JP3129537U - 歯ブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】口腔疾患好発部への毛先の到達性が高く、なおかつ、耐薬品性、ヘッド部強度に優れ、植毛強度の高い歯ブラシを提供する。
【解決手段】複数本の用毛2を束ねた毛束3を植毛した複数の植毛穴4が、ヘッド部の植毛面に形成されている歯ブラシであって、前記用毛2は、長さ方向に延在する少なくとも1つの平面2aを有し、前記毛束3は、平線6を用いて2つ折りにして植毛され、前記複数の植毛穴4は、最近接する任意の植毛穴4との穴縁間隔dが1mm以下とされ、かつ該植毛された前記用毛2が折り返された状態での1穴当たりの用毛2の断面積総和が1mm以下とされ、前記ヘッド部は、金属を10重量%以上40重量%以下の範囲で含有するポリプロピレン樹脂からなる歯ブラシとする。
【選択図】図2

Description

本考案は、口腔疾患好発部への毛先の到達性が高く、なおかつ、耐薬品性、ヘッド部強度に優れ、植毛強度の高い歯ブラシに関する。
一般に、歯ブラシのヘッド部は、植毛穴に平線を用いて毛束が打ち込まれることにより、用毛が固定されている。従来、植毛穴は、歯ブラシのヘッド部の植毛面に1mm以上の間隔で形成されており、植毛穴1穴あたりの用毛の数が16〜60本(折り返しで32〜120本)とされ、1穴あたりの用毛断面の総和が1mm2を超えている。
このような歯ブラシでは、毛束が太く毛束の剛性が高くなる為、特に平滑面や口咬面の歯垢除去力が高いという利点があった。しかしながら、このような歯ブラシでは、毛束が太いため、1つの毛束を構成する用毛同士が互いに支え合ってしまうことになり、用毛単体が持つ本来のしなやかな動きが発揮できなかった。このため、従来の歯ブラシでは、歯頚部や歯間部、歯間三角等の口腔疾患好発部とされる狭い部位に毛先が届き難いことや、歯肉等の軟組織に対しては刺激が大きいことが問題となっていた。
この問題を解決するために、少なくとも一部の植毛穴について、最近接する任意の植毛穴との間の穴縁間隔が1mm以下であり、かつ、該植毛穴に植毛された刷毛の折り返された状態での1穴当たりの用毛断面積の総和が1mm以下である歯ブラシが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の歯ブラシとすることで、毛束の柔軟性が十分に発揮され、歯牙や口腔内軟組織への当たり心地が良く、歯頚部や、歯間部、歯間三角等の口腔疾患好発部への毛先の到達性の高いものとなる。
また、従来から、歯ブラシのヘッド部やハンドル部の材質として、耐薬品性、加工性に優れるポリプロピレン樹脂が広く用いられている。
また、歯ブラシの用毛としては、一般に、円形の断面形状を有するものが用いられているが、歯垢の除去効果を高めるために、異形断面形状を有する用毛を用いることが提案されている(例えば、特許文献2〜特許文献4参照)。
特開2004−121823号公報 特開昭61−168304号公報 特開平6−233709号公報 特開平10−323226号公報
しかしながら、ポリプロピレン樹脂を用いたヘッド部では、平線を用いて毛束を植毛穴に植毛した場合、平線の打ち込む方向や数によっては十分な強度が得られないことがあった。これは、平線を打ち込むことにより植毛穴の内壁に生じた傷や、ヘッド部内に残存した歪みが原因と考えられ、製造時や歯磨き操作中におけるヘッド部の割れを生じやすくしている。特に、隣接する植毛穴間の間隔が狭く、平線が近接して打ち込まれる特許文献1に記載の技術では、ヘッド部の強度が十分に得られない場合があった。
ヘッド部の強度を向上させるためには、ヘッド部を構成するポリプロピレン樹脂中に、ゴム質を添加したり、金属を添加したりすることで、ポリプロピレン樹脂の強度を向上させることが考えられる。
