JP6954827B2 - 出没式筆記具 - Google Patents
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Description
本発明は、チップホルダーの移動に伴って軸筒の開口からチップが出没可能な出没式筆記具に関する。
特許文献1には、筆記先端部の振れ防止装置が開示されている。当該装置の構成は、筆記先端部の適宜位置に凹溝を設け、軸筒先端部の内径とほぼ等しい外径の弾性を有するOリングを前記凹溝に嵌着したものである。当該装置によれば、鉛筆タイプ及びノック式筆記具において、筆記時の筆記先端部が軸筒先端部の先端孔に当接しておこるガタツキ音を防止することができる。
特許文献2にも、筆記先端部の振れ防止装置が開示されている。当該装置の構成は、軸筒の先端内に設けた係止段部に、筆記先端部外径より僅かに小内径の弾性リングを係合したものである。当該装置によれば、弾性リングが筆記先端部を係止するため、軸筒の先端内径と筆記先端部との間に隙間があっても、筆記時にガタつく事を防止することができる。
特許文献3には、軸筒に対し前後方向に摺動して該軸筒の開口部から筆記体の筆記部を繰り出す筆記具が開示されている。筆記体の先端部外周に環状部材が配設されていて、筆記部が出没する軸筒先端の開口部周辺の内側面に、環状部材が当接する略球面状の内面が形成されている。環状部材は、筆記体に対してスプリングを介して固定されていて、前方に向けて付勢されている。筆記部が繰り出されると、スプリングの弾発力によって環状部材が軸筒先端の内側面に密着される。これにより、筆記時にガタつく事を防止することができる。
特許文献1及び特許文献2に開示された技術では、Oリングが径方向に変形し得るため、ガタつきを防止する効果が不十分である。また、Oリングの表面に筆記部が食いついてしまうことがあり、繰り出した筆記部をスムーズに収納することができない場合がある。
一方、特許文献3に開示された技術では、筆記時のガタツキを防止する効果を高めるためには、環状部材の内面と筆記部の外周面との間の寸法関係を適切に管理する必要がある。例えば、筆記部の外周面と軸筒の先端部内面との間の隙間寸法より筆記部の外周面と環状部材の内面との間の隙間寸法の方が大きければ、筆記時のガタツキを防止する効果を得られない。このため、高い寸法精度が要求され、生産性の点で問題がある。
本発明は、以上のような知見に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、筆記時にチップのガタつきが防止されて安定した筆記感が得られる一方、高い精度の部品寸法管理を必要としない出没式筆記具を提供することである。
本発明は、前端に開口を有する軸筒と、前記軸筒の内部に収容され、前記軸筒の軸方向に移動可能なチップホルダーと、前記チップホルダーの前端に固定され、前記チップホルダーの移動に伴って前記軸筒の前記開口から出没可能なチップと、前記チップホルダーまたは前記チップの外周に遊嵌され、当該チップホルダーまたは当該チップに対して当該チップホルダーまたは当該チップの軸方向に移動可能な環状部材と、前記チップホルダーと前記環状部材とを互いに相対移動可能に接続する弾性部材と、を備え、前記環状部材の外周の少なくとも一部には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って前記軸筒の内面の一部に当接する当接面が形成されており、前記環状部材の一部には、切欠きが形成されており、前記当接面において荷重を受ける時に当該環状部材の内径が縮径するようになっており、前記軸筒の内面の一部には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って前記当接面が当接する案内面が形成されており、前記当接面は、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って、前記案内面から前記荷重を受けるようになっていることを特徴とする出没式筆記具である。
本発明によれば、チップホルダーの前端側への移動に伴って環状部材の当接面が軸筒の案内面から荷重を受けることによって、環状部材の切欠きの存在によって環状部材の内径が縮径する。これにより、軸筒と環状部材とが協働してチップまたはチップホルダーをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。更に、チップホルダーと環状部材とが弾性部材によって互いに相対移動可能に接続されていることにより、環状部材の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップまたはチップホルダーをガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
好ましくは、前記切欠きは、前記環状部材の周方向に等間隔に複数が配置されており、前記複数の切欠きの各々は、前記環状部材の軸方向に延びるスリットである。この場合、環状部材の内径が周方向にバランス良く縮径することができる。
前記当接面は、前端に向かって先細状であることが好ましく、前記案内面も、前端に向かって先細状であることが好ましい。前記当接面は、例えば切頭円錐面を有していることが好ましい。この場合、前記案内面は、対応する凹切頭円錐面であることが好ましい。あるいは、前記当接面は、軸線周りに回転対称な凸曲面を有していることが好ましい。この場合、前記案内面は、軸線周りに回転対称であって前記凸曲面の曲率よりも緩やかな曲率の凹曲面または凹切頭円錐面であることが好ましい。
また、好ましくは、前記弾性部材は、コイルバネである。あるいは、好ましくは、前記弾性部材は、軸方向に垂直な方向に延びるスリットが多数形成された筒状の樹脂バネ部材である。後者の場合、環状部材と樹脂バネ部材とは、同一樹脂材料から一体成形されていてもよい。
また、好ましくは、前記弾性部材と前記チップホルダーとは、環状カラーを介して接続されていてもよい。この場合、前記弾性部材と前記環状カラーとが、互いに固定されており、前記環状カラーと前記軸筒とが、第2弾性部材を介して互いに固定されていることが好ましい。これによれば、チップホルダーと環状カラーとを固定させておく必要がないため、従来のチップホルダーを有する既存の交換用レフィルをも利用することができる。なお、当該構成において、チップホルダーの移動に伴う第2弾性部材の変位量は、チップホルダーの移動に伴う弾性部材の変位量よりも大きい。
また、本発明は、以上の出没式筆記具の軸筒のみをも対象とするものである。すなわち、本発明は、前端にチップが固定されたチップホルダーを軸方向に移動可能に収容可能であって、前端に開口を有し、前記チップホルダーの移動に伴って前記チップを前記開口から出没させることが可能な出没式筆記具用の軸筒であって、前記チップホルダーを収容した状態において当該チップホルダーまたは前記チップの外周に遊嵌して、当該遊嵌時において当該チップホルダーまたは当該チップに対して当該チップホルダーまたは当該チップの軸方向に移動可能な環状部材と、前記環状部材に弾性部材を介して接続され、前記チップホルダーに当接可能な環状カラーと、前記環状カラーを当該軸筒の内面に支持する第2弾性部材と、を備え、前記環状部材の外周の少なくとも一部には、前端に向かって先細状の当接面が形成されており、前記環状部材の一部には、切欠きが形成されており、前記当接面において荷重を受ける時に当該環状部材の内径が縮径するようになっており、当該軸筒の内面の一部には、前端に向かって先細状の案内面が形成されており、前記当接面は、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って、前記案内面から前記荷重を受けるようになっていることを特徴とする出没式筆記具用の軸筒である。
本発明によれば、チップホルダーの前端側への移動に伴って環状部材の当接面が軸筒の案内面から荷重を受けることによって、環状部材の切欠きの存在によって環状部材の内径が縮径する。これにより、軸筒と環状部材とが協働してチップまたはチップホルダーをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。更に、チップホルダーと環状部材とが弾性部材によって互いに相対移動可能に接続されていることにより、環状部材の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップまたはチップホルダーをガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
以下、図面を参照して本発明の4つの実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態における出没式筆記具10の概略縦断面図であって、チップ14(筆記体)が突出していない状態を示す図である。図2(a)は、本実施形態の出没式筆記具10の先端部分の拡大縦断面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線断面図である。図3(a)は、チップ14(筆記体)が突出した状態における本実施形態の出没式筆記具10の先端部分の拡大縦断面図であり、図3(b)は、図3(a)のB−B線断面図である。
