JP2022085830A - 樹脂部材及び空気調和機の室内機 - Google Patents

樹脂部材及び空気調和機の室内機 Download PDF

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Abstract

Figure 2022085830000001
【課題】高級感があり、かつ自然な印象を有する樹脂部材及び空気調和機の室内機を得る。
【解決手段】空気調和機の室内機に用いられる樹脂部材は、フィラーが混合された樹脂材料によって形成された基材部と、基材部の一方の面に並んで形成された所定の方向に延伸する複数の凹部とを有し、凹部が形成された基材部の表面にシボが形成されている。基材部の断面視における凹部が曲線形状となっていることが好ましい。断面視における曲線形状は、楕円の弧の形状となっていることが好ましい。また、複数の凹部は、互いに同じ深さを有していることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本開示は、例えば、室内に配置する電化製品等の外装に用いられる樹脂部材及び空気調和機の室内機に関する。
従来、室内に配置する電化製品は、樹脂により形成された樹脂パネル等により覆われている。このような樹脂部材では、樹脂材料の色や樹脂材料に混合される混合材料等により、所望の質感や色彩が表現されている。電化製品は、居住空間において電化製品の占める割合が大きく、樹脂パネルの色・柄及び形状によって居住者への印象が大きく変化する。また、近年、電化製品は、機能性のみでなくインテリアの一部として高いデザイン性が求められている。このため、例えば金属調を有する加飾シートを樹脂成形品の表面に積層させた加飾樹脂成形品を電化製品の外装として利用することが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2018-199341号公報
しかしながら、近年、外観から生じる質感に対して様々な要求が生じており、例えば高級感を有する室内装飾の役割を果たす外観や、人工物的でなく自然な印象を与える外観がより求められている。
本開示は、このような問題に鑑みてなされたもので、高級感があり、かつ自然な印象を有する樹脂部材及び空気調和機の室内機を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る樹脂部材は、フィラーが混合された樹脂材料によって形成された基材部と、基材部の一方の面に並んで形成された複数の所定の方向に延伸する凹部とを有し、凹部が形成された基材部の表面にシボが形成されていることを特徴とする。
また、本開示の一態様に係る空気調和機の室内機は、上述した樹脂部材がフロントパネルとして正面に取り付けられていることを特徴とする。
本開示の一態様によれば、高級感があり、かつ自然な印象を有する樹脂部材及び空気調和機の室内機を得ることができる。
本開示の第一実施形態に係る樹脂部材の一構成例を示す外観斜視図である。 本開示の第一実施形態に係る樹脂部材の基材部の断面形状の一構成例を説明するための断面図である。 本開示の第一実施形態に係る樹脂部材の基材部の断面形状の一構成例を説明するための断面図である。 本開示の第一実施形態に係る樹脂部材に対して照明20から光が当たった場合に樹脂部材1に生じる陰影の一例を示す模式図である。 本開示の第一実施形態に係る樹脂部材の凹部の端部の位置の一構成例を示す外観斜視図である。 本開示の第一実施形態に係る樹脂部材の凹部の断面形状を示す模式図である。 本開示の第一実施形態に係る樹脂部材の凹部の断面形状を示す模式図である。 本開示の第一実施形態に係る樹脂部材の凹部の断面形状を示す模式図である。 本開示の第一実施形態に係る樹脂部材の基材部の断面形状の他の構成例を説明するための断面図である。
以下、実施形態を通じて本開示を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
以下、図面を参照して本開示の各実施形態について説明する。
1.第一実施形態
以下、第一実施形態に係る樹脂部材について、図1から図7を用いて説明する。本実施形態では、空気調和機(エアーコンディショナー、以下エアコンと称する)の室内機の正面に取り付けられる矩形状の樹脂パネルである樹脂部材について説明する。
なお、本開示において、使用者に対して「高級感がある」という印象を与える樹脂部材は、陶土を焼いて形成したような質感(以下、「陶器感」ともいう)を有する樹脂部材をいう。また、本開示において、使用者に対して「自然な」印象を与える樹脂部材は、自然の素材(陶土)で作られた印象や樹脂材料を用いていない印象を与える樹脂部材をいう。さらに、本開示において使用者に対して「クラフト製品のような味わい」を与える樹脂部材や、「ぬくもりがある」印象を与える樹脂部材として、大量生産ではなく人の手で作られた印象を与える樹脂部材をいう。
(1.1)樹脂部材の全体構成
図1は、本実施形態に係る樹脂部材1と、樹脂部材が取り付けられたエアコンの室内機の全体構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す樹脂部材1のA-A断面を示す断面図である。図3は、図1に示す樹脂部材1のB-B断面を示す断面図である。図1から図3に示すように、樹脂部材1は、基材部12と、基材部12の一方の面に並んで配置された複数の凹部11Bを有している。この樹脂部材1は、フィラーが混合された樹脂材料によって形成されている。また、樹脂部材1は、表面(凹部11が形成された基材部12の表面)にシボが形成されている。
以下、樹脂部材1について詳細に説明する。
(凹部)
図2に示すように、凹部11Bは、フィラーが混合された樹脂材料によって形成された基材部12の一方の面に並んで形成されている。凹部11Bは、基材部11Aの断面視において曲線形状となっている。凹部11Bは、基材部12の一方の面において、所定の方向に延伸する凹部が並んで形成されており、隣接する凹部11B同士の境界には、突出部11Aが形成されている。凹部11Bが並ぶ方向における基材部12の断面視において、突出部11Aと凹部11Bとは連続して曲線を形成している。突出部11A及び凹部11Bは、基材部12の一方の面である居住者等に視認される面に形成されている。突出部11A及び凹部11Bにより、線状突出部11が形成されている。
