JP6949753B2 - 複合成形体の製造方法及びその製造方法に用いる成形型並びに複合成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、複合成形体の製造方法及びその製造方法に用いる成形型並びに複合成形体に関するものである。
近年、発泡粒子成形体と、該発泡粒子成形体に埋設された剛性部材との複合成形体が製造されている。このような複合成形体としては、例えば、図6に示すような、自動車用座席シートのシート芯材7として、発泡粒子成形体8の内部に金属等からなる剛性部材5を埋設することにより、発泡粒子成形体8と剛性部材5とを一体化させた複合成形体が例示される。このシート芯材7における剛性部材5は、自動車衝突時の補強用の部材や、車両本体への取り付け用の部材、表皮との接合のための係止部材などとして発泡粒子成形体8に埋め込まれ、車両本体への取り付け用の部材とする場合には、発泡粒子成形体8から剛性部材5の一部がフック状に露出するように設計される。
このような剛性部材5が発泡粒子成形体8に埋め込まれ、且つ、剛性部材5の一部がフック状に発泡粒子成形体8から露出して成形されているシート芯材7は、一般的に以下のようにして製造される。
まず、成形型内の所定の位置に剛性部材5を配置する。その際、フック状に突出させる剛性部材5の一部は、成形型に形成された凹部に収納して配置する。次いで、その状態で原料の発泡粒子を成形型内に充填した後、発泡粒子同士を融着させて一体的に型内成形させる。
上記の方法により成形した複合成形体のシート芯材7では、型内成形の際に、フック状の突出部を収納した成形型の凹部の開口部から原料の発泡粒子が入り込むため、成形後のフック状の突出部における、剛性部材5と発泡粒子成形体8とにより囲まれた空隙部9にバリが形成される場合があった。そして、空隙部9に形成されたバリを完全に除去する後工程が必要になるため、生産効率が著しく低下するという問題があった。
このような問題に対して、これまでに種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1に記載された方法では、成形型の凹部に付勢手段を備えた開閉体を設けて、この開閉体により突起部を挟み込んだり、弾性体により突起部を挟み込み、バリを発生させないようにしている。
国際公開WO2015/159691号公報
上記特許文献1の提案によれば、成形型凹部内に突起部を収納した状態で凹部の開口部を閉塞状態にできるため、原料である発泡粒子の侵入を防止することができ、バリの発生を抑制することができるとしている。
しかしながら、特許文献1の提案では、基本的に付勢手段を用いて突起部を挟み込む構造であるため、成形型装置自体の構造が複雑となり、成形型凹部内の清掃やメンテナンスが煩雑になるという問題があった。また、成形型凹部内における開閉装置の占有体積が大きいため、複雑な形状の突出部には対応しづらいという問題があった。
本発明は、上記の問題を解消するためになされたものであって、露出部に形成されるバリの発生を防止できる複合成形体の製造方法及び、複雑な形状の突起部等にも対応可能であり、成形型凹部のメンテナンス性や配置変更などの取扱い性に優れた成形型、並びに突出部にバリの発生がない複合成形体を提供することを課題とする。
本発明は、以下に記載の複合成形体の製造方法及びその製造方法に用いる成形型並びに複合成形体を提供する。
<1>発泡粒子成形体と、前記発泡粒子成形体に埋設された剛性部材との一体成形体からなり、前記発泡粒子成形体から前記剛性部材の一部分が露出している露出部を備える複合成形体の製造方法であって、前記露出部を収納可能な凹部が設けられ、且つ、前記凹部の開口部に扉回動部材を介して接続された、開閉切替部と前記開口部を閉塞させる扉部とを有する開閉扉が設けられている成形型を用い、前記露出部を収納する際に前記開閉切替部に前記露出部を当接させ、前記開閉扉を回動させて前記露出部を前記凹部内に収納すると共に、前記扉部により前記凹部の開口部を閉塞させた後、前記成形型内に発泡粒子を充填して型内成形を行うことを特徴とする複合成形体の製造方法。
<2>前記開閉扉は、前記扉回動部材の回転軸断面において、前記開閉切替部と前記扉部が略L字形状に接続されていることを特徴とする<1>に記載の複合成形体の製造方法。
