JP6968529B2 - 変位絶縁材組成物、硬化体、制水設備の変位絶縁方法および制水設備 - Google Patents

変位絶縁材組成物、硬化体、制水設備の変位絶縁方法および制水設備 Download PDF

Info

Publication number
JP6968529B2
JP6968529B2 JP2016217310A JP2016217310A JP6968529B2 JP 6968529 B2 JP6968529 B2 JP 6968529B2 JP 2016217310 A JP2016217310 A JP 2016217310A JP 2016217310 A JP2016217310 A JP 2016217310A JP 6968529 B2 JP6968529 B2 JP 6968529B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
water control
composition according
displacement
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016217310A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018076662A (ja
Inventor
宏之 河野
玄太 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Marine Paints Ltd
Original Assignee
Chugoku Marine Paints Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Marine Paints Ltd filed Critical Chugoku Marine Paints Ltd
Priority to JP2016217310A priority Critical patent/JP6968529B2/ja
Publication of JP2018076662A publication Critical patent/JP2018076662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6968529B2 publication Critical patent/JP6968529B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、変位絶縁材組成物、硬化体、制水設備の変位絶縁方法および制水設備に関する。
ダム、堰、水門等には、制水用または非常用洪水吐きゲート等の制水設備として、水門扉が設けられている。前記水門扉としては、流況の安定性の点、設置時のコンクリートピアの高さに制限がない点、開閉抵抗が少ない点などから、ラジアルゲートが広く採用されている。
図1は、ラジアルゲートの構造の一例を示す断面模式図である。このラジアルゲートでは、支承部を中心にしてワイヤーロープ等を用いて扉体を上下させることにより、扉体の前方に存在する水の水位等を調整することができる。
図2は、支承部の構造の一例を示す断面模式図である。支承部は、回転の中心となるトラニオンピン(軸)と、軸を保持し、ダムのコンクリートピアなどに水圧荷重を伝達させるための、ペデスタル、トラニオンガーダ、テンションビーム、支圧板等から構成される。さらに、扉体の回転が円滑に行われるよう、摩擦が生じるトラニオンピンには、ラジアル軸受やスラスト軸受等が取り付けられている。
図2のように、テンションビームなどのアンカー金物は、コンクリートピア内に埋設されている。しかし、水圧等により脚柱を通じて外力が加わると、トラニオンガーダを経て、テンションビームが伸びるため、テンションビームがコンクリートピアと絶縁していないと、コンクリートピアとテンションビームとの間に過大な応力が発生し、コンクリートピアにひび割れ等が発生する場合がある。従って、テンションビームなどのアンカー金物は、コンクリートピアと絶縁していることが必要となる。
このコンクリートピアとの絶縁のため、テンションビームの表面には変位絶縁材が形成されている。
また、前記アンカー金物には、巨大地震等が発生した際に生じるせん断方向の変位にも対応できるだけの変位絶縁性が求められている。近年では、想定される巨大地震の規模が拡大しており、例えば、ある水門扉体構造の変位絶縁材には、せん断方向に12mmの変位にも追従可能なことが求められている。
このような変位絶縁材を形成する組成物として、例えば、特許文献1には、ビチュレール(タールウレタン樹脂系シール材)を用いることが記載されている。
特開昭47−21907号公報
アンカー金物などの制水設備の部材を周囲の構造物(例:コンクリートピア)から絶縁する際には、アンカー金物などの全周囲に、せん断方向への変位が発生した際に十分に追従可能なように、十分な厚さ(例えば2mm以上の厚さ)の変位絶縁材を形成する必要がある。さらに、テンションビームなどのアンカー金物には、垂直面が存在しているため、該変位絶縁材を形成する組成物には、垂直面に塗布しても垂れない(スランプの抑制)必要がある。
しかしながら、特許文献1に記載されているビチュレールや、従来用いられている歴性質目地材は、高ちょう度(高粘度)であるため、十分な厚さに塗布することは作業者にとって多大な負担であった。また、近年では想定され得る巨大地震の規模が拡大していることから、要求される変位絶縁性も高く、例えば、せん断方向に12mmの変位にも追従可能なことが求められるが、従来の変位絶縁材組成物や歴性質目地材では、十分な厚さに塗布したとしても、形成される硬化体の伸びが不十分なため、せん断方向に対して十分に追従することができず、近年要求される高い変位絶縁性を充足する硬化体を形成できなかった。更に、これらの材料を垂直面等に塗布した場合には、比重が高いために垂れるおそれがあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、従来のタールウレタン樹脂系シール材や、歴性質目地材と比較して軽く、施工性に優れ、垂直面等に塗付する場合であっても垂れにくく、変位絶縁性に優れる厚い硬化体を形成可能な変位絶縁材組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究した。その結果、特定の変位絶縁材組成物によれば、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。本発明の態様例は、以下のとおりである。
[1] 2官能以上の多官能ポリオール(A)、イソシアネート(B)および有機繊維(C)を含む変位絶縁材組成物。
[2] 前記ポリオール(A)およびイソシアネート(B)の合計100質量部に対し、前記有機繊維(C)の含有量が10質量部以上である、[1]に記載の組成物。
[3] 前記有機繊維(C)がポリエチレン繊維である、[1]または[2]に記載の組成物。
[4] 前記有機繊維(C)の繊維長が3mm以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5] JIS A 5758:2010に基づいて測定されるスランプ(但し、測定温度は23℃である。)が3mm以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6] 下記要件(I)を満たす、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
