以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
実施の形態1.
<異物除去装置の構成>
図1に示されるように、実施の形態1に係る異物除去装置100は、電子部品が実装された部材としての基板200に付着した異物を除去するように、構成されている。
はじめに、図4〜図6を参照して、異物除去装置100の対象物としての基板200について説明する。基板200は、例えばプリント基板である。図4(A)および(B)に示されるように、基板200は、例えば第1面200Aと、第1面200Aとは反対側に位置する第2面200Bとを有している。説明の便宜上、第1面200Aに平行な方向をx方向およびy方向、第1面200Aに垂直な方向をz方向と定義する。
図4(A)に示されるように、第1面200A上には、電子部品が実装されており、回路パターンが形成されている。図4(B)に示されるように、第2面200B上には、電子部品が実装されていない。図4(A)および図5に示されるように、第1面200A上には、少なくとも1つの凹部201と、凹部201内に設けられたテストポイント202(導電部)とがさらに設けられている。凹部201は、例えば第1面200A上に実装されている凹状部材203上に設けられている。凹状部材203は、平面視における中央部が該中央部を囲む外周部よりも凹んでおり、例えばレセプタクル形状を有している。言い換えると、凹状部材203の外周部は、z方向において中央部よりも突出している。凹部201は、凹状部材203の上記中央部上に設けられている。凹状部材203内の上記凹部201の幅に対する深さの比率(深さ/幅)は、任意の値とすることができ、例えば1以上であってもよい。
さらに、第1面200A上には、凹状部材203の外部に設けられたテストポイント204が設けられている。テストポイント202,204を構成する材料は、導電性を有する。テストポイント202,204を構成する材料は、例えばはんだである。テストポイント202,204の各平面形状は、任意の形状であればよいが、例えば円形状である。テストポイント202,204の各表面は、任意の形状であればよいが、例えば球面状に設けられている。テストポイント202,204は、第1面200A上に形成されている回路パターンと接続されている。第1面200A上には、複数のテストポイント202および複数のテストポイント204が設けられていてもよい。
図1に示されるように、異物除去装置100は、異物除去ユニット1と、基板200を指示する支持部2とを主に備える。異物除去ユニット1は、第1噴射部10と、吸引部11と、移動部12とを備える。異物除去ユニット1の詳細は、後述する。支持部2は、異物除去ユニット1側に向いており、かつ基板200の第2面200Bと接触可能な支持面を有している。支持部2は、基板200の第1面200Aが異物除去ユニット1側に向いた状態で、基板200を支持可能である。支持部2は、例えばx方向およびy方向において基板200を位置決め可能に設けられている。支持部2の基板200を搭載する搭載面には、例えばざぐり等が設けられている。
<異物除去ユニットの構成>
図1に示されるように、第1噴射部10は、例えば、第1噴射口10Eを有している噴射ノズル部10Aと、第1噴射口10Eと反対側に位置する噴射ノズル部10Aの端部と接続されている第1管部10Bとを含む。第1噴射部10は、第1噴射口10Eから基板200のテストポイント202に向けて気体(例えば空気)を噴射可能に設けられている。吸引部11は、吸引口11Eを有している吸引ノズル部11Aと、吸引口11Eと反対側に位置する吸引ノズル部11Aの端部と接続されている第2管部11Bとを含む。吸引部11は、テストポイント202上の気体および該テストポイント202に付着していた異物を吸引口11Eから吸引可能に設けられている。第1噴射部10の噴射ノズル部10Aは、筒状に設けられている。吸引部11の吸引ノズル部11Aは、筒状に設けられている。図3に示されるように、第1噴射口10Eおよび吸引口11Eを平面視したときに、すなわち後述する第1中心軸L1に沿った方向から第1噴射口10Eおよび吸引口11Eを視たときに、第1噴射口10Eは、吸引口11Eの内側に配置されている。第1噴射口10Eにおいて気体が流通可能な開口部の面積(以下、開口面積という)は、吸引口11Eにおいて気体が流通可能な開口部の面積(以下、開口面積という)よりも小さい。
図2および図3に示されるように、吸引部11の吸引口11Eは、第1噴射部10の第1噴射口10Eを囲むように設けられている。図3に示されるように、z方向から視て、第1噴射口10Eの中心は、吸引口11Eの中心と重なるように配置されている。
図1および図2に示されるように、第1噴射部10は、第1噴射口10Eおよび第1噴射口10Eを含む噴射ノズル部10Aの中心を通る第1中心軸L1がz方向に沿って延びるように、設けられている。吸引部11は、吸引口11Eおよび吸引口11Eを含む吸引部の上記ノズル部の中心を通る第2中心軸L2が側面視において第1中心軸L1と交差するように、設けられている。側面視において、第1中心軸L1が第1面200Aに対して成す角度は、第2中心軸L2が第1面200Aに対して成す角度よりも大きい。
図1〜図3に示されるように、吸引部11は、吸引口11Eが基板200の第1面200Aと平行となるように、設けられている。言い換えると、吸引口11Eが第1中心軸L1と直交するように設けられている。吸引ノズル部11Aは、例えば第2中心軸L2に沿って延びる筒状部材が第2中心軸L2に対して90度未満の角度を成すように切断されることにより、構成されている。吸引口11Eの開口面積は、吸引ノズル部11Aの第2中心軸L2に垂直な断面において気体が流通可能な部分の面積よりも大きい。吸引部11の吸引口11Eは、任意の形状であればよいが、例えば楕円形状である。第1噴射部10の第1噴射口10Eの平面形状は、任意の形状であればよいが、例えば円形状である。