図1は、本発明の第1実施形態における出没式筆記具10の概略縦断面図であって、チップ14(筆記体)が突出していない状態を示す図である。図2(a)は、本実施形態の出没式筆記具10の先端部分の拡大縦断面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線断面図である。図3(a)は、チップ14(筆記体)が突出した状態における本実施形態の出没式筆記具10の先端部分の拡大縦断面図であり、図3(b)は、図3(a)のB−B線断面図である。
また、図4(a)は、本実施形態の出没式筆記具10の環状部材15の斜視図であり、図4(b)は、環状部材15の側面図であり、図4(c)は、図4(b)のC−C線断面図であり、図4(d)は、環状部材15の正面図(先端側から見た図)であり、図4(e)は、環状部材15の背面図である。
更に、図5は、本実施形態の出没式筆記具10において、交換等のためチップホルダー13を引き抜いた状態を示す概略図である。
図1乃至図5に示す第1実施形態の出没式筆記具10は、前端に開口を有する円筒形状の軸筒11を備えている。図1乃至図3に示すように、当該軸筒11は、本実施形態では、後方部11a、内筒部11b、前方部11c及び口金部11dを有しており、後方部11aと内筒部11bとは、ネジ結合(螺合)によって取り外し可能に固定されており、内筒部11bと前方部11cとは、二色成形により一体に形成されている。もっとも、後方部11aと内筒部11bとは、嵌め合い結合によって固定されていてもよいし、一体に形成されていてもよい。内筒部11bと前方部11cも、嵌め合い結合によって固定されていてもよい。一方、口金部11dは、ネジ結合(螺合)によって、内筒部11bに取り外し可能に固定されている。口金部11dの材質は、金属に限らず、樹脂でもよい。
軸筒11の内部には、軸筒11の軸方向に移動可能なチップホルダー13が収容されている。チップホルダー13の前端に、筆記体であるチップ14が固定されている。チップ14は、チップホルダー13の移動に伴って、図2(a)及び図3(a)に示すように、軸筒11の開口から出没可能となっている。
チップホルダー13は、図5に示すように、基端側から先端側に向かって、基端部13a、第1カラー部13b、第2カラー部13c、バネ固定補助部13f及び先端部13dを当該順序で有している。基端部13a、第1カラー部13b、第2カラー部13c、バネ固定補助部13f及び先端部13dは、本実施形態ではいずれも円筒形状の部位であり、それらの断面直径の相互関係は、基端部13a>第1カラー部13b>第2カラー部13c>バネ固定補助部13f>先端部13dとなっている。
本実施形態では、特に図2(b)に示すように、チップホルダー13の先端部13dの外周に樹脂製(例えばポリアセタール製)または金属製(例えば真鍮製)の環状部材15が遊嵌されている。環状部材15は、同様にチップホルダー13の先端部13dの外周を遊嵌状態で(僅かな隙間を空けて)取り囲むコイルバネ16(弾性部材の一例)を介して、チップホルダー13の第2カラー部13cに固定されている。これにより、図2(a)及び図3(a)に示すように、コイルバネ16の伸縮変形に伴って、環状部材15は、チップホルダー13の先端部13dに対して当該チップホルダー13の軸方向に移動可能となっている。
本実施形態のチップホルダー13には、コイルバネ16と第2カラー部13cとの固定を補助するために、バネ固定補助部13fが設けられている。
また、特に図4(a)乃至図4(e)に示すように、環状部材15の外周の前方側領域には、前端に向かって先細状の当接面として切頭円錐面状の当接面15tが形成されている。当該当接面15tの後方側には、大外径円筒部15aが連続して設けられ、更にその後方側には、小外径円筒部15bが段差を介して設けられている。
本実施形態の環状部材15には、切欠きとして、4本のスリット15sが設けられている。図4(a)乃至図4(e)に示すように、4本のスリット15sは、環状部材15の周方向に等間隔に(90°おきに)配置されている。また、4本のスリット15sは、いずれも、環状部材15の軸方向に前端から小径円筒部15bの略中央まで延びている。これにより、当接面15tにおいて荷重を受ける時、環状部材15の内径は柔軟に縮径するようになっており、且つ、当該荷重が解除される時、環状部材15の内径は弾性的に復帰するようになっている。
また、図2(a)及び図3(a)に示すように、軸筒11の口金部11dの内面の一部に、前端に向かって先細状の案内面として凹切頭円錐面状の案内面11tが形成されている。これにより、当接面15tは、チップホルダー13の前端側への移動に伴って(図2(a)→図3(a))、案内面11tから荷重を受けるようになっている。
その他、本実施形態の出没式筆記具10には、チップ14の没入操作(例えばチップ14の突出状態を維持するロック機構を解除するための筆記具後端部に設けられた押圧ボタンの押圧操作)がなされた時に、チップホルダー13を自動的に没入させるための第2コイルバネ12(第2弾性部材)が設けられている。第2コイルバネ12は、コイルバネ16の更に外周を取り囲むように、口金部11dの内面に設けられた肩部と、チップホルダー13の第1カラー部13bと、の間に挿嵌されている。
第2コイルバネ12は、口金部11dの内面に固定されていてもよいし、フリーな状態(いずれの部材にも固定されていない状態)であってもよい。あるいは、チップホルダー13の第1カラー部13bの方に固定されていてもよい。
以上のような構成の出没式筆記具10は、以下のように作用する。
非使用時においては、出没式筆記具10のチップ14(筆記体)は、図2(a)に示すような没入状態にある。コイルバネ16の軸方向長さは、8.2mmであり、第2コイルバネ12の軸方向長さは、16.4mmである。そして、チップの突出操作(例えば筆記具後端部に設けられた押圧ボタンの押圧操作)がなされると、出没式筆記具10のチップ14(筆記体)は、図3(a)に示すような突出状態になる。通常は、当該突出状態においてチップホルダー13の位置がロックされ、その後にチップの没入操作がなされるまで、チップ14の突出状態が維持される。コイルバネ16の軸方向長さは、5.6mmであり(2.6mm圧縮)、第2コイルバネ12の軸方向長さは、9.4mmである(7.0mm圧縮)。
図2(a)の没入状態から図3(a)の突出状態に至る過程において、チップホルダー13の前端側への移動に伴って、環状部材15の当接面15tが口金部11dの案内面11tから荷重を受ける。この時、環状部材15の4本のスリット15sの存在によって、環状部材15の内径が縮径する(図2(b)→図3(b))。この結果、図3(b)に示すように、口金部11dと環状部材15とが協働して、チップホルダー13の先端部13dをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。
更に、チップホルダー13と環状部材15とがコイルバネ16によって互いに相対移動可能に接続されているため、環状部材15の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップホルダー13の先端部13dをガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
その後、チップの没入操作(例えば筆記具後端部に設けられた押圧ボタンの再押圧操作)がなされると、例えば不図示のロック機構が解除され、出没式筆記具10のチップ14(筆記体)は第2コイルスプリング12の作用によって図2(a)に示す没入状態に戻る。
図3(a)の突出状態から図2(a)の没入状態に至る過程において、チップホルダー13の後端側への移動に伴って、環状部材15の当接面15tが口金部11dの案内面11tから受けていた荷重が消失する。これに伴って、縮径していた環状部材15の内径が元の状態に戻る(図3(b)→図2(b))。
以上の通り、本実施形態の出没式筆記具10によれば、チップホルダー13の前端側への移動に伴って環状部材15の当接面15tが口金部11dの案内面11tから荷重を受けることによって、環状部材15のスリット15sの存在によって環状部材15の内径が縮径する。これにより、口金部11dと環状部材15とが協働してチップホルダー13の先端部13dをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。更に、チップホルダー13と環状部材15とがコイルバネ16によって互いに相対移動可能に接続されていることにより、環状部材15の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップホルダー13の先端部13dをガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
