JP3422595B2 - アルミニウム合金用亜鉛置換処理浴 - Google Patents

アルミニウム合金用亜鉛置換処理浴

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム−マグネ
シウム系、アルミニウム−珪素系、アルミニウム−銅系
などのアルミニウム合金材料のめっき分野で適用する亜
鉛置換処理浴に関するものである。より具体的には、ア
ルミニウム合金をめっきする際のめっき下地処理として
用いる亜鉛置換処理浴に関するものである。
【0002】
【従来技術】一般にアルミニウム合金上にめっきを行う
場合、これらの合金表面が厚い酸化皮膜で覆われている
こと、及びこれらの合金が卑な表面電位を持つため容易
に酸化し易く表面の電位が不均一で、かつ不安定である
理由等から、直接めっきが出来ないので酸化皮膜の除去
や中間層の形成などの前処理工程を設ける必要がある。
【0003】通常、酸化皮膜や合金表面に偏析した化合
物の除去にはアルカリ溶液を用いたエッチング処理やフ
ッ酸による酸洗が行われ、その後に亜鉛又はその合金層
を置換反応を用いてアルミニウム合金表面に析出させる
亜鉛置換処理が行われている。
【0004】亜鉛置換処理浴としては、亜鉛又は亜鉛華
を苛性ソーダに溶解したジンケート処理浴を基本的な組
成とし、更に皮膜中に共析させるための合金成分とし
て、銅、コバルト、鉄、ニッケル等の金属成分を1種以
上添加させた改良亜鉛置換浴(ボンダル浴)が各種提案
されており、かなりのものが実用化されている。
【0005】しかしながら、アルミニウム合金は、高強
度、高加工性、軽量化、耐摩耗性、などの様々な目的で
使用されるため、その目的に合わせてその組成も、合金
成分として珪素、銅、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、
などの多くの金属が添加され、又それらの含有率も異な
っている。このため、アルミニウム合金は、素材の種類
によって結晶構造、均一性、化学的反応性も大きく異な
っている。
【0006】亜鉛置換処理は素材と浴との化学反応を利
用して皮膜を形成する技術であるため、これらの条件の
異なる各種合金素材に対して同じように良好な密着力が
得られるような亜鉛置換皮膜を得ることはかなり難し
い。
【0007】このため、合金成分を添加させた改良亜鉛
置換浴を使用しても、1回のみの処理では充分なめっき
密着性を得ることは難しく、特に珪素を多く含むアルミ
ニウム合金に適用する場合には、形成された置換処理皮
膜をいったん硝酸で溶解剥離したのち、再度亜鉛置換処
理するダブルジンケート処理(2段処理法)が実用上必
須であった。
【0008】そのため、アルミニウム合金のめっきライ
ンの工程数が非常に多くなり、生産性の低下や処理コス
トの上昇を招き、アルミニウム合金のめっき技術上での
大きな問題となっていた。
【0009】また、従来の技術で亜鉛置換処理を行う場
合には、その合金素材種に適した組成の処理浴を専用に
調製しなければならず、組成の大きく異なる素材を同一
浴で処理することは極めて困難であり、各種素材を同一
めっきラインで処理することの多い汎用めっき現場にお
いては、生産性とめっき品質を損なう原因ともなってい
た。
【0010】この問題を解決するための手段として、置
換処理浴の改良が提案されており、例えば特開昭63−
317692号公報には、ピロリン酸塩と酢酸塩を含有
するマグネシウム合金用亜鉛置換処理液組成を提示して
いるが、珪素を多く含有するアルミニウム合金鋳物材や
酸化皮膜が厚い場合に充分な効果を有するアルミニウム
合金用亜鉛置換処理浴に適用できるものは現在のところ
得られていないのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
抱える問題点であるアルミニウム合金の亜鉛置換処理に
おいて、酸化皮膜が多い場合や、合金成分が多い場合な
ど2回の繰り返し置換処理が必要であったアルミニウム
合金材料に対しても1回の置換処理で充分なめっき密着
性が得られ、かつ各種素材に対しても幅広い適用範囲を
有する亜鉛置換浴組成を提供することを目的とするもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するための手段について、まずアルカリ性亜鉛置換
浴に各種合金成分を添加した場合に形成される置換皮膜
の腐食電位と合金成分含有率、及びめっき密着性につい
て検討を加えた結果、亜鉛を主とし、これに鉄を含んだ
組成の置換皮膜が最もめっき浴中で安定であり、めっき
密着性にも優れることを見い出した。
