JP6942949B2 - 画像形成装置、現像装置及び現像ロール支持装置 - Google Patents

Description

本発明は、画像形成装置、現像装置及び現像ロール支持装置に関する。

特許文献１には、現像ローラと同軸に設けられかつ感光体ドラム表面に当接するギャップ規制用コロ（トラッキングロール）によって、感光体ドラム（像保持体）と現像ローラとの間のギャップが規制されており、かつ感光体ドラムの両端部内面の少なくともフランジ部材が圧入される部分にインロー加工が施されている現像装置において、ギャップ規制用コロが、感光体ドラム表面のうち、内面にインロー加工がされている部分以外の部分に当接されるように設けられている現像装置が開示されている。

特開２００６−３３０６７６号公報

上述のような現像装置においては、現像ロールの径は一定ではなく、ふれをもっているので、現像ロールのふれが像保持体と現像ロールとの対向領域での両者の距離の変動となり、この距離の変動を原因として像の濃度むらが生じる虞がある。上述の距離の変動を低減させるために粘弾性体を用いることが考えられる。しかしながら、粘弾性を用いると、粘弾性の劣化や粘弾性体の過度の変形等を原因として、像保持体と現像ロールとの距離が所望の範囲内とならない虞がある。

本発明は、像保持体と現像ロールと距離の最大値及び像保持体と現像ロールの距離の最小値の少なくともいずれか一方を規制する規制手段を有しない技術と比較して、像保持体と現像ロールとの距離の変動を抑制することができる画像形成装置、現像装置及び現像ロール支持装置を提供することを目的とする。

請求項１に係る本発明は、潜像が現像される像保持体と、
前記像保持体に対向して設けられ、前記像保持体の潜像に対する現像を行う現像ロールと、
前記像保持体と前記現像ロールとが近づくように付勢する付勢手段と、
前記像保持体と前記現像ロールとの距離が予め定められた範囲内となるように、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最小値を規制する最小距離規制手段、及び前記像保持体と前記現像ロールと距離の変化に応じて変形する粘弾性体を有する、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最大値を規制する最大距離規制手段と、を有する画像形成装置である。

請求項２に係る本発明は、前記最大距離規制手段は、前記現像ロールと同軸に設けられ、前記像保持体に接触し、前記像保持体と前記現像ロールとの距離を規制する請求項１記載の画像形成装置である。

請求項３に係る本発明は、前記最大距離規制手段は、前記像保持体に接触する外輪部材と、前記現像ロールに支持していて、前記外輪部材の内側に配置されている内輪部材と、
を有し、前記粘弾性体は、前記外輪部材と前記内輪部材とに挟まれるように装着されている請求項２記載の画像形成装置である。

請求項４に係る本発明は、前記最大距離規制手段は、前記外輪部材を前記像保持体に接触させるようにして、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最大値を規制する請求項３記載の画像形成装置である。

請求項５に係る本発明は、前記最小距離規制手段は、前記現像ロールよりも径が大きく、前記現像ロールの外周面に装着された環状部材を有し、前記環状部材を前記像保持体に接触させるようにして、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最小値を規制する請求項１乃至４いずれか記載の画像形成装置である。

請求項６に係る本発明は、前記現像ロールは、現像剤を保持する現像剤保持部と、前記現像剤保持部よりも径が大きい大径部とを有し、前記最小距離規制手段は、前記大径部を前記像保持体に接触させるようにして、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最小値を規制する請求項１乃至４いずれか記載の画像形成装置である。

請求項７に係る本発明は、前記最小距離規制手段は、前記現像ロール及び前記最大距離規制手段と同軸に設けられ、前記現像ロールよりも径が大きく、前記最大距離規制手段よりも径が小さい環状部材を有し、前記環状部材を前記像保持体に接触させるようにして、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最小値を規制する請求項２乃至４いずれか記載の画像形成装置である。

請求項８に係る本発明は、潜像が現像される像保持体と、前記像保持体に対向して設けられ、前記像保持体の潜像に対する現像を行う現像ロールと、前記像保持体と前記現像ロールとが近づくように付勢する付勢手段と、前記像保持体と前記現像ロールと距離の変化に応じて変形する粘弾性体を有し、前記像保持体と前記現像ロールとの距離が予め定められた範囲内となるように、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最大値及び前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最小値の少なくともいずれか一方を規制する距離規制手段と、を有し、前記距離規制手段は、前記粘弾性体を有し、前記現像ロールと同軸に回転しないように設けられた第一規制部材と、前記第一規制部材の外周に配置されている円筒部を備え、前記現像ロールの回転軸が挿入され、前記現像ロールの前記回転軸が移動可能であるように貫通孔が形成されている第二規制部材と、を有し、前記第一規制部材の外周面を前記円筒部の内周面に接触させつつ、前記円筒部の外周面を前記像保持体に接触させるようにして、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最大値を規制し、前記粘弾性体が収縮した状態で、前記現像ロールの前記回転軸を前記貫通孔の前記像保持体側の端部に接触させるようにして、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最小値を規制する画像形成装置である。

