JP6945380B2 - 偏光板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた耐水性を示し、且つ、光特性の低下を防止できる偏光板及びその製造方法に関する。
偏光板は、液晶表示装置を構成する光学部品の一つとして有用に使用されている。偏光板は、通常、偏光子の両面に保護フィルムが積層された構造を有し、液晶表示装置に挿入される。偏光子の一方の面にのみ保護フィルムを設けることも知られているが、多くの場合、他方の面には、単純な保護フィルムではなく、別途の機能として例えば光学機能を有する層が保護フィルムを兼ねて接合される。
一般的に、ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着配向させたヨウ素系フィルムやポリビニルアルコールに二色性染料を吸着配向させた染料系フィルムを偏光子として用い、少なくともフィルムの片面にポリビニルアルコール系樹脂の水溶液(ポリビニルアルコール系接着剤)を用いて形成された接着層を介してトリアセチルセルロース(TAC)などの保護フィルムを接合した構成の偏光板が用いられているが、このような構成の偏光板は、湿熱の下で長時間使用したとき、保護フィルムと偏光子の端面が剥離しやすいという問題がある。
これより、偏光子(偏光フィルム)と保護フィルムをポリビニルアルコール系接着剤を用いて接合した後、80〜100℃の温度で加熱乾燥することによって耐湿熱性を改良した偏光板が提案されているが、依然として湿熱の下で長時間使用した場合、保護フィルムと偏光子の端面が容易に剥離される問題点が解決されていない。
このような問題点を解決するために、特許文献1には、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂(架橋調節剤)、グリオキサール系(架橋剤)、及び塩化亜鉛(架橋触媒)を含む接着剤組成物を開示している。しかし、前記組成物の場合、架橋調節剤を含むことによって、硬化速度が遅くて、湿熱劣化による偏光度の低下が発生する問題がある。
したがって、湿熱条件の下でも保護フィルムと偏光子の短辺が分離することを防止するために、耐水性に優れ、これによる光特性の低下を防止できる接着剤組成物に対する開発が要求されていることが現況である。
日本国特許公開第1995−134212号公報
前記問題を解決するために、本発明の目的は、優れた耐水性を示し、且つ、光特性の低下を防止できる偏光板及びその製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の偏光板は、水分率が2.8〜4.8%であり、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂、グリオキサール架橋剤及び2種以上の多価金属イオンの水溶性塩を含む接着剤組成物よりなる接着剤層の厚さが30〜200nmであることを特徴とする。
また、前記目的を達成するために、本発明による偏光板の製造方法は、(a)偏光子の両面にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂、グリオキサール架橋剤及び2種以上の多価金属イオンの水溶性塩を含む接着剤組成物が塗布され、接着剤層が生成される段階と、(b)前記接着剤層上に少なくとも一つ以上の保護フィルムがニップロールにより接合され、偏光板が製作される段階と、(c)前記偏光板が少なくとも2個以上の乾燥路を通過して乾燥される段階とを含むことを特徴とする。
本発明による偏光板は、偏光板の水分率及び接着剤層の厚さを調節することによって、光特性の低下を伴わず、耐水性が向上する効果がある。
また、本発明による偏光板の製造方法で製造された偏光板も、前記効果を有する。
図1は、実験例による耐水性の評価試験方法を模式的に示す図である。
本発明において或る部分が或る構成要素を「含む」というとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除くものでなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
以下、本発明の好ましい実施様態を詳しく説明する。
〈偏光板〉
本発明の一実施形態による偏光板は、水分率が2.8〜4.8%であり、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂、グリオキサール架橋剤及び2種以上の多価金属イオンの水溶性塩を含む接着剤組成物よりなる接着剤層の厚さを30〜200nmとすることによって、同伴される光特性の低下なしに、湿熱条件の下でも保護フィルムと偏光子の短辺が分離することを防止するために耐水性を向上させることができる効果がある。
前記偏光板の水分率は、すべての乾燥工程を終えた完成された偏光板を105℃で2時間熱処理する前/後の重量変化を観察する重量水分率測定法で測定されたことを意味する。
本発明において偏光板というのは、当業界において使用される偏光板を意味でき、一例として、偏光子の少なくとも一面上に一つ以上の保護フィルムが接着されたものであることができる。