<3>前記開閉扉の開閉位置を保持する磁石が前記成形型に設けられていることを特徴とする<1>又は<2>に記載の複合成形体の製造方法。
<4>発泡粒子成形体と、該発泡粒子成形体に埋設された剛性部材との一体成形体からなり、前記発泡粒子成形体から前記剛性部材の一部分が露出している露出部を備える複合成形体を型内成形するための成形型であって、前記成形型には、前記露出部を収納可能な凹部が設けられ、該凹部の開口部には、扉回動部材を介して接続された、開閉切替部と前記開口部を閉塞させる扉部を有する開閉扉が設けられており、前記開閉扉を回動させ、前記扉部により前記凹部が閉塞可能であることを特徴とする成形型。
<5><4>に記載の成形型を使用して型内成形してなる複合成形体であって、前記複合成形体は、発泡粒子成形体と、該発泡粒子成形体に埋設された剛性部材との一体成形体からなり、前記複合成形体は前記発泡粒子成形体から前記剛性部材の一部が露出している露出部を備え、前記露出部を構成する剛性部材が略U字形状であり、前記複合成形体は前記発泡粒子成形体と前記露出部を構成する略U字形状の剛性部材とにより囲まれる領域にバリを有しないことを特徴とする複合成形体。
本発明による複合成形体の製造方法によれば、確実に露出部に形成されるバリの発生を防止できる。また、上記複合成形体の製造方法に用いる本発明の成形型は、複雑な形状の剛性部材の露出部にも対応可能であり、成形型凹部のメンテナンス性や配置変更などの取扱い性に優れている。さらに、上記本発明の成形型及び製造方法により製造した複合成形体は、成形後、成形型から取り出した状態で、剛性部材の露出部にバリの発生がない複合成形体である。
本発明の成形型における凹部開口部を示した部分斜視図である。 図1に示す成形型における開閉扉の動作説明断面図であり、(A)は剛性部材載置前、(B)は剛性部材載置後を示した概略断面図、(C)は背面側から見た斜視図である。 (A)は天板部を設けた実施形態の成形型の凹部開口部を示した部分斜視図である。(B)は開閉扉の両側に凹部開口部を設けた実施形態を示す斜視図である。 図3に示す成形型における開閉扉の動作説明断面図であり、(A)は剛性部材載置前、(B)は剛性部材載置後を示した概略断面図である。 (A)〜(C)は、成形型に装着する開閉扉ユニットの実施形態を示す概略斜視図である。 自動車用のシート芯材としての本発明の複合成形体を示す概略斜視図であり、車体に取り付けられる露出部50を有する。 (A)〜(C)は、バリが形成される空隙部の態様を示す概略図である。 扉回動部材の回動をボールプランジャーにより仮止めする実施形態の動作説明断面図であり、(A)は剛性部材載置前、(B)は剛性部材載置後を示した概略断面図である。
以下に、本発明の複合成形体の製造方法及びこれに用いる成形型について説明する。
まず、本発明の複合成形体の製造方法に用いる成形型について、図面を用いて説明する。図1は本発明の成形型における凹部開口部を示した部分斜視図である。本発明の成形型1は、発泡粒子成形体8と、発泡粒子成形体8に埋設された剛性部材5との一体成形体からなり、発泡粒子成形体8から剛性部材5の一部分が露出する露出部50を備える複合成形体7を型内成形するためのものである。なお、該一体成形体は、発泡粒子成形体8と発泡粒子成形体8に埋設された剛性部材5とを備えていればよく、他の部材などが共に一体成形されていてもよい。
成形型1には、複合成形体7から露出する部分となり得る箇所である露出部50を収納可能であり、キャビティー面から凹んだ凹部10が設けられている。凹部10のキャビティー側開口部11には、扉回動部材23を介して接続された開閉切替部21と扉部22を有する開閉扉2が設けられている。開閉扉2を構成する開閉切替部21と扉部22は、図1、図2(A)、(B)に示すように所定の断面角度を持って各々の一端辺部同士が接続されており、接続部には扉回動部材23が設けられ、扉回動部材23を介して開閉扉2が成形型1のキャビティー側開口部11の縁に取り付けられている。