請求項９に係る本発明は、前記粘弾性体は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリオキシメチレン樹脂、又はポリアセタール樹脂のいずれか１つを含む材料から構成されている請求項１乃至８いずれか記載の画像形成装置である。

請求項１０に係る本発明は、潜像が現像される像保持体に対向して設けられ、前記像保持体の潜像に対する現像を行う現像ロールと、前記像保持体と前記現像ロールとが近づくように付勢する付勢手段と、前記像保持体と前記現像ロールとの距離が予め定められた範囲内となるように、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最小値を規制する最小距離規制手段、及び前記像保持体と前記現像ロールと距離の変化に応じて変形する粘弾性体を有する、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最大値を規制する最大距離規制手段と、を有する現像装置である。

請求項１１に係る本発明は、現像ロールと像保持体との距離が予め定められた所定の範囲内となるように、前記現像ロールと前記像保持体と距離の最大値を規制する最大距離規制手段と、前記現像ロールと前記像保持体との距離の最小値を規制する最小距離規制手段と、を有する現像ロール支持装置であって、前記最大距離規制手段は、外輪部材と、前記現像ロールに装着され、前記外輪部材の内側に配置されている内輪部材と、前記外輪部材と前記内輪部材との間に装着されていて、前記外輪部材と前記内輪部材との位置関係の変化に応じて変形する粘弾性体と、を有する現像ロール支持装置である。
また、請求項１２に係る本発明は、回転体と対向部材との距離が予め定められた所定の範囲内となるように、前記回転体と前記対向部材と距離の最大値を規制する最大距離規制手段と、前記回転体と前記対向部材との距離の最小値を規制する最小距離規制手段と、を有する回転体支持装置であって、前記最大距離規制手段は、外輪部材と、前記回転体に装着され、前記外輪部材の内側に配置されている内輪部材と、前記外輪部材と前記内輪部材との間に装着されていて、前記外輪部材と前記内輪部材との位置関係の変化に応じて変形する粘弾性体と、を有する回転体支持装置である。

請求項１に係る本発明によれば、像保持体と現像ロールと距離の最大値を規制する最大距離規制手段及び像保持体と現像ロールの距離の最小値を規制する最小距離規制手段を有しない技術と比較して、像保持体と現像ロールとの距離の変動を抑制することができる画像形成装置を提供することができる。

請求項２に係る本発明によれば、粘弾性体が最大距離規制手段以外の位置に設けられている技術と比較して、粘弾性体を設けるための空間を狭くすることができる。

請求項３に係る本発明によれば、外輪部材および内輪部材を粘弾性体とは別に備えない場合に比べて、最大距離規制手段の外径および内径の寸法を高精度に製造することができる。

請求項４に係る本発明によれば、最大距離規制手段以外の他の部材を追加することなく、像保持体と現像ロールとの距離の最大値を規制することができる。

請求項５に係る本発明によれば、環状部材の外径を変更することで像保持体と現像ロールとの距離の最小値の調整をすることができるため、像保持体と現像ロールとを接触させることで像保持体と現像ロールとの距離の最小値を規制する技術と比較して、規制する対象である像保持体と現像ロールとの距離の最小値の調整を容易にすることができる。

請求項６に係る本発明によれば、現像ロール以外の他の部材を追加することなく、像保持体と現像ロールとの距離の最小値を規制することができる。

請求項７に係る本発明によれば、環状部材の外径を変更することで像保持体と現像ロールとの距離の最小値の調整をすることができるため、像保持体と現像ロールとを接触させることで像保持体と現像ロールとの距離の最小値を規制する技術と比較して、規制する対象である像保持体と現像ロールとの距離の最小値の調整を容易にすることができる。

請求項８に係る本発明によれば、像保持体と現像ロールと距離の最大値を規制する最大距離規制手段及び像保持体と現像ロールの距離の最小値を規制する最小距離規制手段を有しない技術、及び粘弾性体が最大距離規制手段以外の位置に設けられている技術と比較して、像保持体と現像ロールとの距離の変動を抑制し、また、粘弾性体を設けるための空間を狭くすることができる。