第1噴射部10および吸引部11を側面視したときに、あるいは図2に示されるように第1中心軸L1および第2中心軸L2に沿った断面視において、第1噴射部10は吸引口11Eに対して突出しており、第1噴射口10Eは吸引部11の外部に配置されている。つまり、第1噴射部10の第1噴射口10Eは、吸引部11の吸引口11Eに対して突出するように配置されている。言い換えると、第1噴射口10Eと支持部2との間の距離は、吸引口11Eと支持部2との間の距離よりも短くなるように設けられている。
図1および図2に示されるように、噴射ノズル部10Aの上記端部は、吸引ノズル部11Aの上記端部の外部に配置されている。吸引ノズル部11Aには、噴射ノズル部10Aが挿通されている貫通孔11Fが設けられている。貫通孔11Fは、吸引ノズル部11Aの外部から内部にまで達するように設けられている。貫通孔11Fの孔軸は、第1中心軸L1と重なるように設けられている。貫通孔11Fは、吸引口11Eよりも上方に配置されている。貫通孔11Fの開口面積は、吸引口11Eの開口面積よりも小さい。貫通孔11Fの内周面と噴射ノズル部10Aの外周面との間は、例えば図示しない封止部材が配置されていることにより、封止されている。
吸引口11Eの開口部は、z方向においてテストポイント202の広い領域と重なるように設けられている。例えば吸引口11Eの開口面積は、平面視におけるテストポイント202の占有面積(第1面200Aに平行な面への投影面積)の半分超えである。図7に示されるように、好ましくは、吸引口11Eの開口部は、z方向においてテストポイント202の全体と重なるように設けられている。言い換えると、吸引口11Eの開口面積は、テストポイント202の上記投影面積以上である。
図7に示されるように、好ましくは、第1噴射部10の第1噴射口10Eおよび吸引部11の吸引口11Eは、例えば凹部201内に配置可能に設けられている。吸引口11Eの開口面積は、吸引口11Eが上記凹部201に配置されているときに凹状部材203と干渉しない限りにおいて、可能な限り大きく設けられているのが好ましい。
第1噴射部10および吸引部11は、例えば保持部16により互いの相対的な位置関係が保持されている。保持部16は、移動部12に取り付けられている。
移動部12は、保持部16を支持部2に対して相対的に移動可能である。つまり、移動部12は、第1噴射部10および吸引部11を、基板200に対して相対的に移動可能である。移動部12は、例えば保持部16を互いに直交する3方向に移動可能に設けられている。移動部12は、例えば、保持部16をz方向に移動可能とする第1移動部13と、保持部16をx方向に移動可能とする第2移動部14と、保持部16をy方向に移動可能とする第3移動部15とを含む。第2移動部14は、例えば保持部16および第1移動部13をx方向に移動可能に設けられている。第3移動部15は、例えば保持部16、第1移動部13および第2移動部14をy方向に移動可能に設けられている。なお、移動部12は、例えばz方向にのみ保持部16を移動可能に設けられていてもよい。
<異物除去装置の動作>
図7〜図9を参照して、異物除去装置100の動作例について説明する。まず、支持部2上に基板200が載置される。このとき、異物除去ユニット1は、基板200を支持部2上へ載置する、または支持部2上から回収する作業の妨げにならない位置に置かれている。次に、図7に示されるように、異物除去ユニット1の第1噴射部10と吸引部11とが、移動部12によって、支持部2上に載置されている基板200のテストポイント202上に配置される。このとき、z方向において吸引口11Eがテストポイント202の全体と重なるように、第1噴射部10および吸引部11が基板200に対して位置決めされる。これにより、第1噴射口10Eが、テストポイント202の中央上に位置決めされる。さらに、第1噴射部10および吸引部11が基板200に近づけられて、第1噴射口10Eおよび吸引口11Eが凹状部材203の上記凹部201内に配置される。
図8〜図10に示されるように、基板200に対し位置決めされた第1噴射部10および吸引部11が同時に駆動(図10中のON)される。第1噴射部10が駆動されることにより、第1噴射口10Eからテストポイント202に向けて気体が噴射される。噴射された気体は、テストポイント202に衝突して向きを変え、さらに凹状部材203の底部または側部に衝突して向きを変える。吸引部11が駆動されることにより、テストポイント202上の気体が吸引口11Eから吸引される。これにより、凹状部材203の上記凹部201内には、第1噴射口10Eから吸引口11Eに至る気体の流れが形成される。上記凹部201内に形成される気体の流れは、第1噴射口10Eからテストポイント202の中央付近へ向かう噴射流と、噴射流よりも下流側に発生する巻き上がるような気流206と、気流206よりも下流に発生し、テストポイント202の外周付近から吸引口11Eに向かう吸引流とを含む。気流206は、平面視において上記噴射流よりも外側に、例えば第1中心軸L1を中心とする径方向に沿うように、形成される。これにより、テストポイント202に異物205が付着している場合、異物205は図8に示されるように上記気流206により巻き上げられ、さらに巻き上げられた異物205は図9に示されるように吸引部11に吸引される。このようにして、異物除去装置100は、基板200のテストポイント202に付着していた異物205を除去することができる。
図10に示されるように、第1噴射部10および吸引部11は、駆動されてから予め定められた時間経過後、例えば同時に駆動停止(図10中のOFF)される。第1噴射部10の駆動時間は、例えば吸引部11の駆動時間と等しい。なお、図10中の線分L3は第1噴射部10の駆動状態を示し、線分L4は吸引部11の駆動状態を示している。
