JP5693050B2 - 吸引回収、飛ばし機能付エアーガン、及びそれを利用した清掃方法 - Google Patents
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Description
各種工作機械によって加工され完成に至るまでの部品には複雑な形状で凹凸部や取付用穴やネジ穴を有する物が殆どである。
タップ(工具)によりネジ切り工程を行う前に、前工程で加工した下穴に蓄積した切削屑を工具破損防止の為に除去する必要があり、工場内に配されたコンプレッサーの圧縮空気を利用しエアーガンで吹き飛ばす方法が一般に広く用いられている。
ガンのノズルを局所に向けて噴射し除去する事により部品に不要な傷をつける事無く複雑で精密な部品類に対してでも除去出来るという利点があり、これまで広く利用されていたが、圧縮空気の噴射によって除去された切削屑、切削油等が加工部品の形状(特に止りネジ下穴等の場合)により周囲への跳ね返りが発生し、作業者の方向にも飛散するため、衝立、保護眼鏡等を必要とするものとなっていた。
こうした状況を憂慮し、例えば下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、クリーナーヘッドの先端部にエアー吸引口を設け、エアー吸引口の中央部に設けたノズルより超音波エアーを噴射し、エアーを送り状態と停止状態とに切換可能なスイッチ機構を有しクリーナーヘッドの基端に可撓バキューム管及び可撓エアー供給管を接続して常時エアー吸入口から吸入するようにしてなるもの または例えば特許文献1(2)のようにエアーガン本体よりエアーをノズルより噴射させ工作物に当て異物を飛ばし噴射ノズルの対面側に位置する集塵機の吸引口より吸引するようにしてなるもの、または、例えば特許文献1(3)のように気体、液体または粉体等を移送する配管の途中適所に把手を有する移送管体を設け該移送管体の内蔵部品を変更、または同部品の向きを変更するなどして把手内を通じて供給される気体の噴射方向を変更可能としてなるものなどが散見される。
また、次の特許文献1(2)のようなエアーの噴射ノズルの対面側に集塵機の吸引口を設けその中間位置にある加工物の石膏トリミング中に発生する比重の低い塵埃を除去するのに有効であるが、切削屑のように比重の高いものの除去には不向きである。
また最後の特許文献1(3)に代表する配管路を利用した気体、紛粒体などの移送技術は、その構造上切削屑の移送には有効であるが、凹部や止り穴中に有する切削屑の除去が困難であるという欠陥を有するものである。
上述したとおり、従来までに提案のある各種エアーガン、装置類は何れも乾燥した微細な塵埃の除去しか出来なかったり、比重の高い切削屑が局所部に有するものは吸引移送の除去は出来ないといった欠点がある。
また既に市場に広く供給されている株式会社オオサワ製ワンダーガン(商品名)のような、圧縮空気の噴射及び吸引を可能にしたものは移送吐出口が作業者側やそれに近い方向に向いているためダクトホースと集塵袋無しでは使用出来ないものである。
工作機械の作業現場において安全に且つ使いやすい商品、装置は未だ開発されていないという状況にある。
そこで、この発明は切削屑等を安全に且つ簡単に処理を可能にする事が出来るようにする新たな装置、方法を開発できないものかとの判断から、開発、考案に着手し、今回新規な構造のエアーガンによる切削屑処理方法を実現化する事に成功したものであり、以下では図案に示すこの発明を代表とする実施例と共にその構造を詳述することとする。
図面に示すこの発明を代表とする実施例からも明確に理解されるように、この吸引回収飛ばし機能付きエアーガンは、基本的に次の様な構成から成り立っている。
即ち、グリップの先端に適宜角度姿勢に傾斜、一体化してなる吸引筒の先端中央に、同吸引筒に対して同心状配置で、その先端側方向に向けて圧縮気体を噴射可能とするノズルを設け、当該グリップの基端から該ノズルに渡る管路の中央適所に、同グリップを把持して手指で操作可能となる外壁に操作入力部を露出するよう噴射スイッチを配した圧縮気回路を内蔵すると共に、該圧縮気回路の噴射スイッチと噴射ノズルとの間適所から分岐した負圧誘導回路の末端を当該吸引筒内同心状配置の噴射ノズルとは反対側方向に放射状に開口した噴射口を有してなるもの、吸引筒後端位置部で流路進行方向が変更された状態の形を有してなるものの構成を要旨とする吸引回収飛ばし機能付きエアーガンである。
