JP5359560B2 - 建築用ポリウレタンシーリング材およびシーリング後の目地構造 - Google Patents

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Description

本発明は、基剤と硬化剤の混合性が良好な建築用ポリウレタンシーリング材およびシーリング後の目地構造に関する。
ポリウレタンシーリング材のうち、二液型建築用シーリング材は、基剤(ウレタンプレポリマー)と硬化剤(ポリプロピレンエーテルポリオール)を、工事現場において、日本シーリング工業会、JISS8防水工事解説書4.21 シーリング材練混ぜ機械の種類と使用法で推奨する専用攪拌機により混合し、施工に供するように作業手順が標準化されている。専用攪拌機は、フープ径229cmの硬化剤容器を混合速度36rpmでパドルを回転させ、パドルの抵抗により両者を混合する方式である。専用攪拌機を用いると、混合中の空気の巻き込みが少なく、施工後のあばたや発泡による外観上の不具合が低減され、硬化後のシーリング材の美観が良好に保持されるという利点がある。
しかし、回転速度が遅い専用攪拌機の場合には、低粘稠の液体である基剤とペースト状の硬化剤の粘度差が大きいため、基剤と硬化剤が均一に混合できず、だま状態の混合物になり、施工後に部分的に硬化不良を生じることがあった。特に、夏期の高温時には、基剤の粘度が著しく低下するため、硬化剤との粘度差がさらに大きくなり、混合性がさらに悪化し、硬化不良の部分が増大し、シーリング効果、美観を損ねるという問題があった。
基剤と硬化剤の混合性を改善するために、従来、基剤に揺変剤や増粘剤を添加し、基剤の粘度を高めてから、硬化剤と混合する方法が提案されているが、基剤の流動性が低下し取扱いが困難になり、基剤容器への残留量が増大し、硬化後のシーリング材の物性にばらつきが生じるという問題があった。例えば、基剤のウレタンプレポリマーに、90℃以上で膨張するプラスチック製熱膨張性微粒中空体を添加する方法では〔特許文献1〕、シーリング材の粘度増大、および、硬化物の耐久性の観点から中空体の配合量は制限される。
また、硬化剤に低粘剤を添加し、硬化剤の粘度を低め基剤の粘度に近づけて混合する方法が提案されている。例えば、ポリプロピレンエーテルポリオールを含有する硬化剤に、特定の平均粒子径の分布を有する樹脂系中空体を添加し、耐久性に優れ、軽量のポリウレタン系シーリング材を得る方法が提案されている〔特許文献2〕。しかし、この提案では、基剤と硬化剤の混合性の不具合が課題に挙げられておらず、基剤と硬化剤の比重差が小さくなると粘度差が大きいにも拘わらず混合性が向上することには全く言及されていない。さらには、硬化剤に有機系微小中空体を添加しても、混合性が改善されることはないとすら記載する文献もある〔特許文献3〕。
要するに、基材と硬化剤の粘度差を近づけて混合性を改良する方法では、シーリング材の粘度が低くなり、ずり落ち(スランプスリップ)のおそれが生じ、実用的ではない。
特開2006−307117号公報 特開2008−285581号公報 特開昭63−191856号公報
本発明は、建築用ポリウレタンシーリング材の基剤と硬化剤の粘度差を小さくして、基剤と硬化剤の混合性を向上させ、以て、建築物の目地における、施工後のシーリング材の硬化不良を防止し、シーリング材・目地の美観を保持することができる建築用ポリウレタンシーリング材の提供、および、シーリング後の目地構造の提供が目的である。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ウレタンプレポリマーを含有する基剤と、ポリプロピレンエーテルポリオールを含有する硬化剤とからなる二液型建築用ポリウレタンシーリング材の硬化剤に、樹脂中空体を添加し、基剤と硬化剤の比重差を特定範囲に縮小することにより、基剤と硬化剤の混合性を向上させ、施工時の作業性を改善し、目地の硬化後のシーリング材の硬化不良、美観低減がないことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記(1)〜(12)を提供する。
(1)末端にイソシアネート基を有する化合物(A)を含有する基剤と、ポリプロピレンエーテルポリオール(B)を含有する硬化剤からなる二液型建築用ポリウレタンシーリング材において、基剤の粘度(20℃)が3.0〜15Pa・s、硬化剤の粘度が644.4Pa・s以上で、基剤と硬化剤の粘度差が大きく、かつ、基剤の比重が0.8〜1.05、硬化剤の比重が0.8〜1.1で、基剤と硬化剤の比重差が0.15以下であり、前記硬化剤が中空体を含有することを特徴とする二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
(2)二液型建築用ポリウレタンシーリング材の比重が0.8〜1.10であることを特徴とする前記(1)に記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
(3)前記硬化剤が硬化剤全量の0.5〜5.0質量%の前記中空体を含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
(4)前記中空体の比重が0.05〜0.30であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
(5)前記中空体の平均粒子径が40〜110μmであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
