JP6950806B1 - 樹脂部材 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、このような問題に鑑みてなされたもので、高級感があり、かつ自然な印象を有する樹脂部材を得ることを目的とする。
また、本開示の他の態様に係る樹脂部材は、フィラーが混合された樹脂材料によって形成された基材部と、基材部の一方の面に並んで形成された所定の方向に延伸する複数の凹部と、を有し、凹部が形成された基材部の表面にシボが形成され、複数の凹部のうち、凹部の延伸方向の最も外側まで延伸する凹部の端部と、最も内側に位置する凹部の端部との位置が、1.5mm以上離れていることを特徴とする。
また、本開示の一態様に係る空気調和機の室内機は、上述した樹脂部材がフロントパネルとして正面に取り付けられていることを特徴とする。
以下、図面を参照して本開示の各実施形態について説明する。
以下、第一実施形態に係る樹脂部材について、図1から図7を用いて説明する。本実施形態では、空気調和機(エアーコンディショナー、以下エアコンと称する)の室内機の正面に取り付けられる矩形状の樹脂パネルである樹脂部材について説明する。
なお、本開示において、使用者に対して「高級感がある」という印象を与える樹脂部材は、陶土を焼いて形成したような質感(以下、「陶器感」ともいう)を有する樹脂部材をいう。また、本開示において、使用者に対して「自然な」印象を与える樹脂部材は、自然の素材(陶土)で作られた印象や樹脂材料を用いていない印象を与える樹脂部材をいう。さらに、本開示において使用者に対して「クラフト製品のような味わい」を与える樹脂部材や、「ぬくもりがある」印象を与える樹脂部材として、大量生産ではなく人の手で作られた印象を与える樹脂部材をいう。
図1は、本実施形態に係る樹脂部材1と、樹脂部材が取り付けられたエアコンの室内機の全体構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す樹脂部材1のA−A断面を示す断面図である。図3は、図1に示す樹脂部材1のB−B断面を示す断面図である。図1から図3に示すように、樹脂部材1は、基材部12と、基材部12の一方の面に並んで配置された複数の凹部11Bを有している。この樹脂部材1は、フィラーが混合された樹脂材料によって形成されている。また、樹脂部材1は、表面(凹部11が形成された基材部12の表面)にシボが形成されている。
以下、樹脂部材1について詳細に説明する。
図2に示すように、凹部11Bは、フィラーが混合された樹脂材料によって形成された基材部12の一方の面に並んで形成されている。凹部11Bは、基材部11Aの断面視において曲線形状となっている。凹部11Bは、基材部12の一方の面において、所定の方向に延伸する凹部が並んで形成されており、隣接する凹部11B同士の境界には、突出部11Aが形成されている。凹部11Bが並ぶ方向における基材部12の断面視において、突出部11Aと凹部11Bとは連続して曲線を形成している。突出部11A及び凹部11Bは、基材部12の一方の面である居住者等に視認される面に形成されている。突出部11A及び凹部11Bにより、線状突出部11が形成されている。
照明21が樹脂部材1の上部に位置する場合、突出部11Aの下部に位置する凹部11Bの第一領域22Aには、濃く、かつ上下方向に短い距離で変化するグラデーションの陰影が生じる。
また、第一領域22Aよりも下部に位置する凹部11Bの第2領域22Bには、第一領域22Aと比較して薄く、かつ上下方向になだらかに変化するグラデーションの陰影が生じる。これは、第2領域22Bは、第一領域22Aと比較して光が遮られにくい領域であるためである。
さらに、第二領域22Bよりも下部に位置する凹部11Bの第三領域22Cには、光が当たって陰影がほとんど生じない。これは、第三領域22Cが突出部11Aによって光がほとんど遮られない領域であるためである。
凹部11Bの深さdは、0.1mm以上0.3mm以下であることが好ましく、0.15mm以上0.25mm以上であることがより好ましい。凹部11Bの深さdが0.1mm以上である場合、突出部11Aと凹部11Bとで形成された形状による樹脂部材1の陶器感が向上する。また、凹部11Bの深さdが0.3mm以下であることにより、樹脂部材1の陶器感を持ちつつ、凹部11Bに汚れが付着しにくく、また汚れが付着しても拭き取りが容易となるため、樹脂部材1から得られる清潔感が向上する。ここで、凹部11Bの「深さd」とは、突出部11Aの頂部の位置を基準とした場合の凹部11Bの底部までの距離をいう。