しかしながら、例えば、特許文献1に記載の歯ブラシのヘッド部を、ゴム質を添加したポリプロピレン樹脂からなるものとした場合、ヘッド部の強度は高まるものの、ヘッド部の反りが発生したり、植毛強度の低下が見られた。また、特許文献1に記載の歯ブラシのヘッド部を、金属を添加したポリプロピレン樹脂からなるものとした場合にも、ヘッド部の反りはないものの、植毛強度が低くなるという問題があった。
本考案は、上記の点に鑑みてなされたものであり、口腔疾患好発部への毛先の到達性が高く、なおかつ、耐薬品性、ヘッド部強度に優れ、植毛強度の高い歯ブラシを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本考案の歯ブラシは、複数本の用毛を束ねた毛束を植毛した複数の植毛穴が、ヘッド部の植毛面に形成されている歯ブラシであって、前記用毛は、長さ方向に延在する少なくとも1つの平面を有し、前記毛束は、平線を用いて2つ折りにして植毛され、前記複数の植毛穴は、最近接する任意の植毛穴との穴縁間隔が1mm以下とされ、かつ該植毛された前記用毛が折り返された状態での1穴当たりの用毛の断面積総和が1mm以下とされ、前記ヘッド部は、金属を10重量%以上40重量%以下の範囲で含有するポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする。
本考案の歯ブラシでは、複数の植毛穴は、最近接する任意の植毛穴との穴縁間隔が1mm以下とされ、かつ該植毛された前記用毛が折り返された状態での1穴当たりの用毛の断面積総和が1mm以下とされているので、口腔疾患好発部位への毛先の到達性が高く、歯頸部、歯間乳頭部などの口腔粘膜に過大な負荷をかけることなしに優れた歯垢除去、歯肉マッサージ機能を発揮させることができる。
しかも、本考案の歯ブラシでは、用毛が長さ方向に延在する少なくとも1つの平面を有しているので、用毛同士の接触、用毛と平線との接触、用毛と植毛穴の内壁面との接触のうち、少なくとも一部が用毛の平面でなされるものとなる。よって、本考案の歯ブラシでは、用毛同士の接触、用毛と平線との接触、用毛と植毛穴の内壁面との接触による摩擦力を十分に確保することができ、植毛強度を向上することができる。
ここで、例えば、用毛が円形の断面形状を有するものである場合、長さ方向に延在する平面が存在しないため、用毛同士の接触、用毛と平線との接触、用毛と植毛穴の内壁面との接触は、全て用毛の外面との点の接触となる。したがって、用毛が円形の断面形状を有する場合、用毛同士の接触、用毛と平線との接触、用毛と植毛穴の内壁面との接触による摩擦力が十分に得られず、植毛強度が十分に得られない。
また、本考案の歯ブラシでは、ヘッド部が、金属を10重量%以上40重量%以下の範囲で含有するポリプロピレン樹脂からなるものであるので、高い強度を有するヘッド部を備えたものとなる。
また、本考案の歯ブラシにおいては、前記金属が硫酸バリウムであることを特徴とするものとすることができる。
また、本考案の歯ブラシにおいては、前記用毛の断面形状が三角形または正方形、長方形、平行四辺形、菱形などの矩形であるものとすることができる。
本考案によれば、口腔疾患好発部への毛先の到達性が高く、なおかつ、耐薬品性、ヘッド部強度に優れ、植毛強度の高い歯ブラシを提供できる。
次に、図面を用いて本考案の実施の形態を詳細に説明する。なお、本考案は、以下に説明する実施の形態に限定されない。
図1は、本考案の歯ブラシの一例を説明するための平面図である。また、図2は、図1に示す歯ブラシを構成する毛束のうちの1束を拡大して植毛穴に植毛されている状態を示した拡大模式図であり、図2(a)は斜視図であり、図2(b)は平面図である。
