JP6240383B2 - 液体吐出装置、スプレーパス設定方法、プログラム - Google Patents

液体吐出装置、スプレーパス設定方法、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、例えば電子回路基板等の処理対象物に保護膜等の薄膜をコーティングするためなどにスプレーパターン吐出を行う液体吐出装置に関する。
特公平6−59451号公報
電子回路基板などに対しては、防湿、防錆などを目的として保護膜となる薄膜をコーティングすることが行われる。
例えば上記特許文献1には塗布液体を吐出する装置が開示されている。
ところで電子回路基板等にコーティングを行う際には、必要箇所になるべく均一な厚みでコーティング膜が形成されるようにすることや、効率よく被膜形成できることが求められる。特に処理対象物上でコーティングを行う部分と行わない部分が存在する場合、コーティング剤の塗布位置の制御も重要である。
そこで本発明では、液体吐出装置において効率よく、かつ正確にコーティングができるようにすることを目的とする。
本発明の液体吐出装置は、塗布液体を扇状又は円錐状に吐出するノズルと、塗布液体を細線状に吐出するニードルと、上記ノズル及び上記ニードルを移動させる移動手段と、塗布処理対象物に対する、上記ノズル及び上記ニードルの塗布作業時の移動経路であるスプレーパスを設定するスプレーパス設定処理を行うとともに、設定したスプレーパスに基づいて上記移動手段により上記ノズル及び上記ニードルを移動させながら、上記塗布処理対象物に対する塗布液体の吐出を実行させる制御手段と、を備え、上記制御手段は、塗布液体の吐出を実行させる際に、上記ノズル及び上記ニードルの移動が一定速度に達してから塗布液体を吐出するとともに、一定速度より減速すると塗布液体の吐出を中止する処理を行い、上記スプレーパス設定処理として、塗布処理対象物画像を取り込む処理と、上記ノズルの非吐出移動時の高さ位置であるノズル移動高さを設定する処理と、上記ニードルの非吐出移動時の高さ位置であるニードル移動高さを設定する処理と、上記塗布処理対象物画像上で、上記ノズルについての第1の塗布禁止エリアを設定する処理と、上記塗布処理対象物画像上で、上記ニードルについての第2の塗布禁止エリアを設定する処理と、上記ノズルについての上記スプレーパスとして、上記第1の塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、上記ノズル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むノズルパスを作成する処理と、上記ニードルについての上記スプレーパスとして、上記第2の塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、上記ニードル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むニードルパスを作成する処理と、を行う。
塗布液体を扇状又は円錐状に吐出するノズルと、塗布液体を細線状に吐出するニードルとを有することで、処理対象物の状態にあわせてノズルとニードルで分担して塗布液体を吐出できる。例えば塗布エリアとしてノズルでは対応できないような幅が狭い部分があった場合や、ノズルが入り込めない位置への塗布などにはニードルを使用して対処できる。そして、ノズルパスとニードルパスは、それぞれ第1,第2の塗布禁止エリアを考慮して効率の良い経路で塗布を行うことができる。さらにノズルパス及びニードルパスは、ノズル移動高さ及びニードル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むことで、塗布過程での非吐出状態の移動が適切な高さの状態で実行できる。
また上記制御手段は、上記スプレーパス設定処理において、さらに、作成したノズルパスで、ノズル移動の試行動作を実行させ、試行結果に応じてノズルパスの修正又はノズルパスの決定を行う処理と、作成したニードルパスで、ニードル移動の試行動作を実行させ、試行結果に応じてニードルパスの修正又はニードルパスの決定を行う処理とを行う。
これにより、作成したスプレーパス(ノズルパス、ニードルパス)についての実際の塗布処理対象物に応じた検証や、適切なスプレーパスへの修正ができる。
また上記ノズル移動高さ、及び上記ニードル高さは、上記塗布処理対象物に設けられた構造物の高さを越える高さに設定されるようにする。これにより塗布過程での非吐出移動時に、ノズルやニードルが構造物に衝突するような事態を避けることができる。
また入力手段を備え、上記制御手段は、上記第1の塗布禁止エリアを設定する処理と、上記第2の塗布禁止エリアを設定する処理の一方又は両方を、上記入力手段からの入力に基づいて行う。
これにより、オペレータの意志を反映させた塗布禁止エリア設定が可能となる。
また上記制御手段は、上記第1の塗布禁止エリアを設定する処理と、上記第2の塗布禁止エリアを設定する処理の一方又は両方を、上記塗布処理対象物画像の画像解析結果に基づいて行う。これにより、オペレータの手間をかけずに塗布禁止エリアを設定することが可能となり、工程の効率が向上する。
また先端部が上記ノズルの先端部と略同サイズであって、弾性変形もしくは屈折可能とされ、該先端部の弾性変形もしくは屈折に応じて接触検出信号を出力するダミーノズルが、上記ノズルに取り替えて装着可能とされ、上記制御手段は、上記ダミーノズルが装着された状態で、ノズル移動の試行動作を実行させた際の、上記接触検出信号の受信に応じたノズルパスの修正を行う。
また先端部が上記ニードルの先端部と略同サイズであって、弾性変形もしくは屈折可能とされ、該先端部の弾性変形もしくは屈折に応じて接触検出信号を出力するダミーニードルが、上記ニードルに取り替えて装着可能とされ、上記制御手段は、上記ダミーニードルが装着された状態で、ニードル移動の試行動作を実行させた際の、上記接触検出信号の受信に応じたニードルパスの修正を行う。
これらにより、ノズルやニードル、或いは処理対象物側での破損、傷付き等を発生させない試行動作(ノズルパス、ニードルパスのシミュレーション)を実行できる。また試行動作により作成したノズルパス、ニードルパスを検証し、必要に応じて修正できる。
また撮像手段を備え、上記制御手段は、上記撮像手段で撮像された上記塗布処理対象物画像を取り込む処理を行う。これにより処理対象物画像を容易に取り込める。
また上記ノズル又は上記ニードルから捨て打ちとしての塗布液体の吐出を実行させる捨て打ち部が設けられている。また上記ノズル又は上記ニードルを塗布液体の希釈剤に浸け置きする浸け置き部が設けられている。捨て打ちや浸け置きにより、塗布液体の詰まりや、それによるスプレーパターンの変化等が生じないようにすることができる。
また上記ニードルは、先端部が屈曲されている。これにより、処理対象物上の上方から塗布ができないような場所にも塗布することが可能となる。
本発明のスプレーパス設定方法は、塗布処理対象物画像を取り込む工程と、上記ノズルの非吐出移動時の高さ位置であるノズル移動高さを設定する工程と、上記ニードルの非吐出移動時の高さ位置であるニードル移動高さを設定する工程と、上記塗布処理対象物画像上で、上記ノズルについての第1の塗布禁止エリアを設定する工程と、上記塗布処理対象物画像上で、上記ニードルについての第2の塗布禁止エリアを設定する工程と、上記ノズルについての上記スプレーパスとして、上記第1の塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、上記ノズル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むノズルパスを作成する工程と、上記ニードルについての上記スプレーパスとして、上記第2の塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、上記ニードル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むニードルパスを作成する工程とを有する。
本発明のプログラムは、以上のスプレーパス設定方法を実現するために演算処理装置に各工程の処理を実行させるプログラムである。
本発明によれば、処理対象物の形状、塗布エリアの形状や幅など、塗布を行う部分の状況に応じてノズルとニードルを分担させて、液体吐出を行うことができ、正確、精細な塗布が実現できる。またノズルパスとニードルパスをそれぞれ個別に設定することで、ノズルとニードルを併用した液体吐出動作を、正確かつ効率よく実行できる。特にノズルパスとニードルパスは、それぞれ第1,第2の塗布禁止エリアを考慮して吐出移動経路が設定され、またノズル移動高さ及びニードル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むことで、効率の良い経路で塗布を行うことができる。
本発明の実施の形態のコーティング装置の外観例の説明図である。 実施の形態のコーティング装置の吐出動作の説明図である。 実施の形態のコーティング装置の吐出動作及びダミーノズル、ダミーニードルの説明図である。 実施の形態のスプレーパターン幅及びニードル変形例の説明図である。 実施の形態のコーティング装置の制御構成のブロック図である。 実施の形態の禁止エリアの説明図である。 実施の形態の禁止エリア及びノズルパス設定の説明図である。 実施の形態のニードルパス設定の説明図である。 実施の形態のスプレーパス設定処理のフローチャートである。 実施の形態のシミュレーション動作の説明図である。 実施の形態の他のニードル例の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、液体吐出装置の実施の形態として、処理対象物である回路基板に薄膜を形成するためのコーティング剤を吐出するコーティング装置の例を挙げる。
説明は次の順序で行う。
<1.実施の形態のコーティング装置の構成>
<2.コーティング装置の制御構成>
<3.実施の形態のスプレーパス設定>
<4.他のニードル例>
<5.プログラム>
<6.変形例>
<1.実施の形態のコーティング装置の構成>
図1に本発明の液体吐出装置の実施の形態であるコーティング装置1の外観例を示す。
このコーティング装置1は、その作業台部2に載置された回路基板100に対して、ノズル3又はニードル16からコーティング剤を吐出して吹き付け、回路基板100に防湿や防錆のための保護薄膜を形成する装置である。
なお後述するが、ノズル3は塗布液体(コーティング剤)を扇状又は円錐状に吐出するノズルである。一方、ニードルとは先端が例えば針状とされて塗布液体を細線状に吐出する「ノズル」である。各ノズルを区別するために、説明上、先端部が細くされ、細線状の液体吐出パターンを有するノズルを「ニードル」と呼ぶこととしている。
図示のように、作業台部2上には基板載置台10が設けられ、この基板載置台10にコーティング処理対象物となる回路基板100が載置される。
