JP6960622B2 - 多孔質炭素材料及びその製造方法、複合体及びその製造方法、並びにリチウム硫黄電池用の正極材料 - Google Patents

多孔質炭素材料及びその製造方法、複合体及びその製造方法、並びにリチウム硫黄電池用の正極材料 Download PDF

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Description

本発明は、多孔質炭素材料に関し、特に、リチウム硫黄電池の正極及び正極に用いる材料に関する。
活性炭に代表される多孔質炭素材料は、その吸着分離性能を利用して、液相での排水処理・脱色・精製、気相での空気浄化・脱臭・ガス分離・溶剤回収などに使用されてきた。また、多孔質炭素材料は、その多孔性を利用して、触媒担体としての用途、又は電気二重層キャパシタの活物質としての用途にも使用されている。
ところで、非水電解質としてリチウム塩の有機電解液を用いたリチウムイオン二次電池は、軽量でエネルギー密度が高く、携帯電話又はノートパソコンの電源として利用され、今後はハイブリッド車に代表される電動自動車等の移動体用の電源としての利用も期待されている。そのため、近年では、現在のリチウムイオン二次電池よりも容量密度が高く、しかも低コストである電池に対する要求がますます高まっている。
一般に、リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、Co、Ni、Mn、Fe等とLiとを含む金属酸化物が用いられている。これらの正極活物質に代えて、理論的な容量密度が極めて高く、しかも低コストである硫黄を正極活物質に用いるリチウム硫黄電池の開発が盛んである。
リチウム硫黄電池は、硫黄系化合物を正極活物質として用い、リチウムのようなアルカリ金属またはリチウムイオンなどの金属イオンの挿入脱離が起こる物質、例えばシリコンを負極活物質として用いる二次電池である。
硫黄の酸化還元反応は可逆的であり、反応電子数が多いことから、1672mAh/gという金属酸化物正極の約10倍の高い理論容量を持つ。しかし、リチウム硫黄電池が実用化に至らない主な原因は、リチウムと硫黄から成る正極活物質にいくつかの問題点が存在するからである。
その理由の一つは、リチウムと硫黄から成る正極活物質が、電気伝導性に乏しいため表面に近い部分のみでしか電子の授受を行えず、電気化学的酸化還元反応に関与する硫黄の利用率が低くなるため、電池容量が低くなってしまうという問題がある。
また、充放電中の反応によって、式Li{式中、xは4〜8}で表されるリチウムポリスルフィドが、電解液へ溶出してしまい、正極上に存在する硫黄を損失してしまう原因となる。これに伴い、リチウム硫黄電池の容量が低下するという問題があった。リチウム硫黄電池の容量低下を防ぐためには、Liの溶出を止めることが望ましい。
これらの問題を解決する技術として、導電性材料である炭素材料と硫黄とを複合化する方法が提案されている。導電性材料には、炭素材料以外に導電性高分子もあるが、炭素材料は、導電性高分子と比較して、高い導電性を有すること、構造安定性に優れること、および難燃性であること、から注目されている。
炭素材料と硫黄を複合化する方法として、例えば、粒子径75μm以下の硫黄及び/又は硫黄化合物の粒子、並びに、中空構造を有する所定の炭素微粒子を原料とし、これらをメカノフュージョンにより複合化して形成された、硫黄及び/又は硫黄化合物の粒子を核とし、かつその表面に炭素微粒子層を有する構成の複合体を正極材料として用いる技術が開示されている(特許文献1、特許文献2)。
またケッチェンブラック、チオ硫酸塩、及び酸を混合し、強力なずり応力および遠心力を加えることで反応させて、炭素材料と硫黄を複合化する方法が開示されている(特許文献3)。
また、硫黄と活性炭を155℃で5時間加熱することによって、硫黄を31%含む活性炭から成る複合材料を作製したことが開示されている(非特許文献1)。
特開2006−92881号公報 特開2006−92883号公報 特開2012−204332号公報
Progress in Natural Science: Materials International, 25, 612−621(2015)
しかしながら、特許文献1及び2に記載のメカノケミカル法を用いた炭素材料と硫黄の混合により得られた正極材料を用いたリチウム硫黄電池では、硫黄のほとんどが、炭素材料の外表面に堆積するか、または遊離の硫黄として存在するために、硫黄の利用率が低く、硫黄重量当たりの容量が小さいという問題に加えて、硫黄が溶出するためにサイクル特性が著しく低いという問題がある。
特許文献3に記載の方法は、チオ硫酸ナトリウムを水に溶解させ、無水酢酸を添加し水溶液とし、ケッチェンブラックを添加して混合し、水溶液のままメカノケミカル法で混合し、遠心分離と濾過で上澄みを除去し、濾残をケッチェンブラック(KB)−硫黄ナノ粒子複合体として、リチウム硫黄電池の正極に用いている。段落0039には、硫黄含有量が22.9質量%であることが記述されている。特許文献3に記載の方法には、硫黄重量当たりの容量が小さく、また、硫黄含有量が22.9重量%と低いという問題があり、そのため硫黄と炭素材料を含む正極材料の重量当たりの容量が小さい。また、該方法により得られた複合体を正極材料として含むリチウム硫黄電池のサイクル特性も不十分である(特許文献3の図10)。
非特許文献1に記載の正極材料を用いたリチウム硫黄電池は、硫黄重量当たりの容量は比較的大きいが、硫黄含有量が31重量%であるため、硫黄と炭素材料を含む正極材料の重量当たりの容量が低いという問題がある。また、非特許文献1に記載の正極材料の製造方法も複雑である。
本発明は、かかる実情に鑑みて為されたものであり、リチウム硫黄電池の硫黄重量当たりの容量、硫黄と炭素材料を含む正極材料当たりの容量、およびサイクル特性を向上させることができるリチウム硫黄電池用の正極材料、該正極材料を用いたリチウム硫黄電池の正極、および該正極を用いたリチウム硫黄電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、特定の構造を有する多孔質炭素材料と硫黄との複合体を、リチウム硫黄電池の正極を用いることにより、硫黄重量当たりの容量、および硫黄と炭素材料を含む正極材料当たりの容量が大きく、かつサイクル特性が向上することと、該多孔質炭素材料を製造するための方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
[1]
窒素含有量が0.3重量%以上、窒素吸脱着法のBET法で得られる比表面積が1000m/g以上、かつ急冷固相密度関数法(QSDFT)により得られる細孔容積が0.45cm/g以上、である多孔質炭素材料。
[2]
窒素含有炭素材料から賦活により前記多孔質炭素材料を得る賦活工程を含み、前記賦活工程において、(I)式:
窒素の減少率(%)=((B−A)/B)×100 (I)
{(I)式において、Aは前記多孔質炭素材料中の窒素含有量(重量%)を意味し、かつBは前記窒素含有炭素材料中の窒素含有量(重量%)である。}
で定義される窒素の減少率が30〜99.9重量%の範囲内である、[1]記載の多孔質炭素材料の製造方法。
[3]
前記窒素含有炭素材料中の窒素含有量が2〜45重量%である、[2]に記載の多孔質炭素材料の製造方法。
[4]
前記賦活が薬品賦活である、[2]または[3]に記載の多孔質炭素材料の製造方法。
[5]
窒素含有量が0.3重量%以上、窒素吸脱着法のBET法で得られる比表面積が1000m/g以上、かつ急冷固相密度関数法(QSDFT)により得られる細孔容積が0.45cm/g以上である多孔質炭素材料と、硫黄との複合体。
[6]
硫黄含有量が35〜90重量%である、[5]記載の複合体。
[7]
CuKα線をX線源として得られるX線回折図(XRD)において、回折角(2θ)のピーク位置について、下記の条件(1)及び(2):
(1)多孔質炭素材料に特徴的なピークとして、22.5〜26.0°の位置にピークP1を有すること;及び