また、本実施形態の出没式筆記具10によれば、切欠きとしての4本のスリット15sが環状部材15の周方向に等間隔に配置されており、各スリット15sが環状部材15の軸方向に延びているため、環状部材15の内径が周方向にバランス良く縮径することができる。
また、当接面15tと案内面11tとが、互いに対応する切頭円錐面状と凹切頭円錐面状であることにより、環状部材15の当接面15tは周方向にバランスよく荷重を受けることができ、結果的に環状部材15が周方向にバランス良く縮径することができる。このように、当接面15tと案内面11tとは、互いに前端に向かって先細状であることが好ましい。先細状の当接面15tは、円柱状の環状部材15の前端外周にRを設けることでも、形成され得る。また、先細状の当接面15tは、軸線周りに回転対称な凸曲面を有していて、先細状の案内面11tは、軸線周りに回転対称であって前記凸曲面の曲率よりも緩やかな曲率の凹曲面または凹切頭円錐面であってもよい。
なお、本実施形態の出没式筆記具10では、環状部材15がチップホルダー13の先端部13dの領域で軸方向に移動可能であって、環状部材15が縮径する時にはチップホルダー13の先端部13dの領域を把持するようになっているが、本発明はこれに限定されない。例えば、環状部材15がチップ14の領域で軸方向に移動可能であって、環状部材15が縮径する時にチップ14の領域を把持するようになっていてもよい。
また、スリット15sの数、サイズ、形状等を適宜に変更することによって、環状部材15の弾性(縮径のしやすさ)の程度を調整することができる。また、環状部材15の材料及び/または肉厚を変更することによっても、環状部材15の弾性(縮径のしやすさ)の程度を調整することができる。
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2実施形態における出没式筆記具20の概略縦断面図であって、チップ24(筆記体)が突出していない状態を示す図である。図7は、本実施形態の出没式筆記具20の先端部分の拡大縦断面図である。図8は、チップ24(筆記体)が突出した状態における本実施形態の出没式筆記具20の先端部分の拡大縦断面図である。
図6は、本発明の第2実施形態における出没式筆記具20の概略縦断面図であって、チップ24(筆記体)が突出していない状態を示す図である。図7は、本実施形態の出没式筆記具20の先端部分の拡大縦断面図である。図8は、チップ24(筆記体)が突出した状態における本実施形態の出没式筆記具20の先端部分の拡大縦断面図である。
また、図9(a)は、本実施形態の出没式筆記具20の環状部材25の斜視図であり、図9(b)は、環状部材25の側面図であり、図9(c)は、図9(b)のC−C線断面図であり、図9(d)は、環状部材25の正面図(先端側から見た図)であり、図9(e)は、環状部材25の背面図である。更に、図9(f)は、図9(b)のF−F線断面図であり、図9(g)は、図9(b)のG−G線断面図であり、図9(h)は、図9(c)のH部の拡大図である。
更に、図10は、本実施形態の出没式筆記具20において、交換等のためチップホルダー23を引き抜いた状態を示す概略図である。
図6乃至図10に示す第2実施形態の出没式筆記具20は、第1実施形態と同様、前端に開口を有する円筒形状の軸筒11を備えている。図6乃至図8に示すように、当該軸筒11は、本実施形態においても、後方部11a、内筒部11b、前方部11c及び口金部11dを有しており、後方部11aと内筒部11bとは、ネジ結合(螺合)によって取り外し可能に固定されており、内筒部11bと前方部11cとは、二色成形により一体に形成されている。もっとも、後方部11aと内筒部11bとは、嵌め合い結合によって固定されていてもよいし、一体に形成されていてもよい。内筒部11bと前方部11cも、嵌め合い結合によって固定されていてもよい。一方、口金部11dは、ネジ結合(螺合)によって、内筒部11bに取り外し可能に固定されている。口金部11dの材質は、金属に限らず、樹脂でもよい。
軸筒11の内部には、軸筒11の軸方向に移動可能なチップホルダー23が収容されている。チップホルダー23の前端に、筆記体であるチップ24が固定されている。チップ24は、チップホルダー23の移動に伴って、図7及び図8に示すように、軸筒11の開口から出没可能となっている。
チップホルダー23は、図10に示すように、基端側から先端側に向かって、基端部23a、第1カラー部23b、第2カラー部23c及び先端部23dを当該順序で有している。基端部23a、第1カラー部23b、第2カラー部23c及び先端部23dは、本実施形態ではいずれも円筒形状の部位であり、それらの断面直径の相互関係は、基端部23a>第1カラー部23b>第2カラー部23c>先端部23dとなっている。
本実施形態では、特に図7に示すように、チップホルダー23の先端部23dの外周に樹脂製(例えばポリアセタール製)の環状部材25が遊嵌されている。本実施形態の環状部材25は、その基端側において、筒状の樹脂バネ部26eと一体成形されている。樹脂バネ部26eには、軸方向に垂直な方向に延びるスリット26sが多数形成されており、軸方向に伸縮可能となっている。
図9(a)乃至図9(h)に示すように、本実施形態の樹脂バネ部26eは、上下に向き合う略半円状のスリット26sの対(図9(f)参照)と、左右に向き合う略半円状のスリット26sの対(図9(g)参照)とが、軸方向に1対毎に交互に、それぞれ6対ずつ形成されている。対をなすスリット26s同士の間の残部は、リブ26bと呼ばれている。また、本実施形態では、各スリット26sの幅(軸方向長さ)は均一で、軸方向に隣接するスリット26s間の軸方向間隔も均一で、前者は後者よりも僅かに小さい。もっとも、これらの寸法上の関係は、所望の弾性程度を実現するべく、後述のように適宜に調整され得る。
樹脂バネ部26eの更に基端側は、チップホルダー23の第2カラー部23cに固定されている。これにより、図7及び図8に示すように、樹脂バネ部26eの伸縮変形に伴って、環状部材25は、チップホルダー23の先端部23dに対して当該チップホルダー23の軸方向に移動可能となっている。
また、特に図9(a)乃至図9(e)に示すように、環状部材25の外周の前方側領域には、前端に向かって先細状の当接面として切頭円錐面状の当接面25tが形成されている。当該当接面25tの後方側には、円筒部25aが連続して設けられ、更にその後方側に、円筒部25aと同径の筒状の樹脂バネ部26eが設けられている。また、特に図9(h)に示すように、樹脂バネ部26eの内径26rは、当接面25tに対応する部位の内径25rよりも大きくなっている。
本実施形態の環状部材25には、切欠きとして、4本のスリット25sが設けられている。図9(a)乃至図9(e)に示すように、4本のスリット25sは、環状部材25の周方向に等間隔に(90°おきに)配置されている。また、4本のスリット25sは、いずれも、環状部材25の軸方向に前端から円筒部25aの後端近傍まで延びている。これにより、当接面25tにおいて荷重を受ける時、環状部材25の内径は柔軟に縮径するようになっており、且つ、当該荷重が解除される時、環状部材25の内径は弾性的に復帰するようになっている。
また、図7及び図8に示すように、軸筒11の口金部11dの内面の一部に、前端に向かって先細状の案内面として凹切頭円錐面状の案内面11tが形成されている。これにより、当接面25tは、チップホルダー23の前端側への移動に伴って(図7→図8)、案内面11tから荷重を受けるようになっている。
その他、本実施形態の出没式筆記具20においても、チップ24の没入操作(例えばチップ24の突出状態を維持するロック機構を解除するための筆記具後端部に設けられた押圧ボタンの押圧操作)がなされた時に、チップホルダー23を自動的に没入させるための第2コイルバネ12(第2弾性部材)が設けられている。第2コイルバネ12は、環状部材25の更に外周を取り囲むように、口金部11dの内面に設けられた肩部と、チップホルダー23の第1カラー部23bと、の間に挿嵌されている。
第2コイルバネ12は、口金部11dの内面に固定されていてもよいし、フリーな状態(いずれの部材にも固定されていない状態)であってもよい。あるいは、チップホルダー23の第1カラー部23bの方に固定されていてもよい。
以上のような構成の出没式筆記具20は、以下のように作用する。
非使用時においては、出没式筆記具20のチップ24(筆記体)は、図7に示すような没入状態にある。樹脂バネ部26eを含む環状部材25の軸方向長さは、9.2mmであり、第2コイルバネ12の軸方向長さは、16.4mmである。そして、チップの突出操作(例えば筆記具後端部に設けられた押圧ボタンの押圧操作)がなされると、出没式筆記具20のチップ24(筆記体)は、図8に示すような突出状態になる。通常は、当該突出状態においてチップホルダー23の位置がロックされ、その後にチップの没入操作がなされるまで、チップ24の突出状態が維持される。樹脂バネ部26eを含む環状部材25の軸方向長さは、8.5mmであり(0.7mm圧縮)、第2コイルバネ12の軸方向長さは、9.4mmである(7.0mm圧縮)。
