JP6968535B2 - 組成物、硬化物、パターン形成方法、化合物、重合体、及び化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(1)で表される化合物に由来する構成単位を含む重合体よりなる群から選択される少なくとも1つを含む組成物である。
本発明の第3の態様は、第1の態様の組成物を用いるパターン形成方法である。
本発明の第4の態様は、下記一般式(1)で表される化合物である。
本発明の第6の態様は、第4の態様の化合物の製造方法である。
また、本明細書において、「〜」は特に断りがなければ以上から以下を表す。
第1の態様に係る組成物は、上記一般式(1)で表される化合物及び上記一般式(1)で表される化合物に由来する構成単位を含む重合体よりなる群から選択される少なくとも1つを含む。
第1の態様に係る組成物が熱硬化性組成物である場合、第1の態様に係る組成物は、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、脱水縮合剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、離型剤、可塑剤、充填材、及び強化材等の添加剤や強化材を含んでいてもよい。
第1の態様に係る組成物は、上記一般式(1)で表される化合物を含み得る。
また、第4の態様に係る化合物は上記一般式(1)で表される化合物である。
上記一般式(1)中、R3及びR4についてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
R3及びR4についての有機基としては、炭素原子数1〜10の有機基が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基を有するとき、当該置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、置換基を有するとき、当該置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。
R3及びR4としては水素原子が好ましい。
上記一般式(2)中、R5についてのアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
R5についてのハロゲン化アルキル基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくは、フッ素原子又は塩素原子)を置換基として有する炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、フッ素原子又は塩素原子を置換基として有する炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、フッ素原子を置換基として有するメチル基がより好ましく、トリフルオロメチル基が更に好ましい。
R5としては、水素原子、アルキル基又はハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
上記アルキレン基としては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基又はプロピレン基がより好ましい。
上記シクロアルキレン基としては、炭素数3〜15のシクロアルキレン基が好ましく、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基又はアダマンチレン基がより好ましい。
2価の芳香族基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、1,4−ナフチレン基が好ましく、1,4−フェニレン基がより好ましい。
ここで、「酸性官能基の残基」とは、上記酸性官能基から水素原子を1つ除いた基をいう。
また、第6の態様に係る製造方法は、上記一般式(1)で表される化合物の製造方法である。
第6の態様に係る上記一般式(1)で表される化合物の製造方法の好ましい実施態様として下記実施形態1及び2が挙げられる。
第6の態様に係る上記一般式(1)で表される化合物の製造方法の実施形態1は、下記一般式(M1)で表される化合物と、下記一般式(M2)で表される化合物とを反応させることを含む。
反応温度としては−50℃〜溶媒の沸点程度が好ましく、室温〜100℃がさらに好ましい。
また、反応液中の上記一般式(M1)で表される化合物及び上記一般式(M2)で表される化合物の合計の濃度としては、通常、0.001〜6モル/L程度であり、好ましくは0.005〜4モル/L、さらに好ましくは0.01〜3モル/L程度であってもよい。
第6の態様に係る上記一般式(1)で表される化合物(ただし、mは1である。)の製造方法の実施形態2は、
下記一般式(M1)で表される化合物と、下記一般式(M3)で表される化合物とを反応させて下記一般式(M4)で表される化合物を得る工程(以下、単に「工程(a)」ともいう。)と、
下記一般式(M4)で表される化合物と、下記一般式(M5)で表される化合物とを反応させて下記一般式(M6)で表される化合物を得る工程(以下、単に「工程(b)」ともいう。)とを含む。
X1で表されるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられ、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であることが好ましい。