図1は歯ブラシ1を植毛面5a側から見た平面図であり、図1(a)は全体図であり、図1(b)は拡大図である。歯ブラシ1は、ヘッド部5と、ヘッド部5と一体成形されたハンドル部9とを備えている。ヘッド部5の植毛面5aには、76穴の植毛穴4が形成されている。図1および図2(b)に示すように、全ての植毛穴4の平面形状は、長円形とされており、ヘッド部5の幅方向が長軸方向となるように並べられている。また、植毛穴4にはそれぞれ、複数本の用毛2を束ねてなる毛束3が植毛されている。毛束3は、図2(a)および図2(b)に示すように、平線6を用いて2つ折りにして植毛されたものである。
なお、本実施形態においては、植毛穴4の平面形状を長円形としたが、植毛穴の平面形状は、長円形に限定されるものではなく、例えば、通常の円形であってもよいし、略楕円形、略長円形、略長方形など植毛穴4の長径と短径とを異ならせた形状としてもよい。植毛穴4に長径と短径がある場合、植毛穴4の内壁面41に接触する用毛2の割合が多くなり、用毛2と植毛穴4の内壁面41との接触による摩擦力が大きいものとなるため、好ましい。また、植毛穴4に長径と短径がある場合、植毛穴4の配置方向を組み合わせることによって歯間進入性や、毛の当たり心地、刷掃実感など目的に応じた仕様の設計が可能となる。例えば、毛束3の植毛穴4の短径側がヘッド部5の外側から見えるように、ヘッド部5の植毛面5aの外縁に植毛穴4を配列し、植毛穴4の長軸方向に平線6を打ち込めば、平線6に沿って用毛2が並ぶため、同じ本数の用毛2を植毛した円形の毛束3と比較して細く見え、外観差別性も著しく向上することが期待できる。また、平線6の干渉を避け、より密毛に植毛穴4の配置を行うために、植毛穴4の配置を千鳥にすることも可能である。また、植毛穴4の平面形状は、図1に示すように、全て同じであってもよいし、少なくとも一部が異なっていてもよい。
本実施形態においては、図1に示す全ての植毛穴4は、最近接する任意の植毛穴4との穴縁間隔dが1mm以下とされ、より好ましくは0.25〜0.70mmの範囲とされ、かつ植毛された用毛2が折り返された状態での1穴当たりの用毛2の断面積総和が1mm以下とされ、より好ましくは0.1〜0.7mmの範囲とされている。
穴縁間隔dが1mmを超えると、ブラッシング運動に伴う毛束3の反撥作用が強くなり、毛束3のゴツゴツした感触が加わり、使用感が低下してしまうし、毛束の連続した運動が発揮されなくなり、歯垢除去効果も低下する。また、穴縁間隔dが狭過ぎると、毛束3の間隔が狭くなり、歯間に用毛が入りにくくなり、歯間進入性が低下する。
また、1つの植毛穴4に植毛される用毛2の断面積総和が1mmを超えると、毛束3としての強度が大きくなるため、剛性の高い毛束となって毛束3の柔軟性が極端に低下するため、好ましくない。また、断面積総和が0.1mm未満であると、ヘッド部5に植毛される用毛2の総本数が少なくなるため、毛束3の強度が不十分となり、平滑面の歯垢除去効果が不十分となる場合がある。
毛束3を構成する用毛2は、図2(a)および図2(b)に示すように、菱形の断面形状を有し、図2(a)に示すように、用毛2の長さ方向に延在する4つの平面2aを有している。そして、用毛2同士の接触、用毛2と平線6との接触、用毛2と植毛穴4の内壁面41との接触は、全て用毛2の平面2aでなされている。
なお、用毛2の断面形状は、菱形に限定されるものではなく、例えば、図3(a)に示すように三角形としてもよいし、図3(b)に示すように正方形としてもよい。図3(a)および図3(b)に示すように、用毛2の断面形状が三角形や正方形である場合においても、断面形状が菱形である場合と同様に、用毛2同士の接触、用毛2と平線6との接触、用毛2と植毛穴4の内壁面41との接触は、全て用毛2の平面2aでなされる。