(6)前記中空体がアクリロニトリル(共)重合体樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリスチレンおよびポリ塩化ビニリデンからなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂の中空体であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
(7)前記中空体が樹脂中空体であって、前記樹脂中空体が無機化合物でコーティングされていることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
(8)前記中空体が樹脂中空体であって、前記樹脂中空体が炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、タルク、クレーおよびカーボンブラックからなる群から選ばれる少なくとも一種の無機化合物でコーティングされていることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
(9)前記中空体が、アクリロニトリル(共)重合体中空体であり、その中空体のうち、平均粒子径が40μm以上70μm以下の中空体の含有率が20体積%超30体積%以下で、かつ、平均粒子径が70μm超110μm以下の中空体の含有率が70体積%超80体積%以下であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
(10)前記末端にイソシアネート基を有する化合物(A)がトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも一種のイソシアネートと、ポリプロピレンエーテルジオールおよび/またはポリプロピレンエーテルトリオールとの縮合重合体であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
(11)前記(1)〜(10)のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材を建築物の目地に施工してなることを特徴とする建築物の目地構造。
本発明によれば、硬化剤の粘度を大きくして、基剤と硬化剤の粘度差が大きく、混合性が悪い場合であっても、また、高温下などでの施工時の流動性が悪くても、専用攪拌機における基剤と硬化剤の混合性が良好で、均一混合物が得られるため、施工後のシーリング材の硬化不良がなく、施工した目地からのスランプスリップがなく、目地の美観の保持性が極めて高い。また、硬化剤の比重が小さいので軽量であり、施工時の作業性が良好である。さらに、基剤の粘度、流動性を格別変更する必要がないので、基剤を硬化剤に混合する際の作業性に優れ、基剤容器の残量が少ない。
以下に、本発明を詳細に説明する。
(シーリング材)
本発明の二液型建築用ポリウレタンシーリング材(以下、本発明のシーリング材とも記す)は、粘度差が大きい、ウレタンプレポリマーを含有する基剤と、ポリプロピレンエーテルポリオールを含有する硬化剤とからなるシーリング材の硬化剤に、樹脂中空体を混合して、基剤と硬化剤の比重差が0.15以下になるように調整した二液型建築用ポリウレタンシーリング材である。
本発明のシーリング材に含有される樹脂中空体は、粒径が比較的小さいものの含有率が高く、かつ、ブロードな粒度分布を有するものであり、これによって、基剤との混合性に優れ、本発明のシーリング材の硬化物の硬化不良をなくし、美観を長年に渡り維持することができるほか、軽量化による作業性の向上もある。
本発明は、基剤と硬化剤の混合性が悪い場合、したがって、基剤と硬化剤の粘度差が400Pa・sと以上と大きい場合に有効であるが、基剤と硬化剤の粘度差が400〜1000Pa・s、特に600〜800Pa・sの場合により有効である。
次に、本発明のシーリング材に含有される基剤ウレタンプレポリマー、硬化剤ポリプロピレンエーテルポリオールおよび中空体等について詳述する。
(ウレタンプレポリマー)
本発明の基剤を構成するウレタンプレポリマーは、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを、ヒドロキシ基(OH基)に対してイソシアネート基(NCO基)が過剰となるように反応させることにより得られる反応生成物等を用いることができる。0.5〜5質量%のNCO基を分子末端に含有するウレタンプレポリマーが好ましい。
ウレタンプレポリマーの粘度は3〜15Pa・s、好ましくは5〜10Pa・sである。また、比重は0.80〜1.05、好ましくは0.9〜1.03である。
(ポリイソシアネート化合物)
ウレタンプレポリマーの製造に使用されるポリイソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を2個以上有するものであれば特に限定されない。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、TDI[例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)]、MDI[例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)]、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)のような脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)のような脂環式ポリイソシアネート;これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
