JP6943541B2 - 歯ブラシ - Google Patents

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Description

本発明は、歯ブラシに関する。
従来、刷毛の毛束を二つ折りにしその間に平線を挟み込み、ヘッド部の植毛面に形成された植毛穴に打ち込むことにより、毛束を植毛する歯ブラシが知られている。
植毛に平線を用いた歯ブラシでは、歯ブラシのヘッド部で平線を保持するため、ヘッド部の強度が必要になる。ヘッド部の強度が十分でない場合には、植毛の際又は使用による経時的な劣化により、ヘッド部は平線との接触部分で白化やき裂が発生する。そのため、従来、ヘッド部の厚さを4mmを超えるものにして強度を確保したり、あるいは、ヘッド部の厚さは薄くしつつも、ヘッド部の素材としてポリアセタール樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂といった硬度が高い素材を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2011−4852号公報
しかし、ヘッド部の厚さは、口腔内の良好な操作性の観点からは4mm以下とするニーズがあり、ヘッド部の強度を確保するためだけに、ヘッド部の厚さを、4mmを超えるものとするのは望ましい解決策ではない。
一方、ポリアセタール樹脂などの上記の硬度が高い樹脂は、ヘッド部の強度や耐久性を高める点では有用であるものの、粘弾性が低いため、歯ブラシの使用感(歯への追従性)が劣ってしまう。具体的には、ヘッド部は、口腔内の頬に当たって先端が湾曲することでヘッド部が歯の形状に沿ってブラッシングを行うことができるが、ヘッド部の粘弾性が低いと、このような作用が十分に現われず、ブラシの奥歯への当接が十分になされない。加えて、ポリアセタール樹脂などの上記樹脂は、比較的コストが高い。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、植毛の固定に平線を用いた歯ブラシであって、薄型ヘッド部の素材に硬度が低い低コストの素材を用いたとしても、ヘッド部にき裂や白化が生じるのを防ぐことができる歯ブラシを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、植毛面に複数の植毛穴が形成されたヘッド部を
備え、複数本の刷毛を束ねた毛束を二つ折りにしてその間に挟み込まれた平線を前記植毛
穴に打ち込むことで、前記毛束が前記植毛穴に植設された歯ブラシにおいて、前記ヘッド
部は、ポリプロピレン樹脂により形成され、前記ヘッド部の厚さは、mm以上3.5mm以下であり、前記ヘッド部の幅は、12mm以上17mm以下であり、前記平線は、前記毛束の二つ折り部分に対向する面に脆弱部を有する。ここで、二つ折り部分に対向する面とは、折り返された刷毛Bに挟まれた二面をいう。
本発明によれば、平線の面に柔軟性をもたせることができる。これにより、植毛時において、植毛穴に対して平線が打ち込まれたときの衝撃が、平線で吸収されるようになるため、平線からヘッド部に伝わる衝撃を緩和させることができる。また、衝撃を緩和させることができるため、結果的により強く平線が打ち込むことが可能になり、植毛強度を高めることが可能になる。また、本発明によれば、歯ブラシの使用時においては、平線は、口腔内の頬への当接や歯列方向への追従により形状変化するヘッド部の変形に合わせて、変形しやすい。これにより、使用時においてヘッド部にかかる負荷を平線に逃がすことができるので、ヘッド部にかかる負荷を軽減することができる。
従来の平線により植毛を行う歯ブラシにおいては、ヘッド部を4mm以下という薄型にするには、ポリアセタール等、硬度が高く粘弾性に乏しい高価な素材でしか形成できなかった。本発明によれば、上述のように、脆弱部を有する平線により、平線の打ち込み時に生じるヘッド部への衝撃を緩和し、使用時に生じるヘッド部の負荷を逃がすことができるので、ヘッド部を2mm〜4mmの薄型で構成した場合でも、ポリプロピレンという硬度が低く粘弾性に優れ安価な素材で形成することができる。