(2)硫黄に特徴的なピークを実質的に有さないこと;
を満たす、[5]または[6]に記載の複合体。
[8]
前記多孔質炭素材料と融点以上に加熱した前記硫黄とを混合する混合工程を含む、[5]〜[7]のいずれか1項記載の複合体の製造方法。
[9]
[1]に記載の多孔質炭素材料と硫黄を含有する、リチウム硫黄電池用の正極材料。
[10]
[5]〜[7]のいずれか1項記載の複合体を含有する、リチウム硫黄電池用の正極材料。
本発明によれば、硫黄重量当たりの容量、および硫黄と炭素材料を含む正極材料当たりの容量が大きく、かつサイクル特性に優れたリチウム硫黄電池のための正極材料、該正極材料を用いたリチウム硫黄電池の正極、および該正極を用いたリチウム硫黄電池を提供することができる。
本実施形態に係る多孔質炭素材料と硫黄との複合体について、熱重量分析(TG)から硫黄含有量を算出する方法についての説明図である。 本実施形態に係る多孔質炭素材料と硫黄との複合体について、多孔質炭素材料に特徴的なピークである22.5〜26.0°の位置のピークP1、の半値幅を算出する方法についての説明図である。 実施例1の賦活方法で得られた多孔質炭素材料の細孔分布を示すグラフである。 実施例1の多孔質炭素材料と硫黄との複合体の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 実施例1の多孔質炭素材料と硫黄との複合体の硫黄含有量を測定したときの熱重量分析(TG)のグラフである。 実施例1に用いた硫黄、実施例1の多孔質炭素材料、多孔質炭素材料と硫黄との複合体のX線回折図(XRD)である。 実施例2の賦活方法で得られた多孔質炭素材料の細孔分布を示すグラフである。 実施例2の多孔質炭素材料と硫黄との複合体のSEM像である。 実施例2の多孔質炭素材料と硫黄との複合体の硫黄含有量を測定したときの熱重量分析(TG)のグラフである。 実施例2に用いた硫黄、実施例2の多孔質炭素材料、多孔質炭素材料と硫黄との複合体のX線回折図(XRD)である。 実施例3の賦活方法で得られた多孔質炭素材料の細孔分布を示すグラフである。 実施例3の多孔質炭素材料と硫黄との複合体のSEM像である。 実施例3の多孔質炭素材料と硫黄との複合体の硫黄含有量を測定したときの熱重量分析(TG)のグラフである。 実施例3に用いた硫黄、実施例3の多孔質炭素材料、多孔質炭素材料と硫黄との複合体のX線回折図(XRD)である。 実施例2の放電容量のサイクル特性、およびクーロン効率を示すグラフである。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。すなわち、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
(A)多孔質炭素材料
多孔質炭素材料を製造する方法として、炭素材料を賦活する方法が知られている。炭素材料とはCuKα線をX線源として得られるX線回折図(XRD)において、回折角(2θ)のピーク位置について、(002)面に由来する22.5〜26.8°の位置にメインピークを有する材料であり、また43.0〜46.0°の位置、通常は44.0〜45.5°の位置に弱いピークが観察される。例えば、有機化合物を原料にして600℃以上の熱履歴を与えることで炭素材料を得ることができる。該炭素材料は、炭素以外に、窒素・酸素・水素などの他の原子も含んでよい。
本発明者らは、窒素含有炭素材料から、薬品賦活等の賦活方法を用い、窒素を多く抜くことにより、驚くべきことに、比表面積が大きく、細孔容積が大きく、また細孔径の小さい孔を多く有する多孔質炭素材料が得られること、および該多孔質炭素材料と硫黄との複合体、をリチウム硫黄電池の正極材料に用いると、容量が大きくサイクル特性が向上することを見出したものである。
この理由は定かではないが、窒素含有炭素材料を薬品賦活等によって細孔を形成する場合、窒素部分が優先して除去されるため、ミクロ孔が優先して形成され、メソ孔は形成され難く、比表面積が大きく、ミクロ孔率が高く、かつ細孔容積が大きい材料になっているとも考えられる。
なお、本明細書においては、後述するように、急冷固相密度関数法(QSDFT)により得られる細孔分布図において、細孔径が3nm以下の細孔をミクロ孔といい、細孔径が3nm超30nm以下の細孔をメソ孔といい、細孔径が30nm超の細孔をマクロ孔というものとする。触媒分野で用いられる定義では、細孔径が2nm以下の細孔をミクロ孔、細孔径が2〜50nmの細孔をメソ孔、細孔径が50nm超の細孔をマクロ孔とすることが多いが、本明細書で使用される細孔の定義は、触媒分野で用いられる定義とは異なる。
窒素含有炭素材料から多くの窒素原子が抜けたことにより生成した細孔を有する多孔質炭素材料と硫黄との複合体は、メソ孔が少ないため細孔内に充填された硫黄の電解液への溶出が抑制されること、また細孔に硫黄が充填されて、電子授受が可能な硫黄の量が増えることで硫黄の利用率が上がり、サイクル特性が向上し、かつ容量が増大したことが考えられる。
本実施形態の多孔質炭素材料の製造方法は、窒素含有炭素材料から賦活により窒素の含有量を減少させることにより製造される工程を含む。この製造方法により得られる多孔質炭素材料は、比表面積が大きく、細孔容積が大きく、また細孔径の小さいミクロ孔を多く有する。
本実施形態において用いる窒素含有炭素材料とは、窒素を含む炭素材料である。窒素含有炭素材料は、例えば、低分子の窒素含有有機化合物を原料として重合させ、得られたポリマーを炭化処理して製造する方法、低分子の窒素含有有機化合物を原料として化学気相蒸着(CVD)させて製造する方法、ポリマーに低分子の窒素含有有機化合物を含浸又は反応させた後に、炭化処理して製造する方法、窒素を含む天然物を炭化処理して製造する方法、炭化物にアンモニア処理、アンモ酸化処理等の後処理を行うことによって製造する方法、等によって製造することができる。
具体的には、ピロール、アセトニトリル、2,3,6,7−テトラシアノ−1,4,5,8−テトラアザナフタレン等の窒素含有有機化合物を化学気相蒸着させる方法、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、ポリアクリロニトリル、アズルミン酸、メレム(melem)重合体、ポリピロール、ポリイミド等、又はこれらを他のポリマーと混合して得られた前駆体を炭化させる方法、豆類などを炭化させる方法、活性炭等の炭素材料にアンモニアガスと酸素含有ガスを反応させる方法、等によって窒素含有炭素材料を製造することができる。
窒素含有炭素材料としては、窒素含有量の多い窒素含有炭素材料であることが好ましい。窒素含有量の多い窒素含有炭素材料の製造方法としては、窒素含有量の多いポリマーを炭化する方法を例示できる。例えば、アズルミン酸、メレム重合体、ポリアクリロニトリルを炭化して製造された窒素含有炭素材料等が挙げられ、好ましくはアズルミン酸を炭化して製造された窒素含有炭素材料である。アズルミン酸とは青酸又は青酸オリゴマーを重合して得られるポリマーである。青酸オリゴマーとは青酸の2量体以上である。
ポリマーの炭化処理の条件は、例えば回転炉、トンネル炉、管状炉、流動焼成炉等を用い、不活性ガス雰囲気下で加熱処理を施すことである。加熱処理の温度は、特に限定されないが、好ましくは300〜1500℃、より好ましくは600〜1200℃、さらに好ましくは700〜900℃である。
上記不活性ガスとしては、以下のガスに限定されないが、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の不活性ガスが挙げられる。また、不活性ガス雰囲気が減圧下、つまり大気圧よりも低い圧力環境であってもよい。これらの中では、不活性ガスとして窒素ガスを用いることが好ましい。不活性ガス雰囲気は、不活性ガスが静止していても流通していてもよいが、流通しているのが好ましい。その不活性ガス中の酸素濃度は、5%以下が好ましく、1%以下がより好ましく、1000ppm以下が特に好ましい。炭化処理の時間としては、好ましくは10秒間〜100時間、より好ましくは5分間〜10時間、更に好ましくは15分間〜5時間、特に好ましくは30分間〜2時間である。また、炭化処理の際の圧力は、不活性ガスを用いる場合、好ましくは0.01〜5MPa、より好ましくは0.05〜1MPa、更に好ましくは0.08〜0.3MPa、特に好ましくは0.09〜0.15MPaである。