図7の没入状態から図8の突出状態に至る過程において、チップホルダー23の前端側への移動に伴って、環状部材25の当接面25tが口金部11dの案内面11tから荷重を受ける。この時、環状部材25の4本のスリット25sの存在によって、環状部材25の内径が縮径する(図3(b)参照)。この結果、図8に示すように、口金部11dと環状部材25とが協働して、チップホルダー23の先端部23dをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。
更に、チップホルダー23と環状部材25の当接面25tとは樹脂バネ部26の伸縮作用によって互いに相対移動可能であるため、環状部材25の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップホルダー23の先端部23dをガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
その後、チップの没入操作(例えば筆記具後端部に設けられた押圧ボタンの再押圧操作)がなされると、例えば不図示のロック機構が解除され、出没式筆記具20のチップ24(筆記体)は第2コイルスプリング12の作用によって図7に示す没入状態に戻る。
図8の突出状態から図7の没入状態に至る過程において、チップホルダー23の後端側への移動に伴って、環状部材25の当接面25tが口金部11dの案内面11tから受けていた荷重が消失する。これに伴って、縮径していた環状部材25の内径が元の状態に戻る(図8→図7)。
以上の通り、本実施形態の出没式筆記具20によれば、チップホルダー23の前端側への移動に伴って環状部材25の当接面25tが口金部11dの案内面11tから荷重を受けることによって、環状部材25のスリット25sの存在によって環状部材25の内径が縮径する。これにより、口金部11dと環状部材25とが協働してチップホルダー23の先端部23dをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。更に、チップホルダー23と環状部材25の当接面25tとが樹脂バネ部26eによって互いに相対移動可能に接続されていることにより、環状部材25の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップホルダー23の先端部23dをガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
更に、樹脂バネ部26eの内径26rが当接面25tに対応する部位の内径25rよりも大きいため、樹脂バネ部26eが縮んで内径側に膨らむ場合でも、チップホルダー23に接触することはない。
また、本実施形態の出没式筆記具20によれば、切欠きとしての4本のスリット25sが環状部材25の周方向に等間隔に配置されており、各スリット25sが環状部材25の軸方向に延びているため、環状部材25の内径が周方向にバランス良く縮径することができる。
また、当接面25tと案内面11tとが、互いに対応する切頭円錐面状と凹切頭円錐面状であることにより、環状部材25の当接面25tは周方向にバランスよく荷重を受けることができ、結果的に環状部材25が周方向にバランス良く縮径することができる。このように、当接面25tと案内面11tとは、互いに前端に向かって先細状であることが好ましい。先細状の当接面25tは、円柱状の環状部材25の前端外周にRを設けることでも、形成され得る。また、先細状の当接面25tは、軸線周りに回転対称な凸曲面を有していて、先細状の案内面11tは、軸線周りに回転対称であって前記凸曲面の曲率よりも緩やかな曲率の凹曲面または凹切頭円錐面であってもよい。
なお、本実施形態の出没式筆記具20では、環状部材25がチップホルダー23の先端部23dの領域で軸方向に移動可能であって、環状部材25が縮径する時にはチップホルダー23の先端部23dの領域を把持するようになっているが、本発明はこれに限定されない。例えば、環状部材25がチップ24の領域で軸方向に移動可能であって、環状部材25が縮径する時にチップ24の領域を把持するようになっていてもよい。
また、スリット25sの数、サイズ、形状等を適宜に変更することによって、環状部材25の弾性(縮径のしやすさ)の程度を調整することができる。また、環状部材25の材料及び/または肉厚を変更することによっても、環状部材25の弾性(縮径のしやすさ)の程度を調整することができる。
また、スリット26sの数、サイズ、形状等を適宜に変更することによって、樹脂バネ部26eの弾性(伸縮のしやすさ)の程度を調整することができる。スリット26sは、軸方向に垂直な方向に延びる態様が好適であるが、軸方向に対して斜めに(例えば螺旋状に)延びる態様であってもよい。
また、樹脂バネ部26eの肉厚を変更することによっても、樹脂バネ部26eの弾性(伸縮のしやすさ)の程度を調整することができる。更に、樹脂バネ部26eは、当接面25t及び円筒部25aとは別体の樹脂バネ部材として構成されて、円筒部25aに接合されてもよい。この場合、樹脂バネ部材の材料を調整することによっても、当該樹脂バネ部材の弾性(縮径のしやすさ)の程度を調整することができる。
更に、樹脂バネ部26e(あるいは別体の樹脂バネ部材)としては、スリット26sを有する形態に限定されず、軸方向に伸縮する蛇腹構造を有する形態が採用されてもよい。
<第3実施形態>
図11は、本発明の第3実施形態における出没式筆記具30の概略縦断面図であって、チップ34(筆記体)が突出していない状態を示す図である。図12は、本実施形態の出没式筆記具30の先端部分の拡大縦断面図である。図13は、チップ34(筆記体)が突出した状態における本実施形態の出没式筆記具30の先端部分の拡大縦断面図である。
図11は、本発明の第3実施形態における出没式筆記具30の概略縦断面図であって、チップ34(筆記体)が突出していない状態を示す図である。図12は、本実施形態の出没式筆記具30の先端部分の拡大縦断面図である。図13は、チップ34(筆記体)が突出した状態における本実施形態の出没式筆記具30の先端部分の拡大縦断面図である。
また、図14(a)は、本実施形態の出没式筆記具30の環状部材15とコイルバネ16とカラー部材32の斜視図であり、図14(b)は、環状部材15とコイルバネ16とカラー部材32の側面図であり、図14(c)は、環状部材15とコイルバネ16とカラー部材32の正面図(先端側から見た図)であり、図14(d)は、環状部材15とコイルバネ16とカラー部材32の背面図である。
更に、図15は、本実施形態の出没式筆記具30において、交換等のためチップホルダー33を引き抜いた状態を示す概略図である。
図11乃至図15に示す第3実施形態の出没式筆記具30は、第1実施形態及び第2実施形態と同様、前端に開口を有する円筒形状の軸筒11を備えている。図11乃至図13に示すように、当該軸筒11は、本実施形態においても、後方部11a、内筒部11b、前方部11c及び口金部11dを有しており、後方部11aと内筒部11bとは、ネジ結合(螺合)によって取り外し可能に固定されており、内筒部11bと前方部11cとは、二色成形により一体に形成されている。もっとも、後方部11aと内筒部11bとは、嵌め合い結合によって固定されていてもよいし、一体に形成されていてもよい。内筒部11bと前方部11cも、嵌め合い結合によって固定されていてもよい。一方、口金部11dは、ネジ結合(螺合)によって、内筒部11bに取り外し可能に固定されている。口金部11dの材質は、金属に限らず、樹脂でもよい。
軸筒11の内部には、軸筒11の軸方向に移動可能なチップホルダー33が収容されている。チップホルダー33の前端に、筆記体であるチップ34が固定されている。チップ34は、チップホルダー33の移動に伴って、図12及び図13に示すように、軸筒11の開口から出没可能となっている。
チップホルダー33は、図15に示すように、基端側から先端側に向かって、基端部33a、中間カラー部33m及び先端部33dを当該順序で有している。基端部33a、中間カラー部33m及び先端部33dは、本実施形態ではいずれも円筒形状の部位であり、それらの断面直径の相互関係は、基端部33a>中間カラー部33m>先端部33dとなっている。
本実施形態では、特に図12に示すように、チップホルダー33の先端部33dの外周に樹脂製(例えばポリアセタール製)または金属製(例えば真鍮製)の環状部材15が遊嵌されている。環状部材15は、同様にチップホルダー33の先端部33dの外周を遊嵌状態で(僅かな隙間を空けて)取り囲むコイルバネ16(弾性部材の一例)を介して、図14(a)及び図14(b)に示すように、カラー部材32の第2カラー部33cに固定されている。そして、当該カラー部材32の第1カラー部33bが、図12及び図13に示すように、チップホルダー33の中間カラー部33mによって軸方向に当接支持されている。これにより、コイルバネ16の伸縮変形に伴って、環状部材15は、チップホルダー33の先端部33dに対して当該チップホルダー33の軸方向に移動可能となっている。