上記した清掃器具の吸引回収飛ばし機能付きエアーガンに関連し、この発明にはそれらガンを利用した吸引回収飛ばし清掃方法も包含している。
即ち、吸引筒の先端中央を要除去対象物に対峙、接近させて噴射スイッチを操作し、噴射ノズルから圧縮気体を吹き付けると共に、吸引筒の先端がわから噴射気体と切削油や切削屑などを吸引、回収し同吸引筒の後端位置部で流路進行方向が変更された状態の形を有してなるものの筒後端部より圧縮気体の流れに乗せて飛ばす事で処理する事を基本となす前記吸引回収飛ばし機能付エアーガンを利用した清掃方法である。
グリップは、吸引筒及び噴射ノズルの把持、操作を確実且つ容易にすると共に、該吸引筒や噴射ノズルに接続された圧縮気回路用の噴射スイッチを片手でも取り扱い易いものとする機能を果たし、片手で確実に把持できる形状、寸法および取り扱いやすい重量と十分な耐圧性とに設定された安全なものとしなければならず、吸引筒及び噴射ノズルの取付位置および角度は後述する実施例にも示してあるように、当該吸引筒の末端位置がグリップから外れるようピストル形の配置にしたものとすべきであり、噴射スイッチの操作部分は、グリップを把持した片手で容易に操作可能な配置関係となるようにするのが望ましいといえる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述する事とする。
図1及び図9ないし図10中に示すように、当該圧縮気回路3のT形パイプ31は止めネジ32で固定されている。
以上の通りの機構からなるこの発明の吸引回収飛ばし機能付エアーガンは、図1及び図2、図9、図10中に示すように、グリップ2の基端のコネクター部30に圧縮気回路3には圧縮気Cを供給できるようにして、該グリップ2を把持して噴射スイッチ4の操作入力部40引き金41を引くと、図4中に示す、射出弁42のバルブロッド45がコイルスプリング44を圧縮してバルブ穴43に没するように後退し、閉鎖状態にあった圧縮気回路3を開放し、図4中の実線矢印に示すように、圧縮空気Cが流通状態となり、図9及び図10中に実線矢印で示すように、噴射ノズル6噴射口60及び負圧誘導回路33末端の開口負圧発生誘導用噴射口35の各々から圧縮空気Cを噴射し、噴射ノズル6噴射口60から噴射させた圧縮空気Cは、清掃対象物Pに吹き付けて清掃効果を発揮すると共に、負圧誘導回路33末端の負圧発生誘導用噴射口35より噴射した圧縮空気Cにより負圧を発生させ、噴射ノズル6周辺の空気及び清掃塵埃や切削屑、切削油などと巻き込まれる外気Eなどを吸引筒5内に吸引し、同吸引筒5後端前適所に形成されたR形状で湾曲形状の筒内の流路を強制的に移送するものとなる。
該引き金41を開放すると、図3中に示すように、コイルスプリング44の弾性復帰力によってバルブロッド45が突出方向に移動して射出弁42が圧縮気回路3を閉鎖して、噴射ノズル6及び負圧誘導回路33からの圧縮空気Cの噴射が停止する。
以上のような構成からなる実施例1の吸引回収飛ばし機能付エアーガンは前記した物の発明の効果の項における特徴に加え、図2に示すような、更に吸引筒先端位置部に広口吸引ノズル7を着脱用ボルト穴70に取付用ボルト71にて装着し、圧縮気回路3を有するT形パイプ31の着脱機構部8に該広口吸引ノズル7に適合するロングタイプ噴射ノズルLLを装着することによって、異形を有する清掃対象物であっても、より高い吸引、回収、飛ばし、除去という処理方法の清掃が可能となり、安全で効率的且つ効果的な清掃作業を実現化することが出来るというこれまでには無い利点が得られるものとなる。
叙述の如く、この発明の吸引回収飛ばし機能付エアーガン、及びそれを利用した清掃方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易にできるものである。