開閉切替部21の面積はキャビティー側開口部11の面積以下に設定されている。少なくとも、開閉切替部21は剛性部材5が当接することができるように形成されていればよい。そして、扉回動部材23を軸に開閉扉2が回動して、開閉切替部21が凹部10内に移動するとともに扉部22によりキャビティー側開口部11を閉塞するようになっている。なお、前記扉回動部材23の回転軸断面視において、開閉扉2における開閉切替部21と扉部22がなす角度は特に限定されないが、剛性部材5の露出部50が収納できる角度であればよく、略L字形状であることが好ましく、収納作業性等を考慮した場合、70〜100°が好ましく、80〜90°がさらに望ましい。また、開閉切替部21は、キャビティー側開口部11の面積に合わせて形成された場合には、開閉切替部21を内扉として機能させ、扉部22を外扉として機能させることもできる。この場合には、扉部22が開いた状態でも、開口部11を開閉切替部21により形成された内扉により閉塞させることができる。開閉切替部21と扉部22とは、開閉扉として機能すれば、少なくともその一部が上記角度で扉回動部材23に接続されていることが好ましい。
また、本発明の成形型1においては、キャビティー側開口部11の近くに、開閉扉2の開閉状態を保持するための保持手段を設けることが好ましい。保持手段としては、例えば、磁石3により開閉扉2の開閉状態を一時的に保持する手段、扉回動部材23の回動を押圧などにより仮止めする手段などが挙げられる。
磁石3を用いる場合、開閉扉2の材質を磁石3に引きつけれられる材質とすることにより、開閉切替部21及び扉部22の開閉状態を一時的に保持することが可能となり、剛性部材5の露出部50の凹部10内への収納作業を効率的に行うことが可能となる。
具体的な磁石3の配設位置は、成形する複合成形体の形状、即ち、成形型1の設計に応じて適宜決定することができ、例えば、キャビティー側開口部11近傍に設けることができる。これにより、開閉切替部21又は扉部22を磁石3の磁力により引きつけ、一時的に開閉状態を保持することができる。なお、例えば、図1、図2(A)〜(C)に示すような開閉扉2の背面側に磁石3を埋め込むように設ける場合には、成形型表面から0.5mm程度突出するように設けるのが望ましい。磁石3を成形型表面から突出させることにより、開閉扉2が開いた状態では扉部22を保持して安定させることができる。また、磁石3を成形型1に埋め込むことにより、開閉扉2を閉じたときに、開閉切替部21を凹部10の内壁に引き付けて安定させることができる。また、開口部11に沿って長尺の磁石3を設けたり、複数設けることにより、開閉扉2をさらに安定して保持させることができる。
扉回動部材23の回動を押圧などにより仮止めする場合には、例えば、図8に示すように、扉部22の開閉位置に合わせて、ボールプランジャー25などを用いて押圧によって一時的に扉部22の開閉状態を保持することが好ましい。さらには、扉部22の開閉位置に合わせて扉回動部材23に切欠き26を設け、ボールプランジャー25などを用いて該切欠き26にはまり込むようにして保持してもよい。
上記の構造の成形型1によれば、剛性部材5の載置に際し、扉部22が開口部11の外方に位置して開いている状態から、扉部22に対して扉回動部材を介して開口部11付近に存在している開閉切替部21に、剛性部材5の露出部50を当接させて開口部側から凹部10内に剛性部材5を押し込むことにより、開閉扉2を回動させて、剛性部材5の露出部50を凹部10内に収納した状態で扉部22により凹部10を閉塞させることが可能となる。
また、剛性部材5に形成される露出部50がU字状等である場合には、扉部22の扉回動部材23の接合部とは反対側の一端辺の縁には、剛性部材5が挿通可能な形状の挿通部24が設けることができる。図1のように、挿通部24に剛性部材5を挿通させることにより、キャビティー側開口部11を扉部22により閉じた状態においても、確実に凹部10内に剛性部材5を収納、閉塞させることができる。これらの場合には、扉部22は、開口部11を閉じ、成形に用いられる発泡粒子が凹部10内に侵入しない程度に閉塞させることが好ましく、概ね、5mm以下、さらに好ましくは3mm以下の空間であることが好ましい。なお、凹部10は、露出部10の突出する方向に形成されており、凹部10の深さ方向が、成形型の開閉方向となるように形成することが好ましい。