複数の凹部11Bの端部E(E1,E2,E3等)は、樹脂部材1の表面において凹部11Bの延伸方向と交差する方向に伸びる直線上に並んでいないことが好ましい。例えば、図5に示すように、凹部11Bが左右方向に延びて設けられている場合、複数の凹部11Bの端部E(E1,E2,E3等)の全てが凹部11Bの延伸方向の異なる位置で終端していることが好ましいが、複数の凹部11Bの一部が延伸方向の同じ位置で終端していてもよい。この場合、端部Eが同じ位置で終端している凹部11B同士は隣接して形成されていないことが好ましい。この2つの凹部11Bの間に配置された複数の凹部11Bの端部Eの位置がランダムであれば、手作業で形成された凹凸模様のような質感が得られやすく、樹脂部材1の陶器感がより向上する。
なお、凹部11Bの延伸方向の長さは、樹脂部材1のサイズによって適宜選択されれば良い。
樹脂部材1の陶器感を向上させるために、例えば樹脂部材1がA4サイズ(縦210mm、横297mm)の樹脂パネルである場合、凹部11Bの幅が5.0mmから6.0mmの範囲で0.25mm幅(例えば、5.0mm、5.25mm,5.5mm、5.75mm、6.0mm)の5種類に設定されることが好ましい。凹部11Bは、上述した5種類の幅からランダムに選択されて順に並べて配置されることが好ましい。
このように、凹部11Bは、樹脂部材1のサイズによって最も陶器感があると感じられる範囲で選択された幅で形成されていれば良い。
家庭用空気調和機の室内機は、筐体のサイズが比較的大きく、かつ部屋の高い位置に配置される。上述した凹部11Bの寸法は、このような条件で用いるエアコン用の樹脂パネルにおいて特に好適である。
一方、例えば樹脂部材1が上下方向に延伸した凹部11Bを有する縦型エアコン用の樹脂パネルである場合、平坦領域は樹脂部材1の上下の端部に設けられていてもよい。
シボは、凹部11Bが設けられた基材部12(樹脂部材1)の表面の少なくとも一部に設けられており、突出部11A及び凹部11Bが設けられた樹脂部材1の表面全面に設けられることが好ましい。さらに、シボは、樹脂部材1の表面において、突出部11A及び凹部11Bが設けられた領域と、突出部11A及び凹部11Bが設けられていない領域とのすべてに設けられることが特に好ましい。
また、シボの深さは、すべて均一ではなく、位置によって上述した範囲で深さが異なることがより好ましい。これにより、樹脂部材1の表面形状がより自然になり陶器感がさらに向上する。
さらに、樹脂部材1は、表面にシボよりも細かい表面凹凸が形成されていても良い。このような凹凸は、例えば樹脂材料にフィラーを混合して樹脂部材1を形成することにより得られる。フィラーにより、樹脂部材1の表面がざらついた質感となることにより、樹脂部材1の表面が平坦で光沢を有する場合と比較して陶土等の自然の材料で形成されたかのような質感が向上し、樹脂部材1の陶器感がより向上する。
以上のような樹脂部材1は、樹脂材料と、樹脂材料に含まれるフィラーとを含んでいる。また、樹脂部材1は、樹脂材料及びフィラー以外の各種添加剤を含んでいてもよい。
樹脂材料は、一般的な電化製品の筐体の一部となる樹脂部材に用いられる材料であればよく、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)が挙げられる。樹脂材料は、これら材料の一種を用いてもよく、二種以上の混合物又は共重合体を用いても良いが、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)及び耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)の少なくとも一方を用いることが好ましい。アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)及び耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)は、収縮が少なく突出部11Aの直線性が出やすい等成形加工性が良く、着色性が良好であり、さらに安価である点で好ましい。