このようなポリイソシアネート化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が好ましく、トリレンジイソシアネート(TDI)が、得られるウレタンプレポリマーが低粘度となり、ウレタンプレポリマーを含む基剤の取扱いが容易となる理由から特に好ましい。
(ポリオール化合物)
ウレタンプレポリマーの製造に使用されるポリオール化合物は、ヒドロキシ基を2個以上有するものであれば特に限定されない。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、これらの混合ポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の縮合重合体であるポリエーテルに、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールおよびペンタエリスリトールからなる群から選択される少なくとも一種のポリオールを付加して得られるが、具体的には、ポリプロピレンエーテルジオール、ポリオキシプロピレンエーテルトリオールが好適に例示される。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパンおよびその他の低分子ポリオールからなる群から選ばれる少なくとも一種のポリオールと、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、その他の脂肪族カルボン酸およびオリゴマー酸からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリカルボン酸との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトンなどの開環重合体等が挙げられる。
その他のポリオールとしては、例えば、ポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオール;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールのような低分子量のポリオール等が挙げられる。
このようなポリオール化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、ポリプロピレンエーテルジオール、ポリプロピレンエーテルトリオールが、基剤の粘度を適当範囲にすることができ、また、これらを基剤に用いて得られる本発明のシーリング材の硬化物の伸びと強度が適当で、水浸漬後の膨潤による物性の低下が少ないという理由から好ましい。
本発明に使用されるウレタンプレポリマーは、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)およびジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)からなる群から選択される少なくとも一種と、ポリプロピレンエーテルジオールおよび/またはポリプロピレンエーテルトリオールとの組合せによるものが好適に例示される。このようなウレタンプレポリマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に使用されるウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の比として、NCO基/OH基(当量比)が、1.2〜2.5であるのが好ましく、1.5〜2.0であるのがより好ましい。当量比がこのような範囲である場合、得られるウレタンプレポリマーの粘度が基剤として適当であり、ウレタンプレポリマー中の未反応のポリイソシアネート化合物の残存量を低減することができる。
本発明に使用されるウレタンプレポリマーの製造方法は特に限定されず、例えば、前記の当量比のポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを、50〜130℃で加熱攪拌することによって製造される。また、必要に応じて、例えば、有機錫化合物、有機ビスマス、アミンのようなウレタン化触媒を用いることができる。
(ポリプロピレンエーテルポリオール)
本発明に使用される硬化剤を構成するポリプロピレンエーテルポリオールは、ヒドロキシ基を2個以上有し、主鎖としてポリプロピレンエーテルの骨格を有するものであれば特に限定されない。
ポリプロピレンエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の少なくとも一種の縮合重合体に、プロピレンジオール、ジプロピレンジオール、プロピレントリオールおよびプロピレンテトラオールからなる群から選択される少なくとも一種のポリオールを付加させて得られるポリオール等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリプロピレンエーテルポリオールの分子量は、反応性、物性の観点から、150〜13,000であるのが好ましく、300〜10,000であるのがより好ましい。
なお、ポリプロピレンエーテルポリオールの製造方法は特に限定されず、従来公知の方法により製造される。
(中空体)
本発明に使用されるシーリング材を構成する硬化剤に含有される中空体は、中空体の外殻が樹脂またはガラス状物質によって構成されているものである。例えば、樹脂中空体の内部に液体を内包させてこれを加熱し、外殻となる樹脂中空体を膨張させ、かつ、内部の液体を気化させて得られる熱膨張性の樹脂中空体が挙げられる。