さらに、用毛2の断面形状は、長さ方向に延在する少なくとも1つの平面を有するものであればよく、長方形、平行四辺形などの矩形であってもよい。
用毛2の太さとしては、3〜10ミル(0.076〜0.254mm)、好ましくは5〜8ミル(0.125〜0.203mm)のものが好ましいが、使用性、刷掃感、清掃効果、耐久性など考慮してこれらを組み合わせて利用しても良い。特に、植毛穴4を多数配置した仕様では、外側の毛束より中央に向かう用毛の強度を硬くまたは変化させる(太さ、材質、長さ、色、断面形状)事は使用感、外観差別性の上でも好ましい。
ここで、用毛径とは、断面形状が円形の場合には直径を示し、三角形や正方形、菱形などの矩形の場合には1辺の長さを示す。例えば、図2(b)に示すように菱形である場合には符号dで示される寸法であり、図3(a)に示すように三角形である場合には符号dで示される寸法であり、図3(b)に示すように正方形である場合には符号dで示される寸法である。
用毛2は、自由端部の毛切り(あるいはプロファイル)形状と用毛2の長さを任意に設定することにより、単一平面状としたり、山切り状としたり、凹凸形状とするなど、さらには、外側と内側、先端部と後端部などで異なった構成としても良い。また、用毛2を酸またはアルカリ薬剤に溶解させる化学的方法や、用毛2を歯ブラシ1に植毛した後毛先を機械研磨することにより毛先をテーパー状にしても良い。
また、ヘッド部5の植毛面5aから鉛直方向に用毛2の先端までの距離である用毛長は、毛束仕様や用毛仕様によって使用感、清掃効果などを考慮して適宜選択されるが、一般には、大人用として8〜12mm、子供用として6〜10mmとされる。
用毛2の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12などのポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、および、ポリフッ化ビニリデンなどのポリハロゲン化ビニル等の溶融紡糸できる素材が利用される。また、用毛2として外側と内側とで材質の異なる2重芯鞘状の用毛、表面に凹凸加工を施した用毛など目的に応じて使用することが可能である。
また、用毛2となるモノフィラメントは、用毛2の特性を大きく損なわない範囲内で改質してもよく、熱や光に対する安定化剤、難燃剤、フィラー、表面潤滑剤、帯電防止剤、殺菌素材(抗菌素材)などの改質材、他の硬質樹脂やエラストマーなどを1種または2種以上適宜配合したり、用毛2に塗布したりしても良い。
用毛2は、着色していない透明(ナチュラル)のままの用毛であってもよいし、顔料や染料による透明系着色用毛あるいは不透明着色(白を含む)用毛でもよく、歯ブラシ1の外観の商品性などを考慮して適宜選択される。また、必要に応じて、2種あるいはそれ以上の色の異なる用毛2を、毛束3単位や毛束3内で組み合わせて使用しても良い。また、同一用毛の断面を多重芯鞘構造とする場合には、部分的に異なる素材や着色のものと組み合わせて用いることも出来る。
用毛2の着色方法としては、一般に用いられるように紡糸する際の樹脂そのものを着色するか、紡糸後、あるいは紡糸工程に付随して、表面から着色することが出来る。また、歯刷子へ植毛する前のカットピース状態(25〜35mm程度の用毛長さの束)や植毛後に、用毛の先端部分のみ、あるいは用毛全部を着色することも出来る。
平線6の材質としては、真鍮、ステンレス等の金属の他、生分解性プラスチック、硬質プラスチックなども使用可能である。なお、平線6の幅や長さには特に制限は無く、任意に設定できる。なお、平線6の幅や長さには特に制限は無く、任意に設定できる。また、打ち込み方向に対して垂直となるように平線表面に溝をつけることによってさらに植毛強度を向上させることも可能である。