このとき、複数の凹部11Bは、図2に示すように、互いに同じ深さdを有しており、断面視における凹部11Bの曲線形状が円(正円又は楕円)の弧の形状(より詳細には弧の一部の形状)となっていることが好ましい。このような凹部11Bが並んで配置されることにより、樹脂部材1は、粘土の表面を一方向にスプーンで掬ってストライプ形状を形成したような表面形状(以下、スプーンカット形状と称する場合がある)を有する。このような表面形状により、樹脂部材1は、陶土を焼いて形成したような質感(以下、陶器感という場合がある)が得られる。
また、凹部11Bが並んで配置されることにより、樹脂部材1の表面に陰影が生じ、人工的でない自然な質感がより向上する。例えば図4は、エアコン用樹脂パネルとして用いた樹脂部材1に対して照明20から光が当たった場合に樹脂部材1に生じる陰影の一例を示す模式図であり、照明20が樹脂部材1の上方にある場合の一例である。図4に示すように、照明20の方向から当たる光が突出部11Aによって遮られ、樹脂部材1の表面にグラデーション状の陰影が生じる。
照明21が樹脂部材1の上部に位置する場合、突出部11Aの下部に位置する凹部11Bの第一領域22Aには、濃く、かつ上下方向に短い距離で変化するグラデーションの陰影が生じる。
また、第一領域22Aよりも下部に位置する凹部11Bの第2領域22Bには、第一領域22Aと比較して薄く、かつ上下方向になだらかに変化するグラデーションの陰影が生じる。これは、第2領域22Bは、第一領域22Aと比較して光が遮られにくい領域であるためである。
さらに、第二領域22Bよりも下部に位置する凹部11Bの第三領域22Cには、光が当たって陰影がほとんど生じない。これは、第三領域22Cが突出部11Aによって光がほとんど遮られない領域であるためである。
また、断面視における凹部11Bの曲線形状は、楕円の弧の一部の形状であることがより好ましい。断面視における凹部11Bの曲線形状が楕円の弧の形状である場合、突出部11Aに近づくほど凹部11Bの曲率は大きくなる。このため、凹部11Bの陰影がより強調され、凹部11Bが実際の深さdよりも深い溝となっているような印象を与えるため、樹脂部材1の陶器感が増す。さらに、樹脂部材1の表面に形成される陰影の濃さは、位置によって変化することでグラデーション状となり、樹脂部材1において人工的でない自然な質感がさらに向上するとともに、機械によって大量生産されたプラスチック製品ではないような質感となる。これは、樹脂部材1の表面にグラデーション状の陰影が生じることで、突出部11Aや凹部11Bの構造に微妙なゆらぎが生じたり、突出部11Aや凹部11Bがそれぞれ不揃いに形成された印象が生じやすくなるためである。このような質感により、樹脂部材1は、クラフト製品のような技巧的な手加工品のような印象を与えやすくなる。このため、樹脂部材1は、高級感があり、かつ自然な印象を与えやすくなる。
凹部11Bが断面視で曲線形状となっていることにより、樹脂部材1の表面から人工的な質感が低下して、樹脂部材1の表面の形状が自然で柔らかい印象の質感となる。また、断面視における凹部11Bの曲線形状が円の弧の形状となることにより、凹部11Bの形状がよりスプーンで掬ったような形状に近くなり、陶器感が向上する。
上述したように、複数の凹部11Bは、互いに同じ深さを有していることが好ましい。凹部11Bの深さdを均一にすることにより、複数の凹部11Bが設けられた箇所での基材部12の厚さが均一になるため、樹脂パネルに負荷がかかった際に局所的に応力が集中することを防ぐことができ、強度を高めることができる。
凹部11Bの深さdは、0.1mm以上0.3mm以下であることが好ましく、0.15mm以上0.25mm以上であることがより好ましい。凹部11Bの深さdが0.1mm以上である場合、突出部11Aと凹部11Bとで形成された形状による樹脂部材1の陶器感が向上する。また、凹部11Bの深さdが0.3mm以下であることにより、樹脂部材1の陶器感を持ちつつ、凹部11Bに汚れが付着しにくく、また汚れが付着しても拭き取りが容易となるため、樹脂部材1から得られる清潔感が向上する。ここで、凹部11Bの「深さd」とは、突出部11Aの頂部の位置を基準とした場合の凹部11Bの底部までの距離をいう。
凹部11Bは、凹部11Bの延伸方向の端部Eに向かって深さが徐々に浅くなる(深さが0に近づく)形状となっていることが好ましい。これにより、樹脂部材1は、陶器感が向上する。これは、凹部11Bの深さが端部Eに向かって徐々に浅くなる形状となることにより、突出部11A及び凹部11Bが手作業で形成された凹凸模様のような質感となるためである。このとき、図3に示すように、凹部11Bの延伸方向の断面視における凹部11Bの端部E側に位置し、深さが徐々に浅くなる底面の所定位置Pにおける傾きは、図5に示すように端部Eの位置が異なる凹部11Bごとに異なっていてもよい。ここで、凹部11Bの「延伸方向」は、樹脂部材1を用いる電化製品の寸法や設置位置、又は単に電化製品のデザインとして適宜設定可能である。凹部11Bの「延伸方向」は、例えば横長の矩形状である壁掛け型のエアコン用樹脂パネルである樹脂部材1においては左右方向(設置時の水平方向)であることが好ましい。また、樹脂部材1が縦長形状の電化製品に用いられる樹脂パネルである場合、凹部11BAの「延伸方向」は上下方向(設置時の鉛直方向)であることが好ましい。
図5は、樹脂部材1の右側端部を拡大して示す拡大斜視図である。図5に示すように、複数の凹部11Bの延伸方向の端部Eの位置は、ランダムになっていることがより好ましい。ここで、凹部11Bの「端部」とは、凹部11Bの延伸方向の断面視において、凹部11Bの深さが0になる部分(すなわち樹脂部材1表面と凹部11Bの深さが一致し、凹凸がなくなる部分)である。図1及び図5に示すように、樹脂部材1が壁掛け型のエアコン用樹脂パネルであり、凹部11Bが左右方向に延びて設けられている場合、樹脂部材1の左右の端部領域に位置する凹部11Bの終端部分が凹部11Bの端部Eとなる。ここで、図5では、3つの凹部11Bの端部E(E1,E2,E3)の位置を一例として示している。
また、「端部の位置がランダム」とは、複数の凹部11Bの端部E(E1,E2,E3等)が、樹脂部材1の表面において凹部11Bの延伸方向の異なる位置で終端していることをいう。