次に、窒素含有炭素材料を賦活する方法について説明する。
賦活とは、炭素材料を多孔質化するための処理である。本発明においては、薬品賦活が、比表面積が大きく、ミクロ孔率が高く、細孔容積が大きい多孔質炭素材料を得易い、という点から好ましい。
薬品賦活処理は、窒素含有炭素材料を薬品と混合して熱処理することにより行われる。薬品賦活の薬品とは、25℃、大気圧において固体である薬品およびその水和物、水溶液を指す。例えば、薬品としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、硫酸カリウム、硫酸ナトリウムなどのアルカリ金属の硫酸塩、塩化亜鉛、塩化カルシウム、硫化カリウム、燐酸などであり、その水溶液又は水和物を挙げることができる。これらの1種類を、又は2種類以上を混合して、使用してもよい。好ましくは、アルカリ賦活であり、具体的には水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等による賦活である。
窒素含有炭素材料に対する薬品の使用量は、特に限定されないが、薬品/窒素含有炭素材料(質量比)は0.1〜10が好ましい。薬品/窒素含有炭素材料(質量比)の下限値は、0.3以上がより好ましく、0.5以上が特に好ましい。また、薬品/窒素含有炭素材料(質量比)の上限値は、5以下がより好ましく、3以下が特に好ましい。薬品/窒素含有炭素材料(質量比)が0.1未満では細孔の発達が悪く、10を超えると過賦活となり細孔壁の破壊が進行することがある。
薬品賦活の雰囲気は、不活性ガス雰囲気が好ましい。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等のガスが挙げられる。
薬品賦活処理は、特に限定されるものではないが、例えば、250〜1100℃、より好ましくは500℃〜1000℃、さらに好ましくは700℃〜900℃の温度で行われる。薬品賦活処理の温度が250℃未満では賦活の進行が不充分であり、1100℃より高いと、細孔が収縮したり、賦活装置の腐食が激しくなったりする等の問題が起こる。
薬品賦活処理の時間は、特に限定されるものではないが、10分〜50時間が好ましく、より好ましくは30分〜10時間、特に好ましくは1〜6時間である。
薬品賦活処理の圧力は、通常、常圧であるが、加圧または減圧で行うことも可能である。
賦活炉としては、ロータリーキルン、トンネル炉、管状炉、マッフル炉等を用いることができる。
薬品賦活終了後は、賦活した窒素含有炭素材料を水洗して金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属、リンなど)成分などを洗浄し、塩酸、硫酸、硝酸等で中和して、再度水洗して酸を洗浄する洗浄工程を設けることが好ましい。
洗浄工程を行った後に、洗浄された生成物を濾過して集め、乾燥を行って多孔質炭素材料を得る。
賦活工程における窒素の含有量の減少量は、(I)式で定義される窒素の減少率として定義される。
窒素の減少率(%)=((B−A)/B)×100 (I)
{式中、Aは、多孔質炭素材料中の窒素含有量(重量%)であり、かつBは、窒素含有炭素材料中の窒素含有量(重量%)である。}
本実施形態では、窒素の減少率は30〜99.9%であることが好ましい。窒素の減少率の下限値は、50%以上がより好ましく、70%以上であることが特に好ましい。上限は98%以下が好ましく、95%以下が特に好ましい。窒素の減少率が30%以上であればミクロ孔が発達するので好ましい。賦活工程に要する時間が短いという観点と窒素を残留させるという観点から99.9%以下であることが好ましい。
窒素含有炭素材料中の窒素含有量は、2〜45重量%であることが好ましい。窒素含有量の下限値は、3重量%以上がより好ましく、5重量%以上がさらに好ましく、10重量%以上が特に好ましい。窒素含有量の上限値は、40重量%以下がより好ましく、35重量%以下がさらに好ましく、30重量%以下が特に好ましい。窒素含有量が2重量%以上の窒素含有炭素材料を用いると、ミクロ孔が発達し易い。窒素含有量が45重量%以下の窒素含有炭素材料は炭素構造が発達し易い。
本実施形態に係る多孔質炭素材料は、CuKα線をX線源として得られるX線回折図(XRD)において、回折角(2θ)のピーク位置について、(002)面に由来する22.5〜26.8°の位置にメインピークを有する材料であり、好ましくは23〜26°の位置にメインピークを有する。また、本実施形態に係る多孔質炭素材料は、43.0〜46.0°の位置に、好ましくは44.0〜45.5の位置にピークを有する。43.0〜46.0°の位置のピークは、強度が弱く観測されないことも多いが、縦軸を拡大するとピークが観察されることもある。さらに、22.5〜26.8°の位置のピークは、43.0〜46.0°の位置のピークよりも強度が大きいことが好ましい。
XRDは、管電圧:20kV、管電流:40mA、分光結晶:あり、散乱スリット:8.0mm、発散スリット:2/3°、受光スリット:開放、スキャン速度:40.0°/分、サンプリング幅:0.02°、スキャン法:2θ/θ法で測定される。
22.5〜26.8°の位置のピークの半値幅は、4〜12°が好ましく、より好ましくは6〜10°である。
また、本発明の多孔質炭素材料は、窒素含有量が0.3重量%以上、窒素吸脱着法のBET法で得られる比表面積が1000m/g以上、急冷固相密度関数法(QSDFT)により得られる細孔容積が0.45cm/g以上、であることを特徴とする。
多孔質炭素材料中の窒素含有量は、0.3重量%以上であり、0.5重量%以上であることが好ましく、0.8重量%以上であることがより好ましく、1重量%以上であることが特に好ましい。また窒素含有量は6重量%以下であることが好ましく、4重量%以下であることがより好ましく、3重量%以下であることが特に好ましい。上記で既に述べたとおり、本実施形態に係る多孔質炭素材料は、窒素含有炭素材料の賦活工程中に、窒素含有炭素材料から窒素原子を抜いて、窒素原子を特定の割合で残すことにより形成されることができる。理論に拘束されることを望まないが、窒素原子は、その不対電子効果によって、炭素原子と比較して、硫黄原子との親和性に優れるので、賦活工程後に得られた多孔質炭素材料中の窒素含有量が0.5重量%以上に調整されていると、多孔質炭素材料と硫黄との複合体を形成するときに、硫黄を細孔中に効果的に担持することができると考えられる。そのためリチウム硫黄電池用の正極材料として好適であると考えられる。
多孔質炭素材料の細孔容積は、0.45cm/g以上であり、0.5cm/g以上が好ましく、0.6cm/g以上がより好ましく、0.7cm/g以上がより好ましく、0.8cm/g以上が特に好ましい。また細孔容積は、2cm/g以下が好ましく、1.5cm/g以下が特に好ましい。多孔質炭素材料と硫黄との複合体を正極材料として用いるリチウム硫黄電池について、細孔容積が0.45cm/g以上である多孔質炭素材料は、多くの硫黄を含有できるため、硫黄と炭素材料の合計の重量当たりの放電容量が大きくなる。そのため正極重量当たりの放電容量が大きくなる。
多孔質炭素材料の比表面積は、1000m/g以上であり、1100m/g以上が好ましく、1300m/g以上がより好ましく、1500m/g以上がさらに好ましい。また比表面積は、3000m/g以下が好ましい。
また本発明の多孔質炭素材料は、窒素吸脱着法の急冷固相密度関数法(QSDFT)により得られる細孔分布図において、細孔径0.7〜3nmの細孔容積が0.40cm/g以上であることが好ましく、0.60cm/g以上であることがより好ましく、0.70cm/g以上であることが特に好ましい。