上記工程(a)において、上記一般式(M1)で表される化合物と上記一般式(M3)で表される化合物との割合(モル比)としては特に制限はないが80/20〜20/80であることが好ましく、70/30〜30/70であることがより好ましい。
また、反応液中の上記一般式(M1)で表される化合物及び上記一般式(M3)で表される化合物の合計の濃度としては、通常、0.001〜6モル/L程度であり、好ましくは0.005〜4モル/L、さらに好ましくは0.01〜3モル/L程度であってもよい。
上記工程(a)の反応は溶剤を用いてもよく、用い得る溶剤としては種々用いることができるが、上記実施形態1で用い得る溶剤と同様の溶剤を用いることができる。
上記工程(b)において、上記一般式(M4)で表される化合物と上記一般式(M5)で表される化合物との割合(モル比)としては特に制限はないが80/20〜20/80であることが好ましく、70/30〜30/70であることがより好ましい。
また、反応液中の上記一般式(M4)で表される化合物及び上記一般式(M5)で表される化合物の合計の濃度としては、通常、0.001〜6モル/L程度であり、好ましくは0.005〜4モル/L、さらに好ましくは0.01〜3モル/L程度であってもよい。
上記工程(b)の反応は溶剤を用いてもよく、用い得る溶剤としては種々用いることができるが、上記実施形態1で用い得る溶剤と同様の溶剤を用いることができる。
第1の態様に係る組成物は、上記一般式(1)で表される化合物に由来する構成単位を含む重合体を含むことができる。
なお、本明細書中において用いられる「一般式(1)で表される化合物に由来する構成単位」の用語は、上記重合体を構成するユニットを指すものであり、重合体を重合する際のモノマー(上記一般式(1)で表される化合物)のモル数に応じ、その構成単位のモル%を定義することができる。
また、第5の態様に係る重合体は、上記一般式(1)で表されるに由来する構成単位を含む重合体である。
上記一般式(1)で表される化合物に由来する構成単位は、熱又は放射線により硬化性を付与するエポキシ基を有することから重合体をアルカリ不溶性にし得る構造を有するので、上記一般式(1)で表される化合物に由来する構成単位を含む重合体はアルカリ可溶性樹脂であってもよい。
上記一般式(1)で表される化合物に由来する構成単位は、酸の作用により分解してカルボキシルイオンを形成し得る構造を有することから、上記一般式(1)で表される化合物に由来する構成単位を含む重合体は酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂であってもよい。
上記一般式(1)で表される化合物に由来する構成単位の重合体に占める割合は特に制限はないが、全モノマー単位に対して30〜90質量%であることが好ましく、35〜85質量%であることがより好ましく、40〜80質量%であることが更に好ましい。
また、本明細書においてアルカリ可溶性樹脂とは、樹脂濃度20質量%の樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に1分間浸漬した際に、膜厚0.01μm以上溶解するものをいう。
アルカリ可溶性基を有する構成単位はアルカリ可溶性基を有する重合性不飽和化合物(a)を共重合に付することにより重合体中に導入できる。
上記アルカリ可溶性基としては、レジストの分野で通常用いられる基であればよく、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基などが挙げられる。アルカリ可溶性基を有する重合性不飽和化合物(a)の代表的な例として、不飽和カルボン酸又はその酸無水物、ヒドロキシスチレン又はその誘導体などが挙げられるが、これらに限定されない。これらのなかでも、特に不飽和カルボン酸又はその酸無水物が好ましい。
コン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などのα,β−不飽和カルボン酸及びその酸無水物(無水マレイン酸、無水イタコン酸等)が例示される。これらのなかでも、アクリル酸、メタクリル酸が特に好ましい。アルカリ可溶性基を有する重合性不飽和化合物(a)は単独で又は2以上を組み合わせて使用できる。
主鎖に環構造を有する構成単位として、下記式(A−1)で表される構成単位(以下、「構成単位(A1a)」ともいう。)及びマレイミド由来の構成単位(以下、「構成単位(A2a)」ともいう。)を挙げることができる。主鎖に環構造を有する構成単位(A1a)を含有する場合、耐熱性が向上する。
このような炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
該各構成単位(A1a)間で同一又は異なる環Aが含有される場合、R1及びR2は結合する各環Aの種類に依存することなく相互に独立である。
一般式(1)で表される化合物に由来する構成単位を含む重合体が、主鎖に上記式(A−1)で表される構成単位(構成単位(A1a))を含有する場合、構成単位(A1a)を含有する繰り返し単位(上述の構成単位(A1a1)及び構成単位(A1a2)を含み得る。)の含有割合は、例えば、1〜70質量%であり、好ましくは3質量%〜60質量%である。