例えばこのコーティング装置1は電子回路基板等の製造ラインの一部として使用することができ、回路基板100が図示しない搬送機構で基板載置台10上にセットされる。そしてコーティング装置1でコーティング処理が行われ、その後図示しない搬送機構で回路基板100が取り出されて次工程に移送される。これによりライン上で連続作業としてのコーティング処理が実行される。
もちろん、コーティング装置1は、このようにラインを構成するだけでなく、個別に回路基板100等の処理対象物に対してコーティングを行う機器としてもよい。
作業台部2の上方には、コーティング剤を吐出するノズル3及びニードル16が位置される。
ノズル3は、筒状先端部3aがノズルベース部3bに取り付けられた構造とされている。
ニードル16は、針状先端部16aがニードルベース16bに取り付けられた構造とされている。
ノズル3及びニードル16は、ノズルホルダ4に取り付けられた状態で、作業台部2の上方空間をX方向、Y方向、Z方向に移動可能とされている。
ノズルホルダ4は、X方向ガイド11に対して、X方向にスライド可能に取り付けられている。X方向ガイド11には、Xモータ7と、Xモータ7によって回転される駆動軸11aが配備されており、ノズルホルダ4は駆動軸11aの回転により、X方向ガイド11に沿ってX方向に移動可能とされている。このため駆動軸11aとノズルホルダ4の間では、駆動軸11aの回転がスライド移動方向に変換されるギア構成等による連結機構が採用される。
X方向ガイド11は、ガイドホルダ13に固定されている。そしてガイドホルダ13は、Y方向ガイド12に対して、Y方向にスライド可能に取り付けられている。Y方向ガイド12には、Yモータ8と、Yモータ8によって回転される駆動軸12aが配備されており、ガイドホルダ13(即ちX方向ガイド11全体)は駆動軸12aの回転により、Y方向ガイド12に沿ってY方向に移動可能とされている。このため駆動軸12aとガイドホルダ13との間は、駆動軸12aの回転がスライド移動方向に変換されるギア構成などによる連結機構が採用される。
ノズルホルダ4には、ノズルZモータ5が配置されており、このノズルZモータ5によって、ノズル3の先端が上下(Z方向)に移動される。つまり作業台部2に対するノズル3の筒状先端部3aの高さ位置が変動される。
さらにノズルホルダ4には、ニードルZモータ15が配置されており、このニードルZモータ5によって、ニードル16の先端が上下(Z方向)に移動される。つまり作業台部2に対するニードル16の針状先端部16aの高さ位置が変動される。
以上の構成により、ノズル3及びニードル16の位置は、Xモータ7、Yモータ8、ノズルZモータ5、ニードルZモータ15によって、作業台部2の上方空間をX方向、Y方向、Z方向に移動可能となる。
X方向、Y方向、Z方向に移動することで、載置された回路基板100上の各所を移動しながらのコーティング剤のスプレーを行うことや、後述するスプレーパスのシミュレーションなどが実行可能となる。
またさらにノズルホルダ4には、ノズル回転モータ6が取り付けられており、ノズル回転モータ6によりノズル3の回転角度位置を変化させることができる。回転角度位置とは、図2Aのθ方向の位置である。
図2Aには、ノズル3が回路基板100の上方からコーティング剤(スプレーパターン90)を吐出して吹き付けている様子を拡大して示している。
また図3Aには、ニードル16が回路基板100の上方からコーティング剤(スプレーパターン91)を吐出して吹き付けている様子を拡大して示している。
図2Aに示すように、回路基板100には、抵抗、コンデンサ、ICチップ等の各種の電子部品110,111がマウントされており、その各種電子部品110,111の高さw,vや、電子部品間のサイズk,mなども多様である。本実施の形態では、例えばこのような回路基板100に対して、X方向、Y方向、Z方向にノズル3及びニードル16が移動されながら吹きつけを行うことで、回路基板100の形状や部品配置に応じた適切な薄膜形成を可能とする。
X方向、Y方向の移動制御に関しては、例えば基板載置部10の角部(隅部)を座標上の原点aとし、この原点aを中心としてノズル3及びニードル16のXY方向の移動距離が設定される。なお、基板載置部10には、例えば2箇所にピンが設けられ、また回路基板100の2箇所に当該ピンを挿入する穴が開けられている。これらの穴をピンに挿入させるように配置することで、回路基板100の角部(隅部)が原点aとなるように回路基板100が位置決め配置される。
ノズル3の筒状先端部3aは、図2B、図2Cに示すように形成され、吐出孔3cから加圧液体のコーティング剤を吐出する。突端部3d,3dより奥まった位置に吐出孔3cが形成されていることで、吐出されるコーティング剤のスプレーパターン90は、図2Dに示すように扁平な扇状となる。図2Eには、図2Dのスプレーパターン90のa−a断面を示しているが、扇状のスプレーパターン90は、縁部近傍に、厚幅部分90aが生じ、縁部及び中央部は、厚みが比較的薄くなる。
この図2Dのようなスプレーパターン90は、a−a断面線の位置よりさらに下方にいくと、霧化状になり、コーティングに適さなくなる。霧化状のパターンで塗布したコーティング剤は塗布されない部分やピンホールが多くなり、不良品になることがある。そのため、例えばa−a断面線の位置あたりで、回路基板100の表面に達することが適切である。
図2Aでは、上述のZ方向移動によりノズル3の回路基板100の表面からの高さ位置が、距離tの状態に調整され、コーティング剤の塗布が行われている様子を示している。この場合の塗布面からの距離tは、スプレーパターン90による塗布幅が、最も効率よく塗布ができる幅hとなる高さを得る距離である。この状態でY方向に移動されることで、幅hの状態でのY方向へ帯状に進行する塗布が行われることになる。
また上述のようにノズル回転モータ6によりノズル3の回転角度位置を変化させることができる。例えば図2Aの状態から90°回転角度位置を変化させてX方向に移動させれば、幅hの状態でのX方向へ帯状に進行する塗布が行われることになる。
さらに回転角度位置により、進行させる塗布の帯の幅を調節することもできる。例えば図2Aの状態から45°回転角度位置を変化させてY方向に移動させれば、図示の幅hの半分の幅の状態でのY方向へ帯状に進行する塗布を行うことが可能になる。
図4A、図4B、図4Cには、各種回転角度位置θ1、θ2、θ3の場合に、例えばY方向側から見た場合のスプレーパターン90及び塗布領域92の塗布幅を示している。図のように、塗布幅を回転角度位置によって調整できる。
従って重ね塗り部分を考慮して塗布幅を調整したり、比較的狭い箇所にスプレーを行う場合などは、回転角度位置を調整して、進行方向からみたスプレーパターン幅を調整することで、適切な幅の塗布が可能となる。
一方、このようなノズル3の回転角度位置調整でも対応できない場合もある。例えば部品間のサイズmのように、かなり狭い箇所にスプレーを行う場合には、ノズル3からの扇状スプレーパターン90では、適切に塗布できない場合がある。また、狭い領域ではなくとも、背の高い電子部品110の近辺などでは、ノズル3の筒状先端部3aが電子部品110にぶつかってしまい、ノズル3が塗布面からの距離tの位置まで下降できないこともある。そのような場合、図3Aのように、細いニードル16によって細線状のスプレーパターン91によりコーティング剤のスプレーを行うようにする。
即ち本実施の形態のコーティング装置1は、塗布液体を扇状に吐出するノズル3と、塗布液体を細線状に吐出するニードル16を有することで、処理対象物(回路基板100等)の状態にあわせてノズル3とニードル16で分担して塗布液体を吐出し、塗布作業を実行できる。このため回路基板100の電子部品110配置などにフレキシブルに対応して適切なコーティングが可能である。
なお図1,図2,図3には示していないが、ノズル3及びニードル16に対しては、加圧液体としてのコーティング剤を吐出させるために、コーティング剤を供給する供給機構や吐出機構が設けられる。吐出機構で圧力が調節されることで、コーティング剤の吐出量やスプレーパターン幅が調整される。
コーティング剤は例えばポリオレフィン系若しくはアクリル系若しくはポリウレタン系の絶縁コーティング剤である。シンナーで希釈して液状で回路基板100に塗布した場合、10分程度乾燥させることで、回路基板100に基板遮蔽層としての薄膜が形成される。
ところで本実施の形態のコーティング装置1では、ノズル3及びニードル16はノズルホルダ4から取り外しが可能とされている。そして図3B、図3Cに示すようにダミーノズル200、ダミーニードル300に交換することができる。
ダミーノズル200、ダミーニードル300は、後述するスプレーパス(ノズルパス及びニードルパス)の設定処理の際のシミュレーションに用いるものである。
ダミーノズル200は、その先端部200aがノズル3の筒状先端部3aと略同サイズであって、弾性変形もしくは屈折可能とされている。図ではスプリングによる先端部200aがダミーノズルベース部200bに取り付けられている例を示している。当該先端部200aとしてのスプリングは、その巻径及び長さがノズル3の筒状先端部3aと略同サイズである。ダミーノズルベース部200bには、先端部200aの弾性変形もしくは屈折に応じて接触検出信号を出力するセンサ機構が内蔵されている。
またダミーニードル300は、その先端部300aがニードル16の針状先端部16aと略同サイズであって、弾性変形もしくは屈折可能とされている。図ではスプリングによる先端部300aがダミーニードルベース部300bに取り付けられている例を示している。当該先端部300aとしてのスプリングは、その巻径及び長さが針状先端部16aと略同サイズである。ダミーニードルベース部300bには、先端部300aの弾性変形もしくは屈折に応じて接触検出信号を出力するセンサ機構が内蔵されている。
ダミーノズル200、ダミーニードル300は、それぞれノズルホルダ4に取り付けられた際には、ノズル3、ニードル16の場合と同様、ノズルZモータ5,ニードルZモータ15によってZ方向に移動される。即ち図3Bのようにダミーノズル200が降下された状態や、図3Cのようにダミーニードル300が降下された状態を得ることができる。
図1に示すように本実施の形態のコーティング装置1には、作業台部2上には、光センサを構成する発光部21,受光部22や、捨て打ち部23、浸け置き部24が設けられる。
光センサを構成する発光部21と受光部22は、X方向に対向するように配置されている。発光部21は例えば半導体レーザ等により構成され、例えば直径1.5mm程度のレーザ光を出力する。このレーザ光は受光部22によって受光される。受光部22では、受光光量に応じて、検出信号を出力する。
この場合、レーザ光の光線はX方向に伸びる線状となり、例えばノズル3がY方向に移動されてレーザ光の光線を横切ると、光線がノズル3によって妨げられ、受光部22に達しない。これによって受光部22では、受光光量が低下し、光量低下状態を示す検出信号を出力することとなる。