また、上記細孔分布図において、細孔径0.7〜2nmの細孔容積が0.35cm/g以上であることが好ましく、0.50cm/g以上であることがより好ましく、0.60cm/g以上であることが特に好ましい。
(B)複合体
多孔質炭素材料と硫黄との複合体について説明する。
多孔質炭素材料と硫黄との複合体の製造方法は、多孔質炭素材料と、融点以上の硫黄、を混合する工程を含む。複合体の製法としては以下が例示できる。
多孔質炭素材料と硫黄の粉末を混合する。
次いで、硫黄の融点以上に加熱して硫黄を溶融させて毛細管現象によって多孔質炭素材料の細孔内へ硫黄を含浸させる。溶融温度は、硫黄の融点である107℃以上であればよいが、好ましくは130℃以上であり、特に好ましくは150℃以上である。また、溶融温度は、好ましくは200℃以下であり、より好ましくは180℃以下であり、特に好ましくは170℃以下である。硫黄の揮発を抑制するという観点から、細孔内への硫黄の含浸は密閉容器中で行うのが好ましい。反応時間は0.1〜100時間が好ましく、より好ましくは0.5〜20時間であり、特に好ましくは1〜10時間である。雰囲気は空気でもよいし、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の不活性ガスでもよい。
次いで、細孔に含浸されなかった硫黄を除去するために、硫黄の含浸処理をした多孔質炭素材料を加熱する。加熱温度は250℃以上が好ましく、270℃以上がより好ましく、290℃以上が特に好ましい。加熱温度は、500℃以下が好ましく、400℃以下が好ましく、330℃以下が特に好ましい。容器は密閉容器でも開放容器でもよい。密閉容器の場合は、容器の上部は加熱部よりも温度が低いことが好ましい。雰囲気は空気でもよいし、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の不活性ガスでもよいが、操作の容易さという観点から空気が好ましい。
多孔質炭素材料と硫黄を混合するときの重量比率は、多孔質炭素材料1部に対して、硫黄は0.3部以上が好ましく、0.9部以上がより好ましく、1.1部以上が特に好ましい。重量比率については、多孔質炭素材料1部に対して、硫黄は20部以下が好ましく、8部以下がより好ましく、5部以下が特に好ましい。
多孔質炭素材料と硫黄との複合体は、多孔質炭素材料に硫黄が含有されている。硫黄含有量が35〜90重量%であることが好ましい。硫黄含有量の下限値は、より好ましくは40%重量以上であり、さらに好ましくは45重量%以上であり、さらに50重量%以上が好ましく、特に好ましくは55重量%以上である。硫黄含有量の上限値は、80%重量以下がより好ましい。ここで硫黄含有量とは、下記式:
硫黄含有量=(硫黄の重量)/(多孔質炭素材料と硫黄との複合体の重量)×100
により算出される値である。
多孔質炭素材料と硫黄との複合体中の硫黄の含有量は、微細孔に取り込まれた硫黄は蒸発し難く、微細孔外の硫黄は蒸発し易いことを利用して、サンプルを以下の方法で調製し、熱重量分析(TG)により測定する。
多孔質炭素材料と硫黄を混合した後、密閉容器中で、155℃で5時間保持し、硫黄を融解させ、毛細管現象によって多孔質炭素材料の細孔内へ充填され、その後、そのまま300℃まで昇温し、2時間保持し、多孔質炭素材料の表面に残留した硫黄を蒸発させ除去し、室温まで空冷し、容器を開放して多孔質炭素材料と硫黄との複合体を取り出しサンプルとする。
続いて、熱重量分析(TG)を用いて、多孔質炭素材料と硫黄との複合体中の硫黄含有量を測定する。具体的には島津製作所社製、DTG―60AHを用い、セルに試料を10mg入れ、測定ガスはN、流量は50ml/min、開始温度は30℃、昇温速度10℃/minで行い、上限温度は1000℃で測定を行う。
便宜上、実施例1の多孔質炭素材料と硫黄との複合体について、上記条件下に測定して得たTGの図(図1)を用いて、得られたTGから硫黄含有量の算出方法を説明する。TGのグラフにおいて、昇温とともに重量が減少していくが、300℃〜500℃の領域に、グラフの接線の傾きが不連続に変化する点が出現する。初期値の重量%を100、グラフの接線の傾きが不連続に変化する点の重量%がXであるとすると、硫黄含有量Yは、Y=100−X、と定義される。
多孔質炭素材料と硫黄との複合体は、CuKα線をX線源として得られるX線回折図(XRD)において、回折角(2θ)のピーク位置について、下記の条件(1)及び(2)を満たすことが好ましい。
(1)多孔質炭素材料に特徴的なピークとして、22.5〜26.0°の位置にピークP1を有すること。
(2)硫黄に特徴的なピークを実質的に有さないこと。
XRDは、管電圧:20kV、管電流:40mA、分光結晶:あり、散乱スリット:8.0mm、発散スリット:2/3°、受光スリット:開放、スキャン速度:40.0°/分、サンプリング幅:0.02°、スキャン法:2θ/θ法で測定される。
(1)について、複合体は、23.0〜25.0°の位置にピークP1を有することがより好ましく、23.2〜24.5°にピークP1を有することがさらに好ましい。また、複合体は、43.0〜46.0°の位置にピークを有してもよく、好ましくは44.0〜45.5の位置にピークを有する。43.0〜46.0°の位置のピークは強度が弱く観測されないことも多いが、XRDの縦軸を拡大するとピークが観察されることもある。さらに、22.5〜26.0°の位置のピークP1は、43.0〜46.0°の位置のピークよりも強度が大きいことが好ましい。
ピークP1の半値幅は、好ましくは4〜12°、より好ましくは6〜10°である。半値幅の算出方法について、便宜上、実施例1の多孔質炭素材料と硫黄との複合体のXRDを縦軸(Y軸)方向に拡大した拡大図(図2)を用いて説明する。
ピークP1のベースラインB1−B2を引き、ピークP1の頂点Aから横軸(X軸)に対して垂線を引く。垂線とベースラインの交点をB3とする。線分A−B3の中点をC3とし、C3を通りベースラインB1−B2と平行な線を引き、XRDと交わる交点C1(低角側)、およびC2(高角側)を求める。C1およびC2のX軸の位置(X成分)を求め、C1およびC2のX成分の差が半値幅である。図2の場合は、C1のX成分は20、C2のX成分は27.5であり、かつ半値幅は7.5°である。
(2)について、硫黄の特徴的なピークは、23.0°±0.3°の位置に強いピーク(P2)を有する。硫黄の特徴的なピークは、その他に、15.3°±0.3°、25.8°±0.3°、26.7°±0.3°、および27.7°±0.3°の位置にピークを有する。
多孔質炭素材料と硫黄との複合体は、硫黄に特徴的なピークを実質的に有さないことが好ましい。本明細書では、「硫黄に特徴的なピークを実質的に有さない」とは、硫黄に由来するピーク強度が、炭素材料に由来するピーク強度に対して小さいことであり、具体的には、ピークP2の強度をI(P2)とし、ピークP1の強度をI(P1)としたときに、I(P2)/I(P1)が、0.2以下であることである。I(P2)/I(P1)は、好ましくは0.1以下であり、特に好ましくは0.05以下である。ここでピークP1は半値幅が広く、ベースラインがX軸に対して傾いているため、I(P1)は、図2で示されるように形成された線分A−B3の長さ、と定義する。ピークP2は、ピークP1の上に乗るが、I(P2)は、ピークP1のベースラインからの長さ、と定義する。図2の場合は、硫黄に由来するピークが見られず、I(P2)/I(P1)は0.05以下である。
(C)リチウム硫黄電池の正極
本実施形態において、以上のようにして得られた多孔質炭素材料と硫黄との複合体を、リチウム硫黄電池の正極材料に用いることができる。
本実施形態のリチウム硫黄電池の正極は、上記多孔質炭素材料と硫黄との複合体と、必要に応じて、結着材と、導電助剤と、集電体とを備える。多孔質炭素材料と硫黄との複合体は、主に活物質として機能するが、本実施形態のリチウム硫黄電池の正極は、上記多孔質炭素材料と硫黄との複合体以外の活物質を含んでもよい。