また、本実施形態においては、ヘッド部5およびハンドル部9は、金属を10重量%以上40重量%以下の範囲で含有するポリプロピレン樹脂からなるものである。
ポリプロピレン樹脂に含有される金属の量が10重量%未満であると、ポリプロピレン樹脂の強度を向上させる効果が十分に得られず、成形したヘッド部5およびハンドル部9の強度の向上が望めない。一方、金属の量が40重量%を超えると、成形が困難になるし、樹脂が硬くなってポリプロピレン樹脂の利点である加工性が低下してしまう。
また、ポリプロピレン樹脂に含有される金属としては、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウムなどを用いることができるが、成形後に、耐薬品性、外観の光沢性に優れたヘッド部5およびハンドル部9が得られる硫酸バリウムを用いることが好ましい。
なお、ヘッド部5およびハンドル部9の形状や、大きさ、デザインは、何ら制限を受けないが、例えば、ヘッド部5の厚みは、十分な強度が得られ、かつ、清掃しやすい歯ブラシとするため、3mm〜6mm程度の厚みとすることが好ましい。
また、ヘッド部5とハンドル部9とは、一体成形により形成したものとすることができ、ハンドル部9は、熱可塑性エラストマーと組み合わせた多色成形ハンドルとしてもよい。
本実施形態の歯ブラシ1では、最近接する任意の植毛穴4との穴縁間隔dが1mm以下とされ、かつ植毛された用毛2が折り返された状態での1穴当たりの用毛2の断面積総和が1mm以下とされ、細い毛束3が最適な穴縁間隔dで配置されたものとなる。このため、用毛2の1本1本が歯牙および歯肉に届きやすくなり、口腔疾患好発部位への毛先の到達性が改善される。また、毛束3が少数本の用毛2からなるものとされるため、細い毛束の連続した動きを発現させることが可能となり、歯頸部、歯間乳頭部などの口腔粘膜に過大な負荷をかけることなしに優れた歯垢除去、歯肉マッサージ機能を発揮させることができる。
また、本実施形態の歯ブラシ1では、用毛2が菱形の断面形状を有し、用毛2の長さ方向に延在する4つの平面2aを有しているので、用毛2同士の接触、用毛2と平線6との接触、用毛2と植毛穴4の内壁面41との接触が、全て用毛2の平面2aでなされるものとなる。よって、用毛2同士の接触、用毛2と平線6との接触、用毛2と植毛穴4の内壁面41との接触による摩擦力を十分に確保することができるので、植毛強度を向上することができる。
なお、用毛2の断面形状が、三角形である場合や矩形である場合にも、用毛2の断面形状が菱形である場合と同様に、用毛2同士の接触、用毛2と平線6との接触、用毛2と植毛穴4の内壁面41との接触は、全て用毛2の平面2aでなされるので、植毛強度を向上させることができる。
また、本実施形態の歯ブラシ1では、用毛2が菱形の断面形状を有しているので、図2(b)に示すように、対向する2つの平面2aがそれぞれ、平線6と植毛穴4の内壁面41とに接触した状態とされ、平線6または植毛穴4の内壁面41と用毛2とによって鋭角部42が形成されるとともに、この鋭角部42に、鋭角部42に合致する形状を有する隣接する用毛2がはめ込まれるため、断面形状が正方形である場合や三角形である場合と比較して、用毛2同士、用毛2と平線6、用毛2と植毛穴4の内壁面41とがより強固に密着するものとなり、植毛強度をさらに向上することができる。
なお、用毛2の断面形状が、平行四辺形である場合にも、用毛2の断面形状が菱形である場合と同様に、対向する2つの平面2aがそれぞれ、平線6と植毛穴4の内壁面41とに接触した状態とされ、平線6または植毛穴4の内壁面41と用毛2とによって鋭角部42が形成されるとともに、この鋭角部42に、鋭角部42に合致する形状を有する隣接する用毛2がはめ込まれるため、植毛強度をさらに向上することができる。