本発明に使用される樹脂中空体は、比重が0.05〜0.30、好ましくは0.05〜0.15であり、平均粒子径は40〜110μmである。
樹脂中空体の外殻を構成する樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、(メタ)アクリロニトリル(共)重合体等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらのうち、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデンおよび(メタ)アクリロニトリル(共)重合体からなる群から選択される少なくとも一種であるのが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデンのようなハロゲン含有化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルのようなニトリル化合物;ベンジルアクリレート、ノルボルナンアクリレートのようなアクリレート化合物;メチルメタクリレート、ノルボルナンメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートのようなメタクリレート化合物;スチレン系モノマー;酢酸ビニル;ブタジエン;ビニルピリジン;クロロプレン等の化合物のホモポリマーや、これらの化合物のコポリマー等が挙げられる。
これらのうち、耐候性、耐熱性の観点から、アクリロニトリル共重合体(例えば、アクリロニトリルとメタクリロニトリルとの共重合体、アクリロニトリルとアクリロニトリルと共重合可能なブタジエン、スチレンのようなビニル系モノマーとの共重合体等)、ポリ塩化ビニリデン樹脂が好ましい。
樹脂中空体に内包される液体としては、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテルのような炭化水素類;塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロルエチレンのような塩素化炭化水素が挙げられる。
本発明に使用される樹脂中空体は、平均粒子径が40μm以上70μm以下の樹脂中空体を樹脂中空体全体積中の20体積%超30体積%未満で含み、かつ、平均粒子径が70μm超110μm以下の樹脂中空体を樹脂中空体全体積中の70体積%超80体積%未満で含む。樹脂中空体の最大粒子径は、汎用的に使用される樹脂中空体が有する範囲であれば特に限定されず、600μm以下であるのが好ましく、500μm以下であるのがより好ましい。
アクリロニトリル−メタクリロニトリル共重合体の中空体の平均粒子径と粒度分布の測定には、レーザー回折式粒度分布測定装置(SYMPATEC社製、HEROS&RODOS) を使用した。乾式分散ユニットの分散圧は5.0bar、真空度は5.0mbarで乾式測定法により測定し、D50値を平均粒子径とした。
前記平均粒子径の分布を有する樹脂中空体を、本発明の硬化剤の合計量の0.5〜10質量%、好ましくは0.5〜6質量%含む場合には、基剤と硬化剤の比重差を0.15以下、好ましくは0.10以下に調整することが容易であり、好ましい。
樹脂中空体が、平均粒子径70μm以下の樹脂中空体を樹脂中空体全体積中の20体積%超含むことにより、本発明のシーリング材からなる硬化物の伸びが適当となり、その結果、耐久性も良好となる。
また、樹脂中空体が、平均粒子径110μm以下の樹脂中空体を樹脂中空体全体積中の70体積%超含むことにより、より低比重化が図れ、スランプスリップが良好になる。また、施工時のヘラ仕上げ性が滑らかになり、外観が良好になる。
なお、樹脂中空体の含有量の算出において、硬化剤の合計質量には樹脂中空体の質量を含むものとする。
樹脂中空体の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。
本発明に使用される樹脂中空体は、硬化剤調製時の作業性に優れるという観点から、無機化合物でコーティングされていることが好ましい。コーティングは樹脂中空体の全表面に施されているのが好ましい。
樹脂中空体をコーティングするために使用される無機化合物は特に限定されず、その具体例としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、タルク、クレー、カーボンブラック等が挙げられる。
このような無機化合物は、それぞれ単独で、または、2種以上を併用して使用することができる。
樹脂中空体を無機化合物でコーティングする方法は特に限定されず、従来公知の方法によりコーティングすることができる。
ガラス系中空体はシラスバルーン等である。シラスバルーンは、例えば、粒度が5〜500μm、比重が0.18〜0.4で、強度が80〜100kg/cmの微小中空体である。
(活性水素含有化合物)
本発明のシーリング材においては、硬化剤が、さらにポリプロピレンエーテルポリオール以外の活性水素含有化合物を含有することができる。
活性水素含有化合物は、ウレタンプレポリマーと反応可能な活性水素を有する活性水素基を備える化合物であれば特に限定されない。
活性水素基としては、例えば、アミノ基、イミノ基、ヒドロキシ基が挙げられる。
活性水素含有化合物としては、例えば、脂肪族ポリアミン(脂環式ポリアミンを含む。)、芳香族ポリアミンのようなポリアミン;ポリオール化合物等が挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えば前記と同様のものが挙げられる。