本実施形態の正極に用いられる結着材としては、特に限定されず、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴムなどのビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル系フッ素ゴム、熱可塑性フッ素ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−アクリル酸共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
リチウム硫黄電池用正極における結着材の含有割合は、多孔質炭素材料に対して1〜20質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましい。結着材の含有割合が1質量%以上であると正極の強度が十分になり、結着材の含有割合が20質量%以下であると電気抵抗の増大又は容量の低下を更に抑制できる。
本実施形態の正極に用いられる導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック及びカーボンナノチューブが挙げられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。導電助剤の含有割合は、多孔質炭素材料に対して1〜20質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましい。
本実施形態の正極に用いられる集電体としては、電極の電気的接続を可能にするものであれば特に限定されず、その材質として、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、及びこれらの金属を含む合金などを例示することができる。これらの中で、アルミニウム、チタン、タンタル及びこれらの金属を含む合金から成る群より選ばれるものが好ましく、特にアルミニウム及びその合金から成る群より選ばれるものは軽量であるため、エネルギー密度が高く好ましい。また、正極の集電体として、ステンレス鋼等の合金を用いることもできる。これらの金属又は合金を、箔状、穴開け箔状、メッシュ状等にしたものを正極の集電体として用いることができる。例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン及びステンレスが挙げられる。これらのうち、薄膜に加工し易いという観点及びコストの観点から、アルミニウムが好ましい。集電体の形状としては、例えば、箔状、穴開け箔状及びメッシュ状が挙げられる。また、集電体として、多孔性材料、例えばポーラスメタル(発泡メタル)及びカーボンペーパーなども用いることができる。
集電体の厚みは、1〜100μmが好ましい。集電体の厚みが1μm以上であると、正極の形状及び強度を保持できるため好ましい。一方で、集電体の厚みが100μm以下であると、蓄電素子としての重量及び体積が適度になり、そして重量及び体積当たりの性能が高い傾向があるため好ましい。なお、集電体に穴が開いているときには、該穴の部分は除外して厚みを計測するものとする。
次に、本実施形態のリチウム硫黄電池の正極の製造方法を説明する。
本実施形態のリチウム硫黄電池の正極の製造方法は、活物質として多孔質炭素材料と硫黄との複合体を用いる以外は、公知の方法であれば特に限定されない。例えば、多孔質炭素材料と硫黄との複合体に、結着材、導電助材及び溶媒を加えてスラリーとし、そのスラリーを集電体に塗布し、乾燥した後にプレスして高密度化することにより、リチウム硫黄電池の正極を製造する方法が挙げられる。
集電体に積層する正極層の厚みは、20〜200μm程度が好ましい。正極層の厚みが20μm以上であると、電池全体に対する活物質量の割合が多くなり、エネルギー密度も多くなる傾向があるため好ましい。一方で、正極層の厚みが200μm以下であると、電極内部の抵抗が小さくなり、出力密度が上がる傾向があるため好ましい。
本実施形態のリチウム硫黄電池の正極の製造方法に用いる溶媒は、水系、非水系のいずれでもよい。非水系の溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル等を用いてよい。
上記スラリーは、撹拌機、加圧ニーダー、ボールミル及びスーパーサンドミル等の分散装置により混練して調製される。
また、上記スラリーに、粘度を調整するための増粘剤を添加してもよい。増粘剤として、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、酸化スターチ、リン酸化スターチ及びカゼインが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
上記スラリーを集電体に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、ドクターブレード法、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、グラビアコート法及びスクリーン印刷法などの公知の方法が挙げられる。スラリーの塗布後、そのスラリーの乾燥処理に次いで、必要に応じて、平板プレス、カレンダーロール等による圧延処理を行う。このようにして、シート状、ペレット状等の形状に成形した電極材スラリーを、集電体と、例えば、ロール、プレス又はこれらの組み合わせ等、公知の方法により一体化することで、リチウム硫黄電池の正極を得ることができる。
上記のとおりに得られたリチウム硫黄電池の正極を備えたリチウム硫黄電池は、優れたサイクル特性、大きな容量、入出力特性及びクーロン効率を有する。
(D)リチウム硫黄電池
以下、本実施形態のリチウム硫黄電池用の正極を備えるリチウム硫黄電池の一例を説明する。ただし、リチウム硫黄電池に用いられ得る材料、リチウム硫黄電池の製造方法等は、下記の具体例に限定されるものではない。
本実施形態のリチウム硫黄電池は、正極として本実施形態のリチウム硫黄電池の正極を備える以外の構成について特に限定されず、リチウム硫黄電池の正極以外は公知のものであってもよい。例えば、このリチウム硫黄電池は、セパレータと、そのセパレータを介して対向して配置された本実施形態のリチウム硫黄電池用の正極と、負極と、それらに接触した電解液と外装体とを備える。このリチウム硫黄電池は、上述のように配置された負極及び正極を含む電極体と、該電極体を収納する外装体とを有し、外装体内の空間に電解液を注入し、シールすることにより得ることができる。
負極は、正極と同様にして、集電体上に負極活物質を含有する負極層を形成することにより、製造することができる。
負極の集電体としては、電極の電気的接続を可能にするものであれば特に限定されず、その材質として、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン及びステンレスが挙げられる。これらの内、薄膜に加工し易いという観点及びコストの観点から、銅が好ましい。集電体の形状としては、例えば、箔状、穴開け箔状及びメッシュ状が挙げられる。また、集電体として、多孔性材料、例えばポーラスメタル(発泡メタル)及びカーボンペーパーなども用いることができる。
負極活物質としては、リチウムを含む材料であればよく、金属リチウム又はリチウム合金の他に、リチウム酸化物、リチウム複合酸化物、リチウム硫化物、リチウム複合硫化物などが挙げられる。リチウム合金としては、例えば、アルミニウム又はシリコン、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウムなどとリチウムとの合金が挙げられる。負極活物質は、金属リチウム、又はシリコンとリチウムとの合金であることが好ましい。
負極としては、金属リチウム又はリチウム合金そのものでもよいし、例えば負極活物質とグラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。