【0013】さらにこの亜鉛/鉄系合金置換浴組成につ
いて詳細に検討した結果、従来のジンケート処理浴でア
ルミニウム合金表面を処理する際に1回のみの処理では
表面の酸化皮膜の除去が充分でないので、亜鉛置換皮膜
の合金素地への密着性が低下する原因となっていること
もわかった。
【0014】また、各種アルミニウム合金素材に対して
亜鉛置換めっき皮膜のみを40%硝酸で溶解剥離してア
ルミニウム合金表面の形態を電子顕微鏡で観察すること
により、置換皮膜形成時のエッチングの程度と均一性も
確認した。
【0015】この結果、アルミニウム合金においては素
材のミクロンオーダーでの均一性が充分でなく、主成分
となるアルミニウムの処理液中における腐食電位と珪
素、ニッケル等の合金成分の腐食電位との間に大きな差
があることから、エッチング反応が局部的となり、酸化
皮膜も部分的にしか除去されず、析出した亜鉛合金も不
均一なものとなって密着性が不十分となる原因になって
いることを見い出した。
【0016】本発明者はこれらの知見をもとに、不均一
な表面を有するアルミニウム合金表面を均一にエッチン
グし、同時に緻密で密着性の高い置換皮膜を得るための
置換液組成について、主として表面電位の不均一性が大
きく均一エッチングが困難なAl−Si系合金材(AC
材)をはじめとする各種合金材を対象として鋭意検討を
重ねた。
【0017】その結果、エッチング剤、キレート剤とし
て1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等
の有機ホスホン酸やその塩を置換液中に添加することに
よりこれらアルミニウム合金表面の酸化物や金属間化合
物等を速やかに除去でき、素材の表面電位が不均一な場
合でも均一にエッチングができ、置換皮膜及びめっき皮
膜の密着性が大きく改善されることを新たに見い出し
た。
【0018】またこの浴を他の各種合金素材について使
用した場合も、有機ホスホン酸又はその塩を添加しない
場合に比較して同様の改善効果があることを確認した。
【0019】さらに、本発明者はグルコン酸、クエン酸
等の有機カルボン酸又はその塩を浴中鉄イオンのキレー
ト助剤として添加することによりさらに密着性が向上す
ることを見い出し、本発明を完成するに至ったのであ
る。
【0020】即ち、本発明は、亜鉛イオン、鉄イオン、
アルカリ金属の水酸化物、及び有機ホスホン酸又はその
塩を含むことを特徴とするアルミニウム合金用亜鉛置換
処理浴を提供するものであり、これにはさらに有機カル
ボン酸又はその塩を含むことが好ましい。
【0021】以下、本発明の構成を詳細に説明する。本
発明のアルミニウム合金は、アルミニウム−マグネシウ
ム系、アルミニウム−珪素系、アルミニウム−銅系等の
合金材料で、アルミニウム合金板及びアルミニウム合金
の鋳物を対象とする。
【0022】本発明において、置換浴中の亜鉛イオンは
金属亜鉛又は酸化亜鉛を苛性アルカリ溶液、有機ホスホ
ン酸又はその塩と共に混合溶解して添加することが適し
ているが、硫酸亜鉛等の可溶性塩の形で添加することも
可能である。
【0023】置換浴中の亜鉛イオンの濃度は0.3〜8
0g/Lの濃度範囲であることが好ましく、より好まし
い濃度は3〜30g/Lである。
【0024】この濃度が0.3g/L未満では皮膜の生
成速度が遅いため実用的でなく、80g/Lを超えると
処理浴の粘度が増加してすすぎ性が悪くなるので好まし
くない。
【0025】また、置換浴中の鉄イオンは硫酸鉄をはじ
めとする可溶性鉄塩で添加されるが、更にキレート助剤
として有機カルボン酸を添加する場合には、グルコン酸
鉄、クエン酸鉄、酒石酸鉄等の形でも添加可能である。
これらの鉄塩は、2価又は3価の鉄塩として添加するこ
とが好ましい。
【0026】鉄イオンの処理浴中濃度は、0.1〜30
g/Lの範囲にあることが好ましく、0.5〜10g/
Lの範囲がより好ましいが、この濃度が0.1g/L未
満ではめっきの密着性が充分でなく、30g/Lを超え
ると水酸化鉄の沈殿が生じ易くなるので好ましくない。
【0027】また、本発明の亜鉛置換浴中には有機ホス
ホン酸を含むことが必要で、好ましい範囲は0.02〜
50g/Lである。
【0028】有機ホスホン酸の種類としては、1−ヒド
ロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ
メチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレン
ホスホン酸、及びジエチレントリアミンペンタメチレン
ホスホン酸等が使用でき、特に1−ヒドロキシエチリデ
ン−1,1−ジホスホン酸がコスト面から好ましい。
