以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、複合機10が使用可能に水平面に設置された姿勢(図1の姿勢であって、「使用姿勢」と表記することがある。)を基準として上下方向7が定義され、複合機10の開口13が設けられている面を前面として前後方向8が定義され、複合機10を前面から見て左右方向9が定義される。本実施形態では、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向(重力方向)に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。前後方向8及び左右方向9は、直交している。
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10(液体消費装置の一例)は、概ね直方体形状である。複合機10は、インクジェット記録方式で用紙12(図2参照)に画像を記録するプリンタ部11を下部に備えている。プリンタ部11は、前面14Aに開口13が形成された筐体14を備えている。
図2に示されるように、筐体14の内部には、給送ローラ23と、給送トレイ15と、排出トレイ16と、搬送ローラ対25と、記録部24(消費部の一例)と、排出ローラ対27と、プラテン26と、カートリッジケース101(図1(B)参照)と、が配置されている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。なお、図1に示される状態が、複合機10の使用姿勢である。
[給送トレイ15、排出トレイ16、給送ローラ23]
図1に示されるように、給送トレイ15は、開口13を通じて前後方向8に沿ってユーザによって複合機10に対して挿抜される。開口13は、筐体14の前面14Aにおける左右方向9の中央部に位置する。図2に示されるように、給送トレイ15は、積層された複数の用紙12を支持可能である。
排出トレイ16は、給送トレイ15の上方に位置している。排出トレイ16は、排出ローラ対27によって排出された用紙12を支持する。
給送ローラ23は、給送トレイ15に支持された用紙12を搬送路17へ給送する。給送ローラ23は、給送用モータ(不図示)によって駆動される。
[搬送路17]
図2に示されるように、搬送路17は、その一部がプリンタ部11の内部において、所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって形成される空間を指す。搬送路17は、給送トレイ15の後端部から後方に延びる経路である。搬送路17は、プリンタ部11の後部において上方に延びつつ前方にUターンし、記録部24とプラテン26との間の空間を経て排出トレイ16に至る経路である。搬送ローラ対25及び排出ローラ対27の間における搬送路17は、左右方向9における複合機10の概ね中央部に設けられており、且つ前後方向8に延びている。搬送路17内における用紙12の搬送向きは、図2において一点鎖線の矢印で示されている。
[搬送ローラ対25]
図2に示されるように、搬送ローラ対25は、搬送路17に配置されている。搬送ローラ対25は、互いに対向する搬送ローラ25A及びピンチローラ25Bを有する。搬送ローラ25Aは、搬送用モータ(不図示)によって駆動される。ピンチローラ25Bは、搬送ローラ25Aの回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送用モータの正転によって正回転する搬送ローラ25A及びピンチローラ25Bに挟持されて搬送向き(前向き)に搬送される。
[排出ローラ対27]
図2に示されるように、排出ローラ対27は、搬送路17における搬送ローラ対25より搬送向きの下流に配置されている。排出ローラ対27は、互いに対向する排出ローラ27A及び拍車27Bを有する。排出ローラ27Aは、搬送用モータ(不図示)によって駆動される。拍車27Bは、排出ローラ27Aの回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送用モータの正転によって正回転する排出ローラ27A及び拍車27Bに挟持されて搬送向き(前向き)に搬送される。
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、搬送路17における搬送ローラ対25及び排出ローラ対27の間に位置している。記録部24は、搬送路17を挟んでプラテン26と上下方向7に対向配置されている。記録部24は搬送路17の上方に位置し、プラテン26は搬送路17の下方に位置している。記録部24は、キャリッジ22と、記録ヘッド21(ヘッドの一例)とを備えている。
図3に示されるように、キャリッジ22は、前後方向8に離間する位置において各々が左右方向9に延設されたガイドレール82、83に支持されている。ガイドレール82、83は、プリンタ部11のフレーム(不図示)に支持されている。キャリッジ22は、ガイドレール83に設けられた公知のベルト機構に連結されている。ベルト機構は、キャリッジ駆動用モータ(不図示)によって駆動される。ベルト機構に連結されたキャリッジ22は、キャリッジ駆動用モータの駆動によって左右方向9に沿って往復移動する。キャリッジ22の移動領域は、図3の一点鎖線で示されるように、搬送路17より右方及び左方にまで及ぶ。
キャリッジ22からは、インクチューブ20が延出されている。インクチューブ20は、タンク103(図5参照)と記録ヘッド21とを接続するものである。インクチューブ20は、カートリッジケース101に装着された各インクカートリッジ30(図4参照)に貯留されたインク(液体の一例)をタンク103(図5参照)を介して記録ヘッド21に供給する。各色(ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー)のインクが流通する4本のインクチューブ20が、各インクカートリッジ30に対応して設けられており、これらが束ねられた状態でキャリッジ22と接続されている。
図2に示されるように、キャリッジ22は、記録ヘッド21を搭載している。記録ヘッド21の下面(プラテン26に対向する面)には、複数のノズル29が形成されている。記録ヘッド21には、インクカートリッジ30(図4参照)からインクが供給される。記録ヘッド21は、ノズル29からインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ22が左右方向9へ往復移動しているときに、ノズル29からプラテン26へ向けてインク滴が吐出される。これにより、搬送ローラ対25に搬送されてプラテン26に支持されている用紙12にインク滴が着弾し、用紙12に画像が記録される。つまり、記録部24は、インクを消費する。
[プラテン26]
図2に示されるように、プラテン26は、搬送路17における搬送ローラ対25及び排出ローラ対27の間に配置されている。プラテン26は、搬送路17を挟んで記録部24と上下方向7に対向配置されている。プラテン26は、搬送ローラ対25によって搬送される用紙12を下方から支持する。
[カバー87]
図1に示されるように、筐体14の前面14Aの右部に、開口85が形成されている。開口85の後方には、カートリッジケース101及びタンク103を収容可能な収容空間86が形成されている。筐体14には、カバー87が、開口85を覆うようにして取り付けられている。カバー87は、開口85を閉塞する閉塞位置(図1(A)に示される位置)と、開口85を開放する開放位置(図1(B)に示される位置)との間を、左右方向9に延びる回動軸線87A(回動中心)周りに回動可能である。
閉塞位置のカバー87は、後述するカートリッジケース101の開口112を覆っている。カバー87が開放位置のとき、カートリッジケース101の開口112は、外部に露出されている。つまり、カバー87は、開口112を開閉可能である。
図1(A)に示されるように、カバー87は、透光性を有する透光部88(視認部の一例)を備えている。カバー87が閉塞位置のとき、カートリッジケース101(詳細には開口112)及びカートリッジケース101に装着されたインクカートリッジ30(詳細には前壁41(図4参照))が、透光部88を通じて複合機10の外部から視認可能である。