請求項９に係る本発明によれば、粘弾性体の材料を具体化することができる。

請求項１０に係る本発明によれば、像保持体と現像ロールと距離の最大値の最大値を規制する最大距離規制手段及び像保持体と現像ロールの距離の最小値を規制する最小距離規制手段を有しない技術と比較して、像保持体と現像ロールとの距離の変動を抑制することができる現像装置を提供することができる。

請求項１１、１２に係る本発明によれば、現像ロール又は回転体と像保持体又は対向部材との距離の最大値及び現像ロール又は回転体と像保持体又は対向部材との距離の最小値の両方を規制するに際し、粘弾性体を設けるための空間を狭くすることができる現像ロール支持装置又は回転体支持装置を提供することができる。

本発明の実施形態の画像形成装置を前側から示す断面図である。 本発明の実施形態に用いた画像形成ユニットを前側から示す断面図である。 本発明の実施形態に用いた画像形成ユニットの前側部分を左側から模式的に示す断面図である。 距離規制機構の動作を説明し、図４（Ａ）は、像保持体と現像ロールとの距離が最小となった距離規制機構する図であり、図４（Ｂ）は、像保持体と現像ロールとの距離が最大となった距離規制機構する図である。 本発明の実施形態に用いた規制部材を示す斜視図である。 画像形成ユニットの第１の変形例の前側部分を左側から模式的に示す図である。 画像形成ユニットの第２の変形例の前側部分を左側から模式的に示す図である。 画像形成ユニットの第３の変形例の前側部分を左側から模式的に示す図である。

次に、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。

図１は、本発明の一実施形態の画像形成装置１０の構成を示す図である。

画像形成装置１０は、画像形成装置本体１２を有する。画像形成装置本体１２の下部には用紙収容部１４が設けられ、また、画像形成装置本体１２の上部には、用紙排出部１６が設けられている。用紙収容部１４には、多数枚の用紙が収容されている。用紙収容部１４から用紙排出部１６までに用紙搬送路１８が形成されている。

用紙収容部１４の最上位に配置された用紙は、ピックアップロール２０により送り出される。送り出された用紙は、レジストロール２４により一時停止されて位置決め規制され、予め定められてタイミングで後述する二次転写ロール４０へ向けて搬送される。

画像形成装置本体１２の中央部には画像形成部２２が設けられている。画像形成部２２は、例えば４つの画像形成ユニット２６Ｙ、２６Ｍ、２６Ｃ、２６Ｋを有する。画像形成ユニット２６Ｙ、２６Ｍ、２６Ｃ、２６Ｋは、それぞれ、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）、黒（Ｋ）の各色に対応して設けられており、中間転写ベルト２８に沿って一定の間隔を空けて配列されている。中間転写ベルト２８は、例えば２つの支持ロール３０、３２に支持されていて、矢印Ａ方向に回転する。

画像形成ユニット２６Ｙ、２６Ｍ、２６Ｃ、２６Ｋは、それぞれが像保持体である感光体ドラム３４Ｙ、３４Ｍ、３４Ｃ、３４Ｋと、現像装置２００Ｙ、２００Ｍ、２００Ｃ、２００Ｋとを有する。感光体ドラム３４Ｙ、３４Ｍ、３４Ｃ、３４Ｋは、中間転写ベルト２８を挟んで一次転写ロール３８Ｙ、３８Ｍ、３８Ｃ、３８Ｋに対向していて、一次転写ロール３８Ｙ、３８Ｍ、３８Ｃ、３８Ｋにより画像形成ユニット２６Ｙ、２６Ｍ、２６Ｃ、２６Ｋで形成された現像剤像が中間転写ベルト２８に一次転写される。

二次転写ロール４０は、中間転写ベルト２８を挟んで支持ロール３２に対向している。この二次転写ロール４０により、一次転写された現像剤像が用紙搬送路１８を介して搬送された用紙に二次転写される。

現像剤が二次転写された用紙は、定着装置４２に搬送される。定着装置４２は、用紙に転写されたトナー像を、例えば熱と圧力とを用いて用紙に定着する装置であり、例えば加熱ロール４４と加圧ロール４６とを有する。この定着装置４２により現像剤像が定着された用紙は、排出ロール４８により用紙排出部１６へ排出される。