要件(I):前記組成物を用いて、JIS K 6251:2010(ダンベル状3号形)に基づいて測定される伸びが150%以上である
[7] 下記要件(II)を満たす、[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
要件(II):前記組成物を用いて、JIS K 6251:2010(ダンベル状3号形)に基づいて測定される引張強さが1MPa以下である
[8] アミン(D)を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
[9] 制水設備用変位絶縁材組成物である、[1]〜[8]のいずれかに記載の組成物。
[10] [1]〜[9]のいずれかに記載の組成物の硬化体。
[11] [1]〜[9]のいずれかに記載の組成物を、制水設備の少なくとも一部に塗布して硬化させる工程を含む、制水設備の変位絶縁方法。
[12] [1]〜[9]のいずれかに記載の組成物の硬化被膜を少なくとも一部に有する制水設備。
本発明によれば、従来のタールウレタン樹脂系シール材や、歴性質目地材と比較して軽く(密度が小さく)、施工性に優れ、垂直面等に塗付する場合であっても垂れにくい(スランプが抑制された)組成物を提供することができ、しかも該組成物によれば、変位絶縁性に優れる厚い硬化体を形成することができる。
図1は、ラジアルゲートの構造の一例を示す断面模式図である。 図2は、図1の支承部の構造の一例を示す断面模式図である。
≪変位絶縁材組成物≫
本発明に係る変位絶縁材組成物(以下「本組成物」ともいう。)は、2官能以上の多官能ポリオール(A)、イソシアネート(B)および有機繊維(C)を含む。
なお、本発明において、変位絶縁材組成物とは、該組成物から形成された硬化体を有する部材が変位した場合であっても、その変位分だけ前記硬化体が変形し、該変位によって発生するせん断応力を、該部材の周囲に伝搬させないような(該部材の変位の伝搬を絶縁可能な)硬化体を形成できる組成物のことをいう。
本組成物は、1成分型の組成物であってもよいが、貯蔵安定性に優れる等の点から、前記ポリオール(A)を含む主剤成分と、イソシアネート(B)を含む硬化剤成分との2成分(以上)型とすることが好ましい。この場合、有機繊維(C)は、主剤成分と硬化剤成分のいずれか一方に含有させるか、両方に含有させるか、またはこれらと別に準備し、主剤成分と硬化剤成分を混合する際に加えてもよい。
<2官能以上の多官能ポリオール(A)>
2官能以上の多官能ポリオール(A)(以下「成分(A)」ともいう。)は、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリオールであれば特に制限されず、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ラクトン系ポリオール、ひまし油系ポリオール等を用いることができる。これらの中でも安価であり、かつ、耐水性に優れる硬化体を容易に得ることができる等の点から、ポリエーテル系ポリオールが好ましい。
成分(A)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
ポリエーテル系ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、キシレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、ビスフェノールA等の芳香族ジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース等の3官能以上の多価アルコール等のポリオール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエタノールアミン、芳香族ジアミン等のアミン化合物類のような少なくとも2個以上の活性水素基を有する化合物を出発原料として、これにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ポリオキシテトラメチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させて得られるポリエーテル系ポリオールが挙げられる。
ポリエステル系ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、前記ポリオール類と、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、アゼライン酸、セバシン酸等の多塩基酸および/またはカプロラクトンとを反応させて得られるポリエステル系ポリオールが挙げられる。
ポリカーボネート系ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、前記ポリオール類とジエチルカーボネートとの脱エタノール縮合反応によって得られるポリカーボネートポリオール、前記ポリオール類とジフェニルカーボネートとの脱フェノール縮合反応によって得られるポリカーボネートポリオール、前記ポリオール類とエチレンカーボネートとの脱エチレングリコール縮合反応によって得られるポリカーボネートポリオールが挙げられる。
ポリオレフィン系ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリブタジエン、またはブタジエンとスチレンもしくはアクリロニトリルとの共重合体の末端に水酸基を導入したポリブタジエン系ポリオール、およびその水素添加物が挙げられる。
ラクトン系ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、グリコール類やトリオール類等の重合開始剤に、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等のラクトン類を、有機金属化合物、金属キレート化合物、脂肪酸金属アシル化合物等の触媒の存在下で付加重合させて得られるポリオールが挙げられる。
ひまし油系ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ひまし油およびひまし油のアルキレンオキサイド付加物のうちの少なくとも1種と、アルコール、ポリエステル系ポリオールおよびポリエーテル系ポリオールのうちの少なくとも1種とのエステル交換物;ひまし油脂肪酸(ひまし油から得られる脂肪酸であり、通常、リシノール酸とオレイン酸等との混合物である。)と、アルコール、ポリエステル系ポリオールおよびポリエーテル系ポリオールのうちの少なくとも1種とのエステル化合物;ひまし油のジオール型の部分脱水化物または部分アシル化物;前記エステル交換物、前記エステル化合物および前記部分脱水化物または部分アシル化物の各々の化合物の水添物;ひまし油を重合し、重合ひまし油を得た後、得られた重合ひまし油のエステル交換反応物とカプロラクトンとを反応させることで得られる2官能以上の化合物が挙げられる。
成分(A)としては、効率的に三次元網目構造を形成できる等の点から、2官能ポリオールと3官能以上のポリオールとを併用することが好ましい。
成分(A)の水酸基価は、特に制限されないが、適切なちょう度および粘度を有し、施工作業性に優れる組成物が得られ、伸び特性に優れる硬化体を容易に得ることができる等の点から、好ましくは14〜400mgKOH/g、より好ましくは25〜160mgKOH/gである。