電解液は、リチウム含有電解質を非水溶媒に溶解して調製する。リチウム含有電解質としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCF(CF、LiCF(CF、LiCF(CF、LiCF(CF、LiCF(CF)、LiCF(C、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CCO)、LiI、LiAlCl、LiBC、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。中でも、LiPF、LiFSI、LiTFSIが好ましい。さらに、これらのリチウム塩濃度は、好ましくは0.1〜3.0mol/L、より好ましくは0.5〜2.0mol/Lである。
非水溶媒としては、例えば、カーボネート類、エーテル類、ケトン類、ラクトン類、ニトリル類、アミン類、アミド類、硫黄化合物、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、ニトロ化合物、リン酸エステル系化合物、スルホラン系炭化水素類、及びイオン性液体から適宜選択することができる。
なかでも、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)などのカーボネート類、ジメトキシエタン(DME)、トリグライム(G3)及びテトラグライム(G4)などのエーテル類、ジオキソラン(DOL)、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロ−3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)−プロパン(HFE)、及びそれらの混合物が好適である。特に好ましくは、テトラグライム(G4)と1,1,2,2−テトラフルオロ−3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)−プロパン(HFE)との混合物、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合物である。
セパレータは、通常のリチウム硫黄電池に用いられるものであれば、材質又は形状は特に制限されない。このセパレータは、正極と負極とが物理的に接触しないように分離するものであり、イオン透過性が高いものであることが好ましい。セパレータとしては、例えば、合成樹脂微多孔膜、織布、不織布などが挙げられ、合成樹脂微多孔膜が好ましい。合成樹脂微多孔膜の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン、さらにはポリアミド、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンが挙げられる。これらの中ではポリエチレン及びポリプロピレンが好ましい。なお、作製するリチウム硫黄電池の正極と負極とを直接接触させない構造にした場合は、セパレータを用いる必要はない。
本実施形態のリチウム硫黄電池の電極体の構造は、特に限定されないが、通常、正極及び負極と、必要に応じて設けられるセパレータとを、扁平渦巻状に巻回して巻回式極板群としたり、これらを平板状として積層して積層式極板群としたりすることによって、これら極板群を外装体中に封入した構造とするのが一般的である。
外装体は、金属缶、ラミネートフィルムなどを使用できる。金属缶としては、アルミニウム製のものが好ましい。この場合は、例えば、該金属缶を負極端子とし、絶縁体を挟んで該金属缶にかしめられた金属ふたを正極端子とする。電極タブによって電極体と端子とを電気的に接続する。
また、このラミネートフィルムとしては、金属箔と樹脂フィルムとを積層したフィルムが好ましく、外層樹脂フィルム/金属箔/内層樹脂フィルムから成る3層構成のものが例示される。外層樹脂フィルムは接触等により金属箔が損傷を受けることを防止するためのものであり、ナイロン又はポリエステル等の樹脂が好適に使用できる。金属箔は水分及びガスの透過を防ぐためのものであり、銅、アルミニウム、ステンレス等の箔が好適に使用できる。また、内層樹脂フィルムは、内部に収納する電解液から金属箔を保護するとともに、ヒートシール時に溶融封口させるためのものであり、ポリオレフィン、酸変成ポリオレフィン等が好適に使用できる。
ラミネートフィルム外装体を使用する場合は、電極端子の端部を外装体の外部空間に引き出した状態でラミネートフィルムの周縁部をシールする。シール方法はヒートシールが好ましい。
本実施形態のリチウム硫黄電池は、ペーパー型電池、ボタン型電池、コイン型電池、積層型電池、円筒型電池などの形態を有する。
以下、実施例等を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらは例示的なものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。したがって、当業者は以下に示す実施例に様々な変更を加えて本発明を実施することができ、かかる変更は本願の特許請求の範囲に包含される。
<分析方法>
(CHN分析法)
ジェイサイエンスラボ社製の元素分析装置(商品名「MICRO CORDER JM10」)を用い、2500μgの試料を試料台に充填してCHN分析を行った。試料炉の温度を950℃、燃焼炉(酸化銅触媒)の温度を850℃、還元炉(銀粒+酸化銅のゾーン、還元銅のゾーンと酸化銅のゾーンとから成る)の温度を550℃に設定した。また、酸素流量を15mL/分、He流量を150mL/分に設定した。検出器としてTCDを用いた。アンチピリン(Antipyrine)を用いてマニュアルに記載の方法でキャリブレーションを行った。
(比表面積・細孔容積・細孔分布の測定法)
Quantachrome社のAUTOSORB iQを用い、BET法により比表面積を、急冷固相密度関数法(QSDFT)により細孔分布及び細孔容積を測定した。具体的には、試料を200℃で3時間真空脱気して、測定した。液体窒素温度で窒素の吸着等温線を測定し、比表面積、細孔容積、及び細孔分布の測定を行った。
(X線回折の測定法)
X線回折パターンを、試料をメノウ乳鉢で粉砕後、粉末用セルに充填して下記の条件で測定した:
装置:リガク社製X線回折装置、商品名「UltimaIV」
X線源:Cu管球(Cu−Kα線)
管電圧:40kV
管電流:40mA
分光結晶:あり
散乱スリット:8.0mm
発散スリット:2/3°
受光スリット:開放
スキャン速度:40°/分
サンプリング幅:0.02°
スキャン法:2θ/θ法。
X線回折角(2θ)の補正は、シリコン粉末について得られたX線回折角データを用いて行った。
(SEMの測定方法)
走査型顕微鏡(日立製 SU−1500、Hitachi High−Tech Solutions) を用いた。アルミ製の試料台に導電性カーボンテープを用い、各粉末試料を貼り付け、チャンバー内に取り付けた。チャンバー内を真空にした後、Working distance5nm、加速電圧15kVで試料を観察した。
(硫黄含有量の測定方法)
多孔質炭素材料と硫黄との複合体中の硫黄の含有量の測定については、微細孔に取り込まれた硫黄は蒸発し難く、微細孔外の硫黄は蒸発し易いことを利用して、サンプルを以下の方法で調製する。
多孔質炭素材料と硫黄を混合した後、密閉容器中で、155℃で5時間保持し、硫黄を融解させ、毛細管現象によって多孔質炭素材料の細孔内へ充填され、その後、そのまま300℃まで昇温し、2時間保持し、多孔質炭素材料の表面に残留した硫黄を蒸発させ除去し、室温まで空冷し、容器を開放して多孔質炭素材料と硫黄との複合体を取り出してサンプルとする。
続いて、熱重量分析(TG)を用いて、多孔質炭素材料と硫黄との複合体中の硫黄含有量を測定する。具体的には、島津製作所社製、DTG―60AHを用い、セルに試料を10mg入れ、測定ガスN、流量50ml/min、開始温度30℃、昇温速度10℃/min、および上限温度1000℃の条件下で測定を行う。