複数の凹部11Bの端部E(E1,E2,E3等)は、樹脂部材1の表面において凹部11Bの延伸方向と交差する方向に伸びる直線上に並んでいないことが好ましい。例えば、図5に示すように、凹部11Bが左右方向に延びて設けられている場合、複数の凹部11Bの端部E(E1,E2,E3等)の全てが凹部11Bの延伸方向の異なる位置で終端していることが好ましいが、複数の凹部11Bの一部が延伸方向の同じ位置で終端していてもよい。この場合、端部Eが同じ位置で終端している凹部11B同士は隣接して形成されていないことが好ましい。この2つの凹部11Bの間に配置された複数の凹部11Bの端部Eの位置がランダムであれば、手作業で形成された凹凸模様のような質感が得られやすく、樹脂部材1の陶器感がより向上する。
ここで、端部Eがランダムとなるように配置された複数の凹部11Bのうち、延伸方向の最も外側まで延伸する凹部11Bの端部E1と、最も内側に位置する凹部11Bの端部の位置E3が、凹部11Bの延伸方向において1.5mm以上離れていることが好ましい。すなわち、図5に示す、凹部11Bの延伸方向における端部E1と端部E3と間の距離LEが1.5mm以上であることが好ましい。これにより、手作業で形成された凹凸模様のような質感がより向上し、樹脂部材1の陶器感がより向上する。
なお、凹部11Bの延伸方向の長さは、樹脂部材1のサイズによって適宜選択されれば良い。
また、凹部11Bの幅がランダムになっていることが好ましい。ここで、「凹部の幅がランダム」とは、凹部11Bが並ぶ方向(樹脂部材1の表面において凹部11Bの延伸方向と垂直な方向)において凹部11Bの幅の並び順に規則性がないことをいう。例えば、凹部11Bが樹脂部材1の左右方向に延びて設けられている場合、樹脂部材1の上下方向に順に見て凹部11Bの幅の順番に規則性がない場合に、凹部11Bの幅がランダムになっているという。具体的には、凹部11Bの幅が複数種類(例えば3種類以上)の幅から選択されたいずれかの幅であれば良い。また、凹部11Bの幅が特定の幅のいずれかに限定されず、凹部11Bが任意の幅でランダムに並んでいてもよい。これにより、樹脂部材1から人工的な質感が生じにくくなり、樹脂部材1の陶器感がより向上する。
ここで、凹部11Bの幅は、例えば0.2mm以上0.3mm以下の範囲の幅差を有する複数種類(例えば3種類以上)の幅から選択されたいずれかの幅であることが好ましい。また、凹部11Bの幅は、1.8mm以上6.5mm以下の範囲内であることが好ましく、3.0mm以上6.0mm以下の範囲内であることがより好ましい。これにより、さらに手作業で形成された凹凸模様のような質感が得られ、樹脂部材1の陶器感がより向上する。
このような、複数の凹部11Bがランダムな幅で形成された構成は、複数の凹部11Bの形状をそれぞれ変化させることにより形成される。例えば、上述したように、複数の凹部11Bは、互いに同じ深さを有しており、断面視における凹部11Bの曲線形状が正円又は楕円の弧の形状となっていることが好ましい。このため、図6Aから図6Cに示すように、複数の凹部11Bの深さを一定としつつ、凹部11Bの形状を、径の異なる正円又は楕円の弧の形状とすることにより、凹部11Bの幅が曲率に応じた異なる幅となる。ここで、「径の異なる」とは、正円においては直径(又は半径)、楕円おいては短径又は長径をいう。また、図6A及び図6Bは、凹部11Bが互いに異なる長径及び短径を有する楕円の弧の一部で形成された場合の模式図であり、図6Cは、凹部11Bが図6A及び図6Bに示す楕円の長径及び短径より十分に大きい直径を有する正円の弧の一部で形成された場合の模式図である。これにより、図7に示すように、凹部11Bの幅の異なる樹脂部材1が得られる。図6Aから図6Cは、1つの凹部11Bの模式的な形状を示すものであり、凹部11Bが並んで形成された場合の形状は図6Aから図6Cで示す形状とは異なる場合がある。断面視における凹部11Bの曲線形状が楕円の弧の形状である場合、上述した通り突出部11Aに近づくほど凹部11Bの曲率は大きくなる。このため、凹部11Bの陰影がより強調され、樹脂部材1の表面に形成される陰影の濃さが位置によって変化し、人工的でない自然な質感が向上する。さらに、凹部11Bの幅が曲率に応じた異なる幅となるため、濃い陰影が生じる領域の幅も異なり、人工的でない自然な質感がさらに向上する。
上述した凹部11Bの端部Eの位置や凹部11Bの幅、凹部11Bの深さ等は、家庭用空気調和機の室内機の樹脂パネルとして用いる場合に最適な値であり、電化製品ごとに好適な数値を設定すれば良い。
樹脂部材1の陶器感を向上させるために、例えば樹脂部材1がA4サイズ(縦210mm、横297mm)の樹脂パネルである場合、凹部11Bの幅が5.0mmから6.0mmの範囲で0.25mm幅(例えば、5.0mm、5.25mm,5.5mm、5.75mm、6.0mm)の5種類に設定されることが好ましい。凹部11Bは、上述した5種類の幅からランダムに選択されて順に並べて配置されることが好ましい。
また、例えば樹脂部材1がエアコン用の樹脂パネル(例えば横700mm以上)である場合、凹部11Bの幅が3.0mmから3.75mmの範囲で0.25mm幅(例えば、3.0mm、3.25mm、3.5mm及び3.75mm)の4種類に設定されることが好ましい。凹部11Bは、上述した4種類の幅からランダムに選択されて順に並べて配置されることが好ましい。
このように、凹部11Bは、樹脂部材1のサイズによって最も陶器感があると感じられる範囲で選択された幅で形成されていれば良い。
家庭用空気調和機の室内機は、筐体のサイズが比較的大きく、かつ部屋の高い位置に配置される。上述した凹部11Bの寸法は、このような条件で用いるエアコン用の樹脂パネルにおいて特に好適である。
上述した凹部11Bは、樹脂部材1の表面の一部のみに設けられていてもよく、全面に設けられていてもよい。また、基材部12の一部が湾曲して表面に曲面を有する場合、すなわち樹脂部材1が曲面を有する場合、凹部11Bは、少なくとも曲面の領域(図1中点線で示す領域C参照)に設けられていることが好ましい。曲面の領域に凹部11Bが設けられた樹脂部材1は、凹部11Bが設けられることによる陶器感に加えて、凹部11Bが設けられた領域の曲面から得られる柔らかい印象により、さらに高い陶器感が得られる。
