JP3415535B2 - 球状黒鉛鋳鉄のAlを含有しない溶融亜鉛めっき法 - Google Patents

球状黒鉛鋳鉄のAlを含有しない溶融亜鉛めっき法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、球状黒鉛鋳鉄鋳
物についての溶融亜鉛めっきの改良技術に係り、特に、
めっき層の剥離、 付着不良、 気泡の発生によるめっき層
の異常成長、 気泡がめっき層に残るなど、 めっき層にお
ける品質劣化を防ぎ、 かつめっきした鋳物の表面の凹凸
をできるだけ少なくし、 めっき層の厚さをコントロール
できる球状黒鉛鋳鉄のAlを含有しない溶融亜鉛めっき法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】球状黒鉛鋳鉄に溶融亜鉛めっき(Al濃度
0.001%以下)をする場合、 表面に球状黒鉛があるため
に、 亜鉛が黒鉛と反応しないので、 亜鉛が球状黒鉛鋳鉄
表面に付着しないことがある。 また、 黒鉛が酸素等との
反応によって、 気泡が発生し、 亜鉛層中に気泡が残れ
ば、 めっき表面が膨れた状態になる。 気泡の発生によっ
て、めっき表面の凹凸の原因となり、 めっき製品の外観
が悪くなる。 さらに、気泡の発生にともなって、 めっき
層の剥離も生じる。 このように、 鋳鉄に黒鉛があれば、
めっき層の剥離、 めっき層の凹凸、 めっき層の厚さの制
御が困難になる等、 様々な問題が生じる。 その対策とし
て、 球状黒鉛鋳鉄の表面にある黒鉛を除去するために、
機械的清浄法(ショットブラスト等) が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
対策方法である機械的清浄法は、 表面の黒鉛を完全に取
り除くことが困難であるので、 前記の黒鉛によるめっき
層の剥離等の問題を抜本的に解決することができない。
また、 機械的清浄法で処理した鋳物表面は凹凸が激し
く、 めっき処理を行った場合、 めっき表面の凹凸が激し
く、 外観が悪い。 さらにめっき層の厚さをコントロール
できない。
【0004】この発明は、上記のような課題に鑑み、そ
の課題を解決すべく創案されたものであって、その目的
とするところは、球状黒鉛鋳鉄表面における黒鉛の形成
を阻害する表面層を形成させることによって、 鋳鉄表面
における黒鉛による亜鉛めっき層の剥離防止、 気泡発生
によるめっき層の異常成長などの品質劣化を防ぎ、 さら
に、 溶融亜鉛めっき処理した鋳物表面の凹凸をできるだ
け少なくし、 めっき層の厚さをコントロールできる球状
黒鉛鋳鉄のAlを含有しない溶融亜鉛めっき法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、純Fe薄板を鋳造物と接する鋳
型の表面部に張り付けて、 溶融球状黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳
込み、 鋳型表面における純Fe薄板を溶解させて、 鋳物の
表面に黒鉛の形成を阻害する表面層を形成させ、 その表
面層を形成させた試料を、 Zn溶解浴中にCr、 Ag、 Tlまた
はミッシュメタルを単独で添加量0.1%〜1.0%の範囲で添
加したZn浴に、 少なくとも1分〜3分浸漬し、 めっき処
理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料を、 純
Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部に張り付けた鋳型
に、 所定の隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試料の隙
間に溶融Znを鋳込むことによって、 めっき層の厚さをコ
ントロールし、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表面を得
る手段よりなる。
【0006】また、請求項2の発明は、純Fe粉末を鋳造
物と接する鋳型の表面部に付着させて、 溶融球状黒鉛鋳
鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型表面における純Fe粉末を溶解さ
せて、 鋳物の表面に黒鉛の形成を阻害する表面層を形成
させ、 その表面層を形成させた試料を、 Zn溶解浴中にC
r、 Ag、 Tlまたはミッシュメタルを単独で添加量0.1%〜
1.0%の範囲で添加したZn浴に、 少なくとも1分〜3分浸
漬し、 めっき処理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理
した試料を、 純Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部に
張り付けた鋳型に、 所定の隙間を空けた状態で挿入し、
鋳型と試料の隙間に溶融Znを鋳込むことによって、 めっ
き層の厚さをコントロールし、 かつ凹凸の少ない平滑な
めっき表面を得る手段よりなる。
【0009】また、請求項3の発明は、炭素鋼薄板を鋳
造物と接する鋳型の表面部に張り付けて、 溶融球状黒鉛
鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型表面における炭素鋼薄板を溶
解させて、 鋳物の表面に黒鉛の形成を阻害する表面層を
形成させ、 その表面層を形成させた試料を、 Zn溶解浴中
にCr、 Ag、 Tlまたはミッシュメタルを単独で添加量0.1%
〜1.0%の範囲で添加したZn浴に、 少なくとも1分〜3分