接着剤層
本発明の偏光板は、厚さが30〜200nmであり、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂、グリオキサール架橋剤及び2種以上の多価金属イオンの水溶性塩を含む接着剤組成物よりなる接着剤層を含むことによって、同伴される光特性の低下なしに、湿熱条件の下でも保護フィルムと偏光子の短辺が分離することを防止するために耐水性を向上させることができる効果があり、前記接着剤層の厚さが30nm未満の場合、外見上の問題が発生し得、200nmを超過する場合、湿熱劣化が発生し、光特性が低下する問題が発生し得る。
前記接着剤組成物は、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂及びグリオキサール架橋剤を含むA液と、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂及び2種以上の多価金属イオンの水溶性塩を含むB液と、を含み、前記A液及びB液を混合して製造され得る。
前記A液及びB液のそれぞれに含まれるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂は、水(蒸留水)と混合し、水溶液の形態で混合され得、前記A液及びB液のそれぞれに含まれるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の固形分の含量は、前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂水溶液100重量%に対して、2.5〜4.5重量%で含まれることによって、同伴される光特性の低下なしに、湿熱条件の下でも保護フィルムと偏光子の短辺が分離することを防止するために耐水性を向上させることができる効果がある。具体的に、前記A液及びB液のそれぞれに含まれるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の固形分の含量が2.5%未満の場合、耐水性効果が低下する問題が発生し得、4.5%を超過する場合、光学特性が低下する問題が発生し得る。
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂
本発明の接着剤層に含まれる接着剤組成物は、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂を含むことによって、保護フィルムと偏光子の接着力を向上させることができる。
前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂は、カルボキシ基変性、メチロール基変性、アミノ基変性などのような変性されたポリビニルアルコール樹脂に比べて反応性が高い官能基を含有していて、 耐久性の向上の面において優れている。
前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニルアルコール系樹脂とジケテン(diketene)を公知の方法で反応させて得られる。具体的に、ポリビニルアルコール系樹脂を酢酸などの溶媒中に分散させた後、これにジケテンを添加する方法、ポリビニルアルコール系樹脂をジメチルホルムアミドまたはジオキサンなどの溶媒にあらかじめ溶解させた後、これにジケテンを添加する方法、またはポリビニルアルコール系樹脂にジケテンガスまたは液状ジケテンを直接接触させる方法などによって得られる。
前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂は、アセトアセチル基変性度が0.1モル%以上のものであれば、特に制限されず、好ましくは0.1〜40モル%、より好ましくは1〜20モル%、最も好ましくは2〜7モル%であることが良い。前記アセトアセチル基の変性度が0.1モル%未満の場合には、接着剤層の耐水性が不十分なので、不適合であり、前記アセトアセチル基の変性度が40モル%を超過する場合には、耐水性の向上効果が極めて低い。
前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、特に制限されないが、80モル%以上であることが好ましく、また、85モル%以上であることがより好ましい。前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度が前記範囲未満の場合、十分な水溶性が発現しにくくなるため、接着性が低下する問題が発生し得る。
前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、100〜1,500内にあることが好ましい。前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の重合度が前記範囲内の場合、偏光板における偏光子と保護フィルムの間の接着力を向上させる効果がある。