好ましくは、前記脆弱部は、前記毛束の植毛方向と直交する方向に延在している溝である。こう直交することで、ワイヤ状に形成される溝付平線の製造が容易になる。また、植毛穴内の毛束の二つ折り部分がこの溝に噛み合うようになるため、毛束が植毛穴から抜け難くなる。よって、植毛強度を高めることができる。
好ましくは、前記溝は、前記毛束の植毛方向に複数並列して形成される。こうすることで、植毛時の衝撃吸収効果および使用時の負荷軽減効果を高めることができる。また、毛束の二つ折り部分がその抜け方向において複数箇所で溝に噛み合うため、植毛穴からの毛束の抜けをより一層防止することができる。
好ましくは、前記溝は、前記平線の一方の端から他方の端にかけて、前記毛束の植毛方向と直交する方向に延在している。こうすることで、溝付平線の製造が容易になる。また、植毛時の衝撃吸収効果および使用時の負荷軽減効果を高め、溝の両端が植毛穴に打ち込まれる場合には、植毛穴からの平線の抜け難さを高めることができる。
以上のような本発明によれば、植毛の固定に平線を用いた歯ブラシであって、薄型ヘッド部の素材にポリプロピレンを用いたとしても、ヘッド部にき裂や白化が生じるのを防ぐことができる歯ブラシを提供することができる。
実施形態に係る歯ブラシの平面図である。 図1のII−II線で切断した模式断面図である。 実施形態に係る平線を模式的に表した斜視図である。 変形例に平線を模式的に表した側面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態(以下、本実施形態という。)について説明する。なお、本実施形態の説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、図1と図2を参照しながら、本実施形態の歯ブラシ1の構成について説明する。図1は、歯ブラシ1のヘッド部10と、ネック部20と、柄30の一部を示す平面図であり、図2は、図1におけるII−II断面図である。なお、ネック部20および柄30については、本発明において特に限定のない構成であるため、説明を省略する。
図1および図2に示されるように、ヘッド部10は、ポリプロピレン樹脂を素材として成形されたものである。ヘッド部10は、図1において上下方向で表される幅Wは12mm〜20mmの範囲で形成されるのが好ましく、図1において左右方向で表される長さLは15mm〜30mmの範囲で形成されるのが好ましい。さらに、図2において上下方向で表される厚さTは2mm〜4mmの範囲で形成されるのが好ましい。なお、ここでいう幅Wは、ヘッド部10の最も広い部分の距離をいい、長さLはネック部20との境界10bから、ヘッド部の先端10aまでの距離をいう。また、ヘッド部10とネック部20との境界10bは、図1に示されるように明確に示される場合は良いが、ヘッド部10とネック部20がシームレスに形成されているような場合には、この境界10bは、先端10aから最も近い植毛穴12までの距離と同等の距離を、最もネック部20側に形成された植毛穴12からネック部20側に取った位置であるとする。
ヘッド部10には、表面に刷毛Bが植毛される植毛面11が形成される。植毛面11には、複数の植毛穴12が形成されている。植毛穴12は有底円筒形状である。植毛穴12には、複数本の刷毛Bを束ねた毛束を二つ折りにして、植毛穴12に固定する平線13が打ち込まれる(図2および図3の矢印参照)。この平線13が打ちこまれ、固定されることで、植毛穴12に対して刷毛Bが植毛される。
続いて、図3を参照しながら、平線13の構成について詳細に説明する。平線13は、好ましい態様では黄銅を素材としたワイヤを、植毛穴12の径に合わせて個片にカットされて形成されたものである。
本実施形態において平線13は、図3に示すように、脆弱部13aを有する。脆弱部13aは、平線13全体を柔らかくするためものである。すなわち、刷毛Bの植毛時において、平線13が植毛穴12の内壁に衝突した際に、脆弱部13aからその衝撃を逃がすことで、植毛穴12の内壁を通じてヘッド部10に掛かる衝撃を緩和する。また、衝撃が緩和されることにより、より強く平線13を打ち込むことが可能になり、植毛強度を高くすることが可能となる。さらに、歯ブラシ1の使用時において、ヘッド部10が歯の形状等に追従して湾曲するような場合に、平線13が変形することで、ヘッド部10に掛かる負荷を逃がすものである。