画像形成装置１０は、反転搬送路５０をさらに有する。反転搬送路５０は、一方の面に現像剤像が形成された用紙を反転させつつ、その用紙を用紙搬送路１８におけるレジストロール２４の上流側へと搬送するための搬送路である。反転搬送路５０に沿って、例えば２つの搬送ロール５２、５２が配置されていて、排出ロール４８から反転搬送路５０へと送り出された用紙が、搬送ロール５２、５２によって用紙搬送路１８へと搬送される。

画像形成装置１０は、ＵＩ装置５４をさらに有する。ＵＩ装置５４は、例えば画像形成装置本体１２の上部に設けられている。このＵＩ装置５４は、例えば液晶表示装置とタッチパネル式の情報入力装置とが組み合わせて構成されており、操作者が画像形成するための設定情報を入力したり、操作者に対して情報を表示したりする。

画像形成装置１０は、現像装置２００Ｙ、２００Ｍ、２００Ｃ、２００Ｋに対応した数の現像剤収容体５６さらに有する。現像剤収容体５６には現像剤（トナー）が収容されている。現像剤収容体５６は、例えば画像形成装置本体１２の上部にあって画像形成装置本体１２に取外し、取付け自在に装着されている。

画像形成装置１０は、現像剤搬送装置５８をさらに有する。現像剤搬送装置５８は、現像剤収容体５６に収容された各色の現像剤を対応する現像装置２００Ｙ、２００Ｍ、２００Ｃ、２００Ｋに搬送する。現像剤搬送装置５８には、螺旋状に形成された搬送部材６０が設けられ、搬送部材６０を回転することにより現像剤収容体５６から各現像装置２００Ｙ、２００Ｍ、２００Ｃ、２００Ｋへ現像剤が搬送される。

図２には、画像形成ユニット２６の一例としてイエロー用の画像形成ユニット２６Ｙが示されている。尚、他の画像形成ユニット２６Ｍ、２６Ｃ、２６Ｋの構成は、イエロー用の画像形成ユニット２６Ｙと同じであるため、その説明を省略する。

画像形成ユニット２６Ｙは、前述した感光体ドラム３４Ｙ及び現像装置２００Ｙに加えて、感光体ドラム３４Ｙを帯電する帯電装置６４Ｙと、帯電装置６４Ｙによって帯電された感光体ドラム３４Ｙの表面に光を照射することで、感光体ドラム３４Ｙの表面に潜像を形成する潜像形成装置６６Ｙと、一次転写ロール３８Ｙによってトナー像が中間転写ベルト２８へと転写された後に感光体ドラム３４Ｙに残留したトナー等を除去し、感光体ドラム３４Ｙを清掃する清掃装置６８Ｙとを有する。

現像装置２００Ｙは、トナーとキャリアとを用いて現像する二成分現像装置である。現像装置２００Ｙは、現像装置側筐体２０２を有する。現像装置側筐体２０２は、上部部材２０２ａと下部部材２０２ｂとが接合されて構成されている。また、現像装置側筐体２０２の下部には現像剤循環路２０４が形成されている。現像剤循環路２０４には、第一の現像剤搬送部材２０６と第二の現像剤搬送部材２０８とが配置されている。第一の現像剤搬送部材２０６と第二の現像剤搬送部材２０８とは、それぞれ回転軸２１０と、回転軸２１０周囲に形成された螺旋状の撹拌搬送部２１２とから構成されている。また、第一の現像剤搬送部材２０６と第二の現像剤搬送部材２０８とは、中央長手方向に形成された隔壁部２１４により隔てられている。隔壁部２１４の長手方向両側には開口部（図示せず）が形成されている。この開口部を介して現像剤が現像剤循環路２０４を循環するようになっている。

また、現像装置側筐体２０２には、現像剤循環路２０４に接続された現像剤供給口（図示せず）が形成されている。この現像剤供給口からは、前述した現像剤収容体５６から現像剤搬送装置５８を介して新しいトナーが供給される。

現像装置２００Ｙは、現像ロール２２０を有する。現像ロール２２０は、感光体ドラム３４Ｙと対向して設けられ、感光体ドラム３４Ｙの潜像に対する現像を行う。また感光体ドラム３４Ｙに対向する現像領域の上流側には、層厚規制部材２８０が設けられている。層厚規制部材２８０は、現像ロール２２０上に形成された磁気ブラシの層厚を規制する。そして、層厚規制部材２８０により層厚が規制された現像剤が現像領域へ供給され、感光体ドラム３４Ｙ上にトナー像が形成されるようになっている。