成分(A)の粘度は、特に限定されないが、施工作業性に優れる組成物が得られる等の点から、JIS Z 8803:2011に準拠してウベローデ粘度計を用いて25℃で測定される粘度が、好ましくは70〜3,000mPa・s、より好ましくは250〜2,000mPa・sである。
成分(A)の数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、適切なちょう度および粘度を有し、施工作業性に優れ、低温硬化性に優れる組成物が得られる等の点から、好ましくは1,000〜10,000、より好ましくは1,500〜8,000であり、伸び特性により優れる硬化体を容易に得ることができる等の点から、特に好ましくは4,000〜7,000である。
成分(A)は、従来公知の方法に従って合成してもよく、市販品を用いてもよい。
市販品としては、「エクセノール3030」(旭硝子(株)製、3官能ポリエーテルポリオール)、「エクセノール5030」(旭硝子(株)製、3官能ポリエーテルポリオール)、「ボラノール3022J」(ダウ・ケミカル日本(株)製、3官能ポリエーテルポリオール)、「エクセノール805」(旭硝子(株)製、2官能ポリエーテルポリオール)等が挙げられる。
成分(A)の含有量は、本組成物全量(固形分)に対して、適切なちょう度および粘度を有する組成物が得られ、伸び特性により優れる硬化体を容易に得ることができる等の点から、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは10〜30質量%、特に好ましくは17〜22質量%である。
<イソシアネート(B)>
イソシアネート(B)(以下「成分(B)」ともいう。)は、前記成分(A)と反応し、硬化可能な化合物であればよい。
成分(B)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
成分(B)としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下「MDI」と略称する。〔例:2,2’−MDI、2,4’−MDI、4,4’−MDI〕)、ポリメリックMDI(クルードMDI)、トリレンジイソシアネート(以下「TDI」と略称する。〔例:2,4−TDI、2,6−TDI〕)、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類のほか、キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族イソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート類、前記イソシアネートのカルボジイミド変性体、およびイソシアネート化合物と低分子ポリオールなどとを反応させて得られるポリウレタン系プレポリマー等が挙げられる。
これらの中でも、本組成物の可使時間を適切に調整することができ、柔軟性に優れる硬化体が得られる等の点から、芳香族イソシアネートまたは芳香脂肪族イソシアネートおよび該イソシアネートを用いて得られるポリウレタン系プレポリマーが好ましく、TDIプレポリマーがより好ましい。
成分(B)は、従来公知の方法に従って合成してもよく、市販品を用いてもよい。
成分(B)の市販品としては、「タケネートL−1028」(三井化学(株)製、両末端にイソシアネート基を有する2官能TDIプレポリマー)、「ルプラネートM20S」(BASF INOAC ポリウレタン(株)製、クルードMDI)、「ミリオネートMR−200」(東ソー(株)製、クルードMDI)、「ミリオネートMTL」(東ソー(株)製、カルボジイミド変性MDI)等が挙げられる。
成分(B)は、該成分のイソシアネート基と、前記成分(A)の水酸基との等量比が、NCO/OH=0.5〜1.5となるように配合することが好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.2である。
等量比がこの範囲内であると、硬化不良や発泡の原因となりにくいため好ましい。
成分(B)の含有量は、適切なちょう度および粘度を有する組成物を容易に得ることができる等の点から、本組成物全量(固形分)に対して、好ましくは20〜55質量%であり、より好ましくは30〜45質量%である。
<有機繊維(C)>
有機繊維(C)(以下「成分(C)」ともいう。)は、増粘剤としての役割を有す。該成分(C)を前記成分(A)および(B)と共に用いることで、密度が小さく、垂直面等に十分な厚み(例えば、2mm以上の厚み)で塗布した場合であっても垂れにくく、同時に施工作業性(塗装性)にも優れる組成物を容易に得ることができる。
成分(C)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
成分(C)としては、有機物を主成分とする繊維であれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリスチレン繊維等のポリオレフィン系繊維、ビニロン繊維等のポリビニルアルコール系繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維等のポリアミド系繊維、アクリル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、セルロース系繊維などを用いることができる。これらの中でも、垂直面等に十分な厚みで塗布した場合であっても垂れにくい組成物を容易に得ることができ、さらに、伸び特性に優れる硬化体を容易に得ることができる等の点から、ポリオレフィン系繊維が好ましく、ポリエチレン繊維がより好ましい。
成分(C)の繊維長は、特に限定されないが、垂直面等に十分な厚みで塗布した場合であっても垂れにくい組成物を容易に得ることができ、さらに、伸び特性に優れる硬化体を容易に得ることができる等の点から、好ましくは3mm以下であり、より好ましくは1mm以下であり、下限は、好ましくは0.001mmである。
成分(C)の繊維径は、特に限定されないが、垂直面等に十分な厚みで塗布した場合であっても垂れにくい組成物を容易に得ることができる等の点から、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。
成分(C)の市販品としては、「ケミベスト FDSS−2」、「ケミベスト FDSS−5」(三井化学(株)製、ポリエチレン繊維)、「イザナス サイバーチョップ」(東洋紡(株)製、ポリエチレン繊維)等が挙げられる。
成分(C)の含有量は、前記成分(A)および(B)の合計100質量部に対して、垂直面等に十分な厚みで塗布した場合であっても垂れにくく、同時に施工作業性(塗装性)にも優れる組成物を容易に得ることができる等の点から、10質量部以上であり、より好ましくは10〜50質量部であり、さらに、施工性に優れる組成物を容易に得ることができ、かつ、伸び特性により優れる硬化体を容易に得ることができる等の点から、特に好ましくは11〜20質量部である。
<アミン(D)>
アミン(D)(以下「成分(D)」ともいう。)は、任意に使用することができ、硬化時に成分(B)のイソシアネート基とウレア結合を形成することで、破壊靭性の高い硬化体を容易に形成することができる。
成分(D)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
また、成分(D)は、2成分型の本組成物において、通常、主剤成分に配合される。
成分(D)としては、特に制限されないが、その中でも脂肪族系、脂環族系、芳香族系、複素環系などのアミンが好ましい。