浸漬し、 めっき処理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処
理した試料を、 純Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部
に張り付けた鋳型に、 所定の隙間を空けた状態で挿入
し、 鋳型と試料の隙間に溶融Znを鋳込むことによって、
めっき層の厚さをコントロールし、 かつ凹凸の少ない平
滑なめっき表面を得る手段よりなる。
【0010】また、請求項4の発明は、炭素鋼粉末を鋳
造物と接する鋳型の表面部に付着させて、 溶融球状黒鉛
鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型表面における炭素鋼粉末を溶
解させて、 鋳物の表面に黒鉛の形成を阻害する表面層を
形成させ、 その表面層を形成させた試料を、 Zn溶解浴中
にCr、 Ag、 Tlまたはミッシュメタルを単独で添加量0.1%
〜1.0%の範囲で添加したZn浴に、 少なくとも1分〜3分
浸漬し、 めっき処理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処
理した試料を、 純Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部
に張り付けた鋳型に、 所定の隙間を空けた状態で挿入
し、 鋳型と試料の隙間に溶融Znを鋳込むことによって、
めっき層の厚さをコントロールし、 かつ凹凸の少ない平
滑なめっき表面を得る手段よりなる。
【0011】また、請求項5の発明は、純Ti薄板を鋳造
物と接する鋳型の表面部に張り付けて、 溶融球状黒鉛鋳
鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型表面における純Ti薄板を溶解さ
せて、 鋳物の表面に黒鉛の形成を阻害する表面層を形成
させ、 その表面層を形成させた試料を、 Zn溶解浴中にC
r、 Ag、 Tlまたはミッシュメタルを単独で添加量0.1%〜
1.0%の範囲で添加したZn浴に、 少なくとも1分〜3分浸
漬し、 めっき処理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理
した試料を、 純Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部に
張り付けた鋳型に、 所定の隙間を空けた状態で挿入し、
鋳型と試料の隙間に溶融Znを鋳込むことによって、 めっ
き層の厚さをコントロールし、 かつ凹凸の少ない平滑な
めっき表面を得る手段よりなる。
【0012】また、請求項6の発明は、純Ti粉末を鋳造
物と接する鋳型の表面部に付着させて、 溶融球状黒鉛鋳
鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型表面における純Ti粉末を溶解さ
せて、 鋳物の表面に黒鉛の形成を阻害する表面層を形成
させ、 その表面層を形成させた試料を、 Zn溶解浴中にC
r、 Ag、 Tlまたはミッシュメタルを単独で添加量0.1%〜
1.0%の範囲で添加したZn浴に、 少なくとも1分〜3分浸
漬し、 めっき処理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理
した試料を、 純Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部に
張り付けた鋳型に、 所定の隙間を空けた状態で挿入し、
鋳型と試料の隙間に溶融Znを鋳込むことによって、 めっ
き層の厚さをコントロールし、 かつ凹凸の少ない平滑な
めっき表面を得る手段よりなる。
【0013】また、請求項7の発明は、純Mn薄板を鋳造
物と接する鋳型の表面部に張り付けて、 溶融球状黒鉛鋳
鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型表面における純Mn薄板を溶解さ
せて、 鋳物の表面に黒鉛の形成を阻害する表面層を形成
させ、 その表面層を形成させた試料を、 Zn溶解浴中にC
r、 Ag、 Tlまたはミッシュメタルを単独で添加量0.1%〜
1.0%の範囲で添加したZn浴に、 少なくとも1分〜3分浸
漬し、 めっき処理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理
した試料を、 純Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部に
張り付けた鋳型に、 所定の隙間を空けた状態で挿入し、
鋳型と試料の隙間に溶融Znを鋳込むことによって、 めっ
き層の厚さをコントロールし、 かつ凹凸の少ない平滑な
めっき表面を得る手段よりなる。
【0014】また、請求項8の発明は、純Mn粉末を鋳造
物と接する鋳型の表面部に付着させて、 溶融球状黒鉛鋳
鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型表面における純Mn粉末を溶解さ
せて、 鋳物の表面に黒鉛の形成を阻害する表面層を形成
させ、 その表面層を形成させた試料を、 Zn溶解浴中にC
r、 Ag、 Tlまたはミッシュメタルを単独で添加量0.1%〜
1.0%の範囲で添加したZn浴に、 少なくとも1分〜3分浸
漬し、 めっき処理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理
した試料を、 純Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部に