適切な塗布幅で塗布を行うために、ノズル3からの扇状のスプレーパターン90の幅を調整することが行われる。そのために、ノズル3のからスプレーパターン90を吐出させながら、センサの光線を横切る方向性でノズル3を移動させて、スプレーパターン90の幅を測定する。測定結果に応じて、コーティング剤のスプレー圧を調整することで、スプレーパターン幅を所望の幅に調整できる。
捨て打ち部23は、いわゆる捨て打ちとしてコーティング剤を吐出する場合などに用いられる。また浸け置き部24は、ノズル3及びニードル16の先端を希釈剤に浸け置きするために設けられている。また浸け置き部24の側壁にはブラシ26を取り付けている。
本例では、揮発性の高い溶剤で希釈されたコーティング剤を用いており、これが乾燥してノズル3の吐出孔3aやニードル16の針状先端部16aの先端(吐出孔)で硬化し、吐出するスプレーパターン90、91を変化させてしまうことがある。
そこで不使用時には、希釈剤を入れた浸け置き部24にノズル3及びニードル16の先端が浸されるようにしておく。浸け置き部24には例えばシンナー系の溶剤を入れておく。これによりノズル3やニードル16の詰まりを防ぐ。
また使用前には捨て打ち部23の上方にノズル3やニードル16を位置させた状態で、捨て打ちとしての吐出を行って硬化部分を吹き飛ばしたり、ノズル3やニードル16の先端をブラシ26に接触させるようにY方向に移動させて清掃できるようにしている。これらの作業により、実際のコーティング作業時には、安定したスプレーパターンが得られるようにしている。
また本例ではノズル3のからスプレーパターン90を吐出させながら、センサの光線を横切る方向性でノズル3を移動させて、スプレーパターン90の幅を測定することが行われる。
この際に、上述の浸け置き、捨て打ち、ブラシ洗浄が行われていることで、測定の際も安定したスプレーパターン90の幅の測定ができることとなる。
また、捨て打ち部23の上方は、発光部21からのレーザ光の光線位置となる。従って、後述する測定処理としてスプレーパターン90を吐出しながらノズル3を移動させる動作は、捨て打ち部23の上方で行うことができる。つまり捨て打ち部23が測定処理の際に吐出されるスプレーパターン90の受け部としても機能する。
また捨て打ち部23には図示の様に斜面が形成されており、該斜面によって捨て打ちされたコーティング剤は一定方向に飛び散るように構成されている。この図1の場合、浸け置き部24の方向にコーティング剤91が飛び散るようにされている。このため捨て打ちの際や、測定処理の際に、むやみに作業台部2上にコーティング剤が飛散することがないようにできる。
図1に示すように作業台部2の上方には、撮像部25が取り付けられている。この撮像部25は、基板載置台10に載置された回路基板100を撮像することができる。
また例えば液晶パネル等により構成された表示部9が設けられている。表示部9には、タッチパネルが搭載されてオペレータが入力操作を行うことも可能とされる。
この表示部9には、撮像部25で撮像された画像(撮像画像)や撮像画像を加工した画像、操作アイコン、メッセージ表示、その他、ユーザインターフェースのための各種画像が表示される。
回路基板100の画像が表示されることで、オペレータは、画像上で、コーティングを行う部位を指定したり、あるいはコーティングを禁止する領域を指定したりすることも可能とされる。
<2.コーティング装置の制御構成>
図5にコーティング装置1の制御構成を示す。なおここでは特に電気系統を示し、コーティング剤の供給、加圧制御等の流体制御系についての説明は省略する。
主制御部30は、例えばマイクロコンピュータ(CPU:Central Processing Unit)により形成された演算処理装置であり、各部の動作制御を行う。
メモリ部34は、主制御部30が各種制御で用いるROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEP−ROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリ等の記憶領域を総括的に示している。
なお、このメモリ部34としては、マイクロコンピュータ内部に形成される記憶領域(レジスタ、RAM、ROM、EEP−ROM等)や、マイクロコンピュータとしてのチップ外部で外付けされるメモリチップの領域の両方をまとめて示している。つまり、いずれの記憶領域が用いられても良いため区別せずに示したものである。
メモリ部34におけるROM領域には、主制御部30としてのCPUが実行するプログラムが記憶される。
メモリ部34におけるRAM領域は、主制御部30としてのCPUが各種演算処理のためのワークメモリとして用いたり、画像データの一時的な記憶等に用いられる。
メモリ部34における不揮発性メモリ領域は、演算制御処理のための係数、定数等、必要な情報が格納される。
主制御部30は、メモリ部34に格納されるプログラムや、入力部31からのオペレータの操作入力に基づいて、或いは図示しないライン制御コンピュータ等からの指示に基づいて、必要な演算処理、制御処理を行う。
入力部31は、オペレータが操作入力を行う部位とされる。例えば上述のように表示部9にタッチパネルが形成される場合、該タッチパネルが入力部31となる。また操作キーや、リモートコントローラ等による入力部31が設けられても良い。
入力部31からの入力情報は主制御部30に供給され、主制御部30は入力情報に応じた処理を行う。
撮像部25は、主制御部30の制御に基づいて画像撮像を行う。たとえば上述のように基板載置台10に載置された回路基板100を撮像する。撮像部25による撮像画像信号(例えば静止画撮像信号)は、画像処理部32でA/D変換処理、画像調整処理、エンコード処理などが行われ、所定フォーマットの撮像画像データとして主制御部30に受け渡される。主制御部30は、撮像画像データをメモリ部34に格納する。そして主制御部30は、必要に応じて撮像画像データを読み出して画像解析処理、拡大/縮小処理、画像編集処理、或いは外部送信処理等を行うことができる。
主制御部30は、表示駆動部33に表示データを供給し、表示部9での表示を実行させる。表示駆動部33は、供給された表示データに基づいて画像信号を生成し、表示部9を駆動する。
例えば主制御部30は、撮像画像データを表示駆動部33に受け渡して、撮像画像を表示部9に表示させたり、撮像画像データを編集して表示部9に表示させたりすることができる。
外部インターフェース46は外部機器との通信やネットワーク通信を行う。主制御部30は外部インターフェース46を介して、各種情報を通信により入力したり、送信出力することができる。例えばライン上の各機器がネットワークシステム化させている場合、ホスト機器や他の機器との間で通信を行うことができる。
この通信により、外部機器から撮像画像データ等の供給を受けたり、或いはバージョンアッププログラムをロードしたり、各種処理係数、定数の変更設定を受け付けたりすることができる。また主制御部30がホスト機器に対し、エラーメッセージ、ワーニング等を送信したり、撮像画像データを送信することなども可能とされる。
また、上述のように撮像部25が回路基板100の撮像を行うことで、回路基板100の撮像画像を取り込めるが、外部インターフェース46を介してホスト機器等の外部機器から、回路基板100の撮像画像を取り込むようにすることもできる。
主制御部30はモータコントローラ35に対してノズル移動のコマンドを送信する。コマンド内容は、ノズル移動方向(X、Y、Z方向及び回転角度位置θ方向)、移動量、移動速度を指示する内容などとされる。
例えば主制御部30は、コーティング処理を開始する前に、回路基板100を撮像した撮像画像の解析、及びオペレータの操作入力による禁止エリア設定等に応じて、スプレーパス(後述するノズルパス及びニードルパス)を作成する処理を行う。実際のコーティング処理を開始した後は、作成したノズルパスに応じて、ノズル移動方向をモータコントローラ35に指示し、またニードルパスに応じて、ニードル移動方向をモータコントローラ35に指示していくこととなる。
また、後述するスプレーパス設定処理におけるシミュレーションの際にも、主制御部30は、モータコントローラ35に対してノズル3の所定の移動を指示する。
これらのノズル移動のコマンドに応じて、モータコントローラ35は、各モータドライバ(36,37,38,39,45)を駆動制御することとなる。
Xモータドライバ36は、Xモータ7に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりXモータ7が駆動され、ノズル3(ノズルホルダ4全体)がX方向の正方向又は逆方向にスライド移動される。
Yモータドライバ38は、Yモータ8に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりYモータ7が駆動され、ノズル3(X方向ガイド11全体)がY方向の正方向又は逆方向にスライド移動される。
ノズルZモータドライバ39は、ノズルZモータ5に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりノズルZモータ5が駆動され、ノズル3が垂直方向に繰り出されたり、引き上げられたりするように移動される。
ノズル回転モータドライバ38は、ノズル回転モータ6に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりノズル3の回転角度位置を変化させる回転動作が行われる。
ニードルZモータドライバ45は、ニードルZモータ15に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりニードルZモータ15が駆動され、ニードル16が垂直方向に繰り出されたり、引き上げられたりするように移動される。
モータコントローラ35は、主制御部30からのコマンドに応じて、各モータドライバ36,37,38,39,45に指示を出し、電流印加を実行させることで、各モータが連携して、作業台部2上でのノズル3及びニードル16の移動が実行される。
位置検出部51は、Xモータ7により移動されるノズル3のX方向の位置を検出する。例えば作業台部2の情報空間が、X座標、Y座標、Z座標としての三次元座標空間として管理されるとする。位置検出部51は、X方向の位置をX座標値として検知し、現在のX座標値を主制御部30に通知する。
位置検出部52は、ノズル回転モータ6により回転駆動されるノズル3の回転角度位置を検出する。そして回転角度位置を主制御部30に通知する。
位置検出部53は、Yモータ8により移動されるノズル3のY方向の位置を、Y座標値として検知し、主制御部30に通知する。
位置検出部54は、ノズルZモータ5により上下移動されるノズル3のZ方向の位置を、Z座標値として検知し、主制御部30に通知する。
位置検出部55は、ニードルZモータ15により上下移動されるニードル16のZ方向の位置を、Z座標値として検知し、主制御部30に通知する。