フィラーは、樹脂部材1の加飾のために樹脂材料に混入する添加材である。フィラーは、樹脂材料に混合される際に樹脂材料に対する分散性が良い材料であればよく、有機フィラー又は無機フィラーのいずれも用いることができる。有機フィラーは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル又はナイロン等の樹脂フィラーであることが好ましい。また、無機フィラーは、アルミニウム等の金属材料や石等であることが好ましい。なかでも、フィラーとしてポリエステルを用いることが好ましい。樹脂材料にフィラーを混合することにより、樹脂部材1の表面が光沢感のある平坦面ではなく、表面の粗さが向上して陶土等の自然の材料で形成した陶器のような質感が得られる。
樹脂部材1が家庭用電化製品に用いられる場合、フィラーは、例えば明度3以下かつ彩度3以下又は彩度がない暗色であることが好ましく、黒色又は灰色であることがより好ましい。家庭用電化製品で用いられる樹脂材料は例えば明度が7以上の明色である場合が多いためである。
また、樹脂部材11は、表面にシボが形成され、かつフィラーを含むことで、居住者等に対して一般的な樹脂製品と比較して高級な印象(高級感)を感じさせやすくなるとともに、陶土で形成した印象をより感じさせやすくなり、自然の素材で作ったような自然な印象を感じさせやすくなる。
また、樹脂部材11は、互いの幅がランダムとなるように複数の凹部11Bを配置することにより、居住者等に大量生産的でない手作り感を感じさせやすくなり、人の温もりを感じさせるような自然な印象を与えることができる。なお本開示の実施形態では、所定の方向に延伸する凹部11Bは、延伸方向に沿って均一の幅を持つ凹部としたが、本発明はこれに限られず、凹部11Bの幅は必ずしも延伸方向に沿って均一でなくても良く、幅が変化する、すなわち隣接する突出部11Aが平行にならなくてもよい。
以上説明した樹脂部材1は、例えば射出成形により形成することができる。以下、樹脂部材1の製造方法について説明する。
このようにして、凹金型側に所望の突出部11A及び凹部11B、並びにシボが形成された樹脂部材1が得られる。このため、陶器のような質感を有する樹脂部材1が1つの工程で形成できるため、樹脂部材の製造工程が簡易となり製造コストも低減する。
なお、樹脂部材1は、射出成形以外の方法、例えば注型成形、圧縮成形又はプレス成形またはブロー成型のいずれかによって形成することもできる。
実施例1では、凹部及びシボの有無と、樹脂材料に対するフィラーの混合の有無とによって、エアコンの樹脂パネルである樹脂部材から受ける質感にどのような相違があるかをそれぞれ評価した。
実施例1では、以下の実施例及び比較例の各樹脂部材について、樹脂部材から受ける質感を評価した。
長さ0.3mmの黒色ポリエステルで形成された繊維状フィラーを1.8質量%混合したABS樹脂を用い、表面に凹部及びシボを有する縦205cm、横798cm(正面から見た場合の寸法)の樹脂部材を射出成形により形成した。このとき、複数の凹部を樹脂部材の長手方向(横方向)に延伸するように形成するとともに、凹部の幅を3.0mmから3.75mmのランダムな幅とした。すなわち、凹部の幅が、3.0mm、3.25mm、3.5mm、3.75mmのいずれかの幅であり、かつ幅の並び順がランダムとなるように凹部を形成した。また、梨地形状のシボを深さ35μmで樹脂部材の表面全面に形成した。
以上により、実施例1−1の樹脂部材を形成した。
樹脂材料にフィラーを添加しなかった以外は実施例1−1と同様にして比較例1−1の樹脂部材を形成した。
樹脂材料にフィラーを添加せず、表面に凹部を設けなかった(すなわち表面を平坦とした)以外は実施例1−1と同様にして比較例1−2の樹脂部材を形成した。
形成した実施例及び各比較例の樹脂部材を、壁に固定されたエアコン模型それぞれの正面に取り付けた。続いて、任意の成人13人を被験者とし、以下の各評価項目について、エアコン模型の取り付け位置から水平方向に200cm離れた位置からエアコン模型に取り付けられた樹脂部材を目視で評価させた。このとき、被験者は、実施例1−1、比較例1−1及び比較例1−2の樹脂部材のそれぞれについて、以下の評価内容を高く感じる順に「◎」「○」「△」「×」の4段階で評価した。また、被験者は、実施例1−1、比較例1−1及び比較例1−2のうちの2つ以上に同じ評価をしてもよいものとした。