脂肪族ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン、メタキシリレンジアミン(MXDA)、ヘキサメチレンジアミンカルバメートのような脂肪族ジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンのような3官能以上の脂肪族アミン等が挙げられる。
活性水素含有化合物としての芳香族ポリアミンは、芳香環に2個以上のアミノ基および/またはイミノ基が結合しているものであれば特に限定されない。
このような芳香族ポリアミンとしては、例えば、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,2′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,3−トリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,5−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、3,4−トリレンジアミン、メチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン等が挙げられる。
このような活性水素含有化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
活性水素含有化合物の使用量は、本発明のシーリング材組成物からなる硬化物の物性(例えば、引張物性、せん断物性等)と耐熱安定性の観点から、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基と、ポリプロピレンエーテルポリオールおよび活性水素含有化合物が有する活性水素基の合計との当量比[イソシアネート基/活性水素基]が、0.8〜1.5となるようにするのが好ましく、1.0〜1.3となるようにするのがより好ましい。
(添加剤)
本発明のシーリング材組成物は、前記ウレタンプレポリマー、ポリプロピレンエーテルポリオールおよび樹脂系中空体等以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、充填剤、硬化触媒、可塑剤、分散剤、溶剤、酸化防止剤、老化防止剤、顔料が挙げられる。添加剤は、基剤および/または硬化剤に添加することができる。
充填剤は、得られる本発明のシーリング材の硬化物の物性(例えば、伸び、引張強度等)を補強しうるものであれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム(沈降性炭酸カルシウム)、酸化チタン、酸化ケイ素、タルク、クレー、生石灰、カオリン、ゼオライト、けいそう土、微粉末シリカ、疎水性シリカ、カーボンブラック等が挙げられる。ポリプロピレンエーテルポリオールおよび可塑剤との濡れ性の観点から、重質炭酸カルシウム、コロイダル炭酸カルシウムおよび酸化チタンが好ましい。
充填剤は単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。
充填剤の含有量は、得られる本発明のシーリング材の硬化物の破断伸びに優れ、破断強度を補うという観点から、ウレタンプレポリマー100質量部に対して40〜160質量部であるのが好ましく、50〜150質量部であるのがより好ましい。
硬化触媒としては、例えば、有機金属系触媒が挙げられる。
有機金属系触媒としては、例えば、オクテン酸鉛、オクチル酸鉛のような鉛系触媒;オクチル酸亜鉛のような有機亜鉛化合物;ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズラウレートのような有機スズ化合物;オクチル酸カルシウム、ネオデカン酸カルシウムのような有機カルシウム化合物;有機バリウム化合物;有機ビスマス化合物等が挙げられる。
硬化触媒は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
硬化触媒の使用量は、硬化剤全量に対して0.2〜5質量%であることが好ましい。
なお、硬化触媒は、ポリプロピレンエーテルポリオールと共に硬化剤中に配合してもよいし、主剤と硬化剤の混合時に添加してもよい。
可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DLP)、ジブチルベンジルフタレート(BBP)、ジオクチルアジペート(DOA)、ジイソデシルアジペート(DIDA)、トリオクチルフォスフェート(TOP)、トリス(クロロエチル)フォスフェート(TCEP)、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート(TDCPP)、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられる。
可塑剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。
可塑剤の使用量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、20質量部以下であるのが好ましい。
分散剤は、固体を液中に分散させうるものであれば特に限定されない。
分散剤の使用量は、硬化剤全量に対して0.01〜5質量%であるのが好ましく、0.05〜5質量%であるのがより好ましい。
