JP6960126B1 - 金型の冷却孔の表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の金型の冷却孔の表面処理方法は、金型が冷却に使用する冷却孔を有し、前記冷却孔の内面を化学研磨処理(以下「化学研磨処理(1)」と称す場合もある)して、前記冷却孔の内面のツールマークの粗さを低減または/および前記冷却孔の内面の錆等の表面付着物を除去し、さらに無電解Niメッキ処理を施すことを特徴とするものである。これにより、冷却孔内部のツールマークや錆等を化学研磨で除去し、無電解Niメッキを施し腐食の防止することができ、金型の割れの大きな要因となっている「冷却孔から発生する亀裂」を防止あるいは軽減するための冷却孔の内面の表面処理方法を提供でき、また、金型寿命を延長することができる。さらに、化学研磨処理と無電解Niメッキ処理を効果的に組み合わせてU字形冷却孔等の冷却孔の内部からの亀裂の発生を防止あるいは軽減することができる。なお、前記金型の冷却孔は、通常切削加工で形成され、その内面には所謂「ツールマーク」が残り、これが亀裂の起点となることが知られている。ここで、「ツールマーク」とは、切削加工により生じる切削故痕のことであり、JIS規格「B 0721:2004」にも記載されているものである。
化学研磨処理によるツールマークの除去条件を確認するため図1に示す試験装置を作製し、下記表1に示す化学研磨処理条件で試験をおこなった。図1中、1は試験装置、2は試験片(10φ×10H、上部面積0.785cm2))、3はウレタンパイプ(10φD×250H)、4は吸引パイプ(4φ)を示す。試験片2は金型に使用される代表的な鋼材であるSKD61を用いた。図2は、化学研磨処理無しの試験片2の表面状態を示す図であり、図3は、4分間化学研磨処理した試験片2の表面状態を示す図であり、図4は、8分間化学研磨処理した試験片2の表面状態を示す図である。4分間化学研磨処理した後にはツールマークはほぼ消失している。また、下記表2に研磨量と表面粗さを示す。ツールマークがほぼ消失した4分間化学研磨処理した時の研磨量は10μmであり、Rzは6.9μmであった。
図1の試験装置を用い、表面に筋状の研磨痕を付けた試験片2で凹凸の形状変化を調べた。図5は、化学研磨処理無しの試験片2の表面の研磨痕の状態と研磨痕の凹凸形状を示す図であり、図6は、4分間化学研磨処理した試験片2の表面の研磨痕の状態と研磨痕の凹凸形状を示す図であり、図7は、8分間化学研磨処理した試験片2の表面の研磨痕の状態と研磨痕の凹凸形状を示す図である。化学研磨処理により凹凸が滑らかになり、応力集中の起きにくい形状になっていることが確認できた。
図8に示す試験装置5を用い、化学研磨処理と無電解Niメッキ処理の試験を行った。図8中、5は試験装置、6はチューブポンプ、7は恒温槽、8はめっき浴を示す。試験片9(図8には図示せず)としては市販の配管用パイプを用いた。この配管用パイプ9は内面に所謂「黒染め処理(四三酸化鉄、Fe3O4)」を施してあるもので、これをパイプの内面の汚れを模したものとした。図8では無電解Niメッキ処理の状況を示しているが、化学研磨処理も同じ装置で行った。下記表3に化学研磨処理条件を示し、下記表4に研磨量を示す。また、化学研磨処理を施した試料および化学研磨処理を施していない試料を下記表5に示す条件で無電解Niメッキ処理を行い、Ni層の厚さを下記表6に示す。また、図9は、化学研磨処理無しの試験片9の無電解Niメッキ後のパイプ外面および内面の外観を示す図であり、図10は、化学研磨処理無しの試験片9の無電解Niメッキ後のパイプの内面状態(拡大写真)を示す図であり、図11は、8分間化学研磨処理した試験片9の無電解Niメッキ後のパイプ外面および内面の外観を示す図であり、図12は、8分間化学研磨処理した試験片9の無電解Niメッキ後のパイプの内面状態(拡大写真)を示す図であり、図13は、15分間化学研磨処理した試験片9の無電解Niメッキ後のパイプ外面および内面の外観を示す図であり、図14は、15分間化学研磨処理した試験片9の無電解Niメッキ後のパイプの内面状態(拡大写真)を示す図である。研磨時間が8分間の試料はNiメッキ層が均一に付着していないが、研磨時間が15分間の試料はNiメッキ層が均一に付着している。研磨条件を適切に設定することにより無電解Niメッキを管内面に均一に施すことができた。
図15に示す試験装置10を用い、U字管(図20および図21参照)の化学研磨処理と無電解Niメッキ処理の試験を行った。図15中、10は試験装置、11はチューブポンプ、12は恒温槽、13はめっき浴または化学研磨液を示す。試験片9(図15には図示せず)としては実施例3と同じ市販の配管用パイプを用いた。下記表7に化学研磨処理条件を示し、下記表8に研磨量を示す。また、下記表9に無電解Niメッキ処理条件を示し、下記表10にメッキ層の厚さを示す。発泡による研磨液の溢れ出しを防止して液循環することで安定した研磨状態とし、研磨量を10μm以上とすることで、またメッキ条件を適切に設定することにより管内面に均一に無電解Niメッキ処理を施すことができた。なお、表8および表10中、A、BおよびCは図15の位置のパイプを示す。
SKD61調質材を用い、腐食試験を行った。試験片は90mm×50mm×3mmtの板状とし、表面をショットブラストで汚れを落とした後、各種表面処理を施した。これらの試験片を水道水に浸漬し腐食状態を観察した。腐食試験の試料の表面処理条件を下記表11に示す。窒化処理は、530℃の窒素雰囲気中で7時間保持した。酸化処理は、530℃の酸素雰囲気中で7時間保持した。化学研磨処理条件を下記表12に示し、無電解Niメッキ条件を下記表13に示す。
2 試験片
3 ウレタンパイプ
4 吸引パイプ
5 試験装置
6 チューブポンプ
7 恒温槽
8 めっき浴
9 試験片
10 試験装置
11 チューブポンプ
12 恒温槽
13 めっき浴または化学研磨液
20冷却孔
21金型
22 冷却水の流れを示す矢印
Claims (2)
- 金型が冷却に使用する冷却孔を有し、
前記冷却孔の内面を化学研磨処理して、前記冷却孔の内面のツールマークの粗さを低減または/および前記冷却孔の内面の表面付着物を除去し、
さらに無電解Niメッキ処理を施す表面処理方法であり、
前記冷却孔の内面を化学研磨処理して、前記冷却孔の内面のツールマークの粗さを低減または/および前記冷却孔の内面の表面付着物を除去した後に、前記冷却孔の内面を窒化処理し、
さらに、前記冷却孔の内面を酸化処理し、
その後、化学研磨処理と前記無電解Niメッキ処理を行うことを特徴とする金型の冷却孔の表面処理方法。 - 前記金型の冷却孔が、前記金型の表面からU字形で形成されている請求項1に記載の金型の冷却孔の表面処理方法。
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JP2020145139A JP6960126B1 (ja) | 2020-08-30 | 2020-08-30 | 金型の冷却孔の表面処理方法 |
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