脂肪族系アミンとしては、例えば、アルキレンポリアミン、ポリアルキレンポリアミンが挙げられる。前記アルキレンポリアミンとしては、例えば、式:H2N−R−NH2で表される化合物が挙げられる。前記式において、Rは、炭素数1〜30の二価の炭化水素基であり、分岐を有していてもよい。具体的には、メチレンジアミン、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,3−ジアミノペンタン、1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,6−ジアミノヘキサン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
前記ポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、式:H2N−(Cm2mNH)nHで表される化合物が挙げられる。前記式において、mは1〜10の整数であり、nは2〜10、好ましくは2〜6の整数である。具体的には、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ノナエチレンデカミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン等が挙げられる。
これら以外の脂肪族アミンとしては、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン(MXDA)、p−キシリレンジアミン、テトラ(アミノメチル)メタン、テトラキス(2−アミノエチルアミノメチル)メタン、1,3−ビス(2’−アミノエチルアミノ)プロパン、トリエチレン−ビス(トリメチレン)ヘキサミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、ビス(シアノエチル)ジエチレントリアミン、ジエチルアミノプロピルアミン等が挙げられる。
脂環族アミンとしては、具体的には、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン、4,4’−イソプロピリデンビス(シクロヘキシルアミン)、ノルボルナンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、イソホロンジアミン(IPDA)、メンセンジアミン(MDA)等が挙げられる。
芳香族系アミンとしては、ビス(アミノアルキル)ベンゼン、ビス(アミノアルキル)ナフタレン、ベンゼン環に結合した2個以上の1級アミノ基を有する芳香族ポリアミン化合物等が挙げられる。この芳香族系アミンとして、より具体的には、例えば、トリレンジアミン、フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジクロロジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノビフェニル、2,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、ビス(アミノメチル)ナフタレン、ビス(アミノエチル)ナフタレンが挙げられる。
複素環系アミン系としては、具体的には、ピペラジン、N−メチルピペラジン、モルホリン、1,4−ビス−(3−アミノプロピル)ピペラジン、1,4−ジアザシクロヘプタン、1−(2’−アミノエチルピペラジン)、1−[2’−(2’’−アミノエチルアミノ)エチル]ピペラジン、1,11−ジアザシクロエイコサン、1,15−ジアザシクロオクタコサン等が挙げられる。
その他アミンとしては、例えば、ポリエーテルジアミンや特開昭47−30799号公報に記載のアミン類(アミン化合物)が挙げられる。さらに、前記アミンとして挙げた化合物の変性物、例えば、ポリアミドアミン、前記化合物とエポキシ化合物とのアミンアダクト、マンニッヒ化合物(例えば、マンニッヒ変性ポリアミドアミン、フェナルカミン)、マイケル付加物、ケチミン、アルジミンが挙げられる。
これらの中でも、可使時間の長い組成物を容易に得ることができ、破壊靭性の高い硬化体を容易に得ることができる等の点から、芳香族系アミンが好ましく、4,4'−ジアミノ−3,3’−ジクロロジフェニルメタンおよびその変性物がより好ましい。
成分(D)は、従来公知の方法で合成して得てもよく、市販品でもよい。市販品としては、例えば、芳香族アミンである「イハラキュアミンML−520E」および「イハラキュアミンML−620E」(いずれも、イハラケミカル工業(株)製)、脂肪族ポリアミンである「ACIハードナーK−39」(PTIジャパン(株)製)、ポリアミドアミンである「PA−66」、「PA−23」および「PA−290(A)」(いずれも、大竹明新化学(株)製)、変性ポリアミンである「MAD−204(A)」(大竹明新化学(株)製)、マンニッヒ変性ポリアミドアミンである「アデカハードナーEH−342W3」((株)ADEKA製)、マンニッヒ変性脂肪族ポリアミンである「サンマイドCX−1154」(三和化学(株)製)、フェナルカミンアダクトである「カードライトNC556×80」(カードライト社製)が挙げられる。
成分(D)の含有量は、本組成物全量(固形分)に対して、好ましくは0〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。
<可塑剤>
伸び特性により優れる硬化体を容易に得ることができる等の点から、本組成物は可塑剤を含有することが好ましい。
本組成物が2成分型の組成物である場合、可塑剤は硬化剤成分中に配合してもよいが、均一な物性を有する硬化体を容易に得ることができる等の点から、主剤成分中に配合することが好ましい。
可塑剤の例としては、2−エチルヘキシルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、プロセスオイル等が挙げられる。
前記可塑剤を用いる場合の含有量としては、本組成物全量(固形分)に対して、伸び特性により優れる硬化体を容易に得ることができる等の点から、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは10〜30質量%、さらに好ましくは13〜27質量%、特に好ましくは20〜27質量%である。
<その他成分>
本組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記成分(A)〜(D)および可塑剤以外のその他成分を含んでもよい。その他成分としては、顔料、消泡剤、分散剤、触媒、水分吸着剤、表面調整剤、レオロジーコントロール剤、レベリング剤、増粘剤、溶剤等が挙げられる。
その他成分は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本組成物が2成分型の組成物である場合、その他成分は硬化剤成分中に配合してもよいが、均一な物性を有する硬化体を容易に得ることができる等の点から、主剤成分中に配合することが好ましい。
[顔料]
本組成物は、所望の用途に応じて、着色、硬化収縮の低減、コストダウン等のために顔料を含有してもよい。
顔料の例としては、カーボンブラック、チタン白、ベンガラ、黒色弁柄、バライト粉、シリカ、タルク、白亜、酸化鉄粉、けいそう土、アルミナ、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、アスベスト、ガラス繊維、石英粉、水酸化アルミニウム、金粉、銀粉、ガラスバルーン、硫酸バリウムが挙げられる。また、これらの表面をシラン化合物等で表面処理したものを用いてもよい。