[カートリッジケース101]
図4及び図5に示されるように、カートリッジケース101(カートリッジ装着部の一例)は、内部空間を有する箱形状である。カートリッジケース101は、内部空間の天部を確定している天面と、内部空間の底部を確定している底面と、天部と底部とをつないでいる後面と、後面と前後方向8に対向する位置に設けられた開口112とを有する。開口112は、ユーザが複合機10を使用するときに対面する面である筐体14の前面14A(図1参照)に露出し得る。
筐体14の開口85(図1参照)及びカートリッジケース101の開口112を通じて、インクカートリッジ30がカートリッジケース101へ挿抜される。インクカートリッジ30は、上下方向7と交差する方向(本実施形態では前後方向8)に沿ってカートリッジケース101へ挿抜される。本実施形態では、図4に示されるように、インクカートリッジ30は、カートリッジケース101の底面に設けられたガイド溝109に、インクカートリッジ30の下端部が挿入されることによって、上下方向7と直交する前後方向8へ案内される。
カートリッジケース101には、内部空間を上下方向7に長い4つの空間に仕切り分ける3つのプレート104が設けられている。プレート104によって仕切り分けられた各空間それぞれにインクカートリッジ30が収容される。本実施形態では、4つの空間のうち、最も右に位置する空間は、他の3つの空間よりも左右方向9に長い。この最も右に位置する空間に、ブラックのインクが貯留されたインクカートリッジ30が収容される。他の3つの空間の各々に、マゼンタのインクが貯留されたインクカートリッジ30、シアンのインクが貯留されたインクカートリッジ30、及びイエローのインクが貯留されたインクカートリッジ30が収容される。なお、各空間の大きさ、各空間に収容されるインクカートリッジ30の大きさ、各空間に収容されるインクカートリッジ30に貯留されたインクの色は、上述した大きさ、色に限らない。
カートリッジケース101の4つの空間の各々には、図6に示されるインクカートリッジ30A(第1カートリッジの一例)と、図7に示されるインクカートリッジ30B(第2カートリッジの一例)とが、選択的に挿抜可能である。インクカートリッジ30A及びインクカートリッジ30Bの各構成については、後に詳細に説明される。なお、以下の説明では、インクカートリッジ30A及びインクカートリッジ30Bを総称して、インクカートリッジ30と称される。
[ロックシャフト145]
図4に示されるように、ロックシャフト145が、カートリッジケース101の天面付近且つ開口112付近において、カートリッジケース101の左右方向9に延出されている。ロックシャフト145は、左右方向9に沿って延びる棒状の部材である。ロックシャフト145は、例えば、金属の円柱である。ロックシャフト145の左右方向9の両端は、カートリッジケース101の左右方向9の両端を確定している壁に固定されている。ロックシャフト145は、4つのインクカートリッジ30が収納可能な4つの空間に渡って左右方向9に延びている。
ロックシャフト145は、カートリッジケース101に装着されたインクカートリッジ30を装着位置に保持するためのものである。図10及び図11に示されるように、インクカートリッジ30は、カートリッジケース101に装着された状態で、ロックシャフト145に係合される。これにより、ロックシャフト145は、インクカートリッジ30のコイルバネ78がインクカートリッジ30を前方へ押す力に抗してインクカートリッジ30をカートリッジケース101内に保持する。
[インクカートリッジ30]
図6、図7、図10、及び図11に示されるインクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。図6、図7、図10、及び図11に示されているインクカートリッジ30の姿勢は、使用姿勢である。
上述したように、インクカートリッジ30A及びインクカートリッジ30Bの2種類のインクカートリッジ30が、カートリッジケース101の4つの空間の各々に対して挿抜可能である。インクカートリッジ30がカートリッジケース101に装着された状態において、インクカートリッジ30は、タンク103に接続される。
インクカートリッジ30A及びインクカートリッジ30Bは、貯留可能なインク量が異なる。インクカートリッジ30Aが貯留可能なインク量は、インクカートリッジ30Bが貯留可能なインク量より多い。そのため、インクカートリッジ30A及びインクカートリッジ30Bは、それぞれ同様の構成である部分と、互いに異なる構成である部分とを備える。
以下、インクカートリッジ30の構成のうち、インクカートリッジ30Aとインクカートリッジ30Bとで同じ構成である部分が説明される。
図6及び図7に示されるように、インクカートリッジ30は、略直方体形状の筐体31を有する。筐体31は、後壁40と、前壁41(透光壁の一例)と、上壁39と、下壁42と、右壁37と、左壁38とを備えている。
インクカートリッジ30がカートリッジケース101に装着され且つタンク103に接続された状態において、前壁41は、カバー87が開放位置のときに複合機10の外部に露出している。つまり、当該状態において、前壁41は、複合機10の外部から視認可能である。また、当該状態において、前壁41は、カバー87が閉塞位置のときに透光部88を通じて複合機10の外部から視認可能である。
筐体31は、全体として、左右方向9に沿った寸法が細く、上下方向7及び前後方向8それぞれに沿った寸法が、左右方向9に沿った寸法よりも大きい扁平形状である。筐体31において、前壁41が、貯留室32及び貯留室33(図10及び図11参照)に貯留されたインクの液面を外部から視認可能な透光性を有する。
筐体31は、下壁42より上方に位置しており、後壁40の下端と連続して前方へ延びるサブ下壁48を有する。本実施形態において、サブ下壁48の後端はインク供給部34の後端よりも後方に位置し、サブ下壁48の前端は、インク供給部34の後端より前方に位置する。下壁42とサブ下壁48とは段差面49によって連続している。インク供給部34は、サブ下壁48の下方、且つ下壁42の上方において、段差面49から後方へ延びている。
上壁39の外面には、上方に突出する凸部43が設けられている。凸部43は、前後方向8に沿って延びている。凸部43において前方を向く面がロック面181である。ロック面181は、上壁39よりも上方に位置している。ロック面181は、カートリッジケース101にインクカートリッジ30が装着された状態において、ロックシャフト145と前方へ向かって接触し得る面である。図10及び図11に示されるように、ロック面181がロックシャフト145と前方へ向かって接触することにより、インクカートリッジ30がコイルバネ78の付勢力に抗してカートリッジケース101に保持される。
図6及び図7に示されるように、凸部43におけるロック面181の後方に、傾斜面185が形成されている。インクカートリッジ30がカートリッジケース101に装着される過程において、ロックシャフト145が傾斜面185に沿って案内される。これにより、ロックシャフト145は、ロック面181と接触する位置へ導かれる。
上壁39におけるロック面181の前方に、操作部90が形成されている。インクカートリッジ30にカートリッジケース101装着された状態において、操作部90の操作面92が下方へ押されると、インクカートリッジ30が回動することでロック面181が下方へ移動する。これにより、ロック面181がロックシャフト145よりも下方に位置する。その結果、インクカートリッジ30がカートリッジケース101から脱抜可能となる。
図10及び図11に示されるように、筐体31の内部に、貯留室32、貯留室33、インクバルブ室35、及び大気流路36が形成されている。貯留室32、貯留室33、インクバルブ室35は、インクを貯留する。貯留室32、貯留室33、インクバルブ室35は、第1貯留室の一例である。大気流路36は、貯留室32、貯留室33、インクバルブ室35を大気に連通させる。大気流路36は、第1大気連通部の一例である。貯留室32と貯留室33とは、不図示の貫通孔によって連通している。貯留室32と大気流路36とは、貫通孔46によって連通している。貯留室33とインクバルブ室35とは、貯留室33の下端に形成された貫通孔99によって連通している。