前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂は、具体的に、Z−100、Z−200、Z−200H、Z−210、Z−220及びZ−320(日本合成化学Gohsefimer社)などが挙げられるが、これに限定されない。
グリオキサール架橋剤
本発明の接着剤層に含まれる接着剤組成物は、グリオキサール架橋剤を含む。
前記グリオキサール系架橋剤が含まれる場合、前記グリオキサール系架橋剤内のアルデヒド基が前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂だけでなく、偏光子、保護フィルム内に含まれたヒドロキシ基と縮合反応をすることによって、接着剤組成物の架橋度を向上させて、これを利用して接合される偏光子と保護フィルム間の接着力及び耐水性を向上させる効果がある。
前記グリオキサール系架橋剤の含量は、前記A液に一緒に含まれるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部に対してグリオキサール系架橋剤30〜70重量部で含まれることができる。前記グリオキサール系架橋剤の含量が前記範囲未満の場合、前記グリオキサール系架橋剤を含む接着剤組成物よりなる接着剤層の耐水性が低下する問題が発生し得、前記範囲を超過する場合、調液安定性が低下する問題が発生し得る。
多価金属イオンの水溶性塩
本発明の接着剤層に含まれる接着剤組成物は、2種以上の多価金属イオンの水溶性塩を含むことによって、前記グリオキサール系架橋剤の効果を増進させて、これを含む接着剤組成物の架橋度を向上させるだけでなく、これを利用して接着される偏光子と保護フィルム間の架橋度を向上させる効果がある。これにより、前記接着剤層の接着力及び耐水性を向上させることができ、これと同伴される光学耐久性の低下をも防止できる効果がある。
前記多価金属イオンの水溶性塩は、具体的に、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、硝酸亜鉛及び硫酸亜鉛よりなる群から選択され得、架橋触媒の役目に優れた塩化亜鉛、硝酸亜鉛及び硝酸アルミニウムよりなる群から選択されることがより好ましい。
前記多価金属イオンの水溶性塩が塩化亜鉛を含む場合、その含量は、前記B液に一緒に含まれるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部に対して、2〜10重量部で含まれることができる。前記塩化亜鉛の含量が前記範囲未満の場合、前記塩化亜鉛を含む接着剤組成物よりなる接着剤層の耐水性が十分でない問題が発生し得、前記範囲を超過する場合、調液安定性が低下する問題が発生し得る。
前記多価金属イオンの水溶性塩が硝酸亜鉛乃至硝酸アルミニウムを含む場合、その含量は、前記B液に含まれるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の固形分100重量部に対して、30〜90重量部で含まれることができる。前記硝酸亜鉛乃至硝酸アルミニウムの含量が前記範囲未満の場合、前記硝酸亜鉛乃至硝酸アルミニウムを含む接着剤組成物よりなる接着剤層の耐水性が十分ではない問題が発生し得、前記範囲を超過する場合、調液安定性が低下する問題が発生し得る。
本発明の接着剤層に含まれる接着剤組成物の20℃においての粘度は、3〜25mPa・sec範囲内であることが好ましい。接着剤組成物の粘度が3mPa・sec未満の場合には、前記接着剤組成物よりなる接着剤層の耐水性を充分に発現できず、粘度が25mPa・secを超過する場合、前記接着剤層を含む偏光板の光学特性が低下する問題点がある。
前記接着剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、可塑剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、微粒子、広がり性を良好にするアルコール、レーベリング剤などの添加剤をさらに含むことができる。
前記接着剤組成物の形態は、特に制限されないが、被着体である偏光子及び保護フィルムの表面に均一な接着剤層を形成するためには、液型であることが好ましい。このような液型の接着剤としては、各種溶剤の溶液型または分散液型を使用でき、基材の塗工性の面を考慮すると、溶液型が好ましく、安定性の面を考慮すると、水を溶媒とする溶液型または分散液型が好適である。
偏光子(偏光フィルム)
偏光子を形成するためのポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することによって得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニル以外に、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体などが挙げられる。酢酸ビニルに共重合される他の単量体としては、例えば不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常、85〜100モル%、好ましくは98モル%以上である。このポリビニルアルコール系樹脂は、さらに変性されていてもよく、例えばアルデヒド類で変性されたポリビニル重合体やポリビニルアセタールなどをも使用できる。偏光子を構成するポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、通常、1,000〜10,000、好ましくは1,500〜5,000である。