これらのなかでも、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−シクロアルキルマレイミド、N−橋架け炭素環式基置換マレイミドなどが好ましい。N−置換マレイミドは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
一般式(1)で表される化合物に由来する構成単位を含む重合体が、マレイミド由来の構成単位(A2a)を含有する場合の含有割合は、例えば、1〜70質量%であり、好ましくは3質量%〜60質量%である。
脂肪族環式基の具体例としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。特に、シクロヘキサン、アダマンタンから1個の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
上記式(b5)、(b6)または(b7)で表される構成単位を含有する場合の含有割合は、例えば、1〜70質量%であり、好ましくは3質量%〜60質量%である。
上記エーテル結合を有する重合性化合物としては、エーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等のラジカル重合性化合物を例示することができ、具体例としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、上記エーテル結合を有する重合性化合物は、好ましくは、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートである。これらの重合性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一般式(1)で表される化合物に由来する構成単位を含む重合体が、上記重合性化合物由来の構成単位を含有する場合の含有割合は、例えば、1〜70質量%であり、好ましくは3質量%〜60質量%である。
一般式(1)で表される化合物に由来する構成単位を含む重合体が、上記酸非解離性の脂肪族多環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル類由来の構成単位を含有する場合の含有割合は、例えば、1〜70質量%であり、好ましくは3質量%〜60質量%である。
本明細書において質量平均分子量(Mw)はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算による測定値である。
第1の態様に係る組成物は、重合開始剤を含んでいてもよく、重合開始剤としては、特に限定されず、従来公知の光重合開始剤を用いることができる。
第1の態様に係る組成物は、重合性化合物を含んでいてもよく、重合性化合物としては、単官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられる。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能モノマーは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
第1の態様に係る組成物は、光重合開始剤を含んでいてもよく、光重合開始剤としては、特に限定されず、従来公知の光重合開始剤を用いることができ(ケト)オキシムエステル系の光重合開始剤が好適に挙げられる。
第1の態様に係る組成物は、光酸発生剤を含んでいてもよい。
光酸発生剤は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物であり、光により直接又は間接的に酸を発生する化合物であれば特に限定されず、オニウム塩、ジアゾメタン誘導体、グリオキシム誘導体、ビススルホン誘導体、N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル、β−ケトスルホン酸誘導体、ジスルホン誘導体、ニトロベンジルスルホネート誘導体、スルホン酸エステル誘導体等が挙げられる。
以下、光酸発生剤の好適な例について説明する。
これらの光酸発生剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、光酸発生剤の含有量は特に制限はないが、第1の態様に係る組成物の全質量に対し、0.1〜10質量%とすることが好ましく、0.5〜3質量%とすることがより好ましい。
第1の態様に係る組成物は有機溶剤を含んでいてもよく、有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル部炭酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、蟻酸n−ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルカプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ピリジン、及びN,N,N’,N’−テトラメチルウレア等の含窒素極性有機溶剤等が挙げられる。
また、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、モノフェニルエーテル等の多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサン等の環式エーテル類;蟻酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;等も挙げることができる。