さらに、本実施形態の歯ブラシ1では、ヘッド部5およびハンドル部9が、金属を10重量%以上40重量%以下の範囲で含有するポリプロピレン樹脂からなるものであるので、高い強度を有するヘッド部5を備えたものとなる。
以下に実施例を示して本考案をさらに詳しく説明するが、本考案はこれら実施例に限定されるものではない。
「実施例1〜実施例6、比較例1〜比較例6」
図1に示す長軸1.52mm、短軸0.64mmの長円形の植毛穴4を表1に示す穴縁間隔で76穴備えたヘッド部5と、ハンドル部9とを、表1に示す材質に表1に示す金属を表1に示す含有量で含有させた樹脂を用いて一体成形した。その後、表1に示す断面形状の用毛を複数本束ねた毛束を、平線を用いて2つ折りにしてヘッド部に植毛し、表1に示す1穴当たりの用毛の断面積総和の実施例1〜実施例6、比較例1〜比較例6の歯ブラシを得た。
Figure 0003129537
なお、表1においてPPとは、ポリプロピレン樹脂を意味し、PCTAとは、飽和ポリエステル樹脂を意味する。
「比較例7」
図11に示す直径1.6mmの円形の植毛穴14を表1に示す穴縁間隔で23穴備えたヘッド部15とハンドル部19とを、実施例1と同様の樹脂を用いて一体成形した。その後、表1に示す断面形状の用毛を複数本束ねた毛束を、平線を用いて2つ折りにしてヘッド部15に植毛し、表1に示す1穴当たりの用毛の断面積総和の比較例7の歯ブラシ10を得た。図11は比較例7の歯ブラシ10を植毛面側から見た平面図であり、図11(a)は全体図であり、図11(b)は拡大図である。
なお、実施例1〜実施例6、比較例1〜比較例7の歯ブラシの用毛として、用毛径8milのナイロンを用いた。
このようにして得られた実施例1〜実施例6、比較例1〜比較例7の歯ブラシに対し、以下に示すようにして「ヘッド部耐折強度」「毛束強度」「1本毛抜け強度」「耐薬品性」「外観(光沢性)」の試験を実施して以下に示すように評価した。
その結果を表2に示す。
「ヘッド部耐折強度」
まず、歯ブラシの用毛の植毛穴から出ている部分を切断し、ヘッド部の植毛面側を平滑にした。その後、ヘッド部をアイゾット衝撃試験機に固定し、植毛面側からハンマーにより衝撃を与え、ヘッド部が破断した時の吸収エネルギー(J)を測定した。
○:1.5J以上
△:0.5J以上1.5J未満
×:0.5J未満
「毛束強度」
歯ブラシの1穴中の全用毛をつかみ、島津社製オートグラフで20mm/分の速度で用毛を引張り、用毛が植毛穴から抜けるまでの最大引張力(N)を測定した。
◎:20N以上
○:15N以上20N未満
△:8N以上15N未満
×:8N未満
「1本毛抜け強度」
歯ブラシの植毛穴に植毛されている用毛1本をつかみ、島津社製オートグラフで20mm/分の速度で用毛を引張り、用毛が植毛穴から抜けるまでの最大引張力(N)を測定した。
◎:3N以上
○:1.5N以上3N未満
△:1N以上1.5N未満
×:1N未満
「耐薬品性」
歯ブラシを50%歯磨き剤水溶液の中に2週間放置し、ハンドルの外観状態を目視観察した。
○:変化なし
×:クレージング(網目状の表面亀裂)が発生した
「外観(光沢性)」
成形したハンドルの光沢を目視観察した。
○:光沢あり
×:光沢なし
「総合評価」
ヘッド部耐折強度、毛束強度、1本毛抜け強度、耐薬品性、外観(光沢性)の試験の結果を基に判断した。
○:すべてが「◎」もしくは「○」。(機能および外観が良好)
△:ヘッド部耐折強度、毛束強度、1本毛抜け強度、耐薬品性が「◎」もしくは「○」であり、外観が「×」である。(機能のみ良好)
×:ヘッド部耐折強度、毛束強度、1本毛抜け強度、耐薬品性に「△」が2つ以上ある、もしくは「×」がある。(機能が不可)
