JP2019111821A - 加飾シート - Google Patents
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Abstract
Description
項1. 少なくとも透明樹脂フィルム層を含む層を有する加飾シートであって、
前記透明樹脂フィルム層を含む層は、一方の面に前記透明樹脂フィルム層に至る凹部を有する凹凸形状を有し、
前記凹凸形状の凹部の深さdと、前記透明樹脂フィルム層を含む層の、前記深さdの始点から前記凹凸形状を有する面とは反対側の面までの厚みTとが、d/T×100=5〜10%の関係を充足する領域を含んでおり、
前記凹凸形状を有する面側を成形樹脂と積層して加飾樹脂成形品とするために用いられる、加飾シート。
項2. 前記透明樹脂フィルム層を含む層の前記凹凸形状を有する面側に、支持フィルム層をさらに有する、項1に記載の加飾シート。
項3. 前記支持フィルム層が、前記凹凸形状の凹部を埋めるように積層されている、項2に記載の加飾シート。
項4. 前記透明樹脂フィルム層を含む層が、前記透明樹脂フィルム層及び意匠層を有しており、
前記凹凸形状の凹部は、前記意匠層側から前記透明樹脂フィルム層に至るように形成されている、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項5. 前記透明樹脂フィルム層が、アクリル系樹脂により形成されている、項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
項6. 少なくとも透明樹脂フィルム層を含む層を有し、前記透明樹脂フィルム層を含む層が、一方の面に前記透明樹脂フィルム層に至る凹部を有する凹凸形状を有する加飾シートの製造方法であって、
少なくとも透明樹脂フィルム層を含む層を有するシートを用意する工程と、
前記シートにエンボス加工を施して、前記凹凸形状の凹部の深さdと、前記透明樹脂フィルム層を含む層の、前記深さdの始点から前記凹凸形状を有する面とは反対側の面までの厚みTとが、d/T×100=5〜10%の関係を充足する凹凸形状を形成するエンボス工程と、
を備える、前記凹凸形状を有する面側を成形樹脂と積層して加飾樹脂成形品とするために用いられる加飾シートの製造方法。
項7. 少なくとも意匠層及び透明樹脂フィルム層を含む層を有し、前記透明樹脂フィルム層を含む層が、一方の面に前記透明樹脂フィルム層に至る凹部を有する凹凸形状を有する加飾シートの製造方法であって、
少なくとも意匠層及び透明樹脂フィルム層を含む層を有するシートを用意する工程と、
前記シートの前記意匠層の上から、エンボス加工を施して、前記凹凸形状の凹部の深さdと、前記意匠層及び前記透明樹脂フィルム層を含む層の、前記深さdの始点から前記凹凸形状を有する面とは反対側の面までの厚みTとが、d/T×100=5〜10%の関係を充足する凹凸形状を形成するエンボス工程と、
を備える、前記凹凸形状を有する面側を成形樹脂と積層して加飾樹脂成形品とするために用いられる加飾シートの製造方法。
項8. 少なくとも透明樹脂フィルム層を含む層を有し、前記透明樹脂フィルム層を含む層が、一方の面に前記透明樹脂フィルム層に至る凹部を有する凹凸形状を有する加飾シートの製造方法であって、
少なくとも透明樹脂フィルム層を含む層を有するシートを用意する工程と、
前記シートにエンボス加工を施して、凹凸形状を形成するエンボス工程と、
前記エンボス工程の後、前記透明樹脂フィルム層の前記凹凸形状が形成された側とは反対側の表面に鏡面加工を施して、前記エンボス工程で形成された前記凹凸形状の凹部の深さdと、前記透明樹脂フィルム層を含む層の、前記深さdの始点から前記凹凸形状を有する面とは反対側の面までの厚みTとが、d/T×100=5〜10%の関係を充足するように調整する工程と、
を備える、前記凹凸形状を有する面側を成形樹脂と積層して加飾樹脂成形品とするために用いられる加飾シートの製造方法。
項9. 少なくとも透明樹脂フィルム層を含む層を有し、前記透明樹脂フィルム層を含む層が、一方の面に前記透明樹脂フィルム層に至る凹部を有する凹凸形状を有する加飾シートの製造方法であって、