図３は、画像形成ユニット２６Ｙの前側部分を左側面側から模式的に示す断面図である。尚、画像形成ユニット２６Ｙは前後（図３における左右方向、図１、図２における紙面と交わる方向）で対称であり、画像形成ユニット２６Ｙの後側の構成は、画像形成ユニット２６Ｙの前側の構成と同じであるため、その説明を省略する。

図３に示すように、感光体ドラム３４Ｙはドラム回転軸３６を有し、ドラム回転軸３６を介して感光体ドラム側筐体９２に回転自在に支持されている。ここで、感光体ドラム側筐体９２と前述の現像装置側筐体２０２（図２も参照）とは、例えばヒンジ（不図示）等で連結する等の構成によって、互いに接近することができ、離間することができるようになっている。

前述した現像ロール２２０は、筒状部材２２２と、筒状部材２２２の前側に装着されたフランジ部材２２４とを有し、フランジ部材２２４の外側（右端部側）がロール回転軸２２６として用いられていて、ロール回転軸２２６が軸受２２８を介して現像装置側筐体２０２に回転自在に取り付けられている。

画像形成ユニット２６Ｙは、付勢手段として用いられているコイルスプリング９４をさらに有する。コイルスプリング９４は、一端部が感光体ドラム側筐体９２に装着されていて、他端部が現像装置側筐体２０２に装着されていて、現像装置側筐体２０２を感光体ドラム３４Ｙ側に付勢する。すなわち、コイルスプリング９４は、感光体ドラム３４と現像ロール２２０とが近づくように付勢している。

画像形成ユニット２６Ｙは、規制部材であるトラッキングロール２４０をさらに有する。トラッキングロール２４０は、現像ロール２２０と同軸に設けられていて、ロール回転軸２２６に対して回転することができるように装着されている。また、トラッキングロール２４０は、感光体ドラム３４Ｙに接触し、感光体ドラム３４Ｙと現像ロール２２０との間の距離を規制する。また、トラッキングロール２４０は、外輪部材２４２と、内輪部材２４４と、粘弾性体２４６とを有する（図５も参照）。

外輪部材２４２は、リング形状であって、外周面が感光体ドラム３４Ｙに接触する。

内輪部材２４４は、リング形状であって、ロール回転軸２２６を（現像ロール２２０を）回転可能に支持している。より具体的には、内輪部材２４４は、摺動抵抗が低い樹脂からなり、内周面が摺動面となっていて、内周面でロール回転軸２２６を回転可能に支持している。また、内輪部材２４４は、外輪部材２４２の内側に配置されている。

粘弾性体２４６は、外輪部材２４２と内輪部材２４４との間に挟まれるように装着されている。粘弾性体２４６の具体的材質としては、例えば、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、アミド系等の熱可塑性エラストマ等を用いることができ、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリオキシメチレン樹脂、又はポリアセタール樹脂のいずれか１つを含む材料から構成することができる。

外輪部材２４２と、内輪部材２４４とは、粘弾性体２４６と比べて弾性変形しづらい樹脂から構成される。また、外輪部材２４２と、内輪部材２４４と、粘弾性体２４６とは、一体成形することができる。

以上ように構成されたトラッキングロール２４０では、外輪部材２４２と内輪部材２４４との一方を固定した状態で外輪部材２４２と内輪部材２４４との他方を移動させると、粘弾性体２４６が弾性的に変形し、外輪部材２４２と内輪部材２４４との位置関係が変化する。

画像形成ユニット２６Ｙは、環状部材であるトラッキングキャップ２５０をさらに有する。トラッキングキャップ２５０は、現像ロール２２０より外径が大きく、トラッキングロール２４０よりも外径が小さく、現像ロール２２０の外周面に装着されていている。トラッキングキャップ２５０は、現像ロール２２０に対して回転可能であることが望ましい。

以上のように構成された画像形成ユニット２６Ｙでは、現像装置側筐体２０２、現像ロール２２０、トラッキングロール２４０及びトラッキングキャップ２５０が、コイルスプリング９４により一体として感光体ドラム３４Ｙ側に付勢されて、トラッキングロール２４０の外輪部材２４２が感光体ドラム３４Ｙに接触する。そして、コイルスプリング９４の付勢する力と、粘弾性体２４６の変形に伴う粘弾性体２４６の反発力とがつり合う位置で、現像装置側筐体２０２、現像ロール２２０、トラッキングロール２４０及びトラッキングキャップ２５０が静止する。