これらの有機溶剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
第1の態様に係る組成物は、必要に応じて、各種の樹脂又は添加剤を含有していてもよい。樹脂としては、アルカリ可溶性樹脂又は露光若しくは加熱されることで現像液(アルカリ現像液または溶剤現像液)に対する溶解性が高まる樹脂等が挙げられる。またエチレン性不飽和基を有するものであってもよく、エチレン性不飽和基を有さないものであってもよい。添加剤としては、着色剤、分散剤、増感剤、硬化促進剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、熱重合禁止剤、消泡剤、界面活性剤等が挙げられる。
樹脂の含有量は、第1の態様に係る組成物が、一般式(1)で表される化合物を含む場合は、溶媒を除く組成物全体に対して、例えば、10質量%〜90質量%の範囲で適宜調整すればよく、好ましくは20質量%〜80質量%である。第1の態様に係る組成物が、一般式(1)で表される化合物に由来する重合体を含む場合は、樹脂の含有量は、溶媒を除く組成物全体に対して、例えば、1質量%〜90質量%の範囲で適宜調整すればよく、好ましくは10質量%〜80質量%である。
各種添加剤の添加量は、第1の態様に係る溶剤を除く組成物全体に対して、例えば、0.001質量%〜60質量%の範囲で適宜調整すればよく、好ましくは0.1〜5質量%である。
第1の態様に係る組成物は、上記の各成分を撹拌機で混合することにより調製される。なお、調製され第1の態様に係る組成物が均一なものとなるよう、メンブランフィルタ等を用いて濾過してもよい。
(用途)
第1の態様に係る組成物は、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品用の保護膜、層間絶縁膜、平坦膜、絶縁膜を形成するための組成物として用いることができる。
第2の態様に係る硬化物は、第1の態様の組成物の硬化物である。
第2の態様に係る硬化物は、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品用の保護膜、層間絶縁膜、平坦膜、絶縁膜として用いることができる。
第3の態様に係るパターン形成方法は、第1の態様の組成物を用いる。
第3の態様に係るパターン形成方法は、支持体上に第1の態様の組成物を適用して膜を形成すること、及び上記膜を露光及び現像してパターンを形成することを含むことが好ましい。
上記支持体上に第1の態様の組成物を適用して膜を形成する方法としては特に制限はないが、ことが好ましく、例えば、ロールコータ、リバースコータ、バーコータ等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコータ等の非接触型塗布装置を用いて塗布する方法が挙げられる。
上記塗布後の塗膜は乾燥(プリベーク)することが好ましい。乾燥方法は、特に限定されず、例えば、(1)ホットプレートにて80〜120℃、好ましくは90〜100℃の温度にて60〜120秒間乾燥させる方法、(2)室温にて数時間〜数日間放置する方法、(3)温風ヒータや赤外線ヒータ中に数十分間〜数時間入れて溶剤を除去する方法等が挙げられる。
上記乾燥後の塗膜は、紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射して露光してもしなくてもよい。照射するエネルギー線量は特に制限はないが、例えば30〜2000mJ/cm2程度が挙げられる。
上記乾燥後又は露光後の塗膜はポストベークすることが好ましい。ポストベーク温度は、例えば、80〜250℃であり、100℃〜250℃であることが好ましい。ポストベーク時間は10秒〜120秒であることが好ましく、15秒〜60秒であることがより好ましい。
第3の態様に係るパターン形成方法において、露光部が現像溶解するポジ型と、未露光部が現像溶解する(露光部が現像液に対して不溶になる)ネガ型とのいずれであってもよい。
露光源としては、EUV、EB(電子線)、紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯等の紫外線を発する光源等を用いることができる。照射するエネルギー線量は、組成物の組成によっても異なるが、例えば5〜2000mJ/cm2程度が好ましい。
現像方法は特に限定されず、例えば浸漬法、スプレー法等を用いることができる。現像液の具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機系のものや、例えば、0.02〜10質量%の、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、4級アンモニウム塩等の水溶液が挙げられる。例えば、0.05質量%以上10質量%以下、好ましくは0.05質量%以上3質量%以下のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いることができる。
なお、現像後のパターンにポストベークを施して加熱硬化することもできる。ポストベークの温度は150〜250℃が好ましい。