本発明の成形型1においては、キャビティー側開口部11に、図3(A)、図4(A)、(B)に示すような天板部4を設けることができる。この場合、天板部4はキャビティー側開口部11の一部を覆うように設けられ、天板部4により覆われていない部分に開閉扉2が設けられる。また、開口部11の対向する縁部の各々に、開口部11の中央に向けて対向するように開閉扉2を2つ設け、両扉の形状とすることもできる。また、図3(B)に示すように、開口部11の両端に開閉扉2で覆わない部分を設けて、剛性部材5の露出部50の内側の空隙部9のみを開閉扉11で覆うようにしてもよい。また、上記空隙部9が形成されている場合には、凹部10内に収容された露出部50を取り出す際に、扉部22に空隙部9を形成する剛性部材5が引っかかり、扉部22を開くことが可能となる。
天板部4の一端辺の縁には、剛性部材5が挿通可能な挿通部24を設けることができる。この場合、開閉扉2扉部22の一端辺の縁には、挿通部24を設ける必要がないが、例えば、剛性部材5の断面形状が円形の場合には、図3(A)、図4(A)、(B)に示すように、天板部4と扉部22の各々の縁に半円形の挿通部24を設けて、扉部22により凹部10を閉塞させたときに剛性部材5の断面形状と同等の円形となるように設けることもできる。
天板部4は、キャビティー側開口部11の上面視における挿通部24の位置を調整するために設けるものであり、例えば、キャビティー側開口部11上面視の中央部付近に挿通部24を配設させることができる。このように凹部10に対して天板部4と開閉扉2との位置関係、即ち、剛性部材5の挿通位置を考慮して配設することにより、開口部11に対して斜め方向に突出した剛性部材5や、複雑な形状の剛性部材5も凹部10内に収納させることが可能になる。
なお、上記の成形型1においては、成形型1のキャビティー側開口部11に対して直接開閉扉2を設け、さらに天板部4を設けた構成としているが、例えば、図5(A)〜(C)に示すように、上部に開口部を有するケース部60の開口部61に、扉回動部材23を介して開閉切替部21と扉部22からなる開閉扉2を開閉可能に取り付けた構造の開閉扉ユニット6を成形型1の凹部10に内設させた成形型1を用いることもできる。
また、開閉扉ユニット6においても、開閉扉2の扉部22の一端辺の縁に挿通部24を設けることができる。さらに、ケース部60の開口部61の一部を覆うように天板部4を設け、天板部4の一端辺の縁の所定の位置に剛性部材5を挿通可能な挿通部24を設けることもできる。
さらに、ケース部60の開口部61に、開閉扉2の開閉位置を保持するための磁石3を設けることができる。開閉扉ユニット6に対して磁石3を配設する位置は、特に限定されるものではなく、例えば、ケース部60の開口部61や天板部4の縁部近傍、また、図5(C)に示すような開閉扉ユニット6のケース部60の開口部61の立ち上がり部62に設けることができる。これにより、剛性部材5載置前の扉部22の保持が可能となる。
なお、開閉扉ユニット6の成形型1凹部10への内設は、開閉ユニットのケース部60及び成形型1の凹部10の底部等に設けたねじ穴を介して、ねじやボルト等の固定部材により固定することができる。成形型1の凹部10に対して着脱可能な開閉扉ユニットを用いることにより、成形型1の凹部10の位置を変更するのなどの設計変更やメンテナンスを容易に行うことが可能となる。
以下に、本発明の成形型1を用いた、複合成形体の製造方法について詳述する。なお、以下は自動車用の芯材7を例としているが、本発明の製造方法は、発泡粒子成形体8から剛性部材5の一部分が露出する露出部50を備えた複合成形体であれば適用することができる。シート芯材7としての複合成形体は、図6に示すように、発泡粒子成形体8と、発泡粒子成形体8に埋設された剛性部材5との一体成形体であり、発泡粒子成形体8から剛性部材5の一部分が露出する露出部50を備えた複合成形体である。なお、露出部50は、自動車のフレームと取り付けられる。したがって、車体取り付け時には、図6の露出部側が下面側となる。
上記複合成形体の製造方法は、剛性部材5をインサート成形することにより得られる。まず、成形型1として金属製の金型のキャビティー内の所定の位置に剛性部材5を載置する。この際、剛性部材5の一部分が露出する露出部50となる部分を、本発明の成形型1の凹部10に収納する。具体的には扉部22が開口部11を閉塞しておらず開閉切替部21が開口部11に位置している状態から、凹部10の開口部11に設けられた開閉扉2の開閉切替部21に対して、剛性部材5の露出する部分を当接させる。そして、剛性部材5を凹部10内に押し込むことにより、扉回動部材23を介して開閉扉2を回動させて、剛性部材5の露出部50を凹部10内に導入する。そして、開閉切替部21の回動に伴い、扉部22により凹部10が閉塞し、剛性部材5の露出する部分が凹部10内に閉塞状態でセットされる。なお、扉部22は、型内成形時に発泡粒子が凹部10に入りこまない程度に、凹部10の開口部11を閉塞していればよい。上記により、剛性部材5と発泡粒子成形体8とに囲まれた空隙部9に発泡粒子が入り込むことが防止されるので、バリの発生が効果的に防止される。