この際、粘弾性体２４６は、感光体ドラム３４Ｙと現像ロール２２０との距離に応じて変形する。より具体的には、感光体ドラム３４Ｙと現像ロール２２０とが接近すると、外輪部材２４２と内輪部材２４４とが接近する位置が生じ、この接近する位置において、粘弾性体２４６が押し潰されるように変形する。このため、粘弾性体２４６の変形によって、現像ロール２２０と感光体ドラム３４Ｙとの距離Ｇ（以下、ＤＲＳと称する）の変化が吸収され、この実施形態においては、ＤＲＳが変動することを原因とする現像むらが抑制される。

この一方で、画像形成ユニット２６Ｙが粘弾性体２４６を有するため、粘弾性体２４６が劣化したり、粘弾性体２４６が過度に変形をしたりすると、ＤＲＳが大きく変化する虞があり、ＤＲＳの最大値とＤＲＳの最小値との少なくとも一方が、濃度むらを抑制するために所望される範囲内とならない虞がある。このため、画像形成ユニット２６Ｙは、ＤＲＳが予め定められた所定の範囲内となるように、ＤＲＳの最大値とＤＲＳの最小値とを規定する距離規制機構８００を有している。ここで、距離規制機構８００は、距離規制手段の一例である。

尚、以下で説明をする距離規制機構８００は、ＤＲＳの最大値とＤＲＳの最小値との双方を規制するものの、距離規制機構８００は、ＤＲＳの最大値及びＤＲＳの最小値の少なくともいずれか一方を規定するものであればよい。

距離規制機構８００は、先述の粘弾性体２４６を構成の一部とする。すなわち、距離規制機構８００が有する粘弾性体２４６は、トラッキングロール２４０に設けられている。距離規制機構８００は、前述のトラッキングロール２４０と、前述のトラッキングキャップ２５０とをさらに構成の一部としている。

図４には、距離規制機構８００の動作が説明されていて、図４（Ａ）には、ＤＲＳが最小となった状態における距離規制機構８００が示されていて、図４（Ｂ）には、ＤＲＳが最大となった状態における距離規制機構８００が示されている。

図４（Ａ）に示すように、トラッキングキャップ２５０の外周面が感光体ドラム３４Ｙに接触すると、コイルスプリング９４によって付勢されても、現像ロール２２０は、この位置からさらに感光体ドラム３４Ｙに近づくことができなくなる。この際、内輪部材２４４の図４（Ａ）における上端部が感光体ドラム３４Ｙへと接近することで、内輪部材２４４と外輪部材２４２とに押されて、粘弾性体２４６は収縮するように変形している。

以上のように、距離規制機構８００は、トラッキングキャップ２５０を感光体ドラム３４Ｙに接触させるようにして、ＤＲＳの最小値を規制している。尚、図４（Ａ）におけるＧ１は、ＤＲＳの最小値を示している。

前述のように、現像ロール２２０、トラッキングロール２４０、現像装置側筐体２０２等は、コイルスプリング９４によって、感光体ドラム３４Ｙに接近する方向に付勢されている。このため、トラッキングキャップ２５０よりも外径が大きいトラッキングロール２４０は、図４（Ｂ）に示すように、トラッキングキャップ２５０が感光体ドラム３４Ｙから離れた状態であっても、感光体ドラム３４Ｙに対して外輪部材２４２が押し付けられた状態となり、この状態においてＤＲＳは最大となる。

このように、距離規制機構８００は、外輪部材２４２を感光体ドラム３４Ｙに押し付けるようにして、ＤＲＳの最大値を規制している。尚、図４（Ｂ）におけるＧ２は、ＤＲＳの最大値を示している。

図５には、トラッキングロール２４０が示されている。トラッキングロール２４０は、前述のように外輪部材２４２と、内輪部材２４４と、粘弾性体２４６とを有する。

図６には、画像形成ユニット２６Ｙの第１の変形例が示されている。先述の実施形態が有していたトラッキングキャップ２５０（例えば、図４（Ａ）を参照）を、この第１の変形例は有しない。また、この第１の変形例は、現像ロール２２０のフランジ部材２２４が大径部２２４ａを有している。大径部２２４ａは、現像剤を保持する現像材保持部である筒状部材２２２よりも外径が大きく、トラッキングロール２４０よりも外径が小さい。

先述の実施形態においては、距離規制機構８００は、トラッキングキャップ２５０を感光体ドラム３４Ｙに押し付けるようにしてＤＲＳの最小値を規制していた。これに対して、この第１の変形例においては、距離規制機構８００は、大径部２２４ａを感光体ドラム３４Ｙに押し付けるようにしてＤＲＳの最小値を規制している。