少なくとも透明樹脂フィルム層を含む層を有するシートを用意する工程と、
前記シートにエンボス加工を施して、凹凸形状を形成するエンボス工程と、
前記エンボス工程の後、前記シートの凹凸形状の凹部を埋めるようにして、支持体フィルムを積層して、前記エンボス工程で形成された前記凹凸形状の凹部の深さdと、前記透明樹脂フィルム層を含む層の、前記深さdの始点から前記凹凸形状を有する面とは反対側の面までの厚みTとが、d/T×100=5〜10%の関係を充足するように調整する工程と、
を備える、前記凹凸形状を有する面側を成形樹脂と積層して加飾樹脂成形品とするために用いられる加飾シートの製造方法。
項10. 少なくとも透明樹脂フィルム層を含む層を有し、前記透明樹脂フィルム層を含む層が、一方の面に前記透明樹脂フィルム層に至る凹部を有する凹凸形状を有する加飾シートの製造方法であって、
少なくとも透明樹脂フィルム層を含む層を有するシートを用意する工程と、
前記シートにエンボス加工を施して、凹凸形状を形成するエンボス工程と、
前記エンボス工程の後、前記シートの凹凸形状の凹部を埋めるようにして、支持体フィルムを積層する工程、及び前記透明樹脂フィルム層の前記凹凸形状が形成された側とは反対側の表面に鏡面加工を施す工程を行い、前記エンボス工程で形成された前記凹凸形状の凹部の深さdと、前記透明樹脂フィルム層を含む層の、前記深さdの始点から前記凹凸形状を有する面とは反対側の面までの厚みTとが、d/T×100=5〜10%の関係を充足するように調整する工程と、
を備える、前記凹凸形状を有する面側を成形樹脂と積層して加飾樹脂成形品とするために用いられる加飾シートの製造方法。
項11. 項1〜5のいずれかに記載の加飾シートを成形樹脂に積層してなる、加飾樹脂成形品。
本発明の加飾シートは、少なくとも透明樹脂フィルム層を含む層を有する加飾シートであって、透明樹脂フィルム層を含む層は、一方の面に透明樹脂フィルム層に至る凹部を有する凹凸形状を有し、凹凸形状の凹部の深さdと、透明樹脂フィルム層を含む層の、深さdの始点から凹凸形状を有する面とは反対側の面までの厚みTとが、d/T×100=5〜10%の関係を充足する領域を含んでおり、凹凸形状を有する面側を成形樹脂と積層して加飾樹脂成形品とするために用いられるものであることを特徴とする。本発明の加飾シートは、このような構成を有することにより、成形後にも、凹凸形状による凹凸感、立体感、奥行き感などの高い質感と、優れた表面平滑性を有する加飾シートを提供することができる。以下、本発明の加飾シートについて詳述する。
図1に示されるように、本発明の加飾シートは、少なくとも透明樹脂フィルム層1を有する層(以下、「少なくとも透明樹脂フィルム層1を有する層」を「層A」ということがある)を有する。層Aは、一方の面に、前記透明樹脂フィルム層に至る凹部を有する凹凸形状を有している。本発明の加飾シートは、保形性を高めることなどを目的として、層Aの当該凹凸形状を有する面側に、必要に応じて支持フィルム3が積層されていてもよい。支持フィルム3は、当該凹凸形状の凹部を埋めるように積層されていてもよい。なお、後述の通り、当該凹部の全てが支持フィルム3によって埋められていてもよいし、凹部の一部が埋められており、支持フィルム3と層Aとの間に空隙が存在していてもよい。また、図2に示されるように、層Aは、加飾シートの意匠性を高めること等を目的として、当該凹凸形状を有する面側に意匠層2を有していてもよい。意匠層2を有する場合、層Aの凹凸形状の凹部は、意匠層2側から透明樹脂フィルム層1に至るように形成されている。また、意匠層2を有する場合、本発明の加飾シートは、透明樹脂フィルム層1、意匠層2、支持フィルム3の順に積層されていることが好ましい。なお、この構成では、透明樹脂フィルム層1及び意匠層2が、層Aに含まれている。