無色透明で粘稠液体の下記式で表される[3,4]−エポキシビシクロ[4.3.0]ノナン−7−ヒドロキシ−8−イル−アクリレートを9.34g得た(収率78%)。
還流冷却器、滴下ロート及び撹拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気とし、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)275質量部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、メタクリル酸(MAA)55質量部、[3,4]−エポキシビシクロ[4.3.0]ノナン−7−ヒドロキシ−8−イルアクリレートおよび[3,4]−エポキシビシクロ[4.3.0]ノナン−8−ヒドロキシ−7−イルアクリレートの混合物180質量部、及びN−シクロヘキシルマレイミド(CHMI)70質量部をジプロピレングリコールジメチルエーテル170質量部に溶解した溶液を滴下ポンプを用いて約4時間かけて滴下した。
一方、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30質量部をジプロピレングリコールジメチルエーテル225質量部に溶解した溶液を別の滴下ポンプを用いて約4時間かけて滴下した。重合開始剤の滴下が終了した後、約4時間同温度に保持し、その後室温まで冷却して、固形分30.3質量%、酸価35.7mg−KOH/gの共重合体溶液を得た(収率62%)。
生成した共重合体の酸価は118mg−KOH/g、質量平均分子量Mwは9000、分散度は1.80であった。
還流冷却器、滴下ロート及び撹拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気とし、ジプロピレングリコールジメチルエーテル275質量部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、メタクリル酸(MAA)55質量部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルアクリレートと3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレートとの混合物[50:50(モル比)](E−DCPA)180質量部、及びN−シクロヘキシルマレイミド70質量部をジプロピレングリコールジメチルエーテル170質量部に溶解した溶液を滴下ポンプを用いて約4時間かけて滴下した。
一方、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30質量部をジプロピレングリコールジメチルエーテル225質量部に溶解した溶液を別の滴下ポンプを用いて約4時間かけて滴下した。重合開始剤の滴下が終了した後、約4時間同温度に保持し、その後室温まで冷却して、固形分30.3質量%、酸価35.7mg−KOH/gの共重合体溶液を得た(収率76%)。
生成した共重合体の酸価は118mg−KOH/g、質量平均分子量Mwは9000、分散度は1.80であった。
実施例2及び比較例1で得られた各共重合体溶液を用いて以下の評価試験を行った。結果を下記表1に示す。
実施例2及び比較例1で得られた各共重合体溶液(固形分濃度約30質量%)のそれぞれについて、該共重合体溶液80質量部、カチオン重合開始剤(商品名「サンエイドSI−150」、三新化学工業社製)0.5質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を混合し、ミキサーで5分間撹拌溶解した後、減圧脱気して、感放射線性組成物を調製した。
得られた感放射線性組成物の粘度(23℃)を測定し、室温で1ヶ月間保存した後の粘度(23℃)を再度測定し、その間の粘度上昇率が10%未満の場合を〇、10%以上の場合を×とした。
実施例2及び比較例1で得られた各共重合体溶液を反応溶媒と同じ溶媒を用いて固形分濃度3.6質量%に希釈した。この溶液を、バーコ一ターを用いて基材(SUS304、0.5×80×80mm、パフ仕上げ、片面SPV、日本テストパネル、標準試験板)に塗布し、120℃のオーブンで2時間乾燥した後に、ステンレス製バットに約lcmの高さに張ったアルカリ現像液(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド2.35質量%水溶液)に浸潰して、樹脂層が完全に溶解し除去されるまでの時間を計測した。完全に溶解するまでの時間が3分以下であれば〇、3分より長く10分未満であれば△、10分以上であれば×とした。
上記(1)保存安定性の試験と同様にして、感放射線性組成物を調製した。この組成物を0.2mのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過した後、ガラス基板1737(コーニング社製、0.7mm厚×150mm径)上に、膜厚3μmとなるようにスピンナーで塗布し、90℃で3分間ホットプレート上で乾燥させ、高圧水銀灯を用いて全面露光した。次に、塗布膜を超高圧水銀灯を用いてポジマスクパターンを介さずに全面露光し、クリーンオーブン中120℃で30分間加熱乾燥させた。得られた硬化膜付き基板をUV分光光度計(商品名「U−3300」、日立製作所社製)を用いて波長400nm〜800nmの最低透過率を測定した。最低透過率が95%以上であれば〇、85%以上95%未満の場合を△、85%未満を×とした。