図７には、画像形成ユニット２６Ｙの第２の変形例が示されている。先述の実施形態が有していたトラッキングキャップ２５０（例えば、図４（Ａ）を参照）を、この第２の変形例は有しない。また、この第２の変形例は、第二トラッキングロール２５４を有する。第二トラッキングロール２５４は、環状部材として用いられていて、現像ロール２２０及びトラッキングロール２４０と同軸に設けられていて、ロール回転軸２２６に対して回転することができるように装着されている。また、第二トラッキングロール２５４は、現像ロール２２０の筒状部材２２２よりも外径が大きく、トラッキングロール２４０よりも外径が小さい。

先述の実施形態においては、距離規制機構８００は、トラッキングキャップ２５０を感光体ドラム３４Ｙに押し付けるようにしてＤＲＳの最小値を規制していた。これに対して、この第２の変形例においては、距離規制機構８００は、第二トラッキングロール２５４を感光体ドラム３４Ｙに押し付けるようにしてＤＲＳの最小値を規制している。

図８には、画像形成ユニット２６Ｙの第３の変形例が示されている。先述の実施形態が有していたトラッキングキャップ２５０（例えば、図４（Ａ）を参照）を、この第３の変形例は有しない。また、先述の実施形態においては、トラッキングロール２４０はロール回転軸２２６に対して回転することができるように装着されていた。これに対して、この第三の変形例では、トラッキングロール２４０は、現像装置側筐体２０２に固定されていて回転せず、ロール回転軸２２６を回転可能に支持している。この第３の変形例においては、トラッキングロール２４０は、第一規制部材として用いられている。

また、この第３の変形例においては、画像形成ユニット２６Ｙは、トラッキングキャップ２６０をさらに有している。トラッキングキャップ２６０は、第二規制部材として用いられていて、トラッキングロール２４０の外周に（外側に）配置されている円筒部２６２を有する。また、トラッキングキャップ２６０は、現像ロール２２０のロール回転軸２２６が挿入され、ロール回転軸２２６が移動可能であるように貫通孔２６４が形成されている。

先述の実施形態においては、距離規制機構８００は、外輪部材２４２を感光体ドラム３４Ｙに押し付けるようにして、ＤＲＳの最大値を規制していた（図４（Ｂ）を参照）。これに対して、この第３の変形例においては、トラッキングロール２４０の外周面を円筒部２６２の内周面に接触させつつ、円筒部２６２の外周面を感光体ドラム３４Ｙに接触させるようにして、ＤＲＳの最大値を規制している。

また、先述の実施形態においては、距離規制機構８００は、トラッキングキャップ２５０を感光体ドラム３４Ｙに接触させるようにして、ＤＲＳの最小値を規制していた。これに対して、この第３の変形例では、粘弾性体２４６が収縮した状態で、現像ロール２２０のロール回転軸２２６を貫通孔２６４の感光体ドラム３４Ｙ側の端部に接触させるようにしてＤＲＳの最小値を規制している。

１０・・・画像形成装置
３４・・・感光体ドラム
９４・・・コイルスプリング
２００・・・現像装置
２２０・・・現像ロール
２２２・・・筒状部材
２２４・・・フランジ部材
２２４ａ・・・大径部
２２６・・・ロール回転軸
２２８・・・軸受
２４０・・トラッキングロール
２４２・・・外輪部材
２４４・・・内輪部材
２４６・・・粘弾性体
２５０・・・トラッキングキャップ
２５４・・・第二トラッキングロール
２５６・・・トラッキングキャップ
８００・・・距離規制機構

Claims (12)