張り付けた鋳型に、 所定の隙間を空けた状態で挿入し、
鋳型と試料の隙間に溶融Znを鋳込むことによって、 めっ
き層の厚さをコントロールし、 かつ凹凸の少ない平滑な
めっき表面を得る手段よりなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、 この発明をより具体的に説
明する。高周波溶解炉の内部にアルミナルツボをセット
し、 鋳鉄をアルミナルツボに電流を流して約1kg溶解を
行った。 鋳込み温度1400℃〜1430℃にして直径φ35mm×
深さ75mmの中心孔を有する幅70mm×長さ70mm×高さ140
mmの鋳型の表面に請求項1〜請求項8に示す薄板を張り
付け、 または粉末を付着させ、 溶融金属を流し込み、 空
冷したものを試験片とした。 球状黒鉛鋳鉄の組成(FCD4
00、 FCD450)は表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】試験片の表面に付着している鋳物砂等を取
り除いた後、 試料のさび等を除去するために、 酸洗処理
を行った。 酸洗処理は、5%〜15%濃度の塩酸の液中に
球状黒鉛鋳鉄を1分〜5分間程浸漬した。 その後、 水洗
いによって球状黒鉛鋳鉄の表面の酸などを洗い流す。 続
いて、 フラックス処理を行う。 フラックス処理を行うの
は鉄表面での鉄と亜鉛の反応をスムースにして亜鉛の付
着をよくするためで、フラックスの役割は、 鉄表面の付
着物、 汚れ、 酸洗い後発生した僅かなサビを除去すると
共に被めっき材がZn浴に浸漬するとき、 Zn浴表面の亜鉛
酸化物をなくすことである。 球状黒鉛鋳鉄のフラックス
処理は、 ZnCl2とNH4Cl の混合水溶液に球状黒鉛鋳鉄を
1分〜5分間程浸漬した。
【0019】前記の酸洗処理、 フラックス処理を終了し
た後、 溶融亜鉛めっき試験を行った。溶融亜鉛めっき試
験におけるめっき浴の容器として、 黒鉛ルツボを使用
し、 又そのサイズは、 内径85mm×深さ120mm を用いた。
実験に使用したZn浴におけるZn以外の組成は表2に示
す。
【0020】
【表2】
【0021】なお、 浴温については±5℃の測定誤差が
ある。 浸漬時間が1分以内の場合、不めっきが生じたの
で、 浸漬時間は、通常の亜鉛めっきの浸漬時間である1
分〜3分でめっき試験を行った。 試験の浴温は、 425℃
〜 475℃の温度範囲で行った。 Zn浴にそれぞれ単独でC
r、 Ag、 Tl、ミッシュメタルを0.1%〜1.0%の範囲で添加
した。0.1%未満、 1.0%を越えると以下の通りになった。
【0022】『Crが0.1%未満では、 効果がない。 』
【0023】『Crが1.0%を越えると、 Crが未溶解であっ
た。 』
【0024】『Agが0.1%未満では、 効果がない。 』
【0025】『Agが1.0%を越えると、 酸化灰が多くな
り、 めっき表面の凹凸が生じ、 作業性が悪い。 』
【0026】『Tlが0.1%未満では、 効果がない。 』
【0027】『Tlが1.0%を越えると、 酸化灰が多くな
り、 めっき表面の凹凸が生じ、 作業性が悪い。 』
【0028】『ミッシュメタルが0.1%未満では、 効果が
ない。 』
【0029】『ミッシュメタルが1.0%を越えると、 酸化
灰が多くなり、 めっき表面の凹凸が生じ、 作業性が悪
い。 』
【0030】溶融亜鉛めっき試験後、 冷却せずに、 直径
φ45mm×深さ75mmの中心孔を有する幅70mm×長さ70mm×
高さ 140mmの鋳型の表面に純Zn薄板(厚さ 0.1mm)を付
着させ、 浴温 425℃〜 475℃の溶融亜鉛(組成は、 表
2)を鋳型と試料の隙間に鋳込む。 実験の主な手順は、 〜のとおりである。 溶融鋳鉄の鋳込み 酸洗処理 フラックス処理 溶融亜鉛めっき処理 溶融亜鉛の鋳込み
【0031】溶融亜鉛の鋳込み実験終了後、 試験片を切
断し、 組織観察を行い、 めっき層の剥離等を調べた。 評
価については、 めっき層の剥離またはめっき表面の凹凸
がある場合を「×」、めっき層の剥離がない、 まためっ
き表面の凹凸がない場合を「○」、として評価を行っ
た。 実験結果は表3〜4に示す。 なお、 表中の「球状黒
鉛鋳鉄」は、 前記の薄板、 粉末を使用せずに、 表面に黒
鉛がある場合における球状黒鉛鋳鉄の実験結果である。
また、 表中の「無添加」は、 表2に示すZn浴でめっき処
理を行った結果である。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】(補足) 球状黒鉛鋳鉄の溶融亜鉛めっきは次のようにして行われ
る。 先ず、 鋳鉄表面の状況又は鋳物の形状によっては、
ブラスト処理(ショットブラスト等)を行い、鋳物表面
を清浄にする。
【0035】次に、 球状黒鉛鋳鉄を酸洗い処理する。 酸
洗いは球状黒鉛鋳鉄の表面のサビやスケールを除去する
ために行われる。 通常、 塩酸を用いて行われ、5%〜1
5%濃度の塩酸の液中に球状黒鉛鋳鉄を5分〜10分間
浸漬する。 その後、 水洗いによって球状黒鉛鋳鉄の表面
の酸やサビなどを洗い流す。
【0036】続いて、 フラックス処理を行う。 酸洗い後
にフラックス処理を行うのは鉄表面での鉄と亜鉛の反応
をスムースにして亜鉛の付着をよくするためで、 フラッ
クスの役割は、 鉄表面からすべての付着物、 汚れ、 酸洗
い後発生した僅かなサビを除去すると共に被めっき材が
Zn浴に浸漬するとき、 Zn浴表面の亜鉛酸化物をなくすこ
とである。 球状黒鉛鋳鉄のフラックス処理には、 例え
ば、 ZnClとNHClの混合水溶液に球状黒鉛鋳鉄を1
分〜5分間程浸漬する。
【0037】そして、 このような前処理工程を経た後