例えば、剛性部材5が露出する部分としては、図7(a)示されるように、上記部分が、発泡粒子成形体8の端部から突出して露出し、剛性部材5が略U字形状に形成される態様が挙げられる。この場合、発泡粒子成形体の外方に向かって延びる柱部と、前記柱部から延設されて発泡粒子成形体から外方に突出し、前記柱部の先端部分を連結する掛け止め部からなることが好ましい。また、前記発泡粒子成形体内に埋設され、柱部と連結されている台座部を有することが好ましい。なお、略U字の露出部の剛性部材と発泡粒子成形体8の端部によって囲まれる空隙部9に、発泡粒子が埋まり成形されてしまうバリが発生しやすくなる。したがって、本発明の成形型を使用して型内成形してなる複合成形体において、前記複合成形体が、発泡粒子成形体と、該発泡粒子成形体に埋設された剛性部材との一体成形体からなり、前記複合成形体は前記発泡粒子成形体から前記剛性部材の一部が露出している露出部を備え、前記露出部を構成する剛性部材が略U字形状である場合には、前記複合成形体は前記発泡粒子成形体と前記略U字形状の剛性部材とにより囲まれる領域にバリを有しないものとなる。
また、他の露出部の態様としては、図7(b)に示されるように、発泡粒子成形体8に凹部が形成されており、その凹部を剛性部材5が横断しているような態様が挙げられる。この場合には、剛性部材5と発泡粒子成形体8の凹部分とで囲まれる空隙部9にバリが発生しやすくなる。なお、本発明においては、剛性部材5が発泡粒子成形体8から露出していれば、上記の態様以外であっても、適用することができる。なお、上記空隙部9は、必ずしも、剛性部材5と発泡粒子成形体8とによって、完全に閉じて囲まれている必要はない。
剛性部材5における露出部50の形状は、複合成形体の設計に応じて適宜決定されるものであり、特に限定されることはなく、例えば、成形型1キャビティー側開口部11に対して斜め方向に突出していたり、複雑な形状で突出していてもよい。本発明の成形型1によれば、凹部10内に余計な構造物を設ける必要が一切ないため、広いスペースを確保することができ、上記のような複雑な形状の露出部50に対しても適用が可能である。
剛性部材5の材質としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属、樹脂が挙げられる。なお、シート芯材7としての複合成形体の強度を向上させる観点からは金属製が好ましく、特に鋼材が好ましい。また、剛性部材5は、ワイヤー部材、パイプ部材、板状部材、線状部材、管状部材、棒状部材等、任意の形状のものを用いることができる。例えば、シート芯材7として用いる場合には、直径2〜20mmの棒状または線状の剛性部材5を用いることが好ましい。剛性部材5の直径は、3〜10mmがより好ましく、4〜7mmがさらに好ましい。また、剛性部材5の断面形状は、円形に限定されず、例えば多角形であってもよい。
さらに、剛性部材5は、引張強さが200N/mm以上であることが好ましく、シート芯材7の強度を向上させる観点から、250〜1300N/mmであることがより好ましい。また、剛性部材5の降伏点は、400N/mm以上であることが好ましく、440N/mm以上であることがさらに好ましい。なお、剛性部材5の物性は、JIS G3532に基づいて測定することができる。
次に、上記の剛性部材5をキャビティー内に配設して成形型1を閉じた後、キャビティー内に発泡粒子を充填して発泡粒子成形体8を型内成形する。発泡粒子がキャビティー内に導入される際には、露出部50が収納された凹部10の開口部が扉部22により閉じられているので、露出部50部分への発泡粒子の侵入が防止される。