このようなポリビニルアルコール系樹脂をフィルム上に製膜したもの(ポリビニルアルコール系樹脂フィルム)が偏光子の原反フィルムに用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されず、公知された製膜方法を採用できる。原反となるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの膜厚は、特に限定されないが、例えば10〜150μmであることができる。
偏光子は、通常、このような原反となるポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色し、該二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及び該ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を含む方法によって製造され得る。
一軸延伸は、染色前に行ってもよく、染色と同時に行ってもよく、染色後に行ってもよい。一軸延伸を染色後に行う場合には、一軸延伸をホウ酸処理前に行ってもよく、ホウ酸処理中に行ってもよく、ホウ酸処理後に行ってもよい。もちろん、これら複数のステップにより一軸延伸を行うことも可能である。一軸延伸においては、原反フィルムを異なるロールの間で一軸延伸してもよく、熱ロールを利用して一軸延伸してもよい。また、大気中で延伸を行うなどの乾式延伸であってもよく、溶剤で膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常、3〜8倍である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色するためには、例えば二色性色素を含有する水溶液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬できる。二色性色素として、具体的には、ヨウ素または二色性染料が使用され得る。また、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理前に、水に浸漬処理を行うことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を使用する場合は、通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬し、染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、通常、水100重量部当たり0.01〜1重量部であり、ヨウ化カリウムの含有量は、通常、水100重量部当たり0.5〜20重量部である。染色に使用する水溶液の温度は、通常、20〜40℃であり、また、この水溶液への浸漬時間は、通常、20〜1800秒である。
二色性色素として二色性染料を使用する場合は、通常、水溶性二色性染料を含む水溶液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬し、染色する方法が採用される。この水溶液における二色性染料の含有量は、水100重量部当たり通常1×10−4〜10重量部、好ましくは1×10−3〜1重量部である。この水溶液は、硫酸ナトリウムなどの無機塩を染色補助剤として含有することもできる。染色に利用する染料水溶液の温度は、通常、20〜80℃であり、また、この水溶液に対する浸漬時間は、通常、10〜1,800秒である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することによって行われる。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、水100重量部当たり、通常、2〜15重量部、好ましくは5〜12重量部である。二色性色素としてヨウ素を使用する場合には、このホウ酸含有水溶液は、ヨウ化カリウムを含むことが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100重量部当たり、通常、0.1〜15重量部、好ましくは5〜12重量部である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常、60〜1、200秒、好ましくは150〜600秒、より好ましくは200〜400秒である。