に、 溶融亜鉛めっき工程に入る。 Zn浴の温度において、
420℃以下の温度では、 亜鉛が溶解できなくなる。 ま
た、 480℃以上の温度では、 熱源コストの問題が生じ、
さらに亜鉛釜の寿命が短くなるので、 通常の亜鉛めっき
の操業温度範囲は、 425℃〜 475℃である。
【0038】Zn浴中に、 前述した前処理が施された球状
黒鉛鋳鉄を速やかに浸漬し、 適当な時間、 例えば1分〜
10分間程、 通常のめっき操業では3分間浸漬した後に
引き上げる。 過剰に付着している溶融亜鉛は軽い衝撃や
振動を与えて、 たれ切りを行った後に、 空冷、 または水
冷による冷却を行う。
【0039】冷却後、 亜鉛めっきされた球状黒鉛鋳鉄の
仕上げ工程に入る。 仕上げ工程では亜鉛たれや、 不めっ
き処理すべき部分に付着した亜鉛などがグラインダーな
どによって除去される。 この仕上げ工程を経て、 球状黒
鉛鋳鉄のめっき作業は完了する。
【0040】
【実施例−1】〔純Fe薄板を使用する場合〕 試験は、 純Fe薄板(純度99.5% 、厚さ 0.1mm)を使用し
た。 不純物は不明。 また、 試験結果は、 表3〜4に示
す。 表より、 純Fe薄板を使用すれば、 めっき層の剥離等
が生じなかった。
【0041】
【実施例−2】〔純Fe粉末を使用する場合〕 試験は、 純Fe粉末(純度95% 、粒度 150μ(100mesh))
を使用した。 前記の鋳型表面に付着させた粉末の厚さ
は、 約 0.5mmであった。 試験結果は、 表3〜4に示す。
表より、 純Fe粉末を使用すれば、 めっき層の剥離が生じ
なかった。
【0044】
【実施例−3】〔炭素鋼薄板を使用する場合〕 試験は、 炭素鋼薄板(C 0.15% Si 0.01% Mn 0.48% P
0.017% S 0.016%厚さ 0.3mm)を使用した。 試験結果
は、 表3〜4に示す。 表より、 炭素鋼薄板を使用すれ
ば、 めっき層の剥離等が生じなかった。
【0045】
【実施例−4】〔炭素鋼粉末を使用する場合〕 試験は、 炭素鋼粉末(C 0.15% Si 0.01% Mn 0.48% P
0.017% S 0.016%粒度 500μ(30mesh))を使用した。
前記の鋳型表面に付着させた粉末の厚さは、約 0.5mmで
あった。 試験結果は、 表3〜4に示す。 表より、 炭素鋼
粉末を使用すれば、 めっき層の剥離等が生じなかった。
【0046】
【実施例−5】〔純Ti薄板を使用する場合〕 試験は、 純Ti薄板(純度 99.5%、厚さ 0.lmm)を使用し
た。 試験結果は、 表3〜4に示す。 表より、 純Ti薄板を
使用すれば、 めっき層の剥離等が生じなかった。
【0047】
【実施例−6】〔純Ti粉末を使用する場合〕 試験は、 純Ti粉末(純度99% 、粒度 1m/m (16mesh))を
使用した。 前記の鋳型表面に付着させた粉末の厚さは、
約 0.5mmであった。 試験結果は、 表3〜4に示す。 表よ
り、 純Ti粉末を使用すれば、 めっき層の剥離等が生じな
かった。
【0048】
【実施例−7】〔純Mn薄板を使用する場合〕 試験は、 純Mn薄板(純度99.95%、厚さ 0.1mm)を使用し
た。 試験結果は、 表3〜4に示す。 表より、 純Mn薄板を
使用すれば、 めっき層の剥離等が生じなかった。
【0049】
【実施例−8】〔純Mn粉末を使用する場合〕 試験は、 純Mn粉末(純度99.98%、 粒度 5μ)を使用し
た。 前記の鋳型表面に付着させた粉末の厚さは、 約 0.5
mmであった。 試験結果は、 表3〜4に示す。 表より、 純
Mn粉末を使用すれば、 めっき層の剥離等が生じなかっ
た。
【0051】
【発明の効果】以上の記載より明らかなように、請求項
1の発明によれば、純Fe薄板を鋳造物と接する鋳型の表
面部に張り付けて、 溶融球状黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、
鋳型表面における純Fe薄板を溶解させることによって、
鋳鉄の表面に黒鉛の形成を阻害する表面層を形成させる
ことが可能である。さらに、 前記の表面層を形成した試
料を、 Cr、 Ag、 Tlまたはミッシュメタルを単独で、 添加
量0.1%〜1.0%の範囲で添加したZn浴に、1分〜3分間浸
漬し、 めっき処理を行った。 その結果、 Cr、 Ag、 Tlまた
はミッシュメタルをZn浴に添加することによって、 Znの
流動性等が良好となるので、 鋳鉄表面に黒鉛が存在して
も黒鉛による気泡発生が容易となり、 気泡がめっき層に
閉じこめられたり、 気泡に起因するめっき層の剥離等を
防ぐことができる。めっき処理後、 冷却せずに直ちに亜
鉛めっき処理した試料を、 純Zn薄板を鋳造物と接する鋳
型の表面部に張り付けた鋳型に、 所定の隙間を空けた状
態で挿入し、 鋳型と試料の隙間に溶融Znを鋳込むことに
よって、 めっき層の厚さをコントロールし、 かつ凹凸の
少ない平滑なめっき表面を得ることが可能である。加え
て、純Fe薄板を使用することにより、均一な表面改質を
行うことが可能である。
【0052】また、請求項2の発明によれば、純Fe粉末
を鋳造物と接する鋳型の表面部に付着させて、 溶融球状
黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型表面における純Fe粉末を
溶解させることによって、 鋳鉄の表面に黒鉛の形成を阻
害する表面層を形成させることが可能である。さらに、
前記の表面層を形成した試料を、 Cr、 Ag、 Tlまたはミッ
シュメタルを単独で、 添加量0.1%〜1.0%の範囲で添加し