より具体的には、脆弱部13aは、刷毛Bの二つ折り部分に対向する面に形成される。ここで、二つ折り部分に対向する面とは、折り返された刷毛Bに挟まれた二面をいい、植毛穴12の底面側に位置する面を含まない。また、脆弱部13aは、刷毛Bの植毛方向と直交する方向に延在した複数の溝13bにより実現される。すなわち、図3に示すように、複数の溝13bは、平線13の刷毛Bと接する面において、平線13の一方の端から他方の端にかけて刷毛Bの植毛方向と垂直な方向に連続的に形成され、さらに、刷毛Bの植毛方向に並列して形成されている。
図3で示される平線13および脆弱部13aの構成は、本発明の最適な実施形態を示すものである。より具体的に説明すれば、脆弱部13aを、刷毛Bの植毛方向と垂直な方向に対して形成される複数の溝13bにより実現するのは次の理由による。
すなわち、平線13が上述のようにワイヤ状のものを植毛穴12のサイズに合わせて個片にカットして形成されるものであるため、ワイヤ状の状態において脆弱部13aを形成するには、当該植毛方向と垂直な方向に形成するのが製造上望ましい。
また、脆弱部13aを構成する溝13bを複数形成したのは、刷毛Bの植毛強度の向上と、衝撃吸収効果の向上のためである。つまり、溝13bを複数形成することにより、刷毛Bが溝13bと噛み合って、毛束Bが植毛穴12から抜け難くなる。よって、植毛強度を高めることができる。また、溝13bが複数均等に配置されることにより、毛束Bの二つ折り部分がその抜け方向において複数箇所で溝13bに噛み合うため、植毛穴12からの毛束Bの抜けをより一層防止することができる。
さらに、溝13bは、平線13の一方の端から他方の端にかけて、毛束Bの植毛方向と直交する方向に延在している。こうすることで、溝付平線の製造が容易になり、衝撃吸収効果は向上する。また、溝13bの両端が植毛穴12に打ち込まれる場合には、植毛穴12からの平線13の抜け難さを高めることができる。
以上の構成の本実施形態における平線13の寸法について一例として示す。図3に参照寸法線として示すように、平線13の横幅に当たる植毛方向と垂直な方向の一端から他端までの長さL1は、例えば2mmであり、平線13の高さに植毛方向の長さL2は、例えば1.5mmであり、平線13の厚みに当たる長さL3は、例えば0.22mmである。溝13bの高さL4は、例えば0.2mmであり、平線13の図中上下端部から上下端部に近い溝13bまでの長さL5は、例えば0.25mmである。
なお、本発明において、脆弱部13aは、植毛時の衝撃吸収効果、植毛強度およびヘッド部10が湾曲するような場合の負荷を逃がす効果に優れるという観点から、図3に示すような刷毛Bの植毛方向と直交する方向に延在した複数の溝13bにより構成されることが好ましいが、脆弱部13aの構成は、図3に示す例に限らない。例えば、図4(A)の模式図に示されるように、平線13Aを側面視I字形状で形成するように、正面および背面(図3で正面にある面を正面とする。)に一つの大きな溝13Abを設けることによって脆弱部13Aaを構成することも可能である。また、図4(B)に示す平線13Bのように、側面視王字状で形成し、正面および背面にそれぞれ2つの溝13Bbを設けることによって、脆弱部13Baを構成することも可能である。また、図示される態様に限られず、例えば、刷毛Bの植毛方向と垂直な方向ではなく、植毛方向と平行な方向(図3および図4でいうところの上下方向)に溝を形成することで脆弱部として機能させることも可能である。
また、脆弱部13aは、図4に示した態様以外でも、平線13の毛束の二つ折り部分に対向する面である正面および背面の表面に複数の穴を規則的又は不規則的に形成することによっても構成可能である。また、図3および図4で示した溝を、図3および図4のように連続的に設けず、複数断続的に形成することも可能である。