なお、樹脂部材1の表面の一部には、凹部11Bが形成されず、表面が平坦な平坦領域FAが設けられていてもよい。凹部11Bが形成された領域と比較して、平坦領域では汚れが付着しにくく、また汚れの拭き取りが容易である。このため、樹脂部材1に人が触れる可能性のある家電製品では、このような平坦領域が設けられることが好ましい。
例えば、樹脂部材1がエアコン用の樹脂パネルである場合、居住者等は樹脂部材1に触れて樹脂部材1を開閉し、エアコン内部に取り付けられたフィルター等の部品の取り外しを行う場合がある。このため、樹脂部材1がエアコン用の樹脂パネルである場合には、例えば居住者等の手が触れる位置に平坦領域が設けられることが好ましい。
平坦領域は、例えば樹脂部材1における凹部11Bの延伸方向の端部の少なくとも一方に設けられていることが好ましい。樹脂部材1が左右方向に延伸した凹部11Bを有するエアコン用の樹脂パネルである場合、平坦領域が樹脂部材1の左右の端部の少なくとも一方、すなわち左右の端部領域に設けられていることが好ましい。また、この場合、平坦領域は樹脂部材1の左右の端部の下方に設けられている場合、居住者等の手が届きやすいためより好ましい。
一方、例えば樹脂部材1が上下方向に延伸した凹部11Bを有する縦型エアコン用の樹脂パネルである場合、平坦領域は樹脂部材1の上下の端部に設けられていてもよい。
また、平坦領域は、樹脂部材1における凹部11Bの延伸方向と垂直な方向の端部の少なくとも一方に設けられていても良い。樹脂部材1が左右方向に延伸した凹部11Bを有するエアコン用の樹脂パネルである場合、平坦領域が樹脂部材1の延伸方向である左右方向と垂直な上下方向の端部の少なくとも一方、すなわち樹脂部材1の上下の端部領域に設けられていてもよい。また、この場合、平坦領域は樹脂部材1の下端部に設けられている場合、居住者等の手が届きやすいためより好ましい。
(シボ)
シボは、凹部11Bが設けられた基材部12(樹脂部材1)の表面の少なくとも一部に設けられており、突出部11A及び凹部11Bが設けられた樹脂部材1の表面全面に設けられることが好ましい。さらに、シボは、樹脂部材1の表面において、突出部11A及び凹部11Bが設けられた領域と、突出部11A及び凹部11Bが設けられていない領域とのすべてに設けられることが特に好ましい。
シボは、ざらざらとした質感を与えるために樹脂部材1の表面に形成された細かい凹凸であり、例えば平面視で石目模様、梨地模様、砂目模様又は砂地模様に形成されることが好ましい。樹脂部材1の表面にシボが形成されている場合、樹脂部材1の表面が平坦で光沢を有する場合と比較して陶土等の自然の材料で形成されたかのような質感が得られ、樹脂部材1の陶器感がより向上する。
シボの深さは、10μm以上200μm以下であることが好ましく、30μm以上40μm以下であることがより好ましい。シボの深さがこの範囲内である場合、樹脂部材1が自然の材料で形成されたかのような質感がより向上し、樹脂部材1の陶器感がさらに向上する。
また、シボの深さは、すべて均一ではなく、位置によって上述した範囲で深さが異なることがより好ましい。これにより、樹脂部材1の表面形状がより自然になり陶器感がさらに向上する。
(表面凹凸)
さらに、樹脂部材1は、表面にシボよりも細かい表面凹凸が形成されていても良い。このような凹凸は、例えば樹脂材料にフィラーを混合して樹脂部材1を形成することにより得られる。フィラーにより、樹脂部材1の表面がざらついた質感となることにより、樹脂部材1の表面が平坦で光沢を有する場合と比較して陶土等の自然の材料で形成されたかのような質感が向上し、樹脂部材1の陶器感がより向上する。
(1.2)樹脂部材の構成材料
以上のような樹脂部材1は、樹脂材料と、樹脂材料に含まれるフィラーとを含んでいる。また、樹脂部材1は、樹脂材料及びフィラー以外の各種添加剤を含んでいてもよい。
(樹脂材料)
樹脂材料は、一般的な電化製品の筐体の一部となる樹脂部材に用いられる材料であればよく、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)が挙げられる。樹脂材料は、これら材料の一種を用いてもよく、二種以上の混合物又は共重合体を用いても良いが、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)及び耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)の少なくとも一方を用いることが好ましい。アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)及び耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)は、収縮が少なく突出部11Aの直線性が出やすい等成形加工性が良く、着色性が良好であり、さらに安価である点で好ましい。
樹脂材料は、所望の色彩を与えるための着色剤を含んでいてもよい。また、樹脂材料は、必要に応じて、例えば、マット剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、減摩剤及び光散乱剤等の各種の添加剤から選ばれる1種以上が添加されていてもよい。
(フィラー)
フィラーは、樹脂部材1の加飾のために樹脂材料に混入する添加材である。フィラーは、樹脂材料に混合される際に樹脂材料に対する分散性が良い材料であればよく、有機フィラー又は無機フィラーのいずれも用いることができる。有機フィラーは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル又はナイロン等の樹脂フィラーであることが好ましい。また、無機フィラーは、アルミニウム等の金属材料や石等であることが好ましい。なかでも、フィラーとしてポリエステルを用いることが好ましい。樹脂材料にフィラーを混合することにより、樹脂部材1の表面が光沢感のある平坦面ではなく、表面の粗さが向上して陶土等の自然の材料で形成した陶器のような質感が得られる。
フィラーは樹脂部材1を形成する樹脂材料よりも暗い色であることが好ましく、フィラーの明度が樹脂材料の明度よりも4以上小さいことがより好ましい。フィラーが樹脂材料よりも暗色であることにより、フィラーが混合された樹脂材料が陶器に用いられる陶土のような質感に見えやすくなるとともに、フィラーの明度が樹脂材料の明度よりも4以上小さい場合、樹脂材料に混合されたフィラーがより視認しやすくなり、樹脂部材1の陶器感が向上する。