たZn浴に、1分〜3分間浸漬し、 めっき処理を行った。
その結果、 Cr、 Ag、 TlまたはミッシュメタルをZn浴に添
加することによって、 Znの流動性等が良好となるので、
鋳鉄表面に黒鉛が存在しても黒鉛による気泡発生が容易
となり、 気泡がめっき層に閉じこめられたり、 気泡に起
因するめっき層の剥離等を防ぐことができる。めっき処
理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料を、 純
Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部に張り付けた鋳型
に、 所定の隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試料の隙
間に溶融Znを鋳込むことによって、 めっき層の厚さをコ
ントロールし、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表面を得
ることが可能である。加えて、純Fe粉末を使用すること
により、 複雑な鋳型形状にも対応可能である。
【0055】また、請求項3の発明によれば、炭素鋼薄
板を鋳造物と接する鋳型の表面部に張り付けて、 溶融球
状黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型表面における炭素鋼薄
板を溶解させることによって、 鋳鉄の表面に黒鉛の形成
を阻害する表面層を形成させることが可能である。さら
に、 前記の表面層を形成した試料を、 Cr、 Ag、 Tlまたは
ミッシュメタルを単独で、 添加量0.1%〜1.0%の範囲で添
加したZn浴に、1分〜3分間浸漬し、 めっき処理を行っ
た。 その結果、 Cr、 Ag、 TlまたはミッシュメタルをZn浴
に添加することによって、 Znの流動性等が良好となるの
で、 鋳鉄表面に黒鉛が存在しても黒鉛による気泡発生が
容易となり、 気泡がめっき層に閉じこめられたり、 気泡
に起因するめっき層の剥離等を防ぐことができる。めっ
き処理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料
を、 純Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部に張り付け
た鋳型に、 所定の隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試
料の隙間に溶融Znを鋳込むことによって、 めっき層の厚
さをコントロールし、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表
面を得ることが可能である。加えて、炭素鋼薄板を使用
することにより、均一な表面改質を行うことが可能であ
る。
【0056】また、請求項4の発明によれば、炭素鋼粉
末を鋳造物と接する鋳型の表面部に付着させて、 溶融球
状黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型表面における炭素鋼粉
末を溶解させることによって、 鋳鉄の表面に黒鉛の形成
を阻害する表面層を形成させることが可能である。さら
に、 前記の表面層を形成した試料を、 Cr、 Ag、 Tlまたは
ミッシュメタルを単独で、 添加量0.1%〜1.0%の範囲で添
加したZn浴に、1分〜3分間浸漬し、 めっき処理を行っ
た。 その結果、 Cr、 Ag、 TlまたはミッシュメタルをZn浴
に添加することによって、 Znの流動性等が良好となるの
で、 鋳鉄表面に黒鉛が存在しても黒鉛による気泡発生が
容易となり、 気泡がめっき層に閉じこめられたり、 気泡
に起因するめっき層の剥離等を防ぐことができる。めっ
き処理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料
を、 純Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部に張り付け
た鋳型に、 所定の隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試
料の隙間に溶融Znを鋳込むことによって、 めっき層の厚
さをコントロールし、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表
面を得ることが可能である。加えて、炭素鋼粉末を使用
することにより、 複雑な鋳型形状にも対応可能である。
【0057】また、請求項5の発明によれば、純Ti薄板
を鋳造物と接する鋳型の表面部に張り付けて、 溶融球状
黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型表面における純Ti薄板を
溶解させることによって、 鋳鉄の表面に黒鉛の形成を阻
害する表面層を形成させることが可能である。さらに、
前記の表面層を形成した試料を、 Cr、 Ag、 Tlまたはミッ
シュメタルを単独で、 添加量0.1%〜1.0%の範囲で添加し
たZn浴に、1分〜3分間浸漬し、 めっき処理を行った。
その結果、 Cr、 Ag、 TlまたはミッシュメタルをZn浴に添
加することによって、 Znの流動性等が良好となるので、
鋳鉄表面に黒鉛が存在しても黒鉛による気泡発生が容易
となり、 気泡がめっき層に閉じこめられたり、 気泡に起
因するめっき層の剥離等を防ぐことができる。めっき処
理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料を、 純
Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部に張り付けた鋳型
に、 所定の隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試料の隙
間に溶融Znを鋳込むことによって、 めっき層の厚さをコ
ントロールし、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表面を得
ることが可能である。加えて、純Ti薄板を使用すること
により、均一な表面改質を行うことが可能である。
【0058】また、請求項6の発明によれば、純Ti粉末
を鋳造物と接する鋳型の表面部に付着させて、 溶融球状
黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型表面における純Ti粉末を
溶解させることによって、 鋳鉄の表面に黒鉛の形成を阻
害する表面層を形成させることが可能である。さらに、
前記の表面層を形成した試料を、 Cr、 Ag、 Tlまたはミッ
シュメタルを単独で、 添加量0.1%〜1.0%の範囲で添加し
たZn浴に、1分〜3分間浸漬し、 めっき処理を行った。
その結果、 Cr、 Ag、 TlまたはミッシュメタルをZn浴に添
加することによって、 Znの流動性等が良好となるので、
鋳鉄表面に黒鉛が存在しても黒鉛による気泡発生が容易
となり、 気泡がめっき層に閉じこめられたり、 気泡に起
因するめっき層の剥離等を防ぐことができる。めっき処
理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料を、 純
Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部に張り付けた鋳型
に、 所定の隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試料の隙
間に溶融Znを鋳込むことによって、 めっき層の厚さをコ
ントロールし、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表面を得
ることが可能である。加えて、純Ti粉末を使用すること
により、 複雑な鋳型形状にも対応可能である。
【0059】また、請求項7の発明によれば、純Mn薄板
を鋳造物と接する鋳型の表面部に張り付けて、 溶融球状
黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型表面における純Mn薄板を
溶解させることによって、 鋳鉄の表面に黒鉛の形成を阻
害する表面層を形成させることが可能である。さらに、
前記の表面層を形成した試料を、 Cr、 Ag、 Tlまたはミッ
シュメタルを単独で、 添加量0.1%〜1.0%の範囲で添加し
たZn浴に、1分〜3分間浸漬し、 めっき処理を行った。
その結果、 Cr、 Ag、 TlまたはミッシュメタルをZn浴に添
加することによって、 Znの流動性等が良好となるので、
鋳鉄表面に黒鉛が存在しても黒鉛による気泡発生が容易
となり、 気泡がめっき層に閉じこめられたり、 気泡に起
因するめっき層の剥離等を防ぐことができる。めっき処
理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料を、 純
Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部に張り付けた鋳型
に、 所定の隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試料の隙
間に溶融Znを鋳込むことによって、 めっき層の厚さをコ
ントロールし、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表面を得
ることが可能である。加えて、純Mn薄板を使用すること
により、均一な表面改質を行うことが可能である。
【0060】また、請求項8の発明によれば、純Mn粉末
を鋳造物と接する鋳型の表面部に付着させて、 溶融球状
黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型表面における純Mn粉末を
溶解させることによって、 鋳鉄の表面に黒鉛の形成を阻
害する表面層を形成させることが可能である。さらに、
前記の表面層を形成した試料を、 Cr、 Ag、 Tlまたはミッ
シュメタルを単独で、 添加量0.1%〜1.0%の範囲で添加し
たZn浴に、1分〜3分間浸漬し、 めっき処理を行った。
その結果、 Cr、 Ag、 TlまたはミッシュメタルをZn浴に添
加することによって、 Znの流動性等が良好となるので、
鋳鉄表面に黒鉛が存在しても黒鉛による気泡発生が容易
となり、 気泡がめっき層に閉じこめられたり、 気泡に起
因するめっき層の剥離等を防ぐことができる。めっき処
理後、 冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料を、 純
Zn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部に張り付けた鋳型
に、 所定の隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試料の隙
間に溶融Znを鋳込むことによって、 めっき層の厚さをコ
ントロールし、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表面を得
ることが可能である。加えて、純Mn粉末を使用すること