作業者側やそれに近い方向に飛散して危険だった圧縮空気の噴射により剥がし除去する清掃方法や、回収移送用ダクトホースなど作業効率が下がる要因部品を装着してなる従来からの清掃器具技術と比較し、作業効率低下要因部品を不要として、排出物を作業者側以外の方向に飛ばす機構を配するものであるため、より安全な作業で生産効率を大幅に改善可能にすることから、部品製造業界および製品組立業界はもとよりのこと、飛散から身を守るためにゴーグル着用が必須とされるような作業現場などにおいても高く評価されることとなり、今後、広範囲に利用、普及が図られていくこととなるものと予想される。
2 グリップ
20 同 指掛け用の溝
21 同 吸引筒取付け座
3 圧縮気回路
30 同 コネクター部
31 同 T形パイプ
32 同 止めネジ
33 同 負圧誘導回路
34 同 分岐点
35 同 負圧誘導回路噴射口
4 噴射スイッチ
40 同 操作入力部
41 同 引き金
42 同 射出弁
43 同 バルブ穴
44 同 コイルスプリング
45 同 バルブロッド
46 同 バルブガイド
5 吸引筒
50 同 排出口
51 同 吸引口
52 同 取付けネジ
53 同 接続座
6 噴射ノズル
60 同 噴射口
61 同 着脱機構雄ネジ部
7 広口吸引ノズル
70 同 着脱用ボルト穴
71 同 取付け用ボルト
8 着脱機構
81 同 雄ネジ
82 同 雌ネジ
α 吸引筒5の傾斜角度
β 吸引筒排出口前部R形状範囲角度
A 噴射ノズルの吸引筒からの突出寸法
B 噴射ノズルの吸引筒内への後退寸法
C 圧縮空気(圧縮気)
D 噴射跳ね返り気流
E 巻き込まれる外気
F 吸引気流
G 排出気流
L 噴射ノズル全長
LL ロングタイプ噴射ノズル
SL 短タイプ噴射ノズル
M 広口タイプ吸引ノズルの吸引口寸法
S 環状シール
P 清掃対象物
P0 同 柱状穴
Claims (6)
- グリップの先端適宜角度姿勢に一体化してなる吸引筒の先端中央に同吸引筒に対して同心配置で、その先端側方向に向けて気体を噴射可能とする噴射ノズルを設け、
当該グリップの基端から該噴射ノズルに渡る管路の中途適所に同グリップを把持した手指で操作可能となる外壁に操作入力部を露出するよう噴射スイッチを配した圧縮気回路を内蔵すると共に、
該圧縮気回路の噴射スイッチと噴射ノズルとの間適所から分岐した負圧誘導回路の末端を、当該吸引筒同心状配置適所において、該噴射ノズルとは反対側方向に同吸引筒末端側に向けて開口するように負圧発生誘導用噴射口を設けると共に、当該負圧発生誘導用噴射口から吸引筒末端側に向けて圧縮空気を噴射させることにより、吸引筒先端側に負圧を生じさせ、
前記吸引筒の後端部前適所に流体の流れを妨げることが少ないR形状の湾曲形状で進行方向を変更する流路を設けると共に、その後端部に排出口を設け、
この排出口から、吸引筒先端側から吸引した気体、液体、又は固体を作業者側以外の方向に飛ばし排除することで排出処理を行うことを特徴とする吸引回収飛ばし機能付エアーガン。
- 噴射ノズルがその基端部に共通の着脱機構の一部を設けた少なくとも2個準備し、各噴射ノズルは互いのノズルの長さを、長、短の関係とするよう設定してなるものとした吸引回収飛ばし機能付エアーガン
- 噴射ノズルが、その基端部に着脱機構の一部を設け、吸引筒先端側の着脱機構部に装着した場合に、同噴射ノズルの先端が、該吸引筒先端から突出配置するよう固定されてなるものとした請求項1〜2何れか1項記載の吸引回収飛ばし機能付エアーガン。
- 噴射ノズルが、その基端部に着脱機構の一部を設け、吸引筒先端側の着脱機構部に装着した場合に、同噴射ノズルの先端が、該吸引筒先端より奥側に後退配置するよう固定されてなるものとした請求項1〜3何れか1項記載の吸引回収飛ばし機能付エアーガン。
- 吸引筒先端部に、吸引口部のサイズを広くし、且つ全体の長さを長く設けた広口タイプの吸引ノズル、及び同ノズルに適合する長いタイプの噴射ノズルを装着可能とした 請求項1〜4の何れか1項記載の吸引回収飛ばし機能付エアーガン。
- 吸引筒先端中央部にある噴射ノズルを、清掃対象物に対峙、接近させて噴射スイッチを操作し、噴射ノズルから圧縮気体を吹き付け、噴射ノズル口周辺の気体、液体、固体およびその混合物などを、吸引口部から外気を巻き込みながら吸引回収し移送して、同吸引筒後端部排出口より飛ばして処理をするようにした 請求項1〜5何れか1項記載の吸引回収飛ばし機能付エアーガンを利用した清掃方法。
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