なお、インクカートリッジ30Aとインクカートリッジ30Bとで、貯留室32の形状が相違するが、当該相違については後述される。
大気流路36は、凸部43に形成された大気連通口96によって外部と連通している。つまり、貯留室32、貯留室33、インクバルブ室35は、大気流路36を介して外部と連通している。大気流路36における貫通孔46と大気連通口96との間は、半透膜97によって封止されている。半透膜97は、液体の流通を閉塞し且つ大気の連通を許容する。
図6及び図7に示されるように、インク供給部34は、段差面49から後方へ突出している。インク供給部34は、筒形状の外形をなしている。図10及び図11に示されるインク供給部34の内部空間が、インクバルブ室35である。インク供給部34の後端は、インク供給口71によってインクカートリッジ30の外部に開口している。これにより、インクバルブ室35は、インクカートリッジ30の外部と連通している。インク供給部34の後端部には、シール部材76が位置している。インクバルブ室35の前端は、上述したように、貫通孔99によって貯留室33の下端と連通している。
図10及び図11に示されるように、インクバルブ室35には、バルブ77及びコイルバネ78が収容されている。バルブ77は、前後方向8に沿って移動することにより、シール部材76の中央に貫通されたインク供給口71を開閉する。コイルバネ78はバルブ77を後方へ付勢している。したがって、外力が付与されていない状態において、バルブ77は、シール部材76のインク供給口71を閉じている。
シール部材76は、中央に貫通孔が形成された円盤形状の部材である。シール部材76は、例えば、ゴムやエラストマのような弾性材料で形成されている。シール部材76の中央が前後方向8に貫通されて筒状の内周面が形成され、その内周面によりインク供給口71が形成されている。インク供給口71の内径は、インクニードル102の外径より若干小さい。
以下、インクカートリッジ30の構成のうち、インクカートリッジ30Aとインクカートリッジ30Bとで異なる構成である部分が説明される。
図7に示されるように、インクカートリッジ30Bの右壁37及び左壁38には、凹部61が形成されている。一方、図6に示されるように、インクカートリッジ30Aには、凹部61が形成されていない。
図7に示されるように、凹部61は、縦壁62と、後壁40と、サブ下壁48と、サブ上壁63と、サブ前壁64とによって区画されている。
縦壁62は、上下方向7及び前後方向8に拡がる壁である。左右方向9において、縦壁62は、右壁37及び左壁38の間に位置する。後壁40、サブ下壁48、サブ上壁63、及びサブ前壁64は、縦壁62から右方及び左方へ延びている。上下方向7において、サブ上壁63は、上壁39及びサブ下壁48の間に位置する。前後方向8において、サブ前壁64は、後壁40及び前壁41の間に位置する。サブ下壁48の後端は、後壁40と繋がっている。サブ下壁48の前端は、サブ前壁64の下端と繋がっている。サブ上壁63の後端は、後壁40と繋がっている。サブ上壁63の前端は、サブ前壁64の上端と繋がっている。
以上より、右壁37に形成された凹部61は、縦壁62の右面と、後壁40の後面40Aのうち縦壁62より右方の部分と、サブ下壁48の上面48Aのうち縦壁62より右方の部分と、サブ上壁63の下面63Aのうち縦壁62より右方の部分と、サブ前壁64の前面64Aのうち縦壁62より右方の部分とによって区画されている。また、左壁38に形成された凹部61は、縦壁62の左面と、後壁40の後面40Aのうち縦壁62より左方の部分と、サブ下壁48の上面48Aのうち縦壁62より左方の部分と、サブ上壁63の下面63Aのうち縦壁62より左方の部分と、サブ前壁64の前面64Aのうち縦壁62より左方の部分とによって区画されている。
図10及び図11に示されるように、インクカートリッジ30Aの貯留室32及びインクカートリッジ30Bの貯留室32は、それぞれ第1部分32A及び第2部分32Bを備える。第2部分32Bは、第1部分32Aより下方に位置する。
図11に示されるように、インクカートリッジ30Bの第1部分32Aは、貯留室32のうちサブ上壁63の上面63Bの下端より上の部分であり、インクカートリッジ30Bの第2部分32Bは、貯留室32のうちサブ上壁63の上面63Bの下端より下の部分である。
図10に示されるように、インクカートリッジ30Aの第1部分32Aは、貯留室32のうち、インクカートリッジ30Bのサブ上壁63の上面63Bに対応する位置より上の部分、及びインクカートリッジ30Bのサブ上壁63の上面63Bの下端より上の部分(換言すると図11の二点鎖線より上の部分)である。つまり、インクカートリッジ30Aの第1部分32Aは、貯留室32のうち、図10の二点鎖線より上の部分である。
図10及び図11に示されるように、インクカートリッジ30Aの第1部分32Aは、インクカートリッジ30Bの第1部分32Aと、同一の容積且つ同一の形状の空間である。
インクカートリッジ30Bにおける凹部61を構成する空間は、インクカートリッジ30Bの第2部分32Bの一部を構成していない。一方、インクカートリッジ30Aは凹部61を備えていないため、インクカートリッジ30Bにおける凹部61を構成する空間に対応する空間は、インクカートリッジ30Aの第2部分32Bの一部を構成している。よって、インクカートリッジ30Aの第2部分32Bは、インクカートリッジ30Bの第2部分32Bより容積が大きい。
インクカートリッジ30Aの第2部分32Bの容積と、インクカートリッジ30Bの第2部分32Bの容積との関係は、以下のような言い方も可能である。つまり、インクカートリッジ30Aの第2部分32Bの上下方向7及び左右方向9の長さは、それぞれインクカートリッジ30Bの第2部分32Bの上下方向7及び左右方向9の長さと同じである。一方、インクカートリッジ30Aの第2部分32Bの前後方向8の長さ(後壁40と前壁41との間の長さ)は、インクカートリッジ30Bの第2部分32Bの前後方向8の長さ(サブ前壁64と前壁41との間の長さ)よりも長い。よって、インクカートリッジ30Aの第2部分32Bは、インクカートリッジ30Bの第2部分32Bより容積が大きい。
[タンク103]
図8及び図9に示されるように、タンク103は、本体151と、フィルム152A、152Bとを備える。本体151は、箱形状であり、内部にインクが貯留される貯留室121(第2貯留室の一例)を備える。フィルム152Aは、本体151の後面に溶着される。フィルム152Bは、本体151の前面に溶着される。
本体151は、その右下端部及び左下端部に開口161を備えている。一方、カートリッジケース101は、その後面の右下端部及び左下端部に、ねじ切りされた孔(不図示)を備えている。図5に示されるように、ネジ162が、後方から開口161を貫通して、当該孔に螺合される。これにより、タンク103は、カートリッジケース101に固定される。カートリッジケース101に固定されたタンク103は、カートリッジケース101及びカートリッジケース101に装着されたインクカートリッジ30の後方に位置する。
図8及び図9に示されるように、本体151は、上壁153と、下壁154と、右壁155と、左壁156と、前壁157と、3つの内壁158とを備える。上壁153は、前後方向8及び左右方向9に延びており、貯留室121の天面を区画している。下壁154は、前後方向8及び左右方向9に延びており、貯留室121の底面を区画している。右壁155は、上下方向7及び前後方向8に延びており、貯留室121の右面を区画している。左壁156は、上下方向7及び前後方向8に延びており、貯留室121の左面を区画している。前壁157は、上下方向7及び左右方向9に延びており、貯留室121の前面を区画している。本体151は、貯留室121の後面以外を区画している。
図8に示されるように、3つの内壁158は、貯留室121を4つに仕切り分けている。4つの貯留室121の各々は、カートリッジケース101の4つの空間の各々に対応して設けられている。