樹脂部材1が家庭用電化製品に用いられる場合、フィラーは、例えば明度3以下かつ彩度3以下又は彩度がない暗色であることが好ましく、黒色又は灰色であることがより好ましい。家庭用電化製品で用いられる樹脂材料は例えば明度が7以上の明色である場合が多いためである。
フィラーは、円盤状であってもよく、繊維状であってもよいが、繊維状であることがより好ましい。フィラーが繊維状であることにより、樹脂部材1により自然な陶器感が発現する。また、例えばフィラーが暗色かつ円盤状の場合には、フィラーの寸法によってはカビや汚れのような付着物に見えて外観の清潔感が低下する場合があるが、フィラーが繊維状であることによりこのような外観不良を防止して、樹脂部材1の高級感が向上するためである。
フィラーが円盤状である場合、フィラーの大きさは、0.1mm以上0.5mm以下であることが好ましい。フィラーの大きさが0.1mm以上である場合、陶土を用いて形成したような印象を与えることができ、樹脂部材1の陶器感が向上するとともに、クラフト製品のような味わいを感じやすくなる。また、フィラーの大きさが0.5mm以下である場合、樹脂部材1の陶器感が向上するとともに、樹脂部材1の外観の清潔感が低下することを抑制する。ここで、フィラーの「大きさ」とは、円盤状のフィラーの直径の寸法をいう。
フィラーが繊維状である場合、フィラーの長さは、0.1mm以上0.6mm以下であることが好ましい。フィラーの長さが0.1mm以上である場合、陶土を用いて形成したような印象を与えることができ、樹脂部材1の樹脂部材1の陶器感が向上する。また、フィラーの長さが0.6mm以下である場合、樹脂部材1の陶器感が向上するとともに、クラフト製品のような味わいを感じやすくなり、外観の清潔感が向上する。ここで、フィラーの「長さ」とは、短径と長径を有する繊維形状のフィラーの長径の寸法をいう。
フィラーは、樹脂材料に対して0.05質量%以上2.7質量%以下混合されていることが好ましく、1.8質量%以上2.0質量%以下混合されていることがより好ましい。これにより、陶土を用いて形成したような印象を与えることができ、樹脂部材1の陶器感が顕著に向上するとともに、フィラーが汚れ等の付着物として感じられにくくなり、清潔感が向上するためである。
以上説明したように、樹脂部材11は、凹部11Bとシボとを有することにより居住者等に陶器感を感じさせやすくなり、さらにフィラーを含むことでより陶器感を感じさせやすくなる。このように、表面にシボが形成された樹脂部材11は、表面の光沢が無くなり、樹脂で形成された印象が弱くなり、居住者等に自然な印象を感じさせる。
また、樹脂部材11は、表面にシボが形成され、かつフィラーを含むことで、居住者等に対して一般的な樹脂製品と比較して高級な印象(高級感)を感じさせやすくなるとともに、陶土で形成した印象をより感じさせやすくなり、自然の素材で作ったような自然な印象を感じさせやすくなる。
また、樹脂部材11は、互いの幅がランダムとなるように複数の凹部11Bを配置することにより、居住者等に大量生産的でない手作り感を感じさせやすくなり、人の温もりを感じさせるような自然な印象を与えることができる。なお本開示の実施形態では、所定の方向に延伸する凹部11Bは、延伸方向に沿って均一の幅を持つ凹部としたが、本発明はこれに限られず、凹部11Bの幅は必ずしも延伸方向に沿って均一でなくても良く、幅が変化する、すなわち隣接する突出部11Aが平行にならなくてもよい。
(1.3)樹脂部材の製造方法
以上説明した樹脂部材1は、例えば射出成形により形成することができる。以下、樹脂部材1の製造方法について説明する。
射出成形に用いる金型は図示しないが、例えば樹脂部材1の裏面側に配置される下金型と、樹脂部材1の表面側に配置される上金型とを有しており、下金型と上金型とが合わさることで間に空洞部が形成される。この時、金型の一方はキャビティ(凹金型)であり、他方はコア(凸金型)となっている。凹金型の空洞部側面には、樹脂部材1の表面形状、すなわち突出部11A及び凹部11Bに対応する凹凸形状、又は凹凸形状及びシボに対応する微細な凹凸があらかじめ形成されている。また、凸金型の空洞部側面は、樹脂部材1の裏面形状に応じた表面形状であればよく、樹脂部材1にヒケが生じないようにするための肉盗み(肉抜き)が設けられていてもよい。凹金型及び凸金型の少なくとも一方には、樹脂を注入するための注入口が形成されている。また、凹金型及び凸金型の一方は固定金型であり、他方は可動金型である。
続いて、溶融させた樹脂材料とフィラーとを所定の割合で混合させて形成したペレットを成形機に入れる。また、可動金型(凹金型及び凸金型のいずれか一方)を移動させて凹金型及び凸金型によって空洞部を形成する。この後、ペレットを溶融させた溶融樹脂を注入口から注入して空洞部内を溶融樹脂で充填し、冷やして硬化させることにより、樹脂部材1を形成する。
このようにして、凹金型側に所望の突出部11A及び凹部11B、並びにシボが形成された樹脂部材1が得られる。このため、陶器のような質感を有する樹脂部材1が1つの工程で形成できるため、樹脂部材の製造工程が簡易となり製造コストも低減する。
なお、樹脂部材1は、射出成形以外の方法、例えば注型成形、圧縮成形又はプレス成形またはブロー成型のいずれかによって形成することもできる。
以下、実施例により、本実施形態に係る樹脂部材について詳細に説明する。
<実施例1:樹脂部材の構成による質感の評価>
実施例1では、凹部及びシボの有無と、樹脂材料に対するフィラーの混合の有無とによって、エアコンの樹脂パネルである樹脂部材から受ける質感にどのような相違があるかをそれぞれ評価した。
実施例1では、以下の実施例及び比較例の各樹脂部材について、樹脂部材から受ける質感を評価した。
(実施例1-1)
長さ0.3mmの黒色ポリエステルで形成された繊維状フィラーを1.8質量%混合したABS樹脂を用い、表面に凹部及びシボを有する縦205cm、横798cm(正面から見た場合の寸法)の樹脂部材を射出成形により形成した。このとき、複数の凹部を樹脂部材の長手方向(横方向)に延伸するように形成するとともに、凹部の幅を3.0mmから3.75mmのランダムな幅とした。すなわち、凹部の幅が、3.0mm、3.25mm、3.5mm、3.75mmのいずれかの幅であり、かつ幅の並び順がランダムとなるように凹部を形成した。また、梨地形状のシボを深さ35μmで樹脂部材の表面全面に形成した。
以上により、実施例1-1の樹脂部材を形成した。