評価1−1:樹脂部材から高級感を感じるか
評価1−2:室内(インテリア)に調和すると感じるか
評価1−3:樹脂部材に陶器のような質感を感じるか
評価1−4:以下のURLで示されるサンプル写真に示された陶器Aに近い質感であると感じるか
評価1−5:樹脂部材の仕上がりに上質感があると感じるか
評価1−6:樹脂部材に優しさ・ぬくもり感があると感じるか
<URL> https://nordicdesign.ca/wp-content/uploads/2018/10/Home-of-a-Vintage-Scandinavian-Design-Collector-13.jpg (令和2年10月27日検索)
以下の表1に、各評価の結果を示す。
また、比較例1−1及び比較例1−2を比較すると、フィラーが混合されていない場合であっても、凹部を有する比較例1−1の方が凹部を有していない比較例1−2と比較して高い評価を得た。
したがって、陶器感や高級・上質感、インテリアとの調和や優しさ・ぬくもり感のような人工的でない印象は、凹部によって向上し、凹部とフィラーの混合とによりより向上することが分かった。
実施例2では、凹部の幅の違いによって、樹脂部材から受ける質感にどのような相違があるかをそれぞれ評価した。
実施例2では、以下の実施例の各樹脂部材について、樹脂部材から受ける質感を評価した。
凹部の幅を3.0mmの均一な幅とし、樹脂部材をA4サイズ(縦210mm、横297mm)とした以外は実施例1−1と同様にして実施例2−1の樹脂部材を形成した。
凹部の幅を2.75mmの均一な幅とした以外は実施例2−1と同様にして実施例2−2の樹脂部材を形成した。
凹部の幅を2.5mmの均一な幅とした以外は実施例2−1と同様にして実施例2−3の樹脂部材を形成した。
形成した各実施例の樹脂部材を壁に固定した。続いて、任意の成人13人を被験者とし、以下の各評価項目について、樹脂部材の取り付け位置から水平方向に200cm離れた位置から樹脂部材を目視で評価させた。このとき、被験者は、各実施例の樹脂部材のそれぞれについて、以下の評価内容を高く感じる順に「◎」「○」「△」「×」の4段階で評価した。また、被験者は、各実施例のうちの2つ以上に同じ評価をしてもよいものとした。
評価2−1:樹脂部材から高級感を感じるか
評価2−2:樹脂部材に陶器のような質感を感じるか
評価2−3:評価1−4と同様のサンプル写真に示された陶器Aに近い質感であると感じるか
評価2−4:樹脂部材の仕上がりに上質感があると感じるか
評価2−5:クラフト製品のような味わいのある質感を感じるか
評価2−6:プラスチック製品ではないような質感(非プラスチック製品感)を感じるか
評価2−7:汚れが付着しやすいように感じるか
評価2−8:掃除をしやすいように感じるか
以下の表2に、各評価の結果を示す。
実施例3では、凹部の幅を均一又はランダムにした場合に、樹脂部材から受ける質感にどのような相違があるかをそれぞれ評価した。
実施例3では、以下の実施例の各樹脂部材について、樹脂部材から受ける質感を評価した。
凹部の幅を4.5mmの均一な幅とした以外は実施例2−1と同様にして実施例3−1の樹脂部材を形成した。
凹部の幅を5.0mm、5.25mm、5.5mm、5.75mm、6.0mmのいずれかとし、これらの凹部の幅がランダムに配置されるように複数の凹部を形成した以外は実施例3−1と同様にして実施例3−2の樹脂部材を形成した。
形成した各実施例の樹脂部材を壁に固定した。続いて、任意の成人13人を被験者とし、以下の各評価項目について、樹脂部材の取り付け位置から水平方向に200cm離れた位置から樹脂部材を目視で評価させた。このとき、被験者は、実施例3−1及び実施例3−2のうち以下の評価内容をより感じる一方を選択するか、又は双方同程度であるかを評価した。
評価3−1:樹脂部材に陶器のような質感を感じるか
評価3−2:クラフト製品のような味わいのある質感を感じるか
評価3−3:プラスチック製品ではないような質感(非プラスチック製品感)を感じるか
評価3−4:樹脂部材に優しさ・ぬくもり感があると感じるか
以下の表3に、各評価の結果を示す。なお、表3には、各評価において実施例3−1を選択した人数と、実施例3−2を選択した人数とを示し、双方同程度であると評価した人数は記載しなかった。ここで、被験者数(13人)から実施例3−1を選択した人数と、実施例3−2を選択した人数とを引いた人数が双方同程度であると評価した人数である。