位置検出部51,53,54,55は、それぞれX方向ガイド11,Y方向ガイド12、ノズルホルダ4に機械的或いは光学的なセンサが設けられて位置を検出するようにしても良いし、或いはXモータ7,Yモータ8,ノズルZモータ5,ニードルZモータ15がステッピングモータの場合、位置検出部51,53,54,55は、正逆方向の駆動ステップ数をアップ/ダウンカウントするカウンタとし、そのカウント値を検出位置とするものでもよい。またXモータ7,Yモータ8,ノズルZモータ5,ニードルZモータ15に取り付けられたFG(Frequency Generator)やロータリエンコーダ等の信号を用いて、現在位置を計測するものでもよい。いずれにせよ位置検出部51,53,54,55は、ノズル3及びニードル16の現在位置としてX座標値、Y座標値、Z座標値が検出できる構成であればよく、その具体的手法は問われない。
また位置検出部52も同様に、ノズル回転位置を機械的或いは光学的に検出するセンサでもよいし、例えばノズル回転モータ6のFGやロータリエンコーダ、或いはステッピングモータの場合のステップ数のアップダウンカウンタなどとしてもよい。
従って位置検出部51,52,53,54,55は、モータコントローラ35の内部カウンタ等による構成となってもよいし、機械的或いは光学的な外部センサの情報をモータコントローラ35が取り込む形式で構成してもよい。
モータコントローラ35は、位置検出部51,52,53,54,55からの位置情報を監視しながら、主制御部30から求められたノズル駆動を実行することになる。
また主制御部30は、モータコントローラ35を介して位置検出部51,52,53,54,55による位置情報の通知を受けることで、ノズル3やニードル16の現在位置を把握でき、正確かつ無駄のないノズル移動制御、ニードル移動制御が実行できる。
なお、この場合、ノズル3の位置とニードル16の位置としてのX、Y座標値は、あくまでノズルホルダ4の位置として検出される。従って主制御部30は、ノズル3の塗布位置、ニードル16の塗布位置としてのそれぞれのX、Y座標値は、ノズルホルダ4の位置から所定量オフセットさせるように計算上求めるようにすればよい。
吐出制御部40は、主制御部30の指示に応じて、ノズル3、ニードル16からのコーティング剤の吐出の実行/停止を制御する。この図では吐出機構41として、ノズル3及びニードル16へのコーティング剤の供給及び加圧・吐出を行う機構部位として概念的に示している。
また吐出制御部40は、主制御部30の指示に応じて、吐出の際の圧力を調整することで、コーティング剤のスプレーパターン90、91の幅や量を調整することもできる。
例えば吐出機構41では、コーティング剤の吐出用の空気圧の調整に電空レギュレータを使用する。吐出制御部40は電空レギュレータを制御することで、噴射圧でコーティング剤のスプレーパターン90、91の幅を調整できる。電空レギュレータによって電気信号に比例して空気圧を無段階に制御できることで、スプレーパターン90、91の幅を無段階で変化させることができる。これにより、スプレーパターン90、91の調整、あるいは設定変更などが容易に実行できる。
センサ駆動部42は、発光部21からのレーザ発光駆動を実行させるとともに、受光部22の受光信号を検出し、検出信号を生成する。
このセンサ駆動部42は主制御部30の指示に応じてレーザ発光駆動を行い、またその際、検出信号を主制御部30に供給することになる。
先に図3B、図3Cに示したように、ノズル3、ニードル16に代えてダミーノズル200、ダミーニードル300が取り付けられる場合がある。この場合、図5に示すように、ダミーノズルベース部200b内に設けられたダミーノズルセンサ56の検出信号が主制御部30に送られる。またダミーニードルベース300b内に設けられたダミーニードルセンサ57の検出信号が主制御部30に送られる。
後述するが、これにより図10Aのように例えばダミーノズル200が電子部品110に接触していない状態や、図10Bのように電子部品110に接触して先端部200aが弾性変形もしくは屈折した状態を検知できる。
<3.実施の形態のスプレーパス設定>
以上の構成の本実施の形態のコーティング装置1は、ノズル3及びニードル16を併用することで、回路基板100に応じた精細な塗布を行うことができる。特にコーティングを効率よくかつ正確に行うために、実際の塗布作業の前には、ノズル3による塗布作業時の移動経路(ノズルパス)と、ニードル16による塗布作業時の移動経路(ニードルパス)を以下説明するように設定している。
まず図6〜図8で、スプレーパス(ノズルパス及びニードルパス)設定の概要を説明する。
図6Aはコーティング処理対象物である回路基板100を示している。この回路基板100にコーティングを行うためには、図6B、図6Cのように第1禁止エリアAR1、第2禁止エリアAR2を設定する。
第1禁止エリアAR1は、ノズル3によるスプレーパターン90の吐出を行わない領域である。但し、塗布したいが、ノズル3によっては塗布できない領域も含んでいる。
第2禁止エリアAR2は、第1禁止エリア内であって、ニードル16によるスプレーパターン91の吐出を行わない領域である。即ち第2禁止エリアAR2は、第1禁止エリアAR1に含まれているが塗布を行うべき場所を除外したエリアである。換言すれば、本来、回路基板100上で塗布を行わないとすべきエリアは、第2禁止エリアAR2として表される。例えば電子部品110、111の上面などである。
図7、図8はこのような禁止エリア設定と、その後のスプレーパス設定を、撮像画像で示している。
図7Aは、表示部9に表示される回路基板100の撮像画像である。回路基板100や電子部品110、111等が画像として表示されている。
このような画像に対し、オペレータのタッチ入力、もしくは主制御部30の画像解析により図7Bのように第1禁止エリアAR1を設定する。主制御部30はこの第1禁止エリアAR1を考慮してノズルパスを設定する。即ち第1禁止エリアAR1を避けるようにノズル3を移動させる経路を算出する。図7Cは作成したノズルパスを表示部9に表示させている状態を示している。各パスマーカPM1がノズルパスを示す。三角形のパスマーカPM1によりノズル3の移動方向が示される。また例えば各パスマーカPM1には数字が付されており、塗布時にノズル3を移動させる経路の順序が示される。
なお各パスマーカPM1によっては、ノズル3がコーティング剤を吐出しながら移動する吐出移動経路が示される。各パスマーカPM1で示されるのが、それぞれ1つの吐出移動経路となる。或る吐出移動経路から次の吐出移動経路に移動するときは、ノズル3からの吐出を継続させながら移動できる箇所もあれば、一旦コーティング剤の吐出を停止させて移動させる場合もある。例えば図7Cで「7番」のパスマーカPM1の吐出移動経路で塗布を行った後、「8番」のパスマーカPM1の吐出移動経路での塗布に移る場合、ノズル3は非吐出状態で移動される。このような非吐出状態で移動する経路(非吐出移動経路)は、パスマーカPM1によって直接的には示されないが、実質的には塗布作業時のノズル移動経路であり、ノズルパスに含まれることになる。
図8Aは、第2禁止エリアAR2を示した画像例である。第2禁止エリアAR2も、撮像画像に対してのオペレータのタッチ入力、もしくは主制御部30の画像解析により設定する。
なお図8Bには、第2禁止エリアAR2に、第1禁止エリアAR1を破線で重ねて示した。この図からわかるように、第2禁止エリアAR2は、第1禁止エリアAR1内で、塗布しないエリアを示すものとなる。
主制御部30は、図8Aの第2禁止エリアAR2を考慮してニードルパスを設定する。即ち第1禁止エリアAR1内でであって、第2禁止エリアAR2に含まれない部分をニードル16で塗布するように、ニードル16を移動させる経路を算出する。図8Cは作成したニードルパスを表示部9に表示させている状態を示している。各パスマーカPM2がニードルパスを示す。三角形のパスマーカPM2により、ニードル16の移動方向が示される。また図示していないが、例えば各パスマーカPM2に対応して数字が付されて、ニードル16を移動させる経路の順序が示される。
なお各パスマーカPM2によっては、ニードル16がコーティング剤を吐出しながら移動する吐出移動経路が示される。ニードル16の場合も、或る吐出移動経路から次の吐出移動経路に移動するときは、一旦コーティング剤の吐出を停止させて移動させる場合もある。この場合の非吐出移動経路は、パスマーカPM2によって直接的には示されないが、実質的には塗布作業時のニードル移動経路であり、ニードルパスに含まれることになる。
以上のように主制御部30は、スプレーパス設定処理で、第1禁止エリアAR1、第2禁止エリアAR2を考慮して、ノズルパスとニードルパスを設定する。
以下、スプレーパス設定処理の具体例を図9を参照して詳細に説明する。
スプレーパス設定処理が開始されると、まず主制御部30はステップS101で基板撮像、記憶、及び画像補正の処理を行う。この場合、主制御部30は、まず基板載置台10に載置された回路基板100を撮像部25に撮像させて、画像処理部32から撮像画像を取り込むことになる。撮像画像データはメモリ部34に記憶させる。そして撮像画像を補正して表示部9に表示させる。ここでの補正とは、回路基板100の撮像画像を実物と同じ大きさで表示部9に表示させるように、画像を縮小又は拡大する処理である。例えば表示部9の表示上の基板画像上で原点aからX方向に1cm仮想ノズルを移動させると、基板載置部10の実物の回路基板100上でも同様に原点aからX方向に1cm実際のノズル3が移動するように、画像と現物のサイズを合わせる。
なお、このステップS101としては、撮像部25による画像撮像ではなく、回路基板100の画像データを、外部インターフェース46を介して外部機器(例えばホストコンピュータ等)から取り込んでメモリ部34に記憶させても良い。もしくはスプレーパス設定処理開始前にあらかじめ取り込んで、メモリ部34に記憶させておいても良い。この場合の画像データは、解像度によって大きさが異なるので、現実の回路基板100の大きさと主制御部30が管理する縮尺とが一致するように画像補正を行うことになる。
次にステップS102で主制御部30は、撮像画像上でスプレーパス原点位置を設定する処理を行う。これは、ノズル3及びニードル16のX、Y方向移動の原点と、表示された画像の原点位置を一致させる処理である。例えばノズル3が撮像画像の原点aの位置に相当する位置にある場合の移動座標値(X方向ガイド11上の検出位置、及びY方向ガイド12上の検出位置)をノズル原点座標とし、ニードル16が撮像画像の原点aの位置に相当する位置にある場合の移動座標値をニードル原点座標とする。
ステップS103で主制御部30はコーティング条件設定を行う。ここでは例えば以下の(1)〜(9)のような設定を行う。
(1)ノズル3の扇状スプレーパターン90の幅や塗布厚の設定