図8に示されるフィルム152Aは、本体151の後面、つまり前壁157と前後方向8に対向する位置に溶着されている。本体151の後面に溶着されたフィルム152Aは、上下方向7及び前後方向8に延びており、貯留室121の後面を区画している。
図9に示されるフィルム152Bは、前壁157に形成されたリブ111の突出端面に溶着されている。
以下、4つの貯留室121の各々に対応して設けられているインク流路126、インクニードル102、及び大気連通部124が説明される。ここで、各貯留室121に対応したインク流路126、インクニードル102、及び大気連通部124は、概ね同構成である。よって、以下では、4つの貯留室121のうち最も左に位置する貯留室121に対応したインク流路126、インクニードル102、及び大気連通部124の構成が説明される。一方、他の3つの貯留室121に対応したインク流路126、インクニードル102、及び大気連通部124の構成の説明は、省略される。
図8、図10、及び図11に示されるように、本体151は、4つのインク流路126を備える。4つのインク流路126の各々は、4つの貯留室121の各々に対応して設けられている。インク流路126は、第1流路191と第2流路192とを備える。
図10及び図11に示されるように、第1流路191の一端は、流出口122を介して貯留室121と連通している。流出口122は、貯留室121の下端部且つ前端部に形成されている。第1流路191の他端は、連通口193(図8参照)によって第2流路192と連通している。連通口193は、貯留室121の下端部且つ後端部に形成されている。つまり、第1流路191は、図10及び図11に破線で示されるように、流出口122から連通口193へ向けて、概ね前後方向8に延びている。
図8に示されるように、第2流路192は、本体151の後端部に形成された4つの溝と、本体151の後面に溶着されたフィルム152Aとによって形成されている。第2流路192の一端は、連通口193と連通している。第2流路192は、連通口193から上方へ延び、本体151の上部において左方へ屈曲している。第2流路192の他端は、本体151の左端部において、インク流出ポート127と連続している。インク流出ポート127には、インクチューブ20が接続されている。これにより、貯留室121に貯留されたインクが、流出口122から流出して、インク流路126及びインクチューブ20を通じて記録ヘッド21へ供給される。
図9に示されるように、本体151の前壁157の下部には、前方へ突出した4つの突部200が形成されている。図10及び図11に示されるように、各突部200には、中空のインクニードル102が取り付けられている。つまり、インクニードル102は、4本形成されている。4つのインクニードル102の各々は、4つの貯留室121の各々に対応して設けられている。インクニードル102の内部空間は、流入口123(図10及び図11参照)を介して貯留室121と連通している。図10及び図11に示されるように、流入口123は、本体151の前壁157に形成されている。流入口123は、流出口122よりも上方に位置する。
図10及び図11に示されるように、インクニードル102は、前壁157から前方へ突出している。カートリッジケース101の後面には、貫通孔105が形成されている。インクニードル102は、貫通孔105を貫通してカートリッジケース101の内部空間に突出している。
各貯留室121に対応したインクニードル102には、インクカートリッジ30A(図6参照)とインクカートリッジ30B(図7参照)とが、選択的に接続可能である。
インクニードル102の内部空間117には、バルブ114及びコイルバネ115が収容されている。バルブ114は、前後方向8に沿って移動することにより、インクニードル102の先端部に形成された開口116を開閉する。コイルバネ115はバルブ114を前方へ付勢している。したがって、外力が付与されていない状態(インクカートリッジ30がカートリッジケース101に装着されていない状態)において、バルブ114は開口116を閉じている。また、外力が付与されていない状態において、コイルバネ115に付勢されたバルブ114の前端部は、開口116よりも前方へ突出している。
図8及び図9に示されるように、本体151は、4つの大気連通部124(第2大気連通部の一例)を備える。4つの大気連通部124の各々は、4つの貯留室121の各々に対応して設けられている。大気連通部124は、貯留室121を大気に連通させるものである。
大気連通部124は、連通口119と、半透膜118(図5参照)と、ラビリンス流路120と、大気開放口129とを備える。
連通口119は、前壁157に形成されている。連通口119は、前壁157を前後方向8に貫通している。連通口119は、貯留室121の上部に位置する。
半透膜118は、液体の流通を閉塞し且つ大気の連通を許容する。図5に示されるように、半透膜118は、連通口119(図8参照)を覆うように、前壁157(詳細には前壁157に形成されたリブ171(図8参照))に溶着されている。
図9に示されるように、ラビリンス流路120は、前壁157の前面157Aと、前面157Aに形成されたリブ111と、リブ111の突出端面に溶着されたフィルム152Bとによって区画されている。ラビリンス流路120は、ラビリンス形状であり、一端から他端へ向けて屈曲しつつ延びている。ラビリンス流路120の一端は、連通口119と連通している。ラビリンス流路120の他端は、大気開放口129と連通している。以上より、貯留室121は、大気連通部124を介して大気開放されている。
[インクの供給]
以下、図10及び図11が参照されつつ、インクカートリッジ30からタンク103及び記録ヘッド21へのインクの供給が説明される。
バルブ77がインク供給口71を閉じており、且つバルブ114がインクニードル102の開口116を閉じている状態において、インクカートリッジ30がカートリッジケース101に装着されると、インク供給口71にインクニードル102が進入する。これにより、インクカートリッジ30は、タンク103と接続される。このとき、インクニードル102の外周面は、シール部材76を弾性変形しつつ、インク供給口71を画定する内周面に液密に接触する。インクニードル102の先端がシール部材76を通過してインクバルブ室35へ進入すると、バルブ77に当接する。さらにインクカートリッジ30がカートリッジケース101へ挿入されることにより、インクニードル102がバルブ77をコイルバネ78の付勢力に抗して後方へ移動させる。これにより、インク供給口71が開かれる。
また、インクニードル102の先端がバルブ77に当接する一方で、バルブ77は前方からバルブ114と当接してこれを押す。すると、バルブ114は、コイルバネ115の付勢力に抗して後方へ移動する。これにより、開口116が開かれる。その結果、貯留室32、33に貯留されたインクが、インク供給部34のインクバルブ室35及びインクニードル102の内部空間117を介して、流入口123からタンク103の貯留室121へ流入することが可能となる。
ここで、インクカートリッジ30の貯留室32、33は、大気流路36によって大気開放されている。また、タンク103の貯留室121は、大気連通部124によって大気開放されている。よって、インクカートリッジ30の貯留室32、33に貯留されたインクは、水頭差によって、インク供給部34のインクバルブ室35、インクニードル102の内部空間、及び流入口123を通じてタンク103の貯留室121へ供給される。貯留室121は、貯留室32、33から流入したインクを貯留する。貯留室121に貯留されたインクは、インク流路126を介してインクチューブ20へ流出し、記録ヘッド21へ供給される。
なお、上述した水頭差によるインクの供給は、インクカートリッジ30の貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留されたインクの液面と、タンク103の貯留室121に貯留されたインクの液面とが、上下方向7において同じ位置となるまで実行される。
[第1部分32Aのインクの容量と、貯留室121へのインクの供給量との関係]
貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留が許容される最大量のインクが貯留された状態における第1部分32Aにおいて貯留されたインクの容量は、貯留室121に貯留されたインクの液面が上下方向7における流入口123と流出口122との間の位置であるタンク103(例えば貯留室121に貯留されたインクの液面が位置P2であるタンク103(図10及び図11参照))にカートリッジ30Aまたはカートリッジ30Bが接続されて、貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121への水頭差によるインクの供給によって貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留されたインクの液面と、貯留室121に貯留されたインクの液面が同じ高さとなった状態における貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121へのインクの供給量より多い。
ここで、図10及び図11に示されるように、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留が許容される最大量のインクが貯留されているときの、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留されたインクの液面は、位置P1である。つまり、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留が許容される最大量のインクが貯留された状態(液面が位置P1の状態)における第1部分32Aにおいて貯留されたインクの容量(以下、第1部分32Aの最大貯留量と記す。)は、第1部分32Aのうちの位置P1より下方の部分(換言すると貯留室121のうちの位置P1より下方且つ二点鎖線より上方の部分)である。
そして、第1部分32Aの最大貯留量は、貯留室121に貯留されたインクの液面が位置P2であるタンク103にカートリッジ30Aまたはカートリッジ30Bが接続されて、貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121への水頭差によるインクの供給がなされた場合のインクの供給量より多い。つまり、水頭差によるインクの供給によって貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留されたインクの液面と貯留室121に貯留されたインクの液面とが同じ高さとなった状態での液面の位置P3は、位置P1よりも低い位置ではあるが、第1部分32Aに位置する。換言すると、位置P3は、第2部分32Bよりも上方に位置する。
すなわち、本実施形態では、第1部分32Aの最大貯留量が、第1部分32Aのインクの容量と貯留室121へのインクの供給量との大小関係が上述した大小関係を満たすように、インクカートリッジ30A、30Bの貯留室32の第1部分32A及び第2部分32Bの容積及び形状と、タンク103の貯留室103の容積及び形状とが決められている。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留が許容される最大量のインクが貯留された状態における第1部分32Aにおいて貯留されたインクの容量は、タンク103にインクカートリッジ30Aまたはインクカートリッジ30Bが接続されて、貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121への水頭差によるインクの供給によって貯留室32、33及びインクバルブ室35及び貯留室121の液面が同じ高さとなった状態における貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121へのインクの供給量より多い。そのため、接続されたインクカートリッジ30がインクカートリッジ30A、30Bのいずれであったとしても、水頭差によるインクの供給中において、貯留室32、33及びインクバルブ室35の液面は第1部分32Aに位置する。ここで、インクカートリッジ30Aの第1部分32Aは、インクカートリッジ30Bの第1部分32Aと同一の容積且つ同一の形状である。つまり、インクカートリッジ30Aの第1部分32Aの水平断面積と、インクカートリッジ30Bの第1部分32Aの水平断面積とは等しい。そのため、接続されたインクカートリッジ30がインクカートリッジ30A、30Bのいずれであったとしても、インクカートリッジ30からタンク103へインクを押し出す力が同じである。これにより、接続されたインクカートリッジ30がインクカートリッジ30A、30Bのいずれであったとしても、インクカートリッジ30からタンク103に流れるインクの流入速度を略同一にできる。また、これにより、接続されたインクカートリッジ30がインクカートリッジ30A、30Bのいずれであったとしても、タンク103に貯留されたインクの液面の高さがインクカートリッジ30に貯留されたインクの液面の高さと等しくなるまでの時間差をインクカートリッジ30A、30B間で少なくすることができる。
また、通常、タンク103の貯留室121に貯留されたインクが減少して、当該インクの液面が流入口123よりも下方に位置するようになると、インクカートリッジ30が新しい物に交換される。交換された新しいインクカートリッジ30(インクカートリッジ30Aまたはインクカートリッジ30Bのいずれかであって、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留が許容される最大量のインクが貯留されたインクカートリッジ30)がタンク103に接続されると、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留されたインクは、水頭差によって貯留室121へ供給される。
本実施形態によれば、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留が許容される最大量のインクが貯留された状態における第1部分32Aにおいて貯留されたインクの容量は、貯留室121に貯留されたインクの液面が上下方向7における流入口123と流出口122との間の位置であるタンク103にインクカートリッジ30Aまたはインクカートリッジ30Bが接続されて、貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121への水頭差によるインクの供給によって貯留室32、33及びインクバルブ室35及び貯留室121の液面が同じ高さとなった状態における貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121へのインクの供給量より多い。そのため、上述したように、接続されたインクカートリッジ30がインクカートリッジ30A、30Bのいずれであったとしても、インクカートリッジ30からタンク103に流れるインクの流入速度を略同一にでき、タンク103に貯留されたインクの液面の高さがインクカートリッジ30に貯留されたインクの液面の高さと等しくなるまでの時間差をインクカートリッジ30A、30B間で少なくすることができる。
また、仮に、インクカートリッジ30Aがタンク103に接続された場合と、インクカートリッジ30Bがタンク103に接続された場合とで、水頭差による貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121へのインクの供給時における液面の降下量が異なる場合、接続するインクカートリッジ30の種類によっては、必要以上にインクが消費されていると、ユーザなどに認識されるおそれがある。
本実施形態によれば、タンク103に接続されたインクカートリッジ30がインクカートリッジ30A、30Bのいずれであったとしても、水頭差による貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121へのインクの供給時における液面の降下量は略同一である。そのため、上記のような認識がなされる可能性を低くすることができる。