溶剤としては、例えば、ヘキサン、トルエンのような炭化水素化合物;テトラクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素化合物;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル;酢酸エチルのようなエステル;ミネラルスピリット等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシトルエンアニソール(BHA)、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、亜リン酸トリフェニル等を挙げることができる。
老化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシトルエンアニソール(BHA)、ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
顔料は、無機顔料と有機顔料とに大別される。
無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化亜鉛、群青、ベンガラのような金属酸化物;リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウムの硫化物、これらの塩酸塩またはこれらの硫酸塩等が挙げられる。
有機顔料としては、具体的には、例えば、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
本発明のシーリング材の製造方法は特に限定されないが、例えば、ウレタンプレポリマーを含有する基剤と、ポリプロピレンエーテルポリオールと中空体とを含有する硬化剤とを別々に十分に混合する方法により調製することができる。
また、本発明においては、調製された基剤を窒素ガス等で置換された容器に、調製された硬化剤を別の容器にそれぞれ充填し保存することができ、使用時に基剤と硬化剤とを十分に混合して調製することもできる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1〜3、比較例1〜2)
(ウレタンプレポリマーの調製)
まず、数平均分子量4000のポリプロピレンエーテルトリオール(T4000、旭硝子社製)1000gと、数平均分子量2000のポリプロピレンエーテルジオール(D2000、旭硝子社製)1000gとを反応容器に入れて、減圧下で110℃に加熱し、6時間脱水を行った。
次いで、脱水後の反応容器に、トリレンジイソシアネート(「コスモネート」T80、三井化学ポリウレタン社製)をNCO基/OH基の当量比が2.0となるように攪拌しながら添加した。その後、反応容器内を80℃に加熱し、窒素雰囲気下でさらに24時間攪拌混合し、ウレタンプレポリマーを調製した。
得られたウレタンプレポリマーのNCO基の含有量(NCO%)は、ウレタンプレポリマー全質量に対して3.2質量%であった。
(シーリング材の調製)
第1表に示す硬化剤成分を第1表に示す量比(質量部)で使用し、これらを電動攪拌機を用いて十分に混合して硬化剤を調製した。
次に、前記ウレタンプレポリマー(基剤)100質量部を、第1表の硬化剤の400質量部に加え、混合物を専用攪拌機により十分に混合してシーリング材を調製した。
第1表に示す各成分(基剤以外)は以下のとおりである。
・ポリプロピレンエーテルポリオール1: 数平均分子量が約5000のポリプロピレエーテルトリオール(「EXCENOL」 5030、旭硝子社製)
・ポリプロピレンエーテルポリオール2: 数平均分子量が約3000のポリプロピレンエーテルジオール(「EXCENOL」 3020、旭硝子社製)
・バルーン1: アクリロニトリル−メタクリロニトリル共重合体の中空体で、平均粒子径10μm以下の中空体を23体積%、平均粒子径35μm以下の中空体を88体積%含む(比重:0.10、「MFL60CASK」、松本油脂製薬社製)。
・バルーン2: アクリロニトリル−メタクリロニトリル共重合体の中空体を炭酸カルシウムでコーティングした中空体で、平均粒子径15μm以下の中空体を23体積%、平均粒子径40μm以下の中空体を86体積%含む(比重:0.14、「MFL100GCA」、松本油脂製薬社製)。
・酸化防止剤: ヒンダードフェノール型酸化防止剤(「イルガノックス」1010、チバスペシャリティケミカルズ社製)
・充填剤: コロイダル炭酸カルシウム(「CCR−S」、白石工業社製)
・充填剤: 重質炭酸カルシウム(「スーパーSS」、丸尾カルシウム社製)
・充填剤: 酸化チタン(石原産業社製)
・可塑剤: フタル酸ジイソノニル(DINP)(ジェイ・プラス社製)
・硬化触媒: 鉛触媒(「ミニコ」P−18、活材ケミカル社製)
・溶剤: ミネラルスピリット(新日本石油社製)
・顔料: 無機顔料(「カラーマスター(グレー)」、(日弘ビックス社製)
(物性)
得られたシーリング材の比重、粘度、チクソ性および混合性を以下に示す方法により測定した。これらの結果を下記第1表に示した。
(1)比重
得られたシーリング材の比重を電子比重計(EW−120SG、エー・アンド・ディー社製)を用いて水中置換法にて測定した。
なお、水中置換法は一般的に固体の比重を測定する方法であるが、シーリング材はいずれもチクソ性が高く、形状を保持できるため、電子比重計の計量皿に載せた状態で通常に測定することができた。
混合後のシーリング材の比重が1.3以下であれば、硬化後のシーリング材の比重も十分に小さいものと推定できる。
(2)粘度(Pa・s)