扇状のスプレーパターン90の幅は加圧液体の加圧力やノズル3の種別によって異なる。スプレーパターン90の幅が異なれば効率の良いノズルパスも変わる。そこでノズルパス作成のために扇状スプレーパターン90の幅を設定する。また塗布厚の設定はノズル3の移動速度や、隣のすでに塗布された部分への重ね塗り量に関わる。
(2)重ね塗り量の設定
塗布幅hで塗布する際に、隣の既に塗布された部分にどれだけ重ねて塗布するかを設定する。通常は重ね塗りしないでノズルパスを設定しても、液化したコーティング剤の塗布後の僅かな拡張によって隣同士の塗布が合体し隙間のない塗布が完成する。しかし付着しない部分やピンホールを完全に防ぐための塗布作業ないし厚みのある塗布を必要とする場合は重ね塗り量を多く設定する必要がある。
(3)基板外周のり代の設定
回路基板100の端面までコーティング剤を塗布すると、コーティング剤が流れ落ちピンホールや付着しない部分を形成することがある。また、コーティング剤が流れ出して回路基板100の側面や裏面に付着すると粘着性が発生するともに厚みが変化し、後の搬送に支障をきたす恐れがある。また、無駄なコーティング剤の消費ともなる。そこで外周でコーティング剤を塗布しないのり代を設定できるようにしている。回路基板100の外周に数ミリ間隔の塗布しないのり代を設定すると、のり代の手前に塗布されたコーティング剤の表面張力によって、回路基板100上に塗装厚を保持しコーティング膜を作成することができる。この表面張力によってコーティング剤が流れ落ちることもない。
(4)基板厚み設定
基板の厚みを設定することによりノズル3及びニードル16の高さ(塗布時のZ座標値)が決まる。上述のように扇状のスプレーパターン90を吐出するノズル3は、効率よい塗布幅hで塗布することができる高さ位置が決まることになる。
(5)塗布方向の設定
効率的で短時間に塗布作業を完成させる為に、回路基板100の横方向(X方向)か縦方向(Y方向)のどちらに主にノズル3やニードル16を移動させたほうが良いかを設定する。
(6)塗布高さの設定
回路基板100上の電子部品110,111等の高さにも応じたノズル3及びニードル16の高さ位置の設定であって、扇状スプレーパターン90が霧化しないダブテイル状の部分を使って塗布するための高さ設定である。過去のデータが揃っていれば条件を入力するだけで自動的に効率よい塗布幅hに設定することができる。
(7)移動高さ設定
上述のように塗布作業時の移動経路であるスプレーパス(ノズルパス、ニードルパス)は、吐出移動経路と非吐出移動経路を含む。
非吐出移動経路においてコーティング剤の吐出を行わずに回路基板100上をノズル3及びニードル16が通過するときは、回路基板100上の電子部品110,111等の高さに考慮して移動しなくてはならない。そこでノズル3及びニードル16が電子部品等に当接して破損することがないように、移動高さ(ノズル移動高さ、及びニードル移動高さ)を設定する。
具体的には、非吐出状態で移動が行われる非吐出移動経路でのノズル3の高さ位置、及びニードル16の高さ位置を、ノズル移動高さ、及びニードル移動高さとして設定する。
ここでノズル移動高さ及び上記ニードル高さは、塗布処理対象物である回路基板100に設けられた構造物(電子部品110,111)の高さを越える高さに設定することで、非吐出移動経路において、ノズル3やニードル16が電子部品110,111に衝突することがないようにされる。
但しあまりにノズル移動高さ、及びニードル移動高さを高く設定すると、非吐出移動経路の移動の際にZ方向の移動に時間をとられ非効率になる。そこでノズル移動高さ、及びニードル移動高さ、電子部品110,111の高を越える高さを越えるが、高すぎないような高さに設定されることで、移動効率を確保する。
ノズル移動高さとニードル移動高さの設定値は、Z座標値として設定しても良いし、液体吐出時の高さからのZ方向(上昇方向)へのオフセット値として設定してもよい。
なおノズル移動高さとニードル移動高さは個別に設定してもよいし、同じ値としてもよい。同じ値とする場合は、ノズル移動高さとニードル移動高さを、非吐出移動経路での「移動高さ」としてまとめて設定してもよい。
またノズル移動高さ、及びニードル移動高さは、オペレータがZ座標値又はオフセット値を数値入力して設定しても良いし、主制御部30が自動設定してもよい。例えば主制御部30は、ステップS101で取り込んだ基板撮像画像の解析を行って、例えば電子部品等の構造物の種別を判定して、最も高い構造物に応じて自動設定をすることができる。さらには撮像画像を解析して、撮像部25からの被写体距離を算出して構造物の高さを判定することもできる。その高さに応じてノズル移動高さ、及びニードル移動高さを自動設定することも考えられる。
(8)塗布速度設定
ノズル3の選定と吐出圧の設定と塗布速度の設定によってコーティング剤の塗布厚が決定する。塗布速度を下げるとコーティング剤が厚く塗布され、ひび割れの原因になったり、あふれて禁止エリアAR1,AR2に入ってしまうことがある。塗布速度を早くするとコーティング剤が薄く塗布され、塗布されない箇所ができてしまうと共に、飛沫量が大きくなり、禁止エリアAR1,AR2に飛沫が飛んでしまうことがある。そこで適切な塗布速度を設定する。
なお、設定する塗布速度としては、ノズル3による直線方向塗布速度、θ回転角度に応じた塗布速度、斜め方向移動のための塗布速度、円弧移動のための塗布速度、ニードル16の塗布速度などがある。
(9)塗布タイミング設定
塗布方向にノズル3やニードル16が移動する際、停止した状態から加速して一定速度に達するまでの期間に吐出したコーティング剤は厚く塗布されてしまう。同様にノズル3やニードル16の速度が減速して停止するまでの間に吐出したコーティング剤も厚く塗布されてしまう。また、一定速度で移動していたノズル3やニードル16が停止するまでコーティング剤が吐出されると、慣性力によって停止位置よりも先にコーティング剤が塗布されてしまう。そこでノズル3及びニードル16の移動が一定速度に達してからコーティング剤を塗布するとともに、一定速度より減速するとコーティング剤の塗布を中止するように、塗布タイミングを設定する。
ステップS103では主制御部30は、以上の(1)〜(9)のような各種設定を、オペレータの入力、ホスト機器からの情報、或いは入力に基づいた演算などによって実行する。もちろん必要に応じて上記以外の設定も行われる。
続いてステップS104では、主制御部30は第1禁止エリアAR1の設定を行う。
上述のように回路基板100の画像が表示部9に表示されている際に、オペレータが塗布を禁止させたい領域範囲をマウスやタッチペンなどを用いて囲うなどの入力部31からの入力を行うことに応じて、主制御部30は図7Bのように禁止エリアAR1の領域を設定する。
なお、主制御部30は撮像画像を解析することで電子部品110,111の領域を判別することができる。そこで電子部品領域や、上述の設定処理で設定した塗布幅では塗布できない領域などを画像解析結果から判定し、当該箇所を第1禁止エリアAR1として自動設定するようにしてもよい。
また、自動設定した第1禁止エリアAR1を図7Bのように表示した際に、オペレータが必要に応じて修正入力を行い、それにより主制御部30は、第1禁止エリアAR1の設定を修正するようにしてもよい。
ステップS105では、主制御部30は第2禁止エリアAR2の設定を行う。この場合も、オペレータが塗布を禁止させたい領域範囲をマウスやタッチペンなどを用いて囲うなどの、入力部31からの入力を行うことに応じて、主制御部30は図8Aのように禁止エリアAR2の領域を設定してもよいし、主制御部30が画像解析により自動設定してもよい。自動設定の場合はオペレータが必要に応じて修正入力を行うことができるようにすると良い。
なお、この図9の処理例では、第1禁止エリアAR1、第2禁止エリアAR2を順次別個に設定するものとしているが、連動的に設定することもできる。
例えばオペレータが禁止させたい箇所を入力した場合、その領域を第2禁止エリアAR2に設定する。その上で主制御部30は、該第2禁止エリアAR2と、さらにノズル3では塗布できない幅の領域をまとめて第1禁止エリアAR1の設定を行う。このようにすれば、オペレータは、単純に、塗布させたくない領域の入力のみを行えばよいことになり作業性が向上する。
また、同様に画像解析の場合も、まず電子部品110,111等の領域を主制御部30は第2禁止エリアAR2として設定する。そして該第2禁止エリアAR2と、さらにノズル3では塗布できない幅の領域を検出して、これらをまとめて第1禁止エリアAR1として設定するようにしてもよい。第1禁止エリアAR1、第2禁止エリアAR2の両方を画像解析に基づいて主制御部30が自動設定するようにすれば作業の手間は軽減され、作業効率は大きく向上する。
ステップS106で主制御部30はノズルパスの作成を行う。この場合、主制御部30はステップS103で設定した各種コーティング条件や、ステップS104で設定した第1禁止エリアAR1に基づいて塗布する経路の方向や順序を演算し、第1の塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、ノズル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むノズルパスを作成する。そして図7Cに示したようにパスマーカPM1によりノズルパスを表示部9に表示させる。なお、図7CのパスマーカPM1は、全体のノズルパスを構成する1つ1つの吐出移動経路の略中央に表示される例としている。
具体的なノズルパス作成処理は、全体の経路を設定するとともに、1つのパスマーカPM1で示される1つ1つの吐出移動経路について、開始位置、終了位置、パス長、方向、ノズル回転角度(θ)、吐出時のノズル高さ(Z座標値)、移動速度などを設定する処理となる。また非吐出移動経路のノズル移動高さもノズルパスの情報に含まれる。
このようなノズルパス設定により、ノズル3の吐出移動経路の移動が第1禁止エリアAR1を含まず、また非吐出移動経路の移動が適切な高さで行われ、さらに各種コーティング条件に応じて効率良く行われるようにする。
ステップS107で主制御部30はニードルパスの作成を行う。主制御部30はステップS103で設定した各種コーティング条件や、ステップS105で設定した第2禁止エリアAR2に基づいて、第2禁止エリアAR2及びノズル3による塗布エリアを除いた領域について、ニードル3で塗布すべき経路の方向や順序を演算し、吐出移動経路と、ニードル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むニードルパスを作成する。
そして図8Cに示したようにパスマーカPM2によりニードルパスを表示部9に表示させる。図8CのパスマーカPM2は、全体のニードルパスを構成する1つ1つのパスの略中央に表示される例としている。
具体的なニードルパス作成処理は、全体の経路を設定するとともに、1つのパスマーカPM2で示される1つ1つのパスについて、開始位置、終了位置、パス長、方向、吐出時のニードル高さ(Z座標値)、移動速度などを設定する処理となる。また非吐出移動経路のニードル移動高さもニードルパスの情報に含まれる。