駆動停止された第1噴射部10および吸引部11は、移動部12によって、基板200を支持部2上へ載置する、または支持部2上から回収する作業の妨げにならない位置に移動される。その後、基板200が支持部2から回収される。
異物除去装置100は、複数の基板200に対して連続して上記異物除去処理を施すこすことができる。この場合、異物除去処理が施された基板200が支持部2から回収されると新たな基板200が支持部2上に載置され、当該基板200に対して上記異物除去処理が施される。複数の基板200が同一の構成を備えている場合には、上記異物除去処理は複数回繰り返し実施されればよい。複数の基板200が異なる構成を備えている場合、すなわち支持部2上においてテストポイント202の位置が基板200によって異なる場合には、基板200(支持部2)に対する第1噴射部10および吸引部11の位置決め処理のみが変更され、その他は同一の処理が実施されればよい。なお、上記異物除去処理は、予めプログラム化されていてもよい。この場合、第1噴射部10および吸引部11を位置決めするためのプログラムは、異なる種類の基板200毎に予め作成されていてもよいし、異なる種類の基板200に対して変更可能に設けられていてもよい。
<作用効果>
異物除去装置100は、第1噴射口10Eを有し、第1噴射口10Eから気体を噴射可能に設けられている第1噴射部10と、吸引口11Eを有し、吸引口11Eから気体とともに異物を吸引可能に設けられている吸引部11とを備える。第1噴射部10の第1噴射口10Eは、吸引部11の吸引口11Eの内側に配置されている。
異物除去装置100は、第1噴射部10および吸引部11を備えていることにより、噴射部および吸引部のいずれか一方のみを備え他方を備えていない従来の異物除去装置と比べて、異物205とテストポイント202との間の引力を超える強い衝撃力を異物205に付与可能な気流206(以下、強い気流という)を基板200の上記凹部201内に形成することが可能である。また、異物除去装置100では、適切に異物を除去するために要求される第1噴射部10の噴射力が、吸引部を備えていない従来の異物除去装置の噴射部に要求される噴射力と比べて、小さくされ得る。同様に、異物除去装置100では、適切に異物を除去するために要求される吸引部11の吸引力が、噴射部を備えていない従来の異物除去装置の吸引部に要求される吸引力と比べて、小さくされ得る。そのため、異物除去装置100は、噴射部および吸引部のいずれか一方のみを備え他方を備えていない異物除去装置と比べて、異物205を効率的に除去することができる。
また、噴射口が吸引口の外側に配置されている場合では、噴射口をテストポイント202の中央付近上に配置させながら、噴射部と吸引部とが互いに干渉しないように配置することが困難である。吸引口の外側に配置された噴射口をテストポイント202の中央付近上に配置させ吸引口を噴射口の周囲に配置させた場合、噴射部と吸引部とが干渉することにより、噴射流および吸引流の少なくとも一方が弱められてしまう。そのため、強い気流206を基板200の上記凹部201内に形成することは困難である。一方、吸引口の外側に配置された噴射口をテストポイント202の外周付近上に配置させた場合、吸引口をテストポイント202の中央付近を含む領域上に配置させることで噴射部と吸引部との干渉を防ぐことが出来るが、噴射口から吸引口へ至る気体の流れの方向が、噴射口をテストポイント202の中央付近上に配置させ吸引口を噴射口の周囲に配置させた場合と比べて制限される。そのため、このような異物除去装置では、除去可能な異物205の種類、付着位置等が制限されるという問題がある。
これに対し、異物除去装置100は、第1噴射口10Eが吸引口11Eの内側に配置されているため、第1噴射口10Eをテストポイント202の中央付近上に配置させながらも、第1噴射部10と吸引部11とが互いに干渉しないように配置することができる。その結果、異物除去装置100によれば、噴射口が吸引口の外側に配置されている異物除去装置と比べて、凹部201内に強い気流206を形成することができかつ除去可能とされる異物の条件が緩和されており、多くの異物を効率的に除去することができる。
さらに、異物除去装置100は、第1噴射口10Eが吸引口11Eの内側に配置されているため、第1噴射部10と吸引部11とを互いに干渉させることなく、第1噴射口10Eおよび吸引口11Eをテストポイント202に十分に近づけることができる。そのため、異物除去装置100は、例えば上記凹部201の幅に対する深さの比率が1以上であるような比較的深く設けられている凹部201に配置されているテストポイント202に対しても、異物205を効率的に除去することができる。
また、異物除去装置100において、第1噴射口10Eの開口面積は、吸引口11Eの開口面積よりも小さい。
これにより、第1噴射口10Eから噴射される気体の流量を少なくしながらも、該気体の流速を速くすることができるため、該気体により形成される気流206により異物205を巻き上げやすい。さらに、異物205を効率的に除去するために、第1噴射口10Eおよび吸引口11Eは上記凹部201内に配置されるのが好ましい。この場合、第1噴射口10Eと吸引口11Eの開口面積との和は、上記凹部201の開口面積以下に制限される。このような制限の下では、第1噴射口10Eの開口面積よりも大きく設けられている吸引口11Eの開口面積は、第1噴射口10Eの開口面積以下に設けられている吸引口11Eの開口面積と比べて、大きく設けられ得る。そのため、異物除去装置100は、噴射口が吸引口の外側に配置されており、かつ吸引口の開口面積が噴射口の開口面積以下に設けられている異物除去装置と比べて、効率的に異物を除去することができる。
異物除去装置100において、吸引口11Eは、第1噴射口10Eを囲むように設けられている。