本発明の加飾シートは、上記の層Aを有している。当該層Aは、一方の面に透明樹脂フィルム層1に至る凹部を有する凹凸形状を有しており、当該凹凸形状の凹部の深さdと、透明樹脂フィルム層1を含む層Aの、当該深さdの始点から凹凸形状を有する面とは反対側の面までの厚みTとが、d/T×100=5〜10%の関係を充足する領域を含んでことを特徴としている。本発明の加飾シートにおいては、このような特定の関係を充足する凹凸形状が形成されていることにより、成形後にも、凹凸形状による凹凸感、立体感、奥行き感などの高い質感と、優れた表面平滑性を有する加飾シートを提供することができる。d/T×100の関係としては、より好ましくは5〜8%が挙げられる。なお、本発明において、厚みT及び凹部の深さdは、それぞれ、加飾シートの断面を光学顕微鏡で観察して測定した値である。また、凹部の深さdは、連続する10個の凹部の深さの平均値である。
[透明樹脂フィルム層1]
本発明の加飾シートにおいて、透明樹脂フィルム層1は、層Aに含まれており、通常、加飾樹脂成形品の最表面に位置するように設けられる層である。本発明の加飾シートの成形性を高める観点からは、透明樹脂フィルム層1の素材としては、好ましくは熱可塑性樹脂が挙げられる。また、本発明の加飾シートを用いた加飾樹脂成形品は、透明樹脂フィルム層1側から観察されることから、後述する凹凸形状による高い質感を表出させるために、透明樹脂フィルム層1は、透明性を有することが必要である。なお、ここでいう透明には、透明樹脂フィルム層1を透して当該凹凸形状が視認される程度の半透明も含む。
本発明の加飾シートにおいて、意匠層2は、加飾シートに上記の凹凸形状による高い質感を付与するために、層Aに必要に応じて設けられる層である。層Aが意匠層2を有する場合、層Aにおいては、凹凸形状の凹部が意匠層2側から透明樹脂フィルム層1に至るように形成されている。すなわち、意匠層2は、透明樹脂フィルム層1の凹凸形状に沿って積層される層である。前述の通り、加飾シートが意匠層2を有する場合、層Aの凹凸形状は、例えば、透明樹脂フィルム層1と意匠層2とを積層したシートの意匠層2の上からエンボス加工を施し、意匠層2の一方側の面から透明樹脂フィルム層1に凹部が至るように凹凸形状が形成される。例えば図2に示されるように、意匠層2は透明樹脂フィルム層1の凹凸形状に沿って積層されており、意匠層2は、透明樹脂フィルム層1の凹凸形状の凹部の一部を埋めている。また、意匠層2の透明樹脂フィルム層1とは反対側の面は、凹部を有している。
本発明の加飾シートにおいて、支持フィルム3は、支持部材としての役割を果たすために、必要に応じて、層Aの凹凸形状を有する面側に設けられる層である。支持フィルム3は、具体的には、透明樹脂フィルム層1または意匠層2の凹凸形状を有する側の面に積層される。後述のインサート成形法による加飾樹脂成形品の製造に用いる場合、本発明の加飾シートは支持フィルム3を有していることが好ましい。
本発明の加飾シートにおいては、透明樹脂フィルム層1、意匠層2、または支持フィルム3と成形樹脂層4との密着性や、透明樹脂フィルム層1または意匠層2と、支持フィルム3との密着性を高めることなどを目的として、透明樹脂フィルム層1、意匠層2、または支持フィルム3の裏面や、透明樹脂フィルム層1または意匠層2と、支持フィルム3との間に、必要に応じて、接着層を設けてもよい。
本発明の加飾シートにおいて、前述の凹凸形状は、エンボス加工により形成することができる。具体的には、少なくとも透明樹脂フィルム層1を含む層Aを有するシートを用意し、当該シートにエンボス加工を施し、透明樹脂フィルム層1に凹部が至る凹凸形状を形成する。このエンボス加工により、層Aに形成された凹凸形状の凹部の深さdと、層Aの当該深さdの始点から当該凹凸形状を有する面とは反対側の面までの厚みTとが、d/T×100=5〜10%の関係を充足する凹凸形状を形成することができる。
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シートと成形樹脂とを一体化させることにより成形されてなるものである。即ち、本発明の加飾樹脂成形品は、少なくとも、成形樹脂層4と、少なくとも透明樹脂フィルム層1を含む層Aとがこの順に積層された積層体からなり(図3を参照)、当該層Aが、透明樹脂フィルム層1に至る凹部を有する凹凸形状を一方の面に有していることを特徴とする。図3に示されるように、本発明の加飾樹脂成形品では、必要に応じて、透明樹脂フィルム層1と成形樹脂層4との間に、意匠層2、支持フィルム3などがさらに設けられていてもよい。また、前述の接着層が設けられていてもよい。