このようなニードルパス設定により、ニードル16の吐出移動経路の移動が第2禁止エリアAR2及びノズル3による塗布エリアを含まず、また非吐出移動経路の移動が適切な高さで行われ、さらに各種コーティング条件に応じて効率良く行われるようにする。
なお実際には、図8CのパスマーカPM2によるニードルパス表示と、図7CのパスマーカPM1によるノズルパス表示は、一画面上で同時に実行させるようにしても良いし、切り換えて個別に表示できるようにしてもよい。禁止エリアAR1,AR2の表示もまとめても良いし、切り換えられるようにしてもよい。
ここまでの処理でノズルパス及びニードルパスが作成されたわけであり、このノズルパス及びニードルパスに基づいて実際のコーティング作業が行われるようにしてもよい。
但しこの図9の例では、すぐに実際の塗布作業に移るのではなく、適切なスプレーパス設定がなされたか検証するためのシミュレーションを経て、最終的なノズルパス及びニードルパスを決定するようにしている。
コーティング作業時の実際のノズル3やニードル16の移動速度は、迅速なコーティング完了のためにかなり高速であり、またノズル3やニードル16は高精度の部品として生産されている。もし実際に移動中のノズル3やニードル16が電子部品110,111等に接触したりすると、破損、変形が起こり、交換を余儀なくされる。もちろん電子部品110,111側が破損することもある。これらのような自体は極力避けなければならない。そこでシミュレーションにより、パスの適切性を検証する。
従って図9の処理は、ノズルパス決定済みでなければステップS108→S109と進み、まずノズルパスのシミュレーションを実行することとなる。
主制御部30はステップS109のノズルパスシミュレーションとして、ステップS106で作成し、表示部9に表示させたノズルパス通りの実際のノズル移動を、モータコントローラ35に指示して実行させる。
但し、ノズルパスシミュレーション、及び後述のステップS112のニードルパスシミュレーションを実行する前には、図3B、図3Cで説明したように、ダミーノズル200、ダミーニードル300がノズルホルダ4に装着された状態としておく。例えば図9のスプレーパス設定処理の開始前に、オペレータがノズル交換をしておく。或いは、ノズル交換がされていなければ、主制御部30はシミュレーション開始前に、ノズル交換を促すようなメッセージを表示部9に表示させ、ダミーノズル200、ダミーニードル300が装着されたことが確認された後にシミュレーションを実行するようにする。なお主制御部30はダミーノズルセンサ56、ダミーニードルセンサ57との電気的な接続状態により、ダミーノズル200、ダミーニードル300の装着状態を検知可能である。
図3Bのようにダミーノズル200が装着された状態で、ダミーノズル200を実際のスプレー時のノズル3と同様に移動させる。即ちXモータ7、Yモータ8、ノズルZモータ5、及びノズル回転モータ6を駆動制御し、各パスマーカPM1で示される各パスの移動を、その設定された開始位置、終了位置、パス長、方向、ノズル回転角度(θ)、ノズル高さ、移動速度どおりに実行させる。そして主制御部30は、このシミュレーション移動の際に、ダミーノズルセンサ56の検出情報を監視している。
図10Aはダミーノズル200が塗布高さ位置とされてシミュレーション移動されている状態を示している。もし、作成したノズルパスが適切ではないと、図10Bに示すように先端部200aが電子部品110に接触したり、強く衝突することがある。主制御部30は、このような接触をダミーノズルセンサ56からの検出情報により確認する。
主制御部30は、ノズルパスシミュレーション中は、接触が検知された際のX、Y、Z座標を、パスに対応して記憶していく。
そして一連のノズルパスのシミュレーション移動が終了した時点で、接触箇所があったのであれば、主制御部30はステップS110からS106に戻り、ノズルパスの修正を行う。つまり接触箇所が生じないようにノズルパスを修正する。
またノズルパスの修正に伴って、ニードルパスの修正が必要になる場合もあるため、ステップS107でニードルパスの修正も行う。
これらの修正を経て、主制御部30は再びステップS108→S109と進み、再度ノズルパスシミュレーションを実行させる。
つまりノズルパスシミュレーションを必要に応じて修正しながら繰り返し、最終的にダミーノズル200の先端部200aが、電子部品110,111等に接触することがないノズルパスとする。
1回又は複数回のノズルパスシミュレーション結果として、接触の生じないノズルパスであることが確認されたら、ステップS110からS111に進み、その時点のノズルパスを実際に用いるノズルパスとして決定する。
なお上記説明では一連のノズルパスシミュレーション移動を完了した際に、その移動過程で接触が検出されていれば、ステップS106の修正を行うものとしたが、シミュレーション移動時に接触が検出されたら、ノズルパス移動の完了を待たずに、すぐにステップS106の修正に移るようにしてもよい。つまり1つ1つ接触箇所が見つかる毎にパスを修正するような処理としてもよい。
ノズルパスを決定したら、主制御部30はステップS112でニードルパスシミュレーションを行う。図3Cのようにダミーニードル300が装着された状態で、ダミーニードル300を実際のスプレー時のニードル16と同様に移動させる。即ちXモータ7、Yモータ8、ニードルZモータ15を駆動制御し、各パスマーカPM2で示される各パスの移動を、その設定された開始位置、終了位置、パス長、方向、ニードル高さ、移動速度どおりに実行させる。
先に述べたダミーノズル200の場合と同様、作成したニードルパスが適切ではないとダミーニードル300の先端部300aが電子部品110,111等に接触したり衝突することがある。主制御部30は、このような接触をダミーニードルセンサ57からの検出情報により確認する。主制御部30は、ニードルパスシミュレーション中は、接触が検知された際のX、Y、Z座標を、パスに対応して記憶していく。
一連のニードルパスのシミュレーション移動が終了した時点で、接触箇所があったのであれば、主制御部30はステップS113からS107に戻り、ニードルパスの修正を行う。つまり接触箇所を避けるようにニードルパスを修正する。
この修正後は、既にノズルパスは決定済みであるため、主制御部30はステップS108→S112と進み、再度ニードルパスシミュレーションを実行させる。
つまりニードルパスシミュレーションを必要に応じて修正しながら繰り返し、最終的にダミーニードル300の先端部300aが、電子部品110,111等に接触することがないニードルパスとする。
1回又は複数回のニードルパスシミュレーション結果として、接触の生じないニードルパスであることが確認されたら、ステップS113からS114に進み、その時点のニードルパスを実際に用いるニードルパスとして決定する。
なお上記説明では一連のニードルパスシミュレーション移動を完了した際に、その移動過程で接触が検出されていれば、ステップS107の修正を行うものとしたが、シミュレーション移動時に接触が検出されたら、ニードルパス移動の完了を待たずに、すぐにステップS107の修正に移るようにしてもよい。つまり1つ1つ接触箇所が見つかる毎にパスを修正するような処理としてもよい。
また、この図9の処理例では示していないが、ニードルパスの修正に伴ってノズルパスも修正できるような処理としてもよい。即ちニードルパスシミュレーションの際に接触検出があったら、ステップS106、S107で両方の修正処理を行う処理としても良いし、ニードルパスの修正後にノズルパス修正を行うようにしてもよい。
また、そのようなニードルパスシミュレーション後にノズルパス修正を行う場合、ノズルパスシミュレーションからやり直すような処理例も考えられる。つまり、ノズルパスシミュレーション、ニードルパスシミュレーションの両方で問題が無い場合に、初めてノズルパスとニードルパスの両者が決定されるような処理としても良い。
以上のスプレーパス設定処理でノズルパス、ニードルパスが決定されたら、その後、ダミーノズル200、ダミーニードル300に代えて、ノズル3、ニードル16を装着し、実際のコーティング作業に移行できることとなる。例えばオペレータがノズル3、ニードル16の取り替えを行った後、入力部31からコーティング開始を指示する。
これにより主制御部30は回路基板100に対してコーティング剤の塗布実行の制御を行う。
例えば主制御部30は、まずノズルパスに応じた移動が実行されるようにモータコントローラ35に指示するとともに、吐出制御部40に指示してノズル3からのコーティング剤の吐出を実行させる。これによりノズルパスの経路で回路基板100上に塗布が行われていく。
ノズルパスでの塗布が完了したら、続いて主制御部30は、ニードルパスに応じた移動が実行されるようにモータコントローラ35に指示するとともに、吐出制御部40に指示してニードル16からのコーティング剤の吐出を実行させる。これによりニードルパスの経路で回路基板100上に塗布が行われていく。
以上の制御により回路基板100上でのコーティング剤の塗布が完了する。
このような本実施の形態の処理によれば、ノズルパスとニードルパスをそれぞれ設定することで、それぞれで効率の良い吐出移動経路で、かつ第1,第2禁止エリアAR1,AR2を考慮した塗布を行うことができる。また非吐出移動経路についてのノズル移動高さ、ニードル移動高さが設定されていることで、非吐出移動経路の移動も効率よく、かつ電子部品110,111等に衝突しないように実行できる。
しかもシミュレーション処理により、必要に応じてパスの修正が行われ、ノズル3やニードル16が電子部品110,111等と接触することがないスプレーパスとして決定されることで、機器や回路基板100に損傷等を生じさせることのない安全なスプレー塗布動作が実行できる。
またシミュレーションにはダミーノズル200、ダミーニードル300を使用するが、その先端部200a、300aは弾性変形或いは折り曲げ可能な部材、例えばスプリング等とされている。従ってシミュレーション時に電子部品110,111等を損傷するおそれもない。
なお、先端部200aが屈折可能なダミーノズル200の例を図10C、図10Dに示した。例えば先端部200aを、ダミーノズルベース200bに軸支された棒状体とする。このような構成でも、図示のように電子部品110,111等との接触時には先端部200aが折れ曲がることで、電子部品110,111等に損傷を与えない。またダミーノズルベース200b内に設けられるダミーノズルセンサ56としては、このような折り曲げ状態を機械的、或いは光学的に検出できるようにすればよい。
もちろん、弾性変形可能な先端部200aとして、上述のスプリング以外にも、ゴム材、スポンジ材、その他の柔軟な素材を用いることが考えられる。
接触検出としては、機械的な検出や光学的な検出の他、圧電素子等の接触センサを用いることなどが考えられる。