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常、50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、より好ましくは60〜80℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、例えばホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することによって行われる。水洗処理における水の温度は、通常、5〜40℃であり、浸漬時間は、通常、1〜120秒である。水洗後には、乾燥処理が実施され、偏光子が得られる。乾燥処理は、通常、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを利用して行われる。乾燥処理の温度は、通常、30〜100℃、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常、60〜600秒であり、好ましくは120〜600秒である。
かくして、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに一軸延伸、二色性色素による染色及びホウ酸処理が行われ、偏光子が得られる。この偏光子の厚さは、通常、5〜40μmの範囲内、好ましくは10〜35μmの範囲内である。
保護フィルム
前記保護フィルムは具体的に、セルロース系樹脂フィルム、シクロオレフィン系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルムなど各種透明樹脂フィルムを使用できる。
前記保護フィルムとしてセルロース系樹脂フィルムを使用する場合は、セルロースの少なくとも一部がエステル化された酢酸セルロース系樹脂であることが好ましい。例えばトリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。
前記シクロオレフィン系樹脂は、例えばノルボルネンや多環ノルボルネン系単量体のようなシクロオレフィンの単量体ユニットを有する熱可塑性の樹脂であり、前記シクロオレフィンの開環重合体や2種以上のシクロオレフィンを利用した開環共重合体の水素添加物であってもよく、シクロオレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との付加共重合体であってもよい。また、シクロオレフィン系樹脂に極性基が導入されていてもよい。
接着剤組成物を利用した偏光子と保護フィルムとの接合方法は、特に限定されず、例えば流延法、メイヤバーコーティング法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、浸漬コーティング法、噴霧法などによって偏光子及び/または保護フィルムの接着面に接着剤組成物を塗布し、両方を重畳させる方法が挙げられる。前記流延法というのは、被塗布物である偏光子または保護フィルムを略垂直方向、略水平方向、または両方間の傾斜方向に移動させながら、その表面に接着剤組成物を塗布する方法である。
前記接着剤組成物を塗布した後、偏光子と保護フィルムをニップロ−ル(nip roll)により挟持して接合させる。
また、接着性を向上させるために、偏光子及び/または保護フィルムの表面にプラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム処理、ケン化処理などの表面処理を適切に行うこともできる。前記ケン化処理としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
偏光子と保護フィルムを積層した後には、乾燥処理が実施される。乾燥処理は、例えば熱風を噴霧することによって行われるが、この際の温度は、50〜100℃範囲で適宜選択される。
乾燥時間は、通常、30〜1,000秒である。
〈偏光板の製造方法〉
本発明のさらに他の実施形態は、前述した偏光板を製造する方法として、(a)偏光子の両面にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂、グリオキサール架橋剤及び2種以上の多価金属イオンの水溶性塩を含む接着剤組成物が塗布され、接着剤層が生成される段階と、(b)前記接着剤層上に少なくとも一つ以上の保護フィルムがニップロールにより接合され、偏光板が製作される段階と、(c)前記偏光板が少なくとも2個以上の乾燥路を通過し、乾燥する段階とを含むことを特徴とする。このような方法で偏光板の水分率を2.8〜4.8%とし、偏光板に含まれる接着剤層の厚さを30〜200nmに調節することが可能である。したがって、同伴される光特性の低下なしに、湿熱条件の下でも保護フィルムと偏光子の短辺が分離することを防止するために耐水性を向上させることができる効果を有する偏光板を製造できる。
本発明の偏光板製造方法について、以下に別の記載がない限り、偏光板の構成要素は、前述した偏光板の構成要素を使用できる。
前記(b)段階で、ニップロールというのは、偏光子の少なくとも一面上に保護フィルムを接着させる機械であって、偏光子や保護フィルムの上下面の方向にそれぞれ少なくとも1個以上のニップロールが位置し得、前記偏光子や保護フィルムの上下面に位置するニップロールがそれらの間を通過する偏光子及び保護フィルムに圧力をかけることによって、保護フィルムが偏光子に接着され得る。