Figure 0003129537
表2に示すように、ヘッド部が硫酸バリウムを含有するポリプロピレン樹脂からなり、用毛が菱形または三角形である実施例1〜実施例4では、全ての評価が○または◎であり、総合評価が○となった。
また、ヘッド部がタルクを含有するポリプロピレン樹脂からなり、用毛が菱形である実施例5〜実施例6では、外観の評価を除く全ての評価が○であったが、外観の評価が×であり、総合評価が△となった。
これに対して、用毛が円形である比較例1では、「毛束強度」「1本毛抜け強度」の評価が△となり、総合評価が×となった。
また、硫酸バリウムの含有量が本発明の範囲未満である比較例2では、「毛束強度」「1本毛抜け強度」「耐薬品性」「外観」の評価が○となったが、「ヘッド部耐折強度」が×となり、総合評価は×となった。
また、ヘッド部が、金属を含有しないPCTAからなる比較例3では、用毛が円形であるにもかかわらず「毛束強度」「1本毛抜け強度」の評価が○となったが、「ヘッド部耐折強度」が△、「耐薬品性」の評価が×となり、総合評価は×となった。
また、ヘッド部が、金属を含有しないPCTAからなる比較例4では、「毛束強度」の評価が◎、「1本毛抜け強度」の評価が○となったが、「ヘッド部耐折強度」が△、「耐薬品性」の評価が×となり、総合評価は×となった。
また、ヘッド部が、金属を含有しないポリプロピレン樹脂からなる比較例5および比較例6では、「ヘッド部耐折強度」が×となり、総合評価が×となった。
また、用毛が円形で、穴縁間隔および断面積総和が本発明の範囲外である比較例7では、全ての評価が○または◎であり、総合評価が○となった。
そして、比較例7および実施例1〜実施例6の総合評価の結果から、実施例1〜実施例4では、従来の歯ブラシと同等の機能(ヘッド部耐折強度、毛束強度、1本毛抜け強度、耐薬品性)および外観が得られ、実施例5〜実施例6では、従来の歯ブラシと同等の機能が得られることが確認できた。
次に本考案の他の例を示す。
「実施例7〜実施例14」
図1、図4〜図10、表3に示す穴縁間隔、数、形状の植毛穴を備えたヘッド部と、ハンドル部とを、ポリプロピレン樹脂に表3に示す含有量で表3に示す金属を含有させた樹脂を用いて一体成形した。その後、表3に示す断面形状および材質の用毛を表3に示す本数で束ねた毛束を、表3に示す寸法および材質の平線を用いて2つ折りにしてヘッド部に植毛し、表3に示す1穴当たりの用毛の断面積総和、仕様の実施例7〜実施例14の歯ブラシを得た。
Figure 0003129537
なお、表3において、植毛穴の寸法は、植毛穴の断面形状が長円形または略長方形である場合には「短軸×長軸」であり、植毛穴の断面形状が円形である場合には「直径」である。また、平線の寸法は「厚み×幅×長さ」である。
また、図1は実施例7の歯ブラシを示した図であり、図4は実施例8の歯ブラシを示した図であり、図5は実施例9の歯ブラシを示した図であり、図6は実施例10の歯ブラシを示した図であり、図7は実施例11の歯ブラシを示した図である。図1、図4〜図7に示す実施例7〜実施例11の歯ブラシは、いずれもヘッドの幅方向が植毛穴の長軸方向となるように植毛穴が配置されている。また、図7に示す実施例11の歯ブラシでは、植毛穴4aが略長方形とされている。
また、図8は実施例12の歯ブラシを示した図である。図8に示す実施例12の歯ブラシでは、ヘッド部の植毛面の外縁に沿って(外側)、幅方向が植毛穴の長軸方向となるように植毛穴4が一列配列されており、ヘッド部の植毛面の中央部分には(内側)、幅方向が植毛穴の短軸方向となるように植毛穴4bが3列配列されている。
