上に該接着剤層を介してドライラミネート法により積層される層であることを特徴とする、上記非吸着性シーラントフィルム。
(2)少なくとも、基材フィルム層と、上記(1)に記載の非吸着性シーラントフィルムからなる層と、からなる包装材用積層体。
<1>本発明の非吸着性シーラントフィルム及びそれを有する積層体の層構成
図1〜3は、本発明の非吸着性シーラントフィルム及びそれを有する積層体の層構成の一例を示す概略的断面図である。
本発明の非吸着性シーラントフィルムは、図1に示すように、ベース樹脂層1、接着剤層2、及びシール層3、の3層を基本の構成とする。
以下、本発明において使用される樹脂名は、業界において慣用されるものが用いられる。
本発明の非吸着性シーラントフィルムのベース樹脂層は、任意の樹脂フィルムからなる。各種包装材や包装容器に用いられる任意の樹脂フィルムを使用することができ、貼り合わせる基材フィルムの種類等に応じて、適するものを自由に選択して使用する。
本発明において、接着剤層を構成する接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマー、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンーブタジェンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤等の任意のドライラミネート用接着剤を使用することがで
きる。
シール層を構成する共重合ポリエステルとの接着性を高める観点から、ポリウレタン系接着剤からなるドライラミネート用接着剤を特に好ましく使用することができる。
本発明の非吸着性シーラントフィルムのシール層は、ガラス転移点が70〜90℃、より好適には70〜80℃である非晶性の共重合ポリエステルからなる。
また、本発明において、ガラス転移点は、JIS K7121に準拠して測定される。
モル%より少ないと、非晶性が失われ、シール強度が損なわれる。
本発明の非吸着性シーラントフィルムは、ベース樹脂層を形成する樹脂フィルムと、シール層を形成する共重合ポリエステルからなるフィルムとを、接着剤層を介して、ドライラミネート法により積層することにより製造される。
樹脂フィルム上に上記共重合ポリエステルをドライラミネートすることにより、高い非吸着性及びシール強度が発揮される。
本発明のシーラントフィルムからなる層に、基材フィルム層を積層して、包装材用積層体を得ることができる。
ここで用いる基材フィルム層としては、プラスチックフィルム等の単層フィルム、または多層積層フィルムが用いられるが、特に限定されず、各種包装袋及び包装容器に用いられる任意のフィルムを使用することができる。これらの中から、包装する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無等の使用条件に応じて、適するものを自由に選択して使用する。好ましく使用される積層体の具体例としては、二軸延伸PETフィルム上に、接着剤層を介してアルミニウム箔を貼り合わせた多層積層フィルムを基材フィルムとして、該アルミニウム箔側の面上に、本発明の非吸着性シーラントフィルムを、シール層が最表層となるように重ね合せ、ドライラミネート等で積層してもよい。
上記の積層体を使用し、非吸着性シーラントフィルムからなる層が最内層となるように製袋して、包装袋とすることができる。また、上記積層体を、非吸着性シーラントフィルム層を最内層とする蓋材として使用し、包装容器を製造することができる。
(1)非晶性PET(東洋紡(株)製SI−173、ガラス転移点78℃)をTダイ法により押出し、30μm厚の非晶性PETフィルム(シール層)を得た。
2軸延伸ポリエステルフィルム/接着剤/アルミ箔/接着剤/2軸延伸ポリエステルフィルム/非晶性PETフィルム
シール層の形成において、非晶性PETの代わりに、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE;日本ポリエチレン(株)製ノバテックLC522)を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体を製造した。
シール層の形成において、非晶性PETの代わりに、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE;住友化学(株)製 スミカセンCW8003)を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体を製造した。
(1)吸着性試験(l−メントール)
実施例及び比較例の積層体を10cm×10cm四方に切り取り、その初期重量を測定した。
容積10リットルのステンレス容器内にl−メントール固体(純正化学(株))10gを入れ、蓋をして容器内をl−メントール蒸気で満たし、その中に切り取った積層体を吊り下げて、40℃で7日間保管した。
保管後、積層体を取り出して重量を測定し、初期重量との差からl−メントールの吸着量を算出した。
実施例及び比較例の積層体を5cm×5cm四方に切り取り、その初期重量を測定した。
シール層側の面に酢酸dl−α−トコフェロール溶液(関東化学(株))を塗布し、ガラスシャーレに塗布面を下にして密着させ、蓋をして40℃で7日間保管した。
保管後、積層体を取り出して塗布面の酢酸dl−α−トコフェロール溶液を除去した後、重量を測定し、初期重量との差から酢酸dl−α−トコフェロールの吸着量を算出した。
実施例及び比較例の積層体を、基材フィルム層を外側にして重ね合せ、ヒートシーラー(テスター産業(株)製TP−701S HEAT SEAL TESTER)で、160℃で1秒間、圧力1kgf/cm2でヒートシールした。
次いで、これを幅15mmの短冊状に切り出し、テンシロン引張試験機((株)オリエンテック製 RTC−1310A)を用いて圧着されたシール部を引き剥がし、シール強度を測定した。このときの引張速度は300mm/分とした。
以下の表に結果を示す。
B.基材フィルム
C.接着剤層
1.ベース樹脂層
2.接着剤層
3.シール層
4.樹脂フィルム
5.接着剤層
6.アルミニウム箔
Claims (2)
- 少なくとも、基材フィルム層と、シーラントフィルムからなる層とからなる包装材用積層体(但し、放射線滅菌用包装材用の積層体である場合を除く。)であって、
該シーラントフィルムは、少なくとも、ベース樹脂層、接着剤層、及びシール層をこの順に隣接して積層してなる120〜160℃でヒートシール可能な低温シール性でビタミンE酢酸エステル非吸着性のシーラントフィルムであり、
該ベース樹脂層は、結晶性ホモポリエチレンテレフタレートからなる層であり、
該シール層は、ガラス転移点が70〜90℃である非晶性の共重合ポリエステルからなり、
該共重合ポリエステルは、テレフタル酸とエチレングリコールに、共重合成分としてテレフタル酸以外の多価カルボン酸及びエチレングリコール以外の多価アルコール、または、テレフタル酸とエチレングリコールに、共重合成分としてエチレングリコール以外の多価アルコールを添加し、共重合して得られた、共重合ポリエチレンテレフタレートであり、
テレフタル酸とテレフタル酸以外の多価カルボン酸からなる全多価カルボン酸の50モル%以上がテレフタル酸であり、
エチレングリコールとエチレングリコール以外の多価アルコールからなる全多価アルコールの50モル%以上がエチレングリコールであり、
該全多価カルボン酸及び該全多価アルコールの合計量100モル%に対して、テレフタル酸及びエチレングリコールの合計量が50〜95モル%であって共重合成分の合計量が5〜50モル%であり、
該シール層は、該ベース樹脂層上に該接着剤層を介してドライラミネート法により積層される層であり、
該接着剤層はポリウレタン系接着剤からなり、
該基材フィルム層は、樹脂フィルムと、接着剤層と、アルミニウム箔からなる、
上記の包装材用積層体。 - 請求項1記載の包装材用積層体を用いた医薬品用包装袋。
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