前記偏光子と保護フィルム間の接着のために加えられるニップロールの圧力、すなわちニップ圧は、0.3〜0.9MPaであることができ、前記ニップ圧が前記範囲未満の場合、偏光子と保護フィルム間の接着剤層が本発明の構成である200nmを超過し、湿熱劣化が発生し、光特性が低下し、前記ニップ圧が前記範囲を超過する場合、接着剤層が本発明の構成である30nm未満になって、外見不良が発生し得る。
ニップロールを通過する偏光子や保護フィルムの上面と接触するニップロール上の一部面及び前記偏光子や保護フィルムの下面と接触するニップロール上の一部面との間隔、すなわちニップギャップ(nip gap)は、−1500〜−500μmであることができる。前記ニップギャップが前記範囲未満の場合、前記接着剤層の厚さが本発明の構成である30nm未満になって、外見不良が発生し得、前記範囲を超過する場合、前記接着剤層の厚さが本発明の構成である200nmを超過し、湿熱劣化が発生し、光特性が低下する問題が発生し得る。この際、前記ニップギャップの測定のために使用される偏光子や保護フィルムの上下面に位置するニップロールは、互いに最も近接したものとする。
前記(b)段階で、偏光子の少なくとも一面上に接着された保護フィルムがニップロールにより接合された偏光板は、前記(c)段階で、少なくとも2個以上の乾燥路を通過して乾燥され得、本発明では、便宜のために、多数の乾燥路を偏光板が通過する順に第1乾燥路、第2乾燥路、第3乾燥路などと命名する。前記乾燥路は、熱風を使用でき、偏光板が少なくとも2個以上の乾燥路を通過するに際して、後続段階の乾燥路内の熱風の温度が、一段階前の乾燥路内の熱風の温度より高いことが好ましい。例えば、第1乾燥路内の熱風の温度より第2乾燥路内の熱風の温度が高い。より具体的に、第1乾燥路内の熱風の温度は、50℃以下であることが好ましく、多数の乾燥路のうち最後の乾燥路内の熱風の温度は、80℃以上であることが好ましい。前記第1乾燥路内の温度が50℃を超過する場合、急激な水分蒸発によって湿熱劣化が発生し、光特性が低下し、最後の乾燥路内の熱風の温度が80℃未満の場合、偏光板の水分率が高くなって、経時によって光学特性が低下する問題が発生し得る。
〈画像表示装置〉
本発明の他の様態は、前述した偏光板が具備される画像表示装置である。
本発明の画像表示装置は、前記偏光板を具備したものであって、具体的な例を取ると、液晶ディスプレイ、OLED、フレキシブルディスプレイなどが挙げられるが、これに限定されない。
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示するが、以下の実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であることは、当業者にとって明白であり、このような変形及び修正が添付の特許請求範囲に属することも、当然なことである。以下の実施例及び比較例において、含量を示す「%」及び「部」は、特に言及しない限り、重量基準である。
製造例
製造例1.偏光子の製造
平均重合度が2,400であり、ケン化度が99.9モル%以上である75μm厚さのポリビニルアルコールフィルムを乾式で約5倍に一軸延伸し、延伸状態を維持したまま、60℃の水(蒸留水)に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/蒸留水の重量比が0.05/5/100である28℃の水溶液で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/蒸留水の重量比が8.5/8.5/100である72℃水溶液に300秒間浸漬し、26℃の蒸留水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥し、PVA系フィルムにヨウ素が吸着配向された偏光子を製造した。
製造例2.保護フィルムの製造
トリアセチルセルロース系フィルムであるKC8UX(コニカ社、T)をケン化して使用した。
製造例3.接着剤組成物の製造
A液組成物の製造:水(蒸留水)にケン化度が99.2モル%であるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂(ゴーセノールZ200、日本合成化学工業株式会社)を溶解し、固形分の含量が表1のような水溶液を製造した。前記水溶液にグリオキサール架橋剤40%水溶液(大井化金)を表1に記載した含量によって追加した後、混合し、接着剤A液組成物を製造した。
B液組成物の製造:水(蒸留水)にケン化度が99.2モル%であるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂(ゴーセノールZ200、日本合成化学工業株式会社)を溶解し、固形分の含量が表1のような水溶液を製造した。前記水溶液に多価金属イオンの水溶性塩として、塩化亜鉛(大井化金)及び硝酸亜鉛(大井化金)を表1に記載した含量によって追加した後、混合し、接着剤B液組成物を製造した。