前記顔料を用いる場合の含有量としては、本組成物全量(固形分)に対し、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜10質量%である。
[消泡剤]
硬化物の強度や品質等の点から、本組成物の硬化体には、気泡が存在していないことが好ましい。このため、本組成物には、消泡剤を配合することが好ましい。
消泡剤の種類としてはシリコーン系消泡剤、ミネラルオイル系消泡剤などが挙げられる。
消泡剤としては、水系、溶剤系、無溶剤系のいずれも用いることができるが、硬化体を形成する際の硬化収縮を抑えるために無溶剤系のシリコーン系消泡剤が好ましい。無溶剤系のシリコーン系消泡剤の市販品としては、例えば、「Dоw Corning Toray SAG−47」(東レ・ダウコーニング(株)製)が挙げられる。
前記消泡剤を用いる場合の含有量としては、本組成物全量(固形分)に対し、好ましくは0.01〜1質量%である。
[分散剤]
本組成物は、成分(C)や顔料が均一に分散した状態で硬化することが好ましい。このため、本組成物には、分散剤を配合してもよい。
分散剤の種類としては特に制限されないが、リン酸エステル系分散剤等が挙げられる。
リン酸エステル系分散剤の市販品としては、例えば、「Efka 5220」(BASFジャパン(株)製)、「BYK W972」(ビックケミー・ジャパン(株)製)が挙げられる。
前記分散剤を用いる場合の含有量としては、本組成物全量(固形分)に対し、好ましくは0.1〜2質量%である。
[水分吸着剤]
大気中や、成分(A)、成分(C)および顔料に含まれうる水分を系内に取り込んだ本組成物から硬化体を形成する場合、成分(B)と水分とが反応し、発泡する可能性がある。この発泡を抑制するために系内の水分を除去することが好ましく、このため、本組成物には、水分吸着剤を配合することが好ましい。
水分吸着剤としては、水分吸着能があれば特に制限されず、従来公知の物質を用いることができるが、市販品としては、「モレキュラーシーブ4A」(ユニオン昭和(株)製)等が挙げられる。
前記水分吸着剤を用いる場合の含有量としては、本組成物全量(固形分)に対し、好ましくは0.1〜3質量%である。
[触媒]
本組成物は、成分(A)と成分(B)との反応を促進する触媒を含有してもよい。
このような触媒としては、スズカルボン酸塩、アミン系触媒、スズ以外の金属カルボン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)塩および有機酸等が挙げられる。
スズカルボン酸塩としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテートおよびスズオクチレートなどが挙げられ、アミン系触媒としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミンおよびテトラメチルブタンジアミンなどが挙げられ、スズ以外の金属カルボン酸塩としては、オクチル酸コバルト、オクチル酸マンガンおよびオクチル酸亜鉛などが挙げられ、DBU塩としては、DBU−ステアリン酸塩、DBU−オレイン酸塩およびDBU−ギ酸塩などが挙げられ、有機酸の例としては2−エチルヘキシル酸、オクチル酸などが挙げられる。
これらの触媒の市販品としては、「グレックTL」(日辰貿易(株)製)、「DABCO 33−LV」(エアープロダクツジャパン(株)製)、「ネオスタンU−28」(日東化成(株)製)および「トリエチルアミン」((株)ダイセル製)、「オクチル酸」(KHネオケム(株)製)、「K−KAT XK−627」(楠本化成(株)製)等が挙げられる。
前記触媒を用いる場合の含有量としては、本組成物全量(固形分)に対し、好ましくは0.01〜5質量%である。
<本組成物の物性>
本組成物のJIS K 5600−2−4:1999に基づいて測定される密度(23℃)は、軽く、垂直面等に十分な厚みで塗布した場合であっても、垂れにくい(スランプの抑制された)組成物を容易に得ることができる等の点から、好ましくは1.00〜1.20g/cm3、より好ましくは1.02〜1.10g/cm3である。
本組成物のJIS A 5758:2010に基づいて測定されるスランプ(23℃)は、垂直面等に十分な厚みで塗布した場合であっても、垂れにくい(組成物を容易に得ることができる等の点から、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下、特に好ましくは1mm以下である。
本組成物のJIS K 2220:2013に基づいて測定されるちょう度(23℃)は、垂直面に対しても塗布できる組成物が得られる等の点から、好ましくは40〜500、より好ましくは50〜300である。
本組成物は、このようなちょう度を有しており、垂直面等に十分な厚みで塗布した場合であっても、垂れにくい(スランプの抑制された)組成物である。
本組成物は、変位絶縁材組成物として好適に使用することができ、得られる硬化体がより変位絶縁性に優れる等の点から、下記要件(I)および要件(II)を満たすことが好ましい。
要件(I):本組成物を用いて、JIS K 6251:2010(ダンベル状3号形)に基づいて測定される伸び(降伏点伸び)が150%以上である
該伸びは、より変位絶縁性に優れる硬化体となる等の点から、より好ましくは200%以上、特に好ましくは300%以上であり、上限は、好ましくは1,000%である。
要件(II):本組成物を用いて、JIS K 6251:2010(ダンベル状3号形)に基づいて測定される引張強さが1MPa以下である
該引張強さは、より変位絶縁性に優れる硬化体となる等の点から、より好ましくは0.5MPa以下であり、下限は、好ましくは0.01MPa、より好ましくは、0.05MPaである。
伸びおよび引張強さが前記範囲にある硬化体を形成できる組成物は、変位絶縁材組成物であると言える。
<本組成物の調製方法>
本組成物は、前記成分(A)〜(C)、さらに必要により成分(D)、可塑剤およびその他成分を混合することにより調製することができる。
混合する方法としては特に制限されないが、前記主剤成分の調製時や、主剤成分と硬化剤成分との混合時に、空気が取り込まれると、得られる硬化体内に気泡が残り、変位絶縁効果を発揮できない可能性があるため、主剤成分の調製時に脱泡工程を行ったり、主剤成分と硬化剤成分との混合時に低回転で撹拌を行うことにより、本組成物中への空気の取り込み量を減らすことが好ましい。
本組成物が2成分(以上)型の場合は、使用する直前に用いる各成分を混合すればよいが、本組成物の調製方法として、好適には、以下の方法が挙げられる。
まず、前記主剤成分と、硬化剤成分とを容器に投入し、電動攪拌機等の撹拌手段により撹拌する。この際、任意に成分(D)、可塑剤やその他成分を加えてもよい。
用いる容器は、得られる組成物の体積の約2倍以上である容器が好ましい。また、電動撹拌機の撹拌羽根としては、モルタル用の撹拌羽根を用いることができる。
次に、成分(C)を前記主剤成分と硬化剤成分とを混合した容器に少しずつ投入して混合する。なお、成分(C)は、前述のように予め主剤成分と硬化剤成分のいずれか一方に含有させるか、主剤成分と硬化剤成分の両方に含有させておいてもよい。
≪硬化体≫
本発明に係る硬化体は、前記本組成物を硬化することで形成することができる。