以上のような本実施形態の歯ブラシ1では、平線13に脆弱部13aを設けることにより、植毛された毛束の二つ折り部分に対向する平線13の面に柔軟性をもたせることができる。これにより、植毛時において、植毛穴12に対して平線13が打ちこまれたときの衝撃が、平線13で吸収されるようになるため、平線13からヘッド部10に伝わる衝撃を緩和させることができる。したがって、ヘッド部10を粘弾性に優れ安価なポリプロピレンにより成形することが可能になるとともに、ヘッド部10の薄型化が可能になる。また、平線13からヘッド部10に伝わる衝撃を緩和させることにより、より強く平線13を打ち込むことが可能になり、植毛強度を高めることができる。
また、本実施形態の歯ブラシ1は、その使用時には、口腔内の頬への当接や歯列への追従により形状変化するヘッド部10の変形に合わせて変形しやすいが、使用時においてヘッド部10にかかる負荷を平線13に逃がすことができるので、ヘッド部10にかかる負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、脆弱部13aを、毛束の植毛方向に対して直交する方向に延在した溝13bとして形成した。これにより、ワイヤ状に形成される平線13の製造が容易になる。また、平線13の溝13bに対して垂直に配置される毛束は、この溝13bに噛み合うことで、植毛強度が高まる。さらに、この溝13bを毛束の植毛方向に複数並列して形成したことにより、平線13が植毛穴12に打ち込まれる際に、植毛穴12内壁に衝突することで生じるヘッド部10の衝撃を和らげることができる。
さらに、一般に平線により植毛を行う歯ブラシにおいては、ヘッド部の厚みを4mm以下の薄型にするには、ポリアセタール等、硬度が高く粘弾性に乏しい高価な素材でしか形成できなかった。本実施形態では、脆弱部13aを有する平線13により、ヘッド部10と平線13との衝撃を吸収することができるので、ヘッド部10の厚みを2mm〜4mmの薄型で構成した場合でも、ポリプロピレンという硬度が低く粘弾性に優れ安価な素材で実現することができる。
[実施例]
続いて、図3に示される平線13を備えた歯ブラシ1を用いて実施した試験例を、表1および2を用いて説明する。
(試験内容)
表1および表2に示されるのは、口腔内操作性試験と、ヘッド部耐久性、外観および植毛強度試験である。
(実施例、比較例および参考例)
表1および表2において、本実施形態の、図3に示す構成を有する黄銅製の平線13(ドイツ国bedra社製Ms63)を用いて植毛した歯ブラシは、表中に「平線素材」「A」として示す、実施例1〜実施例8(表1参照)と、比較例1(表2参照)である。一方、本実施形態の平線13とは異なり、脆弱部を設けない通常の黄銅製の平線(サンエツ金属株式会社製)を用いて植毛した歯ブラシは、表中に「平線素材」「B」として示す、比較例2〜比較例12(表2参照)および参考例1〜3(表3参照)である。
(平線の寸法)
「平線素材」「A」の寸法は、図3に参照寸法線として示すように、平線13の横幅に当たる植毛方向と垂直な方向の一端から他端までの長さL1は、2mmである。また、平線13の高さに当たる植毛方向の長さL2は、1.5mmである。平線13の厚みに当たる長さL3は、0.22mmである。また、溝13bの高さL4は、0.2mmであり、溝13bは等間隔に配置されている。また、平線13の図中上下端部から上下端部に近い溝13bまでの長さL5は、0.25mmである。また、「平線素材」「B」は、長さL1、高さL2および厚みL3が「平線素材」「A」のそれらと同じであり、溝13bを有さない点で「平線素材」「A」と異なるものである。
(ヘッド部の素材)
ヘッド部の素材として、実施例1〜8および比較例1〜12については表中に「樹脂」「PP」として記載するとおりポリプロピレン樹脂を用い、参考例1〜3については表中に「樹脂」「POM」として記載するとおりポリアセタール樹脂を用いている。刷毛の素材は、表中に「刷毛」「PBT」として記載するとおり、ポリブチレンテレフタレート樹脂を実施例、比較例および参考例に共通して用いている。
(ヘッド部の寸法)
ヘッド部の寸法は、図1を用いて示したとおり、厚さT、幅Wおよび長さLの3つにより特定される。実施例において、ヘッド部の厚さTは、「2.3mm」、「3.0mm」、「3.3mm」、「3.5mm」および「3.9mm」の5パターンである。また、ヘッド部の幅Wは、「12mm」、「14mm」、「15mm」、「17mm」および「20mm」の5パターンである。ヘッド部の長さLは、「15mm」、「23mm」、「26mm」、「27mm」および「30mm」の5パターンである。