(比較例1-1)
樹脂材料にフィラーを添加しなかった以外は実施例1-1と同様にして比較例1-1の樹脂部材を形成した。
(比較例1-2)
樹脂材料にフィラーを添加せず、表面に凹部を設けなかった(すなわち表面を平坦とした)以外は実施例1-1と同様にして比較例1-2の樹脂部材を形成した。
[評価1]
形成した実施例及び各比較例の樹脂部材を、壁に固定されたエアコン模型それぞれの正面に取り付けた。続いて、任意の成人13人を被験者とし、以下の各評価項目について、エアコン模型の取り付け位置から水平方向に200cm離れた位置からエアコン模型に取り付けられた樹脂部材を目視で評価させた。このとき、被験者は、実施例1-1、比較例1-1及び比較例1-2の樹脂部材のそれぞれについて、以下の評価内容を高く感じる順に「◎」「○」「△」「×」の4段階で評価した。また、被験者は、実施例1-1、比較例1-1及び比較例1-2のうちの2つ以上に同じ評価をしてもよいものとした。
(評価項目)
評価1-1:樹脂部材から高級感を感じるか
評価1-2:室内(インテリア)に調和すると感じるか
評価1-3:樹脂部材に陶器のような質感を感じるか
評価1-4:以下のURLで示されるサンプル写真に示された陶器Aに近い質感であると感じるか
評価1-5:樹脂部材の仕上がりに上質感があると感じるか
評価1-6:樹脂部材に優しさ・ぬくもり感があると感じるか
<URL> https://nordicdesign.ca/wp-content/uploads/2018/10/Home-of-a-Vintage-Scandinavian-Design-Collector-13.jpg (令和2年10月27日検索)
以下の表1に、各評価の結果を示す。
Figure 2022085830000002
上述した表1に示すように、実施例1-1の樹脂部材は、比較例1-1及び比較例1-2の樹脂部材と比較していずれの評価においても評価結果の高さが顕著であった。
また、比較例1-1及び比較例1-2を比較すると、フィラーが混合されていない場合であっても、凹部を有する比較例1-1の方が凹部を有していない比較例1-2と比較して高い評価を得た。
したがって、陶器感や高級・上質感、インテリアとの調和や優しさ・ぬくもり感のような人工的でない印象は、凹部によって向上し、凹部とフィラーの混合とによりより向上することが分かった。
<実施例2:凹部の幅に応じた質感の評価>
実施例2では、凹部の幅の違いによって、樹脂部材から受ける質感にどのような相違があるかをそれぞれ評価した。
実施例2では、以下の実施例の各樹脂部材について、樹脂部材から受ける質感を評価した。
(実施例2-1)
凹部の幅を3.0mmの均一な幅とし、樹脂部材をA4サイズ(縦210mm、横297mm)とした以外は実施例1-1と同様にして実施例2-1の樹脂部材を形成した。
(実施例2-2)
凹部の幅を2.75mmの均一な幅とした以外は実施例2-1と同様にして実施例2-2の樹脂部材を形成した。
(実施例2-3)
凹部の幅を2.5mmの均一な幅とした以外は実施例2-1と同様にして実施例2-3の樹脂部材を形成した。
[評価2]
形成した各実施例の樹脂部材を壁に固定した。続いて、任意の成人13人を被験者とし、以下の各評価項目について、樹脂部材の取り付け位置から水平方向に200cm離れた位置から樹脂部材を目視で評価させた。このとき、被験者は、各実施例の樹脂部材のそれぞれについて、以下の評価内容を高く感じる順に「◎」「○」「△」「×」の4段階で評価した。また、被験者は、各実施例のうちの2つ以上に同じ評価をしてもよいものとした。
(評価項目)
評価2-1:樹脂部材から高級感を感じるか
評価2-2:樹脂部材に陶器のような質感を感じるか
評価2-3:評価1-4と同様のサンプル写真に示された陶器Aに近い質感であると感じるか
評価2-4:樹脂部材の仕上がりに上質感があると感じるか
評価2-5:クラフト製品のような味わいのある質感を感じるか
評価2-6:プラスチック製品ではないような質感(非プラスチック製品感)を感じるか評価2-7:汚れが付着しやすいように感じるか
評価2-8:掃除をしやすいように感じるか
以下の表2に、各評価の結果を示す。
Figure 2022085830000003
上述した表2に示すように、凹部の幅が2.75mmの実施例2-2の樹脂部材は、凹部の幅が3.0mmの実施例2-1及び凹部の幅が2.5mmの実施例2-3の樹脂部材と比較して、いずれの評価においても評価結果の高さが顕著となった。また、実施例2-1及び実施例2-3から、凹部の幅が3.0mmの樹脂部材及び2.5mmの樹脂部材は、ほぼ同等の評価結果であるものの、実施例2-1の方がやや陶器感が高かった。
<実施例3:凹部の幅に応じた質感の評価>
実施例3では、凹部の幅を均一又はランダムにした場合に、樹脂部材から受ける質感にどのような相違があるかをそれぞれ評価した。
実施例3では、以下の実施例の各樹脂部材について、樹脂部材から受ける質感を評価した。
(実施例3-1)
凹部の幅を4.5mmの均一な幅とした以外は実施例2-1と同様にして実施例3-1の樹脂部材を形成した。
(実施例3-2)
凹部の幅を5.0mm、5.25mm、5.5mm、5.75mm、6.0mmのいずれかとし、これらの凹部の幅がランダムに配置されるように複数の凹部を形成した以外は実施例3-1と同様にして実施例3-2の樹脂部材を形成した。
[評価3]
形成した各実施例の樹脂部材を壁に固定した。続いて、任意の成人13人を被験者とし、以下の各評価項目について、樹脂部材の取り付け位置から水平方向に200cm離れた位置から樹脂部材を目視で評価させた。このとき、被験者は、実施例3-1及び実施例3-2のうち以下の評価内容をより感じる一方を選択するか、又は双方同程度であるかを評価した。
(評価項目)
評価3-1:樹脂部材に陶器のような質感を感じるか
評価3-2:クラフト製品のような味わいのある質感を感じるか
評価3-3:プラスチック製品ではないような質感(非プラスチック製品感)を感じるか評価3-4:樹脂部材に優しさ・ぬくもり感があると感じるか
以下の表3に、各評価の結果を示す。なお、表3には、各評価において実施例3-1を選択した人数と、実施例3-2を選択した人数とを示し、双方同程度であると評価した人数は記載しなかった。ここで、被験者数(13人)から実施例3-1を選択した人数と、実施例3-2を選択した人数とを引いた人数が双方同程度であると評価した人数である。