により、 複雑な鋳型形状にも対応可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−316945(JP,A) 特開 昭49−74121(JP,A) 特許163167(JP,C2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40 B22D 19/00 B22D 19/08

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純Fe薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部
    に張り付けて、 溶融球状黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、鋳型
    表面における純Fe薄板を溶解させて、 鋳物の表面に黒鉛
    の形成を阻害する表面層を形成させ、 その表面層を形成
    させた試料を、 Zn溶解浴中にCr、 Ag、 Tlまたはミッシュ
    メタルを単独で添加量0.1%〜1.0%の範囲で添加したZn浴
    に、 少なくとも1分〜3分浸漬し、 めっき処理後、 冷却
    せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料を、 純Zn薄板を鋳
    造物と接する鋳型の表面部に張り付けた鋳型に、 所定の
    隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試料の隙間に溶融Zn
    を鋳込むことによって、 めっき層の厚さをコントロール
    し、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表面を得ることを特
    徴とする球状黒鉛鋳鉄のAlを含有しない溶融亜鉛めっき
    法。
  2. 【請求項2】 純Fe粉末を鋳造物と接する鋳型の表面部
    に付着させて、 溶融球状黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型
    表面における純Fe粉末を溶解させて、 鋳物の表面に黒鉛
    の形成を阻害する表面層を形成させ、 その表面層を形成
    させた試料を、 Zn溶解浴中にCr、 Ag、 Tlまたはミッシュ
    メタルを単独で添加量0.1%〜1.0%の範囲で添加したZn浴
    に、 少なくとも1分〜3分浸漬し、 めっき処理後、 冷却
    せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料を、 純Zn薄板を鋳
    造物と接する鋳型の表面部に張り付けた鋳型に、 所定の
    隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試料の隙間に溶融Zn
    を鋳込むことによって、 めっき層の厚さをコントロール
    し、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表面を得ることを特
    徴とする球状黒鉛鋳鉄のAlを含有しない溶融亜鉛めっき
    法。
  3. 【請求項3】 炭素鋼薄板を鋳造物と接する鋳型の表面
    部に張り付けて、 溶融球状黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳
    型表面における炭素鋼薄板を溶解させて、 鋳物の表面に
    黒鉛の形成を阻害する表面層を形成させ、 その表面層を
    形成させた試料を、 Zn溶解浴中にCr、 Ag、 Tlまたはミッ
    シュメタルを単独で添加量0.1%〜1.0%の範囲で添加した
    Zn浴に、 少なくとも1分〜3分浸漬し、 めっき処理後、
    冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料を、 純Zn薄板
    を鋳造物と接する鋳型の表面部に張り付けた鋳型に、 所
    定の隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試料の隙間に溶
    融Znを鋳込むことによって、 めっき層の厚さをコントロ
    ールし、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表面を得ること
    を特徴とする球状黒鉛鋳鉄のAlを含有しない溶融亜鉛め
    っき法。
  4. 【請求項4】 炭素鋼粉末を鋳造物と接する鋳型の表面
    部に付着させて、 溶融球状黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳
    型表面における炭素鋼粉末を溶解させて、 鋳物の表面に
    黒鉛の形成を阻害する表面層を形成させ、 その表面層を
    形成させた試料を、 Zn溶解浴中にCr、 Ag、 Tlまたはミッ
    シュメタルを単独で添加量0.1%〜1.0%の範囲で添加した
    Zn浴に、 少なくとも1分〜3分浸漬し、 めっき処理後、
    冷却せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料を、 純Zn薄板
    を鋳造物と接する鋳型の表面部に張り付けた鋳型に、 所
    定の隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試料の隙間に溶
    融Znを鋳込むことによって、 めっき層の厚さをコントロ