このような異物除去装置100では、第1噴射口10Eが基板200の凹状部材204内に設けられているテストポイント202の中央付近上に配置され、かつ吸引口11Eがテストポイント202の外周付近上に配置され得る。これにより、第1噴射部10は第1噴射口10Eからテストポイント202の中央付近に向かう気体の噴射流を形成することができ、吸引部11はテストポイント202の外周付近から吸引口11Eに向かう気体の吸引流を形成することができる。上記噴射流および上記吸引流は、互いに逆方向の流れであるが、平面視において互いに重ならない領域に形成されるために、互いの流れを弱めあうことが抑制されている。その結果、第1噴射部10および吸引部11は噴射流の周囲に気流206を形成することができ、さらに吸引部11は気流206により巻き上げられた異物205を外部に飛散させることなく適切に吸引することができる。そのため、異物除去装置100は、例えば吸引口11Eの外周面が第1噴射口10Eの内周面と接しており吸引口11Eが第1噴射口10Eを囲むように設けられていない場合と比べて、テストポイント202のより広い領域から異物を効率的に除去可能である。
異物除去装置100では、第1噴射口10Eが吸引口11Eの外側に突出するように配置されている。
このような異物除去装置100では、第1噴射口10Eが吸引部11の内部に配置されている場合と比べて、上記噴射流が上記吸引流によって弱められにくいため、基板200の上記凹部201内に強い気流206を形成することが可能である。
異物除去装置100において、第1噴射口10Eは、吸引口11Eの中心と重なるように配置されている。より好ましくは、第1噴射口10Eの中心が、吸引口11Eの中心と重なるように配置されている。
このような異物除去装置100では、第1噴射口10Eがテストポイント202の中心上に配置されることにより、気流206が平面視においてテストポイント202の中心に対して回転対称となるように形成され得る。さらに、第1噴射口10Eの中心がテストポイント202の中心上に配置されることにより、吸引口11Eがテストポイント202の全体を覆うように配置され得る。そのため、異物除去装置100は、吸引口11Eが第1噴射口10Eを囲むように設けられているが第1噴射口10Eが吸引口11Eの中心と重なるように配置されていない場合と比べて、テストポイント202のより広い領域から異物を効率的に除去可能である。
異物除去装置100において、第1噴射口10Eを含む第1噴射部10のノズル先端部の中心を通る第1中心軸L1は、基板200の第1面200Aに垂直な方向(z方向)に沿って延びるように設けられている。異なる観点から言えば、第1中心軸L1は、基板200を支持する支持部2の支持面に垂直な方向(z方向)に沿って延びるように設けられている。
例えば第1中心軸L1が第1面200Aに対し90度未満の角度を成す方向に沿うように設けられている第1噴射部では、テストポイント202の全体に対し気体を噴射することが困難な場合がある。この場合、第1噴射部から気体が噴射されないテストポイント202の一部領域上には気流206が形成されないかあるいは気流206を乱すような乱流が生じることにより、異物205が適切に除去されないおそれがある。これに対し、第1中心軸L1がz方向に沿って延びるように設けられている第1噴射部10は、テストポイント202の全体に対し気体を噴射することが可能である。そのため、このような第1噴射部10を備える異物除去装置100は、第1中心軸L1が第1面200Aに対し90度未満の角度を成す方向に沿うように設けられている第1噴射部を備える異物除去装置と比べて、テストポイント202の周囲に安定して気流206を形成することができ、異物205を安定的に除去可能である。
さらに、異物除去装置100において、吸引部11は、側面視において吸引口11Eを含む吸引部11のノズル先端部の中心を通る第2中心軸L2が第1中心軸L1と交差するように、設けられている。
このような異物除去装置100では、第2中心軸L2が第1中心軸L1に沿うように設けられている場合と比べて、吸引口11Eの開口面積が大きく設けられている。吸引口11Eは、その開口面積が大きい程、テストポイント202のより広い領域から異物を効率的に除去可能である。
さらに上記異物除去装置100では、吸引口11Eが第1中心軸L1と直交するように設けられている。言い換えると、吸引口11Eが第2中心軸L2に対して90度未満の角度を成すように設けられている。このような吸引ノズル部11Aは、例えば第2中心軸L2に沿って延びる筒状部材が第2中心軸L2に対して90度未満の角度を成すように切断されることにより、構成されている。
このようにすれば、吸引口11Eの開口面積は、吸引ノズル部11Aの第2中心軸L2に垂直な断面において気体が流通可能な部分の面積よりも大きくなる。そのため、上記異物除去装置100によれば、吸引部11の外径を大型化させることなく、吸引口11Eの開口面積をより大きくすることができる。
上記異物除去装置100が異物除去の対象とする基板200は、平面視において中央部が外周部に対して凹んでいる凹部201と、凹部201内に配置されているテストポイント202とを有している。上記第1中心軸L1の延在方向から視た吸引口11Eの開口面積は、第1面200Aに垂直な方向から視たテストポイント202の占有面積以上とように設けられている。
このような異物除去装置100は、吸引口11Eの上記開口面積がテストポイント202の上記専有面積未満となるように設けられている場合、すなわち吸引口11Eが第1面200Aに垂直な方向においてテストポイント202の全体と重なるように設けられていない場合と比べて、気流206により巻き上げられた異物205が吸引部11に吸引されずに基板200の第1面200A上の他の領域に再付着することを抑制できる。
実施の形態2.