また、本実施形態によれば、前壁41が複合機10の外部に露出しているため、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留されているインク量を外部から容易に認識可能である。
また、本実施形態によれば、カバー87が閉塞位置であっても、前壁41は、カバー87の透光部88を介して外部から視認可能である。そのため、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留されているインク量を外部から容易に認識可能である。
[変形例1]
上記実施形態では、貯留室121に貯留されたインクの液面が上下方向7における流入口123と流出口122との間の位置であるタンク103にカートリッジ30Aまたはカートリッジ30Bが接続されたときに、第1部分32Aの最大貯留量が、水頭差による貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121へのインクの供給量よりも大きかった。
しかし、第1部分32Aの最大貯留量は、タンク103にカートリッジ30Aまたはカートリッジ30Bが接続されて、貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121への水頭差によるインクの供給によって貯留室32、33及びインクバルブ室35と貯留室121との液面が同じ高さとなった状態における貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121へのインクの供給量より多ければよい。
つまり、タンク103の貯留室121に貯留されているインクの液面の高さにかかわらず、当該タンク103にカートリッジ30Aまたはカートリッジ30Bが接続されたときに、第1部分32Aの最大貯留量は、水頭差による貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121へのインクの供給量よりも大きければよい。
例えば、貯留室121に貯留されているインクの液面の高さが上記実施形態よりも低いタンク103にカートリッジ30Aまたはカートリッジ30Bが接続されたときに、第1部分32Aの最大貯留量が、水頭差による貯留室121へのインクの供給量よりも大きくてもよい。
つまり、第1部分32Aの最大貯留量は、貯留室121に貯留されたインクの液面が上下方向7における流出口122以下の高さの位置であるタンク103にカートリッジ30Aまたはカートリッジ30Bが接続されて、貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121への水頭差によるインクの供給によって貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留されたインクの液面と貯留室121に貯留されたインクの液面とが同じ高さとなった状態における貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121へのインクの供給量より多くてもよい。
ここで、貯留室121に貯留されたインクの液面が上下方向7における流出口122以下の高さの位置であるタンク103には、貯留室121にインクが貯留されていない状態のタンク103も含む。
そして、第1部分32Aの最大貯留量は、貯留室121に貯留されたインクの液面が上下方向7における流出口122以下の高さの位置であるタンク103にカートリッジ30Aまたはカートリッジ30Bが接続されて、貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121への水頭差によるインクの供給がなされた場合のインクの供給量より多い。ここで、変形例1では上記実施形態よりも貯留室121に貯留されていたインクの量が少ないために、水頭差によるインクの供給によって貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留されたインクの液面と、貯留室121に貯留されたインクの液面が同じ高さとなった状態での液面の位置P4は、位置P3よりも低い位置となる。しかし、この場合でも、位置P4は、第1部分32Aに位置する。換言すると、位置P4は、第2部分32Bよりも上方に位置する。
液面が流出口122よりも下方に位置するようになったタンク103に、インクカートリッジ30(インクカートリッジ30Aまたはインクカートリッジ30Bのいずれかであって、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留が許容される最大量のインクが貯留されたインクカートリッジ30)が接続されると、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留されたインクは、水頭差によって貯留室121へ供給される。
変形例1によれば、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留が許容される最大量のインクが貯留された状態における第1部分32Aにおいて貯留されたインクの容量は、貯留室121に貯留されたインクの液面が上下方向7における流出口122以下の高さの位置であるタンクにインクカートリッジ30Aまたはインクカートリッジ30Bが接続されて、貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121への水頭差によるインクの供給によって貯留室32、33及びインクバルブ室35及び貯留室121の液面が同じ高さとなった状態における貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121へのインクの供給量より多い。そのため、上記実施形態と同様に、接続されたインクカートリッジ30がインクカートリッジ30A、30Bのいずれであったとしても、インクカートリッジ30からタンク103に流れるインクの流入速度を略同一にでき、タンク103に貯留されたインクの液面の高さがインクカートリッジ30に貯留されたインクの液面の高さと等しくなるまでの時間差をインクカートリッジ30A、30B間で少なくすることができる。
[変形例2]
複合機10は、図12に示されるようなパージ機構60を備えていてもよい。パージ機構60は、記録ヘッド21からインクを吸引する機構である。パージ機構60は、公知の構成が採用される。例えば、図12に示されるように、パージ機構60は、キャップ146と、ポンプ150と、廃液タンク149と、チューブ147とを備えている。
キャップ146は、例えば、ゴムやエラストマのような弾性材料で形成されている。キャップ146は、搬送路17よりも右方または搬送路17よりも左方に位置するキャリッジ22(図3において一点鎖線で示されたキャリッジ22)に対面する位置にある。キャップ146は、記録ヘッド21と密着するキャップ位置(図12において実線で示される位置)と、キャップ位置よりも下方の位置であって記録ヘッド21から離間するアンキャップ位置(図12において破線で示される位置)との間を移動可能に構成されている。
廃液タンク149は、記録ヘッド21から吸引されたインクを貯留する。チューブ147の一端は、キャップ146と接続されている。チューブ147の他端は、廃液タンク149の真上に位置する。
ポンプ150は、例えば、ロータリ式のチューブポンプである。ポンプ150は、ポンプ駆動用モータ(不図示)の駆動によって、チューブ147を扱く。これにより、チューブ147において、キャップ146から廃液タンク149へ向かうインクの流れが形成される。
以上より、キャップ146がキャップ位置に位置して記録ヘッド21と密着した状態において、ポンプ駆動用モータが駆動されることにより、貯留室32、33、インクバルブ室35、及び貯留室121に貯留されたインクが、インクチューブ20を介して記録ヘッド21へ吸引される。また、記録ヘッド21へ吸引されたインクが、キャップ146を介してチューブ147へ吸引され、廃液タンク149へ流出する。このインクの吸引処理が、パージ処理である。