本発明の加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形する真空成形工程、
真空成形された加飾シートの余分な部分をトリミングして成形シートを得るトリミング工程、及び
成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を射出成形型内に射出して樹脂と成形シートを一体化する一体化工程。
本発明の加飾シートを、所定形状の成形面を有する可動金型の当該成形面に対し、加飾シートの透明樹脂フィルム層1とは反対側の表面が対面するように設置した後、当該加飾シートを加熱、軟化させると共に、可動金型側から真空吸引して、軟化した加飾シートを当該可動金型の成形面に沿って密着させることにより、加飾シートを予備成形する予備成形工程、
成形面に沿って密着された加飾シートを有する可動金型と固定金型とを型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、流動状態の樹脂を射出、充填して固化させることにより樹脂成形体を形成し、樹脂成形体と加飾シートを積層一体化させる一体化工程、及び
可動金型を固定金型から離間させて、加飾シート全層が積層されてなる樹脂成形体を取り出す取出工程。
ポリメタクリル酸メチルを主成分とする厚さ150μmの無着色透明なアクリル樹脂シートからなる透明樹脂フィルム層の裏面に、ポリブチルメタクリレート/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体からなる意匠層(厚さ1μm)を形成した。次に、意匠層上に版深が30μmのエンボス版を用いてエンボス加工を行い、凹凸形状を形成した。次に、凹凸形状を形成した面側に厚さ300μmの支持フィルム(黒色ABS樹脂)を貼付した。次に、得られた加飾シートの断面を顕微鏡で観察し、意匠層の凹凸形状を有する面から透明樹脂フィルム層の表面までの厚み(透明樹脂フィルム層と意匠層の合計厚み)T及び凹部の深さdを測定した。結果を表1に示す。なお、凹部の深さdは、顕微鏡で観察した連続する10個の凹部の深さの平均値である。また、上記で作製した加飾シートを真空成形機(布施真空社製「VPF−T1」)に配し、ヒーターにて表面温度が160℃になるまで加熱し、真空成形を行った。真空成形品を取り出し、トリミングした後、インサート成形により、支持フィルム層側と成形樹脂とを一体化して加飾樹脂成形品を得た。成形樹脂としては、ポリカーボネートとABS樹脂の混合物(商品名:サイコロイIP1000BK GEプラスチック製)を用いた。
ポリメタクリル酸メチルを主成分とする厚さ125μmの無着色透明なアクリル樹脂シートからなる透明樹脂フィルム層を用いたこと、及び版深が20μmのエンボス版を用いてエンボス加工を行ったこと以外は、実施例1と同様にして加飾シート及び加飾樹脂成形品を製造した。得られた加飾シートの断面を顕微鏡で観察し、意匠層の凹凸形状を有する面から透明樹脂フィルム層の表面までの厚み(透明樹脂フィルム層と意匠層の合計厚み)T及び凹部の深さdを、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
ポリメタクリル酸メチルを主成分とする厚さ125μmの無着色透明なアクリル樹脂シートからなる透明樹脂フィルム層を用いたこと、及び版深が40μmのエンボス版を用いてエンボス加工を行ったこと以外は、実施例1と同様にして支持フィルム積層工程まで行い、次に、透明樹脂フィルム側の表面に鏡面加工を施して、加飾シート及び加飾樹脂成形品を製造した。得られた加飾シートの断面を顕微鏡で観察し、意匠層の凹凸形状を有する面から透明樹脂フィルム層の表面までの厚み(透明樹脂フィルム層と意匠層の合計厚み)T及び凹部の深さdを、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