図11に示されるように、実施の形態2に係る異物除去装置101は、実施の形態1に係る異物除去装置100と基本的に同様の構成を備えるが、異物除去ユニット1が第2噴射部18をさらに備えている点で異なる。
第2噴射部18は、例えば、複数の第2噴射口18Eを有する第2噴射ノズル部18Aと、各第2噴射口18Eと反対側に位置する第2噴射ノズル部18Aの端部と接続されている第3管部18Bとを含む。複数の第2噴射口18Eは、吸引口11Eの外側に配置されている。複数の第2噴射口18Eは、例えば一方向において互いに間隔を隔てて配置されている。
第2噴射部18は、各第2噴射口18Eから少なくとも基板200のテストポイント204に向けて気体を噴射可能に設けられている。各第2噴射口18Eの開口面積の和は、第1噴射口10Eの開口面積よりも大きい。第2噴射部18は、第1噴射部10と比べて基板200に対し気体を広範囲に噴射可能に設けられている。第2噴射口18Eを含む第2噴射ノズル部18Aの中心を通る第3中心軸(図示しない)は、例えば第1面200Aに対し90度未満の角度を成す方向に沿うように設けられている。第2噴射部18は、例えば基板200の第1面200Aの全面に向けて気体を噴射可能に設けられている。
第2噴射部18は、例えば図示しない移動部により移動可能に設けられている。なお、第2噴射部18は、図示しない固定部により支持部2に対して固定されていてもよい。
次に、異物除去装置101の動作例について説明する。異物除去装置101は、異物除去装置100と基本的に同様に動作され得る。まず、第1噴射部10、吸引部11および第2噴射部18が基板200に対して位置決めされる。吸引口11Eはz方向においてテストポイント202の全体と重なるように位置決めされる。第1噴射口10Eはテストポイント202の中央上に位置決めされる。第2噴射口18Eは基板200の第1面200Aの全体に向けて気体を噴射可能なように位置決めされる。
次に、第1噴射部10および吸引部11と、第2噴射部18とが、例えば同時に駆動される。なお、第1噴射部10および吸引部11が駆動された後に、第2噴射部18が駆動されてもよい。また、その逆であってもよい。その後、第1噴射部10および吸引部11と、第2噴射部18とが、例えば同時に駆動停止される。なお、第2噴射部18が駆動停止された後、第1噴射部10および吸引部11が駆動停止されてもよい。
このような異物除去装置101は、異物除去装置100と基本的に同様の構成を備えているため、異物除去装置100と同様の効果を奏することができる。
さらに、異物除去装置101は、第2噴射部18を備えているため、第2噴射部18を用いてテストポイント204に付着した異物も除去可能である。
また、第1噴射部10および吸引部11と第2噴射部18とが同時に駆動停止されるか、第2噴射部18が駆動停止された後、第1噴射部10および吸引部11が駆動停止されることにより、テストポイント204から除去された異物205がテストポイント202に付着することを防止できる。
実施の形態3.
図12に示されるように、実施の形態3に係る異物除去装置102は、実施の形態1に係る異物除去装置100と基本的に同様の構成を備えるが、基板200を振動させる振動部21をさらに備える点で異なる。
振動部21は、任意の構成を備えていればよいが、例えば基板200の第2面200Bに接触する支持部2の支持面を超音波振動可能な超音波振動子を有している。振動部21は、第1噴射部10および吸引部11が駆動されているときに、同時に駆動可能に設けられている。
次に、図13〜図15を参照して、異物除去装置102の動作例について説明する。なお、図13および図14中の線分VIBは、基板200および異物205が振動している状態を示している。異物除去装置102は、異物除去装置100と基本的に同様に動作され得る。まず、図13に示されるように、第1噴射部10および吸引部11が支持部2に支持された基板200に対して位置決めされる。次に、図13に示されるように、振動部21が駆動されて基板200が超音波振動する。これにより、テストポイント202に付着している異物205は、超音波振動される。次に、図14に示されるように、振動部21が駆動されている状態で、第1噴射部10および吸引部11が駆動される。これにより、図15に示されるように、テストポイント202に付着していた異物205が除去される。その後、振動部21が駆動停止され、第1噴射部10および吸引部11も駆動停止される。なお、振動部21は、第1噴射部10および吸引部11と同時に駆動されてもよい。振動部21は、第1噴射部10および吸引部11と同時に駆動停止されてもよい。振動部21は、第1噴射部10および吸引部11が駆動停止された後に駆動停止されてもよい。
このような異物除去装置102は、異物除去装置100と基本的に同様の構成を備えているため、異物除去装置100と同様の効果を奏することができる。
さらに、異物除去装置102は、基板200を振動させる振動部21を備えている。振動部21は、基板200を振動させることで、基板200に付着している異物205をも振動させて、異物205が基板200から脱離することを促すことができる。異物除去装置102では、振動部21により基板200からの脱離が促されている状態にある異物205に対し、第1噴射部10および吸引部11により形成される気流206が作用する。そのため、異物除去装置102は、振動部21を備えていない異物除去装置100と比べて、テストポイント202に付着した異物を容易に巻き上げて、これを除去することができる。
実施の形態4.