1. 潜像が現像される像保持体と、
   前記像保持体に対向して設けられ、前記像保持体の潜像に対する現像を行う現像ロールと、
   前記像保持体と前記現像ロールとが近づくように付勢する付勢手段と、
   前記像保持体と前記現像ロールとの距離が予め定められた範囲内となるように、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最小値を規制する最小距離規制手段、及び前記像保持体と前記現像ロールと距離の変化に応じて変形する粘弾性体を有する、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最大値を規制する最大距離規制手段と、を有する画像形成装置。
2. 前記最大距離規制手段は、前記現像ロールと同軸に設けられ、前記像保持体に接触し、
   前記像保持体と前記現像ロールとの距離を規制する請求項１記載の画像形成装置。
3. 前記最大距離規制手段は、
   前記像保持体に接触する外輪部材と、
   前記現像ロールを支持していて、前記外輪部材の内側に配置されている内輪部材と、を有し、
   前記粘弾性体は、前記外輪部材と前記内輪部材とに挟まれるように装着されている請求項２記載の画像形成装置。
4. 前記最大距離規制手段は、前記外輪部材を前記像保持体に接触させるようにして、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最大値を規制する請求項３記載の画像形成装置。
5. 前記最小距離規制手段は、
   前記現像ロールよりも径が大きく、前記現像ロールの外周面に装着された環状部材を有し、
   前記粘弾性体が収縮した状態で前記環状部材を前記像保持体に接触させるようにして、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最小値を規制する請求項２乃至４いずれか記載の画像形成装置。
6. 前記現像ロールは、現像剤を保持する現像剤保持部と、前記現像剤保持部よりも径が大きい大径部とを有し、
   前記最小距離規制手段は、前記粘弾性体が収縮した状態で前記大径部を前記像保持体に接触させるようにして、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最小値を規制する請求項２乃至４いずれか記載の画像形成装置。
7. 前記最小距離規制手段は、
   前記現像ロール及び前記最大距離規制手段と同軸に設けられ、前記現像ロールよりも径が大きく、前記最大距離規制手段よりも径が小さい環状部材を有し、
   前記粘弾性体が収縮した状態で前記環状部材を前記像保持体に接触させるようにして、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最小値を規制する請求項２乃至４いずれか記載の画像形成装置。
8. 潜像が現像される像保持体と、
   前記像保持体に対向して設けられ、前記像保持体の潜像に対する現像を行う現像ロールと、
   前記像保持体と前記現像ロールとが近づくように付勢する付勢手段と、
   前記像保持体と前記現像ロールと距離の変化に応じて変形する粘弾性体を有し、前記像保持体と前記現像ロールとの距離が予め定められた範囲内となるように、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最大値及び前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最小値の少なくともいずれか一方を規制する距離規制手段と、を有し、
   前記距離規制手段は、
   前記粘弾性体を有し、前記現像ロールと同軸に回転しないように設けられた第一規制部材と、
   前記第一規制部材の外周に配置されている円筒部を備え、前記現像ロールの回転軸が挿入され、前記現像ロールの前記回転軸が移動可能であるように貫通孔が形成されている第二規制部材と、を有し、
   前記第一規制部材の外周面を前記円筒部の内周面に接触させつつ、前記円筒部の外周面を前記像保持体に接触させるようにして、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最大値を規制し、
   前記粘弾性体が収縮した状態で、前記現像ロールの前記回転軸を前記貫通孔の前記像保持体側の端部に接触させるようにして、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最小値を規制する画像形成装置。
9. 前記粘弾性体は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリオキシメチレン樹脂、又はポリアセタール樹脂のいずれか１つを含む材料から構成されている請求項１乃至８いずれか記載の画像形成装置。
10. 潜像が現像される像保持体に対向して設けられ、前記像保持体の潜像に対する現像を行う現像ロールと、
    前記像保持体と前記現像ロールとが近づくように付勢する付勢手段と、
    前記像保持体と前記現像ロールとの距離が予め定められた範囲内となるように、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最小値を規制する最小距離規制手段、及び前記像保持体と前記現像ロールと距離の変化に応じて変形する粘弾性体を有する、前記像保持体と前記現像ロールとの距離の最大値を規制する最大距離規制手段と、を有する現像装置。
11. 現像ロールと像保持体との距離が予め定められた所定の範囲内となるように、前記現像ロールと前記像保持体と距離の最大値を規制する最大距離規制手段と、前記現像ロールと前記像保持体との距離の最小値を規制する最小距離規制手段と、を有する現像ロール支持装置であって、
    前記最大距離規制手段は、
    外輪部材と、
    前記現像ロールに装着され、前記外輪部材の内側に配置されている内輪部材と、
    前記外輪部材と前記内輪部材との間に装着されていて、前記外輪部材と前記内輪部材と
    の位置関係の変化に応じて変形する粘弾性体と、を有する現像ロール支持装置。
12. 回転体と対向部材との距離が予め定められた所定の範囲内となるように、前記回転体と前記対向部材と距離の最大値を規制する最大距離規制手段と、前記回転体と前記対向部材との距離の最小値を規制する最小距離規制手段と、を有する回転体支持装置であって、
    前記最大距離規制手段は、
    外輪部材と、
    前記回転体に装着され、前記外輪部材の内側に配置されている内輪部材と、
    前記外輪部材と前記内輪部材との間に装着されていて、前記外輪部材と前記内輪部材との位置関係の変化に応じて変形する粘弾性体と、を有する回転体支持装置。

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