本実施形態のカラー部材32には、コイルバネ16と第2カラー部33cとの固定を補助するために、バネ固定補助部33fが設けられている。すなわち、カラー部材32は、基端側から先端側に向かって、第1カラー部33b、第2カラー部33c及びバネ固定補助部33fを当該順序で有している。第1カラー部33b、第2カラー部33c及びバネ固定補助部33fは、本実施形態ではいずれも円筒形状の部位であり、それらの断面直径の相互関係は、第1カラー部33b>第2カラー部33c>バネ固定補助部33fとなっている。
本実施形態の環状部材15及びコイルバネ16は、それぞれ、第1実施形態の環状部材15及びコイルバネ16と同一である。従って、対応する部材に同一の符号が用られている。
すなわち、図4(a)乃至図4(e)に示したように、環状部材15の外周の前方側領域には、前端に向かって先細状の当接面として切頭円錐面状の当接面15tが形成されており、当該当接面15tの後方側には、大外径円筒部15aが連続して設けられ、更にその後方側には、小外径円筒部15bが段差を介して設けられている。
また、環状部材15には、切欠きとして、4本のスリット15sが設けられており、図4(a)乃至図4(e)に示したように、4本のスリット15sは、環状部材15の周方向に等間隔に(90°おきに)配置されている。また、4本のスリット15sは、いずれも、環状部材15の軸方向に前端から小径円筒部15bの略中央まで延びており、当接面15tにおいて荷重を受ける時、環状部材15の内径は柔軟に縮径するようになっており、且つ、当該荷重が解除される時、環状部材15の内径は弾性的に復帰するようになっている。
一方、図12及び図13に示すように、軸筒11の口金部11dの内面の一部に、前端に向かって先細状の案内面として凹切頭円錐面状の案内面11tが形成されている。これにより、当接面15tは、チップホルダー33の前端側への移動に伴って(図12→図13)、案内面11tから荷重を受けるようになっている。
その他、本実施形態の出没式筆記具30には、チップ34の没入操作(例えばチップ34の突出状態を維持するロック機構を解除するための筆記具後端部に設けられた押圧ボタンの押圧操作)がなされた時に、チップホルダー33を自動的に没入させるための第2コイルバネ12(第2弾性部材)が設けられている。第2コイルバネ12は、コイルバネ16の更に外周を取り囲むように、口金部11dの内面に設けられた肩部と、カラー部材32の第1カラー部33bと、の間に挿嵌されている。
本実施形態の第2コイルバネ12は、図15に示すように、前方端側で口金部11dの内面に固定され、後方端側でカラー部材32の第1カラー部33bに固定されている。これにより、環状部材15及びコイルバネ16が、カラー部材32及び第2コイルバネ12を介して、口金部11dの内面に支持固定されている。
以上のような構成の出没式筆記具30は、以下のように作用する。
非使用時においては、出没式筆記具30のチップ34(筆記体)は、図12に示すような没入状態にある。コイルバネ16の軸方向長さは、10.6mmであり、第2コイルバネ12の軸方向長さは、15.9mmである。そして、チップの突出操作(例えば筆記具後端部に設けられた押圧ボタンの押圧操作)がなされると、出没式筆記具30のチップ34(筆記体)は、図13に示すような突出状態になる。通常は、当該突出状態においてチップホルダー33の位置がロックされ、その後にチップの没入操作がなされるまで、チップ34の突出状態が維持される。コイルバネ16の軸方向長さは、8.0mmであり(2.6mm圧縮)、第2コイルバネ12の軸方向長さは、8.9mmである(7.0mm圧縮)。
図12の没入状態から図13の突出状態に至る過程において、チップホルダー33の前端側への移動に伴って、環状部材15の当接面15tが口金部11dの案内面11tから荷重を受ける。この時、環状部材15の4本のスリット15sの存在によって、環状部材15の内径が縮径する(図12→図13)。この結果、図13に示すように、口金部11dと環状部材15とが協働して、チップホルダー33の先端部33dをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。
更に、チップホルダー33と環状部材15とがコイルバネ16によって互いに相対移動可能に接続されているため、環状部材15の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップホルダー33の先端部33dをガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
その後、チップの没入操作(例えば筆記具後端部に設けられた押圧ボタンの再押圧操作)がなされると、例えば不図示のロック機構が解除され、出没式筆記具30のチップ34(筆記体)は第2コイルスプリング12の作用によって図12に示す没入状態に戻る。
図13の突出状態から図12の没入状態に至る過程において、チップホルダー33の後端側への移動に伴って、環状部材15の当接面15tが口金部11dの案内面11tから受けていた荷重が消失する。これに伴って、縮径していた環状部材15の内径が元の状態に戻る(図13→図12)。
以上の通り、本実施形態の出没式筆記具30によれば、チップホルダー33の前端側への移動に伴って環状部材15の当接面15tが口金部11dの案内面11tから荷重を受けることによって、環状部材15のスリット15sの存在によって環状部材15の内径が縮径する。これにより、口金部11dと環状部材15とが協働してチップホルダー33の先端部33dをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。更に、チップホルダー33と環状部材15とがコイルバネ16によって互いに相対移動可能に接続されていることにより、環状部材15の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップホルダー33の先端部33dをガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
また、本実施形態の出没式筆記具30によれば、切欠きとしての4本のスリット15sが環状部材15の周方向に等間隔に配置されており、各スリット15sが環状部材15の軸方向に延びているため、環状部材15の内径が周方向にバランス良く縮径することができる。
また、当接面15tと案内面11tとが、互いに対応する切頭円錐面状と凹切頭円錐面状であることにより、環状部材15の当接面15tは周方向にバランスよく荷重を受けることができ、結果的に環状部材15が周方向にバランス良く縮径することができる。このように、当接面15tと案内面11tとは、互いに前端に向かって先細状であることが好ましい。先細状の当接面15tは、円柱状の環状部材15の前端外周にRを設けることでも、形成され得る。また、先細状の当接面15tは、軸線周りに回転対称な凸曲面を有していて、先細状の案内面11tは、軸線周りに回転対称であって前記凸曲面の曲率よりも緩やかな曲率の凹曲面または凹切頭円錐面であってもよい。
なお、本実施形態の出没式筆記具30では、環状部材15がチップホルダー33の先端部33dの領域で軸方向に移動可能であって、環状部材15が縮径する時にはチップホルダー33の先端部33dの領域を把持するようになっているが、本発明はこれに限定されない。例えば、環状部材15がチップ34の領域で軸方向に移動可能であって、環状部材15が縮径する時にチップ34の領域を把持するようになっていてもよい。
また、スリット15sの数、サイズ、形状等を適宜に変更することによって、環状部材15の弾性(縮径のしやすさ)の程度を調整することができる。また、環状部材15の材料及び/または肉厚を変更することによっても、環状部材15の弾性(縮径のしやすさ)の程度を調整することができる。
また、本実施形態では、環状部材15とカラー部材32とがコイルバネ16を介して互いに固定されており、また、カラー部材32と口金部11とが第2コイルバネ12を介して互いに固定されている。すなわち、チップホルダー33の方に環状部材15を設けておく必要がないため、従来のチップホルダーを有する既存の交換用レフィルをも利用することができる。
従って、本実施形態の発明は、既存の交換用レフィルを利用することが可能な、出没式筆記具用の軸筒として把握することも可能である。この場合、本実施形態は、前端にチップ34が固定されたチップホルダー33を軸方向に移動可能に収容可能であって、前端に開口を有し、チップホルダー33の移動に伴ってチップ34を前記開口から出没させることが可能な出没式筆記具用の軸筒11として説明可能である。