本組成物によれば、高い伸び(降伏点伸び)を有する硬化体が得られる。従って、該硬化体を、制水設備等の変位絶縁が求められる場所、部材に形成することで、該場所や部材を変位絶縁することができる。このため、本組成物は、制水設備用変位絶縁材組成物として、好適に使用することができる。
前記硬化体は、通常硬化被膜として、変位絶縁が求められる場所、部材に形成される。該硬化被膜の厚みは、所望の用途に応じ、適宜選択すればよいが、十分な変位絶縁性を有する硬化被膜を得る等の点から、通常2mm以上、好ましくは6mm以上、より好ましくは6〜10mmである。例えば、せん断方向に12mm以上の変位にも追従可能な硬化被膜を形成するためには、硬化被膜の厚みが2mm以上であればよいが、施工時の誤差や安全性および防食性を考慮し、硬化被膜の厚みを6mm以上とすることが好ましい。
本組成物を硬化させる際には、硬化時間を短くする等の点から、加熱してもよいが、通常、加熱することなく常温下で20分〜1時間程度放置すればよい。
本組成物は、常温下での硬化性にも優れているため、常温下で短時間で硬化させることができる。
前記硬化体のJIS K 6253:2012に基づいてデュロメータータイプEを用いて測定される硬度は、より変位絶縁性に優れる硬化体となる等の点から、好ましくは5〜70、より好ましくは10〜60、特に好ましくは40〜50である。
硬度が前記範囲にある硬化体を形成できる組成物は、変位絶縁材組成物であると言える。
≪制水設備の変位絶縁方法および制水設備≫
本発明に係る制水設備の変位絶縁方法(以下「本方法」ともいう。)は、前記本組成物を、制水設備の少なくとも一部に塗布して硬化させる工程を含む。
本発明に係る制水設備は、前記本組成物の硬化被膜を少なくとも一部に有すれば特に制限されないが、具体的には、前記本方法により、形成される。
本発明における制水設備としては、ダム、堰、水門等が挙げられ、具体的には、これらの制水部材、放流部材、取水部材等が挙げられ、より具体的には、ゲート(水門扉)等が挙げられ、特に、ダム、堰、水門等を構成するコンクリート部材(例:コンクリートピア)中に埋設されるまたはコンクリート部材と接する、テンションビーム、トラニオンガーダ、支圧板等が挙げられる。
本方法では、これらの制水設備を構築する際に、本組成物を塗布しながら構築してもよく、制水設備を構成する部材、例えば、テンションビーム等に予め本組成物を塗布し、硬化被膜を形成したものを用いて制水設備を構築してもよい。多くは、後者の方法が用いられる。
本組成物が塗装される対象となる部材の材質としては、鋼材やステンレス材が挙げられる。
例えば、前記テンションビームとしては、通常H鋼が用いられる。該H鋼を変位絶縁するには、その全面を本組成物の硬化被膜で覆う必要があり、しかもその硬化被膜は、要求される変位絶縁性に応じて十分な厚膜(例えば2mm以上)にする必要がある。このようなH鋼は、その形状ゆえ、地面に対する垂直面やさらには天井面にも本組成物を塗装する必要があり、スランプ(垂れ)の抑制が非常に望まれている。また、一方、前記テンションビームは、かなりの大きさであり、しかも厚膜を形成する必要があるため、施工作業性(塗装性)に優れることも要求される。通常、垂れやすい組成物は塗装性に優れ、塗装性に優れる組成物は垂れやすいが、本発明によれば、前記要求を同時に達成できる組成物を得ることができる。
制水設備の少なくとも一部に本組成物を塗布する方法としては、特に制限されず従来公知の方法を採用できるが、例えば、せん断方向へ12mm以上の変位にも追従可能な硬化被膜を形成するためには、硬化被膜の厚みが2mm以上であればよいが、施工時の誤差や安全率、および防食性を考慮し、硬化被膜の厚みを6mm以上とすることが好ましい。このような厚みの膜を形成するには、通常鏝塗り等が好ましく、より具体的には、鏝等を用いて押さえ付けるように塗布することが好ましい。
本組成物を制水設備の少なくとも一部に塗布する際には、通常、施工箇所に付着性向上のため予めプライマーを塗布する。該プライマーとしては、例えば、変性エポキシ樹脂系塗料「ユニバンNT−100K」(中国塗料(株)製)等が挙げられる。
なお、プライマーを塗布する前に、施工箇所表面を従来公知の方法で処理してもよく、ごみ等を取り除いておいてもよい。
プライマーを塗布した後は、該プライマーの硬化を確認し、ゴミ等の付着を阻害するものがあれば除去する。次いで、本組成物を十分に混合した後、鏝等を用いて押さえ付けるようにプライマー上に塗布し、ある程度平らに塗布した後、鏝等にシンナー等を付け、本組成物の表面をならして仕上げる方法が挙げられる。
このようにして、本組成物を塗布した後または硬化被膜を形成した後、被塗物が金属であれば、渦電流式膜厚計等によって膜厚を測定し、硬化被膜の厚みを調整してもよい。
本発明について実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。
実施例および比較例で用いた材料は以下の通りである。
<2官能以上の多官能ポリオール(A)>
・「エクセノール 5030」(旭硝子(株)製、3官能ポリエーテルポリオール、水酸基価:33mgKOH/g、Mn=5,100、粘度(25℃):910mPa・s)
・「ボラノール 3022J」(ダウ・ケミカル日本(株)製、3官能ポリエーテルポリオール、水酸基価:56mgKOH/g、Mn=3,000、粘度(25℃):485mPa・s)
・「エクセノール 805」(旭硝子(株)製、2官能ポリエーテルポリオール、水酸基価:26mgKOH/g、Mn=6,500、粘度(25℃):1,200mPa・s)
<イソシアネート(B)>
・「タケネートL−1028」(三井化学(株)製、両末端にイソシアネート基を有する2官能TDIプレポリマー、NCO%:2.9wt%、粘度(25℃):8,000mPa・s)
<有機繊維(C)>
・「ケミベストFDSS−2」(三井化学(株)製、ポリエチレン繊維、繊維長0.6mm)
・「ケミベストFDSS−5」(三井化学(株)製、ポリエチレン繊維、繊維長0.1mm以下)
<アミン(D)>
・「ML−520E」(イハラキュアミンML−520E、イハラケミカル工業(株)製、o−クロロアニリンおよびホルムアルデヒドの縮合物(4,4’−ジアミノ−3,3’ジクロロジフェニルメタン)とポリプロピレングリコールジベンゾエートとの50:50混合物)
・「ML−620E」(イハラキュアミンML−620E、イハラケミカル工業(株)製、4,4’−ジアミノ−3,3’ジクロロジフェニルメタンとポリプロピレングリコールとの50:50混合物)
<可塑剤>
・「DOP」(ジェイ・プラス(株)製、ジオクチルフタレート)
・「ダイアナオイル E−900」(出光興産(株)製、石油系炭化水素)
<その他成分>
[増粘剤]
・「BYK−410」(ビッグケミー・ジャパン(株)製、ウレアウレタン)
・「ガラマイト1958」(BYK Additives社製、有機変性クレー)
[顔料]
・「シリカTK−1」(東濃硅粉砿業協業組合製、シリカ)
[消泡剤]
・「SAG−47」(東レ・ダウコーニング(株)製、ジメチルポリシロキサン系消泡剤)
[触媒]
・「K−KAT XK−627」(楠本化成(株)製、カルボン酸混合金属)
・「オクチル酸」
・「DABCO 33−LV」(エアープロダクツジャパン(株)製、三級アミン)
・「グレックTL」(日辰貿易(株)製、ブチル錫カルボキシレート)
[水分吸着剤]
・「モレキュラーシーブ 4A」(ユニオン昭和(株)製)
[実施例1〜14および比較例1〜3]
表1に記載の2官能以上の多官能ポリオール(A)、アミン(D)、可塑剤およびその他成分を、表1に記載する量で混合、撹拌し、主剤成分を調製した。なお、表1中の原料の欄の数値は、質量部を示す。