上記(1)保存安定性の試験と同様にして、感放射線性組成物を調製した。この組成部部を0.2mのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過した後、ガラス基板1737(コーニング社製、0.7mm厚×150mm径)上に、膜厚3μmとなるようにスピンナーで塗布し、90℃で3分間ホットプレート上で乾燥させ、高圧水銀灯を用いて全面露光した。次に、塗布膜をクリーンオーブン中230℃で30分間加熱硬化させた後、再び250℃で1時間加熱処理し、膜厚測定を行った。230℃、30分間加熱硬化後の膜厚に対して、再加熱(250℃)処理後の膜厚変化を膜厚減少率で算出し、膜厚減少率が3%未満の場合を〇、3%以上の場合を×とした。
一方、実施例1で得られた共重合体を含む組成物を用いた膜は、保存安定性、現像性、透明性及び耐熱性いずれにも優れていた。
下記アルカリ可溶性樹脂を28質量部、下記単官能モノマー1を6質量部、下記多官能モノマーを6質量部、下記着色剤(固形分換算)を50質量部、下記光重合開始剤1及び下記光重合開始剤2を各5質量部、3−メトキシブチルアセテート(MA)と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PM)と、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア(TMU)とが、MA/PM/TMU=35/50/15(質量比)の混合溶剤で、最終固形分濃度が15質量%になるように調製し、感光性組成物を得た。
・単官能モノマー1:実施例1で得られた[3,4]−エポキシビシクロ[4.3.0]ノナン−7−ヒドロキシ−8−イル−アクリレート
・多官能モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・着色剤:3−メトキシブチルアセテートにカーボンブラックを分散させたカーボンブラック分散液(固形分濃度25質量%)
・光重合開始剤1:下記式の化合物
まず、500ml四つ口フラスコ中に、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量235)235g、テトラメチルアンモニウムクロライド110mg、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール100mg、及びアクリル酸72.0gを仕込み、これに25ml/分の速度で空気を吹き込みながら90〜100℃で加熱溶解した。次に、溶液が白濁した状態のまま徐々に昇温し、120℃に加熱して完全溶解させた。この際、溶液は次第に透明粘稠になったが、そのまま撹拌を継続した。この間、酸価を測定し、1.0mgKOH/g未満になるまで加熱撹拌を続けた。酸価が目標値に達するまで12時間を要した。そして室温まで冷却し、無色透明で固体状の下記式(a−4)で表されるビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレートを得た。
ガラス基板上に、実施例3の感光性組成物をスピンコートし、ホットプレート上にて80℃で120秒間プレベークし、マスクを介してミラープロジェクションアライナー(製品名:TME−150RTO、株式会社トプコン製)を用いて50mJ/cm2の露光量で露光し、0.04質量%の水酸化カリウム現像液を用いて60秒間現像することにより、感光性組成物膜のパターン形成を行った。その結果、線幅6μmのブラックマトリクスを形成した。次いで、230℃で20分間ポストベークを行い、ポストベーク後のパターン高さを測定した。
マスクを介さずに露光した他は同様にして、硬化膜を形成し、ポストベーク後の膜厚を測定した。
上記ポストベーク後のパターン高さと、ポストベーク後の硬化膜厚とを比較したところ、その差は、2000Å未満だった。
感光性組成物の単官能モノマー1を、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルアクリレートと3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレートとの混合物[50:50(モル比)]に変更した他は、実施例3と同様にして、評価を行ったところ、上記ポストベーク後のパターン高さと、ポストベーク後の硬化膜厚とを比較したところ、その差は、2000Åを超えていた。
Claims (8)
- 前記一般式(1)で表される化合物が、[3,4]−エポキシビシクロ[4.3.0]ノナン−8−ヒドロキシ−7−イル(メタ)アクリレート及び[3,4]−エポキシビシクロ[4.3.0]ノナン−7−ヒドロキシ−8−イル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の組成物。
- 請求項1又は2に記載の組成物の硬化物。
- 請求項1又は2に記載の組成物を用いるパターン形成方法。
- [3,4]−エポキシビシクロ[4.3.0]ノナン−8−ヒドロキシ−7−イル(メタ)アクリレート、又は[3,4]−エポキシビシクロ[4.3.0]ノナン−7−ヒドロキシ−8−イル(メタ)アクリレートである、請求項5に記載の化合物。
- 請求項5又は6に記載の化合物に由来する構成単位を含む重合体。
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