実施の形態4に係る異物除去装置は、図1に示される実施の形態1に係る異物除去装置100と基本的に同様の構成を備えるが、吸引部11が気体を吸引している間、第1噴射部10が気体を間欠的に噴射可能に設けられている点で異なる。図16中の線分L3は実施の形態4に係る異物除去ユニット1の第1噴射部10の駆動状態を示し、線分L4は実施の形態4に係る異物除去ユニット1の吸引部11の駆動状態を示している。
第1噴射部10は、気体を噴射している噴射状態(図16中のON)と、気体を噴射していない停止状態(図16中のOFF)とを繰り返し実施可能に設けられている。第1噴射部10は、例えば停止状態にあるときにも外部から気体の供給を受けている。噴射状態から停止状態に切り替えられる際の第1噴射部10の内部の気体の圧力は、噴射状態から駆動状態に切り替えられる際の第1噴射部10内の気体の圧力よりも高められている。
第1噴射部10が噴射状態と停止状態とを繰り返している間、吸引部11は、気体を吸引している吸引状態を維持可能に設けられている。
実施の形態4に係る異物除去装置は、第1噴射部10を除く他の部材については異物除去装置100と同様に動作される。上記異物除去装置は、基板200の1つのテストポイント202に対して位置決めされた第1噴射部10および吸引部11が、図14に示されるように駆動される。つまり、第1噴射部10は噴射状態と停止状態とを交互に繰り返している。一方、吸引部11は吸引状態を維持している。吸引部11が駆動されるタイミングは、例えば第1噴射部10が1回目に駆動されるタイミングと同時である。吸引部11が駆動停止されるタイミングは、例えば第1噴射部10が最終的に駆動停止されるタイミングと同時である。
このような異物除去装置は、異物除去装置100と基本的に同様の構成を備えているため、異物除去装置100と同様の効果を奏することができる。
さらに、実施の形態4に係る異物除去装置では、第1噴射部10が気体を間欠的に噴射可能に設けられているため、停止状態から噴射状態に切り替えられる際の第1噴射部10の内部の気体の圧力が、噴射状態から停止状態に切り替えられる際の第1噴射部10内の気体の圧力よりも高められている。そのため、上記異物除去装置において第1噴射部10が噴射状態にあるときに第1噴射部10から噴射された気体がテストポイント202に与える衝撃力は、異物除去装置100において第1噴射部10から噴射された気体がテストポイント202に与える衝撃力よりも大きい。そのため、実施の形態4に係る異物除去装置は、異物除去装置100と比べて、テストポイント202に付着した異物を容易に巻き上げて、これを除去することができる。
実施の形態5.
図17に示されるように、実施の形態5に係る異物除去装置は、実施の形態1に係る異物除去装置100と基本的に同様の構成を備えるが、吸引部11の吸引ノズル部11Aが第1中心軸L1に沿って延在している第1部分11Cを有し、屈曲した形状を有している点で異なる。
吸引ノズル部11Aは、第1部分11Cと、第1部分11Cと接続されている第2部分11Dとを有している。第2部分11Dは、第1中心軸L1と交差する方向に沿って延在している。第1部分11Cと第2部分11Dとは、1つの筒状部材が屈曲された構造を有している。
第1部分11Cは、例えば第1中心軸L1を中心とする筒状に設けられており、吸引口11Eを有している。上述のように、異物除去ユニット1は、第1中心軸L1がz方向に沿うように配置される。第1部分11Cは、吸引口11Eが基板200の上記凹部201内に配置可能なように、設けられている。第1部分11Cの第1中心軸L1に沿った長さは、凹状部材203の頂部の高さと上記凹部201内において吸引口11Eが配置される高さとの差以上であればよく、例えば凹状部材203の頂部の高さ以下である。
このような異物除去装置は、異物除去装置100と基本的に同様の構成を備えているため、異物除去装置100と同様の効果を奏することができる。
さらに、実施の形態5に係る異物除去装置では、異物除去装置100と比べて、吸引部11の吸引ノズル部11Aが凹状部材203と干渉し難い構成を有しているため、テストポイント202の全体と重なるように設けられた吸引口11Eをテストポイント202のより近くに配置することができる。その結果、実施の形態5に係る異物除去装置は、異物除去装置100と比べて、異物205が凹状部材203の外部に飛散することをより効果的に防止することができ、また上記凹部201の幅に対する深さの比率が1以上であるような比較的深く設けられている凹部201に配置されているテストポイント202に対しても、異物205をより効率的に除去することができる。
実施の形態6.