充填する発泡粒子は、この種の発泡粒子成形体を製造するためのものであれば用いることができる。発泡粒子成形体8は、熱可塑性樹脂発泡粒子により成形することができる。発泡粒子成形体8を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタン等が挙げられる。また、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との複合樹脂、上記の樹脂の2種以上の混合物等を挙げることができる。これらの中でも、軽量性や強度の観点からは、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との複合樹脂が好ましい。中でもポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。なお、上記樹脂には添加剤として、ホウ酸亜鉛等の気泡調整剤、帯電防止剤、導電性付与剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属不活性剤、顔料、染料、結晶核剤、又は無機充填材等の各種の添加剤等を添加することができる。
そして、これらの発泡粒子は通常公知の方法により製造することができる。例えば、プロピレン系樹脂発泡粒子は、オートクレーブ等の加圧可能な密閉容器内の所要量の分散媒体(通常は水)に、所望により界面活性剤を添加し、樹脂粒子を分散させ、発泡剤を圧入して加熱下に撹拌して発泡剤を樹脂粒子に含浸させ、所定時間経過後、高温高圧条件下の容器内から分散媒体とともに発泡剤を含浸した樹脂粒子を低圧域(通常大気圧下)に放出して、発泡させ発泡粒子を得る方法等により製造される。
上記発泡粒子をキャビティー内に充填した後、加熱スチームを成形型1内に導入して発泡粒子を加熱して二次発泡させ、さらに発泡粒子同士を融着させて発泡粒子成形体8を成形するとともに、剛性部材5と一体化させる。その後成形型1から脱型して、複合成形体を製造することができる。成形型1内の加熱条件は、発泡粒子成形体8の成形後の物性を考慮して適宜設定することができる。なお、発泡粒子成形体を構成する発泡粒子の接着方法は、スチーム等の加熱媒体による発泡粒子同士の融着に限定されることはなく、成形型内に発泡粒子を充填して発泡粒子成形体を形成できれば、その他の方法も適用することができ、例えば、接着剤を用いて発泡粒子同士を接着するなどしてもよい。
成形後の発泡粒子成形体8の成形体密度は、0.015〜0.5g/cmが好ましい。強度や軽量性に優れたシート芯材7とする観点からは、発泡粒子成形体8の成形体密度は0.025〜0.3g/cmであることがより好ましく、0.03〜0.1g/cmであることがさらに好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子成形体8の場合には、成形体密度が0.018〜0.07g/cmであることが好ましく、成形体密度が0.020〜0.06g/cmであることが更に好ましい。
また、異なる成形体密度を有する発泡粒子成形体8を複数組み合わせて、一つの発泡粒子成形体8とすることもできる。この場合には、発泡粒子成形体8全体の平均の成形体密度が上記の数値範囲内にあればよい。なお、ここで用いる成形体密度は、発泡粒子成形体8を水没させて測定する水没法により求めることができる。
本発明における、発泡粒子成形体8に埋設された剛性部材5との複合成形体において、上記「埋設」とは、発泡粒子成形体8内に剛性部材5の少なくとも一部が一体化されたことを意味し、例えば、剛性部材5が発泡粒子成形体8に密着して取り囲まれている場合だけでなく、剛性部材5の周囲に部分的または全体的に形成された空間を介して剛性部材5が発泡粒子成形体8に取り囲まれている場合も含む。
例えば、本発明の複合成形体が、自動車用シートの芯材として図6のように使用される場合には、シート芯材7における剛性部材5は、フレーム部材として発泡粒子成形体8の内部に埋設されて一体化され、シート芯材7の強度の向上及びその一部が車両本体への取り付け部材として機能する。また、剛性部材5は、その軸方向の全長が発泡粒子成形体8に埋設されている必要はなく、剛性部材5の一部が発泡粒子成形体8から外部に露出されていてもよい。なお、シート芯材7の強度の観点からは、剛性部材5の露出部50は剛性部材5の全体長さの50%以下であることが好ましい。