当該軸筒11は、チップホルダー33を収容した状態において当該チップホルダー33またはチップ34の外周に遊嵌して当該遊嵌時においてチップホルダー34またはチップ34に対してチップホルダー33またはチップ34の軸方向に移動可能な環状部材15と、環状部材15にコイルバネ16を介して接続されチップホルダー33に当接可能なカラー部材32と、カラー部材32を軸筒11の内面に支持する第2コイルバネ12と、を備えている。そして、環状部材15の外周の少なくとも一部には、前端に向かって先細状の当接面15tが形成されており、環状部材15の一部には、切欠きとしてのスリット15sが形成されており、当接面15tにおいて荷重を受ける時に当該環状部材15の内径が縮径するようになっている。一方、軸筒11の口金部11dの内面の一部には、前端に向かって先細状の案内面11tが形成されており、前記当接面15tは、チップホルダー33の前端側への移動に伴って、前記案内面11tから前記荷重を受けるようになっている。
このような軸筒11によれば、チップホルダー33の前端側への移動に伴って環状部材15の当接面15tが口金部11dの案内面11tから荷重を受けることによって、環状部材15のスリット15sの存在によって環状部材15の内径が縮径する。これにより、口金部11dと環状部材15とが協働してチップホルダー33の先端部33dをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。更に、チップホルダー33と環状部材15とがコイルバネ16によって互いに相対移動可能に接続されていることにより、環状部材15の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップホルダー33の先端部33dをガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
<第4実施形態>
図16は、本発明の第4実施形態における出没式筆記具40の概略縦断面図であって、チップ34(筆記体)が突出していない状態を示す図である。図17は、本実施形態の出没式筆記具40の先端部分の拡大縦断面図である。図18は、チップ34(筆記体)が突出した状態における本実施形態の出没式筆記具40の先端部分の拡大縦断面図である。
図16は、本発明の第4実施形態における出没式筆記具40の概略縦断面図であって、チップ34(筆記体)が突出していない状態を示す図である。図17は、本実施形態の出没式筆記具40の先端部分の拡大縦断面図である。図18は、チップ34(筆記体)が突出した状態における本実施形態の出没式筆記具40の先端部分の拡大縦断面図である。
また、図19(a)は、本実施形態の出没式筆記具40の環状部材25及びカラー部材42の斜視図であり、図19(b)は、環状部材25及びカラー部材42の側面図であり、図19(c)は、図19(b)のC−C線断面図であり、図19(d)は、環状部材25及びカラー部材42の正面図(先端側から見た図)であり、図19(e)は、環状部材25及びカラー部材42の背面図である。更に、図19(f)は、図19(c)のF部の拡大図である。
更に、図20は、本実施形態の出没式筆記具40において、交換等のためチップホルダー33を引き抜いた状態を示す概略図である。
本実施形態の環状部材チップホルダー33及びチップ34は、それぞれ、第3実施形態のチップホルダー33及びチップ34と同一である。従って、対応する部材に同一の符号が用られている。
図16乃至図20に示す第4実施形態の出没式筆記具40は、第1実施形態乃至第3実施形態と同様、前端に開口を有する円筒形状の軸筒11を備えている。図16乃至図18に示すように、当該軸筒11は、本実施形態においても、後方部11a、内筒部11b、前方部11c及び口金部11dを有しており、後方部11aと内筒部11bとは、ネジ結合(螺合)によって取り外し可能に固定されており、内筒部11bと前方部11cとは、二色成形により一体に形成されている。もっとも、後方部11aと内筒部11bとは、嵌め合い結合によって固定されていてもよいし、一体に形成されていてもよい。内筒部11bと前方部11cも、嵌め合い結合によって固定されていてもよい。一方、口金部11dは、ネジ結合(螺合)によって、内筒部11bに取り外し可能に固定されている。口金部11dの材質は、金属に限らず、樹脂でもよい。
軸筒11の内部には、軸筒11の軸方向に移動可能なチップホルダー33が収容されている。チップホルダー33の前端に、筆記体であるチップ34が固定されている。チップ34は、チップホルダー33の移動に伴って、図17及び図18に示すように、軸筒11の開口から出没可能となっている。
チップホルダー33は、第3実施形態と同様、図20に示すように、基端側から先端側に向かって、基端部33a、中間カラー部33m及び先端部33dを当該順序で有している。基端部33a、中間カラー部33m及び先端部33dは、本実施形態でもいずれも円筒形状の部位であり、それらの断面直径の相互関係は、基端部33a>中間カラー部33m>先端部33dとなっている。
本実施形態では、特に図17に示すように、チップホルダー33の先端部33dの外周に樹脂製(例えばポリアセタール製)の環状部材25が遊嵌されている。本実施形態の環状部材25は、第2実施形態と同様、その基端側において、筒状の樹脂バネ部46eと一体成形されている。樹脂バネ部46eには、軸方向に垂直な方向に延びるスリット46sが多数形成されており、軸方向に伸縮可能となっている。
図19(a)乃至図19(f)に示すように、本実施形態の樹脂バネ部46eは、第2実施形態の樹脂バネ部26eと略同様、上下に向き合う略半円状のスリット46sの対(更に図9(f)参照)と、左右に向き合う略半円状のスリット46sの対(更に図9(g)参照)とが、軸方向に1対毎に交互に、それぞれ7対ずつ形成されている。対をなすスリット46s同士の間の残部は、リブ46bと呼ばれている。また、本実施形態では、各スリット46sの幅(軸方向長さ)は均一で、軸方向に隣接するスリット46s間の軸方向間隔も均一で、前者は後者よりも僅かに小さい。もっとも、これらの寸法上の関係は、所望の弾性程度を実現するべく、後述のように適宜に調整され得る。
樹脂バネ部46eの更に基端側は、図19(a)及び図19(b)に示すように、カラー部材42の第2カラー部43cに固定されている。そして、当該カラー部材42の第1カラー部43bが、図17及び図18に示すように、チップホルダー33の中間カラー部33mによって軸方向に当接支持されている。これにより、樹脂バネ部46eの伸縮変形に伴って、環状部材25は、チップホルダー33の先端部33dに対して当該チップホルダー33の軸方向に移動可能となっている。
また、特に図19(a)乃至図19(e)に示すように、第2実施形態と同様、環状部材25の外周の前方側領域には、前端に向かって先細状の当接面として切頭円錐面状の当接面25tが形成されており、当該当接面25tの後方側には、円筒部25aが連続して設けられ、更にその後方側に、円筒部25aと同径の筒状の樹脂バネ部46eが設けられている。また、特に図19(f)に示すように、樹脂バネ部46eの内径46rは、当接面25tに対応する部位の内径25rよりも大きくなっている。
更に第2実施形態と同様、本実施形態の環状部材25にも、切欠きとして、4本のスリット25sが設けられている。図19(a)乃至図19(e)に示すように、4本のスリット25sは、環状部材25の周方向に等間隔に(90°おきに)配置されている。また、4本のスリット25sは、いずれも、環状部材25の軸方向に前端から円筒部25aの後端近傍まで延びている。これにより、当接面25tにおいて荷重を受ける時、環状部材25の内径は柔軟に縮径するようになっており、且つ、当該荷重が解除される時、環状部材25の内径は弾性的に復帰するようになっている。
また、図17及び図18に示すように、軸筒11の口金部11dの内面の一部に、前端に向かって先細状の案内面として凹切頭円錐面状の案内面11tが形成されている。これにより、当接面25tは、チップホルダー33の前端側への移動に伴って(図17→図18)、案内面11tから荷重を受けるようになっている。
その他、本実施形態の出没式筆記具40においても、チップ34の没入操作(例えばチップ34の突出状態を維持するロック機構を解除するための筆記具後端部に設けられた押圧ボタンの押圧操作)がなされた時に、チップホルダー33を自動的に没入させるための第2コイルバネ12(第2弾性部材)が設けられている。第2コイルバネ12は、環状部材25の更に外周を取り囲むように、口金部11dの内面に設けられた肩部と、カラー部材42の第1カラー部43bと、の間に挿嵌されている。
本実施形態の第2コイルバネ12は、図20に示すように、前方端側で口金部11dの内面に固定され、後方端側でカラー部材42の第1カラー部43bに固定されている。これにより、環状部材25が、カラー部材42及び第2コイルバネ12を介して、口金部11dの内面に支持固定されている。