Figure 2022085830000004
上述した表3に示すように、凹部の幅をランダムとした実施例3-2の樹脂部材は、凹部の幅を均一とした実施例3-1の樹脂部材よりも陶器感、クラフト製品感及び優しさ・ぬくもり感が高い評価となった。一方、非プラスチック製品感は実施例3-1の方が高い評価となった。全体としては、凹部の幅がランダムとなるように樹脂部材を形成したほうが、自然で柔らかい印象を有する樹脂部材となることが分かった。
<実施例4:凹部の延伸方向の端部形状に応じた質感の評価>
実施例4では、凹部の端部形状を凹部の深さが徐々に浅くなる構造(端部フェードあり)又は深さが一定のままの構造(端部フェードなし)の場合に、樹脂部材から受ける質感にどのような相違があるかをそれぞれ評価した。
実施例4では、以下の実施例の各樹脂部材について、樹脂部材から受ける質感を評価した。
(実施例4-1)
凹部の端部形状が端部まで高さが一定となり、端部がぶつ切りの形状となる端部フェードなしの構造とした以外は実施例3-1と同様にして実施例4-1の樹脂部材を形成した。
(実施例4-2)
凹部の端部形状が端部にむけて高さが徐々に低くなり、端部がスプーンカット形状となる端部フェードありの構造とした以外は実施例4-1と同様にして実施例4-2の樹脂部材を形成した。
[評価4]
形成した各実施例の樹脂部材を壁に固定した。続いて、任意の成人13人を被験者とし、以下の各評価項目について、樹脂部材の取り付け位置から水平方向に200cm離れた位置から樹脂部材を目視で評価させた。このとき、被験者は、実施例4-1及び実施例4-2のうち以下の評価内容をより感じる一方を選択するか、又は双方同程度であるかを評価した。
(評価項目)
評価4-1:樹脂部材から高級感を感じるか
評価4-2:樹脂部材に陶器のような質感を感じるか
評価4-3:樹脂部材の仕上がりに上質感があると感じるか
評価4-4:クラフト製品のような味わいのある質感を感じるか
評価4-5:プラスチック製品ではないような質感を感じるか
評価4-6:樹脂部材に優しさ・ぬくもり感があると感じるか
以下の表4に、各評価の結果を示す。なお、表4には、各評価において実施例4-1を選択した人数と、実施例4-2を選択した人数とを示し、双方同程度であると評価した人数は記載しなかった。ここで、被験者数(13人)から実施例4-1を選択した人数と、実施例4-2を選択した人数とを引いた人数が双方同程度であると評価した人数である。
Figure 2022085830000005
上述した表4に示すように、凹部を端部フェードありの構造とした実施例4-2の樹脂部材は、凹部を端部フェードなしの構造とした実施例4-1の樹脂部材と比較していずれの評価も評価結果が顕著に高かった。このため、凹部を端部フェードありの構造とすることが好ましいことが分かった。
<実施例5:フィラー形状及びサイズに応じた質感の評価>
実施例5では、樹脂材料に混合するフィラーの形状及び大きさによって、樹脂部材から受ける質感にどのような相違があるかをそれぞれ評価した。
実施例5では、以下の実施例の各樹脂部材について、樹脂部材から受ける質感を評価した。
(実施例5-1)
フィラーの大きさを0.1mmとし、樹脂部材を縦70mm、横100mmの矩形状とした以外は実施例3-1と同様にして実施例5-1の樹脂部材を形成した。
(実施例5-2)
フィラーの大きさを0.3mmとした以外は実施例5-1と同様にして実施例5-2の樹脂部材を形成した。
(実施例5-3)
フィラーの大きさを0.5mmとした以外は実施例5-1と同様にして実施例5-3の樹脂部材を形成した。
(実施例5-4)
フィラーの長さを0.1mmとした以外は実施例5-1と同様にして実施例5-4の樹脂部材を形成した。
(実施例5-5)
フィラーの長さを0.6mmとした以外は実施例5-1と同様にして実施例5-4の樹脂部材を形成した。
[評価5]
形成した各実施例の樹脂部材を壁に固定した。続いて、任意の成人13人を被験者とし、以下の各評価項目について、樹脂部材の取り付け位置から水平方向に200cm離れた位置から樹脂部材を目視で評価させた。このとき、被験者は、各実施例の樹脂部材のそれぞれについて、以下の評価内容を強く感じる順に「◎」「○」「△」「×」の4段階で評価した。また、被験者は、実施例5-1~実施例5-3のうちの2つ以上と、実施例5-4及び実施例5-5の2つに同じ評価をしてもよいものとした。
(評価項目)
評価5-1:樹脂部材に陶器のような質感を感じるか
評価5-2:クラフト製品のような味わいのある質感を感じるか
評価5-3:混入物(フィラー)が樹脂部材の柄(装飾)であると感じるか
評価5-4:混入物(フィラー)が汚れ等の付着物ではないように感じるか
評価5-5:清潔感を感じるか
以下の表5に、各評価の結果を示す。
Figure 2022085830000006
上述した表5に示すように、フィラーの大きさが0.2mm以下である実施例5-1及び実施例5-2の樹脂部材は、フィラーの大きさが0.3mmである実施例5-3の樹脂部材と比較して、いずれの評価においても評価結果が顕著であった。特に、フィラーの大きさが0.1mmである実施例5-1の樹脂部材は、混入物(フィラー)が汚れ等の付着物ではないように感じる効果が高くなった。
また、フィラーの長さが0.1mm以下である実施例5-4の樹脂部材は、フィラーの長さが0.3mmである実施例5-5の樹脂部材と比較して、いずれの評価においても評価結果が顕著であった。
以上から、フィラーの大きさをより小さくするか、又はフィラーの長さより短くすることが好ましいことが分かった。
<実施例6:フィラーの混合量に応じた質感の評価>
実施例6では、樹脂材料に混合するフィラーの混合量の違いによって、樹脂部材から受ける質感にどのような相違があるかをそれぞれ評価した。
実施例6では、以下の実施例の各樹脂部材について、樹脂部材から受ける質感を評価した。
(実施例6-1)
樹脂材料に対するフィラーの混合量を1.8質量%とし、樹脂部材を縦70mm、横100mmの矩形状とした以外は実施例1-1と同様にして実施例6-1の樹脂部材を形成した。
(実施例6-2)
樹脂材料に対するフィラーの混合量を2.0質量%とした以外は実施例6-1と同様にして実施例6-2の樹脂部材を形成した。
(実施例6-3)
樹脂材料に対するフィラーの混合量を2.2質量%とした以外は実施例6-1と同様にして実施例6-3の樹脂部材を形成した。