上記条件で型内成形した複合成形体を成形型1から脱型する際は、剛性部材5の露出部50を成形型1の凹部10から引き出すように複合成形体を引き出して、剛性部材5を開口側にスライドさせ、剛性部材5と扉部22とを接触させることで開閉扉2を回動させて、扉部22を開口部11の外方に向けて開かせることにより、容易に取り出すことができる。具体的には、剛性部材5が前記柱部と前記掛け止め部からなる場合には、前記掛け止め部が扉部22に引っかかり、扉部22を開かせることができる。
また、磁石3が扉部22の開状態を保持するように設けられていれば、次回成形時まで扉部22の開状態が保持され、剛性部材5の露出部50を凹部10に収納する際に、再び扉部22の開操作を行うことなく、作業を行うことができる。そして、露出部50の剛性部材5と開閉切替部21とが当接して、磁石3が保持する以上の力で露出部50を押し込むことにより、開閉扉2が回動する際に扉部22の開状態の保持が解かれ、扉部22は閉状態となる。
本発明の成形型1を用いた上記の複合成形体の製造方法によれば、剛性部材5の露出部50となる部分が凹部10内に収納され、成形型1のキャビティー側開口部11に設けられた開閉扉2により成形に用いられる発泡粒子の凹部への侵入が阻止されるので、例えば、剛性部材5の一部と発泡粒子成形体8とにより囲まれ、フック状に突出して形成されて空隙部9を有する複合成形体であっても、確実に空隙部9のバリの発生を防止することができる。また、成形型1の凹部10に対する開閉扉2の取り付け構造が扉回動部材23の接続のみと非常にシンプルであるので、成形型1のメンテナンス性に優れるとともに、製造コストを低く抑えることが可能となる。
1 成形型
10 凹部
11 キャビティー側開口部
2 開閉扉
21 開閉切替部
22 扉部
23 扉回動部材
24 挿通部
25 ボールプランジャー
26 切欠き
3 磁石
4 天板部
5 剛性部材
50 露出部
6 開閉扉ユニット
60 ケース部
61 開口部
7 シート芯材(複合成形体)
8 発泡粒子成形体
9 空隙部

Claims (5)

  1. 発泡粒子成形体と、前記発泡粒子成形体に埋設された剛性部材との一体成形体からなり、前記発泡粒子成形体から前記剛性部材の一部が露出している露出部を備える複合成形体の製造方法であって、
    前記露出部を収納可能な凹部が設けられ、且つ、前記凹部の開口部に扉回動部材を介して接続された、開閉切替部と前記開口部を閉塞させる扉部とを有する開閉扉が設けられている成形型を用い、
    前記露出部を収納する際に前記開閉切替部に前記露出部を当接させ、前記開閉扉を回動させて前記露出部を前記凹部内に収納すると共に、前記扉部により前記凹部の開口部を閉塞させた後、前記成形型内に発泡粒子を充填して型内成形を行うことを特徴とする複合成形体の製造方法。
  2. 前記開閉扉は、前記扉回動部材の回転軸断面において、前記開閉切替部と前記扉部が略L字形状に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の複合成形体の製造方法。
  3. 前記開閉扉の開閉位置を保持する磁石が前記成形型に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合成形体の製造方法。
  4. 発泡粒子成形体と、該発泡粒子成形体に埋設された剛性部材との一体成形体からなり、前記発泡粒子成形体から前記剛性部材の一部が露出している露出部を備える複合成形体を型内成形するための成形型であって、
    前記成形型には、前記露出部を収納可能な凹部が設けられ、
    該凹部の開口部には、扉回動部材を介して接続された、開閉切替部と前記開口部を閉塞させる扉部を有する開閉扉が設けられており、
    前記開閉扉を回動させ、前記扉部により前記凹部が閉塞可能であることを特徴とする成形型。
  5. 請求項4に記載の成形型を使用して型内成形してなる複合成形体であって、前記複合成形体は、発泡粒子成形体と、該発泡粒子成形体に埋設された剛性部材との一体成形体からなり、前記複合成形体は前記発泡粒子成形体から前記剛性部材の一部が露出している露出部を備え、前記露出部を構成する剛性部材が略U字形状であり、前記複合成形体は前記発泡粒子成形体と前記露出部を構成する略U字形状の剛性部材とにより囲まれる領域にバリを有しないことを特徴とする複合成形体。
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