以上のような構成の出没式筆記具40は、以下のように作用する。
非使用時においては、出没式筆記具40のチップ34(筆記体)は、図17に示すような没入状態にある。樹脂バネ部46eを含む環状部材25の軸方向長さは、11.8mmであり、第2コイルバネ12の軸方向長さは、15.9mmである。そして、チップの突出操作(例えば筆記具後端部に設けられた押圧ボタンの押圧操作)がなされると、出没式筆記具40のチップ34(筆記体)は、図18に示すような突出状態になる。通常は、当該突出状態においてチップホルダー33の位置がロックされ、その後にチップの没入操作がなされるまで、チップ34の突出状態が維持される。樹脂バネ部46eを含む環状部材25の軸方向長さは、11.1mmであり(0.7mm圧縮)、第2コイルバネ12の軸方向長さは、8.9mmである(7.0mm圧縮)。
図17の没入状態から図18の突出状態に至る過程において、チップホルダー33の前端側への移動に伴って、環状部材25の当接面25tが口金部11dの案内面11tから荷重を受ける。この時、環状部材25の4本のスリット25sの存在によって、環状部材25の内径が縮径する(図3(b)参照)。この結果、図18に示すように、口金部11dと環状部材25とが協働して、チップホルダー33の先端部33dをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。
更に、チップホルダー33と環状部材25の当接面25tとは樹脂バネ部46eの伸縮作用によって互いに相対移動可能であるため、環状部材25の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップホルダー33の先端部33dをガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
その後、チップの没入操作(例えば筆記具後端部に設けられた押圧ボタンの再押圧操作)がなされると、例えば不図示のロック機構が解除され、出没式筆記具40のチップ34(筆記体)は第2コイルスプリング12の作用によって図17に示す没入状態に戻る。
図18の突出状態から図17の没入状態に至る過程において、チップホルダー33の後端側への移動に伴って、環状部材25の当接面25tが口金部11dの案内面11tから受けていた荷重が消失する。これに伴って、縮径していた環状部材25の内径が元の状態に戻る(図18→図17)。
以上の通り、本実施形態の出没式筆記具40によれば、チップホルダー33の前端側への移動に伴って環状部材25の当接面25tが口金部11dの案内面11tから荷重を受けることによって、環状部材25のスリット25sの存在によって環状部材25の内径が縮径する。これにより、口金部11dと環状部材25とが協働してチップホルダー33の先端部33dをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。更に、チップホルダー33と環状部材25の当接面25tとが樹脂バネ部46eによって互いに相対移動可能であることにより、環状部材25の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップホルダー33の先端部33dをガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
更に、樹脂バネ部46eの内径46rが当接面25tに対応する部位の内径25rよりも大きいため、樹脂バネ部46eが縮んで内径側に膨らむ場合でも、チップホルダー33に接触することはない。
また、本実施形態の出没式筆記具40によれば、切欠きとしての4本のスリット25sが環状部材25の周方向に等間隔に配置されており、各スリット25sが環状部材25の軸方向に延びているため、環状部材25の内径が周方向にバランス良く縮径することができる。
また、当接面25tと案内面11tとが、互いに対応する切頭円錐面状と凹切頭円錐面状であることにより、環状部材25の当接面25tは周方向にバランスよく荷重を受けることができ、結果的に環状部材25が周方向にバランス良く縮径することができる。このように、当接面25tと案内面11tとは、互いに前端に向かって先細状であることが好ましい。先細状の当接面25tは、円柱状の環状部材25の前端外周にRを設けることでも、形成され得る。また、先細状の当接面25tは、軸線周りに回転対称な凸曲面を有していて、先細状の案内面11tは、軸線周りに回転対称であって前記凸曲面の曲率よりも緩やかな曲率の凹曲面または凹切頭円錐面であってもよい。
なお、本実施形態の出没式筆記具40では、環状部材25がチップホルダー33の先端部33dの領域で軸方向に移動可能であって、環状部材25が縮径する時にはチップホルダー33の先端部33dの領域を把持するようになっているが、本発明はこれに限定されない。例えば、環状部材25がチップ34の領域で軸方向に移動可能であって、環状部材25が縮径する時にチップ34の領域を把持するようになっていてもよい。
また、スリット25sの数、サイズ、形状等を適宜に変更することによって、環状部材25の弾性(縮径のしやすさ)の程度を調整することができる。また、環状部材25の材料及び/または肉厚を変更することによっても、環状部材25の弾性(縮径のしやすさ)の程度を調整することができる。
また、スリット46sの数、サイズ、形状等を適宜に変更することによって、樹脂バネ部46eの弾性(伸縮のしやすさ)の程度を調整することができる。スリット46sは、軸方向に垂直な方向に延びる態様が好適であるが、軸方向に対して斜めに(例えば螺旋状に)延びる態様であってもよい。
また、樹脂バネ部46eの肉厚を変更することによっても、樹脂バネ部46eの弾性(伸縮のしやすさ)の程度を調整することができる。更に、樹脂バネ部46eは、当接面25t及び円筒部25aとは別体の樹脂バネ部材として構成されて、円筒部25aに接合されてもよい。この場合、樹脂バネ部材の材料を調整することによっても、当該樹脂バネ部材の弾性(縮径のしやすさ)の程度を調整することができる。
更に、樹脂バネ部46e(あるいは別体の樹脂バネ部材)としては、スリット46sを有する形態に限定されず、軸方向に伸縮する蛇腹構造を有する形態が採用されてもよい。
また、本実施形態では、環状部材25の樹脂バネ部46eとカラー部材42とが互いに固定されており、また、カラー部材42と口金部11とが第2コイルバネ12を介して互いに固定されている。すなわち、チップホルダー33の方に環状部材25を設けておく必要がないため、従来のチップホルダーを有する既存の交換用レフィルをも利用することができる。
従って、本実施形態の発明も、既存の交換用レフィルを利用することが可能な、出没式筆記具用の軸筒として把握することが可能である。この場合、本実施形態も、前端にチップ34が固定されたチップホルダー33を軸方向に移動可能に収容可能であって、前端に開口を有し、チップホルダー33の移動に伴ってチップ34を前記開口から出没させることが可能な出没式筆記具用の軸筒11として説明可能である。
当該軸筒11は、チップホルダー33を収容した状態において当該チップホルダー33またはチップ34の外周に遊嵌して当該遊嵌時においてチップホルダー34またはチップ34に対してチップホルダー33またはチップ34の軸方向に移動可能な環状部材25と、環状部材25の基端側の部位である樹脂バネ部材26eの更に基端側に接続されチップホルダー33に当接可能なカラー部材42と、カラー部材42を軸筒11の内面に支持する第2コイルバネ12と、を備えている。そして、環状部材25の外周の少なくとも一部には、前端に向かって先細状の当接面25tが形成されており、環状部材25の一部には、切欠きとしてのスリット25sが形成されており、当接面25tにおいて荷重を受ける時に当該環状部材25の内径が縮径するようになっている。一方、軸筒11の口金部11dの内面の一部には、前端に向かって先細状の案内面11tが形成されており、前記当接面25tは、チップホルダー33の前端側への移動に伴って、前記案内面11tから前記荷重を受けるようになっている。
このような軸筒11によれば、チップホルダー33の前端側への移動に伴って環状部材25の当接面25tが口金部11dの案内面11tから荷重を受けることによって、環状部材25のスリット25sの存在によって環状部材15の内径が縮径する。これにより、口金部11dと環状部材25とが協働してチップホルダー33の先端部33dをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。更に、チップホルダー33と環状部材25とが樹脂バネ部材46eによって互いに相対移動可能であることにより、環状部材25の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップホルダー33の先端部33dをガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
10、20、30、40 出没式筆記具