【0029】これらは、使用する浴にナトリウム塩又は
カリウム塩の形で添加することにより亜鉛置換浴調製時
の発熱を抑えることができる。
【0030】有機ホスホン酸の濃度が0.02g/L未
満ではめっき密着性が充分でなく、50g/Lを超える
場合にはすすぎ性、経済性に問題が生じるため好ましく
なく、より好ましい範囲は0.2〜20g/Lである。
【0031】浴中にはアルカリ金属の水酸化物が含まれ
ることが必要で、その濃度は5〜200g/Lであるこ
とが好ましい。これらの成分が好ましい範囲にある場
合、浴のpHは11〜14となる。pHを適正な範囲に
調整するためには水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属水酸化物が適しているが、このうち水酸
化ナトリウムが最も経済性が高い。pHが10以下では
酸化皮膜の溶解作用が充分でなくエッチングが不均一と
なるので密着性が低下するため好ましくない。
【0032】有機カルボン酸としてはグルコン酸、酒石
酸、クエン酸、コハク酸、及びリンゴ酸又はこれらのナ
トリウム塩、カリウム塩が適しており、これらの中では
グルコン酸、酒石酸、クエン酸のナトリウム塩、カリウ
ム塩が特に適している。有機カルボン酸の濃度は0.5
〜50g/Lが好ましい。
【0033】上記必須成分の他に、本発明の亜鉛置換浴
にはアルミニウム合金素材の種類によっては、さらにコ
バルト、ニッケル、銅の金属塩、錯化剤としてフッ化ナ
トリウム等の可溶性フッ化物やポリリン酸塩、EDTA
等を添加して効果をあげることも可能である。
【0034】また、処理条件としては20〜40℃が好
ましい温度範囲で、10秒〜2分の処理時間で浸漬する
のが適している。
【0035】
【作用】本発明のアルミニウム合金用亜鉛置換処理浴中
に含まれる有機ホスホン酸又はその塩は、スレッシュホ
ールド効果により金属イオンと等モル未満の低濃度でも
アルカリ性領域において鉄イオン及び亜鉛イオンを安定
に保持することが可能であるとともに、アルミニウム等
の金属酸化物を速やかに溶解し、かつ析出する結晶を緻
密化する他の化合物に見られない特異的な性質を有して
いる。
【0036】このため、本発明の亜鉛置換浴で処理した
場合、アルミニウム合金素材表面の酸化皮膜が充分に除
去されて均一なエッチングが行われた後に緻密な亜鉛合
金皮膜が析出するため、1回の置換処理でも充分な密着
性が得られるのである。これは有機ホスホン酸又はその
塩の使用によってはじめて達成される効果である。
【0037】なお、有機カルボン酸を単独で使用しても
このような密着性向上効果は得られないが、鉄イオンの
キレート効果により、有機ホスホン酸と同時に添加する
場合のみに密着性がより向上すると考えられる。
【0038】
【実施例】以下にいくつかの実施例を比較例とともに挙
げ、本発明の内容をより具体的に説明する。
【0039】〔供試アルミニウム合金材)試験に使用し
たアルミニウム合金の種類を表1に示した。また、縦5
0mm、横30mm、厚さ2〜5mmのアルミニウム合
金板を使用した。
【0040】〔使用亜鉛イオン〕置換浴中で使用した亜
鉛イオンは、酸化亜鉛(試薬1級)である。 〔使用鉄イオン〕置換浴中で使用した鉄イオンは硫酸第
二鉄(試薬1級)である。 〔使用アルカリ金属の水酸化物〕置換浴中で使用したア
ルカリ金属の水酸化物は、水酸化ナトリウム(試薬1
級、純度93%)である。
【0041】〔使用有機ホスホン酸〕置換浴中で使用し
た有機ホスホン酸の種類を表2に示した。なお、表2に
示した有機ホスホン酸は(a)〜(d)それぞれ日本モ
ンサント(株)製の登録商標ディクエスト2010、2
000、2041及び2066である。
【0042】〔使用有機カルボン酸〕置換浴中で使用し
た有機カルボン酸の種類を表3に示した。薬品は、和光
純薬(株)製の試薬1級品を使用した。
【0043】〔亜鉛置換処理後のエッチング性の評価方
法〕亜鉛置換処理した後の試験片を、40%硝酸で皮膜
を溶解した後、電子顕微鏡を使用して、素材表面が均一
にエッチングされているかどうかを確認し、エッチング
されていない部位が残っているものを不均一、全面がエ
ッチングされているものを均一と判定した。
【0044】〔めっき後の皮膜密着性の評価方法〕めっ
き後の皮膜密着性は、試験片を中央からシャーリング切
断したのち、カッターナイフの刃を皮膜−素材間に差し
込んで強制剥離し、この際の剥離し易さから以下の基準
により判定した。 評点 密着性 良↑ 5: 強い力を加えるとアルミ素地とともに剥離 4: 力を加えると一部がめっき−素地界面から剥離 3: 力を加えるとめっき−素地界面から剥離 2: 素地−めっき皮膜界面から容易に剥離 劣↓ 1: 切断により自然剥離