(実施例6-4)
樹脂材料に対するフィラーの混合量を2.5質量%とした以外は実施例6-1と同様にして実施例6-4の樹脂部材を形成した。
(実施例6-5)
樹脂材料に対するフィラーの混合量を2.7質量%とした以外は実施例6-1と同様にして実施例6-4の樹脂部材を形成した。
[評価6]
形成した各実施例の樹脂部材を壁に固定した。続いて、任意の成人13人を被験者とし、以下の各評価項目について、樹脂部材の取り付け位置から水平方向に200cm離れた位置から樹脂部材を目視で評価させた。このとき、被験者は、各実施例の樹脂部材のそれぞれについて、以下の評価内容を高く感じる順に「◎」「○」「△」「×」の4段階で評価した。また、被験者は、各実施例のうちの2つ以上に同じ評価をしてもよいものとした。
(評価項目)
評価6-1:樹脂部材に陶器のような質感を感じるか
評価6-2:クラフト製品のような味わいのある質感を感じるか
評価6-3:混入物(フィラー)が樹脂部材の柄(装飾)であると感じるか
評価6-4:混入物(フィラー)が汚れ等の付着物ではないように感じるか
評価6-5:清潔感を感じるか
以下の表6に、各評価の結果を示す。
Figure 2022085830000007
上述した表6に示すように、各評価においてフィラーの混合量が少ないほど高い評価結果が得られ、フィラーの混合量が2.0質量%以下である実施例6-1及び実施例6-2の樹脂部材は、フィラーの混合量がそれよりも多い実施例6-3、実施例6-5の樹脂部材と比較して、いずれの評価においても評価結果が顕著であった。このため、フィラーの混合量は少ないほど好ましく、2.0質量%以下であることが特に好ましいことが分かった。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の技術的範囲には限定されない。上述した実施形態に、多様な変更又は改良を加えることも可能であり、そのような変更又は改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 樹脂部材
11 線状突出部
11A 突出部
11B 凹部

Claims (18)

  1. フィラーが混合された樹脂材料によって形成された基材部と、
    前記基材部の一方の面に並んで形成された所定の方向に延伸する複数の凹部と、
    を有し、
    前記凹部が形成された前記基材部の表面にシボが形成された樹脂部材。
  2. 前記基材部の断面視における前記凹部が曲線形状となっている
    請求項1に記載の樹脂部材。
  3. 断面視における前記曲線形状は、楕円の弧の形状となっている
    請求項2に記載の樹脂部材。
  4. 複数の前記凹部は、互いに同じ深さを有している
    請求項1から3のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  5. 前記凹部の深さは、0.1mm以上0.3mm以下である
    請求項1から4のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  6. 複数の前記凹部の幅は、ランダムになっている
    請求項1から5のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  7. 前記凹部の幅は、3.0mm以上6.0mm以下である
    請求項1から6のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  8. ランダムになっている前記凹部の幅差は、0.2mm以上0.3mm以下である
    請求項6に記載の樹脂部材。
  9. ランダムになっている前記凹部の幅は、複数種類の幅から選択されたいずれかの幅である請求項6に記載の樹脂部材。
  10. 前記凹部は、前記凹部の延伸方向の端部に向かって深さが徐々に浅くなる形状となっており、
    複数の前記凹部の端部の位置は、ランダムになっている
    請求項1から9のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  11. 複数の前記凹部のうち、前記凹部の延伸方向の最も外側まで延伸する凹部の端部と、最も内側に位置する凹部の端部との位置が、1.5mm以上離れている
    請求項1から10のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  12. 前記フィラーの明度と前記樹脂材料の明度との差が3以上である
    請求項1から11のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  13. 前記フィラーは、円盤状であり、
    前記フィラーの大きさは、0.1mm以上0.5mm以下である
    請求項1から12のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  14. 前記フィラーは、繊維状であり、
    前記フィラーの長さは、0.1mm以上0.6mm以下である
    請求項1から12のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  15. 前記フィラーは、前記樹脂材料に対して1.8質量%以上2.0質量%以下混合されている
    請求項1から14のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  16. 前記シボの深さは、10μm以上200μm以下である
    請求項1から15のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  17. 前記基材部は、一部が湾曲して前記一方の面に曲面を有し、
    前記凹部は、少なくとも曲面の領域に設けられている
    請求項1から16のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  18. 請求項1から17のいずれか1項に記載の樹脂部材がフロントパネルとして正面に取り付けられている、
    空気調和機の室内機。
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