図18に示されるように、実施の形態6に係る検査装置110は、上述した異物除去ユニット1を備える異物除去装置100と、基板200の機能を検査する検査部3と、基板200を異物除去ユニット1から検査部3へ搬送する搬送部4とを備える。
支持部2は例えば基板200を搬送部4により搬送するための搬送用パレットとして設けられている。搬送部4は、基板200を搭載している支持部2を、異物除去ユニット1の第1噴射部10がテストポイント202に噴射可能な第1位置と、検査部3のプローブ121がテストポイント202に接触可能な第2位置とに保持可能であり、かつ支持部2を第1位置から第2位置まで搬送可能に設けられている。搬送部4は、例えば、異物除去ユニット1よりも上流側に配置されており基板200を支持部2上に配置するための基板投入部から、検査部3よりも下流側に配置されており基板200を支持部2上から取り外すための基板取外部まで、搬送可能に設けられている。基板200を支持している支持部2が異物除去ユニット1の下方に配置されているときに、検査装置110には上記異物除去装置100が実現されている。
基板200を支持している支持部2が検査部3の下方に配置されているときに、検査部3は基板200の機能を検査可能に設けられている。検査部3は、基板200の機能として、例えば第1面200A上に配置されている電子部品および回路等の電気的特性を検査可能に設けられている。検査部3は、プローブ121,122を備えている。プローブ121は、テストポイント202に接触可能に設けられている。プローブ122は、テストポイント204に接触可能に設けられている。プローブ121,122には、検査部3が検査するパラメータに応じて任意の機材が接続されるが、例えば計測器123,124、電源125、およびPC126等が接続される。
次に、検査装置110による検査方法について説明する。まず、基板投入部にある支持部2上に、基板200が配置される。次に、搬送部4によって基板200が異物除去ユニット1の下方に配置される。これにより、異物除去装置100が実現される。異物除去装置100は、上述のように動作されることにより、基板200のテストポイント202に付着していた異物205を除去することができる。異物除去装置100による異物除去処理が施された後に、搬送部4によって基板200が検査部3の下方に配置され、検査部3により基板200の機能が検査される。具体的には、まず、検査部3は、プローブ121,122がテストポイント202,204に接触した状態とされる。次に、プローブ121,122を介してテストポイント202,204に電気的信号が付与され、かつそれに対する応答が検出される。このようにして、検査装置110は、検査部3により、基板200の機能を検査することができる。
このような検査装置110によれば、検査部3のプローブ121を、異物が付着していないテストポイント202に接触させることができる。つまり、検査装置110に投入された基板200のテストポイント202に異物205が付着していたとしても、異物除去装置100がテストポイント202から異物205を除去できるため、検査部3のプローブ121は異物が付着していないテストポイント202に接触することができる。そのため、検査装置110は、プローブ121が異物205を介してテストポイント202と接触することに伴う検査不良の発生を防止することができる。
実施の形態7.
図19に示されるように、実施の形態7に係る基板分割装置140は、異物除去ユニット1と後述する連結基板210を支持する支持部5とを備える異物除去装置105と、基板分割部6と、を備える。
基板分割部6は、図20および図21に示される連結基板210を、図22に示される複数の基板200に分割可能に設けられている。基板分割装置140において、異物除去装置101が異物を除去する対象材は、基板分割部6により分割される前の連結基板210における各基板200、および分割された後の各基板200である。
まず、連結基板210について説明する。図21に示されるように、連結基板210は、複数(例えば4つ)の基板200が連結部により連結された基板である。連結基板210の各基板200は、基本的に上述した基板200と同様の構成を有している。基板200の第1面200A上には、電子部品および凹状部材203が実装されている。連結基板210の連結部は、例えば、各基板200の外周を囲むように設けられている枠部211と、枠部211と各基板200とを連結する複数の連結部材212とからなる。枠部211と各基板200との間には、連結部材212を介して接続されている部分を除き、空隙が形成されている。連結部材212は、z方向において基板200の第1面200A側および第2面200B側に表出している。連結部材212は、例えば各基板200の各一辺に1箇所ずつ設けられている。連結部材212は、いわゆるタイバーとして棒状に設けられていてもよい。また、連結基板210には枠部211と各基板200との間にいわゆるミシン目を成すように複数の貫通孔が互いに間隔を隔てて形成されており、連結部材212は、隣り合う貫通孔間に挟まれている部分として設けられていてもよい。
次に、連結基板210の製造方法について説明する。まず、図20に示されるように、電子部品等が実装されていない複数の基板200と、枠部211と、連結部材212とを有する連結基板210が準備される。次に、図21に示されるように、連結基板210の各基板200の第1面200A上に、電子部品が実装され、所定の回路が形成される。このようにして、基板分割装置140が分割処理および異物除去処理の対象とする連結基板210が製造される。
次に、基板分割装置140の構成について説明する。異物除去ユニット1は、実施の形態1に係る異物除去ユニットと基本的に同様の構成を備えている。異物除去ユニット1は、支持部5に対して上方に配置されている。異物除去ユニット1は、各基板200に対して、上述した異物除去処理を同時に実施可能に設けられている。異物除去ユニット1は、図1に示される第1噴射部10および吸引部11を、複数組備えている。複数組の第1噴射部10および吸引部11は、例えば1つの移動部42によって同時に移動可能に設けられている。
図19に示されるように、好ましくは、異物除去ユニット1は第2噴射部18を備えている。好ましくは、第2噴射部18は、複数設けられている。第2噴射部18は、連結基板210の各基板200の第1面200Aに対し気体を噴射可能に設けられている。