得られたTGから硫黄含有量の算出方法を図1を用いて説明する。TGのグラフにおいて、昇温とともに重量が減少していくが、300℃〜500℃の領域に、グラフの接線の傾きが不連続に変化する点が出現する。初期値の重量%を100、グラフの接線の傾きが不連続に変化する点の重量%がXであるとすると、硫黄含有量Yは、Y=100−X、と定義される。
<リチウム硫黄電池の作製>
(リチウム硫黄電池の正極の作製)
スチレンブタジエンゴム(結着材)を純水に溶解させて48質量%の溶液を調製し、これにアセチレンブラック(導電助剤)を添加し、次いで、活物質(多孔質炭素材料と硫黄との複合体)を添加し、次いで、カルボキシメチルセルロース(増粘剤)を添加し、正極スラリーを調製した。このときに純水を適宜加えることによって、スラリーの粘度を調整した。活物質と導電助剤と増粘剤と結着材との質量比は、活物質:導電助剤:増粘剤:結着材=93:3:2:2になるようにした。
得られた正極スラリーをドクターブレードを用いて、厚み20μmのエッチドアルミ箔(集電体)上に、活物質量として1.2mg/cmとなるように塗布した。その後、大気圧下で50℃のオーブンで6時間乾燥した。乾燥後、乾燥物をロールプレスに通して加圧成形し、直径12mmのサイズに打ち抜き、室温下で真空乾燥して正極を得た。正極層の厚みは約50μmであった。
(リチウム硫黄電池用の負極の作製)
露点−70℃以下のアルゴンガス雰囲気中において、厚さ20μmのLi箔を、直径13mmに打ち抜き、負極とした。
(リチウム硫黄電池の作製)
露点−70℃以下のアルゴンガス雰囲気中において以下の手順でリチウム硫黄電池を作製した。
上記項目(リチウム硫黄電池の正極の作製)により作製した正極、上記項目(リチウム硫黄電池用の負極の作製)により作製した負極、リチウム含有電解質としてビス(トリフルオロスルホニル)イミド(LiTFSI)、非水溶媒としてテトラグライム(G4)/1,1,2,2−テトラフルオロ−3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)−プロパン(HFE)の混合溶媒を用いた。電解液の調製は、LiTFSI:G4:HFE=10:8:40のモル比で混合し、LiTFSIをG4とHFEの混合溶媒に溶かして、電解液を調製した。セパレータとしてポリエチレン系微多孔膜を用いた。セルとしてフラットセル(宝泉株式会社製)を用い、そのセル内に、正極とセパレータと負極とを順に積層するように収容し、更に電解液を注入し、リチウム硫黄電池を作製した。
<充放電試験>
活物質(正極)を作用極とし、定電流充放電試験を行った。充電時のモードは、C.C.法(C.C.はconstant currentの略称である。)とし、放電時はC.C.モードとした。設定電流密度は167.2mA/gとした(電流密度1672mA/gを1Cと定義する。以下、167.2mA/gを0.1Cと示す。)。カットオフ電圧については、下限を1.0V、上限を3.0Vとした。なお、試験は25℃の環境にて行った。
充電容量および放電容量は、硫黄の重量当たりで定義する。
なお、クーロン効率は下記式によって算出した。
クーロン効率(%)=((充電容量(mAh/g))/(放電容量(mAh/g)))×100
<製造例>
(アズルミン酸の製造)
水350gに青酸150gを溶解させた水溶液を容器中で調製し、この水溶液を攪拌しながら、25%アンモニア水溶液120gを10分かけて添加し、得られた混合液を35℃に加熱した。すると、青酸の重合が始まり黒褐色の重合物が析出し始め、温度は徐々に上昇し45℃となった。重合が始まってから2時間後、30質量%青酸水溶液を200g/時間の速度で添加し始め、4時間かけて800g添加した。青酸水溶液の添加中は容器を冷却して反応温度が50℃を維持するように制御した。この温度で重合反応液を100時間攪拌した。得られた黒色沈殿物をろ過によって分離した。このときの沈殿物の収率は、用いた青酸の全量に対して96質量%であった。分離後の沈殿物を水洗した後、乾燥器にて120℃で4時間乾燥させて、アズルミン酸を得た。
得られたアズルミン酸について、ジェイサイエンスラボ社製の元素分析装置(商品名「MICRO CORDER JM10」)を用い、2500μgのアズルミン酸試料を試料台に充填してCHN分析を行った。試料炉の温度を950℃、燃焼炉(酸化銅触媒)の温度を850℃、還元炉(銀粒+酸化銅のゾーン、還元銅のゾーンと酸化銅のゾーンとから成る)の温度を550℃に設定した。また、酸素流量を15mL/分、He流量を150mL/分に設定した。検出器としてTCDを用いた。アンチピリン(Antipyrine)を用いてマニュアルに記載の方法でキャリブレーションを行った。
その結果、上記のようにして得られたアズルミン酸の組成は、炭素元素40.0質量%、窒素元素29.8質量%、水素元素4.1質量%であった。ここで、上述の乾燥条件では吸着水が残存するため、差分は主に吸着水中の酸素元素と水素元素とに由来するものと考えられる。
<窒素含有炭素材料の製造>
得られたアズルミン酸10gを内径25mmの石英管に充填し、大気圧下、250Ncc/min.の窒素気流中で1時間かけて800℃まで昇温し、800℃で1時間ホールドして炭化処理をして、続いて遊星ボールミルにて、メノウの容器と10mmφのボールを用い、300rpmで50分粉砕して、窒素含有炭素材料を得た。
(CHN分析法)
結果を表1に示す。
[実施例1]
(賦活方法)
製造例で得られた窒素含有炭素材料1gを、水酸化カリウム4gと純水の混合溶液100mlに加え、沈殿を防ぐために撹拌させながら、100℃で水を除去した。その後、石英ボートに試料を移し、横型管状炉の石英管に入れ、アルゴンガスを流量50Ncc/minで流し、5分間放置することでガス交換を行った。交換後、10分かけて100℃まで昇温し、100℃で1時間加熱処理することで、内容物を乾燥させた。その後、800℃まで1.1時間かけて昇温し、1時間加熱処理を行い、その後に降温して内容物を回収した。内容物を0.5Lの水で水洗し、さらに1mol/Lの塩酸水溶液0.5Lで水洗し、その後、水で炉液がほぼ中性になるまで水洗し、濾過で回収し、乾燥させて、0.68gの多孔質炭素材料を得た。
(CHN分析)
結果を表1に示す。
(比表面積・細孔容積・細孔分布の測定)
比表面積および細孔容積の結果を表2に示す。細孔分布の結果を図3に示す。
(多孔質炭素材料と硫黄との複合体の製造方法)
上記多孔質炭素材料0.4gを用いて、多孔質炭素材料:硫黄=44:56の重量比で混合した後、内径20mm、高さ60mmの密閉容器中で、155℃で5時間保持することで、硫黄を融解させ、毛細管現象によって多孔質炭素材料の細孔内へ充填した。その後、そのまま300℃まで昇温し、2時間保持し、多孔質炭素材料の表面に残留した硫黄を蒸発させて除去し、室温まで空冷し、容器を開放して多孔質炭素材料と硫黄との複合体を得た。複合化の工程は全て大気下で行った。得られた多孔質炭素材料と硫黄との複合体のSEM像を図4に、硫黄含有量を熱重量分析(TG)で測定した結果を表3および図5に示す。
(X線回折)
硫黄、多孔質炭素材料、および多孔質炭素材料と硫黄との複合体のXRDを図6に示す。
(充放電試験)
0.1Cで充放電試験を実施した。2サイクル目の放電容量を表3に示す。
[実施例2]
(賦活方法)
水酸化カリウムの使用量を4gに代えて2gにした以外は実施例1の賦活方法を反復して0.79gの多孔質炭素材料を得た。
(CHN分析)
結果を表1に示す。
(比表面積・細孔容積・細孔分布の測定)
比表面積および細孔容積の結果を表2に示す。細孔分布の結果を図7に示す。
(多孔質炭素材料と硫黄との複合体の製造方法)
上記多孔質炭素材料0.4gを用いて、多孔質炭素材料:硫黄=44:56の重量比に代えて36:64にした以外は実施例1の複合体の製造方法を反復して、多孔質炭素材料と硫黄との複合体を得た。得られた多孔質炭素材料と硫黄との複合体のSEM像を図8に、硫黄含有量を熱重量分析(TG)で測定した結果を表3および図9に示す。
(X線回折)
硫黄、多孔質炭素材料、および多孔質炭素材料と硫黄との複合体のXRDを図10に示す。
(充放電試験)
0.1Cで充放電試験を実施した。2サイクル目の放電容量を表3に示す。