前記製造されたA液組成物及びB液組成物を常温で混合し、約30分間撹拌し、接着剤組成物を製造した。
実施例1〜8及び比較例1〜7:偏光板の製造
前記製造例1で製造された偏光子の両面に表1に記載した含量で前記製造例3の方法を利用して製造された接着剤組成物を塗布した後、前記製造例2の保護フィルムをニップロールを利用して接合させた。この際、工程条件(ニップ圧、ニップギャップ)は、表1のようにし、ニップロールにより接合された偏光板は、乾燥路内の熱風乾燥機を利用して乾燥した。乾燥過程は、総5段階で進行され、第1乾燥路内の熱風の温度及び第5乾燥路内の熱風の温度は、表1のようにし、その他、第2乾燥路内の熱風の温度は、50℃、第3乾燥路内の熱風の温度は、70℃、第4乾燥路内の熱風の温度は、75℃にして、各乾燥路内で5分間乾燥し、最終偏光板を製造した。かくして製造された偏光板の水分率及び前記偏光板に含まれる接着剤層の厚さを測定し、表1に一緒に記載した。
この際、前記偏光板の水分率は、105℃で2時間行った熱処理の前/後の重量変化を観察する重量水分率測定法で測定した。
Figure 0006945380
実験例
実験例1.接着力評価(カッター評価)
前記製造された偏光板を1時間常温で放置した後、偏光板の各フィルムの間(偏光子と偏光子保護フィルムの間)にカッターの刃を入れ、刃を押し進めたときの刃が入る方式を以下の基準で評価し、その結果を表2に示した。
◎:カッターの刃がいずれのフィルム間にも入らない。
○:刃を押し進めたとき、少なくともいずれか一方のフィルム間に刃が1〜2mm入ったときに止まる。
△:刃を押し進めたとき、少なくともいずれか一方のフィルム間に刃が3〜5mm入ったときに止まる。
×:刃を押し進めたとき、少なくともいずれか一方のフィルム間に刃が無理なく入る。
実験例2.耐水性評価
23℃、相対湿度55%の環境下で24時間放置した各偏光板に対して、以下のような方法で耐温水性実験を行い、耐水性を評価した。
偏光板の吸収軸を長辺として5×2cmのサイズに偏光板を切断してサンプルとし、その長辺方向の寸法を正確に測定した。この際、前記サンプルは、偏光フィルムに吸着されたヨウ素に起因して全面にわたって均一に特有の色を示している。図1は、耐水性の評価方法を模式的に示す図であり、(A)は、温水浸漬前のサンプル1、(B)は、温水浸漬後のサンプル1を示す。図1(A)に示されたように、サンプルの一短辺側を把持具5で把持し、長さ方向の8割程度を60℃の水槽に浸漬し、8時間維持した。その後、サンプル1を水槽から取り出して水分を拭き取った。
前記のような温水浸漬によって偏光板の偏光子4は収縮する。前記偏光子4の収縮程度を、サンプル1の短辺の中央においての末端部1a(保護フィルムの終端)から収縮した偏光子4の端部までの距離を測定することによって評価し、収縮長さとした。また、図1(B)に示されたように、温水浸漬によって偏光板の中央に位置する偏光子4が収縮されることによって、保護フィルムの間に偏光子4の周縁部からヨウ素が溶出し、サンプル1の周縁部に色が抜けた部分3が生ずる。このような脱色程度をサンプル1の短辺の中央においての収縮した偏光子4の末端部から偏光板特有の色が残っている領域までの距離を測定することによって評価し、ヨウ素が抜けた長さとした。前記収縮長さとヨウ素が抜けた長さとの和を総浸食長さxとした。総浸食長さxとは、サンプル1の短辺の中央においてのサンプル1の端部1aから偏光板特有の色が残っている領域までの距離である。収縮長さ、ヨウ素の抜けた長さ及び総浸食長さxが小さいほど、水の存在下においての接着性が高いと判断できる。総浸食長さxによって以下4段階で評価し、その結果を表2に記載した。
◎:総浸食長さxが0.1mm未満
○:総浸食長さxが0.1mm以上0.5mm未満
△:総浸食長さxが0.5mm以上2mm未満
×:総浸食長さxが2mm以上
実験例3.透過率、偏光度(%)
製造された偏光板を4cm×4cmのサイズに切断して試験片を作製し、この試験片を測定ホルダーに付着させた後、紫外可視光線分光計(V−7100、JASCO社製造)を利用して測定し、その結果を表2に記載した。
Figure 0006945380
表2を参照すると、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液内の固形分の含量が、本発明の好ましい範囲(2.5〜4.5重量%)未満の場合(比較例1)、本発明の好ましい範囲を満足する場合(実施例1〜8)より偏光板の水分率が不足で、耐水性が劣り、前記範囲を超過する場合(比較例2)、偏光板の水分率が増加し、偏光板に含まれる接着剤層の厚さが厚くなって、光特性が低下する問題が発生することを確認した。また、本発明の偏光板の工程条件(ニップ圧やニップギャップ)が本発明の範囲を逸脱する場合(比較例3〜4)、本発明において要求する偏光板の水分率や偏光板に含まれる接着剤層の厚さ範囲を逸脱する偏光板が製造されることを確認し、これにより、耐水性や光特性が低下することを確認した。偏光板の乾燥過程中に第1乾燥路内の熱風の温度が本発明の温度範囲(50℃以下)を超過する場合(実施例7)、本発明において要求する偏光板の水分率及び偏光板に含まれる接着剤層の厚さ範囲は満足させることができたが、前記温度範囲を満足する(実施例1〜6及び8)場合より光特性が多少低下する問題が発生し、第5乾燥路内の熱風の温度範囲に対して本発明の温度範囲(80℃以上)を逸脱する場合(比較例5)、本発明において要求する偏光板の水分率が超過し、耐水性及び光特性の低下が現われたことを確認した。また、多価金属イオンの水溶性塩を1種だけ使用する場合(比較例6及び7)、耐水性が低下することを確認した。