調製した主剤成分と、表1に記載の種類および量のイソシアネート(B)および有機繊維(C)とを混合し、組成物を調製した。
[密度]
JIS K 5600−2−4:1999に基づいて、得られた組成物の密度(23℃)を計測した。密度が1.00〜1.20である組成物を好ましい組成物とした。
結果を表1に示す。
[スランプ試験]
得られた組成物を用い、測定温度を23℃にした以外は、JIS A 5758:2010に基づいて、スランプ試験を行った。
なお、各組成物につき、3回試験を行った。結果(平均スランプ)を表1に示す。平均スランプが3mm以下である場合、合格とした。
[ちょう度]
JIS K 2220:2013に基づいて、得られた組成物のちょう度(23℃)を測定した。ちょう度が40〜500である組成物を好ましい組成物とした。結果を表1に示す。
[発泡]
容量約100mlのポリプロピレン製容器に、得られた組成物を容器の縁と同じ高さまでヘラを使用して平らに充填した。充填から1時間経過し、組成物が十分に硬化した事を確認した後、硬化体の表面の高さと容器の高さとの差を、ノギスと目視で確認して発泡の有無を確認した。本組成物は、硬化した際に収縮するため、発泡が無ければ、硬化体の表面は容器の高さ未満となる。一方、発泡が発生した場合は、硬化体の体積膨張が起こるため、その表面は容器高さ以上となる。硬化体の表面が容器の高さ未満である場合を、発泡「無」と評価し、硬化体の表面が容器高さ以上である場合を、発泡「有」と評価した。そして、発泡が確認できなかった場合を合格とした。結果を表1に示す。
[伸び]
得られた組成物を用い、JIS K 6251:2010に基づいて、各組成物につき、3個の試験片(ダンベル状3号形を用いたダンベル状試験片)を作成し、引張試験機(オートグラフAGS−10KNX、(株)島津製作所製)を用いて降伏点伸びを測定し(試験速度:500±50mm、試験温度:23±1℃)、各試験片の降伏点伸びの平均値を算出した。結果を表1に示す。
[引張強さ]
得られた組成物を用い、JIS K 6251:2010に基づいて、各組成物につき、3個の試験片(ダンベル状3号形を用いたダンベル状試験片)を作成し、引張試験機(オートグラフAGS−10KNX、(株)島津製作所製)を用いて引張強さを測定し(試験速度:500±50mm、試験温度:23±1℃)、各試験片の引張強さの平均値を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0006968529
<評価>
実施例1〜14で得られた組成物は、スランプが小さく、垂直面に塗布した際の垂れがないものであった。更に、伸び特性に大変優れているため、変位絶縁材組成物として好適に使用することができ、制水設備の構造に塗布することで、巨大地震が発生した際などに生じる、周囲のコンクリート構造物とのせん断方向の変位にも対応することが可能である。
また、実施例1〜14で得られた組成物は、密度が小さく軽く、厚膜に塗布する際の施工性にも優れている。
実施例1〜11で得られた組成物を用いた場合には、特に伸び特性に優れる硬化体を得ることができ、実施例12〜14で得られた組成物を用いた場合には、架橋密度が高い硬化体を得ることができる。
一方、比較例1〜3の組成物は、成分(C)を用いないため、スランプが大きいか発泡があり不良であった。ウレアウレタンは、一般的な増粘剤として知られているが、比較例1と2とを比べると、増粘剤としてウレアウレタンを用いた場合には、その添加量を増加してもスランプは改善されなかった。また、有機変性クレーも一般的な増粘剤として知られているが、比較例3の組成物は、スランプが大きいばかりか、硬化の際に発泡し、使用できないものであった。

Claims (10)

  1. 2官能以上の多官能ポリオール(A)、イソシアネート(B)、有機繊維(C)およびアミン(D)(但し、アミン(D)は、第3級アミンではない)を含む、コンクリート部材と接する制水部材の少なくとも一部の表面に塗布される制水部材用変位絶縁材組成物であって、
    前記多官能ポリオール(A)が2官能のポリオールと3官能以上のポリオールとを含有し、
    前記制水部材が、ダム、堰または水門から選択される制水設備の、テンションビーム、トラニオンガーダまたは支圧板である、
    制水部材用変位絶縁材組成物。
  2. 前記ポリオール(A)およびイソシアネート(B)の合計100質量部に対し、前記有機繊維(C)の含有量が10質量部以上である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記有機繊維(C)がポリエチレン繊維である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記有機繊維(C)の繊維長が3mm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. JIS A 5758:2010に基づいて測定されるスランプ(但し、測定温度は23℃である。)が3mm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 下記要件(I)を満たす、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
    要件(I):前記組成物を用いて、JIS K 6251:2010(ダンベル状3号形)に基づいて測定される伸びが150%以上である
  7. 下記要件(II)を満たす、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
    要件(II):前記組成物を用いて、JIS K 6251:2010(ダンベル状3号形)に基づいて測定される引張強さが1MPa以下である
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物の硬化体。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物を、ダム、堰または水門から選択される制水設備のテンションビーム、トラニオンガーダまたは支圧板から選択される制水部材のコンクリート部材と接する表面の少なくとも一部に塗布して硬化させる工程を含む、制水設備の変位絶縁方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物の硬化被膜を、コンクリート部材と接する表面の少なくとも一部に有する、ダム、堰または水門から選択される制水設備のテンションビーム、トラニオンガーダまたは支圧板から選択される制水部材。
JP2016217310A 2016-11-07 2016-11-07 変位絶縁材組成物、硬化体、制水設備の変位絶縁方法および制水設備 Active JP6968529B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016217310A JP6968529B2 (ja) 2016-11-07 2016-11-07 変位絶縁材組成物、硬化体、制水設備の変位絶縁方法および制水設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016217310A JP6968529B2 (ja) 2016-11-07 2016-11-07 変位絶縁材組成物、硬化体、制水設備の変位絶縁方法および制水設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018076662A JP2018076662A (ja) 2018-05-17