11 軸筒(各実施形態共通)
11a 後方部
11b 内筒部
11c 前方部
11d 口金部
11t 案内面
12 第2コイルバネ(第2弾性部材の一例:各実施形態共通)
13 チップホルダー(第1実施形態)
13a 基端部
13b 第1カラー部
13c 第2カラー部
13d 先端部
13f バネ固定補助部
14 チップ(筆記体)(第1実施形態)
15 環状部材(第1及び第3実施形態共通)
15a 大外径円筒部
15b 小外径円筒部
15t 当接面
15s スリット
16 コイルバネ(弾性部材の一例:第1及び第3実施形態共通)
23 チップホルダー(第2実施形態)
23a 基端部
23b 第1カラー部
23c 第2カラー部
23d 先端部
24 チップ(筆記体)
25 環状部材(第2及び第4実施形態共通)
25a 円筒部
25t 当接面
25s スリット
25r 内径
26e 樹脂バネ部(弾性部材の一例:第2実施形態)
26s スリット
26b リブ
26r 内径
32 カラー部材
33 チップホルダー(第3及び第4実施形態共通)
33a 基端部
33m 中間カラー部
33d 先端部
33b 第1カラー部
33c 第2カラー部
34 チップ(筆記体)(第3及び第4実施形態共通)
42 カラー部材
43b 第1カラー部
43c 第2カラー部
46e 樹脂バネ部(弾性部材の一例:第4実施形態)
46s スリット
46b リブ
46r 内径
11 軸筒(各実施形態共通)
11a 後方部
11b 内筒部
11c 前方部
11d 口金部
11t 案内面
12 第2コイルバネ(第2弾性部材の一例:各実施形態共通)
13 チップホルダー(第1実施形態)
13a 基端部
13b 第1カラー部
13c 第2カラー部
13d 先端部
13f バネ固定補助部
14 チップ(筆記体)(第1実施形態)
15 環状部材(第1及び第3実施形態共通)
15a 大外径円筒部
15b 小外径円筒部
15t 当接面
15s スリット
16 コイルバネ(弾性部材の一例:第1及び第3実施形態共通)
23 チップホルダー(第2実施形態)
23a 基端部
23b 第1カラー部
23c 第2カラー部
23d 先端部
24 チップ(筆記体)
25 環状部材(第2及び第4実施形態共通)
25a 円筒部
25t 当接面
25s スリット
25r 内径
26e 樹脂バネ部(弾性部材の一例:第2実施形態)
26s スリット
26b リブ
26r 内径
32 カラー部材
33 チップホルダー(第3及び第4実施形態共通)
33a 基端部
33m 中間カラー部
33d 先端部
33b 第1カラー部
33c 第2カラー部
34 チップ(筆記体)(第3及び第4実施形態共通)
42 カラー部材
43b 第1カラー部
43c 第2カラー部
46e 樹脂バネ部(弾性部材の一例:第4実施形態)
46s スリット
46b リブ
46r 内径
Claims (17)
- 前端に開口を有する軸筒と、
前記軸筒の内部に収容され、前記軸筒の軸方向に移動可能なチップホルダーと、
前記チップホルダーの前端に固定され、前記チップホルダーの移動に伴って前記軸筒の前記開口から出没可能なチップと、
前記チップホルダーまたは前記チップの外周に遊嵌され、当該チップホルダーまたは当該チップに対して当該チップホルダーまたは当該チップの軸方向に移動可能な環状部材と、
前記チップホルダーと前記環状部材とを互いに相対移動可能に接続する弾性部材と、
を備え、
前記環状部材の外周の少なくとも一部には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って前記軸筒の内面の一部に当接する当接面が形成されており、
前記環状部材の一部には、切欠きが形成されており、前記当接面において荷重を受ける時に当該環状部材の内径が縮径するようになっており、
前記軸筒の内面の一部には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って前記当接面が当接する案内面が形成されており、
前記当接面は、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って、前記案内面から前記荷重を受けるようになっている
ことを特徴とする出没式筆記具。 - 前記切欠きは、前記環状部材の周方向に等間隔に複数が配置されており、
前記複数の切欠きの各々は、前記環状部材の軸方向に延びるスリットである
ことを特徴とする請求項1に記載の出没式筆記具。 - 前記当接面は、前端に向かって先細状であり、
前記案内面も、前端に向かって先細状である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の出没式筆記具。 - 前記当接面は、切頭円錐面を有している
ことを特徴とする請求項3に記載の出没式筆記具。 - 前記弾性部材は、コイルバネである
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の出没式筆記具。 - 前記弾性部材は、軸方向に垂直な方向に延びるスリットが多数形成された筒状の樹脂バネ部材である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の出没式筆記具。 - 前記環状部材は、前記樹脂バネ部材と一体成形されている
ことを特徴とする請求項6に記載の出没式筆記具。 - 前記弾性部材と前記チップホルダーとは、環状カラーを介して接続されており、
前記弾性部材と前記環状カラーとが、互いに固定されており、
前記環状カラーと前記軸筒とが、第2弾性部材を介して互いに固定されている
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の出没式筆記具。 - 前記チップホルダーの移動に伴う前記第2弾性部材の変位量は、前記チップホルダーの移動に伴う前記弾性部材の変位量よりも大きい
ことを特徴とする請求項8に記載の出没式筆記具。 - 前端にチップが固定されたチップホルダーを軸方向に移動可能に収容可能であって、前端に開口を有し、前記チップホルダーの移動に伴って前記チップを前記開口から出没させることが可能な出没式筆記具用の軸筒であって、
前記チップホルダーを収容した状態において当該チップホルダーまたは前記チップの外周に遊嵌して、当該遊嵌時において当該チップホルダーまたは当該チップに対して当該チップホルダーまたは当該チップの軸方向に移動可能な環状部材と、
前記環状部材に弾性部材を介して接続され、前記チップホルダーの前端側への相対移動に伴って前記チップホルダーに当接可能な環状カラーと、
前記環状カラーを当該軸筒の内面に支持する第2弾性部材と、
を備え、
前記環状部材の外周の少なくとも一部には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って前記軸筒の内面の一部に当接する当接面が形成されており、
前記環状部材の一部には、切欠きが形成されており、前記当接面において荷重を受ける時に当該環状部材の内径が縮径するようになっており、
前記軸筒の内面の一部には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って前記当接面が当接する案内面が形成されており、
前記当接面は、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って、前記案内面から前記荷重を受けるようになっている
ことを特徴とする出没式筆記具用の軸筒。 - 前記切欠きは、前記環状部材の周方向に等間隔に複数が配置されており、
前記複数の切欠きの各々は、前記環状部材の軸方向に延びるスリットである
ことを特徴とする請求項10に記載の出没式筆記具用の軸筒。 - 前記当接面は、前端に向かって先細状であり、
前記案内面も、前端に向かって先細状である
ことを特徴とする請求項10または11に記載の出没式筆記具用の軸筒。 - 前記当接面は、切頭円錐面を有している
ことを特徴とする請求項12に記載の出没式筆記具用の軸筒。 - 前記弾性部材は、コイルバネである
ことを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の出没式筆記具用の軸筒。 - 前記弾性部材は、軸方向に垂直な方向に延びるスリットが多数形成された筒状の樹脂バネ部材である
ことを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の出没式筆記具用の軸筒。 - 前記環状部材は、前記樹脂バネ部材と一体成形されている
ことを特徴とする請求項15に記載の出没式筆記具用の軸筒。 - 前記チップホルダーの移動に伴う前記第2弾性部材の変位量は、前記チップホルダーの移動に伴う前記弾性部材の変位量よりも大きい
ことを特徴とする請求項10乃至16のいずれかに記載の出没式筆記具用の軸筒。
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