パージ処理は、種々のタイミングで実行される。例えば、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留が許容される最大量のインクが貯留されたインクカートリッジ30(貯留されたインクの液面が位置P1であるインクカートリッジ30(図10及び図11参照))が、タンク103に接続されると、パージ処理が実行される。このパージ処理が初期パージ処理である。
また、初期パージ処理の実行中及び初期パージ処理の実行後に、貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121への水頭差によるインクの供給が実行される。水頭差によるインクの供給は、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留されたインクの液面と、貯留室121に貯留されたインクの液面とが同じ高さとなるまで実行される。
そして、この変形例2では、第1部分32Aの最大貯留量が、パージ容量と、水頭差供給量との合計量よりも大きくなるように、インクカートリッジ30A、30Bの貯留室32の第1部分32A及び第2部分32Bの容積及び形状と、タンク103の貯留室103の容積及び形状とが決められている。また、第1部分32Aの最大貯留量が、パージ容量と、水頭差供給量との合計量よりも大きくなるように、初期パージ処理におけるインクの吸引量が設定されている。
ここで、パージ容量は、タンク103にカートリッジ30Aまたはカートリッジ30Bが接続されたときに、初期パージ処理において、貯留室32、33、インクバルブ室35、及び貯留室121から吸引されるインクの容量である。
また、水頭差供給量は、初期パージ処理の実行中及び初期パージ処理の実行後における、貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121への水頭差によるインクの供給量である。換言すると、水頭差供給量は、タンク103にカートリッジ30Aまたはカートリッジ30Bが接続されてから、初期パージ処理後に貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121への水頭差によるインクの供給によって貯留室32、33及びインクバルブ室35と貯留室121との液面が同じ高さとなるまでの、貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121へのインクの供給量である。
変形例2に係る複合機10が初めてユーザに使用されるとき、貯留室121にインクが貯留されていないタンク103(例えば新品のタンク103)に、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留が許容される最大量のインクが貯留されたインクカートリッジ30(例えば新品のインクカートリッジ30)が接続され、その後、パージ機構60によるインクの吸引(初期パージ処理)が実行される。これにより、貯留室32、33及びインクバルブ室35及び貯留室121に貯留されたインクは、記録ヘッド21へ供給される。
変形例2によれば、貯留室32、33及びインクバルブ室35に貯留が許容される最大量のインクが貯留された状態における第1部分32Aにおいて貯留されたインクの容量は、タンク103にインクカートリッジ30Aまたはインクカートリッジ30Bが接続されて、初期パージ処理において貯留室32、33及びインクバルブ室35及び貯留室121から吸引されるインクの容量と、当該初期パージ処理後に貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121への水頭差によるインクの供給によって貯留室32、33及びインクバルブ室35及び貯留室121の液面が同じ高さとなった状態における貯留室32、33及びインクバルブ室35から貯留室121へのインクの供給量との合計量よりも大きい。そのため、上記実施形態と同様に、接続されたインクカートリッジ30がインクカートリッジ30A、30Bのいずれであったとしても、インクカートリッジ30からタンク103に流れるインクの流入速度を略同一にでき、タンク103に貯留されたインクの液面の高さがインクカートリッジ30に貯留されたインクの液面の高さと等しくなるまでの時間差をインクカートリッジ30A、30B間で少なくすることができる。
[変形例3]
上記実施形態では、インクカートリッジ30は、上下方向7と交差する方向(上記実施形態では前後方向8)に沿ってカートリッジケース101に装着されタンク103に接続されていた。しかし、図13に例示される構成のように、インクカートリッジ30は、上下方向7に沿ってカートリッジケース101に装着されタンク103に接続されてもよい。なお、図13では、カートリッジケース101の図示が省略されている。
図13に示される構成では、図13(A)に示されるインクカートリッジ30Aと、図13(B)に示されるインクカートリッジ30Bとが、タンク103に対して選択的に接続可能である。なお、以下の説明では、インクカートリッジ30A及びインクカートリッジ30Bを総称して、インクカートリッジ30と称される。
インクカートリッジ30A及びインクカートリッジ30Bは、インク(液体の一例)が貯留される貯留室32(第1貯留室の一例)を備える。インクカートリッジ30Aの貯留室32及びインクカートリッジ30Bの貯留室32は、第1部分32Aと第2部分32Bとを備える。第2部分32Bは、第1部分32Aの下方に位置する。インクカートリッジ30Aの第1部分32Aの容積及び形状は、インクカートリッジ30Bの第1部分32Aの容積及び形状と同一である。インクカートリッジ30Aの第2部分32Bの容積は、インクカートリッジ30Bの第2部分32Bの容積よりも大きい。
インクカートリッジ30は、下端部に、第1開口141と第2開口142とを備える。インクカートリッジ30がタンク103に接続されていない状態において、第1開口141及び第2開口142は、シールなどによって封止されている。
タンク103は、インクカートリッジ30の下方に位置する。タンク103は、貯留室121(第2貯留室の一例)と、第1ニードル131と、第2ニードル132と、大気連通口133(大気連通部の一例)と、流出口135とを備える。貯留室121には、インクが貯留される。第1ニードル131及び第2ニードル132は、筒状である。第1ニードル131及び第2ニードル132は、上下方向7に延びている。第1ニードル131及び第2ニードル132は、その上端(他端の一例)及び下端(一端の一例)が開口されている。第1ニードル131の内部空間は、第1流路の一例である。第2ニードル132の内部空間は、第2流路の一例である。大気連通口133は、タンク103の上端部に形成されている。大気連通口133は、貯留室32とタンク103の外部とを連通する。つまり、大気連通口133は、貯留室32を大気に連通させる。流出口135は、インクチューブ20と接続されている。これにより、貯留室121から流出口135及びインクチューブ20を介して記録ヘッド21へインクの供給が可能である。
第1ニードル131の下端は、貯留室32における大気連通口133よりも下方に位置する。第1ニードル131の上端は、タンク103よりも上方に突出している。第2ニードル132の下端は、貯留室32における第1ニードル131の下端よりも下方に位置する。第2ニードル132の上端は、タンク103よりも上方に突出している。
インクカートリッジ30の貯留室32を区画する外壁のうちの側壁134(透光壁の一例)は、複合機10の外部から視認可能な位置にある。そして、インクカートリッジ30の貯留室32を区画する外壁のうちの側壁134は、貯留室32に貯留されたインクの液面を外部から視認可能な透光性を有する。なお、インクカートリッジ30の貯留室32を区画する外壁のうち、貯留室32に貯留されたインクの液面を外部から視認可能な透光性を有する壁は、側壁134に限らない。例えば、インクカートリッジ30の貯留室32を区画する外壁の全てが、貯留室32に貯留されたインクの液面を外部から視認可能な透光性を有していてもよい。また、例えば、インクカートリッジ30の貯留室32を区画する外壁のうち上壁が、貯留室32に貯留されたインクの液面を外部から視認可能な透光性を有していてもよい。また、貯留室32に貯留されたインクの液面を外部から視認可能な透光性を有する壁は、カートリッジケース101に装着された状態において、複合機10の外部から視認可能な位置になくてもよい。この場合、透光性を有する壁は、インクカートリッジ30がカートリッジケース101から脱抜された状態において、インクカートリッジ30の外部から貯留室32に貯留されたインクの液面を視認可能であればよい。