支持部5は、例えば連結基板210の枠部211の下面および各基板200の第2面200Bのみと接触して、連結基板210を支持可能に設けられている。支持部5は、z方向において枠部211および各基板200のみと重なって連結基板210を支持可能に設けられている。支持部5は、連結基板210を支持しているときに、z方向において連結部材212と重ならないように設けられている。例えば、支持部5には、孔軸がz方向に延びる貫通孔(図示しない)が形成されている。支持部5の上記貫通孔は、支持部5が連結基板210を支持しているときにz方向において連結部材212と重なる箇所に形成されている。
基板分割部6は、異物除去ユニット1と干渉しないように配置され、好ましくは支持部5に対して下方に配置されている。基板分割部6は、切断部61と、移動部62とを含む。切断部61は、連結部材212を切断可能に設けられている。切断部61は、例えば連結部材212を切削可能に設けられている切削刃を有している。切断部61は、例えばリューター(日本精密機械工作株式会社製)であってもよいし、丸鋸またはカッター等であってもよい。また、切断部61は、例えば連結部材212に対してレーザを照射可能に設けられているレーザ発振器を有していてもよい。移動部62は、切断部61を支持部5に対して相対的に移動可能に設けられている。移動部62は、例えば、切断部61をz方向に移動可能とする第4移動部63と、切断部61をx方向に移動可能とする第5移動部64と、切断部61をy方向に移動可能とする第6移動部65とを含む。第5移動部64は、例えば切断部61および第4移動部63をx方向に移動可能に設けられている。第6移動部65は、例えば切断部61、第4移動部63および第5移動部64をy方向に移動可能に設けられている。なお、移動部62は、例えばz方向にのみ切断部61を支持部5に対して相対的に移動可能に設けられていてもよい。
次に、基板分割装置140の動作例について説明する。まず、連結基板210が支持部5に支持される。連結部材212は、z方向において支持部5と重ならないように配置されている。次に、連結基板210に対し、異物除去ユニット1および基板分割部6が位置決めされる。異物除去ユニット1は、複数組の第1噴射部10および吸引部11の各々が1つのテストポイント202に対して上述のように位置決めされる。基板分割部6は、z方向において切断部61が1つの連結部材212と重なるように位置決めされる。次に、異物除去ユニット1の複数組の第1噴射部10および吸引部11が駆動されて異物除去処理が開始される。次に、異物除去処理が行われている状態で、基板分割部6の切断部61が駆動されて連結部材212が切断される。1つの連結部材212が切断された後、切断部61がz方向において他の連結部材212と重なる位置に移動され、当該他の連結部材212が切断部61により切断される。切断部61は、移動部62による移動中、駆動されていてもよいが、例えば駆動停止されている。異物除去ユニット1は、切断部61の移動部62による移動中、駆動停止されていてもよいが、例えば駆動されている。上記作業が各連結部材212に対して繰り返されることにより、全ての連結部材212が切断されて、連結基板210が複数の基板200に分割される。
このような基板分割装置140によれば、基板分割部6が連結基板210を複数の基板200に分割する際に生じる切屑が異物として各基板200のテストポイント202に付着することを防止することができる。そのため、基板分割装置140により分割された各基板200は、その機能検査時に、プローブが切屑を介してテストポイント202と接触することに伴う検査不良の発生が防止されている。
(変形例)
各実施の形態に係る異物除去ユニットでは、第1中心軸L1および第2中心軸L2に沿った断面視において、第1噴射部10は吸引口11Eと重なるように設けられており、第1噴射口10Eは吸引部11の内部に配置されていてもよい。言い換えると、第1噴射口10Eと支持部2との間の距離は、吸引口11Eと支持部2との間の距離と等しくなるように設けられていてもよい。
上述した各実施の形態に係る異物除去ユニットは、任意に組み合わせられることができる。例えば、実施の形態2に係る異物除去装置101は、図12に示される振動部21をさらに備えていてもよい。また、実施の形態3に係る異物除去装置102は、図16に示されるように第1噴射部10が気体を間欠的に噴射可能に設けられていてもよい。また、図23に示されるように、実施の形態6に係る検査装置110の異物除去ユニット1は、第2噴射部18をさらに備えていてもよい。
また、基板200の第1面200A上には、凹部201および凹部201内に配置されたテストポイント202が、複数組設けられていてもよい。この場合、異物除去ユニット1は、図1に示される第1噴射部10および吸引部11を、複数組備えていればよい。複数組の第1噴射部10および吸引部11は、1つの移動部12によって同時に移動可能に設けられていてもよい。
また、基板200の第2面200B上にも凹部201およびテストポイント202が配置されていてもよい。このような基板200は、検査装置110および基板分割装置140等において、第2面200B上の凹部201の開口およびテストポイント202の表面が下方に向いて配置される。そのため、基板200の第1面200A上に凹部201およびテストポイント202が配置されている場合と比べて、第2面200B上のテストポイント202には異物205が付着しにくい。また、第2面200B上のテストポイント202に付着した異物205は、重力を受けてテストポイント202から脱離し、凹部201内から除去されることも可能である。そこで、このような基板200を処理対象とする異物除去装置100〜102、検査装置110および基板分割装置140の各々は、少なくとも上述のように第1面200A上のテストポイント202に対して異物除去処理可能に設けられている異物除去ユニット1を備えていればよい。より好ましくは、第2面200B上にも凹部201およびテストポイント202が配置されている基板200を処理対象とする異物除去装置100〜102、検査装置110および基板分割装置140の各々は、図1に示される異物除去ユニット1の構成を上下反転した構成を有している異物除去ユニットをさらに備えている。
検査装置110の検査部3は、基板200の機能として電気的特性を検査可能に設けられているが、これに限られるものではない。検査部3は、例えば基板200の機能として光学的特性を検査可能に設けられていてもよい。この場合、テストポイント202は、導電部ではなく、例えば発光部または受光部として設けられていてもよい。
また、異物除去ユニット1、異物除去装置100〜102および検査装置110の各々は、基板200以外の他の部材に設けられた凹部内に付着した異物を除去することもできる。支持部2は、処理対象とされる部材を支持可能なように設けられていればよい。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。