    ールし、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表面を得ること
    を特徴とする球状黒鉛鋳鉄のAlを含有しない溶融亜鉛め
    っき法。
  5. 【請求項5】 純Ti薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部
    に張り付けて、 溶融球状黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型
    表面における純Ti薄板を溶解させて、 鋳物の表面に黒鉛
    の形成を阻害する表面層を形成させ、 その表面層を形成
    させた試料を、 Zn溶解浴中にCr、 Ag、 Tlまたはミッシュ
    メタルを単独で添加量0.1%〜1.0%の範囲で添加したZn浴
    に、 少なくとも1分〜3分浸漬し、 めっき処理後、 冷却
    せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料を、 純Zn薄板を鋳
    造物と接する鋳型の表面部に張り付けた鋳型に、 所定の
    隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試料の隙間に溶融Zn
    を鋳込むことによって、 めっき層の厚さをコントロール
    し、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表面を得ることを特
    徴とする球状黒鉛鋳鉄のAlを含有しない溶融亜鉛めっき
    法。
  6. 【請求項6】 純Ti粉末を鋳造物と接する鋳型の表面部
    に付着させて、 溶融球状黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型
    表面における純Ti粉末を溶解させて、 鋳物の表面に黒鉛
    の形成を阻害する表面層を形成させ、 その表面層を形成
    させた試料を、 Zn溶解浴中にCr、 Ag、 Tlまたはミッシュ
    メタルを単独で添加量0.1%〜1.0%の範囲で添加したZn浴
    に、 少なくとも1分〜3分浸漬し、 めっき処理後、 冷却
    せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料を、 純Zn薄板を鋳
    造物と接する鋳型の表面部に張り付けた鋳型に、 所定の
    隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試料の隙間に溶融Zn
    を鋳込むことによって、 めっき層の厚さをコントロール
    し、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表面を得ることを特
    徴とする球状黒鉛鋳鉄のAlを含有しない溶融亜鉛めっき
    法。
  7. 【請求項7】 純Mn薄板を鋳造物と接する鋳型の表面部
    に張り付けて、 溶融球状黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型
    表面における純Mn薄板を溶解させて、 鋳物の表面に黒鉛
    の形成を阻害する表面層を形成させ、 その表面層を形成
    させた試料を、 Zn溶解浴中にCr、 Ag、 Tlまたはミッシュ
    メタルを単独で添加量0.1%〜1.0%の範囲で添加したZn浴
    に、 少なくとも1分〜3分浸漬し、 めっき処理後、 冷却
    せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料を、 純Zn薄板を鋳
    造物と接する鋳型の表面部に張り付けた鋳型に、 所定の
    隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試料の隙間に溶融Zn
    を鋳込むことによって、 めっき層の厚さをコントロール
    し、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表面を得ることを特
    徴とする球状黒鉛鋳鉄のAlを含有しない溶融亜鉛めっき
    法。
  8. 【請求項8】 純Mn粉末を鋳造物と接する鋳型の表面部
    に付着させて、 溶融球状黒鉛鋳鉄を鋳型に鋳込み、 鋳型
    表面における純Mn粉末を溶解させて、 鋳物の表面に黒鉛
    の形成を阻害する表面層を形成させ、 その表面層を形成
    させた試料を、 Zn溶解浴中にCr、 Ag、 Tlまたはミッシュ
    メタルを単独で添加量0.1%〜1.0%の範囲で添加したZn浴
    に、 少なくとも1分〜3分浸漬し、 めっき処理後、 冷却
    せずに直ちに亜鉛めっき処理した試料を、 純Zn薄板を鋳
    造物と接する鋳型の表面部に張り付けた鋳型に、 所定の
    隙間を空けた状態で挿入し、 鋳型と試料の隙間に溶融Zn
    を鋳込むことによって、 めっき層の厚さをコントロール
    し、 かつ凹凸の少ない平滑なめっき表面を得ることを特
    徴とする球状黒鉛鋳鉄のAlを含有しない溶融亜鉛めっき
    法。
  9. 【請求項9】 溶融球状黒鉛鋳鉄は、 FCD400またはFCD4
    50からなる請求項1〜請求項8のいずれかに記載の球状
    黒鉛鋳鉄のAlを含有しない溶融亜鉛めっき法。
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