Claims (10)

  1. 偏光板の水分率が2.8〜4.8%であり、前記偏光板に含まれる接着剤層の厚さが30〜200nmである偏光板の製造方法において、
    (a)偏光子の両面にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂水溶液及びグリオキサール架橋剤を含むA液と、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂水溶液及び2種以上の多価金属イオンの水溶性塩を含むB液と、を含む接着剤組成物が塗布され、接着剤層が生成される段階と、
    (b)前記接着剤層上に少なくとも一つ以上の保護フィルムがニップロールにより接合され、偏光板が製作される段階と、
    (c)前記偏光板が少なくとも2個以上の乾燥路を通過し、乾燥される段階と、を含み、前記少なくとも2個以上の乾燥路のうち最終に位置する乾燥路内の熱風の温度は、80℃以上であることを特徴とする偏光板の製造方法。
  2. 前記A液及びB液のそれぞれに含まれるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の固形分の含量は、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂水溶液100重量%に対して、2.5〜4.5重量%であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  3. 前記多価金属イオンの水溶性塩は、塩化亜鉛、硝酸亜鉛及び硝酸アルミニウムよりなる群から選択される2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  4. 前記A液に含まれるグリオキサール系架橋剤の含量は、前記A液に含まれるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の固形分総100重量部に対して、30〜70重量部で含まれることを特徴とする請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  5. 前記多価金属イオンの水溶性塩は、塩化亜鉛を含み、
    前記多価金属イオンの水溶性塩は、硝酸亜鉛及び硝酸アルミニウムのうちの少なくとも一つをさらに含み、
    前記塩化亜鉛の含量は、前記B液に含まれるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の固形分総100重量部に対して、2〜10重量部で含まれることを特徴とする請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  6. 前記多価金属イオンの水溶性塩は、塩化亜鉛、硝酸亜鉛及び硝酸アルミニウムよりなる群から選択される2種以上を含み、
    前記硝酸亜鉛及び硝酸アルミニウムの含量の合計は、前記B液に含まれるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂の固形分総100重量部に対して、30〜90重量部で含まれることを特徴とする請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  7. 前記(b)段階で偏光板に加えられるニップロールのニップ圧は、0.3〜0.9MPaであることを特徴とする請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  8. 前記(b)段階でニップギャップは、−1500〜−500μmであることを特徴とする請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  9. 前記(c)段階は、偏光板が少なくとも2個以上の乾燥路を通過するに際して、後続段階の乾燥路内の熱風の温度が、一段階前の乾燥路内の熱風の温度より高いことを特徴とする請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  10. 前記少なくとも2個以上の乾燥路のうち最初に位置する第1乾燥路内の熱風の温度は、50℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板の製造方法。
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