ポリメタクリル酸メチルを主成分とする厚さ125μmの無着色透明なアクリル樹脂シートからなる透明樹脂フィルム層を用いたこと、及び版深が40μmのエンボス版を用いてエンボス加工を行ったこと以外は、実施例1と同様にして加飾シート及び加飾樹脂成形品を製造した。得られた加飾シートの断面を顕微鏡で観察し、意匠層の凹凸形状を有する面から透明樹脂フィルム層の表面までの厚み(透明樹脂フィルム層と意匠層の合計厚み)T及び凹部の深さdを、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
ポリメタクリル酸メチルを主成分とする厚さ125μmの無着色透明なアクリル樹脂シートからなる透明樹脂フィルム層を用いたこと、及び版深が10μmのエンボス版を用いてエンボス加工を行ったこと以外は、実施例1と同様にして加飾シート及び加飾樹脂成形品を製造した。得られた加飾シートの断面を顕微鏡で観察し、意匠層の凹凸形状を有する面から透明樹脂フィルム層の表面までの厚み(透明樹脂フィルム層と意匠層の合計厚み)T及び凹部の深さdを、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
上記で得られた加飾シート及び加飾樹脂成形品それぞれを試験サンプルとし、白色光の蛍光灯下の水平面に置いた。次に、試験サンプルから約50cm離れ、水平面に対して、45°、60°、90°(真上)の方向から目視で観察し、表面の平滑性を評価した。また、表面を手で触り、表面平滑性を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:全ての角度で表面の凹凸は見られず、手で触っても表面凹凸は感じられなかった。
○:90°では表面の凹凸は見られなかったが、45°及び60°では凹凸が見られた。手で触ると表面凹凸は感じられない。
△:全ての角度で表面の凹凸が見られたが、手で触っても表面凹凸を感じなかった。
×:全ての角度で表面の凹凸が見られ、手で触っても表面凹凸を感じた。
上記で得られた加飾シート及び加飾樹脂成形品それぞれを試験サンプルとし、白色光の蛍光灯下の水平面に置いた。次に、試験サンプルから約50cm離れ、水平面に対して、45°、60°、90°(真上)の方向から目視で観察し、立体意匠効果を以下の評価基準に従い評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:全ての角度で立体的な意匠を感じられ、エンボス版形状のままシャープな形状となっていた。
○:全ての角度で立体的な意匠を感じられたが、エンボス版形状に比べて僅かにシャープではなかった。
△:90°では立体感は僅かに低かったが、45°及び60°では奥行きのある意匠感を得た。
×:全ての角度で平坦で立体的意匠は全く得られなかった。
上記で得られた加飾シートを30mm×30mmの大きさに切断し、試験サンプルとした。次に、5kg荷重において、R=1mmまたはR=0mm(ピン角)の形状面を透明樹脂フィルム表面に押し込み、加飾シート表面の割れを評価した。さらに、各試験サンプルについて、手で急激に折り曲げ、加飾シート表面の割れを評価した。割れの評価基準は以下の通りである。
◎:R=0で加飾シート表面にヒビ割れは観察されず、手の急激な折り曲げでも割れない。
○:R=0で加飾シート表面にヒビ割れは観察されないが、手の急激な折り曲げでは割れる。
△:R=1で加飾シート表面にヒビ割れは観察されないが、手の急激な折り曲げでは割れる。
×:R=1で加飾シート表面にヒビ割れが観察され、手の急激な折り曲げで割れる。
2 意匠層
3 支持フィルム
4 成形樹脂層
A 少なくとも透明樹脂フィルム層を有する層
Claims (1)
- 少なくとも透明樹脂フィルム層を含む層を有する加飾シートであって、
前記透明樹脂フィルム層を含む層は、一方の面に前記透明樹脂フィルム層に至る凹部を有する凹凸形状を有し、
前記凹凸形状の凹部の深さdと、前記透明樹脂フィルム層を含む層の、前記深さdの始点から前記凹凸形状を有する面とは反対側の面までの厚みTとが、d/T×100=5〜10%の関係を充足する領域を含んでおり、
前記凹凸形状を有する面側を成形樹脂と積層して加飾樹脂成形品とするために用いられる、加飾シート。
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