得られたシーリング材について、BS型粘度計(トキメック社製)の7号ロータを用い、23℃、50%相対湿度における、回転速度10rpmまたは1rpmで計測される粘度(Pa・s)を測定した。また、基剤および硬化剤については10rpmで計測した。
(3)チクソインデックス(TI)
前記(2)粘度の測定において、回転速度1rpmおよび10rpmで計測される粘度(Pa・s)の比からチクソインデックス〔(1rpmでの粘度)/(10rpmでの粘度)〕を算出した。TIが5.5以上であると、シーリング材としての作業性に大変優れる。
(4)混合性
得られたシーリング材について、40℃、RH75%雰囲気下、基剤100質量部、硬化剤400質量部と顔料3.9質量部の割合で6Lとなるように質量を調整し、直径229mmの金属丸缶に、硬化剤、基剤、顔料の順に入れ、専用攪拌機(軽量型ミキスタ、ミキスタ工業製)で、山型パドルを用いて、15分間攪拌した。その後、シーリング材を金属ベらにてガラス板に厚さ5mm程度にならし、混合状態を目視観察した。下記基準で評価した。なお、だま状態とは、球状の混合不良部が発生していることを指す。まだら状態とは、十分に混合されていない色斑状態を指す。
均一な状態・・・・・・・・○
だま状態やまだら状態・・・×
本発明のシーリング材を建築物の目地に施工する場合、従来の二液型建築用ポリウレタンシーリング材の場合と同様な方法と条件で可能である。
Figure 0005359560
実施例1の基剤の比重は1.02で、硬化剤の比重は1.04であり、比重差は0.02と小さいので、基剤と硬化剤の混合性が○である。これに対し、比較例1の基剤の比重は1.02で、硬化剤の比重は1.21であり、比重差は0.19と大きいので、基剤と硬化剤の混合性が×である。
実施例2および実施例3の比重差はともに0.06であって小さいので、混合性が○である。これに対し比較例2の比重差は0.46と大きいので、混合性が×である。

Claims (11)

  1. 末端にイソシアネート基を有する化合物(A)を含有する基剤と、ポリプロピレンエーテルポリオール(B)を含有する硬化剤からなる二液型建築用ポリウレタンシーリング材において、基剤の粘度(20℃)が3.0〜15Pa・sで、硬化剤の粘度が644.4Pa・s以上であり、基剤の比重が0.8〜1.05、硬化剤の比重が0.8〜1.1で、基剤と硬化剤の比重差が0.15以下であり、前記硬化剤が中空体を含有することを特徴とする二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
  2. 二液型建築用ポリウレタンシーリング材の比重が0.8〜1.10であることを特徴とする請求項1に記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
  3. 前記硬化剤が硬化剤全量の0.5〜5.0質量%の前記中空体を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
  4. 前記中空体の比重が0.05〜0.30であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
  5. 前記中空体の平均粒子径が40〜110μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
  6. 前記中空体がアクリロニトリル(共)重合体樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリスチレンおよびポリ塩化ビニリデンからなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂の中空体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
  7. 前記中空体が樹脂中空体であって、前記樹脂中空体が無機化合物でコーティングされていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
  8. 前記中空体が樹脂中空体であって、前記樹脂中空体が炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、タルク、クレーおよびカーボンブラックからなる群から選ばれる少なくとも一種の無機化合物でコーティングされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
  9. 前記中空体が、アクリロニトリル(共)重合体中空体であり、その中空体のうち、平均粒子径が40μm以上70μm以下の中空体の含有率が20体積%超30体積%以下で、かつ、平均粒子径が70μm超110μm以下の中空体の含有率が70体積%超80体積%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
  10. 前記末端にイソシアネート基を有する化合物(A)がトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも一種のイソシアネートと、ポリプロピレンエーテルジオールおよび/またはポリプロピレンエーテルトリオールとの縮合重合体であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の二液型建築用ポリウレタンシーリング材を建築物の目地に施工してなることを特徴とする建築物の目地構造。
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