一方、比較例および参考例では、ヘッド部の厚さTは、「1.9mm」、「2.3mm」、「3.0mm」、「3.3mm」、「3.5mm」、「3.9mm」および「4.1mm」の7パターンであある。また、ヘッド部の幅Wは、「10mm」、「12mm」、「14mm」、および「15mm」の4パターンである。ヘッド部の長さLは、「11mm」、「15mm」、「23mm」および「26mm」の4パターンである。
(口腔内操作試験の方法と評価)
口腔内操作性試験については、試験者10名により、実施例の歯ブラシ1又は比較例の歯ブラシを用いて口腔内を清掃させた。そのうえで、操作性について、各試験者に「非常に良い」、「やや良い」および「現在使用の歯ブラシと同様」の3段階で順に3点、2点、1点を割り振り、10名の平均点が2.0点以上の例を「○」とし、1.5点以上2.0点未満の例を「△」とし、1.5点未満を「×」とした。
(ヘッド部耐久性、外観および植毛強度試験の方法と評価)
一方、ヘッド部耐久性、外観および植毛強度試験については、(1)ヘッド部耐久性、(2)外観検査(目視にてヘッド部に白濁、き裂の有無を確認)、(3)継続使用後の外観検査(目視にてヘッド部に白濁、き裂の有無を確認)、(4)植毛強度の4つについて評価した。
(1)ヘッド部耐久性については、実施例の歯ブラシ1又は比較例の歯ブラシの境界10bから柄側に5mmの位置を固定し、ヘッド部の先端側から5mmの位置に対して図2の垂直下方向に、精密万能試験機AGS−500D(株式会社島津製作所製)を用いて5Nの力をかけた際の破損の有無を評価し、「変化なし」を「○」とし、「ひびあり」を「△」とし、「破損」したものを「×」として評価した。
(2)外観検査では、植毛後のヘッド部に「白濁、き裂無し」を「○」とし、「白濁あり」を「△」とし、「白濁・き裂あり」を「×」とした。
(3)継続使用後の外観検査では、試験者に実施例の歯ブラシ1又は比較例の歯ブラシを一日2回ずつ1ヶ月間継続使用させた後に外観を検査し、ヘッド部に「白濁、き裂無し」を「○」とし、「白濁あり」を「△」とし、「白濁・き裂あり」を「×」とした。なお、「××」の評価は、植毛後のヘッド部において「白濁・き裂あり」と判断された歯ブラシについて、1ヶ月間の継続使用により、白濁およびき裂の度合いがさらに悪化した状態のものについての評価である。
さらに、(4)植毛強度については、JIS規格(JIS S3016)の植毛強度試験に則って実施した。そして、植毛強度「6N」以上を「○」とし、「3N〜6N」を「△」とし、「3N以下」を「×」とした。
(試験結果)
以上の結果を下記の表1および表2に示す。ここで、表1および2における、植毛面の面積とは、植毛面11の、境界10bより先端10a側の領域の面積をいい、植毛穴12の総開口面積とは、全ての植毛穴の開口面積の総和である。また、表1および2における、充填率とは、植毛穴に植毛される刷毛1本あたりの断面積に、1つの植毛穴に植毛される刷毛の本数を掛けて、1つの植毛穴に植毛される毛束の総断面積を算出し、この値を1つの植毛穴の開口面積で割った割合である。すなわち、1つの植毛穴にどの程度の密度で刷毛が植毛されているかを示す値である。
Figure 0006943541
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表1に示されるように、実施例の歯ブラシでは、ヘッド部の厚さTが、2.3mm〜3.9mmの範囲においてヘッド部10の耐久性、外観、植毛強度において良好な結果を示している。すなわち、本実施形態において、ヘッド部10の樹脂としてポリプロピレン樹脂を用いた場合であって且つ4mm以下の厚さとした場合であっても、耐久性、外観、植毛強度に優れることがわかる。また、試験結果は示していないが、「平線素材」「A」を用い、ヘッド部の厚さTを2.3mm〜3.9mmの範囲とし、ヘッド部の幅Wを、10mm、ヘッド部の長さLを、11mmとした場合、ヘッド部の耐久性、外観、植毛強度についての評価はいずれも「○」となり、継続使用後の外観についても悪化は見られなかった。