インクカートリッジ30がタンク103に接続される過程において、タンク103の第1ニードル131がインクカートリッジ30の第1開口141に貼られたシールを突き破り、貯留室32に進入する。また、当該過程において、タンク103の第2ニードル132がインクカートリッジ30の第2開口142に貼られたシールを突き破り、貯留室32に進入する。つまり、第1ニードル131の上端及び第2ニードル132の上端は、インクカートリッジ30がタンク103に接続された状態において、貯留室32に位置する。
インクカートリッジ30がタンク103に接続されると、貯留室32に貯留されたインクが第2ニードル132の内部空間を通じて貯留室121へ供給される。一方、貯留室32から貯留室121へ供給されたインクの量に対応する量の空気が、大気連通口133から貯留室121及び第1ニードル131の内部空間を通じて貯留室32へ供給される。貯留室32からのインクの供給によって、貯留室121に貯留されたインクの液面が第1ニードル131の下端と同じ高さである位置P5まで上昇すると、第1ニードル131の内部空間を通じての貯留室32への空気の供給が不可能となる。そのため、貯留室32から貯留室121へのインクの供給が停止する。
なお、貯留室121から記録ヘッド21へインクが供給されることによって、貯留室121に貯留されたインクが減少してインクの液面が下降すると、減少した分のインクが貯留室32から貯留室121へ供給される。
そして、変形例3では、貯留室32の第1部分32Aのうち、貯留室32に貯留が許容される最大量のインクが貯留された状態における液面の上下方向7の位置より下方の部分の容積は、貯留室121のうち第1ニードル131の下端よりも下方の部分の容積よりも大きい
図13に示される構成では、インクカートリッジ30がタンク103に接続されていない状態において、貯留室32の全てがインクで満たされている。よって、貯留室32の第1部分32Aのうち、貯留室32に貯留が許容される最大量のインクが貯留された状態における液面の上下方向7の位置P6は、貯留室32の上端である。そして、第1部分32Aのうち位置P6より下方の部分の容積、つまり第1部分32全体の容積は、図13においてハッチング「A」で示された部分の容積である。また、貯留室121のうち第1ニードル131の下端は、位置P5である。そして、貯留室121のうち位置P5よりも下方の部分の容積は、図13においてハッチング「B」で示された部分の容積である。そして、ハッチング「A」で示された部分の容積は、ハッチング「B」で示された部分の容積よりも大きい。
インクカートリッジ30(インクカートリッジ30Aまたはインクカートリッジ30Bのいずれかであって、貯留室32に貯留が許容される最大量のインクが貯留されたインクカートリッジ30)が、貯留室121にインクが貯留されていないタンク103に接続されると、貯留室32に貯留されているインクは、第2ニードル132の内部空間を通じてタンク103の貯留室121へ供給される。このとき、貯留室32からのインクの流出に応じて、大気連通口133、貯留室121、及び第1ニードル131の内部空間を介して貯留室32へ空気が流入する。よって、当該供給は、貯留室121内の液面が第1ニードル131の内部空間の下端に達するまで継続される。
変形例3によれば、第1部分32Aのうち、貯留室32に貯留が許容される最大量のインクが貯留された状態における液面の上下方向7の位置より下方の部分の容積は、貯留室121のうち第1ニードル131の内部空間の下端よりも下方の部分の容積よりも大きい。そのため、タンク103に接続されたインクカートリッジ30がインクカートリッジ30A、30Bのいずれであったとしても、貯留室32から貯留室121へのインクの供給時における液面の降下量は略同一である。そのため、接続するインクカートリッジ30の種類によっては、必要以上にインクが消費されていると、ユーザなどに認識される可能性を低くすることができる。
[その他の変形例]
上記実施形態では、インクカートリッジ30の筐体31において、前壁41が、貯留室32及び貯留室33に貯留されたインクの液面を外部から視認可能な透光性を有していた。しかし、筐体31において、少なくとも前壁41が、貯留室32及び貯留室33に貯留されたインクの液面を外部から視認可能な透光性を有していればよい。例えば、筐体31の全ての壁が、貯留室32及び貯留室33に貯留されたインクの液面を外部から視認可能な透光性を有していてもよい。また、例えば、筐体31の右壁37が、貯留室32及び貯留室33に貯留されたインクの液面を外部から視認可能な透光性を有していてもよい。なお、筐体31における透光性を有する壁は、インクカートリッジ30がカートリッジケース101に装着された状態において、複合機10の外部から視認可能でなくてもよい。例えば、筐体31における透光性を有する壁は、インクカートリッジ30がカートリッジケース101から脱抜された状態において、インクカートリッジ30の外部から貯留室32及び貯留室33に貯留されたインクの液面を視認可能であればよい。
上記実施形態では、インクカートリッジ30は、貯留室32及び貯留室33に貯留されたインクの液面を外部から視認可能な透光性を有する壁を備えていたが、このような壁を備えていなくてもよい。
上記実施形態では、カバー87が透光部88を備えることによって、カバー87が閉塞位置のとき、カートリッジケース101に装着されたインクカートリッジ30の前壁41が、透光部88を通じて複合機10の外部から視認可能であった。しかし、カートリッジケース101に装着されたインクカートリッジ30の前壁41が、複合機10の外部から視認可能であれば、透光部88に限らない。例えば、カバー87を構成する壁に開口が設けられており、カートリッジケース101に装着されたインクカートリッジ30の前壁41が、当該開口を通じて複合機10の外部から視認可能であってもよい。この場合、開口が透光部の一例である。
上記実施形態や変形例では、カバー87は、カバー87が閉塞位置であっても外部からインクカートリッジ30を視認可能な様に透光部88や開口を備えていた。しかし、カバー87は、このような透光部88や開口を備えていなくてもよい。つまり、カバー87が、閉塞位置である状態において、外部からインクカートリッジ30が視認不可能であってもよい。
インクカートリッジ30の形状は、図6及び図7に示された形状に限らない。例えば、インクカートリッジ30は、サブ下壁48や段差面49を有さずに、直方体形状であってもよい。また、例えば、インクカートリッジ30Bは、縦壁62を備えていなくてもよい。この場合、インクカートリッジ30Bは、後壁40の後面40Aのうち縦壁62と、サブ下壁48の上面48Aと、サブ上壁63の下面63Aと、サブ前壁64の前面64Aとによって区画された貫通孔を備えることになる。また、例えば、インクカートリッジ30Bの凹部61や上記の貫通孔は、図7に示された位置とは異なる位置に形成されていてもよい。また、例えば、凹部61や上記の貫通孔が複数形成されていてもよい。
上記実施形態では、複合機10に装着可能なインクカートリッジ30の数は4つであったが、複合機10に装着可能なインクカートリッジ30の数は4つ以外であってもよい。この場合、プレート104によって仕切り分けられるカートリッジケース101の内部空間の数や、タンク103の貯留室121の数などが、装着可能なインクカートリッジ30の数と同数となるように、複合機10が構成されることは言うまでもない。
上記実施形態では、インクを液体の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、インクに代えて、印刷時にインクに先立って用紙に吐出される前処理液、或いは記録ヘッド21のノズル29の乾燥を防止するために記録ヘッド21のノズル29近傍に噴霧される水等が、液体の一例であってもよい。