JP6968529B2 true JP6968529B2 (ja) 2021-11-17

Family

ID=62150172

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016217310A Active JP6968529B2 (ja) 2016-11-07 2016-11-07 変位絶縁材組成物、硬化体、制水設備の変位絶縁方法および制水設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6968529B2 (ja)

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5425068B2 (ja) * 1971-09-09 1979-08-25
JPH0337217A (ja) * 1989-07-04 1991-02-18 Nippon Autom Kk 超軟質エラストマー組成物
JPH03146515A (ja) * 1989-11-01 1991-06-21 Hamamatsu Puratetsuku:Kk 超軟質エラストマー組成物
JPH08199061A (ja) * 1995-01-26 1996-08-06 Dainippon Ink & Chem Inc 一液型揺変性ポリウレタン組成物及びコーティング材、シーリング材、接着剤
DE10005495B4 (de) * 2000-02-08 2007-01-25 Degussa Ag Gelmassen auf Basis von Reaktionsprodukten aus Polyolen und Polyisocyanaten
US20040198900A1 (en) * 2003-04-04 2004-10-07 Construction Research & Technology Gmbh Two part polyurethane sealant composition with low modulus and good paintability
US20070043198A1 (en) * 2005-08-17 2007-02-22 Construction Research & Technology Gmbh Paintable two-component polyurethane sealant
JP4937595B2 (ja) * 2006-02-07 2012-05-23 オート化学工業株式会社 一液型湿気硬化性組成物、シーリング材組成物及び接着剤組成物
JP5545588B2 (ja) * 2008-07-14 2014-07-09 セメダイン株式会社 ポリウレタン系シーリング材組成物
JP5390260B2 (ja) * 2009-05-22 2014-01-15 コニシ株式会社 一液湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物
WO2014196607A1 (ja) * 2013-06-07 2014-12-11 株式会社カネカ 硬化性樹脂組成物、それを用いてなる構造接着剤、コーティング材又は繊維強化複合材料、それを発泡してなる発泡体、それを硬化してなる積層体、及びそれらの硬化物
JP6425446B2 (ja) * 2014-07-30 2018-11-21 アイカ工業株式会社 外壁タイル剥落防止構造及び外壁タイル剥落防止工法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018076662A (ja) 2018-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
BRPI0710585A2 (pt) sistema de resina reativa hìbrida de componente duplo (aquoso), processo para sua produção e uso do mesmo
WO2014141956A1 (ja) ポリウレタン樹脂組成物、防水材および複合弾性材
JP2010275425A (ja) 2液反応型ポリウレタン樹脂組成物及びこれを硬化させてなるポリウレタン樹脂
JP2013095758A (ja) 二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物
JP5891126B2 (ja) 吹き付け塗装用のポリウレタン樹脂形成性組成物及びポリウレタン樹脂
JP5561658B2 (ja) ポリウレタン樹脂形成性組成物及び鋼矢板用止水材
BR112016027351B1 (pt) Sistema selante curável com umidade, sistema selante curável reativo e método para formar um selante
JP2011202018A (ja) ポリウレタン塗膜材用硬化剤、及びこれを用いたポリウレタン塗膜材用二液型キット
JP6968529B2 (ja) 変位絶縁材組成物、硬化体、制水設備の変位絶縁方法および制水設備
TWI777976B (zh) 版式軌道之修補材料、硬化體、版式軌道之修補方法、版式軌道及樹脂組成物
JP6939699B2 (ja) 土木建築用コーティング樹脂組成物、硬化物、土木建築構造物、及び土木建築構造物のコーティング方法
JP5359560B2 (ja) 建築用ポリウレタンシーリング材およびシーリング後の目地構造
JP2017137207A (ja) 水硬性ポリマーセメント組成物及びこれによる床構造
JPH07109326A (ja) 速硬化型エラストマ−
JP4343064B2 (ja) ポリウレタン樹脂
JP5807320B2 (ja) ポリウレタンシーリング材
JP6340929B2 (ja) 二液硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物
JP2009149809A (ja) 2液反応型ポリウレタン樹脂組成物及びこれを硬化させてなるポリウレタン樹脂
JP7020449B2 (ja) コーティング用樹脂組成物、硬化膜、コンクリートコーティング構造体、及びコンクリート構造体の表面コーティング方法
CN110373146B (zh) 双组份聚氨酯密封胶及其制备方法和应用
JP7398208B2 (ja) コンクリート片の剥落防止工法
JP2002069291A (ja) 塗り床用硬質ウレタン樹脂組成物
JP7075813B2 (ja) 土木建築用コーティング樹脂組成物、硬化物、土木建築構造物、及び土木建築構造物のコーティング方法
JP6977751B2 (ja) コンクリート構造物及びその製造方法、並びに、タイル構造物
CN114574080B (zh) 单组分半聚脲防水涂料及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211019

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211027

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6968529

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150