実施例4では、凹部の端部形状を凹部の深さが徐々に浅くなる構造(端部フェードあり)又は深さが一定のままの構造(端部フェードなし)の場合に、樹脂部材から受ける質感にどのような相違があるかをそれぞれ評価した。
実施例4では、以下の実施例の各樹脂部材について、樹脂部材から受ける質感を評価した。
凹部の端部形状が端部まで高さが一定となり、端部がぶつ切りの形状となる端部フェードなしの構造とした以外は実施例3−1と同様にして実施例4−1の樹脂部材を形成した。
凹部の端部形状が端部にむけて高さが徐々に低くなり、端部がスプーンカット形状となる端部フェードありの構造とした以外は実施例4−1と同様にして実施例4−2の樹脂部材を形成した。
形成した各実施例の樹脂部材を壁に固定した。続いて、任意の成人13人を被験者とし、以下の各評価項目について、樹脂部材の取り付け位置から水平方向に200cm離れた位置から樹脂部材を目視で評価させた。このとき、被験者は、実施例4−1及び実施例4−2のうち以下の評価内容をより感じる一方を選択するか、又は双方同程度であるかを評価した。
評価4−1:樹脂部材から高級感を感じるか
評価4−2:樹脂部材に陶器のような質感を感じるか
評価4−3:樹脂部材の仕上がりに上質感があると感じるか
評価4−4:クラフト製品のような味わいのある質感を感じるか
評価4−5:プラスチック製品ではないような質感を感じるか
評価4−6:樹脂部材に優しさ・ぬくもり感があると感じるか
以下の表4に、各評価の結果を示す。なお、表4には、各評価において実施例4−1を選択した人数と、実施例4−2を選択した人数とを示し、双方同程度であると評価した人数は記載しなかった。ここで、被験者数(13人)から実施例4−1を選択した人数と、実施例4−2を選択した人数とを引いた人数が双方同程度であると評価した人数である。
実施例5では、樹脂材料に混合するフィラーの形状及び大きさによって、樹脂部材から受ける質感にどのような相違があるかをそれぞれ評価した。
実施例5では、以下の実施例の各樹脂部材について、樹脂部材から受ける質感を評価した。
フィラーの大きさを0.1mmとし、樹脂部材を縦70mm、横100mmの矩形状とした以外は実施例3−1と同様にして実施例5−1の樹脂部材を形成した。
フィラーの大きさを0.3mmとした以外は実施例5−1と同様にして実施例5−2の樹脂部材を形成した。
フィラーの大きさを0.5mmとした以外は実施例5−1と同様にして実施例5−3の樹脂部材を形成した。
フィラーの長さを0.1mmとした以外は実施例5−1と同様にして実施例5−4の樹脂部材を形成した。
フィラーの長さを0.6mmとした以外は実施例5−1と同様にして実施例5−4の樹脂部材を形成した。
形成した各実施例の樹脂部材を壁に固定した。続いて、任意の成人13人を被験者とし、以下の各評価項目について、樹脂部材の取り付け位置から水平方向に200cm離れた位置から樹脂部材を目視で評価させた。このとき、被験者は、各実施例の樹脂部材のそれぞれについて、以下の評価内容を強く感じる順に「◎」「○」「△」「×」の4段階で評価した。また、被験者は、実施例5−1〜実施例5−3のうちの2つ以上と、実施例5−4及び実施例5−5の2つに同じ評価をしてもよいものとした。
評価5−1:樹脂部材に陶器のような質感を感じるか
評価5−2:クラフト製品のような味わいのある質感を感じるか
評価5−3:混入物(フィラー)が樹脂部材の柄(装飾)であると感じるか
評価5−4:混入物(フィラー)が汚れ等の付着物ではないように感じるか
評価5−5:清潔感を感じるか
以下の表5に、各評価の結果を示す。
以上から、フィラーの大きさをより小さくするか、又はフィラーの長さより短くすることが好ましいことが分かった。
実施例6では、樹脂材料に混合するフィラーの混合量の違いによって、樹脂部材から受ける質感にどのような相違があるかをそれぞれ評価した。
実施例6では、以下の実施例の各樹脂部材について、樹脂部材から受ける質感を評価した。
樹脂材料に対するフィラーの混合量を1.8質量%とし、樹脂部材を縦70mm、横100mmの矩形状とした以外は実施例1−1と同様にして実施例6−1の樹脂部材を形成した。
樹脂材料に対するフィラーの混合量を2.0質量%とした以外は実施例6−1と同様にして実施例6−2の樹脂部材を形成した。