また、図9は実施例13の歯ブラシを示した図である。図9に示す実施例13の歯ブラシでは、幅方向が植毛穴の長軸方向である略長方形の植毛穴4dが、ヘッド部の植毛面の外縁に沿って一列配列されているとともに、ヘッド部の植毛面の中央部分に1列配列され、略長方形の植毛穴4dの列の間に円形の植毛穴4cが1列ずつ配列されている。
また、図10は実施例14の歯ブラシを示した図である。図10に示す実施例14の歯ブラシでは、ヘッドの幅方向が植毛穴の長軸方向となるように3列の略長方形の植毛穴4dが配置され、先端部に2つの円形の植毛穴4cが配置されている。
このようにして得られた実施例7〜実施例14の歯ブラシに対し、実施例1と同様にして「ヘッド部耐折強度」「毛束強度」「1本毛抜け強度」「耐薬品性」「外観(光沢性)」の試験を実施して評価した。
その結果を表4に示す。
Figure 0003129537
表4に示すように、実施例7〜実施例14では、外観の評価を除く全ての評価が○または◎であり、総合評価が○または△であった。
図1は、本考案の歯ブラシの一例を説明するための平面図である。 図2は、図1に示す歯ブラシを構成する毛束のうちの1束を拡大して植毛穴に植毛されている状態を示した拡大模式図であり、図2(a)は斜視図であり、図2(b)は平面図である。 図3は、本考案の歯ブラシの他の例を説明するための図であり、歯ブラシを構成する毛束のうちの1束を拡大して植毛穴に植毛されている状態を示した平面図である。 図4は、本考案の歯ブラシの他の例を説明するための平面図である。 図5は、本考案の歯ブラシの他の例を説明するための平面図である。 図6は、本考案の歯ブラシの他の例を説明するための平面図である。 図7は、本考案の歯ブラシの他の例を説明するための平面図である。 図8は、本考案の歯ブラシの他の例を説明するための平面図である。 図9は、本考案の歯ブラシの他の例を説明するための平面図である。 図10は、本考案の歯ブラシの他の例を説明するための平面図である。 図11は、比較例7の歯ブラシを説明するための平面図である。
符号の説明
1・・・歯ブラシ、2・・・用毛、2a・・・平面、3・・・毛束、4・・・植毛穴、5・・・ヘッド部、5a・・・植毛面、6・・・平線、9・・・ハンドル部、41・・・内壁面、42・・・鋭角部、d・・・穴縁間隔。

Claims (3)

  1. 複数本の用毛を束ねた毛束を植毛した複数の植毛穴が、ヘッド部の植毛面に形成されている歯ブラシであって、
    前記用毛は、長さ方向に延在する少なくとも1つの平面を有し、
    前記毛束は、平線を用いて2つ折りにして植毛され、
    前記複数の植毛穴は、最近接する任意の植毛穴との穴縁間隔が1mm以下とされ、かつ該植毛された前記用毛が折り返された状態での1穴当たりの用毛の断面積総和が1mm以下とされ、
    前記ヘッド部は、金属を10重量%以上40重量%以下の範囲で含有するポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする歯ブラシ。
  2. 前記金属が硫酸バリウムであることを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ。
  3. 前記用毛の断面形状が三角形または正方形、長方形、平行四辺形、菱形などの矩形であることを特徴とする請求項1および請求項2に記載の歯ブラシ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016010510A (ja) * 2014-06-27 2016-01-21 小林製薬株式会社 歯ブラシ
JPWO2018131306A1 (ja) * 2017-01-13 2019-11-07 株式会社ジーシー 歯ブラシ

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