【0045】実施例1〜12 前記したアルミニウム供試材をアルミニウム用アルカリ
脱脂液(登録商標:ファインクリーナー315、日本パ
ーカライジング(株)製)で70℃×2分間浸漬脱脂し
た後水洗し、さらに30%硝酸に30秒間浸漬したのち
30秒間水洗したものを亜鉛置換浴で浸漬による亜鉛置
換処理をした。亜鉛置換浴での亜鉛置換処理は、前記し
た亜鉛イオン、鉄イオン、アルカリ金属の水酸化物、有
機ホスホン酸及び有機カルボン酸(実施例1〜2では有
機カルボン酸は使用せず)を用いて、浴温度30℃で、
処理時間30秒で行った。なお、各実施例の浴中での素
材種、浴中亜鉛イオン、浴中鉄イオン、有機ホスホン
酸、有機カルボン酸、水酸化ナトリウムの各量について
は表4に示した。亜鉛置換処理した試験片についてエッ
チング性の評価を行った。
【0046】めっきの密着性試験用試料は、亜鉛置換処
理を行ったのち、直ちに水洗してからニッケル/リン合
金電気めっきを行った。めっき皮膜の種類としてニッケ
ル/リン合金めっきを選択した理由は、このめっきはニ
ッケルめっきに比較して展性が少なく良好な下地処理を
行わないと密着性が確保できないためである。ニッケル
/リン合金電気めっきとしては、スルファミン酸ニッケ
ル浴に次亜りん酸を添加した浴を使用し、浴温度57
℃、電流密度10A/dm2で14分間めっきを行っ
た。めっき後の試験片について皮膜密着性の評価を行っ
た。エッチング性及び皮膜密着性の評価試験結果を表4
に示した。
【0047】比較例1 鉄イオンを使用せず、表5に示した素材種、浴中亜鉛イ
オン量、有機ホスホン酸量及び水酸化ナトリウム濃度で
あることを除いては実施例1と同様に処理を行った。エ
ッチング性及び皮膜密着性の評価試験結果を表5に併記
した。
【0048】比較例2 浴中亜鉛イオン量0.2g/L及び浴中鉄イオン量が
0.05g/Lと極めて少なく、有機ホスホン酸量が表
5に示す量であることを除いては実施例1と同様に処理
を行った。エッチング性及び皮膜密着性の評価試験結果
を表5に併記した。
【0049】比較例3 有機ホスホン酸を使用せず、有機カルボン酸を使用して
表5の素材種、浴中亜鉛イオン量、浴中鉄イオン量及び
有機カルボン酸量であることを除いては実施例1と同様
に処理を行った。エッチング性及び皮膜密着性の評価試
験結果を表5に併記した。
【0050】実施例1〜12及び比較例1〜3から次の
ことが言える。 実施例1〜12については、エッチング性は均一であ
り、かつ皮膜密着性については良好である。 実施例1〜2は有機ホスホン酸のみ使用されており、
また実施例3〜12は有機ホスホン酸と有機カルボン酸
の両方が使用されているが、皮膜密着性は、実施例1〜
2よりも実施例3〜12の方が若干良くなっている。こ
れは、有機カルボン酸の併用効果によるものと推察され
る。 鉄イオンを使用しなかった比較例1は、エッチング性
が不均一で、皮膜密着性が劣る。 浴中亜鉛イオンの量が極めて少ない比較例2もエッチ
ング性が不均一で皮膜密着性が劣る。 有機ホスホン酸を使用せず、有機カルボン酸のみを使
用した比較例3は、エッチング性が不均一で、皮膜密着
性が劣る。これは、有機ホスホン酸を使用せず、有機カ
ルボン酸のみの使用では効果がないことを示している。
【0051】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明のアルミ
ニウム合金用亜鉛置換処理浴を用いれば、Si等の合金
成分を含む不均質なアルミニウム合金材料においても1
回のみの置換処理で実用上十分なめっき密着性を得るこ
とが可能で、広い範囲のアルミニウム合金種にも対応が
可能となる。このためアルミニウム合金材料のめっき現
場において工程の短縮、めっき品質の向上および安定化
に効果を発揮することができる。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/18 C23C 18/31

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛イオン、鉄イオン、アルカリ金属の
    水酸化物、及び有機ホスホン酸又はその塩を含むことを
    特徴とするアルミニウム合金用亜鉛置換処理浴。
  2. 【請求項2】 前記処理浴に更に有機カルボン酸又はそ
    の塩を含むことを特徴とする請求項1に記載のアルミニ
    ウム合金用亜鉛置換処理浴。
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