樹脂材料に対するフィラーの混合量を2.2質量%とした以外は実施例6−1と同様にして実施例6−3の樹脂部材を形成した。
樹脂材料に対するフィラーの混合量を2.5質量%とした以外は実施例6−1と同様にして実施例6−4の樹脂部材を形成した。
樹脂材料に対するフィラーの混合量を2.7質量%とした以外は実施例6−1と同様にして実施例6−4の樹脂部材を形成した。
形成した各実施例の樹脂部材を壁に固定した。続いて、任意の成人13人を被験者とし、以下の各評価項目について、樹脂部材の取り付け位置から水平方向に200cm離れた位置から樹脂部材を目視で評価させた。このとき、被験者は、各実施例の樹脂部材のそれぞれについて、以下の評価内容を高く感じる順に「◎」「○」「△」「×」の4段階で評価した。また、被験者は、各実施例のうちの2つ以上に同じ評価をしてもよいものとした。
評価6−1:樹脂部材に陶器のような質感を感じるか
評価6−2:クラフト製品のような味わいのある質感を感じるか
評価6−3:混入物(フィラー)が樹脂部材の柄(装飾)であると感じるか
評価6−4:混入物(フィラー)が汚れ等の付着物ではないように感じるか
評価6−5:清潔感を感じるか
以下の表6に、各評価の結果を示す。
11 線状突出部
11A 突出部
11B 凹部
Claims (17)
- フィラーが混合された樹脂材料によって形成された基材部と、
前記基材部の一方の面に並んで形成された所定の方向に延伸する複数の凹部と、
を有し、
前記凹部が形成された前記基材部の表面にシボが形成され、
前記凹部は、前記凹部の延伸方向の端部に向かって深さが徐々に浅くなる形状となって
おり、
複数の前記凹部の端部の位置は、ランダムになっている
樹脂部材。 - 複数の前記凹部のうち、前記凹部の延伸方向の最も外側まで延伸する凹部の端部と、最も内側に位置する凹部の端部との位置が、1.5mm以上離れている
請求項1に記載の樹脂部材。 - フィラーが混合された樹脂材料によって形成された基材部と、
前記基材部の一方の面に並んで形成された所定の方向に延伸する複数の凹部と、
を有し、
前記凹部が形成された前記基材部の表面にシボが形成され、
複数の前記凹部のうち、前記凹部の延伸方向の最も外側まで延伸する凹部の端部と、最も内側に位置する凹部の端部との位置が、1.5mm以上離れている
樹脂部材。 - 複数の前記凹部の幅は、ランダムになっている
請求項1から3のいずれか1項に記載の樹脂部材。 - 前記基材部の断面視における前記凹部が曲線形状となっている
請求項1から4のいずれか1項に記載の樹脂部材。 - 断面視における前記曲線形状は、楕円の弧の形状となっている
請求項5に記載の樹脂部材。 - 複数の前記凹部は、互いに同じ深さを有している
請求項1から6のいずれか1項に記載の樹脂部材。 - 前記凹部の深さは、0.1mm以上0.3mm以下である
請求項1から7のいずれか1項に記載の樹脂部材。 - 前記凹部の幅は、3.0mm以上6.0mm以下である
請求項1から8のいずれか1項に記載の樹脂部材。 - ランダムになっている前記凹部の幅は、複数種類の幅から選択されたいずれかの幅である請求項4に記載の樹脂部材。
- 前記フィラーの明度と前記樹脂材料の明度との差が3以上である
請求項1から10のいずれか1項に記載の樹脂部材。 - 前記フィラーは、円盤状であり、
前記フィラーの大きさは、0.1mm以上0.5mm以下である
請求項1から11のいずれか1項に記載の樹脂部材。 - 前記フィラーは、繊維状であり、
前記フィラーの長さは、0.1mm以上0.6mm以下である
請求項1から11のいずれか1項に記載の樹脂部材。 - 前記フィラーは、前記樹脂材料に対して1.8質量%以上2.0質量%以下混合されている
請求項1から13のいずれか1項に記載の樹脂部材。 - 前記シボの深さは、10μm以上200μm以下である
請求項1から14のいずれか1項に記載の樹脂部材。 - 前記基材部は、一部が湾曲して前記一方の面に曲面を有し、
前記凹部は、少なくとも曲面の領域に設けられている
請求項1から15のいずれか1項に記載の樹脂部材。 - 請求項1から16のいずれか1項に記載の樹脂部材がフロントパネルとして正面に取り付けられている、
空気調和機の室内機。
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