以上の各点は、ダミーニードル300の場合も同様に変形例として考えられる。
またシミュレーションにはダミーノズル200、ダミーニードル300を使用し、実際にコーティング剤の吐出は行わないため、コーティング剤をシミュレーション時に消費することもない。特に修正しながら何度もシミュレーションを行う場合を考えると、ダミーノズル200、ダミーニードル300を使用したコーティング剤を使用しないシミュレーションは好適である。
また撮像部25を備え、主制御部30は撮像部25で撮像された回路基板100の画像を取り込む処理を行う。これにより処理対象物画像を容易に取り込むことができ、スプレーパス設定処理を効率化できる。
<4.他のニードル例>
他のニードル16の例として、図11Aに示すニードル16Aのように、先端部16Aaが屈曲されているものも考えられる。例えば先端部16Aaが90°屈曲されたニードル形状を示している。
これにより、図11Bに示すように、上方から塗布ができない部品112の側面のような場所にも塗布することが可能となる。さらに同図に示すように基板100の側面を塗布することも可能となる。
また、このように先端部を屈曲させる場合は、ニードル16Aについてもθ方向回転可能にニードル回転モータを設けるようにするとよい。すると図11Cに示すように、部品112,113,114,115の各側面を塗布することも可能である。なお同図は先端部16Aaの屈曲した部分のみを模式的に示している。まず、部品112の側面を塗布する。そして矢印d1で示すように部品113の付近に移動し、θ方向に90°回転させる。これによって先端部16Aaが部品113の側面に向くことになり、側面塗布を実行する。以降も、矢印d2移動→90°回転→部品114の側面塗布→矢印d3移動→90°回転→部品115側面塗布、と動作を進めていくことで、部品112,113,114,115に囲まれた狭い領域で各部品の側面塗布が実行できる。
また、狭い部分を通過して塗布することも可能である。その場合には、図11Dのように屈曲方向が狭路方向に合うようにθ回転方向位置を制御すればよい。
なお、図11では先端部16Aaが90°屈曲された例を示したが、垂直方向から30°、45°など、他の角度の屈曲されたニードルも想定される。例えば部品112の下部の隙間等を塗布したい場合などは、45°屈曲ニードルなどが好適となる場合もある。
<5.プログラム>
実施の形態のプログラムは、上述の図9のスプレーパス設定処理を、例えばCPU、DSP(Digital Signal Processor)等の演算処理装置に実行させるプログラムである。
即ち塗布処理対象物の画像を取り込む処理と、ノズル3の非吐出移動時の高さ位置であるノズル移動高さを設定する処理と、ニードル16の非吐出移動時の高さ位置であるニードル移動高さを設定する処理と、塗布処理対象物画像上で、ノズル3についての第1禁止エリアAR1を設定する処理と、塗布処理対象物画像上で、ニードル16についての第2禁止エリアAR2を設定する処理と、ノズル3についてのスプレーパスとして、第1禁止エリアAR1を少なくとも除いた吐出移動経路とノズル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むノズルパスを作成するする処理と、ニードル16についてのスプレーパスとして、第2禁止エリアAR2を少なくとも除いた吐出移動経路とニードル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むニードルパスを作成する処理と、を演算処理装置に実行させるプログラムである。
さらには加えて、作成したノズルパスで、ノズル移動の試行動作を実行させ、試行結果に応じてノズルパスの修正又はノズルパスの決定を行う処理と、作成したニードルパスで、ニードル移動の試行動作を実行させ、試行結果に応じてニードルパスの修正又はニードルパスの決定を行う処理とを演算処理装置に実行させるプログラムとしてもよい。
このようなプログラムは、コーティング装置1に内蔵されている記録媒体としてのメモリ部34或いは、HDD(Hard Disk Drive)等や、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROM等に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))、磁気ディスク、半導体メモリ、メモリカードなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、このようなプログラムは、リムーバブル記録媒体からパーソナルコンピュータ等にインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
またこのようなプログラムによれば、実施の形態のコーティング装置1の広範な提供に適している。
<6.変形例>
実施の形態では、ノズル3から扇状のスプレーパターンが吐出される例としたが、必ずしも扇状のスプレーパターンを吐出するノズルでなくともよい。
例えば円錐状に広がるスプレーパターンを吐出するノズルであっても本発明は適用できる。即ち、円錐状のスプレーパターンのノズルと、細線状のスプレーパターンのニードルを組み合わせたものでも、上述のスプレーパス設定処理に基づいて適切な塗布を行うことが想定される。
また実施の形態では、ノズル3とニードル16は同じノズルホルダ4に装着されて移動されるが、ニードル16とノズル3が別体のホルダに装着され、それぞれ個別にX,Y方向に移動されるようにした構成例も考えられる。
また上述のスプレーパス設定処理では、第1、第2禁止エリアAR1、AR2の上空をノズル3及びニードル16が通過しないようなパス設定をおこなうようにするとよい。さらには、塗布中、或いは塗布後、塗布開始前などのいずれの場合も、ノズル3及びニードル16が、少なくとも第2禁止エリアAR2の上空を通過しないように制御することが好ましい。ノズル3やニードル16からの液だれにより、少なくとも第2禁止エリアAR2にコーティング剤が付着してしまうことがないようできるためである。
また実施の形態のコーティング装置は、回路基板に薄膜を形成するコーティング装置に限ることなく、各種の処理対象物に対して薄膜等を形成するコーティング装置に適用できる。薄膜とは、防湿膜、防さび膜、塗装膜、着色膜など、各種の膜のコーティングに適用できる。
また本発明の液体吐出装置は、実施の形態のようなコーティング装置に限らず、膜形成、洗浄、塗装など、各種の目的で加圧液体の吐出を行う液体吐出装置、及びそのスプレーパス設定方法、もしくはそのプログラムとして、広く適用できる。
さらに本発明は、基板接着装置やレーザ加工装置などに応用することができる。
また本発明は2つのノズル(ノズルとニードル)を備えた液体吐出装置としているが、以上の発明の詳細な説明から把握される発明として、以下の(1)〜(13)の様な少なくとも1つのノズルを備えた液体吐出装置、ノズルパス設定方法、プログラムも想定される。
(1)塗布液体を吐出するノズルと、
上記ノズルを移動させる移動手段と、
塗布処理対象物に対する、上記ノズルの塗布作業時の移動経路であるノズルパスを設定するノズルパス設定処理を行うとともに、設定したノズルパスに基づいて上記移動手段により上記ノズルを移動させながら、上記塗布処理対象物に対する塗布液体の吐出を実行させる制御手段と、
を備え、
上記制御手段は、上記ノズルパス設定処理として、
塗布処理対象物画像を取り込む処理と、
上記ノズルの非吐出移動時の高さ位置であるノズル移動高さを設定する処理と、
上記塗布処理対象物画像上で塗布禁止エリアを設定する処理と、
上記塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、上記ノズル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むノズルパスを作成する処理と、
を行う液体吐出装置。
(2)上記制御手段は、上記ノズルパス設定処理においてさらに、
作成したノズルパスで、ノズル移動の試行動作を実行させ、試行結果に応じてスプレーパスの修正又はスプレーパスの決定を行う上記(1)に記載の液体吐出装置。
(3)上記ノズル移動高さは、上記塗布処理対象物に設けられた構造物の高さを越える高さに設定される上記(1)に記載の液体吐出装置。
(4)入力手段を備え、
上記制御手段は、上記塗布禁止エリアを設定する処理を、上記入力手段からの入力に基づいて行う上記(1)に記載の液体吐出装置。
(5)上記制御手段は、上記塗布禁止エリアを設定する処理を、上記塗布処理対象物画像の画像解析結果に基づいて行う上記(1)に記載の液体吐出装置。
(6)先端部が上記ノズルの先端部と略同サイズであって、弾性変形もしくは屈折可能とされ、該先端部の弾性変形もしくは屈折に応じて接触検出信号を出力するダミーノズルが、上記ノズルに取り替えて装着可能とされ、
上記制御手段は、上記ダミーノズルが装着された状態で、ノズル移動の試行動作を実行させた際の上記接触検出信号の受信に応じたノズルパスの修正を行う上記(2)に記載の液体吐出装置。
(7)撮像手段を備え、
上記制御手段は、上記撮像手段で撮像された上記塗布処理対象物画像を取り込む処理を行う上記(1)に記載の液体吐出装置。
(8)上記ノズルから捨て打ちとしての塗布液体の吐出を実行させる捨て打ち部が設けられている上記(1)に記載の液体吐出装置。
(9)上記ノズルを塗布液体の希釈剤に浸け置きする浸け置き部が設けられている上記(1)に記載の液体吐出装置。
(10)
塗布液体を吐出するノズルと、
上記ノズルを移動させる移動手段と、
を備えた液体吐出装置における、塗布処理対象物に対する、上記ノズルの塗布作業時の移動経路であるノズルパスを設定するノズルパス設定方法として、
塗布処理対象物画像を取り込む工程と、
上記ノズルの非吐出移動時の高さ位置であるノズル移動高さを設定する工程と、
上記塗布処理対象物画像上で塗布禁止エリアを設定する工程と、
上記塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、上記ノズル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むノズルパスを作成する工程と、
を有するノズルパス設定方法。
(11)作成したノズルパスで、ノズル移動の試行動作を実行させ、試行結果に応じてノズルパスの修正又はノズルパスの決定を行う工程を、さらに有する上記(10)に記載のノズルパス設定方法。
(12)塗布液体を吐出するノズルと、
上記ノズルを移動させる移動手段と、
を備えた液体吐出装置の演算処理装置に、塗布処理対象物に対する、上記ノズルの塗布作業時の移動経路であるノズルパスを設定する処理を実行させるプログラムとして、
塗布処理対象物画像を取り込む処理と、
上記ノズルの非吐出移動時の高さ位置であるノズル移動高さを設定する処理と、
上記塗布処理対象物画像上で、塗布禁止エリアを設定する処理と、