[実施例3]
(賦活方法)
水酸化カリウムの使用量を4gに代えて1gにした以外は実施例1の賦活方法を反復して0.88gの多孔質炭素材料を得た。
(CHN分析)
結果を表1に示す。
(比表面積・細孔容積・細孔分布の測定)
比表面積および細孔容積の結果を表2に示す。細孔分布の結果を図11に示す。
(多孔質炭素材料と硫黄との複合体の製造方法)
上記多孔質炭素材料0.4gを用いて、多孔質炭素材料:硫黄=44:56の重量比に代えて43:57にした以外は実施例1の複合体の製造方法を反復して、多孔質炭素材料と硫黄との複合体を得た。得られた多孔質炭素材料と硫黄との複合体のSEM像を図12に、硫黄含有量を熱重量分析(TG)で測定した結果を表3および図13に示す。
(X線回折)
硫黄、多孔質炭素材料、および多孔質炭素材料と硫黄との複合体のXRDを図14に示す。
(充放電試験)
0.1Cで充放電試験を実施した。2サイクル目の放電容量を表3に示す。
[比較例1]
(賦活方法)
製造例で得られた窒素含有炭素材料2gを用い、石英ボートに試料を移し、横型管状炉の石英管に入れ、アルゴンガスを流量50Ncc/minで流し、5分間放置することでガス交換を行った。交換後、二酸化炭素ガスに切り替え、50Ncc/minで流し、800℃まで1.1時間かけて昇温し、1時間加熱処理を行い、その後に降温し内容物を回収し、1.2gの多孔質炭素材料を得た。
(CHN分析法)
結果を表1に示す。
(比表面積・細孔容積・細孔分布の測定法)
比表面積および細孔容積の結果を表2に示す。
(多孔質炭素材料と硫黄との複合体の製造方法)
上記多孔質炭素材料0.4gを用いたこと以外は実施例1の複合体の製造方法を反復して、多孔質炭素材料と硫黄との複合体を得た。得られた多孔質炭素材料と硫黄との複合体の硫黄含有量を熱重量分析(TG)で測定した結果を表3に示す。
(充放電試験)
0.1Cで充放電試験を実施した。2サイクル目の放電容量を表3に示す。
[比較例2]
(活性炭製造方法)
非特許文献1に従い、東洋紡の活性炭素シートの粉砕品(SEMで観察して1〜10μmの粒子状活性炭と50μm以上の繊維状活性炭から成る)を遊星ボールミルで粉砕して1〜10μm程度の粒径とし、活性炭を得た。
(比表面積の測定法)
比表面積および細孔容積の結果を表2に示す。
(多孔質炭素材料と硫黄との複合体の製造方法)
上記活性炭0.4gを用いたこと以外は実施例1の複合体の製造方法を反復して、多孔質炭素材料と硫黄との複合体を得た。得られた多孔質炭素材料と硫黄との複合体の硫黄含有量を熱重量分析(TG)で測定した結果を表3に示す。
(充放電試験)
0.1Cで充放電試験を実施した。2サイクル目の放電容量を表3に示す。
Figure 0006960622
Figure 0006960622
Figure 0006960622
表3から、本実施形態の多孔質炭素材料と硫黄との複合体は、リチウム硫黄電池の正極として、硫黄重量当たりの放電容量、および硫黄と炭素材料の合計の重量当たりの放電容量として高い放電容量を示すことが分かる。
表3にて最も高い放電容量を示した実施例2の多孔質炭素材料と硫黄との複合体について、30サイクルの放電試験を実施した。得られた結果を図15に示す。本実施形態の多孔質炭素材料と硫黄との複合体は、2サイクル目以降の容量維持率及びクーロン効率とも高く、極めて安定に充放電できていることが分かる。
実施例3の多孔質炭素材料と硫黄との複合体について、非水溶媒としてエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC)の1:1(容積比)を用い、リチウム含有電解質としてLiPFを用い、LiPFの濃度が1mol/Lとなるように調製した電解液を用いた以外は、上記項目(リチウム硫黄電池の作製)を反復してリチウム硫黄電池を作製し、0.1Cで充放電試験を実施した。2サイクル目の放電容量は、硫黄重量当たりの放電容量として1100(mAh/g−S)であった。したがって、実施例3の複合体とともに、汎用的で安価な電解液を用いて形成されたリチウム硫黄電池でも充放電できていることが分かる。
本発明の多孔質炭素材料、多孔質炭素材料と硫黄との複合体はリチウム硫黄電池の正極として、硫黄重量当たりの放電容量、および硫黄と炭素材料の合計の重量当たりの放電容量として高い放電容量、優れたサイクル特性、クーロン効率を有し産業上の利用可能性がある。
また、本発明の多孔質炭素材料は上記リチウム硫黄電池の正極の原料として産業上の利用可能性がある。

Claims (12)

  1. リチウム硫黄電池の正極に用いられる、窒素含有量が0.8重量%以上、窒素吸脱着法のBET法で得られる比表面積が1000m/g以上、かつ急冷固相密度関数法(QSDFT)により得られる細孔容積が0.45cm/g以上1.5cm/g以下、である多孔質炭素材料。
  2. 急冷固相密度関数法(QSDFT)により得られる細孔分布図において、細孔径0.7〜3nmの細孔容積が、0.40cm/g以上である、請求項1に記載の多孔質炭素材料。
  3. 急冷固相密度関数法(QSDFT)により得られる細孔分布図において、細孔径0.7〜2nmの細孔容積が、0.35cm/g以上である、請求項1または2に記載の多孔質炭素材料。
  4. 窒素含有炭素材料から薬品賦活により前記多孔質炭素材料を得る賦活工程を含み、前記賦活工程において、(I)式:
    窒素の減少率(%)=((B−A)/B)×100 (I)
    {(I)式において、Aは前記多孔質炭素材料中の窒素含有量(重量%)を意味し、かつBは前記窒素含有炭素材料中の窒素含有量(重量%)である。}
    で定義される窒素の減少率が50〜99.9重量%の範囲内であり、かつ前記窒素含有炭素材料は、アズルミン酸、メレム重合体、及びポリアクリロニトリルのいずれか一種を炭化して製造されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  5. 前記窒素含有炭素材料は、アズルミン酸、またはメレム重合体を炭化して製造されたものである、請求項4に記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  6. 前記窒素含有炭素材料中の窒素含有量が2〜45重量%である、請求項4または5に記載の多孔質炭素材料の製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質炭素材料と、硫黄との複合体。
  8. 硫黄含有量が35〜90重量%である、請求項7に記載の複合体。
  9. CuKα線をX線源として得られるX線回折図(XRD)において、回折角(2θ)のピーク位置について、下記の条件(1)及び(2):
    (1)多孔質炭素材料に特徴的なピークとして、22.5〜26.0°の位置にピークP1を有すること;及び
    (2)硫黄に特徴的なピークを実質的に有さないこと、ただし、硫黄に特徴的なピークを実質的に有さないこととは、ピークP2の強度をI(P2)とし、ピークP1の強度をI(P1)としたときに、I(P2)/I(P1)が、0.2以下であることであり、そしてピークP2とは、硫黄の特徴的なピークである23.0°±0.3°の位置のピークである;
    を満たす、請求項7または8に記載の複合体。
  10. 前記多孔質炭素材料と融点以上に加熱した前記硫黄とを混合する混合工程を含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の複合体の製造方法。
  11. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質炭素材料と硫黄を含有する、リチウム硫黄電池用の正極材料。
  12. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の複合体を含有する、リチウム硫黄電池用の正極材料。
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