これに対して、表2に示されるように、「平線素材」「B」を用い、ヘッド部10の樹脂としてポリプロプレン樹脂を用いた比較例2〜7および9〜11において、ヘッド部の厚さTを1.9mm〜3.9mmと設定した場合には、ヘッド部の耐久性、外観および植毛強度において「×」又は「△」の評価となっている。ここで、比較例3〜7については、実施例2〜4,8および9との違いは、通常の平線を用いたか、脆弱部13aを形成した平線13を用いたかであるから、脆弱部13aを形成した平線13の効果が表れていることがわかる。特に、比較例3,5,6および7より、ヘッド部の幅Wおよび長さLが大きい場合において、継続使用後の外観の悪化が生じているが、実施例2,4,5,6,8および9をみるとわかるように、ヘッド部の幅Wおよび長さLが大きい場合であっても、脆弱部13aを形成した平線13を用いることによって耐久性、外観、植毛強度に優れるだけでなく、継続使用後の外観の悪化も抑制されている。
一方、比較例1は、脆弱部13aを形成した平線13を用いた例であるが、ヘッド部の厚さTが2.0mmを下回り、1.9mmとした場合には、ヘッド部10の耐久性、外観および植毛強度において「×」の評価となっている。このことから、本実施形態の歯ブラシ1において、好適な範囲はヘッド部の厚さTが2.0mm以上であることがわかる。
また、比較例8および12は、ヘッド部の厚さTを4.1mmで構成したものであるが、ヘッド部の厚さTが4.0mmを超えると、口腔内操作性において「×」の評価が見られる。一方、実施例9や参考例3において、ヘッド部の厚さTを3.9mmとした場合には、口腔内操作性において「△」の評価は受けるものの「×」の評価までは見られない。このことから、本実施形態の歯ブラシ1において、ヘッド部の厚さTの好適な範囲は4.0mm以下であることがわかる。
なお、表3に示されるように、ヘッド部10の素材としてポリアセタールを使用した場合、脆弱部13aを設けない通常の平線を使用しても、ヘッド部10の耐久性などが問題とならないことが分かる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態および変形例について説明した。以上の具体例は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施形態および変形例のみに限定する趣旨ではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
1:歯ブラシ、 10:ヘッド部、 10a:先端、 10b:境界、 11:植毛面、 12:植毛穴、 12:植毛穴、 13,13A,13B:平線、 13a,13Aa,13Ba:脆弱部、 13b,13Ab,13Bb:溝、 20:ネック部、 30:柄、 B:刷毛

Claims (4)

  1. 植毛面に複数の植毛穴が形成されたヘッド部を備え、複数本の刷毛を束ねた毛束を二つ折りにしてその間に挟み込まれた平線を前記植毛穴に打ち込むことで、前記毛束が前記植毛穴に植設された歯ブラシにおいて、
    前記ヘッド部は、ポリプロピレン樹脂により形成され、
    前記ヘッド部の厚さは、3mm以上3.5mm以下であり、
    前記ヘッド部の幅は、12mm以上17mm以下であり、
    前記ヘッド部の長さは、15mm以上27mm以下であり、
    前記植毛面の面積に対する前記植毛穴の総開口面積の割合は、27%以下であり、
    前記平線は、前記毛束の二つ折り部分に対向する面に溝を設けることにより柔軟性を有する脆弱部を有する、歯ブラシ。
  2. 前記脆弱部は、前記毛束の植毛方向と直交する方向に延在している溝である、請求項1に記載の歯ブラシ。
  3. 前記溝は、前記毛束の植毛方向に複数並列して形成された、請求項2に記載の歯ブラシ。
  4. 前記溝は、前記平線の一方の端から他方の端にかけて、前記毛束の植毛方向と直交する方向に延在している、請求項2又は3に記載の歯ブラシ。
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