上記塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、上記ノズル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むノズルパスを作成する処理と、
を実行させるプログラム。
(13)作成したノズルパスで、ノズル移動の試行動作を実行させ、試行結果に応じてノズルパスの修正又はノズルパスの決定を行う処理をさらに上記演算処理装置に実行させる上記(12)に記載のプログラム。
1…コーティング装置
2…作業台部
3…ノズル
4…ノズルホルダ
5…ノズルZモータ
6…ノズル回転モータ
7…Xモータ
8…Yモータ
9…表示部
10…基板載置台
11…X方向ガイド
12…Y方向ガイド
15…ニードルZモータ
16…ニードル
21…発光部
22…受光部
23…捨て打ち部
24…浸け置き部
25…撮像部
26…ブラシ
27…ミラー
30…制御部
31…入力部
32…画像処理部
33…表示駆動部
34…メモリ部
35…モータコントローラ
42…センサ駆動部
46…外部インターフェース
51,52,53,54,55…位置検出部
56…ダミーノズルセンサ
57…ダミーニードルセンサ
200…ダミーノズル
300…ダミーニードル

Claims (11)

  1. 塗布液体を扇状又は円錐状に吐出するノズルと、
    塗布液体を細線状に吐出するニードルと、
    上記ノズル及び上記ニードルを移動させる移動手段と、
    塗布処理対象物に対する、上記ノズル及び上記ニードルの塗布作業時の移動経路であるスプレーパスを設定するスプレーパス設定処理を行うとともに、設定したスプレーパスに基づいて上記移動手段により上記ノズル及び上記ニードルを移動させながら、上記塗布処理対象物に対する塗布液体の吐出を実行させる制御手段と、
    を備え、
    先端部が上記ノズルの先端部と略同サイズであって、弾性変形もしくは屈折可能とされ、該先端部の弾性変形もしくは屈折に応じて接触検出信号を出力するダミーノズルが、上記ノズルに取り替えて装着可能とされ、
    上記制御手段は、
    塗布液体の吐出を実行させる際に、上記ノズル及び上記ニードルの移動が一定速度に達してから塗布液体を吐出するとともに、一定速度より減速すると塗布液体の吐出を中止する処理を行い、
    上記ダミーノズルが装着された状態で、ノズル移動の試行動作を実行させた際の上記接触検出信号の受信に応じたノズルパスの修正を行い、
    上記スプレーパス設定処理として、
    塗布処理対象物画像を取り込む処理と、
    上記ノズルの非吐出移動時の高さ位置であるノズル移動高さを設定する処理と、
    上記ニードルの非吐出移動時の高さ位置であるニードル移動高さを設定する処理と、
    上記塗布処理対象物画像上で、上記ノズルについての第1の塗布禁止エリアを設定する処理と、
    上記塗布処理対象物画像上で、上記ニードルについての第2の塗布禁止エリアを設定する処理と、
    上記ノズルについての上記スプレーパスとして、上記第1の塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、上記ノズル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むノズルパスを作成する処理と、
    上記ニードルについての上記スプレーパスとして、上記第2の塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、上記ニードル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むニードルパスを作成する処理と、
    作成したノズルパスで、ノズル移動の試行動作を実行させ、試行結果に応じてノズルパスの修正又はノズルパスの決定を行う処理と、
    作成したニードルパスで、ニードル移動の試行動作を実行させ、試行結果に応じてニードルパスの修正又はニードルパスの決定を行う処理と、を行う
    液体吐出装置。
  2. 上記ノズル移動高さ、及び上記ニードル移動高さは、上記塗布処理対象物に設けられた構造物の高さを越える高さに設定される請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 入力手段を備え、
    上記制御手段は、
    上記第1の塗布禁止エリアを設定する処理と、上記第2の塗布禁止エリアを設定する処理の一方又は両方を、上記入力手段からの入力に基づいて行う請求項1に記載の液体吐出装置。
  4. 上記制御手段は、
    上記第1の塗布禁止エリアを設定する処理と、上記第2の塗布禁止エリアを設定する処理の一方又は両方を、上記塗布処理対象物画像の画像解析結果に基づいて行う請求項1に記載の液体吐出装置。
  5. 先端部が上記ニードルの先端部と略同サイズであって、弾性変形もしくは屈折可能とされ、該先端部の弾性変形もしくは屈折に応じて接触検出信号を出力するダミーニードルが、上記ニードルに取り替えて装着可能とされ、
    上記制御手段は、上記ダミーニードルが装着された状態で、ニードル移動の試行動作を実行させた際の、上記接触検出信号の受信に応じたニードルパスの修正を行う請求項1に記載の液体吐出装置。
  6. 撮像手段を備え、
    上記制御手段は、上記撮像手段で撮像された上記塗布処理対象物画像を取り込む処理を行う請求項1に記載の液体吐出装置。
  7. 上記ノズル又は上記ニードルから捨て打ちとしての塗布液体の吐出を実行させる捨て打ち部が設けられている請求項1に記載の液体吐出装置。
  8. 上記ノズル又は上記ニードルを塗布液体の希釈剤に浸け置きする浸け置き部が設けられている請求項1に記載の液体吐出装置。
  9. 上記ニードルは、先端部が屈曲されている請求項1に記載の液体吐出装置。
  10. 塗布液体を扇状又は円錐状に吐出するノズルと、
    塗布液体を細線状に吐出するニードルと、
    上記ノズル及び上記ニードルを移動させる移動手段と、
    を備え、先端部が上記ノズルの先端部と略同サイズであって、弾性変形もしくは屈折可能とされ、該先端部の弾性変形もしくは屈折に応じて接触検出信号を出力するダミーノズルが、上記ノズルに取り替えて装着可能とされ、塗布液体の吐出を実行させる際に、上記ノズル及び上記ニードルの移動が一定速度に達してから塗布液体を吐出するとともに、一定速度より減速すると塗布液体の吐出を中止する処理を行い、上記ダミーノズルが装着された状態で、ノズル移動の試行動作を実行させた際の上記接触検出信号の受信に応じたノズルパスの修正を行う液体吐出装置における、塗布処理対象物に対する、上記ノズル及び上記ニードルの塗布作業時の移動経路であるスプレーパスを設定するスプレーパス設定方法として、
    塗布処理対象物画像を取り込む工程と、
    上記ノズルの非吐出移動時の高さ位置であるノズル移動高さを設定する工程と、
    上記ニードルの非吐出移動時の高さ位置であるニードル移動高さを設定する工程と、
    上記塗布処理対象物画像上で、上記ノズルについての第1の塗布禁止エリアを設定する工程と、
    上記塗布処理対象物画像上で、上記ニードルについての第2の塗布禁止エリアを設定する工程と、
    上記ノズルについての上記スプレーパスとして、上記第1の塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、上記ノズル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むノズルパスを作成する工程と、
    上記ニードルについての上記スプレーパスとして、上記第2の塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、上記ニードル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むニードルパスを作成する工程と、
    作成したノズルパスで、ノズル移動の試行動作を実行させ、試行結果に応じてノズルパスの修正又はノズルパスの決定を行う工程と、
    作成したニードルパスで、ニードル移動の試行動作を実行させ、試行結果に応じてニードルパスの修正又はニードルパスの決定を行う工程と、
    を有するスプレーパス設定方法。
  11. 塗布液体を扇状又は円錐状に吐出するノズルと、
    塗布液体を細線状に吐出するニードルと、
    上記ノズル及び上記ニードルを移動させる移動手段と、
    を備え、先端部が上記ノズルの先端部と略同サイズであって、弾性変形もしくは屈折可能とされ、該先端部の弾性変形もしくは屈折に応じて接触検出信号を出力するダミーノズルが、上記ノズルに取り替えて装着可能とされ、塗布液体の吐出を実行させる際に、上記ノズル及び上記ニードルの移動が一定速度に達してから塗布液体を吐出するとともに、一定速度より減速すると塗布液体の吐出を中止する処理を行い、上記ダミーノズルが装着された状態で、ノズル移動の試行動作を実行させた際の上記接触検出信号の受信に応じたノズルパスの修正を行う液体吐出装置の演算処理装置に、塗布処理対象物に対する、上記ノズル及び上記ニードルの塗布作業時の移動経路であるスプレーパスを設定する処理を実行させるプログラムとして、
    塗布処理対象物画像を取り込む処理と、
    上記ノズルの非吐出移動時の高さ位置であるノズル移動高さを設定する処理と、
    上記ニードルの非吐出移動時の高さ位置であるニードル移動高さを設定する処理と、
    上記塗布処理対象物画像上で、上記ノズルについての第1の塗布禁止エリアを設定する処理と、
    上記塗布処理対象物画像上で、上記ニードルについての第2の塗布禁止エリアを設定する処理と、
    上記ノズルについての上記スプレーパスとして、上記第1の塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、上記ノズル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むノズルパスを作成する処理と、
    上記ニードルについての上記スプレーパスとして、上記第2の塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、上記ニードル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むニードルパスを作成する処理と、
    作成したノズルパスで、ノズル移動の試行動作を実行させ、試行結果に応じてノズルパスの修正又はノズルパスの決定を行う処理と、
    作成したニードルパスで、ニードル移動の試行動作を実行させ、試行結果に応じてニードルパスの修正又はニードルパスの決定を行う処理と、を実行させる
    プログラム。
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